JP4140408B2 - 風車タワ−のアンカ−フレ−ム - Google Patents

風車タワ−のアンカ−フレ−ム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力発電を行うブレ−ドを回転可能に支持する風車タワ−のアンカ−フレ−ムに関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電を行う場合には、発電を効率よく行うために、風を受けるブレ−ドの取り付け高さを、ある程度速い風速の風を受けることができる高さまで高くする必要があるとともに、大きな風量を受けるためにブレ−ドの直径もある程度大きくする必要がある。
【0003】
そのため、例えばブレ−ドの直径が50m、ブレ−ドを回転可能に支持する風車タワ−の高さが50mという風力発電装置も必要となる。
【0004】
このように大きな風力発電装置においては、ブレ−ドには風による水平方向の大きな力が作用するため、ブレ−ドを支持する風車タワ−の根元の部分には大きな曲げモ−メントが作用する。
【0005】
このため、風車タワ−はPC棒鋼(JIS G3109に規定)からなる複数本のアンカ−ボルトによって、風車タワ−の基礎に強固に接続され、風による風車タワ−転倒が発生しないようにしている。
【0006】
上述した風車タワ−を固定するアンカ−ボルトは、加工工場で前もって製作されるアンカ−フレ−ムの一部に組み込まれ、トレ−ラ−により風車タワ−を建設する施工現場まで搬送される。
【0007】
図3に、風車タワ−を固定するために使用されている従来のアンカ−フレ−ムを示す。図3(a)はアンカ−フレ−ムの平面図、図3(b)はアンカ−フレ−ムの側面図である。このアンカ−フレ−ム21は、上下1対のリング状のアンカ−プレ−ト22および23と、該上下1対のアンカ−プレ−ト22と23を一定間隔を置いて接続する複数本の接続部材24と、接続部材24間にアンカ−プレ−トの円周方向に沿って配置された複数本のアンカ−ボルト25と、前記上下1対のアンカ−プレ−ト22および23を、風車タワ−を建設するための基礎上で、所定の高さに位置させるために下部アンカ−プレ−ト23の下面に接続された複数本の支柱26が主構成部材となって構成されている。
【0008】
このアンカ−フレ−ム21の接続部材24や支柱26には従来山形鋼が使用されていること、またアンカ−プレ−ト22および23の直径が4000mm程度にもなるため、補強材として横材27や斜材28が使用されている。
【0009】
このようなアンカ−フレ−ムは、基礎中にアンカ−ボルト25の先端部分を除いて埋め込まれるが、さらにこのように構成した基礎の回りに、複数のプレストレスコンクリ−ト性の補強部材を配置したものもある(例えば、特許文献1)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−122066号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のアンカ−フレ−ムには、次のような問題点がある。
【0012】
図4に示すように、アンカ−フレ−ム21は、風車タワ−31の基礎32を打設するために掘削された基礎打設用の掘削孔に運び込まれ、所定の位置および高さとなるように、基礎32を打設する前の均しコンクリ−ト33上に、支柱26が固定具を介して固定される。
【0013】
さらに、アンカ−フレ−ム21の支柱26が均しコンクリ−ト33上に固定されているとはいえ、コンクリ−トが打設されるときには、コンクリ−トの流動により、アンカ−フレ−ム21が変形する恐れがあるので、支柱26とは別に固定部材35により、アンカ−フレ−ム21と均しコンクリ−ト33とを接続して、アンカ−フレ−ム21の変形を防止するようにしている。
【0014】
このようにしてアンカ−フレ−ム21が固定された後、前記掘削孔内には基礎用の鉄筋が配筋され、コンクリ−トが打設されることにより、アンカ−フレ−ム21はアンカ−ボルト25の上端部分を残して基礎中に埋設される。
【0015】
そして、基礎32が完成した後、風車タワ−31の下部に設けられたベ−スプレ−ト34のボルト孔にアンカ−ボルト25が嵌装され、アンカ−ボルト25にナットをねじ込んで風車タワ−31は固定される。
【0016】
このように、従来のアンカ−フレ−ムは主構成部材や補強部材が山形鋼で構成されているので剛性が低く、建設現場での固定に要する工数がかかるという問題があるとともに、補強部材を数多く使用しているので、アンカ−フレ−ムを分割して搬送することが困難であり、トレ−ラ−で1基ずつしか搬送できないので、搬送効率が悪いという問題がある。
【0017】
この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、剛性が高いのでアンカ−フレ−ムの固定が容易であるとともに、分割が可能であるので、搬送効率を向上させることのできる風車タワ−のアンカ−フレ−ムを提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る風車タワ−のアンカ−フレ−ムは、上下1対のリング状のアンカ−プレ−トと、該上下1対のアンカ−プレ−トを一定間隔を置いて接続する複数本の接続部材と、該接続部材間に配置された複数本のアンカ−ボルトと、前記上下1対のアンカ−プレ−トを基礎上で所定の高さに位置させるために下部アンカ−プレ−トの下面に接続された複数本の支柱からなり、風力発電を行うブレ−ドを回転可能に支持する風車タワ−のアンカ−フレ−ムであって、前記接続部材と前記支柱を鋼管で構成したものである。
【0019】
また、前記接続部材の長さを前記支柱をも兼ねる長さとするとともに、下部アンカ−プレ−トの接続部材を接続する位置に、前記接続部材を挿入可能な貫通孔を設け、該貫通孔に接続部材を挿入した後、接続部材と下部アンカ−プレ−トを溶接して接続したものである。
【0020】
また、前記上下1対のリング状のアンカ−プレ−トを、中心を含む鉛直面に沿って2分割可能にしたものである。
【0021】
本発明に係る風車タワ−のアンカ−フレ−ムは、接続部材と支柱を剛性の高い鋼管で構成しているので、従来のアンカ−フレ−ムのように横材や斜材等の補強部材を必要としない。
【0022】
また、接続部材に支柱をも兼ねる長さの鋼管を使用し、鋼管を下部アンカ−プレ−トに設けた貫通孔を通して、鋼管と下部アンカ−プレ−トを溶接して接続するようにすると、さらにアンカ−フレ−ムの剛性が高くなり、建設現場での固定作業が容易になる。
【0023】
また、補強部材を必要としないので、アンカ−フレ−ムを容易に2分割することができる。従って、搬送時にアンカ−フレ−ムの積み重ねることも可能となるので、搬送効率が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の風車タワ−のアンカ−フレ−ムの実施の形態の説明図であり、(a)はアンカ−フレ−ムの平面図、(b)はアンカ−フレ−ムの一部側面図である。
【0025】
この風車タワ−のアンカ−フレ−ムは、上下1対のリング状のアンカ−プレ−ト1および2と、上下1対のアンカ−プレ−ト1と2を一定間隔を置いて接続する鋼管製の接続部材3と、接続部材3間に配置された複数本のアンカ−ボルト4と、下部アンカ−プレ−ト1と2の下面に接続された鋼管製の支柱5とから構成されている。
【0026】
このように、接続部材3と支柱5を鋼管で構成しているので、アンカ−フレ−ム全体の剛性が高まり、基礎を打つ前の均しコンクリ−ト上に容易に安定して固定することができる。
【0027】
図2は、風車タワ−のアンカ−フレ−ムの他の実施の形態を示す図である。
【0028】
このアンカ−フレ−ムは、上下1対のアンカ−プレ−ト1および2と、アンカ−ボルト4の配置は上述したアンカ−フレ−ムと同じであるが、接続部材13に支柱をも兼ねる長さの鋼管を用いている。
【0029】
このアンカ−フレ−ムを組み立てるときには、下部アンカ−プレ−ト2の接続部材13を接続する位置に、接続部材13を挿入可能な貫通孔6を設け、貫通孔6に接続部材13を挿入した後、上下のアンカ−プレ−ト1と2の間隔が所定の間隔となるように、接続部材13と下部アンカ−プレ−ト2を溶接して接続する。この際の溶接は、図2に黒塗りで示すように、下部アンカ−プレ−ト2の上面側と下面側の両方行って、アンカ−フレ−ムの剛性を高めるようにする。
【0030】
本発明の風車タワ−のアンカ−フレ−ムは、上述のように構成されているので、従来のような補強材を使用する必要はない。また、支柱に鋼管を使用しているので、アンカ−フレ−ムの安定性がよく、支柱端部にベ−スプレ−ト等を接続することにより、均しコンクリ−ト上に容易に固定することができる。
【0031】
また、補強材を使用していないので、アンカ−フレ−ムを図1(a)のA−A線の位置等で、容易に2分割にすることができる。そして、アンカ−プレ−ト1および2の分割した位置に接続部材を取り付けておけば、2分割して搬送し、建設現場で接続してアンカ−フレ−ムに組み立てるということもできる。
【0032】
また、2分割にしたアンカ−フレ−ムは、その形状から積み重ねが可能であるので、従来トレ−ラ−では1基のアンカ−フレ−ムしか搬送できなかったものが、複数基搬送できるようになり、搬送効率が向上する。
【0033】
【発明の効果】
この発明により、アンカ−フレ−ムの建設現場での固定作業が容易になるとともに、アンカ−フレ−ムの搬送効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風車タワ−のアンカ−フレ−ムの実施の形態の説明図であり、(a)はアンカ−フレ−ムの平面図、(b)はアンカ−フレ−ムの一部側面図である。
【図2】本発明の風車タワ−のアンカ−フレ−ムの他の実施の形態の説明図である。
【図3】従来の風車タワ−のアンカ−フレ−ムの説明図であり、(a)はアンカ−フレ−ムの平面図、(b)はアンカ−フレ−ムの側面図である。
【図4】風車タワ−の基礎を示す図である。
【符号の説明】
1 上アンカ−プレ−ト
2 下アンカ−プレ−ト
3 接続部材
4 アンカ−ボルト
5 支柱
6 貫通孔
13 接続部材

Claims (3)

  1. 上下1対のリング状のアンカ−プレ−トと、該上下1対のアンカ−プレ−トを一定間隔を置いて接続する複数本の接続部材と、該接続部材間に配置された複数本のアンカ−ボルトと、前記上下1対のアンカ−プレ−トを基礎上で所定の高さに位置させるために下部アンカ−プレ−トの下面に接続された複数本の支柱からなり、風力発電を行うブレ−ドを回転可能に支持する風車タワ−のアンカ−フレ−ムであって、前記接続部材と前記支柱を鋼管で構成したことを特徴とする風車タワ−のアンカ−フレ−ム。
  2. 前記接続部材の長さを前記支柱をも兼ねる長さとするとともに、下部アンカ−プレ−トの接続部材を接続する位置に、前記接続部材を挿入可能な貫通孔を設け、該貫通孔に接続部材を挿入した後、接続部材と下部アンカ−プレ−トを溶接して接続したことを特徴とする請求項1に記載の風車タワ−のアンカ−フレ−ム。
  3. 前記上下1対のリング状のアンカ−プレ−トを、中心を含む鉛直面に沿って2分割可能にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の風車タワ−のアンカ−フレ−ム。
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