JP4141122B2 - インフレータブル構造及びインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ及びインフレータブル構造の展開方法 - Google Patents

インフレータブル構造及びインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ及びインフレータブル構造の展開方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、宇宙空間に配置される物体の支持や補強を行うインフレータブル構造及びインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ及びインフレータブル構造の展開方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インフレータブル構造は、宇宙空間に配置される物体(例えばアンテナなど)の支持や補強を行うことを目的とするものである。そして、このインフレータブル構造は、近年、研究開発がなされ、また、実用化が図られている。
【0003】
インフレータブル構造は、密閉された袋状の部材で構成される。そして、この袋状の部材が折り畳まれた状態で、その内部にガス等が充填されることによって、その内圧により、チューブ状あるいはバルーン状等の所望の形状に再現されるというものである。
【0004】
チューブ状のインフレータブル構造の場合には、それ自体が支柱やトラス構造などのユニット部材となることもある。また、角環や円環状のリングチューブとして構成し、その内側にアンテナ素子を実装した膜面を展張する、アンテナを支持するための構造とすることもできる。
【0005】
一方、バルーン状のインフレータブル構造の場合には、それ自体が反射面となる、反射鏡アンテナの一部として機能することもできる。
【0006】
このようなインフレータブル構造の具体的な一例を、図17を参照して説明する。図17は、宇宙空間に配置するアンテナをインフレータブル構造によって支持した状態を示す斜視図である。
【0007】
図17に示すように、アンテナ100は、概略、インフレータブル構造101と、インフレータブル構造101によって支持された平面アンテナ102と、インフレータブル構造101によって平面アンテナ102を支持するための複数の展張ケーブル103と、から構成されている。
【0008】
平面アンテナ102は、アンテナ素子を実装した円盤状の膜面から構成されている。そして、インフレータブル構造101は、リングチューブ形状であり、平面アンテナ102を取り囲むように配置される。
【0009】
そして、インフレータブル構造101が展開されると、平面アンテナ102は、複数の展張ケーブル103により展張される。これにより、平面アンテナ102は平面方向の異なる方向にそれぞれ引っ張られることで、平面形状を維持するようにインフレータブル構造101に支持される。
【0010】
このような平面構造ではなく、反射鏡を再現する場合には、内部に展張するレンズ状の反射鏡も、インフレータブル構造で構成する。
【0011】
このようなアンテナ100を衛星軌道などの宇宙空間に配置する手順について説明する。
【0012】
まず、平面アンテナ102と共にインフレータブル構造101を、巻いた状態あるいは折り畳んだ状態で、ロケットのフェアリング内に格納する。
【0013】
そして、ロケットを打ち上げて、アンテナ100を衛星軌道上に載せる。その状態で、インフレータブル構造101にガスや発泡ウレタンなどを充填することで、インフレータブル構造101をリングチューブ形状に展開(再現)する。
【0014】
これにより、巻かれた状態、あるいは、折り畳まれた状態の平面アンテナ102を展開し、展張ケーブル103によって、平面アンテナ102の膜面周縁を均一に引っ張って歪のない平面に展張する。
【0015】
このようなインフレータブル構造を用いれば、宇宙空間に配置するアンテナなどの大型な構造物についても、ロケットにより打ち上げる際には、折り畳んだりすることによって容積を小さくすることができる。
【0016】
これらの構造上の特性は、限られた、ロケットの打ち上げ質量(ペイロード)及びフェアリング格納容積のもとで、衛星軌道に機材を配置する上で有効である。また、衛星軌道上に配置する人工衛星の各構造を軽量化し、打ち上げコストを低減する上で有効である。このため、インフレータブル構造は、衛星に搭載するアンテナなどに好適な構造として、広く応用が検討されている。
【0017】
ここで、衛星軌道などの宇宙空間に配置する構造物については、近年、宇宙開発の進展に伴い大型化の要求が高まっている。
【0018】
例えば、上記アンテナの場合には、低軌道の衛星に直接固定して搭載する比較的小型のアンテナから、静止衛星軌道の衛星に搭載するアンテナのようにエリア利得を大きくするために開口径を大きくすることが求められるようになっている。
【0019】
また、用途面でも、高速データ通信,電波観測衛星,リモートセンシング用合成開口レーダーやソーラアレー実装用などの多くの用途に実用化が図られるようになっている。
【0020】
これらを実用化するには、アンテナや反射鏡などの構造物の大型化が必要である。また、アンテナの場合には、更にエリア利得,サイドローブレベルや指向性などの電気的性能の向上が求められ、一層の高精度化が欠かせないものとなっている。
【0021】
このような要求を満たすため、インフレータブル構造を採用した平面アンテナなどでは、現在開発中のものでも一辺のサイズが10mを超えるものとなり、また、一辺のサイズが数十mに及ぶものも計画されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0023】
上述のように、宇宙に配置する構造物の大型化の要求がある一方、打ち上げロケットのペイロードや格納するフェアリングの容積などの制約から、軽量化と格納性の向上(格納時のコンパクト化)の要求がある。
【0024】
従って、宇宙空間に配置する構造物の大型化と、その構造物の軽量化及び格納時のコンパクト化という相反する特性を満たす必要がある。これらの要求を同時に満たすには、技術的に困難を伴う。
【0025】
ここで、軽量化の要求に応えるには、高強度かつ高弾性率の材料を用いた構造として、比強度と比弾性率を高めなければならない。
【0026】
一方、構造を大型化すると、構造物全体として可撓性が増すこととなり、このことは同時に構造上や製造工程のわずかな条件の差によって構造物に歪や変形を生じることとなる。
【0027】
さらに、これらの宇宙構造物は、構造上及びその環境に対して高い信頼性が要求される。チューブ状等のインフレータブル構造を構成する袋状の膜を、フィルム単体で構成する場合には、軽量で簡単な構造にできる利点がある。しかし、構造の精度を維持するためには、常にインフレータブル構造の内部のガス圧を制御しなければならない。
【0028】
また、その膜構造が、宇宙のごみとも云われるスペースデブリ等により損傷してガス圧が抜けるとその構造を維持できなくなる恐れがある。
【0029】
このため、これらのフィルムに硬化性の樹脂を積層したり、更に強化繊維を積層したりすることにより、膜構造を硬化することが行われている。しかし、これらの補強策は、その質量を増す原因となってしまうため、軽量かつ信頼性の高い構造が望まれる。
【0030】
このような多様な要求に応える構造としては、例えば、次のようなものが提案されている。
【0031】
その一つは、硬化層として、アラミド繊維などの織物構造に気密性を持たせたものを使用して強化することである。また、他の例は、気密性のフィルムにアラミド繊維などの織物を積層して繊維強化構造(FRP)を採用することである。
【0032】
ここで、強度を高めるための硬化層は、強化繊維の織物を複数枚積層している。しかし、このような積層した構造では、強度や剛性を大きくできても、重くなることは避けられない。また、ロケットのフェアリング内に収納するために小さく折り畳む構造としては、好ましくない。
【0033】
さらに、これらの強化繊維の織物には、織り構造に固有の異方性がある。従って、インフレータブル構造にその影響が現れることは避けられない。
【0034】
図18を参照して、このような繊維強化複合材料として典型的な強化繊維の二軸織物について説明する。図18は二軸織物の平面図である。
【0035】
この二軸織物101aは、縦横二軸に沿って強化繊維束101y、101xが交互に組み合わされた織り構造からなる。従って、構造上異方性がある。
【0036】
これをインフレータブル構造の硬化層として用いると、構造体にこれらの異方性に由来する歪や変形が現れる。特に構造体が大型化すると、それに伴う可撓性のためにその影響が一層大きくなり、高精度が維持できない。
【0037】
このため、これらの二軸繊維織物を積層して異方性を打ち消す必要が生じる場合があるが、必要な強度を出すために複数積層すると、質量が増して、本来の目的である軽量化を達成することが困難となる場合がある。
【0038】
また、上述のように、打ち上げ時には、フェアリングに格納するために、小さく巻いたり、折り畳んだりする必要があるが、強化繊維の織物を厚く積層した構造では、これらの格納性が劣ることは避けられない。
【0039】
他方、これらに対処するために、高弾性率かつ高強度の強化繊維を用いて、織り密度を低くすると、織り構造がゆるくなってしまい、剛性が低下してしまう。また、フェアリング格納時に小さく巻いたり、折り畳んだりした際に、織り構造にズレを生じる原因となって、構造上の精度が低下し、宇宙で展開したときに本来の精度を再現できない。
【0040】
また、高弾性率かつ高強度の強化繊維を採用して、二軸織物の積層数を低減した場合には、二軸織物の織り構造の異方性が強く表れるため好ましくない。
【0041】
本発明の目的は、軽量かつ高精度を実現し、大型化の要求にも適応できるインフレータブル構造を提供することにある。
【0042】
また、本発明の目的は、軽量かつ高精度を実現し、大型化の要求にも適応できるインフレータブル構造を備えたアレーアンテナを提供することにある。
【0043】
また、本発明の目的は、再現性に優れたインフレータブル構造の展開方法を提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のインフレータブル構造にあっては、内部に気密空間を形成する気密層と、該気密層の外側に設けられ、強化繊維の三軸織物で形成される硬化層と、を有する多層構造の膜を備えることを特徴とする。
【0045】
従って、硬化層は、強化繊維の三軸織物で形成されるため、硬化層の軽量化及び精度向上を容易に実現できる。これは、三軸織物はその構造上、擬似等方性を有するため、異方性を解消するために積層する必要がないからである。また、これにより織り密度を低くする必要もないからである。
【0046】
前記硬化層のマトリックス樹脂として、ロングライフのプリプレグ用樹脂を用いるとよい。
【0047】
ここで、ロングライフのプリプレグ用樹脂とは、常温環境のもとで、硬化しない樹脂を意味する。
【0048】
このように硬化層のマトリックス樹脂として、ロングライフのプリプレグ用樹脂を用いれば、温度管理の負担が減る。
【0049】
前記多重構造の膜は、前記硬化層の外側に、該硬化層を保護する保護層を有するとよい。
【0050】
これにより、一層の強度向上を図ることができる。
【0051】
インフレータブル構造展開時において、前記気密層の拡張方向への変形率が、前記保護層の拡張方向への変形率よりも大きいとよい。
【0052】
これにより、インフレータブル構造展開時に、硬化層が気密層と保護層に挟まれて密着度が高まる。
【0053】
前記保護層に、脱ガス孔を設けるとよい。
【0054】
これにより、硬化層に含まれるガスが抜けるため、硬化層と保護層の密着度が高まる。
【0055】
円筒状に形成された複数の前記多層構造の膜と、
これら複数の多層構造の膜を連結する、リング状の剛性接続部材と、を備えるとよい。
【0056】
これにより、インフレータブル構造の成形がしやすくなる。
【0057】
インフレータブル構造の格納時においては、前記剛性接続部材が前記多層構造の膜を収納する収納部として機能するとよい。
【0058】
これにより、多層構造の膜を効果的に保護できる。
【0059】
インフレータブル構造の格納時においては、前記剛性接続部材同士を連結可能に構成するとよい。
【0060】
これにより、格納時の剛性を高めることができる。
【0061】
また、本発明のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナにあっては、
上記のインフレータブル構造と、
該インフレータブル構造の展開によって、平面状に展張される複数の膜状部材と、
前記複数の膜状部材のいずれかに形成される、放射素子となる複数の不織布,グランド面となる導電膜及び前記不織布に給電を行うマイクロストリップ線路と、を備える、インフレータブル構造を備えたアレーアンテナであって、
前記膜状部材は、三軸織物で構成されていることを特徴とする。
【0062】
本発明の構成によれば、膜状部材は、強化繊維の三軸織物で形成されるため、膜状部材の軽量化及び精度向上を容易に実現できる。
【0063】
平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材の2つの膜状部材を有し、
第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
第2膜状部材の内側の面に、前記導電膜が形成され、
第2膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されるとよい。
【0064】
各々順次平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材と第3膜状部材の3つの膜状部材を有し、
第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
第2膜状部材の前記第1膜状部材に対向する面に、前記導電膜が形成され、
第3膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されるとよい。
【0065】
平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材の2つの膜状部材を有し、
第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
第2膜状部材の内側の面に、前記導電膜が形成され、
第1膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されるとよい。
【0066】
前記インフレータブル構造の展開時に、前記膜状部材を平面方向の異なる位置に各々引っ張ることで、該膜状部材を平面状に展張する複数の線状部材を、各膜状部材に対してそれぞれ組となるように設けると共に、
各組の複数の線状部材に対してスライド可能に設けられ、該複数の線状部材を結束しつつ、前記インフレータブル構造が展開されていない状態では、各線状部材同士の間隔に自由度を持たせ、かつ、前記インフレータブル構造が展開された状態では、各線状部材同士の間隔の位置決めを行う結束部材と、
各線状部材に対して各々予め設定された位置に固定され、前記インフレータブル構造が展開された状態では、前記結束部材のスライド方向の位置規制を行い、各線状部材同士の平面方向の位置決めを行う複数のストッパと、を設けるとよい。
【0067】
これにより、インフレータブル構造が展開されていない状態では、各線状部材同士の間隔に自由度があることから、膜状部材の折り畳みに支障を来たさずに折り畳むことができる。一方、インフレータブル構造が展開された状態では、複数の膜状部材の高さ方向及び平面方向の位置決めがなされるので、アンテナとしての機能を維持できる。
【0068】
また、本発明のインフレータブル構造の展開方法にあっては、
内部に気密空間を形成する気密層と、該気密層の外側に設けられ、強化繊維の三軸織物で形成される硬化層と、を有する多層構造で構成された、円筒形状の膜を備えるインフレータブル構造の展開方法であって、
前記円筒形状の膜のうち、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにすると共に、軸方向に隣り合う谷線同士が円筒軸を通る点で交互に直交するように、予め該円筒形状の膜を折り畳んでおき、
折り畳まれた膜の気密層の内部にガスを充填して、膜を円筒形状にする工程と、
膜を円筒形状にした状態で、前記硬化層を硬化させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0069】
本発明の構成によれば、軸方向に隣り合う谷線同士が交互に直交する交点が、円筒軸部分に相当するため、円筒軸部分にガスの流路が確保され、ガス充填時に即座に全体にガスを行き渡らせることができる。また、折り畳みの際にできる山線と谷線以外に予測できない皺等がないため、インフレータブル構造を展開した際の再現性に優れる。更に、折り畳み時の形状自体が円筒軸方向に伸びるばね性を有する形状であることから、インフレータブル構造の展開時の展開性に優れる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0071】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造について説明する。
【0072】
図1は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の一部を示しており、説明のために一部を破断した状態を示している。なお、図1に示すインフレータブル構造の一部は、円筒形状であり、例えば、リングチューブ状のインフレータブル構造の一部として用いられるものである。
【0073】
本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造は、内部にガスが密閉されるような袋状の膜で構成されるものである。ただし、図1では、その一部のみを図示したものであるので、袋状にはなっていない。
【0074】
そして、本実施の形態では、袋状の膜は、複数の層で構成された多層構造で構成されている。
【0075】
すなわち、多層構造で構成されたインフレータブル構造10の膜は、内部に気密空間を形成する気密層11と、その外側に設けられる硬化層12と、更にその外側に設けられる保護層13と、を備える。ただし、使用環境等に応じて、保護層13を設けない構成とすることもできる。
【0076】
このような構成により、インフレータブル構造は、ロケットのフェアリング内に折り畳んだ状態で収納しておき、ロケットを打ち上げた後に、宇宙空間で展開して、元の形状に再現する。
【0077】
この展開は、気密層11の内部空間にガスを充填して、気密層11を膨張させることにより行う。この場合、例えば、バルブに結合されたインフレーションシステム及びフレキシブルパイプ等を用いてガスの充填を行う。
【0078】
そして、本実施の形態では、硬化層12は強化繊維の三軸織物で構成されている。図2を参照して、三軸織物について説明する。図3は三軸織物の平面図であり、硬化層12の母材として適用されるものである。
【0079】
三軸織物の織り構造は、相互に60度の等しい交差角度で強化繊維束12x,12y,12zが組み合わされて織り込まれている。
【0080】
この構造により、強化繊維の高弾性率を発揮できるのみでなく、平面に沿う機械的な特性が均等な擬似等方性となる。従って、三軸織物を構造物に適用した場合には、二軸織物の場合のように、織り構造に起因する歪や変形は生じない。
【0081】
更に、図から明らかなように、緩み無く組み合わされた、この織り構造は、硬化層12の剛性を高めることができる。
【0082】
従って、織り密度の小さい織物構造で、大きな剛性を実現できる。これにより、大型化した構造物に必要な剛性を得ることができ、さらに大型化に伴う歪や変形を抑制した高精度の構造物を構築できる。
【0083】
さらに、硬化層12に用いる三軸織物は、その織り構造から三軸の各強化繊維束が緩まないように隙間無く組み合わされた構造とする。これにより、フェアリング格納時に小さく巻いたり、折り畳んだりする際に、織り構造にズレが生じる事を防止できる。従って、フェアリング内に、容易に格納できると共に宇宙空間で展開した状態で、高い精度で元に形に再現することができる。
【0084】
特に硬化層として、低織密度三軸織物を用いることにより、その特性が発揮され、三次元曲面追従性に優れると共に、軽量且つ高剛性の構造を得ることができる。
【0085】
また、硬化層12を構成する三軸織物のマトリックス樹脂として、ロングライフのプリプレグ用樹脂が含浸されたものを用いると好適である。
【0086】
この点について、説明する。
【0087】
通常、インフレータブル構造を宇宙構造に適用しようとすると、インフレータブル構造の加工,組み立て,試験といった打ち上げまでの工程に、各種機器の加工等や試験調整等のスケジュール調整を合わせて少なくとも6ヶ月程度は必要である。
【0088】
この場合に、通常のFRP用プリプレグでは常温での使用時間に制約があり、温度管理が必要になるなど作業性が著しく悪くなる。
【0089】
これに対して、硬化層12のマトリックス樹脂として、常温環境のもとでは硬化しない樹脂である、ロングライフのプリプレグ用樹脂を用いれば、長期間に亘って安定した特性を維持することができるため、上記の作業性を向上させることができると共に、宇宙での信頼性も向上できる。
【0090】
このように、宇宙インフレータブル構造は、地上で組み立て後ロケットに搭載し、宇宙空間で展開するまで小さく格納した状態に置かれるが、硬化層12として、三軸織物と含浸用ロングライフ樹脂(各種硬化型三軸織物プリプレグ)を用いることにより、長期間安定した状態で保持することができる。
【0091】
また、硬化層12は、インフレータブル構造が展開した後に硬化されるように構成されるもので、未硬化樹脂が含浸された樹脂で構成されている。
【0092】
未硬化樹脂としては、各種硬化方法に対応したものを適用できる。例えば、熱,圧力,紫外線,反応性ガス,電気によって硬化するものを適用できる。
【0093】
また、気密層11と保護層13の素材に関して、インフレータブル構造展開時において、気密層11の拡張方向への変形率が、保護層13の拡張方向への変形率よりも大きくなるようにすると好適である。
【0094】
このようにすれば、インフレータブル構造展開によって、内部側の気密層11の変形率が大きいために、硬化層12は外部側に加圧される。一方、外部側の保護層13は変形率が小さいために、保護層13も硬化層12を介して硬化層12に加圧されることになる。
【0095】
これにより、硬化層12は、気密層11と保護層13により挟まれた状態で加圧され、各層に対しての密着度が高まる。従って、各層が一体化して、より一層硬化するため、硬化後の弾性率が向上して、寸法安定性を更に高めることが可能となる。
【0096】
上記のような変形率に差異を持たせるための、より具体的な構成の例について説明する。
【0097】
その一つの例としては、気密層11と保護層13を、それぞれ伸度の異なるフィルムで構成することが挙げられる。
【0098】
つまり、気密層11を高伸度フィルムとし、保護層13を低伸度フィルムとして、これらのフィルムで、硬化層12となる三軸織物プリプレグをサンドイッチする。このようにすれば、インフレーション時(展開時)に、硬度の高い低伸度フィルム(保護層13)に向けて、内層の高伸度フィルム(気密層11)から硬化層12を加圧することにより、各層の密着度を高めることができる。
【0099】
また、他の例としては、気密層11と保護層13を、それぞれ膜厚の異なるフィルムで構成することが挙げられる。
【0100】
つまり、上記の例では、硬化層12を挟むフィルムは、硬化層12の外側のフィルムが内側のフィルムよりも引張弾性率が高く、内側からのフィルムの膨張に対して、外側のフィルムが抵抗することにより加圧効果を発揮するものである。
【0101】
従って、要は同様の加圧効果を発揮すれば良いので、これらのフィルムの引張弾性率の仕様を変えなくとも、これらのフィルムの厚さを変えて、変形率に差異を持たせて、加圧効果を実現できる。
【0102】
すなわち、内層の気密層11の膜厚を薄く、外層の保護層13の膜厚を厚くすることで、展開時において、膜厚の薄い気密層11の変形率を、膜厚の厚い保護層13の変形率よりも大きくすることで、上記と同様の加圧効果を実現できる。
【0103】
このように各層の密着度を高める理由について、更に詳しく説明する。
【0104】
三軸織物の間やマトリックス樹脂には空隙があるため、密着度を維持することは困難である。また、硬化層12を加熱により硬化させる構成の場合には、加熱硬化に伴って発生する気化性物質などが真空の宇宙空間では膨張して硬化層12と気密層11などの層間の密着性を損なう原因となる。
【0105】
従って、上記のような構成によって、これらの各層の密着度を高めるようにすることで、層間に隙間のない一体化した構造として、膜の硬度を高めることができる。
【0106】
このような各層の密着度を高める他の構成について説明する。
【0107】
硬化層12の外層となる保護層13に脱ガス孔を設けた構成とすれば、密着度を高めることができる。
【0108】
その理由は、上述のように、加熱硬化に伴って発生する気化性物質などが真空の宇宙空間では膨張して硬化層12と気密層11などの層間に溜まってしまうため、これを脱ガス孔から排出することで、層間をなくすことができるからである。
【0109】
従って、上述した変形率の差異により密着度を高める構成と、脱ガス孔を設ける構成を組み合わせれば、より一層効果的に各層の密着度を高めることができる。これにより、より一層構造を強化するとともに信頼性を向上することができる。
【0110】
ここで、大型のインフレータブル構造の場合には、複数のユニットを接続して構成することができる。例えば、リングチューブの場合には、円筒状のチューブを複数接続してリングチューブとすることができる。
【0111】
このような場合において、チューブの接続部(ジョイント部)に強化リングを用いると好適である。強化リングの好適な例としては、PBO繊維,アラミド繊維,炭素繊維,ガラス繊維等の強化繊維を用いたFRPリングが挙げられる。
【0112】
このように、インフレータブル構造のジョイント部に強化リングを用いると成形もしやすくなり、FRPリングの加工精度を高く維持することができる。従って、インフレータブル構造により膜面を展張する必要がある場合、強化リングを用いることで、インターフェース接続点の寸法および位置精度が出しやすく、効率良く安定性を増すことができる。
【0113】
なお、強化リングの素材に三軸織物を用いれば、薄く軽くすることができるので、フレキシブルでありながら保形性に優れる強化リングが得られる。
【0114】
さらに、これらの強化リング構造の適用によって、平面アンテナなどの膜構造を展張して張力を付与するためのスプリング等を、強化リングの内部に組込むこともできる。従って、ロケット打ち上げ時にスプリング等を保護することが可能となる。
【0115】
更に、強化リング構造の適用によって、構造物の組立上のハードポイントを提供することができる。
【0116】
ただし、これらインフレータブル構造のジョイント手段は、リング構造に限らず、インフレータブル構造によって構築する構造物の形状や形態によって任意の形状・構造とすることができる。
【0117】
そのような場合でも、同様に可撓性はあるもののインフレータブル構造に対して十分な剛性を保ってハードポイントとして機能させて、構造物の寸法及び位置精度を向上することができる。
【0118】
また、これらの構成においてジョイント部に用いたFRPリング等の強化リングは、弾力性と可撓性を有しており、ロケットのフェアリング格納時に弾性的に変形して容易に格納することができる。また、強化リングの内部空間を、所定の形態で確保できるので、ガスを抜いて折り畳まれたリングチューブ等をその内部空間に収納することができる。
【0119】
ここで、本実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する多層構造で構成された膜は、ガスを抜いて折り畳む際に、格別の折り癖をつけたり、規則的に折り畳む措置をしたりしなくても、その擬似等方性の性質により、非常にフレキシブルで、また、非常に優れた再現性(元の形に戻りやすい性質)を有している。
【0120】
従って、上述のように強化リングを使用する場合には、多層構造で構成された膜を、そのままFRPリング内に収納することができる。
【0121】
また、強化リングを収納容器としても機能させる場合には、インフレータブル構造の多層構造で構成された膜を効果的に保護することができる。さらに、強化リング同士を連結して固定することにより、格納時の剛性を高めてロケット打ち上げの際の厳しい振動環境に効果的に対応することができる。
【0122】
以上のように、本実施の形態に係るインフレータブル構造においては、以下のような作用効果が発揮され、宇宙開発を始めとする多くの用途においてその特性を発揮することにより、産業の発展に寄与することができる。
【0123】
(1)多層構造で構成された膜の硬化層に、低織密度三軸織物複合材料を用いることにより、軽量かつ寸法安定性、耐久性に優れた構造が得られる。
【0124】
(2)インフレータブル構造をロケットフェアリングに納めるときの収納性に優れる。
【0125】
(3)宇宙空間におけるインフレータブル構造の展開性に優れ、折り畳み時の材料損傷も少なく、展開後の強度発現率が高い。
【0126】
(4)硬化層のベーシック組織の三軸織物は六角形の開孔部を有する骨格構造なので、スペースデブリなどによる損傷被害確率を小さくできる。
【0127】
(5)硬化層に三軸織物を用いることにより、擬似等方性で保形性に優れると同時に適度な弾力性を持つため、膜状構造物の支持構造に適している。
【0128】
(6)リング構造の3次元曲面への追従性が良く、継ぎ目が少なくて済む。
【0129】
(7)常温でも長期間にわたって未硬化状態を安定して維持できるロングライフのプリプレグ用樹脂を用いることで、地上での保管性が良い。
【0130】
(8)加熱硬化時において硬化層を挟んで圧力を加えることにより、硬化後の複合材料物性がより安定する。
【0131】
(9)FRPリング等の剛性接続部材をインフレータブル構造のジョイント部に使用することにより、ハードポイントとして機能し、構造物の寸法・位置精度を向上することができる。
【0132】
(10)FRPリング等の剛性接続部材を格納時の収納容器とすることにより、収納スペースをコンパクトにし、硬化前の柔らかい膜構造を効果的に保護すると共にその展開時の支点としてその膨張展開を容易にすることができる。また、これらの接続部材同士を連結して、格納時の剛性を更に高めることが出来る。
【0133】
次に、これまで説明した本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造及びそのインフレータブル構造を備えた宇宙配置物のより具体的な一例を説明する。
【0134】
その一例として、リングチューブ形状のインフレータブル構造を実現する場合を説明する。
【0135】
具体的には、気密層11として、厚さ25μm,伸度80%のポリイミドフィルムを用い、リングチューブを作る。
【0136】
このチューブ状の気密層11の外層に、低織密度三軸織物(SG−801:T300−6K Basic)をリング型のチューブの3次元曲面に馴染ませながら巻く。そして、長期間半硬化状態を保つことのできるロングライフ熱硬化型樹脂を適量含浸し、プリプレグ状態の硬化層12とする。
【0137】
その硬化層12のさらに外層に、硬化層12のタックを防止する目的と、断熱性を兼ね備える厚さ25μm、伸度40%のブラックタイプのポリイミドフィルムを巻く。これを保護層13とする。
【0138】
さらに、最外層に同じく保護層13として、MLI(Multi LayerInsulation:多層断熱材)などを巻いて断熱効果を向上させることも好適である。
【0139】
次に、インフレータブル構造を採用した宇宙配置物の一例として、アンテナの場合を例にして、図3を参照して説明する。
【0140】
図3は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を備えたアンテナの模式的平面図である。なお、図3(A)は格納時の状態を示し、図3(B)は展開時の状態を示している。
【0141】
本実施の形態では、インフレータブル構造10を構成する、複数の円筒状の膜を用いて、その両端をそれぞれ強化リングとしてのFRPリング21によって接続し、全体として環状のインフレータブル構造としたものである。
【0142】
より具体的には、図示の例の場合、円環状のインフレータブル構造は、24個の円筒状の膜を連結して構成している。そして、各円筒状の膜の係合部で、FRPリング21を介して、円筒状の膜の両側をそれぞれ連結し、平面アンテナ22を膜面展張ケーブルにより支持している。
【0143】
図3(A)は、格納時の形態を示しており、FRPリング21の間にインフレータブル構造の一部を形成するリングチューブ(円環状の膜)が折り畳まれており、コンパクトにまとまってロケットのフェアリング内に容易に格納することができる。
【0144】
これらのリングチューブの折り畳み構造は、格別の折り畳みの為の折り癖などの構造や規則的に折り畳むように加工していないが、図示するとおり一旦ガスを充填した後(図3(B)の状態)、ガスを抜くと、減圧されるに従ってそのままFRPリング21の内部に引き込まれながら折込まれて図3(A)のように収納され、又再度ガスを充填して展開すると元の状態(図3(B)の状態)に再現することができる。
【0145】
このようにFRPリング21は膜状のインフレータブル構造を折り畳む収納容器として機能することにより、柔らかな硬化前の膜構造の保持及び保護を行うことができる。従って、ロケット打ち上げ時の厳しい振動から、インフレータブル構造は効果的に保護される。また、宇宙空間でのインフレータブル構造の膨張展開のシーケンス開始までの間、通常硬化する為の構成となっているインフレータブル構造を宇宙の熱・紫外線・放射線環境から保護することができる。
【0146】
更に、これらの構造において、このようなインフレータブル構造の収納時において、隣接するFRPリング同士を連結可能な構成とすれば、より一層剛性が高まり、ロケット打ち上げ時の厳しい環境に効果的に対応することができる。
【0147】
図3(B)は、宇宙空間でガスを充填して展開し、硬化層を硬化して、平面アンテナ22を展張した状態を示したものであり、寸法的に(A)に比べて縮尺を小さくして示している。しかし、本構成によれば、大型アンテナを展張することができる。
【0148】
また、FRPリング21から展張ケーブルによって均一な張力で引っ張るようにすれば、平面アンテナ22を高い平面精度で展開支持することができる。
【0149】
次に、上述したインフレータブル構造を適用したアレーアンテナの好適な実施の形態について、図4〜図12を参照して説明する。
【0150】
図4は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を備えたアレーアンテナの平面図である。
【0151】
図示のように、アレーアンテナ30は、概略、インフレータブル構造10と、平面アンテナ31と、インフレータブル構造10によって平面アンテナ31を展張するための線状部材としてのケーブル32と、から構成される。
【0152】
平面アンテナ31には、放射素子となる複数の不織布31aが配列されている。
【0153】
ここで、不織布31aの配列に関しては、図5(A)に示すように、互いに四角形の頂点に不織布31aが配置されるようにすることもできるし、図5(B)に示すように、互いに三角形の頂点に不織布31aが配置されるようにすることもできる。なお、後者の場合には、グレーティングローブを発生させないための同一条件下では、四角形配列の場合に比べて、不織布31aの数が少なくて済むという利点がある。
【0154】
ただし、不織布の配列方法については、これらの配列に限るものではなく、使用条件等に応じて適宜定めればよい。また、不織布31aの形状についても特に限定されるものではなく、円形,方形,多角形,リング状の形など、使用条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0155】
本実施の形態に係る平面アンテナ31は、いわゆるアレーアンテナあるいはパッチアンテナと呼ばれるものである。
【0156】
より具体的な構成としては、給電方式に応じて定められる。ここで、本実施の形態で適用される好ましい給電方式には、電磁結合型給電方式と共平面給電方式があり、それぞれの場合について、その構成の一例を説明する。
【0157】
まず、電磁結合型給電方式の場合の構成の一例を、図6及び図8を参照して説明する。
【0158】
図6は平面アンテナ31の模式的断面図であり、図4のAA’断面に相当する図である。図8は図6に示す平面アンテナ31の部品展開図である。
【0159】
図示のように、平面アンテナ31は、概略、三軸織物で構成される第1膜状部材31bと、同じく三軸織物で構成される第2膜状部材31cと、で構成される。第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの間は、宇宙空間においては真空部sとなる。
【0160】
そして、第1膜状部材31bの外側の面に、上述した複数の不織布31aが形成されている。不織布31aの第1膜状部材31bへの成形方法については特に限定されるものではないが、例えば、不織布に樹脂や接着剤を含浸させておき、加熱による密着成形が可能である。
【0161】
また、第2膜状部材31cの内側の面(第1膜状部材31bに対向する面)に、グランド面となる導電膜31dが形成されている。更に、第2膜状部材31cの外側の面に、放射素子となる各不織布31aへの給電点を形成するマイクロストリップ給電線路31fが形成されている。
【0162】
また、導電膜31dには、各不織布31aに対応する位置に、それぞれ給電開口部31eが設けられている。
【0163】
以上の構成により、電磁結合型給電方式のアレーアンテナとして機能する。なお、アレーアンテナの機能あるいは原理などについては、公知技術であるので、その説明は省略する。
【0164】
また、給電にアンプを設けて、電波の位相と振幅を制御可能として、ビーム方向やビーム形状の修正を容易に行うことのできるアクティブフェーズドアレイとして機能させると、より好適である。これは、宇宙空間におけるアンテナの軌道や向きがずれた場合であっても、アンテナとしての機能を確保することができるからである。以下の構成についても同様である。
【0165】
このように、本実施の形態では、アレーアンテナの基体となる、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cを三軸織物で構成したので、上述のようにインフレータブル構造に三軸織物を適用した場合と同様の効果を得ることができる。
【0166】
すなわち、強化繊維の高弾性率を発揮できるのみでなく、平面に沿う機械的な特性が均等な擬似等方性となる。従って、剛性が高く、大型化に伴う歪や変形を抑制した高精度なアンテナが実現できる。また、非常にコンパクトに折り畳むことができ、展開時には、高い精度で元の形に再現することができる。
【0167】
また、放射素子についても不織布で構成したので、折り畳む際の妨げとなることはなく、非常にコンパクトに折り畳むことができる。
【0168】
次に、電磁結合型給電方式の場合の構成の他の一例を、図7を参照して説明する。図7は平面アンテナ31の模式的断面図であり、図4のAA’断面に相当する図である。
【0169】
本例では、平面アンテナ31は、概略、三軸織物で構成される第1膜状部材31bと、同じく三軸織物で構成される第2膜状部材31gと、同じく三軸織物で構成される第3膜状部材31hと、で構成される。各膜状部材の間は宇宙空間においては真空部sとなる。
【0170】
そして、第1膜状部材31bの外側の面に、上述した複数の不織布31aが形成されている。また、第2膜状部材31gの第1膜状部材31bに対向する面に、グランド面となる導電膜31dが形成されている。導電膜31dには、各不織布31aに対応する位置に、それぞれ給電開口部31eが設けられている。
【0171】
更に、第3膜状部材31hの外側の面に、放射素子となる各不織布31aへの給電点を形成するマイクロストリップ給電線路31fが形成されている。
【0172】
本構成においても、上記の場合と同様に、アレーアンテナの基体となる、第1膜状部材31b,第2膜状部材31g及び第3膜状部材31hを三軸織物で構成したので、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0173】
図7に示す構成が、上述した図6に示す構成と異なる点は、グランド面となる導電膜31dと給電点となるマイクロストリップ給電線路31fとの間に、所定の間隔を設けるようにしたことにある。
【0174】
これは、使用するアンテナの周波数によっては、導電膜31dとマイクロストリップ給電線路31fとの間に、所定の間隔を設ける必要があるからである。
【0175】
次に、共平面給電方式の場合の構成の一例を、図9及び図10を参照して説明する。
【0176】
図9は平面アンテナ31の模式的断面図であり、図4のAA’断面に相当する図である。図10は図9に示す平面アンテナ31の部品展開図である。
【0177】
図示のように、平面アンテナ31は、概略、三軸織物で構成される第1膜状部材31iと、同じく三軸織物で構成される第2膜状部材31jと、で構成される。第1膜状部材31iと第2膜状部材31jとの間は、宇宙空間においては真空部sとなる。
【0178】
そして、第1膜状部材31iの外側の面に、上述した複数の不織布31aが形成されている。
【0179】
また、第2膜状部材31jの内側の面(第1膜状部材31iに対向する面)に、グランド面となる導電膜31kが形成されている。更に、第1膜状部材31iの外側の面に、放射素子となる各不織布31aに給電を行うマイクロストリップ給電線路31lが形成されている。
【0180】
以上の構成により、共平面給電方式のアレーアンテナとして機能する。なお、アレーアンテナの機能あるいは原理などについては、公知技術であるので、その説明は省略する。
【0181】
本構成においても、上記の場合と同様に、アレーアンテナの基体となる、第1膜状部材31i及び第2膜状部材31jを三軸織物で構成したので、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0182】
次に、本実施の形態において、給電方式として、電磁結合型給電方式あるいは共平面給電方式を採用した利点について、それぞれ簡単に説明する。
【0183】
電磁結合型給電方式の場合には、まず、基体が2枚あるいは3枚の膜面(膜状部材)で構成されるため、折り畳むことができるという利点がある。つまり、背面給電方式を採用すると、同軸ケーブルによって、グランド面を貫通させる構成であるので、膜面を折り畳むことができないため、本実施の形態に係るアンテナには不適当である。
【0184】
また、放電面と給電線路の面が同一でないことから、給電線路からの不要放射の影響を受けにくいという利点がある。
【0185】
一方、共平面給電方式の場合には、上記電磁結合型給電方式と同様に基体が2枚の膜面で構成されるため、折り畳むことができるという利点がある。
【0186】
また、上記電磁結合型給電方式の場合には、使用するアンテナの周波数によっては、3枚の膜面を必要とするのに対して、共平面給電方式の場合には、周波数に関係なく2枚で良いという利点がある。これは、給電線路が、放射素子が載る放射面と同じ面に実装できるからである。
【0187】
ここで、上述した不織布31aとして使用できる素子の素材の一例について、各種の素材と、銀メッキ銅箔のものとで、利得を比較する評価を行った。評価に当たっては、上述した図6に示す構成に基づくモデルを用いた。評価に用いたサンプルの具体的なモデルを図11に示した。
【0188】
図11に示すように、評価に用いたモデルは、直径n=165mmの円形の基体(三軸織物で構成された膜状部材)を用い、その上に直径m=60mmの円形のパッチ(不織布等)を中心点が一致するように形成したものを用いた。
【0189】
また、膜状部材と導電膜との間の間隔Oを、O=4.2mmとなるようにした。ただし、この間の隙間の誘電体は空気とした。そして、給電点から円の中心までの距離lを、l=22.5mmとなるようにした。なお、図中31f’は給電線である。
【0190】
パッチの素材としては、本実施の形態で用いられる不織布の候補として、50g/m2の銅繊維不織布、及び50g/m2のステンレス繊維不織布と、比較のための銀メッキ銅箔のものを用いた。なお、銀メッキ銅箔のものは折り畳みには不適当であり、本実施の形態に係るアンテナには適用することはできない。銅繊維不織布については、厚さ,面密度及び導電率の異なる2種類をサンプルとして用いた。
【0191】
評価結果を表1に示す。
【0192】
【表1】
Figure 0004141122
評価結果から明らかなように、各素材の不織布と、一般的に用いられる銀メッキ銅箔のものとでは、同程度の性能があることが確認できた。
【0193】
次に、平面アンテナ31の基体となる複数の膜状部材(膜面)の位置決めを行うための構造について説明する。ここでは、2つの膜状部材を有する、上記図6に示す構成の場合を例に説明するが、図7に示すような3つの膜状部材で構成された平面アンテナの場合でも同様の構造を適用することができるため、その説明は省略する。
【0194】
アレーアンテナがアンテナとしての機能を十分に発揮するためには、複数の膜状部材同士の間隔及び平面方向の位置関係の精度が要求される。
【0195】
ここで、これを実現するための構成としては、例えばスペーサや連結するための部材等を用いて、膜状部材同士を直接連結することによって位置決めすることも考えられる。しかし、そのように構成した場合には、スペーサや連結するための部材等が、膜状部材を折り畳む際の妨げとなり、コンパクトに折り畳むのが困難となる。
【0196】
そこで、膜状部材の折り畳みに対して支障を来たさず、かつ、各膜状部材同士の間隔及び平面方向の位置決めを精度良く行うことのできる位置決め構造の好適な実施の形態について、図12を参照して説明する。図12は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を備えたアレーアンテナの模式図である。なお、(A)は模式的斜視図であり、(B),(C)は(A)中V部分の側面図であり、それぞれ異なる形態の例を示している。
【0197】
平面アンテナ31の基体となる、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cは、それぞれ線状部材としてのケーブル32a,32bによって平面方向のそれぞれ異なる方向に引っ張られることで、平面が維持されるように構成されている。
【0198】
ここでは、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cは、いずれも円形であり、円の中心点から、放射状(ここでは、引っ張り力の作用する方向について、あるワイヤによる引っ張り方向と、これに隣接するワイヤによる引っ張り方向との間の角度が全て等しくなるように設定されている)かつそれぞれ等しい力で、引っ張れられることで、高い平面度が維持されるように構成されている。
【0199】
そして、本実施の形態では、各膜状部材に対して、ケーブルがそれぞれ組みとなるように設けられている。
【0200】
そのうちの1組が図12(B)に示されている。
【0201】
図示のように、ケーブル32aは、その一端が第1膜状部材31bに固定され、他端がインフレータブル構造10に固定されている。一方、ケーブル32bは、その一端が第2膜状部材31cに固定され、他端がインフレータブル構造10に固定されている。
【0202】
そして、これら1組のケーブル32a,32bを束ねるための結束部材32eが設けられている。
【0203】
この結束部材32eは、2個の孔32e’,32e”を有し、孔32e’にケーブル32aが貫通され、孔32e”にケーブル32bが貫通されている。
【0204】
これら2個の孔32e’,32e”は、その間隔によって、第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの間の間隔を規定する構成となっている。具体的には、2個の孔32e’,32e”は、第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの間の予め設定された間隔と等しくなるように位置に設けられている。ただし、実際には、孔の径とケーブルの径との間のクリアランス分を考慮した間隔となっている。
【0205】
そして、展開されていない状態では、この結束部材32eは、ケーブル32a,32bに対してスライド自在となっている。更に、展開されていない状態では、結束部材32eは各ケーブルの間隔を拘束しない程度に孔32e’,32e”の径が設定されており、ケーブル同士の間隔を狭くすることに支障がないようにしている。
【0206】
また、ケーブル32a,32bには、予め設定された位置に、それぞれストッパ32c,32dが設けられている。このストッパ32c,32dは、結束部材32eのスライド位置を規制可能とするものである。
【0207】
以上の構成により、展開前の状態では、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cを、位置決め構造を構成するケーブルや結束部材32eに妨げられることなく、自由に折り畳むことができるため。従って、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cを非常にコンパクトに折り畳むことができる。
【0208】
また、結束部材32eを、例えば折り畳まれたインフレータブル構造10の方までスライドさせておくことで、ケーブル32a,32bを自由に巻いておくことができ、ケーブルについても容易にコンパクトにすることができる。
【0209】
そして、展開時には、インフレータブル構造10の展開により、ケーブル32a,32bによって、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cを平面方向に引っ張る。
【0210】
この場合に、図12(B)に示すように、ケーブル32a,32bは、第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの間の設定された間隔よりも僅かに離れる方向に引っ張るように設定している。
【0211】
これにより、結束部材32eは第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cの方向にスライドし、ストッパ32c,32dにより規制され、この位置で固定される。
【0212】
従って、第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの間隔(高さ方向)は、結束部材32eにより、その結束部材32eに設けられた2個の孔32e’,32e”によって規定され、位置決めがなされる。
【0213】
また、第1膜状部材31bと第2膜状部材31cとの平面方向の位置関係は、ストッパ32c,32dの設けられた位置と、結束部材32eがこれらストッパ32c,32dの設けられた位置に固定されることによって、位置決めがなされる。
【0214】
以上のように、本実施の形態では、第1膜状部材31b及び第2膜状部材31cに対して直接位置決めを行わず、これらとは離れた位置で、位置決めを行うようにしたので、折り畳みに支障を来たすことなく、かつ、各膜状部材の位置決めを精度良く行うことが可能である。
【0215】
また、図12(C)には他の形態の例を示す。
【0216】
(B)に示す結束部材32eは2個の孔を設けて、これらに各々ケーブルを貫通させる構成としたが、(C)に示す結束部材32fは、1個の孔を有しておりこれに各ケーブルを貫通させる構成となっている。この場合には、孔の径によって、各膜状部材の間隔の位置決めを行うことができる。
【0217】
ただし、(B)に示す構成の場合には、膜状部材が3つある場合には結束部材32eに孔を3個設けることで対応可能であるが、(C)に示す構成の場合には、膜状部材が3つある場合には対応することができない。
【0218】
なお、図12(C)に示すようなOリング形状の結束部材の代わりに、Cリング形状の結束部材を適用可能である。この場合には、ケーブルへの取り付けや取り外しが容易なため、地上での試験等の際に、膜状部材の間隔を調整するのに便利である。
【0219】
次に、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の展開方法について説明する。
【0220】
一般的に、宇宙で展開される構造物は一様に展開される必要性がある。まず、この点について説明する。
【0221】
宇宙で展開される構造物は、展開反力による衛星構体の外乱を把握するために、また、周辺の機器や衛星構体への衝突及びセンサ視野への干渉等を防ぐために、展開途中の形状を予測する必要がある。
【0222】
宇宙インフレータブル構造は、ガスを内部に導入して膨張させる仕組みであるため、展開時の挙動、それも宇宙の微小重力環境化での挙動を把握することは極めて難しい。また、展開時における挙動や、展開途中の形状の再現性も低い。
【0223】
そこで、インフレータブル構造の展開途中の形状が予測可能で、かつ、地上の重力環境下での挙動の確認ができるような展開方法の実現が望まれる。
【0224】
これまで、インフレータブル構造の内部を複数の部屋に分けて、端から順に膨張させる方法や、ケーブルやバネで拘束しておいて、展開を制御する方法が試みられている。
【0225】
しかし、このような付加物を伴う方法では、膜の製造が困難になったり、インフレータブル構造の質量を増加させたり、折り畳みに支障を来たすなどの問題がある。
【0226】
そこで、本願発明者らは、このような付加物を用いずに、膜の折り畳み方を工夫することで、理想的な展開を実現する方法を模索した。
【0227】
上述のように、本実施の形態に係るインフレータブル構造は、展開時の再現性(元の形への復元性)に非常に優れる。従って、収納時における、その折り畳み方を特に限定しなくても、十分な再現性が期待できる。しかしながら、展開途中の形状や挙動を予測できるわけではない。
【0228】
また、万が一、宇宙空間において展開した際に、十分に再現されなかった場合には、その修復が非常に困難であることは言うまでもない。従って、ほぼ100%の再現性が要求される。また、展開途中の形状や挙動を予測できることが望ましい。
【0229】
インフレータブル構造の折り畳み方としては、Z状(ジグザグ状)の折り畳みや、提灯状(蛇腹状)の折り畳みが考えられる。なお、Z状の折り畳みとは、折り畳まれた状態で横から見ると、Z字が次々と形成されるような折り畳みである。また、提灯状の折り畳みとは、大径部と小径部が交互に現れるような折り畳みである。
【0230】
しかし、前者の場合には、インフレータブル構造の内部にガスを導入する際の流路が確保されていないため、ガスの導入口側から順次膨張して展開されるため、展開速度の制御が困難で、展開途中の形状や挙動を予測することはできず、また、再現性が十分であるとは言い切れない。
【0231】
また、後者の場合には、大径部と小径部が順次形成される折り畳み方であるため、必然的に皺が形成される。従って、展開途中の形状や挙動を予測することは非常に困難であり、展開時の予測を行うことができず、また、これも再現性が十分であるとは言い切れない。
【0232】
そこで、ほぼ100%の再現性が期待でき、かつ、展開途中の形状や挙動を予測することのできるインフレータブル構造の折り畳み方及びその展開方法の好適な実施の形態について、図13〜図16を参照して説明する。
【0233】
図13は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜の折り畳み方を説明する展開図である。図14は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を折り畳んだ状態から展開し始めの様子を示す状態変化図である。図15は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造が展開され終わりの様子を示す状態変化図である。図16は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の折り畳んだ状態における平面的透視図である。
【0234】
図13(A)は、円筒形状の膜10aに対応する展開図である。これは、上述したアレーアンテナ等にも適用されたインフレータブル構造に用いられるものである。
【0235】
また、参考のために、円錐台形状の筒の場合における膜10’aの展開図についても、図13(B)に示した。ただし、この円錐台形状の筒の場合についても、円筒形状の膜の場合と同一の手法によって、折り畳み及び展開が可能であるので、その説明は適宜省略する。
【0236】
図13では円筒(あるいは円錐台形状の筒)を母線に沿って切り開いた展開図である。つまり、母線10lと母線10l’(母線10’lと母線10’l’)を接続することで、円筒(あるいは円錐台形状の筒)の膜を形成することができる。
【0237】
本実施の形態では、円筒状の膜のうち、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線が谷線となるように折り畳まれる。
【0238】
これを展開図で見ると、図13(A)に示すように、谷線10z,10z’は母線10l,10l’に対して垂直であって、かつ、各々等間隔に複数設けられることになる。
【0239】
円錐台形状の筒の場合には、図13(B)に示すように、谷線10’zは、母線10’l,10’l’側ではこれら母線に対して垂直であるが、山線との交点部で折れ曲がるように設けられる。また、円錐の頂点側に向かうにつれて隣り合う谷線との間隔が狭くなるように設けられる。
【0240】
また、本実施の形態では、順次谷線が円筒軸の部分で交互に交差するように折り畳まれる。
【0241】
この点について、図16を参照して説明する。
【0242】
図に示すように、円形のある谷線10zを、円がつぶれて直線となるように折り畳む。そして、この谷線10zに隣接する、同じく円形の谷線10z’も、円がつぶれて直線となるように折り畳む。この場合に、図16に示すように、直線状に変形された谷線10zと谷線10z’が、円筒軸の部分で交差するように折り畳む。
【0243】
すると、これにしたがって、直線状の谷線10zの両端部と、直線状の谷線10z’の両端部とを結ぶように、それぞれ山線10x,10x’,10y,10y’が形成される。
【0244】
これを図13(A)に示す展開図で見ると、隣接する山線10x,10x’は互いに平行かつ等間隔に形成され、谷線及び母線に対して45°傾斜するように設けられる。
【0245】
また、同様に、隣接する山線10y,10y’は互いに平行かつ等間隔に形成され、谷線及び母線に対して−45°傾斜するように設けられる。
【0246】
そして、山線10x,10x’と山線10y,10y’は、谷線10z,10z’と交差する位置で直交する。
【0247】
図13(B)に示す円錐台状の筒の場合も、交点で屈折する点を除き、ほぼ同様である。
【0248】
このような手順に従って、交互に谷線が直交するように折り畳んだ状態を示したのが、図14(A)である。以下、この折り畳まれた状態からの展開方法及びその挙動について説明する。
【0249】
図に示すように、完全に折り畳まれた膜10bは、上から見ると正方形である直方体形状となる。つまり、正方形の膜が多数重ねられたような状態となる。
【0250】
これにガスを充填していくと、まず、図14(B)に示すように、膜10cは多数重ねられた正方形の膜同士がそれぞれ離間するように展開されていく。
【0251】
更に、ガスを充填していくと、図15(A)に示すように、膜10dは、蛇腹形状へと変形していく。
【0252】
そして、更に、ガスを充填すると、図15(B)に示すように、元の円筒形状の膜10に復元される。
【0253】
このように、本実施の形態に係る折り畳みを行えば、次のような利点がある。
【0254】
まず、第一に、谷線と谷線の交点が、円筒軸上にあるため、完全に折り畳んだ状態であっても、円筒軸を貫くようにガスの流路を確保することができる。
【0255】
また、予め定められた谷線と山線以外の部分には、折り目を必要としないため、全く皺がないように折り畳むことができる。
【0256】
更に、折り畳んだ形状自体が、展開すべき円筒軸方向に伸びるばね性を有することから、インフレータブル構造の展開時の展開性に優れる。
【0257】
以上のことから、ガスを導入することにより、短時間で全体にガスを行き渡らせることができるので、展開速度の制御が容易であり、かつ、ガスが行き渡らないことに起因する膨張ミスを防止できるため、ほぼ100%の再現性が期待できる。
【0258】
そして、規則正しく一様な展開がなされることから、展開時における挙動の予測ができる。
【0259】
また、折り目が単純であるので、折り畳み作業や収納作業が容易にでき、特に、長手方向の収納効率が高い。また、折り目が少ないため、膜を構成する、気密層や硬化層の傷みを極力防止でき、折癖も付き難い。
【0260】
なお、これまで説明した折り畳み方は、筒状のものであれば適応可能であり、円筒形状や円錐台形状のものの他、円環等にも応用することができる。
【0261】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインフレータブル構造は、軽量かつ高精度を実現し、大型化の要求にも適応できる。
【0262】
また、本発明のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナは、軽量かつ高精度を実現し、大型化の要求にも適応できる。
【0263】
また、本発明のインフレータブル構造の展開方法によれば、非常に再現性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の一部破断斜視図である。
【図2】図2は三軸織物の平面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の展開の様子を示す平面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を備えたアレーアンテナの平面図である。
【図5】図5はアレーアンテナの平面図である。
【図6】図6はアレーアンテナの断面図である。
【図7】図7はアレーアンテナの断面図である。
【図8】図8はアレーアンテナの部品展開図である。
【図9】図9はアレーアンテナの断面図である。
【図10】図10はアレーアンテナの部品展開図である。
【図11】図11は評価に用いたアレーアンテナの模式図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を備えたアレーアンテナの模式図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜の折り畳み方を説明する展開図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を折り畳んだ状態から展開し始めの様子を示す状態変化図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造が展開され終わりの様子を示す状態変化図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の折り畳んだ状態における平面的透視図である。
【図17】図17はインフレータブル構造の典型例を示す斜視図である。
【図18】図18は二軸織物の平面図である。
【符号の説明】
10 インフレータブル構造
10l,10l’ 母線
10x,10x’ 山線
10y,10y’ 山線
10z,10z’ 谷線
11 気密層
12 硬化層
12x,12y,12z 強化繊維束
13 保護層
21 FRPリング
22 平面アンテナ
30 アレーアンテナ
31 平面アンテナ
31a 不織布
31b 第1膜状部材
31c 第2膜状部材
31d 導電膜
31e 給電開口部
31f マイクロストリップ給電線路
31g 第2膜状部材
31h 第3膜状部材
31i 第1膜状部材
31j 第2膜状部材
31k 導電膜
31l マイクロストリップ給電線路
32 ケーブル
32a,32b ケーブル
32c,32d ストッパ
32e 結束部材
32e’,32e” 孔
32f 結束部材

Claims (13)

  1. 内部に気密空間を形成する気密層と、該気密層の外側に設けられ、強化繊維の三軸織物で形成される硬化層と、を有する多層構造の膜を備え
    前記多重構造の膜は、前記硬化層の外側に、該硬化層を保護する保護層を有すると共に、
    インフレータブル構造展開時において、前記気密層の拡張方向への変形率が、前記保護層の拡張方向への変形率よりも大きいことを特徴とするインフレータブル構造。
  2. 前記保護層に、脱ガス孔を設けることを特徴とする請求項に記載のインフレータブル構造。
  3. 内部に気密空間を形成する気密層と、該気密層の外側に設けられ、強化繊維の三軸織物で形成される硬化層と、を有する多層構造の膜を備え、
    前記多重構造の膜は、前記硬化層の外側に、該硬化層を保護する保護層を有すると共に、
    前記保護層に、脱ガス孔を設けることを特徴とするインフレータブル構造。
  4. 前記硬化層のマトリックス樹脂として、ロングライフのプリプレグ用樹脂を用いることを特徴とする請求項1,2または3に記載のインフレータブル構造。
  5. 円筒状に形成された複数の前記多層構造の膜と、これら複数の多層構造の膜を連結する、リング状の剛性接続部材と、を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のインフレータブル構造。
  6. インフレータブル構造の格納時においては、前記剛性接続部材が前記多層構造の膜を収納する収納部として機能することを特徴とする請求項に記載のインフレータブル構造。
  7. インフレータブル構造の格納時においては、前記剛性接続部材同士を連結可能に構成することを特徴とする請求項5または6に記載のインフレータブル構造。
  8. 請求項1〜のいずれか一つに記載のインフレータブル構造と、
    該インフレータブル構造の展開によって、平面状に展張される複数の膜状部材と、
    前記複数の膜状部材のいずれかに形成される、放射素子となる複数の不織布,グランド面となる導電膜及び前記不織布に給電を行うマイクロストリップ線路と、を備える、インフレータブル構造を備えたアレーアンテナであって、
    前記膜状部材は、三軸織物で構成されていることを特徴とするインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ。
  9. 平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材の2つの膜状部材を有し、
    第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
    第2膜状部材の内側の面に、前記導電膜が形成され、
    第2膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されることを特徴とする請求項に記載のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ。
  10. 各々順次平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材と第3膜状部材の3つの膜状部材を有し、
    第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
    第2膜状部材の前記第1膜状部材に対向する面に、前記導電膜が形成され、
    第3膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されることを特徴とする請求項に記載のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ。
  11. 平行に配置される、第1膜状部材と第2膜状部材の2つの膜状部材を有し、
    第1膜状部材の外側の面に、前記複数の不織布が形成され、
    第2膜状部材の内側の面に、前記導電膜が形成され、第1膜状部材の外側の面に、前記マイクロストリップ線路が形成されることを特徴とする請求項に記載のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ。
  12. 前記インフレータブル構造の展開時に、前記膜状部材を平面方向の異なる位置に各々引っ張ることで、該膜状部材を平面状に展張する複数の線状部材を、各膜状部材に対してそれぞれ組となるように設けると共に、
    各組の複数の線状部材に対してスライド可能に設けられ、該複数の線状部材を結束しつつ、前記インフレータブル構造が展開されていない状態では、各線状部材同士の間隔に自由度を持たせ、かつ、前記インフレータブル構造が展開された状態では、各線状部材同士の間隔の位置決めを行う結束部材と、
    各線状部材に対して各々予め設定された位置に固定され、前記インフレータブル構造が展開された状態では、前記結束部材のスライド方向の位置規制を行い、各線状部材同士の平面方向の位置決めを行う複数のストッパと、を設けることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載のインフレータブル構造を備えたアレーアンテナ。
  13. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のインフレータブル構造における多層構造の膜が円筒形状の膜であるインフレータブル構造の展開方法であって、
    前記円筒形状の膜のうち、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにすると共に、軸方向に隣り合う谷線同士が円筒軸を通る点で交互に直交するように、予め該円筒形状の膜を折り畳んでおき、
    折り畳まれた膜の気密層の内部にガスを充填して、膜を円筒形状にする工程と、
    膜を円筒形状にした状態で、前記硬化層を硬化させる工程と、を備えることを特徴とするインフレータブル構造の展開方法。
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