JP4139321B2 - 発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体から成る発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)に関わり、特に、電流ブロック層を備え、高輝度であり、且つ安価に製造することのできる発光ダイオードに関する。
AlGaInP系材料は、窒化物を除くIII−V族化合物半導体の中で最大のバンドギャップを有する直接遷移型半導体であり、560nm〜660nmの発光帯域において非常に高い輝度が得られることから、現在でも盛んに研究・開発が行われている。しかし最近の動向として、AlGaInP系発光ダイオードは低価格化競争の最中にあり、各社メーカー共に発光ダイオードの原価低減、スループット向上に努めている。
ここで、AlGaInP系発光ダイオードの製造におけるコストは、主に電流拡散層が占めている。この要因として、一つには高輝度を得るためには電流拡散層の膜厚を厚くする必要があることが挙げられる。この問題の解決には、電流拡散層としての材料にできるだけ抵抗の低い値が得られる材料を用いるのが有効とされ、電流拡散層としての材料は主にGaP、AlGaAsから成っている。しかしこれらの抵抗率の低い材料を用いても、やはり電流分散効果を良くして、発光ダイオードの高輝度化、低動作電圧化を図るためには、この電流拡散層の膜厚を大体8μm以上とする必要があった。すると、電流拡散層の成長に掛かる原料費用が多くなり、更には、成長に掛かる時間がスループットを悪化させ、総合的にAlGaInP系発光ダイオードの製造原価を高くしていた。
この解決手段としては、半導体による電流拡散層の代わりに、キャリア濃度が非常に高く、薄い膜厚で十分な電流分散効果を得ることができる方法として、金属酸化物のITO膜から成る透明導電膜を用いる方法が開発されている。
また、LEDとして充分な特性を達成させるための方法として、半導体最上層、つまり透明電極とクラッド層の間にp型GaAsコンタクト層を用いることにより、ITO電極との接触抵抗を低下させる技術が開発されている。このような技術により、LED特性を悪くすることなく、上記金属酸化物である透明導電膜をLEDに用いることができるようになった。このため金属酸化物窓層の膜厚が薄くできるため、低コスト化に大きく寄与した。
更にまた、高輝度を得る別の方策として、電流ブロック層を備えた電流狭窄型の発光ダイオードが提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に示された発光ダイオードでは、発光層と電流拡散層との間に、電流拡散層と逆の導電性を有する半導体層を成長させ、これを選択的にエッチングし、電流ブロック層のパターンニングを行う。その後、その電流ブロック層上に電流拡散層を再成長させることで電流狭窄型発光ダイオードを得ている。
特開2002−64219号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、MOCVD法による成長工程が二度必要になる為、発光ダイオードの製造原価を低減することが難しい。特にMOCVD装置については、1成長におけるウェハの処理枚数が少ない為、スループットが悪く、製造コストが高くなってしまう。
従って本発明の目的は、上記の問題点を解決し、従来の電流ブロック層を備えた発光ダイオードよりも生産性に優れ、且つ低コストで製造することのできる高輝度発光ダイオードを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る発光ダイオードの製造方法は、基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を順次設けて発光部を形成し、さらに該発光部上に高濃度に導電型決定不純物を含有したオーミックコンタクト層を設ける第1工程と、
前記オーミックコンタクト層上に、ポジレジスト膜から成り、上辺が短く下辺が長いテーパー状の電流ブロック層と、ITO膜からなる透明導電膜とを設ける第2工程と、
前記第1工程と前記第2工程により形成される発光ダイオード用エピタキシャルウエハに、ワイヤボンディングが行われる表面電極を前記電流ブロック層の直上に位置するように形成すると共に、ダイボンディングが行われる裏面電極を前記基板側に形成する第3工程とを有することを特徴とする。ここで高濃度に導電型決定不純物を含有したオーミックコンタクト層とは、1×1019/cm3以上の例えばZnを含有したオーミックコンタクト層を意味する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発光ダイオードの製造方法において、前記電流ブロック層の表面側の面積が前記表面電極と同等またはそれ以上の面積を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1乃至2のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、前記基板がGaAs又はSiであり、前記発光部がGaInP、AlInP、またはAlGaInPから成ることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、前記高濃度に導電型決定不純物を含有したオーミックコンタクト層が、GaAsからAl混晶比0.3までのAlGaAsであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、前記コンタクト層の膜厚が1nm以上50nm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、前記ITO膜から成る透明導電膜の膜厚が200nm以上500nm以下であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、前記ITO膜から成る透明導電膜が真空蒸着法により形成されていることを特徴とする。
<発明の要点>
本発明によれば、電流拡散層として透明導電膜であるITO膜を用い、更に発光部と上記ITO膜との間に電流ブロック層を備えた構造の発光ダイオードにおいて、上辺が短く下辺が長いテーパー状の該電流ブロック層を表面金属の直下に、ポジ型のフォトレジスト膜が形成された発光ダイオード用エピタキシャルウエハを発光ダイオードに加工することで、生産性に優れ、且つ低コストで製造することのできる高輝度発光ダイオードを得ることができる。
電流ブロック層に用いるフォトレジスト膜は、その特性上、エピタキシャル層表面に空間を作らず、且つ断線することを未然に防止する為、ポジレジスト膜を用いる必要がある。
本発明の発光ダイオードの製造方法は、電流拡散層として透明導電膜であるITO膜を用い、更に発光部とITO膜との間にポジ型のフォトレジスト膜によって形成した上辺が短く下辺が長いテーパー状の電流ブロック層を表面金属の直下に備えた発光ダイオード用エピタキシャルウエハをチップ形状に加工し、ダイボンディング、ワイヤボンディングを行う方法である。
本発明では、電流ブロック層がフォトレジスト膜によって形成されているため、本発明に示した発光ダイオードの構造を採ることにより、従来の電流ブロック層を備えた電流狭窄型の発光ダイオードよりも画期的にスループットが高く、且つ極めて製造コストの低い発光ダイオードを作製できる様になった。これは、従来の電流ブロック層の形成方法が、主にMOCVD法によって形成される半導体層であり、更に該電流ブロック層の上に形成する電流拡散層が再びMOCVD法による半導体層によって形成されていたことに依存する。つまり、本明細書中に示した従来の方法によると、1回目のエピタキシャル成長後、エピタキシャルウェハ上にフォトレジストを用いてパターンニング、更に電流ブロック層の形状にする為のエッチング工程が必要であるが、本発明においては、単純にフォトレジストによるパターンニングのみで終息する。
更に、MOCVD法による1バッチあたりのウェハ処理枚数はせいぜい6枚から10枚程度であるのに対し、ITO膜を形成する真空蒸着装置においては1バッチあたり60枚から90枚の処理が可能であることからも、本発明による電流狭窄型の発光ダイオードの製造スループット、及び製造コストが極めて優良であることは明らかである。
以下、本発明の実施形態を実施例を中心に説明する。
<従来例>
従来例として、図2に示した構造の発光波長630nm付近の赤色発光ダイオードを製作した。製作の過程は次の通りである。
n型GaAs基板1上に、MOCVD法でn型GaAsバッファ層2、n型DBR層(ブラッグ反射層)3、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層4、アンドープ(Al0.15Ga0.850.5In0.5P活性層5、p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層6、p型GaAsコンタクト層7を順次成長させ、発光ダイオード用エピタキシャルウェハを作製した。ちなみに上記n型DBR層3は、n型AlInP(約50nm)とn型GaAs(約40nm)から成る積層構造とし、そのペア数は10ペアとした。
上記発光ダイオード用エピタキシャルウェハをMOCVD装置から搬出した後、該ウェハの表面、つまりp型コンタクト層7側へ、真空蒸着法によって膜厚300nmのITO膜8を形成した。この時、同一バッチ内にセットしたガラス基板を取り出し、ホール(Hall)測定が可能なサイズに切断し、ITO膜の電気特性を評価した所、キャリア濃度1.27×1021/cm3、移動度22.4cm2/Vs、抵抗率2.31×10-4Ω・cmであった。
そして、この発光ダイオード用エピタキシャルウェハ上面には、直径125μmの円形のp側電極(表面電極)9を、マトリクス状に蒸着で形成した。このp型電極9は、ニッケル、金を、それぞれ20nm、500nmの順に蒸着した。
更にエピタキシャルウェハ底面には、全面にn側電極(裏面電極)10を形成した。n型電極10は、金・ゲルマニウム、ニッケル、金を、それぞれ60nm、10nm、500nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイを、窒素ガス雰囲気中400℃で5分行った。
その後、このエピタキシャルウェハをダイシング等でチップサイズ300μm角のチップ形状に加工し、更にダイボンディング、ワイヤボンディングを行って発光ダイオードチップを製作した。
この発光ダイオードチップのLED特性を評価した結果、発光出力2.13mW、動作電圧1.98Vという発光ダイオードを作製することができた。
<実施例>
実施例として、図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色帯発光ダイオードを製作した。製作の過程は次の通りである。
n型GaAs基板1上に、MOCVD法でn型GaAsバッファ層2、n型DBR層3、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層4、アンドープ(Al0.15Ga0.850.5In0.5P活性層5、p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層6、p型GaAsコンタクト層7を順次成長させ、発光ダイオード用エピタキシャルウェハを作製した。ちなみに上記n型DBR層は、n型AlInP(約50nm)とn型GaAs(約40nm)から成る積層構造とし、そのペア数は10ペアとした。
次に電流ブロック層11の形成方法を記述する。上記発光ダイオード用エピタキシャルウェハをMOCVD装置から搬出した後、上記発光ダイオード用エピタキシャルウェハの表面にスピンコーターを用いて、ポジレジスト膜を一面に塗布した。この時、塗布したポジレジストはOFPR−800の粘度30cPであり、スピンコーターによる塗布条件は、回転数7000rpm、回転時間60secとした。
ポジレジストの塗布後、マスクアライナーを用いて直径125μmの円形ドットが形成される様に露光し、更にその後現像することで、上記の形状にパターンニングした。
パターンニング後、水洗、乾燥工程を経て、窒素ガス雰囲気中で300℃、5分間のベーキングを行った。また、この時に作製したポジレジスト膜の膜厚を段差計にて測定した所、0.75μmであった。この様にして、ポジレジスト膜による電流ブロック層11を形成した。
ベーキング後、該ウェハの表面、つまりパターンニングされたポジレジスト膜側へ、真空蒸着法によって膜厚300nmのITO膜8を形成した。この時、同一バッチ内にセットしたガラス基板を取り出し、ホール(Hall)測定が可能なサイズに切断し、ITO膜8の電気特性を評価した所、キャリア濃度1.21×1021/cm3、移動度22.6cm2/Vs、抵抗率2.30×10-4Ω・cmであった。
そして、この発光ダイオード用エピタキシャルウェハ上面には直径125μmの円形のp側電極(表面電極)9をマトリクス状に、前工程で形成したポジレジスト膜のほぼ直上に位置する様に蒸着法で形成した。p型電極9は、ニッケル、金を、それぞれ20nm、500nmの順に蒸着した。更にエピタキシャルウェハ底面には、全面にn側電極(裏面電極)10を形成した。n型電極10は、金・ゲルマニウム、ニッケル、金を、それぞれ60nm、10nm、500nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイを、窒素ガス雰囲気中400℃で5分行った。
その後、このエピタキシャルウェハをダイシング等でチップサイズ300μm角のチップ形状に加工し、更にダイボンディング、ワイヤボンディングを行って発光ダイオードチップを製作した。
この発光ダイオードチップのLED特性を評価した結果、発光出力2.46mW、動作電圧2.08Vであった。
以上の様に、電流拡散層であるITO膜8よりも下方向に位置する場所へポジレジスト膜から成る電流ブロック層11を備えたことで、従来の電流ブロック層を具備しない発光ダイオード(図2)よりも高出力の発光ダイオードを作製することができた。図3に電流ブロック層11の有無による発光出力の大小を比較して示した。
また更に、ITO膜8の形成方法として真空蒸着法を用いることによって、電流拡散層、つまりITO膜8の製造のスループットが格段に向上し、また原料費が安価に済むことで、大幅な低コスト化を達成することができた。しかも電流ブロック層11に用いるフォトレジストは、エピタキシャルウェハ一枚に対する使用量がたったの数mlで済み、更にパターンニング工程のみで済むことから、電流ブロック層形成に掛かるコストも極めて少ない。
<最適条件に付いての根拠>
第1に、電流ブロック層に用いるフォトレジストはポジ型のフォトレジストであることが好ましい。
何故ならば、通常、ポジレジストは露光された部分のみが現像液に溶解し、逆に露光されない部分のみがエピタキシャルウェハ上に残存することになる。そしてその時、エピタキシャルウェハ上に残存したポジレジストは、上辺が短く下辺が長いテーパー状になる特性を有している。これに対し、ネガ型のフォトレジストは、露光された箇所が残存し、露光されない箇所が現像液に溶解する。そして、残存したネガレジストの形状は上辺が長く下辺の短い逆テーパー状になる。
このネガレジストによって電流ブロック層を形成した場合、その上に被覆する様に形成するITO膜とネガレジストによる電流ブロック層との間に空隙箇所が形成されてしまい、数々の不具合をもたらす要因となってしまうからである。例えばそれは、ITO膜の断線であったりする。またその他には、空隙を作ることによって、半導体中から上方に発した光が空隙部分で下方に反射する成分が高くなり結果的に発光ダイオードの輝度を低下させてしまうことが挙げられる。
以上の理由により、電流ブロック層にはポジ型のレジストを用いることが望ましいのである。
第2に、電流ブロック層のサイズ、つまり直径は、表面電極つまりITO膜の上に形成される電極の直径とほぼ同等であるか、若しくはそれよりも大きめに作製することが好ましい。
何故ならば、電流ブロック層の直径が表面電極の直径よりも小さいと、電極直下に流入した電流を遮蔽できない箇所が存在し、電流狭窄効果による発光出力の増大を縮小してしまうことになるからである。
また、電流ブロック層から、活性層までの間の半導体層の距離によっても電流ブロック層の直径を最適化する必要がある。例えば、本発明における実施例では、活性層から電流ブロック層までの距離はおよそ1μm程度であり、この程度であれば、電流ブロック層を迂回して流入する電流が電流ブロック層よりも下の半導体層で廻り込むことも殆どなく、極めて効率の高い電流狭窄効果による高輝度化が達成できる。逆に電流ブロック層から活性層までの半導体層の距離が10μm程度と長い場合、電流ブロック層を迂回して流入した電流が活性層までの半導体層によって、再び電極直下の位置に廻り込んでしまい、結果的に電極直下での発光が増加し、大幅な輝度向上が望めなくなってしまう。この様な場合の対処としては、電極の直径よりも電流ブロック層の直径を大きくすることによって解決される。
第3に、ITO膜と接するオーミックコンタクト層は、主に高濃度にZn(亜鉛)が添加されたAl混晶比0から0.3までのGaAs、又はAlGaAsであることが望ましい。
ITO膜は基本的にn型の半導体材料に属し、また、発光ダイオードは通常、pサイドアップで作製されるのが一般的である。この為、ITO膜を電流拡散層に付帯した発光ダイオードは導電型が基板の側からn/p/n接合となってしまう。この為に発光ダイオードではITO膜とp型半導体層との界面に大きな電位障壁が生じ、通常は非常に動作電圧の高い発光ダイオードとなってしまう。この問題を解消する為、p型半導体層には非常に高いキャリア濃度を有するコンタクト層が必要となる。それには上記に示したZnが添加されたGaAsから低Al混晶比のAlGaAsが適しており、詳しくは、1×1019/cm3以上のキャリア濃度を有していることが好ましい。
第4に、上記コンタクト層は、GaAsから低Al混晶比のAlGaAsであり、このコンタクト層の膜厚は1nmから50nmの範囲にあることが好ましい。
何故ならば、上記コンタクト層は、いずれも活性層で発光した光に対し吸収層となるバンドギャップを有している為、膜厚が厚くなるに連れ、発光出力が低下してしまう。従って、コンタクト層の膜厚の上限をおよそ50nmとする。しかし、より好ましくは30nmまでである。また、コンタクト層の膜厚が1nm未満になってくると、今度はITO膜とコンタクト層との間でのトンネル接合が難しくなってくる為、低動作電圧化、動作電圧の安定化が困難になる。従ってITO膜と接するコンタクト層の膜厚には最適値があり、それは1nmから50nmなのである。
第5に、ITO膜を形成する方法は、真空蒸着法であることが望ましい。理由は、以下製造方法ごとに述べる。
まずスパッタ法においては、酸素雰囲気でのプラズマが発生するため、アッシングと同様の効果が働き、電流ブロック層が除去されてしまうという問題が発生する。また、スパッタ装置自体の設備額が高額で、更に、1バッチあたりのチャージ枚数が少ないことから、スループットも問題となる。
次に、MOD溶液を用いたスプレー法においては、第一に基板の表面温度を500℃以上に加熱しないとITO膜の抵抗率を下げることができない為、発光ダイオード用エピタキシャルウェハに対する熱の影響が大きく、コンタクト層の表面を酸化してしまい、トンネル接合が達成されなくなってしまうという問題が発生する。また、ITO膜の高温での成膜になるので、ITO膜のキャリア濃度で低下してしまい、トンネル接合しづらい状況を作ってしまうことも問題である。更には、多数枚チャージ、つまりスループットの高い製造設備の作製が難しく、安定した量産を行うには難しい。
次に、塗布法においてはスプレー法、スパッタ法、真空蒸着法と比較して、抵抗率を下げることが非常に難しいことが挙げられる。このことからコンタクト層とのトンネル接合が非常に難しい。更には、ITO膜を200nmから500nm程度まで形成するのに、塗布、乾燥、焼成といった工程を幾度となく行う必要があることから、スループットが非常に悪い。
以上の理由から、製造装置の価格が安く、且つ安定性に優れ、スループットの高い方法として真空蒸着法であることが好ましいのである。
第6にITO膜の膜厚は200nmから500nmの範囲にあることが好ましい。
下限が200nmである所以は、充分な電流分散効果を得る為にはおよそ200nm程度の膜厚が必要だからである。次に上限が500nmである由縁は、真空蒸着法で形成する場合、ITO膜の膜厚が500nm程度になってくると、ITO膜の透明性、つまり透過率が徐々に悪化してしまうという現象がある為である。また、およそ200nmから300nm程度のITO膜によって充分な電流分散効果が得られることから、あまり厚くし過ぎても製造コストを増加させてしまうだけになる。
従って、ITO膜の膜厚は200nmから500nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは200nmから400m程度であると言える。
<変形例1>
本発明における実施例では、AlGaInP系発光ダイオードを挙げて詳しく説明したが、本発明の意図するフォトレジストを用いた電流ブロック層は、他にも例えばAlGaAs系発光ダイオードや、InGaAsP系長波長発光ダイオードにも適用可能である。
<変形例2>
本発明における実施例では、発光部をn型クラッド層4、活性層5、p型クラッド層6によって構成したが、例えば、導電型決定不純物の拡散を抑止する為の半導体層を活性層の上下、若しくは上側か下側の一方に設けたとしても、該拡散抑止層はアンドープであるか、若しくは低濃度の半導体層であり、いずれにしろ電流ブロック層によって狭窄された電流が廻り込み、電流狭窄効果がもたらす発光輝度の向上を阻害するようなことは殆どあり得ない。
また、本発明の意図する所は、半導体層の表面にフォトレジストから成る電流ブロック層を設け、更に電流の広がりをITO膜によって行うことから、上記の導電型決定不純物拡散抑止層の有無に関わりなく本発明が適用可能である。
<変形例3>
本発明における実施例では、GaAs基板1上に発光ダイオード構造を形成し、それに電流ブロック層11、ITO膜8を順次形成することで発光ダイオードを得たが、その他にも例えば、基板がGeである場合や、または実施例の様に一度GaAs基板上に発光ダイオード構造を形成し、その後、種々のウェハ融着技術を用いて、当初形成した発光ダイオード構造を生かし、異種基板に貼り付けられた状態での発光ダイオードにおいても、本発明に示したフォトレジストによる電流ブロック層とITO膜から成る電流狭窄型の発光ダイオードは、基板の材料に関わらず適用可能であり、本発明の意図する効果を得ることができる。
<変形例4>
本発明における実施例では、活性層をクラッド層で挟み込んだ単純なダブルヘテロ構造としたが、他にも例えば活性層が量子井戸構造であっても、本発明の意図する効果を得ることができる。
本発明の一実施例にかかるAlGaInP系赤色発光ダイオードの断面構造図である。 従来例にかかるAlGaInP系赤色発光ダイオードの断面構造図である。 電流ブロック層の有無による発光出力の関係を示した図である。
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 ブラッグ反射層
4 n型クラッド層
5 活性層
6 p型クラッド層
7 コンタクト層
8 ITO膜
9 表面電極
10 裏面電極
11 電流ブロック層

Claims (7)

  1. 基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を順次設けて発光部を形成し、さらに該発光部上に高濃度に導電型決定不純物を含有したオーミックコンタクト層を設ける第1工程と、
    前記オーミックコンタクト層上に、ポジレジスト膜から成る上辺が短く下辺が長いテーパー状の電流ブロック層と、ITO膜からなる透明導電膜とを設ける第2工程と、
    前記第1工程と前記第2工程により形成される発光ダイオード用エピタキシャルウエハに、ワイヤボンディングが行われる表面電極を前記電流ブロック層の直上に位置するように形成すると共に、ダイボンディングが行われる裏面電極を前記基板側に形成する第3工程とを有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  2. 請求項1に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記電流ブロック層の表面側の面積が前記表面電極と同等またはそれ以上の面積を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記基板がGaAs又はSiであり、前記発光部がGaInP、AlInP、またはAlGaInPから成ることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記高濃度に導電型決定不純物を含有したオーミックコンタクト層が、GaAsからAl混晶比0.3までのAlGaAsであることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記コンタクト層の膜厚が1nm以上50nm以下であることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記ITO膜から成る透明導電膜の膜厚が200nm以上500nm以下であることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法において、
    前記ITO膜から成る透明導電膜が真空蒸着法により形成されていることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
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