JP4139601B2 - 導管画像作成方法およびシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、木材を撮影することにより得られる木目画像から導管の部分の像のみを抽出するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
木目柄を印刷した化粧紙に対してエンボス加工を施す場合には当該木目の導管部分が凹むように加工することが望ましいことが知られている。そのため、従来より、砥の粉やトナー等の目止め剤を撮影する木材の導管に充填して撮影し、撮影して得た画像をスキャナで読み取ってデジタル化し、そのデジタル化した画像を所定の閾値によって2値化することによって導管部分のみの画像を得ている。撮影に先立って木材の導管に砥の粉等の目止め剤を充填するのは、撮影した画像において導管の部分が特に際立った明るさ、あるいは暗さになるようにして、2値化によって導管の部分のみを抽出できるようにするためである。
【0003】
この従来からの手法では、木材の導管部分に砥の粉等の目止め剤を充填する作業が作業者にとって大きな負担となるばかりでなく、導管部分に目止め剤を充填した木材はその後何らかの用途に再利用ができないので、資源の有効利用の観点から望ましいものとはいえないものである。
【0004】
また、撮影する木材の導管部分に目止め剤を充填して撮影したとしても、デジタル化して2値化したときに導管部分のみだけではなく、その他の部分も抽出されてしまうことがある。このような場合には、適宜な手法によって、導管部分以外の部分を削除したり、あるいは導管の形状を修正したりする、いわゆるレタッチ作業を行う必要があるが、導管の模様は非常に細かなものであるのでレタッチ作業は非常に面倒で時間が掛かるものであり、レタッチ作業を行う作業者の負担が大きいものであった。
【0005】
そこで、本出願人は、特開平10−307906号公報において、照明条件を変えた2枚の撮影像からコンピュータにより導管部分を強調してから2値化を行うことにより導管部分の画像を得る手法を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報において提案した手法では、入力装置の解像度が低い場合、微細な導管をもつ木材に対して適用した場合に、充分に導管を捉えきることができず、処理結果にノイズ成分を多く含んでしまうという問題が生じる。
【0007】
上記のような点に鑑み、本発明は、導管の細かさに対して入力装置が低解像度であるような場合であっても、ノイズの少ない導管の画像を得ることが可能な導管画像作成方法およびシステムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、異なる照明角度で撮影した2つの画像それぞれに対して微分演算を行う段階、前記微分演算により得られる両微分データの減算を行う段階、得られた減算データを絶対値化する段階、絶対値化したデータに対して前記照明角度の変化方向についてスムージング処理する第1のスムージング段階、前記スムージング処理により得られるスムージングデータに対して、前記スムージング処理の処理方向と直交する方向にスムージング処理を行う第2のスムージング段階、を実行するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、異なる照明角度で撮影した2枚の画像に対して、微分演算、減算処理、導管と直交する方向にスムージング処理を施して導管部を強調したスムージングデータを得た後、得られたスムージングデータに対して上記スムージングと直交(導管と平行)する方向にスムージング処理を行うようにしたので、導管の細かさに対して入力装置が低解像度であるような場合であっても、ノイズの少ない導管の画像を得ることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(撮影像の特性)
以下、本発明に係る導管画像作成方法について説明するが、それに先立って、通常通りに木目を正面からの照明により撮影した画像において、木目の各部がどのような明るさとなるかについて検討すると次のようである。
【0011】
木目には導管の他に、年輪や放射組織と呼ばれる組織がある。そこで、図1(a)に示すような木材の断面を考える。図1(a)において、1は導管を示し、2の斜線を施した部分は年輪を示している。導管1は孔であるので断面をとると凹んでいるが、年輪2は平坦である。
【0012】
そして、この木材に表面の明るさが均一になるように正面(図の矢印の方向)から照明を当て、図の矢印の方向から撮影したとすると、当該部分の画像の輝度のプロファイルは図1(b)に示すようになる。即ち、導管1の部分は中央部は若干明るくなるが全体としては暗い像となり、年輪2の部分も全体的に暗い像となる。従って、このような画像に対して、導管1の部分のみを抽出しようとしてある閾値を設定して2値化し、暗い部分、即ち輝度の低い部分を抽出しても、導管1だけではなく、年輪2の部分も抽出されてしまうことになる。上述した、デジタル化して2値化したときに導管部分のみだけではなく、その他の部分も抽出されてしまうことがあるというのはこのようなことを指している。
【0013】
ところで、図1(b)に示すように導管1の部分が全体として暗い像になるのは、導管1が溝状になっているために陰影を生じているためであり、年輪2の部分が全体として暗い像となるのは、年輪2の部分の反射率がその周辺より低いからであると考えられる。
【0014】
つまり、導管の部分と年輪の部分とは像としては共に暗い像となるが、その原因が異なっていると考えられるのである。そこで、この原因の相違を利用して導管の像と年輪の像とを分離できれば、導管の像のみを抽出できることになる。
【0015】
そこで、従来のように木目の撮影に際して木材の正面から照明を当てるのではなく、正面から角度を有した方向から照明を当てたときに画像の輝度のプロファイルがどのようになるか考えてみる。いま、図2(a)の▲1▼で示す矢印の方向(以下、この方向を左方向または左側と称す)から照明を当てて撮影したとする。この画像(これを左画像と称す)の輝度のプロファイルは図2(b)に示すようであり、年輪2の像は図1(b)に示すと同様に全体的に暗い像となっているが、導管1の像の右側の部分は左側からの照明によって輝度が高くなっている。
【0016】
同様にして、図2(a)の▲2▼で示す矢印の方向(以下、この方向を右方向または右側と称す)から照明を当てて撮影したとすると、この画像(これを右画像と称す)の輝度のプロファイルは図2(c)に示すようであり、年輪2の像は図1(b)に示すと同様に全体的に暗い像となっているが、導管1の像の左側の部分は右側からの照明によって輝度が高くなっている。
【0017】
このように互いに反対方向から照明を当てて撮影した二つの画像では年輪の像の輝度のプロファイルは同様であるが、導管の像の輝度のプロファイルは異なっているのである。なお、撮影方向は従来と同様であり、通常は正面である。また、左方向、右方向は導管1の長手方向と略直交する方向にとるものとする。なお、図2(a)は図1(a)と全く同じものとなっている。
【0018】
このことから、導管の像の輝度のプロファイルは導管の溝状の構造に基づいているのに対して、年輪の像の輝度のプロファイルは周辺の組織との反射率の相違に基づいているという仮説が正しいことが分かる。
【0019】
このことを利用すれば、輝度のプロファイルは同様であるが、その輝度のプロファイルが生じる原因となる構造が相違する部分、具体的にはその輝度のプロファイルが表面の凹凸に起因する部分の像と、周辺部分と反射率が異なることに起因する部分の像とを分離することが可能である。そして、このことによって、木目柄の画像において導管の像と年輪の像を分離できる可能性があることが分かる。
【0020】
(本発明に係る方法の具体的処理)
ここから、本発明に係る導管画像作成方法の具体的処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、上述したように左画像と右画像を得る(ステップS1)。ここで、左画像のあるラインの輝度のプロファイルは図3(a)のようであるとする。また、同一ラインにおける右画像の輝度のプロファイルが図4(a)のようであるとする。図3(a)、図4(a)において3は導管の像の輝度のプロファイルを示し、4は年輪の像の輝度のプロファイルを示している。なお、図3、図4はあくまでも輝度のプロファイルを模式的に示すものである。
【0021】
次に、左画像と右画像の画像データに対して微分演算を施す(ステップS2)。画像データに微分演算を施す手法としては、例えば水平方向一次微分オペレータ等の微分オペレータを作用させても良いことは当然であるが、単純に隣接する画素間で画素値の減算をとる演算を行っても良い。図3(a)の画像データに微分演算を施すと図3(b)に示すようになり、図4(a)の画像データに微分演算を施すと図4(b)に示すようになる。
【0022】
このようにして、左画像の画像データに対して微分演算を施したデータ(以下、これを左微分データと称す)と、右画像の画像データに対して微分演算を施したデータ(以下、これを右微分データと称す)が得られるが、次に、位置を合わせて左微分データと右微分データとの間で減算を行う(ステップS3)。以下、この減算をとって得られたデータを左右減算データと称することにする。
【0023】
図3(b)、図4(b)から明らかなように、左微分データと右微分データとでは年輪の像に対応する微分データは略同一であるのに対して、導管の像に対応する微分データは異なっているので、この減算の演算によって、年輪の像に対応する微分データはほぼ除去され、導管の像に対応する微分データのみが残り、この場合の減算データは図5(a)に示すようになる。
【0024】
次に、減算データを絶対値化する(ステップS4)。これによって、図5(b)に示すデータが得られる。このデータは導管部が強調された導管部強調データとなるが、この状態で2値化すると図5(b)の例では、導管の部分が3つに分割された状態で抽出されることになる。これを避けるために、導管部強調データにぼかし処理を施してスムージングする(ステップS5)。ここで、具体的なスムージングの手法としては、適宜のものを適用することができるが、本実施形態では、導管部強調データ上の隣接する両画素の値を利用して平均化する。具体的には、ある画素のスムージング後の画素値Cは、その画素のスムージング処理前の画素値をCS、左側の画素の値をCL、右側の画素の値CRとすると、以下の〔数式1〕により算出される。
【0025】
〔数式1〕
C= (CL + 2CS + CR )/4
【0026】
すなわち、その画素の元の値に2倍の重み付けをして両隣の画素との平均を求めることになる。これによって導管の像に対応する位置には図5(c)の実線で示すように一つの大きなピークが得られる。
【0027】
なお、上述したように、左画像の画像データと右画像の画像データにそれぞれ微分演算を施して左微分データと右微分データを得、その左微分データと右微分データとの間で減算するのは次の理由による。
【0028】
例えば、図3(a)に示す左画像の画像データと、図4(a)の右画像の画像データとの間で減算を位置を合わせて行えば、年輪の像に対応するデータを除去し、導管の像に対応するデータのみを抽出できる可能性はあるが、そのためには左画像と右画像の直流分、即ち平均輝度が同じでなければならない。
【0029】
しかし、左画像を撮影するときの木材表面の平均輝度と、右画像を撮影するときの木材の平均輝度とは一般には同一ではない。更に、照明が近い方が遠い方より輝度が高いので、左画像では左側程輝度が高く、右画像では右側程輝度が高い。このように、左画像と右画像では直流分が異なり、しかも一つの画像の中でも位置により直流分が異なるので、単純に左画像の画像データと右画像の画像データとの減算を行っただけでは年輪の像の部分には直流分の差に対応する値が現れてくるので、2値化する際の閾値を低くすると年輪の像も抽出されてしまうことになる。閾値を高くすれば年輪の像の部分を除くことはできるが、その場合には抽出される導管の像は実際の像より細くなってしまう。
【0030】
そこで、上述したように左右の画像の画像データに微分演算を施して直流分を除去した後に減算を行うようにしているのであり、これによれば、閾値を小さくできるので、抽出される導管の像は実際の像と略同じになる。上記ステップS1〜ステップS5の処理により撮影画像から年輪部分を除去できることになる。
【0031】
上記ステップS1〜ステップS5までは、特開平10−307906号公報において提案したものとほぼ同様の手順で行われる。これにより導管部分を強調し、導管と直交する方向にスムージングされたデータが得られることになる。ただ、この時点で得られるスムージングデータは、導管と直交する方向のみにスムージング処理されたものであるため、このスムージングデータを2値化して2値画像として出力すると、入力装置の解像度が低い場合には、導管の流れ方向において、抽出される導管の像が途切れてしまう現象が生じる。例えば、上記ステップS5までの処理において、図7(a)に示すようなスムージングデータが得られたとする。図7(a)において、各格子は画素を示しており、濃い網掛けがしてある画素ほど値が大きいことを示している。なお、このスムージングデータは、上述のように左右両微分データの減算により得られたものであるので、厳密にいえば、画像ではないが、入力された左右の画像に対応する画素を有し、各画素にスカラー値が与えられているため、演算処理上は、画像と同等に扱うことができる。
【0032】
図7(a)からわかるように、スムージングデータにおいて、導管と直交する方向(図面左右方向)については、スムージング処理が行われているため、中央部の値が大きく、両側の値が小さくなっているが、導管の流れ方向(図面上下方向)については、導管に相当する部分であっても両端より値が小さくなっている部分がある。このスムージングデータを、ニ値化すると、図7(b)に示すような導管画像が得られる。図7(b)に示すように、上記手法で得た導管画像は、導管の一部が途切れてしまった画像となってしまう。そこで、本発明では、スムージング処理された画像に対して以下の処理が行われる。
【0033】
まず、上記ステップS5の処理により得られたスムージングデータ(図7(a)に相当)に対して、上記ステップS5で行ったのと直交する方向に、スムージング処理を行う(ステップS6)。すなわち、上記ステップS5では導管の流れ方向と垂直な方向に対して行ったので、ここでは、導管の流れ方向に対して行うことになる。具体的な処理としては、ある画素の画素値Cは、その画素のスムージング処理前の画素値をCS、上側の画素の値をCU、右側の画素の値CDとすると、以下の〔数式2〕により算出される。
【0034】
〔数式2〕
C= ( CU + 2CS + CD )/4
【0035】
上記〔数式2〕は、ステップS5において利用した〔数式1〕と同様の式であり、スムージングデータ上の隣接する両画素の値を利用して平均化を行っていることを示している。〔数式1〕では、左右の画素の値を利用したのに対して、〔数式2〕においては、上下の画素の値を利用している点が異なっている。なお、スムージングの手法としては、〔数式2〕に示したもの以外の適宜のものを適用することもできる。このようにして得られたスムージングデータに対して、あらかじめ設定された閾値により2値化を行うことにより導管部分の像を抽出した2値画像が得られる(ステップS7)。
【0036】
本発明によるステップS6の処理を、図7(a)に示したスムージングデータに対して行うと、図7(c)に示すようなスムージングデータが得られることになる。図7(c)では、図7(a)に示すものに比べて中央の値が高くなっていることがわかる。このようなスムージングデータに対して2値化を行うことにより、図7(d)に示すような導管画像が得られることになる。図7(b)と比べると導管が途中で途切れるようなことがなくなることがわかる。以上のようにして、入力装置の解像度が導管の細かさに比べて低い場合であっても、鮮明な導管画像を得ることが可能となる。
【0037】
(応用形態)
続いて、本発明の応用形態について以下に説明する。以下に説明する処理は、撮影時の光学系の収差による影響の除去を行うために効果的な処理であり、本発明と組み合わせることにより、より鮮明な導管画像を得ることが可能となるものである。
【0038】
図8に本発明の導管画像作成方法の応用例のフローチャートを示す。図8において、ステップS1〜ステップS5までの処理は、図6に示した処理と同一である。この応用形態においては、ステップS5のスムージング処理が行われた後、スムージングデータの画像領域全体の画素を基に全体ヒストグラムを算出する(ステップS11)。この全体ヒストグラムとは、スムージング処理後の画像(スムージングデータ)の全画素を母集団とするヒストグラムである。ここで、本実施形態で求める全体ヒストグラムの一例を図9(a)に示す。図9(a)において、横軸は画素値であり、縦軸は各値をとる画素数である。
【0039】
次に、画像内の特定位置ごとにおける部分ヒストグラムを算出する(ステップS12)。本実施形態では、画像全体をいくつかのブロックに分割し、その各ブロックを特定位置として、各ブロックに存在する画素を母集団とする部分ヒストグラムを算出する。例えば、図10に示したように画像をB1〜B20の20個のブロックに分割した場合、20個の異なる部分ヒストグラムが求められることになる。
【0040】
続いて、全体ヒストグラム、部分ヒストグラムを用いて各画素の画素値を修正する(ステップS13)。この画素値の修正は、画素Pの存在するブロックの部分ヒストグラムにおける相対的な位置を求め、全体ヒストグラムにおける同位置の画素値を画素Pの画素値とすることにより行う。両ヒストグラムを利用した画素値の修正は以下のような考え方に基づいて行われる。
【0041】
ヒストグラムを求めることにより、その母集団における画素値の平均、および画素値の分散を算出することが可能となる。すなわち、全体ヒストグラムにおいては、全体平均Ag、全体分散Dgが求まり、部分ヒストグラムにおいては、ブロック平均Ap、ブロック分散Dpが求まる。このとき、画素Pの画素値の部分ヒストグラムにおける相対位置は、画素Pの画素値とブロック平均Apの差Lpと、ブロック分散Dpの関係で表現することができる。ここで、あるブロックにおいて算出した部分ヒストグラムを図9(b)に示す。図9(b)からわかるように、この平均との差Lpと、ブロック分散Dpの関係を用いると、画素Pの画素値の部分ヒストグラム上における相対位置に対応する全体ヒストグラムにおける位置を求めることができる。全体ヒストグラムにおける位置と全体平均Agとの差をLgとすると、両者の関係は、以下の〔数式3〕で表現される。
【0042】
〔数式3〕
Lg/Lp=Dg/Dp
【0043】
画素Pの修正前の画素値をV、修正後の画素値をV´とすると、上記〔数式3〕は以下の〔数式4〕のように変形することができる。
【0044】
〔数式4〕
(V−Ag)/(V´−Ap)= Dg/Dp
【0045】
上記〔数式4〕はさらに変形することができ、結局、修正後の画素値V´は、以下の〔数式5〕により求められることになる。
【0046】
〔数式5〕
V´= (Dp/Dg)×(V−Ag)+ Ap
【0047】
上記〔数式5〕を利用して画像上の全画素について、画素値の修正を行うことにより、光学系の収差による影響を除去したスムージングデータが得られることになる。このようにして得られたスムージングデータに対して上記ステップS6、ステップS7の処理を行うことにより、光学系の収差による影響を除去されると共に、入力装置が低解像度であっても鮮明な導管画像を得ることができる。
【0048】
(システム構成)
次に、上記導管画像作成方法を実行するためのシステム構成について説明する。図11は、本発明による導管画像作成システムの一実施形態を示す構成図である。図11において、11は画像入力手段、12は導管部強調手段、13は第1のスムージング処理手段、14は第2のスムージング処理手段、15は2値化手段、16は画像出力手段、17は全体ヒストグラム算出手段、18は部分ヒストグラム算出手段、19は画素修正手段である。画像入力手段11は、異なる照明条件において撮影された2つの画像を入力する機能を有する。画像入力手段11としては、撮影画像がデジタルデータとして既に用意されている場合は、そのデジタルデータを記録した電子記録媒体を読取り可能な読取り装置等で実現できる。また、デジタルカメラ自体を画像入力手段11として利用し、撮影したデジタル画像データをそのまま入力するようにすることもできる。本発明においては、この画像入力手段11が低解像度のものであっても鮮明な導管画像が得られることは上述の通りである。
【0049】
導管部強調手段12は、図6および図8のステップS2〜ステップS4の処理を実行する機能を有しており、入力された左画像、右画像それぞれに対して微分演算を行い、得られた両微分データの減算処理を行った後、得られた減算データの絶対値化を行うものである。第1のスムージング処理手段13は、図6および図8のステップS5の処理を実行する機能を有しており、導管の流れと垂直な方向(上記の例では左右方向)にぼかし処理を行うものである。第2のスムージング処理手段14は、図6および図8のステップS6の処理を実行する機能を有しており、導管の流れ方向(上記の例では上下方向)にぼかし処理を行うものである。2値化手段15は、図6および図8のステップS7の処理を実行する機能を有しており、第2のスムージング処理手段14によりぼかし処理された多値画像を所定の閾値で2値化するものである。画像出力手段16は、作成された導管画像を出力する機能を有するものであり、ハードディスク等の外部記憶装置、携帯可能な電子記録媒体への記録装置、さらにネットワークを介して遠隔地へ送信するための通信装置等が適用可能である。全体ヒストグラム算出手段17は、図8のステップS11の処理を実行する機能を有しており、導管と直交する方向にスムージング処理された画像の全画素を母集団としてその画素値のヒストグラムを算出するものである。部分ヒストグラム算出手段18は、図8のステップS12の処理を実行する機能を有しており、スムージング処理された画像の一部の画素を母集団としてその画素値のヒストグラムを算出するものである。画素修正手段19は、図8のステップS13の処理を実行する機能を有しており、全体ヒストグラムおよび部分ヒストグラムを利用して、スムージング処理手段13によりスムージング処理された画像の各画素の値を修正するものである。
【0050】
図11に示した導管部強調手段12、第1のスムージング処理手段13、第2のスムージング処理手段14、2値化手段15、全体ヒストグラム算出手段17、部分ヒストグラム算出手段18、画素修正手段19は、コンピュータのCPU、メモリ等で実現され、各機能はコンピュータに搭載された専用のソフトウェアプログラムにより実現される。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ステップS12において特定位置ごとにおけるヒストグラムとして、画像全体をいくつかのブロックに分割し、その各ブロックごとにヒストグラムを算出するようにしたが、各画素ごとに、当該画素の周辺の所定の範囲に属する全画素を母集団としたヒストグラムを算出するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、異なる照明角度で撮影した2つの画像それぞれに対しての微分演算、微分演算により得られる両微分データの減算、得られた減算データの絶対値化、絶対値化したデータに対して照明角度の変化方向についてのスムージング処理を順次行い、このスムージング処理により得られるスムージングデータに対して、前記スムージング処理の処理方向と直交する方向にスムージング処理を行うようにしたので、導管の細かさに対して入力装置が低解像度であるような場合であっても、ノイズの少ない導管の画像を得ることが可能となるという効果を奏する。
さらに、最初のスムージングにより得られるスムージングデータの全画素を分母とした全体ヒストグラムを算出すると共に、スムージングデータの特定の位置ごとに所定の画素数を分母とした部分ヒストグラムを算出し、全体ヒストグラムと部分ヒストグラムの関係に基づいて、スムージングデータ上の各画素の値を修正する処理を行うことにより、レンズ等の光学系の収差に起因する不均一性を除去し、撮影像の全体に渡って同程度で強調された導管の画像を得ることが可能となるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材に表面の明るさが均一になるように照明を当てて撮影した画像の導管の部分と年輪の部分の輝度のプロファイルの例を示す図である。
【図2】左画像と右画像における輝度のプロファイルの相違を説明するための図である。
【図3】左画像における輝度のプロファイルと、それを微分演算した左微分データの例を示す図である。
【図4】右画像における輝度のプロファイルと、それを微分演算した右微分データの例を示す図である。
【図5】左微分データと右微分データを得た後の処理を説明するための図である。
【図6】本発明に係る導管画像作成方法の概要を示すフローチャートである。
【図7】ステップS6によるスムージング処理の効果を説明するための図である。
【図8】本発明に係る導管画像作成方法の応用例を示すフローチャートである。
【図9】全体ヒストグラムおよび部分ヒストグラムの一例を示す図である。
【図10】画像を複数のブロックに分割した状態を示す図である。
【図11】本発明に係る導管画像作成システムの構成図である。
【符号の説明】
1・・・導管
2・・・年輪
3・・・導管の像の輝度のプロファイル
4・・・年輪の像の輝度のプロファイル
11・・・画像入力手段
12・・・導管部強調手段
13・・・第1のスムージング処理手段
14・・・第2のスムージング処理手段
15・・・2値化手段
16・・・画像出力手段
17・・・全体ヒストグラム算出手段
18・・・部分ヒストグラム算出手段
19・・・画素修正手段
Ag・・・全体平均
Ap・・・部分平均
Dg・・・全体分散
Dp・・・部分分散

Claims (3)

  1. 導管の流れ方向とほぼ直交する方向に変化させた異なる照明角度で撮影した2つの画像それぞれに対して微分演算を行う段階と、前記微分演算により得られる両微分データの減算を行う段階と、得られた減算データを絶対値化する段階と、絶対値化したデータに対して前記照明角度の変化方向についてスムージング処理する第1のスムージング段階と、
    前記第1のスムージング段階により得られるスムージングデータの全画素を分母とした全体ヒストグラムを算出する段階と、
    前記スムージングデータの特定の位置ごとに所定の画素数を分母とした部分ヒストグラムを算出する段階と、
    前記全体ヒストグラムと前記部分ヒストグラムの関係に基づいて、前記スムージングデータ上の各画素の値を修正する画素修正段階と、
    前記画素修正が行われたスムージングデータに対して、前記スムージング処理の処理方向と直交する方向にスムージング処理を行う第2のスムージング段階を有することを特徴とする導管画像作成方法。
  2. 導管の流れ方向とほぼ直交する方向に変化させた異なる照明角度で撮影した2つの画像を入力する画像入力手段と、
    入力された2つの画像それぞれに対して微分演算を行った後、微分演算された両微分データの減算を行い、得られた減算データを絶対値化する導管部強調手段と、
    前記導管部強調手段により得られた導管部強調データに対して前記照明角度の変化方向についてスムージング処理する第1のスムージング処理手段と、
    前記第1のスムージング処理手段により得られたスムージングデータの全画素を分母とした全体ヒストグラムを算出する全体ヒストグラム算出手段と、
    前記スムージングデータの特定の位置ごとに所定の画素数を分母とした部分ヒストグラムを算出する部分ヒストグラム算出手段と、
    前記全体ヒストグラム算出手段により算出された全体ヒストグラムと、前記部分ヒストグラム算出手段により算出された部分ヒストグラムの関係に基づいて、前記スムージングデータ上の各画素の値を修正する画素修正手段と、
    前記修正後のスムージングデータに対して、前記第1のスムージング処理手段におけるスムージング処理と直交する方向にスムージング処理を行う第2のスムージング処理手段と、
    を有することを特徴とする導管画像作成システム。
  3. コンピュータに、導管の流れ方向とほぼ直交する方向に変化させた異なる照明角度で撮影した2つの画像それぞれに対して微分演算を行う段階、前記微分演算により得られる両微分データの減算を行う段階、得られる減算データを絶対値化する段階、絶対値化したデータに対して前記照明角度の変化方向についてスムージング処理する第1のスムージング段階、前記第1のスムージング段階により得られるスムージングデータの全画素を分母とした全体ヒストグラムを算出する段階、前記スムージングデータの特定の位置ごとに所定の画素数を分母とした部分ヒストグラムを算出する段階、前記全体ヒストグラムと前記部分ヒストグラムの関係に基づいて、前記スムージングデータ上の各画素の値を修正する画素修正段階、前記画素修正が行われたスムージングデータに対して、前記スムージング処理の処理方向と直交する方向にスムージング処理を行う第2のスムージング段階、を実行させるためのプログラム。
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