JP4139898B2 - p−ヒドロキシ桂皮酸含有重合体 - Google Patents

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本発明は、p−ヒドロキシ桂皮酸含有重合体に関するものである。
フェノールを用いた高分子物は、フェノール樹脂として広く知られている。
フェノールに対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒と反応させると生成物は、フェノールとホルミアルデヒドが付加した種々のフェノールアルコールの混合物からなり、これはレゾールと呼ばれている。加熱,加圧により硬化させて三次元構造を有する樹脂が得られる。付加重合と縮合反応により高分子化する反応により生成される。
用途は、機械、電気部品の成形材料、積層品、シェルモールド、木材加工接着剤、塗料など多岐にわたる。
一方、ホルミアルデヒドに対してフェノールを過剰にして、酸を触媒にすると、生成物は、フェノールアルコールにフェノールが縮合したジヒドロキシジフェニルメタン系の誘導体からなり、これはノボラックと呼ばれている。付加重合と縮合反応により高分子化する反応である。これは硬化剤により硬化させることが行われる。いずれも、フェノールが工業用原料として大量に得られること、またこれから得られるフェノール樹脂の特性が優れていることが発展の要因となっている。
フェノールに類似する化合物に、芳香核に置換基を有する化合物として桂皮酸が知られている。これは天然由来の化合物であり、近年では、紫外線に防止などの点化粧品に用いることなど多くの機能性に着目した開発が進められている。酒石酸、ヒドロキシ置換安息香酸又はヒドロキシ置換桂皮酸より選ばれたヒドロキシ置換脂肪族又は芳香族カルボン酸のモルホニウム塩などからなる非線形光学材料(特許文献1)、桂皮酸、p−クマル酸及びコーヒー酸から選択される少なくとも一種の化合物を含むブロッコリー及びカリフラワー用花蕾促成剤(特許文献2)などがある。
この物質を高分子物として使用する場合については、この化合物は末端にCOOH基を有しており、ポリビニルアルコールなどと桂皮酸を反応させて得られる樹脂を光により架橋不溶化することによる感光性高分子化合物を得る機能性の高分子化合物も知られている
(非特許文献1高分子事典1971年2月20日株式会社高分子刊行会発行197から198頁「反応性高分子」の項)。桂皮酸が有するC=C結合が光を吸収し、構造変化を起こすことを利用した光反応性高分子膜及びこれを利用したリオトロピック液晶の配向を行うもの(特許文献3)も知られている。
また、芳香核に置換基を有する化合物として広く知られているリグニンは、木材の木質化された植物細胞を相互に膠着させ,組織を強化する役割を担っており、木材の有効利用の上から、総合利用が図られている。
しかしながら、桂皮酸或いはそれらの誘導体、リグニンなどのフェノール性物質は、従来から研究されているが、新規機能を開発していくことは、重要なことである。
特表2002―544546 特開2003−146806 特開2000−226415 高分子事典1971年2月20日株式会社高分子刊行会発行19 7から198頁「反応性高分子」の項
本発明の課題は、p−ヒドロキシ桂皮酸の共重合体を提供することである。
この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モルからなる重合体。
(2)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びダイマー酸ジグリシジルエステル1モルからなる重合体。
(3)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モル及びオリザノール2モルからなる重合体。
この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モルを反応させてなる重合体。
(2)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びダイマー酸ジグリシジルエステル1モルを反応させてなる重合体。
(3)p−ヒドロキシ桂皮酸2モル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モル及びオリザノール2モルを反応させてなる重合体。
本発明で得られる第一の重合体の態様は、p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モルからなる硬化性組成物を重合させたものである。
本発明で得られる第二の重合体の態様は、p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びダイマー酸ジグリシジルエ−テル1モルからなる硬化性組成物を重合させたものである。
本発明で得られる第三の重合体の態様は、p−ヒドロキシ桂皮酸2モル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モル及びオリザノール2モルからなる硬化性組成物を重合させたものである。
本発明で用いる原料の一つであるp−ヒドロキシ桂皮酸は、4−ヒドロキシ−桂皮酸及びその誘導体を意味する。この場合、その誘導体は、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基により置換されているもの及び酸がエステル化されているものであってもよい。具体的には、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ桂皮酸などを挙げることが出来る。
本発明で用いる前記p−ヒドロキシ桂皮酸と組み合わせる他方の原料は、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テルとダイマー酸ジグリシジルエステルである。
また、p−ヒドロキシ桂皮酸とポリエチレングリコールジグリシジルエ−テルを含む組成物には、オリザノールを添加することもできる。
このオリザノールは、米ぬか油の不ケン化物成分であり、たとえばγ−オリザノール等を挙げる事が出来る。
第一の態様の重合体は、たとえば、p−ヒドロキシ桂皮酸2モルとポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モルを含む硬化性組成物を空気中で酸化重合し、硬化することにより得ることができる。
同様にして、第二の重合体は、たとえば、p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びダイマー酸ジグリシジルエステル1モルを含む硬化性組成物空気中で酸化重合し、硬化することにより、また第三の重合体は、p−ヒドロキシ桂皮酸2モル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モル及びオリザノール2モルを含む硬化性組成物を空気中で酸化重合し、硬化することにより得ることができる。
空気中で酸化重合させる条件としては、室温以上、又はこれらの物質の融点以上の温度となるように加熱状態を維持することが必要である。場合によっては130℃以上に保つことが必要である。
この際に、酸化重合促進剤として、過酸化物を用いることが有効である。これらの過酸化物には、過アルコール、過酸などの有機物、過硫酸塩などの無機物が用いられる。その際に、Fe、Cu、Mn、Coなどの遷移金属を反応系中に存在させることも有効である。この反応には、触媒として、ラッカーゼ、ペルオキシダーセ、チロシナーゼ等の酵素も使用することができる。
得られる生成物は,通常用いられている溶媒に不溶のため、分子量の測定は困難であった。
また、そのガラス転移温度は、比較的に低いものであり、具体例である実施例で得られているものは、−6.3℃(実施例1)、−0.2℃(実施例2)、−2.5℃(実施例3)であり、0℃以下となっている。
反応生成物は、膜状の生成物として得られる。不純物が含まれる場合には、溶媒で処理して精製することができる。
また、得られる生成物を、充填材と混合して用いることができる。
充填材としては、粉状体として混合させる。そして、均一に混合させた後に、成形加工して用いることが出きる。有機物としては、天然物固体綿、パルプ等のセルロース、木粉、各種の植物繊維、デンプン、シルクなどをあげることができる。
又、無機物としては、クレー、タルク、ガラス、カーボンなどをあげることができる。
また、微粒子状の金属が用いられる。金属には、鉄、ニッケル、コバルト、ロジウムなどの他、これらの合金などを用いることが出来る。
以下に実施例によりさらに本発明の内容を説明する。本発明については,以下の実施例に限定されるものではない。
4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸2モルをポリエチレングリコールジグリシジルエーテル1モルと反応させて、末端に4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸エステル残基を有する誘導体(フェルラ酸ポリエチレングリコール誘導体、以下FEGFAEと記す。)を得た。このFEGFAE 1部にラッカーゼ0.2部及び3滴の0.1M乳酸水溶液加えて、30℃、湿度90%で10日間硬化させた。得られた硬化物のガラス転移温度は、−6.3℃であった。硬化物は、通常用いられている溶媒に不溶のため、分子量の測定は困難であった。
FEGFAE1部とγ-オリザノール1部を混合し、これにラッカーゼ0.4部及び6滴の0.1M乳酸水溶液を加えて混合物を得た。この混合物を30℃、湿度90%で10日間硬化させた。得られた硬化物のガラス転移温度は、−0.2℃であった。硬化物は、通常用いられている溶媒に不溶のため、分子量の測定は困難であった。
4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸2モルを前記桂皮酸誘導体中のカルボキシル基と当量のエポキシ基を有するダイマー酸ジグリシジルエステルと反応させて、末端に4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸エステル残基を有する誘導体(フェルラ酸ダイマー酸誘導体、DAFAE)を得た。このDAGFAE 1部にラッカーゼ0.2部及び3滴の0.1M乳酸水溶液加えて、30℃、湿度90%で10日間硬化させた。得られた硬化物のガラス転移温度は−2.5℃であった。
硬化物は、通常用いられている溶媒に不溶のため、分子量の測定は困難であった。

Claims (3)

  1. p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モルを反応させてなる重合体。
  2. p−ヒドロキシ桂皮酸2モル及びダイマー酸ジグリシジルエステル1モルを反応させてなる重合体。
  3. p−ヒドロキシ桂皮酸2モル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル1モル及びオリザノール2モルを反応させてなる重合体。
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