JP4138271B2 - 雑音除去装置及びfm受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オーディオ出力装置、FM受信機等に用いられる雑音除去装置に関わり、特に、マルチパスノイズによる受信妨害が発生しやすい、例えばカーラジオ等に用いられるマルチパスノイズを除去する雑音除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の受信環境における電磁波ノイズを考えた場合、イグニッションノイズ、ミラーノイズなど多数のパルス性の電磁波ノイズ(以下、「パルス性ノイズと」称する場合がある)や、山や高層ビル等の電磁波の反射体がその周囲にある場合等に、それら反射体からの電磁波の反射に起因して発生するマルチパスノイズが発生する。
【0003】
このうちのマルチパスノイズは、FM放送信号(FM変調信号)を送信する送信アンテナから直接受信される直接波と反射体によって反射された反射波とが合波してカーラジオの受信アンテナに受信されるため、直接波と反射波との位相関係によっては直接波の一部が反射波によって打ち消されることによって生じる。そして、その結果発生するマルチパスノイズによって、その出力音声信号の品質(音質)が低下することはよく経験されることである。
【0004】
特に、出力音声信号の品質の低下がもたらされる一因として、例えば上述のカーラジオにおけるFM受信機を例にとると、従来のFM受信機においては、弱電界で雑音のレベルが大きくなることが挙げられる。この対策として、ステレオからモノラル(逆に、モノラルからステレオ、すなわちステレオ音声における左右チャンネルの分離度を変化させること)にすることにより(ステレオセパレーション動作)、あるいは高周波成分を除去することにより(ハイカット動作)、弱電界時におけるS/N比を改善すると共に、雑音除去回路をFM検波の後段に設けることによりFM検波出力に含まれるパルス性のノイズを除去するようにしている。
【0005】
図21は、例えば特開平2−283129号公報に開示された、雑音低減機能を有した従来のFM受信機の構成を示すブロック図である。
【0006】
同図に示すように、アンテナ1より受信されたFM放送信号はフロントエンド2において周波数変換等の前処理がなされた後、IF増幅手段3で中間周波数が増幅され、FM検波手段4によってFM検波され、FM復調信号S4として雑音除去手段6に与えられる。雑音除去手段6はFM復調信号S4から高周波のパルス性ノイズを除去するものである。
【0007】
雑音除去手段6はバッファアンプ6a、遅延手段6b、ゲート手段6c、ハイパスフィルタ6d、雑音検出手段6e、ゲート信号発生手段6f、ノイズAGC手段6G、出力部6h及び記憶部6iから構成される。
【0008】
ハイパスフィルタ6dはFM復調信号S4からパルス性の高周波雑音を抽出し、ゲート信号発生手段6fは雑音検出により所定時間幅のゲートパルスをゲート手段6cに出力する。記憶部6iは直前の出力信号を記憶している。この際、ゲート信号発生手段6fが発生するゲートパルスは例えばイグニッションノイズの幅を考慮して設定される。
【0009】
ノイズが検出されていない場合には、ゲート手段6cは閉じられた状態とされ、FM復調信号S4はバッファアンプ6a、遅延手段6b、ゲート手段6c、出力部6hを介してステレオ復調手段7にそのまま出力されると共に記憶部6iに記憶される。
【0010】
ここで、FM検波手段4のFM復調信号S4にノイズが乗り、雑音検出手段6eでそのノイズが検出された場合には、ゲート信号発生手段6fから所定幅のゲート信号が出力されて、その間ゲート手段6cが開かれた状態となる。
【0011】
その結果、遅延手段6bの出力信号が阻止(無効と)され、替わって記憶部6iに記憶されているノイズ発生直前の検波出力信号が出力されて雑音が除去される。この雑音除去手段6は、マルチパス歪みが発生してFM復調信号S4にマルチパスノイズが含まれる場合にも、このマルチパスノイズが雑音検出手段6eで検出されると前述した雑音除去動作を行う。
【0012】
ステレオセパレーション制御手段(以下、「SP手段」と略す。)11、ハイカット制御手段(以下、「HC手段」と略す)12は共にIF増幅手段3のFM放送信号の受信レベル、すなわち、受信電界強度を示すシグナルメータ出力(以下、「Sメータ」と略す)S3を受け、Sメータ出力S3に基づきステレオセパレーション制御、ハイカット制御の動作をそれぞれ行う。
【0013】
ステレオ復調手段7は雑音除去手段6によってノイズ除去されたFM復調信号とSP手段11及びHC手段12の出力とに基づき、ステレオのオーディオ信号に復調してスピーカ9及び10を出力する。これらオーディオ信号は低周波増幅手段8で増幅された後、スピーカ9及び10でステレオ再生される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
後に詳述する図2に示すように、マルチパスノイズを時間的に拡大してみれば、サブキャリア信号の1周期(t1)間隔でスパイク状のノイズ(以下、「スパイク状ノイズ」と称する)が密集して発生している。
【0015】
従来のFM受信機では、複数のスパイク状ノイズより得ることのできるエンベロープ(包絡線)を1つのマルチパスノイズとしてとらえ、ノイズ除去の処理を行うことが一般的に行われており、このような場合、マルチパスノイズの幅はイグニッションノイズ等のパルス性ノイズの幅より広くなる。
【0016】
然るに、従来のFM受信機における雑音低減装置においては、以上のように構成されており、ゲートパルスの幅がイグニッションノイズの幅に対応して調整されているような場合、マルチパスノイズの発生時にゲート手段6cによってゲートされる期間が短すぎてマルチパスノイズを十分に除去することができない。
【0017】
逆に、ゲートパルスの幅がマルチパスノイズの幅に対応して調整されているような場合、マルチパスノイズ以外のノイズが発生した時に、ゲート手段6cによってゲートされる時間が長くなってしまう状態を生じ、雑音除去に伴う出力音声波形の歪みが増大してしまう等の問題点があった。
【0018】
更に、マルチパスノイズの状態が長く継続する条件下(環境下)では、ゲートされる期間が長く継続されることとなり、出力信号波形の歪みが増大するだけにとどまらず、最悪の場合、音声が途中で途切れてしまうなどの問題点もあった。
【0019】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、FM復調信号のマルチパスノイズ及びパルス性ノイズを共に精度良く除去する雑音除去装置あるいはFM受信機を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1記載の雑音除去装置は、FM復調信号を受け、該FM復調信号に基づきマルチパスノイズ除去期間を検出するマルチパスノイズ検出処理を行った後、前記マルチパスノイズ除去期間において前記FM復調信号に対しマルチパスノイズを除去するマルチパスノイズ除去処理を実行するマルチパスノイズ除去手段と、前記マルチパスノイズ除去手段と独立して設けられ、前記FM復調信号に対しパルス性ノイズの除去を行うパルス性ノイズ除去手段と、前記FM復調信号の元になる信号の受信時の電界条件及び前記マルチパスノイズ除去後の前記FM復調信号に基づき得られたオーディオ信号の振幅のうち、少なくとも1つに基づき、前記FM復調信号の条件を判定して条件判定結果を出力する条件判定手段と、前記FM復調信号の19KHz付近の成分量に関する成分判定結果を出力する19KHz付近成分判定手段とを備え、前記マルチパスノイズ除去手段は、前記条件判定結果をさらに受け、該条件判定結果に基づき、前記マルチパスノイズ検出処理内容を変更するとともに、前記成分判定結果をさらに受け、前記成分判定結果に基づき前記マルチパスノイズ除去処理の実行または非実行を決定し、前記19KHz付近成分判定手段は、前記FM復調信号の19KHz付近の成分を抽出する帯域抽出手段と、前記帯域抽出手段で抽出された信号の振幅レベルが基準値以上か否かに基づき、第1あるいは第2の状態を呈する前記成分判定結果を出力する信号レベル判定手段とを含む。
【0024】
また、請求項の発明は、請求項記載の雑音除去装置であって、前記信号レベル判定手段は前記成分判定結果の前記第1及び第2の状態のうち少なくとも一方の状態に変更後は、所定期間その状態を維持する内容保持機能を有する。
【0025】
また、請求項の発明は、請求項記載の雑音除去装置であって、前記信号レベル判定手段は、前記成分判定結果の出力においてヒステリシス機能を有する。
【0026】
また、請求項の発明は、請求項記載の雑音除去装置であって、前記信号レベル判定手段は、前記帯域抽出手段で抽出された信号の振幅レベルが基準値以上か否かに基づき第1あるいは第2の予備状態の判定を行う判定手段と、前記判定手段の判定結果を受け、前記判定結果が第1の予備状態に変化すると前記成分判定結果を前記第1の状態に変化させ、その後所定期間以上前記第2の予備状態が連続するまで前記成分判定結果を前記第1の状態に維持させる保持手段とを含む。
【0028】
この発明に係る請求項記載のFM受信機は、請求項1記載の雑音除去装置と、FM変調信号を受信し、該FM変調信号を復調して前記FM復調信号を生成するFM受信・復調手段と、前記雑音除去装置によって少なくとも前記マルチパスノイズが除去された前記FM復調信号を受け、前記FM復調信号からオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、前記オーディオ信号に基づき音声を出力する音声出力手段とを備え、前記FM受信・復調手段は前記FM変調信号の受信レベルを示す受信レベル信号をさらに出力し、前記雑音除去装置は前記受信レベル信号及び前記オーディオ信号に基づき前記条件判定結果を出力する。
【0029】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アンテナ1より受信された、FM復調信号の元となるFM放送信号(FM変調信号)はフロントエンド2において周波数変換等の前処理がなされた後、IF増幅手段3で中間周波数が増幅され、FM検波手段4によってFM検波され、FM復調信号S4としてマルチパスノイズ除去手段5に与えられる。このように、アンテナ1、フロントエンド2、IF増幅手段3及びFM検波手段4によってFM受信・復調手段を構成している。
【0030】
マルチパスノイズ除去手段5はFM復調信号S4からマルチパスノイズを除去するマルチパスノイズ除去動作を実行してマルチパスノイズ除去FM復調信号S5を雑音除去手段6に出力する。雑音除去手段6はマルチパスノイズ除去FM復調信号S5から高周波のパルス性ノイズを除去する。
【0031】
なお、マルチパスノイズ除去手段5は、イグニッションノイズ等のパルス性ノイズとは異なるマルチパスノイズの性質(すなわち、マクロ的に見ればそのエンベロープにより表わされるようなサブキャリア信号の周期の間隔に比して大きなある一定の幅を有しているが、ミクロ的に見ればサブキャリア信号の一周期間隔に対応して発生する個々のスパイク状ノイズの集合あるいは群としてみることができる)に着目して、マルチパスノイズを除去すべく、後に詳述するように構成される。
【0032】
マルチパスノイズ除去手段5は、ハイパスフィルタ(高域フィルタ。以下、「HPF」と略す)5a、絶対値化手段(以下、「ABS」と略す)5b、比較手段5c、閾値生成手段5d、遅延手段5e、保持手段5f、ゲート生成手段5g及び平滑手段5hから構成される。なお、HPF5a及びABS5bより高域抽出手段5abが構成される。
【0033】
図1に示す構成において、マルチパスノイズ除去手段5、条件判定手段13、19kHz成分判定手段14以外の構成は、図21で示した従来の雑音除去装置の説明において述べたものと同様なので、その説明を省略する。ただし、雑音除去手段6の動作としては、パルス性ノイズの除去に対応するようにゲートパルス幅を設定してあり、この雑音除去手段6においては、専らパルス性ノイズの除去を行うように構成されている。
【0034】
図2は、マルチパスノイズが発生した場合におけるFM検波手段4からのFM復調信号S4の波形の一例を示す波形図である。図2中、下段の波形は、上段に示したマルチパスノイズの発生している部分(期間)を時間的に拡大して示したものである。
【0035】
FM受信機の一例として、カーラジオを例にとると、まず、FM送信電波(FM放送信号)がアンテナ1により受信され、フロントエンド2、IF増幅手段3およびFM検波手段4によりFM復調されて、FM復調信号S4がFM検波手段4より出力される。
【0036】
その後、このFM復調信号S4はマルチパスノイズ除去手段5に入力される。マルチパスノイズ除去手段5はFM復調信号S4に含まれるマルチパスノイズを低減(除去)してマルチパスノイズ除去FM復調信号S5を雑音除去手段6に出力する。
【0037】
雑音除去手段6はマルチパスノイズ除去FM復調信号S5からパルス状ノイズの除去して、ノイズ除去FM復調信号S6をステレオ復調手段7に出力する。その後、ノイズ除去FM復調信号S6は、ステレオ復調手段7に入力されてステレオ復調され、左右のチャンネルに応じたオーディオ信号S7が出力される。
【0038】
この後、ステレオ復調手段7の出力は低周波増幅手段8に入力されて信号増幅が施され、スピーカ9および10より音声(オーディオ)が出力される。このように、低周波増幅手段8及びスピーカ9,10は音声出力手段として機能する。
【0039】
また、IF増幅手段3からのSメータ出力S3がSP手段11及びHC手段12に入力され、ステレオ復調手段7には、SP手段11、HC手段12のそれぞれの出力が入力され、セパレーション動作、ハイカット動作について制御を受ける。
【0040】
条件判定手段13はIF増幅手段3からのSメータ出力S3と、ステレオ復調手段7からのオーディオ信号S7を受けて、Sメータ出力S3及びオーディオ信号S7に基づいたFM放送信号の受信条件を判定し、条件判定結果S13をマルチパスノイズ除去手段5の閾値生成手段5d及びゲート生成手段5gに対して出力する。
【0041】
19KHz付近成分判定手段14はFM復調信号S4を受け、FM復調信号S4に基づき成分判定結果S14をマルチパスノイズ除去手段5内のゲート生成手段5gに出力する。
【0042】
また、上述の例では、マルチパスノイズを除去するマルチパスノイズ除去手段5の後段にパルス状ノイズを除去する雑音除去手段6が設けられ、雑音除去手段6がマルチパスノイズ除去手段5の出力を入力として構成されているが、雑音除去手段6が、同じくマルチパスノイズ除去手段5の後段であってステレオ復調手段7の出力を入力として設けられ、ステレオ復調手段7の出力に対してパルス性ノイズの除去を行い得るように構成しても良い。
【0043】
図2に示すように、マルチパスノイズは、サブキャリア信号の一周期間隔でスパイク状ノイズが時間的に集中して発生する性質を有する。本実施の形態においては、前述の従来装置の説明において述べたようにマルチパスノイズを、その信号エンベロープにより区画されるスパイク状ノイズのまとまりとして処理するのではなく、個々のスパイク状ノイズを対象とし、これを除去しようとするものである。
【0044】
図3は、マルチパスノイズ除去手段5の動作を説明するための説明図である。図3の(a) はFM検波手段4からの出力であるFM復調信号S4を示しており、図2の下段に例示したマルチパスノイズの波形と同様のものを示している。
【0045】
HPF5aは、マルチパスノイズを構成する個々のスパイク状ノイズを検出するのに十分な遮断周波数を設定されてなるものであり、図3の(b) に示すように、高い周波数成分を含むスパイク状ノイズに対応する波形を出力する(フィルタ出力を行う)。
【0046】
HPF5aの出力は、ノイズの立ち上がり、または立ち下がりに応じて、接地電位を境に正負にふれるので、ABS5bによって絶対値化し、図3の(c)に示すようなマルチパスノイズ検出信号S5abを得ることができる。このマルチパスノイズ検出信号S5abは、比較手段5c及び閾値作成手段5dにそれぞれ入力される。
【0047】
比較手段5cにおいては、マルチパスノイズ検出信号S5abを閾値生成手段5dの出力に基づいて2値化してマルチパスノイズ基準信号S5cを得る。更にゲート生成手段5gにより図3の(d)に示すようなゲート信号S5gを生成する。
【0048】
ゲート生成手段5gでは比較手段5c出力であるマルチパスノイズ基準信号S5cに基づきゲート信号S5gを生成する時に、ゲートする期間の拡大と、拡大量の違いによる位置変動の防止を行う。
【0049】
図4はゲート生成手段5gの動作の一例を説明する説明図である。図4では、マルチパスノイズのスパイク状パルスの一つについてゲート信号生成の様子を示している。
【0050】
図4の(a) に示すように、マルチパスノイズを含んだFM復調信号S4(コンポジット信号)に対して、図4の(b) で示すように比較手段5cからマルチパスノイズ基準信号S5cが出力される。
【0051】
このマルチパスノイズ基準信号S5cに対して、図4の(c) に示すように、遅延時間ΔTの遅延及び前方拡大FE及び後方拡大BE処理を行って、ゲート信号S5gを得る。前後に拡大する場合には、マルチパスノイズ基準信号S5cに対してゲート生成手段5g出力の芯の部分cp(拡大部分を除いた中心部分)が一定の遅延をもつように構成することにより、図4の(c) に示すように拡大量の違いによる位置変動の防止を行う。
【0052】
一方、閾値生成手段5dにおいては、入力されたマルチパスノイズ検出信号S5abについて、ある一定期間における平滑化した値に基づき、その閾値を指示する閾値信号S5dを生成する等の方法が採られる。
【0053】
一般に、FM放送信号が受信される電界条件が悪くなるなどして受信信号のS/N比が劣化すると、FM復調信号S4におけるベースのノイズ(基底ノイズ)が増加し、HPF5aの出力にマルチパスノイズ以外のノイズによる出力が増加してしまう。
【0054】
そこで、この基底ノイズのレベルに閾値が掛からないように(閾値が基底ノイズのレベルを下回らないように)、一定期間について、例えばローパスフィルタ等を用いて平滑化し、この平滑化されたレベルに基づいて閾値を生成する等の方法をとる。
【0055】
遅延手段5eは、FM検波手段4からのFM復調信号S4に対して、HPF5a、ABS5b、比較手段5c、閾値生成手段5dによってマルチパスノイズを検出するのに要する時間、及びゲート生成回路5gの遅延時間分の遅延処理を行い(タイミング合わせを行い)、遅延信号S5eを出力する。
【0056】
平滑手段5hはFM検波手段4からのFM復調信号S4に対して平滑化を行って平滑化信号S5hを保持手段5fに供給する。マルチパスノイズが強く発生している状況では、FM検波手段4の出力であるFM復調信号S4は図3の(a) に示すようにスパイク状ノイズの直前も少なからず影響を受けて歪んでいる。直前の信号で保持することは、マルチパスノイズの影響で歪んだ信号を用いることになり、スパイク状ノイズの除去として十分でない場合もある。
【0057】
したがって、保持手段5fに供給する保持用信号としては、平滑手段5hでFM復調信号S4を平滑化して得た、マルチパスノイズの影響を軽減した平滑化信号S5hを用いる。
【0058】
保持手段5fは、ゲート生成手段5gからのゲート信号S5gに基づき、遅延信号S5e及び平滑化信号S5hのうち一方の信号をマルチパスノイズ除去FM復調信号S5として出力する。
【0059】
すなわち、保持手段5fは、ゲート信号S5gが“L”の期間は遅延信号S5e、ゲート信号S5gが“H”の期間(マルチパスノイズ除去期間)は平滑化信号S5hをマルチパスノイズ除去FM復調信号S5として出力する。したがって、マルチパスノイズ除去FM復調信号S5は、図3の(e) に示すように、遅延信号S5eにおけるマルチパスノイズを構成する個々のスパイク状ノイズが、平滑化信号S5hに実質的に置き換えられた(個々のスパイク状ノイズが取り除かれた)信号となる。
【0060】
図5は、閾値生成手段5dの構成の一例を示すブロック図である。閾値生成手段5dは、1/K倍乗算手段5d1、加算手段5d2、1サンプル遅延手段5d3、(K−1)/K倍乗算手段5d4、L倍乗算手段5d5、制限手段5d6、及び設定手段5d7から構成される。なお、1/K倍乗算手段5d1はKによる除算手段であっても良く、(K−1)/K倍乗算手段5d4は(K/(K−1))による除算手段であっても良い。
【0061】
また、ここにいう「1サンプル」とはアナログ信号を対象とする場合には所定時間の遅延信号を意味し、デジタル信号を対象とする場合には1データクロック前の遅延信号を意味する。
【0062】
同図中、「K」はABS5bからのマルチパスノイズ検出信号S5abの平滑化を行うのに用いられる、ある一定期間のサンプル数を表す。なお、19kHz付近成分判定手段14からの成分判定結果S14に対する動作については後で述べる。「L」は、平滑化することによって得られる値に対する係数(増幅率)であり、図3の(c)に示すマルチパスノイズ検出信号S5abの振幅に対しては十分に低く、基底ノイズの振幅に対しては十分に高い値となるように設定される。
【0063】
入力信号であるマルチパスノイズ検出信号S5abはサンプル数Kの期間について平滑化して出力される。これを以下の式(1)によって表現すると次式のようになる(平滑化の計算)。
【0064】
y(n)=(1/K)・x(n)+((K-1)/K)・y(n-1)…(1)
なお、式(1)において、y(n)は出力されるべき振幅(n番目の出力)、x(n)は出力y(n)に対応する入力(n番目の入力)、y(n−1)は先に出力された振幅((n−1)番目の出力)をそれぞれ示す。
【0065】
このようにしてABS5b出力であるマルチパスノイズ検出信号S5abは平滑化されてL倍乗算手段5d5で増幅された後、制限手段5d6に供給される。
【0066】
一方、設定手段5d7では、条件判定手段13からの条件判定結果S13を受けて、制限手段5d6に対して所定の比較値と制限値を供給する。この値に基づき、制限手段5d6ではL倍乗算手段5d5出力に対して制限を加えて比較手段5cに対して閾値を指示する閾値信号S5dを出力する。
【0067】
図6は閾値生成手段5dの動作を説明する波形図である。条件判定手段13の条件判定結果S13を受けて、設定手段5d7から各々2種類の比較値c1、c2、制限値r1、r2を制限手段5d6に提供された場合の例である。図6の(a) 〜(d) それぞれにおいて左右は時間方向、上下は信号の振幅方向を表している。
【0068】
図6の(a)はABS5bの出力であるマルチパスノイズ検出信号S5abを示しており、この例では期間前半はマルチパスノイズを含まない基底ノイズ部分、期間半ばから後半にかけてマルチパスノイズを含むマルチパスノイズ部分を示している。
【0069】
縦方向の線は図3の(c)のマルチパスノイズ検出信号S5abを模式的に表したものである。上述のように検出にHPF5aを使用しているので、マルチパスノイズのない基底ノイズ部分でも弱電界時等にはある程度の振幅が出てくる。
【0070】
図6の(b)は、上述の1/K倍乗算手段5d1〜L倍乗算手段5d5による(1)式の処理によって得られる平滑化信号S5d5は、基底ノイズ部分ではマルチパスノイズ検出信号S5abより十分に大きくなるように制御される。
【0071】
しかし、マルチパスノイズ部分では図6の(a)に示すように、マルチパスノイズ検出信号S5abの出力の振幅が大きいので、平滑化信号S5d5もその部分でレベルが大きくなる。
【0072】
比較手段5cではマルチパスノイズ検出信号S5abと閾値生成手段5dから出力される閾値信号S5dで規定される閾値とを比較してマルチパスノイズの有無を2値化してマルチパスノイズ基準信号S5cを得ているため、マルチパスノイズが存在部分の閾値が大きくなると、2値化する部分で洩れが発生しやすくなり望ましくない。何故ならば、マルチパスノイズの発生期間でも、発生条件によってはスパイク状パルスの出方に強弱があることが一般的だからである。
【0073】
図6の(c),(d)は、以上の点に対処する為の制限手段5d6、設定手段5d7の動作を示している。条件判定手段13の条件判定結果S13に基づき、設定手段5d7から所定の比較値c1,c2、制限値r1,r2が制限手段5d6に供給される。制限手段5d6ではL倍乗算手段5d5からの平滑化信号S5d5に対して、比較値c1,c2及び制限値r1,r2に基づいて制限を加えて閾値信号S5dを比較手段5cに出力する。
【0074】
具体的には、図6の(b)で示す平滑化信号S5d5をIN、図6の(d)で示す閾値信号S5dをOUTで表す時、以下の(2)式〜(4)式を適用して制限を行う。
【0075】
IN<c1のとき、OUT=IN…(2)
c1<IN<c2のとき、OUT=r1…(3)
c2<INのとき、OUT=r2…(4)
これによって、図6の(d) に示すような閾値信号S5dを生成することができる。すなわち、基底ノイズ部分では電界変化があってもマルチパスノイズとして誤検出することなく、マルチパスノイズの核心部分では十分確実にその検出を行うことが可能となる。
【0076】
図7は条件判定手段13の条件判定結果S13に基づき、比較値と制限値を設定する意味合いを説明する波形図である。図7の(a) は強電界受信時のマルチパスノイズ検出信号S5ab、図7の(b) は(a) に対応する平滑化信号S5d5、図7の(c) は弱電界受信時のマルチパスノイズ検出信号S5ab、図7の(d) は(c) に対応する平滑化信号S5d5を示している。
【0077】
同図中、c1、c2は強電界時の比較値、c1’、c2’は弱電界時の比較値である。電界によって基底ノイズ部分を含めてマルチパスノイズ検出信号S5abの振幅及び密度に差が出るため、(b) と(d) とで示す平滑化信号S5d5のレベルにも差が出てくる。弱電界時には強電界時に比べて平滑化信号S5d5のレベルが大きくなるので、固定的なレベルで制限を加えたのでは安定的にマルチパスノイズ部分で制限を加えるのに限界がある。
【0078】
このため、電界条件に合わせて、弱電界時には比較値を高いレベルで、強電界時には低いレベルとして制限を行う必要がある。したがって、条件判定手段13の条件判定結果S13に基づいて比較値及び制限値を適した値に変更する意味がある。
【0079】
このように、閾値生成手段5dは、条件判定結果S13に基づき強電界時と弱電界時とで閾値生成内容を変えることにより、FM放送信号の受信条件に適合したマルチパスノイズ検出処理内容に変更することができる。
【0080】
なお、この例では比較値、制限値を各2種の場合について説明したが、これに限定する訳ではなく、各1種或いは各2種以上という場合でも安定的にマルチパスノイズ部分での検出精度を向上させるべく制限を加えても同様な効果が得られる。
【0081】
図8は、ゲート生成手段5gの構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、ゲート生成手段5gは、遅延手段5g1、保持手段5g2及び設定手段5g3から構成される。
【0082】
設定手段5g3は条件判定手段13からの条件判定結果S13を受けて、条件判定結果S13に基づく所定のゲート期間拡大量を実現する遅延時間及び保持時間を遅延手段5g1及び保持手段5g2にそれぞれ設定する。
【0083】
遅延手段5g1は比較手段5c出力であるマルチパスノイズ基準信号S5cに対して設定手段5g3で設定された遅延時間で信号遅延処理を行い、保持手段5g2は遅延手段5g1出力に対して設定手段5g3で設定された保持期間で信号保持処理を行う。19kHz付近成分判定手段14の成分判定結果S14に対する動作については後で述べる。
【0084】
図9はこのゲート生成手段5gの動作を説明する説明図である。同図の(a) は比較手段5c出力であるマルチパスノイズ基準信号S5c、同図の(b) は拡大“0”の場合のゲート生成手段5g出力であるゲート信号S5g、同図の(c) は拡大“1”の場合のゲート信号S5g、同図の(d) は拡大wの場合のゲート信号S5gを示している。
【0085】
上述のように、同図中の遅延時間ΔTは拡大によってゲート信号の芯の位置がずれることを防止するための所定の遅延量で、拡大量をw,拡大量に対応する基準時間を単位時間tdとすると遅延時間は(ΔT−w・td)となる。この時、保持時間を(2w・td)とすると、芯の位置は常にマルチパスノイズ基準信号S5cから遅延時間ΔT後に位置し、芯の位置から前後にw・tdずつ拡大されたゲート信号S5gを得ることができ、ゲート信号S5gの中心(芯の位置)がずれることがない。
【0086】
一般にマルチパスノイズは受信条件が弱電界になるほど強くなり、スパイク状ノイズの量は増え、振幅も大きくなり、聴感上の妨害の程度は増してくる。また、オーディオ信号S7の振幅が小さければマルチパスノイズが目立ちやすく、逆に振幅が大きければオーディオ信号S7に埋もれて目立たなくなる傾向がある。
【0087】
さらに、上述のゲート信号S5gの拡大の量はオーディオ信号の振幅レベルにより最適な量がある。オーディオ信号S7の振幅レベルが小さい領域では、ゲート信号S5gの拡大量を大きくしてマルチパスノイズをスパイク状ノイズの前後を含めて除去した場合に、信号の欠落による弊害は少なくノイズ感は軽減される傾向にある。一方、オーディオ信号S7の振幅が大きい領域では、ゲート信号S5gの拡大量が大きいと逆に信号の欠落による弊害が出てくる傾向にあり、ゲート信号S5gの拡大量は小さい方が適している。
【0088】
このように、ゲート生成手段5gは、条件判定結果S13に基づき、FM放送信号の受信時の電界強度及びオーディオ信号S7の振幅に応じて、拡大数wを変えることにより、FM放送信号の受信条件に適合したマルチパスノイズ検出処理内容に変更することができる。
【0089】
図10及び図11はマルチパスノイズを含んだFM復調信号S4(コンポジット信号)とそのスペクトラムを組み合わせで表した説明図である。図10は直接波に対して間接波が1dB減衰している場合を示しており、図11は直接波と間接波の振幅レベルが等しい場合を示している。
【0090】
図10及び図11それぞれの(b) のスペクトラムは3次元で表してあり、背が高く色が濃いほど成分のレベルが大きい。左右方向が周波数軸であり、奥行き方向は時間軸である。マルチパスノイズは直接波と間接波の位相関係により生ずるノイズであり、同図では説明のために最も単純な形態として直接波と間接波の2波の干渉によるマルチパスノイズの場合を表示している。
【0091】
図10及び図11をコンポジット信号上で比較すると、スパイク状ノイズの発生の仕方は、図10ではパイロット信号周期ごとにほぼ均等に、図11では比較的不規則にスパイク状ノイズが発生しているが、スパイク状ノイズの振幅や急峻さには大差がなく、例えば前述のマルチパス除去手段5における高域抽出用のHPF5aによって十分に弁別することは困難であり、同様にマルチパスノイズ除去が行われる。
【0092】
ところが両者の周波数スペクトルを比較すれば、図10の場合には19kHz周期ごとに成分のまとまりが見られるのに対して、図11の場合には音声帯域を含めて一様に成分が広がっており、両者は明確に異なる。
【0093】
図12及び図13は図10及び図11のコンポジット信号に対してそれぞれマルチパス除去手段5によってスパイク状ノイズを個別に除去した結果を示す説明図である。図13では音声帯域内を含めてマルチパスノイズによる成分が大きく減衰しており、除去の効果が現れている。一方、図12ではむしろ音声帯域内にマルチパスノイズ除去による補正ノイズ成分が現れており、むしろ、マルチパスノイズ除去手段5によるマルチパスノイズ除去処理の弊害が現れている。
【0094】
以上のことから、図10の条件下ではマルチパス除去手段5による除去動作を停止した方が弊害を発生することが無く、図11で示す条件下ではマルチパス除去手段5による除去動作が効果を上げることになり、マルチパスノイズの発生条件に合わせて除去動作をオン/オフすることに効用があることがわかる。
【0095】
上記効用を踏まえ、ゲート生成手段5gは19KHz付近成分判定手段14の出力である成分判定結果S14に基づき、ゲート信号S5gの有効/無効を制御してマルチパスノイズ除去動作のオン/オフを行う。
【0096】
図14は図1で示す19kHz付近成分判定手段14の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、19KHz付近成分判定手段14は、BPF(バンドパスフィルタ)14a、平滑手段14b及び判定手段14cから構成される。
【0097】
BPF14aはFM検波手段4のFM復調信号S4から19kHz付近の成分を抽出し、平滑手段14bはBPF14a出力の急激な変動を吸収し、判定手段14cは平滑手段14b出力が基準値VRであるか否かを判定する。この基準値VRは例えば予め定めてある19kHz付近成分の有り無しの境界となる値である。判定手段14c出力は19kHz付近成分が或る基準値以上有るか無いかの信号レベルを判定した成分判定結果S14を出力する。
【0098】
また、音声信号の影響を受けない周波数領域を考慮すると、例えば、15kHzから19kHz、または19kHzから23kHzの周波数範囲で判定を行うことが考えられ、図10 、図11それぞれの(b) で示すスペクトラムからもこの19kHz付近の成分に差があり、マルチパスノイズ除去動作のオン/オフの判定に利用できることが分かる。
【0099】
図15はBPF14aの特性の一例を示す説明図である。図15の(a) で示すようなにコンポジット信号が分布される場合、BPF14aは図15の(b) で示すように、音声信号の影響を受けないで19kHz付近の成分を抽出する。
【0100】
19kHz付近成分判定手段14がコンポジット信号の19kHz付近の成分の多寡によりマルチパスノイズ除去動作のオン/オフの判定を行って出力する成分判定結果S14は、図1で示すゲート生成手段5g、すなわち図8で示す設定手段5g3に入力される。
【0101】
設定手段5g3においては、例えば成分判定結果S14がマルチパスノイズ除去動作のオンを指示する場合には反応せず、オフを指示する場合にはゲート生成を中止する(無効にする)ような設定を保持手段5g2に行うことになる。このようにして、マルチパスノイズ除去手段5は成分判定結果S14に基づき、マルチパスノイズ除去動作の実行または非実行を決定する。
【0102】
図16は19kHz付近成分判定手段14の動作を説明する説明図である。同図の(a) は平滑手段14b出力と基準値VRの関係の一例を示している。同図の(b) は(a) の関係に基づき基準値VRを超える場合と否とを2値で示した判定手段14cの出力である。
【0103】
図16の(c) は判定手段14cにヒステリシス特性をもたせて、成分判定結果S14の“H”あるいは“L”に状態変化後の保持機能を持たせた場合の例を示しており、平滑手段14c出力が基準値VRに対して頻繁に上下する場合に判定手段14c出力の細かな変動を吸収できる効果がある。
【0104】
図14で示した19KHz付近成分判定手段14の場合、図16の(c) で示す判定手段14cの出力が成分判定結果S14となり、成分判定結果S14が“H”(第1の状態)の判定を行うときマルチパスノイズ除去動作をオフを指示し、成分判定結果S14が“L”(第2の状態)の判定を行うときマルチパスノイズ除去動作をオンを指示する。
【0105】
図17は図1の19kHz付近成分判定手段14の他の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、判定手段14cの出力を保持手段14dに入力するようにしたものである。
【0106】
例えば、平滑手段14c出力が基準値VRに対して頻繁に或いはある程度の時間間隔で上下変動する場合に、図14の構成の19KHz付近成分判定手段14では、単純な比較判定を行うと成分判定結果S14も頻繁に或いはある程度の時間間隔でマルチパスノイズ除去動作のオン/オフを指示することになる。
【0107】
細かな変動はヒステリシス特性を付加してある程度吸収できることは述べたが、成分判定結果S14の変動は2次的なノイズを発生させることになり不適切である。したがって、成分判定結果S14としては、一度19kHz付近成分が「有り」と判定されると一定期間以上「無し」の状態が続かないと判定結果として「無し」とはならない動作を行うために、保持手段14dを付加する。
【0108】
これにより、図16の(c) ,(d) に示すように、判定手段14cの判定出力(“H”(第1の予備状態),“L”(第2の予備状態))がある程度の時間間隔で変動しても、成分判定結果S14の判定としては“H”(第1の状態)に持続させて、マルチパスノイズ除去動作をオフさせるように働くことが望ましいような場合に効果を得られる。すなわち、成分判定結果S14は“H”に変化後は安定した状態を維持することができる。
【0109】
なお、図16ではヒステリシス特性を付加した判定手段14c出力に対して保持を行う図としているが、これに限らず同特性を付加しない判定手段14c出力、即ち同図の(b) に対して保持を行っても(すなわち、判定手段14cにヒステリシス機能を持たせない場合も)同様な効果を得られる。
【0110】
また、構成として、保持手段14dの保持機能を判定手段14cに含ませて、判定動作の中でヒステリシス特性又は保持動作、或いは両者を行っても以上で述べた内容の対応する構成と同様の効果がある。
【0111】
以上のように、19kHz付近成分判定手段14において、マルチパス除去手段5によるマルチパスノイズ除去動作を行うことが結果的に良好であるか否かを、成分判定結果S14の“H”または“L”で判定している。そして、19KHz付近成分判定手段14による成分判定結果S14の“L”/“H”に基づき、マルチパスノイズ除去手段5のマルチパスノイズ除去動作オン/オフする構成としている。
【0112】
その結果、マルチパスノイズ除去処理に適した状況においてのみマルチパスノイズ除去処理を実行可能することにより、状況に合わせてマルチパスノイズを効果的に低減しながら除去動作の弊害発生を防止することができる効果がある。
【0113】
<実施の形態2>
図18はこの発明の実施の形態2である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。同図中、19kHz付近成分判定手段14の出力である成分判定結果S14が保持手段5fに入力されていることを除いて図1で示した実施の形態1と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0114】
保持手段5fは、実施の形態1と同様、ゲート生成手段5gからのゲート信号S5gに基づいて、ゲート信号S5gが“H”でマルチパスノイズ発生を指示するとき、遅延手段5eからの遅延信号S5eをマルチパスノイズの発生した期間の直前の平滑手段5hからの平滑化信号S5hの値で保持することによりスパイク状ノイズを取り除く動作を行う。
【0115】
この際、19kHz付近成分判定手段14の出力である成分判定結果S14に基づき、成分判定結果S14が“H”でマルチパスノイズ除去動作オフを指示するとき、平滑化信号S5hの保持動作を停止して、遅延信号S5eをマルチパスノイズ除去FM復調信号S5として出力することにより、マルチパスノイズ除去動作を停止でき(非実行にし)、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0116】
<実施の形態3>
図19はこの発明の実施の形態3である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。同図中、19kHz付近成分判定手段14の出力である成分判定結果S14が閾値生成手段5dに入力されていることを除いて図1で示した実施の形態1と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0117】
閾値生成手段5dは、図5及び図6を用いて前述したように閾値信号S5dを比較手段5cに供給する。この際、図5の設定手段5d7が成分判定結果S14を受けて、成分判定結果S14がマルチパスノイズ除去動作オフを指示する時には閾値信号S5dの指示する閾値を比較手段5cで比較にかからない程度の大きな値とすることにより、マルチパスノイズ除去動作を停止でき(非実行にし)、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0118】
<実施の形態4>
図20はこの発明の実施の形態4である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。同図中、19kHz付近成分判定手段14の出力である成分判定結果S14が比較手段5cに入力されていることを除いて図1で示した実施の形態1と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0119】
比較手段5cではマルチパスノイズ検出信号S5abと閾値信号S5dとを比較することにより、マルチパスノイズ基準信号S5cを得てゲート生成手段5gに出力する。
【0120】
この際、成分判定結果S14をさらに受け、成分判定結果S14がマルチパスノイズ除去動作オフを指示する時、“L”固定のマルチパスノイズ基準信号S5cを出力する等、比較手段5c出力を無効にすることにより、マルチパスノイズ除去動作を停止でき(非実行にし)、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明における請求項1記載の雑音除去装置は、FM復調信号に存在するマルチパスノイズはマルチパスノイズ除去手段により除去され、同じくFM復調信号に存在するパルス性ノイズはマルチパスノイズ除去手段とは独立に設けられたパルス性ノイズ除去手段によって除去されるため、FM復調信号からマルチパスノイズ及びパルス性ノイズを精度良く除去したFM復調信号を得ることができる。
【0122】
加えて、請求項1記載の雑音除去装置において、マルチパスノイズ除去手段は、条件判定手段の条件判定結果に基づきマルチパスノイズ検出処理内容を変更するため、FM復調信号に関する受信時の電界条件、オーディオ信号等の条件に適して精度良くマルチパスノイズ検出処理を行うことができる。
【0123】
さらに、請求項1記載の雑音除去装置は、FM復調信号の19KHz付近の成分量に関する成分判定結果を出力する19KHz付近成分判定手段をさらに備え、マルチパスノイズ除去手段は、成分判定結果に基づきマルチパスノイズ除去処理の実行または非実行を決定している。
【0124】
したがって、FM復調信号の19KHz付近の成分量に基づき、マルチパスノイズ除去処理に適した状況においてのみ、マルチパスノイズ除去処理を実行することができる。
【0125】
加えて、請求項1記載の雑音除去装置の信号レベル判定手段は、帯域抽出手段で抽出された信号の振幅レベルが基準値以上か否かを第1あるいは第2の状態で指示する成分判定結果を出力している。したがって、マルチパスノイズノイズ除去手段は前記成分判定結果が第1の状態であるか第2の状態であるかによって、マルチパスノイズ除去処理の実行または非実行を決定することができる。
【0126】
請求項記載の雑音除去装置の信号レベル判定手段は、成分判定結果の第1及び第2の状態のうち少なくとも一方の状態に変更後は、所定期間その状態を維持する内容保持機能を有するため、第1及び第2の状態のうち一方の状態に変化すると少なくとも所定期間はその状態が維持される安定した成分判定結果を出力することができる。
【0127】
請求項記載の雑音除去装置の信号レベル判定手段は、ヒステリシス機能によって、第1及び第2の状態それぞれへの変化後は比較的安定した成分判定結果を出力することができる。
【0128】
請求項記載の雑音除去装置の信号レベル判定手段は、保持手段の保持機能によって、第1の状態に変化後は安定した成分判定結果を出力することができる。
【0130】
請求項記載のFM受信機は、受信レベル信号及びオーディオ信号を受ける条件判定手段を有する、請求項1記載の雑音除去装置を備えることにより、FM復調信号に関する受信時の電界条件、オーディオ信号の条件に適して精度良くマルチパスノイズ検出処理を行うことができ、その結果、ノイズが生じないより高音質な音声を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 マルチパスノイズが発生した場合におけるFM復調信号の波形の一例を示す波形図である。
【図3】 マルチパスノイズ除去手段の動作を説明するための説明図である。
【図4】 ゲート生成手段の動作の一例を説明する説明図である。
【図5】 閾値生成手段の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】 閾値生成手段の動作を説明する波形図である。
【図7】 条件判定手段の条件判定結果に基づき、比較値と制限値を設定する意味合いを説明する波形図である。
【図8】 ゲート生成手段の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】 ゲート生成手段の動作を説明する説明図である。
【図10】 マルチパスノイズを含んだコンポジット信号とそのスペクトラムを組み合わせで表した説明図(直接波に対して間接波が1dB減衰している場合)である。
【図11】 マルチパスノイズを含んだコンポジット信号とそのスペクトラムを組み合わせで表した説明図(直接波と間接波の振幅レベルが等しい場合)である。
【図12】 図10のコンポジット信号に対してマルチパス除去手段によってスパイク状ノイズを除去した結果を示す説明図である。
【図13】 図11のコンポジット信号に対してマルチパス除去手段によってスパイク状ノイズを除去した結果を示す説明図である。
【図14】 図1の19kHz付近成分判定手段の一構成例を示すブロック図である。
【図15】 図14のBPFの特性の一例を示す説明図である。
【図16】 19kHz付近成分判定手段の動作を説明する説明図である。
【図17】 図1の19kHz付近成分判定手段14の他の構成例を示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態2である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 この発明の実施の形態3である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態4である雑音除去装置の構成を示すブロック図である。
【図21】 雑音低減機能を有した従来のFM受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 IF増幅手段、4 FM検波手段、5 マルチパスノイズ除去手段、5aHPF、5b ABS(絶対値化手段)、5c 比較手段、5d 閾値生成手段、5e 遅延手段、5f 保持手段、5g ゲート生成手段、5h 平滑手段、6 雑音除去手段、7 ステレオ復調手段、11 SP手段(ステレオセパレーション制御手段)、12 HC手段(ハイカット制御手段)、13 条件判定手段、14 19KHz付近成分判定手段。

Claims (5)

  1. FM復調信号を受け、該FM復調信号に基づきマルチパスノイズ除去期間を検出するマルチパスノイズ検出処理を行った後、前記マルチパスノイズ除去期間において前記FM復調信号に対しマルチパスノイズを除去するマルチパスノイズ除去処理を実行するマルチパスノイズ除去手段と、
    前記マルチパスノイズ除去手段と独立して設けられ、前記FM復調信号に対しパルス性ノイズの除去を行うパルス性ノイズ除去手段と、
    前記FM復調信号の元になる信号の受信時の電界条件及び前記マルチパスノイズ除去後の前記FM復調信号に基づき得られたオーディオ信号の振幅のうち、少なくとも1つに基づき、前記FM復調信号の条件を判定して条件判定結果を出力する条件判定手段と、
    前記FM復調信号の19KHz付近の成分量に関する成分判定結果を出力する19KHz付近成分判定手段とを備え、
    前記マルチパスノイズ除去手段は、
    前記条件判定結果をさらに受け、該条件判定結果に基づき、前記マルチパスノイズ検出処理内容を変更するとともに、
    前記成分判定結果をさらに受け、前記成分判定結果に基づき前記マルチパスノイズ除去処理の実行または非実行を決定し、
    前記19KHz付近成分判定手段は、
    前記FM復調信号の19KHz付近の成分を抽出する帯域抽出手段と、
    前記帯域抽出手段で抽出された信号の振幅レベルが基準値以上か否かに基づき、第1あるいは第2の状態を呈する前記成分判定結果を出力する信号レベル判定手段とを含む、
    雑音除去装置。
  2. 請求項1記載の雑音除去装置であって、
    前記信号レベル判定手段は前記成分判定結果の前記第1及び第2の状態のうち少なくとも一方の状態に変更後は、所定期間その状態を維持する内容保持機能を有する、
    雑音除去装置。
  3. 請求項2記載の雑音除去装置であって、
    前記信号レベル判定手段は
    前記成分判定結果の出力においてヒステリシス機能を有する、
    雑音除去装置。
  4. 請求項2記載の雑音除去装置であって、
    前記信号レベル判定手段は
    前記帯域抽出手段で抽出された信号の振幅レベルが基準値以上か否かに基づき第1あるいは第2の予備状態の判定を行う判定手段と、
    前記判定手段の判定結果を受け、前記判定結果が第1の予備状態に変化すると前記成分判定結果を前記第1の状態に変化させ、その後所定期間以上前記第2の予備状態が連続するまで前記成分判定結果を前記第1の状態に維持させる保持手段とを含む、
    雑音除去装置。
  5. 請求項1記載の雑音除去装置と、
    FM変調信号を受信し、該FM変調信号を復調して前記FM復調信号を生成するFM受信・復調手段と、
    前記雑音除去装置によって少なくとも前記マルチパスノイズが除去された前記FM復調信号を受け、前記FM復調信号からオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、
    前記オーディオ信号に基づき音声を出力する音声出力手段とを備え、
    前記FM受信・復調手段は前記FM変調信号の受信レベルを示す受信レベル信号をさらに出力し、
    前記雑音除去装置は前記受信レベル信号及び前記オーディオ信号に基づき前記条件判定結果を出力する、
    FM受信機
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