JP4137102B2 - ピングリッドアレイパッケージ用ソケット - Google Patents

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Description

本発明は、リードピンがグリッドアレイ状態で設けられた半導体集積回路などのパッケージと接続するピングリッドアレイパッケージ用ソケットに関する。
従来、この種のソケットは、ピングリッドアレイ(PGA)パッケージのリードピンと電気的に接続可能とした複数の端子を格子状に備えた板状のベースハウジングと、このベースハウジングの上側に配置された、前記リードピンを挿通可能とした複数のスルーホールを格子状に備えた板状のスライド部材とで構成されている。スライド部材の上側に更にカバー部材を備えたものもある。このカバー部材にもスルーホールが形成されている(例えば、特開平7−142134号公報、実用新案登録第253644号公報等参照)。
スライド部材は、ピングリッドアレイパッケージをソケットに接続する際に、リードピンをゼロ挿入力でソケット内に挿入できるようにするためのもので、前記リードピンが前記スルーホールを通してベースハウジング内の端子装着部までゼロ挿入力で挿入可能となる第1の位置と、端子装着部まで挿入されたリードピンと前記端子を電気的に接続(係合)させる第2の位置との間で、スライド部材をベースハウジングの板面に平行な面内でスライドできるように構成されている。スライド部材のスライドによって、リードピンがベースハウジング側の端子のコンタクト片に係合する位置まで移動したり、端子のコンタクト片がリードピンと係合する位置まで移動する構成とされている。
スライド部材をスライドさせるための手段は、ベースハウジングの後縁に沿ってカム軸を設置し、このカム軸をソケットの側方に沿って設けた操作ハンドルで回転できるように構成され、カム軸を介してスライド部材をベースハウジングに沿って押すように構成されている。カム軸を回転するための操作ハンドルは、ベースハウジングとほぼ平行の水平状態と、これに対して略直角の垂直状態の間を回動させるようにしている。
前述のように、従来のピングリッドアレイパッケージ用ソケットにおけるスライド部材のためのスライド手段は、ソケットの側方で水平状態と垂直状態との間で回動できるように設けられる操作ハンドルを用いて構成されていた。このために、操作ハンドルをソケットの外部に設置しなければならずソケットの小型化を阻害していたのみならず、操作ハンドルの回動のための空間をソケットの側方でソケットの上方まで広く確保しなければならないという問題点があった。
そこで、こうした問題を解決するために、本出願人は、ベースハウジング及びスライド部材の板面を貫通させて装着した偏心カム部材によってスライド手段を構成し、その偏心カム部材を回転させることで、スライド部材が第1の位置と第2の位置との間でスライド移動するピングリッドアレイパッケージ用ソケットを開発し、既に提案した(特願平11−120907号)。
特願平11−120907号公報
しかしながら、この技術においても、次のような点でさ
らに解決すべき課題があった。
第1に、スライド部材の位置ずれの問題である。スライド部材は、そのスライド手段を
構成する偏心カム部材により第1の位置と第2の位置とを往復移動可能に構成されている。しかし、スライド可能に上下に組み合わせるスライド部材とベースハウジングとの間の組合せ誤差や成形誤差等により両者間に「がたつき」が生じた場合、スライド部材も不用意に位置ずれする問題が生じる。その結果、パッケージのリードピンをゼロ挿入力でソケットにセットできなくなる。
第2に、このようにスライド部材が不用意に位置ずれしていた場合、パッケージの全てのリードピンが全端子に確実に接続されるように、スライド部材を適正なスライド量とすることが困難になる問題である。
第3に、パッケージのリードピンをソケットに接続する作業は、通常、自動マウント機により行う。その際、上記第1及び第2の理由にり、自動マウント機による基板へのアッセンブリが困難になる問題である。
第4に、偏心カム部材の回転角度を180度として、往復回転させる構成とした場合、偏心カム部材を何れかへ回転させる際に、逆方向へ偏心カム部材を回すという誤操作により偏心カム部材をねじ切ってしまうことが生じる問題である。
よって、本発明の課題は、スライド部材とベースハウジングとの間に組立誤差や成形誤差等によるがたつきが生じている場合でも、スライド部材を第1の位置と第2の位置に正確に位置決めすることができ、これにより、自動マウント機による基板実装時の精度を向上させることができる技術を提供することをにある。
また、本発明の他の課題は、偏心カム部材の回転角度をフリーにして、偏心カム部材の回転抵抗により第1の位置と第2の位置とを判別する考え方を採用することで、可動部材のオーバーストロークや損傷等を防止することができるようにした技術を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用した。本発明の第一の手段は、ピングリッドアレイパッケージのリードピンと電気的に接触可能な複数の端子が格子状に設けられたベースハウジングと、このベースハウジングに沿ってスライド可能に配置され、前記リードピンを挿通可能な複数のスルーホールが格子状に設けられたスライド部材と、前記リードピンが前記スルーホールを通して前記ベースハウジング内の端子装着部まで挿入可能となる第1の位置と前記端子装着部まで挿入したリードピンを前記端子に電気的に接触させる第2の位置との間でスライド部材を往復移動させるスライド手段と、前記スライド手段と協力して前記スライド部材を前記第1の位置と第2の位置に位置決めする前記スライド部材のストッパー装置と、を備え、前記スライド手段は、前記ベースハウジング及びスライド部材の板面を貫通して装着した偏心カム部材を含み、この偏心カム部材の回転に伴うスライド部材の移動範囲は、前記第1の位置から前記第2の位置までの範囲をこえて設定され(例えば、偏心カム部材31を180度又は360度回転させたとき、スライドカバー20のスライド量が限界に達し、その限界に達する直前で凸部52が凹部51の一側の壁面又は他側の壁面に当接する)、かつ、前記偏心カム部材を回転させて、少なくとも第1の位置でスライド部材を位置決めし、前記スライド部材を前記第1の位置に到達させた際に、前記偏心カム部材には、前記到達が判別可能な回転抵抗を生じさせる(例えば、回転抵抗の強さは、偏心カム部材31を例えばドライバーを用いて手動操作で回転させたときに明確に判別することができる程度の強さ)ことを特徴とする、ピングリッドアレイパッケージ用ソケット。

本発明では、スライド部材のスライド範囲を第1の位置と第2の位置との間においてのみ移動可能に規制し、かつ少なくとも第1の位置でスライド部材を位置決めする機能を有するストッパー装置を設けているので、スライド部材とベースハウジングとの間に組立誤差や成形誤差等によるがたつきが生じている場合でも、スライド部材を第1の位置と第2の位置に正確に位置決めすることができ、これにより、自動マウント機による基板実装時の精度を向上させることができる。
前記スライド手段が、前記ベースハウジング及びスライド部材の板面を貫通させて装着した偏心カム部材を含み、その偏心カム部材を回転させることで、前記スライド部材が前記第1の位置と第2の位置との間でスライドする。
このように、スライド手段が偏心カム部材により構成されているので、スライド部材を第1の位置と第2の位置との間でスライド移動させる操作は偏心カム部材を直接回転させる操作で行うことが可能になる。したがって、操作が直接的になるので、ストッパー装置と協力してスライド部材を目的位置に位置決めする操作も容易になる。
前記ストッパー装置は、前記ベースハウジングに設けた凹部と、前記スライド部材に設けた凸部とを含み、前記凹部内に前記凸部が移動可能に収容されていてその凸部の移動範囲が前記第1の位置と第2の位置との間に相当している構成とすることができる。
したがって、ベースハウジングに凹部を、スライド部材に凸部を設け、凹部に凸部を収容することで、ストッパー装置を簡易な構成で実現し、しかも、ベースハウジングとスライド部材の厚さ寸法に影響を与えないように構成することができる。また、凹部と凸部でストッパー装置を構成することで、ストッパー装置自体の構成を簡易にしかも精度良く構成することができる。
前記偏心カム部材が1回転以上回転可能であり、前記スライド部材の前記第1の位置と第2の位置との間のスライド移動の範囲が前記偏心カム部材の180度の回転角に相当し、前記スライド部材が前記第1の位置付近にあるときに前記凸部が凹部の壁面に当接して偏心カム部材の回転抵抗が生じるように設定することができる。
よって、偏心カム部材の回転角度をフリーにして、偏心カム部材の回転抵抗によって第1の位置を判別することができる。また、偏心カム部材の回転抵抗について、前記凸部が前記凹部の壁面に当接してから離間するまでの間において生じ、かつ、偏心カム部材が回転可能な強さに設定されている構成とすることができる。これにより、偏心カム部材やスライド部材等の可動部材のオーバーストロークや損傷等を未然に防止する。
前記偏心カム部材の回転抵抗に関し、前記スライド部材が前記第2の位置付近にあるときにも生じるように設定してもよい。これにより、第1の位置に加えて第2の位置も偏心カム部材の回転抵抗により判別することが可能になる。
また、前記偏心カム部材の回転抵抗が生ずるときの偏心カム部材のカムの向きは、前記スライド部材のスライド移動方向と一致させることが可能である。
本発明のピングリッドアレイパッケージ用ソケットによれば、特別に工夫したストッパー装置を設けることによって、スライド部材とベースハウジングとの間に組立誤差や成形誤差等によるがたつきが生じている場合でも、スライド部材を第1の位置と第2の位置に正確に位置決めすることができ、これにより、自動マウント機による基板実装時の精度を
向上させることができる。
また、偏心カム部材の回転角度をフリーにして、偏心カム部材の回転抵抗により第1の位置と第2の位置とを判別する考え方を採用することで、可動部材のオーバーストロークや損傷等を防止することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2に本発明の実施の形態に係るピングリッドアレイパッケージ用ソケット1の平面図及び側面図を示し、図3にピングリッドアレイパッケージの側面図を、図4にソケットの底面図を示した。また、図5にスライド手段部分の断面図を、図6に端子受入空洞部分の断面図を示した。
このピングリッドアレイパッケージ用ソケット1は、絶縁性樹脂を主体として形成された平面略矩形のベースハウジング10と、そのベースハウジング10の上面側に重ねられた絶縁性樹脂からなる平面略矩形のスライドカバー(スライド部材)20と、スライドカバー20をベースハウジング10に対してスライド(一方向に往復移動)させるスライド手段30と、スライドカバー20のストッパー装置50とを備える。
スライドカバー20のスライド方向を図1において矢印Aで示している。この矢印A方向を以下の説明ではベースハウジング10も含めて長さ方向と称し、その長さ方向と、スライドカバー20の表面に平行な面において直交する矢印B方向を幅方向と称する。
ベースハウジング10の幅方向両側及びスライドカバー20の幅方向両側には、ベースハウジング10に対してスライドカバー20をその長さ方向にのみスライド可能に保持するための対策がとられている。即ち、ベースハウジング10の幅方向両側に、ベースハウジング10の長さ方向に延びる高さの低い側面部分11が形成され、この両側面部分11に長さ方向に間隔をおいて配置した係止突起12が複数設けられている。
そして、スライドカバー20の幅方向両側には下方へ延びる側板21が設けられ、この両側板21に、ベースハウジング10の係止突起12と係合する窓穴22がスライドカバー20の長さ方向に間隔をおいて複数設けられている。この窓穴22はスライドカバー20の長さ方向に延びている。これにより、スライドカバー20はその長さ方向にのみ一定の範囲でスライド可能とされている。
スライドカバー20には格子状に配置された多数のスルーホール23が設けられている。これらのスルーホール23には、ピングリッドアレイパッケージ(以下、PGAパッケージと称する)のリードピンR(図9参照)が挿通される。
ベースハウジング10には、前記スルーホール23に対応させて端子受け入れ空洞13が格子状に形成されており、各端子受け入れ空洞13内に端子40(図6、図9参照)が装着されている。この端子40については従来から公知の種々の形状のものを使用できるが、ここでは、図9の平面図で示すように、両側に位置するコンタクト片41、41と、端子固定用の係合片42とを有する形状のものが用いられている。
なお、この端子40には、プリント回路基板などの取付基板(図示せず)に対して表面半田付けができるように配慮したテイル45も設けられている。このテイル45は、ベースハウジング10の下面から下方へ突出させている。
図5に示すように、ベースハウジング10は、金属製枠部材2に絶縁性樹脂3がオーバーモールドされて図示のような形状に成形されて薄型化が図られている。また、スライド
カバー20も金属板24に絶縁性樹脂25がオーバーモールドされて図示のような薄型化が図られている。
そして、この金属板24に多数の開口26が格子状に設けられ、この開口26を通して前記スルーホール23が格子状に設けられて、ピングリッドアレイパッケージPのリードビンRが層通できるように構成されている。
ベースハウジング10とスライドカバー20の長さ方向の一端側中央の山形に張り出した部分を貫通するようにして、スライド手段30を構成する偏心カム部材31が装着されている。この偏心カム部材31の下部の回転軸32には、ベースハウジング10の底面側に設けた固定リング33が固定され、これにより偏心カム部材31が抜け止めされている。
固定リング33はドーナツ状の平ワッシャーの形状とされ、ベースハウジング10の底面側に形成された凹所34内に収容されている。これにより、固定リング33は凹所34より外部には突出しないように配慮されている。
偏心カム部材31は、図5に示すように、回転軸32の上側にカム35を偏心させて設けた構造のものである。カム35の上面にはドライバーなどの回転操作用の工具を差し込むための操作溝35aが設けられている。また、スライドカバー20の金属板24の一側にはカム受け部材36が固定され、このカム受け部材36にカム35が回転可能にはまりこむカム孔36aが設けられている。
なお、偏心カム部材31を回転させてスライドカバー20を矢印A方向にのみスライドさせるためには、偏心カム部材31の回転軸32が若干移動する必要がある。そこで、図では特別に示していないが、回転軸32を支持する金属製枠部材2の軸孔2aは、平面視においてベースハウジング10の幅方向(矢印B方向)に延びる長孔に形成してある。その結果、偏心カム部材31は軸孔2aに沿って矢印B方向に移動しつつ回転可能となり、その回転に伴ってスライドカバー20がベースハウジング10に対して矢印A方向に往復移動する。
図6に端子受入空洞13の部分を拡大して示した。この端子受入空洞13は、平面略方形の空洞で、ベースハウジング10の上面に開口している。端子受入空洞13の底部には通過孔13aが形成され、端子40をベースハウジング10の上面側から装着する際に、テイル45がこの通過孔13aを通ってベースハウジング10の底面側に配置できるようにしている。
各端子受入空洞13は、仕切り壁14を対向する内壁から、互いに対向するように設けてあり、一側をコンタクト収容部14a、他側を係合片収容部14bに区画している。この端子受入空洞13内に圧入して固定される端子40は、薄い導電性金属板を打ち抜き、曲げ加工して形成したもので、ベース板43に連続する前記テイル45、コンタクト片41、41、係合片42等を備えている。
図7及び図8はストッパー装置50の部分を示す平面図及び断面図である。このストッパー装置50は、スライドカバー20のスライド範囲を規制しつつスライドカバー20を所定の位置に位置決めする機能を有する構成としている。即ち、リードピンRがスルーホール23を通してベースハウジング10内の端子装着部(図9参照)まで挿入可能となる第1の位置と、端子装着部まで挿入したリードピンRを端子40に電気的に接触させる第2の位置(図15参照)との間においてのみスライドカバー20を往復移動可能に規制する機能を有している。さらに、前記スライド手段30と協力してそれら第1の位置と第2
の位置にスライド部材を位置決めする機能を有する。以下にこのストッパー装置50について詳しく説明する。
このストッパー装置50は、ベースハウジング10に設けた平面長方形の凹部51と、スライドカバー20に設けた同じく平面長方形の凸部52とを含む。凸部52は、凹部51内に移動可能に収容されていてその凸部52の移動範囲が第1の位置と第2の位置との間に相当している。凹部51はベースハウジング10の長さ方向の一端側近くの表面に設けられていている。凹部51の底面は金属製枠部材2の表面で形成され、一側の壁面53及び他側の壁面54は絶縁性樹脂3により形成されている。凸部52の基部55はカム受け部材36と共通の部材により固定されている。
スライド手段30を構成する偏心カム部材31は回転フリーとなっているが、スライドカバー20の第1の位置と第2の位置との間のスライド移動の範囲は偏心カム部材31の180度の回転角に相当している。そして、スライドカバー20が第1の位置又は第2の位置付近にあるときに凸部52が凹部51の一側の壁面53又は他側の壁面54に当接して偏心カム部材31の回転抵抗が生じるように設定されている。
偏心カム部材31の回転抵抗としては、凸部52が凹部51の一側の壁面53又は他側の壁面54に当接してから離間するまでの間において生じ、しかも、偏心カム部材31が回転可能な強さに設定されている。即ち、この回転抵抗の強さは、偏心カム部材31を例えばドライバーを用いて手動操作で回転させたときに明確に判別することができる程度の強さであり、しかも偏心カム部材31を何回転させてもストッパー装置50の機能が損なわれない程度の強さとすることが好ましい。
より具体的には、凹部51、凸部52、ベースハウジング10、スライドカバー20等の主体を構成する絶縁性樹脂の弾性を利用して回転抵抗を与える構成とすることができる。例えば凸部52が凹部51の一側の壁面53に当接した状態で、それら凸部52及び凹部51を構成する樹脂が弾性変形することで、偏心カム部材31に回転抵抗を与えつつ、偏心カム部材31が180度以上及び360度以上回転することができるように設定される。
換言すれば、偏心カム部材31を180度又は360度回転させたとき、スライドカバー20のスライド量が限界に達し、その限界に達する直前で凸部52が凹部51の一側の壁面又は他側の壁面に当接することで回転抵抗を生じさせる。そして、偏心カム部材31をさらに回転させることで、その回転抵抗を乗り越える設定とするのである。
このように設定すれば、凸部52や凹部51、あるいは偏心カム部材31やスライドカバー20等の可動部材の必要以上のオーバーストロークや塑性変形による損傷等を未然に防止することができる。勿論、このような設定においては、各部材の成形誤差や組合せによるがたつき、さらには嵌め合い交差等も初めから考慮される。
なお、図7において、符号60はガイド機構を示している。このガイド機構60は、ストッパー装置50付近に設けられていて、スライドカバー20のスライドをガイドするものである。このガイド機構60は、ベースハウジング10側に設けた平面長方形の凹所61と、スライドカバー20側に設けた平面略正方形の突出部62とにより構成している。凹所61の溝幅と突出部62の幅はほぼ合致していて、スライドカバー20の幅方向のがたつきを防止しつつ、スライドカバー20をその長さ方向にスライド可能に案内する機能を有する。
このような構成のソケット1に、例えば半導体パッケージ等のPGAパッケージPを搭
載する場合には、まず、図7に示すように操作溝35aを利用して偏心カム部材31を回転させ、偏心カム部材31と共にスライドカバー20を第1の位置であるオープン位置に位置させる。
このオープン位置は、図8においては凸部52が凹部51の一側の壁面53に当接し、凸部52や凹部51を形成する樹脂どうしが僅かに弾性変形した状態にあるときである。したがって偏心カム部材31には回転抵抗が生じている。この状態では、凸部52が凹部51の一側の壁面53に樹脂どうしが互いに弾性変形した状態で当接しているため、スライドカバー20はベースハウジング10に対してがたつき無くしっかりと位置決めされる。その結果、スライドカバー20の位置ずれ等は生じない。
次に、図8に示すように、PGAパッケージPの各リードピンRがスルーホール23を挿通するように、そのPGAパッケージPをスライドカバー20の表面に載せる。このとき、リードピンRは図9に示すように端子40への装着位置に位置決めされる。
次いで、偏心カム部材31を矢印で示す方向に回転させる。図10は偏心カム部材31を90度回転させた状態を示す平面図である。この状態では、凸部52は凹部51の中央に位置し、それに伴いリードピンRも端子40への接続の途中に位置している。
偏心カム部材31を矢印で示す方向にさらに回転させて、第2の位置であるロック位置で停止させる。図13は偏心カム部材31を180度回転させた状態を示す平面図である。この状態では、凸部52は凹部51の他側の壁面54に当接し、それに伴いリードピンRもコンタクト片41、41を弾性変形させつつ端子40への接続位置まで移動し、端子40に対して電気的に接続される。また、この状態では、凸部52が凹部51の他側の壁面54に樹脂どうしが互いに弾性変形した状態で当接するため、スライドカバー20はベースハウジング10に対してがたつき無くしっかりと位置決めされる。その結果、スライドカバー20の位置ずれ等は生じない。
スライドカバー20の位置ずれが生じない理由として、次のような作用も挙げることができる。偏心カム部材31が180度又は360度回転した状態では、カム35の部分が図8において左端又は右端に位置する状態となり、カム35の向きとスライドカバー20のスライド方向とが直線的に一致する。したがって、この状態では、何らかの理由でスライドカバー20を戻す方向にスライドさせる力が作用しても、偏心カム部材31を回転させる力としては作用しない。その結果、スライドカバー20の位置ずれは生じない。
PGAパッケージPをソケット1から外す必要がある場合には、偏心カム部材31をさらに180度(合計360度)回転させてスライドカバー20を第1の位置であるオープン位置に戻せば良い。すると、PGAパッケージPの各リードピンRは各端子40から外れて図9に示す端子装着位置に復帰し、PGAパッケージPの取り外しが可能になる。
PGAパッケージPを再度装着する場合には、上述と同様に偏心カム部材31を矢印方向に回転させて行う。したがって、偏心カム部材31はこのように同一方向に1回転以上何回転でも回転させることができるため、偏心カム部材31を誤ってねじ切ってしまうといった問題もなくなる。勿論、偏心カム部材31はこのように回転フリーであるから、矢印方向だけでなく矢印と反対方向に回転させてPGAパッケージPを搭載することもできる。
本実施の形態では、スライドカバー20のスライド範囲を第1の位置と第2の位置との間においてのみ移動可能に規制し、かつ第1の位置及び第2の位置でスライドカバー20を位置決めする機能を有するストッパー装置50を設けているので、スライドカバー20
とベースハウジング10との間に組立誤差や成形誤差等によるがたつきが生じている場合でも、スライドカバー20を第1の位置と第2の位置に正確に位置決めすることができる。これにより、自動マウント機による基板実装時の精度を向上させることができる。
また、スライド手段30が偏心カム部材31により構成されているので、スライドカバー20を第1の位置と第2の位置との間でスライド移動させる操作は偏心カム部材31を直接回転させる操作で行うことが可能になる。したがって、操作が直接的になるので、ストッパー装置50と協力してスライドカバー20を目的位置に位置決めする操作も容易になる。
前記ベースハウジング10に凹部51を、スライドカバー20に凸部52を設け、凹部51に凸部52を収容することで、ストッパー装置50を簡易な構成で実現し、しかも、ベースハウジング10とスライドカバー20の厚さ寸法に影響を与えないように構成することができる。また、このように凹部51と凸部52でストッパー装置50を構成することで、ストッパー装置自体の構成を簡易にしかも精度良く構成することができる。
なお、上記実施の形態では、ストッパー装置50を、偏心カム部材31を主体とするスライド手段30の近くに設けた例を示したが、ソケット1の側面部分等の他の離れた位置におけるベースハウジング10とスライドカバー20との間に設けてもよい。また、ストッパー装置50の凹部51、凸部52の形状についても実施の形態に限定されることなく、平面正方形や多角形等の他の形状を採用することもできる。さらに、このようなストッパー装置は、必要に応じて一対あるいはそれ以上設けることもできる。
本実施の形態では、ストッパー装置は、第1の位置と第2の位置の両方で機能する構成としたが、スライドカバーの位置ずれ等を防止してリードピンをゼロ挿入力で挿入可能にする点に配慮した場合、少なくとも第1の位置で位置決め機能を有する構成とすることもできる。
また、スライドカバーに凹部を設けベースハウジングに凸部を設けてストッパー装置を構成するようにしてもよいが、特にスライドカバーの厚さの関係を考慮した場合、実施の形態ようにするのが好ましい。
本発明の実施の形態に係るピングリッドアレイパッケージ用ソケットの平面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの側面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの背面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの底面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットのスライド手段部分の断面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの端子受入空洞部分の断面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットのストッパー装置部分の平面図。 図7のI−I線に沿った断面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの端子に対するリードピンの位置関係を示す平面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの動作説明用のストッパー装置部分の平面図。 図10のII−II線に沿った断面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの端子に対するリードピンの位置関係を示す平面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの動作説明用のストッパー装置部分の平面図。 図13のIII−III線に沿った断面図。 同じくピングリッドアレイパッケージ用ソケットの端子に対するリードピンの位置関係を示す平面図。
符号の説明
1 ソケット
2 金属製枠部材
3 絶縁性樹脂
10 ベースプレート
11 側面
12 係止突起
13 端子受入空洞
14 仕切り壁
15 端子受入空洞
20 スライドカバー(スライド部材)
21 側板
22 窓孔
23 スルーホール
24 金属板
25 絶縁性樹脂
26 開口
30 スライド手段
31 偏心カム部材
32 回転軸
33 固定リング
34 凹所
35 カム
35a 操作溝
40 端子
41 コンタクト片
42 係合片
45 テイル
50 ストッパー装置
51 凹部
52 凸部
60 ガイド機構

Claims (5)

  1. ピングリッドアレイパッケージのリードピンと電気的に接触可能な複数の端子が格子状に設けられたベースハウジングと、
    このベースハウジングに沿ってスライド可能に配置され、前記リードピンを挿通可能な複数のスルーホールが格子状に設けられたスライド部材と、
    前記リードピンが前記スルーホールを通して前記ベースハウジング内の端子装着部まで挿入可能となる第1の位置と前記端子装着部まで挿入したリードピンを前記端子に電気的に接触させる第2の位置との間でスライド部材を往復移動させるスライド手段と、
    前記スライド手段と協力して前記スライド部材を前記第1の位置と第2の位置に位置決めする前記スライド部材のストッパー装置と、を備え、
    前記スライド手段は、前記ベースハウジング及びスライド部材の板面を貫通して装着した偏心カム部材を含み、
    この偏心カム部材の回転に伴うスライド部材の移動範囲は、前記第1の位置から前記第2の位置までの範囲をこえて設定され、かつ、前記偏心カム部材を回転させて、少なくとも第1の位置でスライド部材を位置決めし、前記スライド部材を前記第1の位置に到達させた際に、前記偏心カム部材には、前記到達が判別可能な回転抵抗を生じさせることを特徴とする、ピングリッドアレイパッケージ用ソケット。
  2. 前記ストッパー装置は、前記ベースハウジングに設けた凹部と、前記スライド部材に設けた凸部とを含み、前記凹部内に前記凸部が移動可能に収容され、この凸部の移動範囲は、前記第1の位置から前記第2の位置までの範囲をこえて設定され、前記スライド部材を前記第1の位置に到達させた際の前記偏心カム部材の回転抵抗は、前記凸部が前記凹部の壁面に当接してから離間するまでの間において生じ、かつ、偏心カム部材が回転可能な強さに設定されている、請求項1に記載のピングリッドアレイパッケージ用ソケット。
  3. 前記偏心カム部材は1回転以上回転可能であり、前記スライド部材の前記第1の位置と第2の位置との間のスライド移動の範囲が前記偏心カム部材の180度の回転角に相当し、前記スライド部材が前記第1の位置付近にあるときに、前記凸部が凹部の壁面に当接して偏心カム部材の回転抵抗が生じるように設定されている、請求項2に記載のピングリッドアレイパッケージ用ソケット。
  4. 前記偏心カム部材の回転抵抗は、前記スライド部材が前記第2の位置付近にあるときにも生じるように設定されている、請求項1から3のいずれかに記載のピングリッドアレイパッケージ用ソケット。
  5. 前記偏心カム部材の回転抵抗が生ずるときの偏心カム部材のカムの向きは、前記スライド部材のスライド移動方向と一致していることを特徴とする請求項3に記載のピングリッドアレイパッケージ用ソケット。
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