本発明は、露光装置において、特に半導体ウエハやレチクル等の工作物を所定位置に位置決めしたり、所定速度で走査したりするステージ装置に関する。さらに、このようなステージ装置に用いられるリニアモータ、ならびにこのようなステージ装置を用いた露光装置およびデバイス生産方法に関する。
図31は、従来例であり、本発明の適用対象の一例でもある半導体露光装置を示す。この露光装置は、原版たるレチクルのパターンを円弧状または矩形状領域に限定して被露光物であるウエハ上に結像し、レチクルとウエハの両方を機械的に走査することによりレチクルパターン全体を露光するいわゆる走査型露光装置である。図32および図33は、レチクル走査系の詳細を示す。図32は、駆動系をレチクルステージの片側に設けたもので、図33は、駆動系を光軸を挟んでレチクルステージの両側に設けたものである。
図31において、基準ベース100上に除振手段101を介して本体定盤102が支持されている。本体定盤102上にはXY平面(水平面)内に移動可能なウエハステージ103が設けられ、その上方には本体支持部材105を介して投影光学系106が固定されている。支持部材105の上方にはレチクルステージベース80が設けられ、レチクルステージベース80上を不図示のガイドに沿って1軸方向に走査可能なレチクルステージ82が設けられている。104は、ウエハステージ103の位置を計測するための干渉計第2基準、107はレチクルステージ82の位置を計測するための干渉計第1基準、108はレチクルステージ82上のレチクル(不図示)を通してウエハステージ103上のウエハ(不図示)に露光エネルギーを与えるための照明系である。
図33において、レチクルステージベース80上にガイド81が固定され、ガイド81上に上に空気膜等の潤滑手段を介してレチクルステージ82が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ82上には工作物であるレチクル83が保持されている。またレチクルステージ82の両側には駆動コイル85が固定され、レチクルステージ82の全ストロークにわたり駆動コイル85の一部に巻線に垂直な一定の磁場を与えるため、ヨーク86と永久磁石87で構成されるリニアモータ固定子が設けられている。リニアモータ固定子はレチクルステージベース80上に固定され、駆動コイル85には不図示の電力増幅器が接続されている。電力増幅器としては、指令値に応じた電流を連続的に流すリニア方式が用いられ、高い周波数まで電流指令に応答するようになっている。ウエハステージ103もレチクルステージ82と同様に構成することができる。XYステージは、上述の駆動機構(ステージ装置)を2段重ねることにより構成される。
永久磁石87は図34に示すように厚み方向に着磁されている。つまり、ヨーク86に接する面がS極に、その裏側の駆動コイル85の一部に対向する面がN極に着磁されている。駆動コイル85はレチクルステージ82の全ストロークにわたり、リニアモータ固定子であるヨーク86および磁石87と非接触を保つようになっている。
上記構成において、レチクルやウエハ等の工作物83を移動するときは、リニア方式の電力増幅器が不図示の位置・速度制御回路から指令を受けて加速電流、または減速電流を駆動コイル85に流し、位置決めするときもリニア方式の電力増幅器がステージ82を不図示の制御回路の指令で時々刻々と位置偏差を無くすように、微小な電流を時々刻々と駆動コイル85に流し続ける。つまり、加減速においても位置決めにおいても同じ電力増幅器と同じ駆動コイル85が用いられる。
図31の走査形露光装置において、レチクルステージ82上のレチクルに照明光が当たるのは、そのレチクルのうちレチクルステージ82の走査方向に垂直な細長い矩形または円弧領域のみなので、そのレチクルのパターン全体をウエハ上に露光するにはレチクルステージ82とウエハステージ103の双方を走査する必要がある。走査は一定速度で行なわれ、走査中のレチクルステージ82とウエハステージ103の速度比は、投影光学系108の縮小倍率に正確に一致させる。レチクルステージ82の位置は干渉計第1基準107を介して、ウエハステージ103の位置は干渉計第2基準104を介して、不図示のレーザ干渉計で計測され不図示の制御系に帰還されるようになっている。
上記構成において、ウエハステージ103およびレチクルステージ82を初期位置に移動し、ウエハステージ103およびレチクルステージ82を加速する。両者が照明光の当たる領域に入る前に位置関係が所定の位置関係となり、速度比が投影光学系108の縮小倍率に等しくなる状態に収束させる。この状態を保って露光し、照明光の当たる領域から外れたら両者を適当に減速する。
図35は他の従来例を示す。図32のものとは、単相リニアモータの構成が異なる。すなわち、図35のリニアモータは、可動部がコイル98と単極で対面する短い磁石95と、可動磁石95のストローク全体にわたって配置されて磁石95の磁束を循環させる固定ヨーク96と、そのストローク全体にわたって固定ヨーク96の一部に巻回された単相コイルとにより構成されている。
半導体露光装置ではパターンの微細化、生産性向上および工作物の大口径化に対する要求が年々高まっている。生産性を向上させるためには露光時間を短縮したり、工作物の移動、位置決めをより高速に行なう必要があり、このためには移動の加速度、減速度を大きくする必要がある。また同時に、工作物の大口径化を達成するためにステージは大型化し、搬送重量が増加する。したがって、より重いものをより大きな加速度で動かすことが必要となり、推力の大きいアクチュエータと大出力の電力増幅器が必要となる。
従来の走査型露光装置等におけるステージ駆動機構では、走査ステージのストローク全域にわたり一定の磁場を発生するようなリニアモータ固定子が設けられている。そして推力を大きくするためには、上記一定の磁場の強さを例えば5000ガウス程度以上の強磁場にする設計が行なわれている。ところが、図34に示すように磁場はヨーク86を循環するので、ヨークの両端部にはストローク全域分の磁束が集中する。ヨークは鉄などの飽和磁束密度の高い材質で構成されるが、集中した磁束を飽和させないためには大きな断面積が必要になる。この結果、ヨークの体積および質量が増大し、装置全体の大きさや重さを増大させるという欠点があった。
また、走査ステージの全ストロークにわたり一定の磁場を発生させるためには、走査ステージの全ストロークにわたり、一定の厚さの磁石を設ける必要がある。一定磁場は上記のように強磁場が要求されるため、磁石材料としては高価な希土類磁石を用いる必要がある。したがって、駆動部のコストがかさむという欠点もあった。
また、リニアモータを駆動するための電力増幅器に関し、従来は電力増幅器にリニア方式のものを用いていた。これは電流の応答性は良いが増幅器自身の発熱が大きく大出力化することが困難である。
一方、効率のよい増幅器として最大値が一定の不連続な矩形電圧を出力するPWM増幅器がある。このPWM増幅器は、矩形電圧の幅を変えることにより、結果的に流れる電流量を変えるものである。このPWM増幅器を用いる方式では、基本となる矩形波の周波数が20KHz程度であり、高い周波数まで電流を応答させることが困難である。したがって、位置決め時や定速制御時の制御周波数を高く設定することができずサーボゲインも高くできない。つまり、従来のように、加減速や位置決めにおいても同じ電力増幅器と駆動コイルを用いる方式では、大出力と高精度を両立することができないという問題があった。
本発明の第1の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、大出力と高精度を兼ね備えた駆動機構(ステージ装置)を提供することにある。
さらに、従来の単相リニアモータは、図32および図33のものも、図35のものも、いずれの場合も可動コイル85または可動磁石95はガイド81上で一次元方向に、滑動自在に設けられた可動部に固定され、可動コイル85または固定コイル98に電流を流して可動部を前記一次元方向に動かすようになっていた。いずれの場合も、固定ヨーク86,96の厚さは、最低限永久磁石87,95が発生する磁束を飽和させないような厚みが必要である。しかしながら、固定ヨーク86,96の厚さを永久磁石87,95が発生する磁束を飽和させない最低限の厚さに設定した場合、可動部の移動を高速化するために加減速時の推力を大きく取ろうとしてコイル85,98に大電流を流しても、電流による磁束でヨークが飽和してしまい、大きな推力が得られない。一方、コイル電流による磁束でヨークが飽和しないようにヨークの厚さを厚くすると、全体の厚さが厚くなってしまう。つまり、従来の構成ではヨークの厚さを薄くすることと、大きな推力を得ることは両立しないという問題点があった。
本発明の第2の目的は、ヨークの厚さを薄くすることと、大きな推力を得ることを両立させたリニアモータを提供することにある。
上記の第1の目的を達成するため、本発明の第1の局面に係るステージ装置は、ステージの位置を検出する位置検出手段、位置検出手段により検出されるステージの現在位置および目標位置に基づき電流指令を出力する指令手段、この電流指令に応じた電流を出力する電力増幅器、およびこの電流によりステージを駆動する駆動手段を有するステージ装置において、前記電力増幅器および駆動手段は、PWM方式の第1の電力増幅器およびその出力電流によりステージを駆動する第1の駆動手段と、リニア方式の第2の電力増幅器およびその出力電流によりステージを駆動する第2の駆動手段とを並列に具備することを特徴とする。
この第1の局面に係る好ましい実施の形態において、ステージの加減速時には第1の電力増幅器を介してステージを駆動し、ステージの位置決め・速度制御時には第2の電力増幅器を介してステージを駆動するように第1または第2の電力増幅器を選択する手段を具備することを特徴とする。
また、第1および第2駆動手段は、リニアモータであり、その可動部は、第1の電力増幅器に接続した加減速用コイル、および第2の電力増幅器に接続した位置決め・速度制御用コイルを具備することを特徴とする。
また、第1および第2駆動手段は、リニアモータであり、その可動部がその固定部のコイルに対して単極で対面する磁石を有し、固定部がステージの全ストロークにわたり磁石の位置に応じてコイルの一部に一定の磁場を与えるためのヨーク、ならびにコイルとして、このヨークの周囲に巻回された単相の速度制御用コイルおよび複数個の多相の加減速用コイルとを具備することを特徴とする。
前記複数個の多相の加減速用コイルは、前記単相の速度制御用コイルの外側に巻回してもよい。あるいは、前記ヨークを、前記ステージの移動方向に平行で少なくとも該ステージの全ストロークにわたる直線部分を有するメインヨークと、このメインヨークの直線部分と少なくとも前記ステージの全ストロークにわたり平行な直線部分を有し、かつ該ストローク外で前記メインヨークに磁気的に接続されたサイドヨークとで構成し、速度制御用コイルおよび加減速用コイルの一方を前記メインヨークに、他方をサイドヨークに巻回してもよい。さらに、サイドヨークをメインヨークの両側に配置し、メインヨークに速度制御用コイルを巻回し、両サイドヨークに前記複数個の多相の加減速用コイルを1組ずつ都合2組を巻回してもよい。
これらのリニアモータの可動部および固定部は、前記ステージの片側に1組だけ、または両側に1組ずつ計2組が配置される。
また、第2駆動手段は、ステージに固定されたコイルと、このコイルに磁場を与えるための磁石およびヨークとを有するリニアモータであり、第1駆動手段は送りねじ機構と、この送りねじ機構の力をステージに伝達する力伝達部とを有することを特徴とする。
さらに、第1および第2駆動手段はリニアモータであり、その可動部が多極の磁石ユニットを有し、固定部が複数個の偏平コイルユニットを有し、偏平コイルユニットは第1の電力増幅器に接続される加減速コイルと、第2電力増幅器に接続される位置決め・速度制御コイルとを有することを特徴とする。
上記の第2の目的を達成するため、本発明の第2の局面に係る単相リニアモータは、単相コイルと、この単相コイルの軸方向にこの単相コイルとの相対移動が自在な第1の永久磁石と、強磁性体からなり前記単相コイルを軸方向に貫通する第1のヨークと、前記単相コイルの外側に前記第1のヨークと平行に配置された部分を有し前記第1の永久磁石からの磁束を前記単相コイルの巻線を横切って循環させる閉磁路を前記第1のヨークおよび第1の永久磁石とともに形成する強磁性体からなる第2のヨークと、前記第1のヨークと第2のヨークを接続する第2の永久磁石とを具備することを特徴とする。
この第2の局面に係る好ましい実施の形態において、前記単相コイルは可動であり、前記第1および第2のヨークは前記単相コイルのストローク全体にわたる直線部分を有する固定ヨークであり、前記第1の永久磁石は前記第1または第2のヨークの直線部分に固定されて前記単相コイルのストローク全体にわたり前記単相コイルと単極で対面する磁石であり、前記第2の磁石は前記ストロークの外で前記第1のヨークと第2のヨークを接続することを特徴とする。
あるいは、前記第1の永久磁石は前記単相コイルと単極で対面する可動磁石であり、前記第1および第2のヨークは前記可動磁石のストローク全体にわたる直線部分を有する固定ヨークであり、前記単相コイルは前記可動磁石のストローク全体にわたって前記第1のヨークに巻回されており、前記第2の磁石は前記ストロークの外で前記第1のヨークと第2のヨークを接続することを特徴とする。
また、前記単相コイルは速度制御用であり、さらにこの単相コイルよりも短い加減速用コイルが複数個、多相でこの速度制御用単相コイルと並列に巻回されていることを特徴とする。
この第2の局面に係る単相リニアモータは、前記第1の局面に係るステージ装置における第1および第2の駆動手段として好適に用いることができる。
また、所定の方向に移動可能なステージと、該移動方向に沿って配置されたステージ加減速用推力発生手段と、該推力発生手段と並列に設けられたステージ速度制御用推力発生手段と、前記加減速用推力発生手段のうちステージ加速区間に位置する部分でステージ加速用推力を発生させる加速手段と、前記加減速用推力発生手段のうちステージ減速区間に位置する部分でステージ減速用推力を発生させる減速手段と、少なくとも前記加速区間と減速区間との間の所定範囲において前記速度制御用推力発生手段によるステージ推力を制御する速度制御手段とを具備するステージ装置における前記加減速用推力発生手段および速度制御用推力発生手段として用いることができる。
さらに、本発明の各駆動機構は、図31に示すような走査型露光装置のレチクルステージとして好適に用いることができる。
本発明の第1の局面に係る構成によれば、1つの駆動軸にPWM方式の電力増幅器、およびリニア増幅方式の電力増幅器を平行して設けるようにしたため、大きな加減速力を出しながら、高精度な位置決め・速度制御が可能となる。
特に、露光装置等に適用する場合は、そのステージの各駆動軸ごとに加減速用推力発生手段(第1の駆動手段)と位置決め・速度制御用推力発生手段(第2の駆動手段)とを並列に設け、加減速用推力発生手段にはPWM方式の電力増幅器を接続し、位置決め・速度制御用推力発生手段にはリニア方式の電力増幅器を接続し、加減速時はPWM方式増幅器により大出力を発生して高速な移動を行ない、位置決め・速度制御時はリニア増幅器により高精度な位置決めおよび定速走行を行なわせることができる。
本発明の第2の局面に係る構成によれば、第1の永久磁石と単相コイルと該永久磁石の磁束を循環させる強磁性体でできた固定ヨークとで構成される単相リニアモータにおいて、該磁石の磁束を循環させるための固定ヨークの一部に該磁石の磁束を通す磁気回路に直列に第2の永久磁石を配置し、この第2の永久磁石は、前記第1の永久磁石の磁束を妨げないように着磁することにより、この第2の永久磁石によって前記単相コイルに流す電流による磁束のみを遮断することができる。したがって、この単相リニアモータによれば、ヨークの厚みを薄くして、なおかつ大きな推力を得ることができる。
特に、ステージ装置の前記推力発生手段として用いられる単相リニアモータにおいて、ヨークの一部を永久磁石で構成することにより、ヨークの断面積(特に厚み)を減少することが可能となり、駆動機構の小型軽量化を図ることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
図1〜3は、本発明の第1の実施例に係る駆動機構を用いたレチクルステージの構成を示す斜視図であり、図1は全体図、図2はヨークおよびコイル部分破断図、図3は可動部と固定部とをずらして示した分解図である。図1〜3に示すレチクルステージでは、不図示の除振ベース上にステージガイド1が固定され、ステージガイド1上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上にはレチクル3が保持されている。またステージ2の両側にはコの字形断面を持つ磁石保持板4が固定され、磁石保持板4の水平部分4aに図に示すように磁石の入る矩形穴が設けられ、その矩形穴に磁石5が嵌め込まれ固定されている。ステージ2、レチクル3、磁石保持板4および磁石5が一体となって可動部を構成する。
一方、固定部は可動部の両側に設けられたヨーク・コイルユニット10により構成される。各ユニット10は、センターヨーク6、2個のサイドヨーク7、1相の速度制御用コイル8および複数個の加減速用コイル9により形成される。
各ユニットを作成する際は、例えば、先ずセンターヨーク6の周りに長手方向の長さがセンターヨーク6のほぼ全長に相当する速度制御用コイル8が巻回される。速度制御用コイル8は電気的に単相になるように構成される。速度制御用コイル8の周りにはさらに長手方向の長さが速度制御用コイル8に比べて十分短い加減速用コイル9が巻回され、この加減速用コイル9が複数個センターヨーク6の長手方向に沿って設けられる。これらの複数個の加減速用コイル9は電気的に独立、つまり各相ごとに電流が制御できるように構成される。
次に、センターヨーク6を上下から挟み込むようにサイドヨーク7が固定される。固定部と可動部は前述の磁石保持板4の磁石5部分がヨーク・コイルユニット10における加減速用コイル9とサイドヨーク7との間にこれらとは非接触ではまるような位置関係で組み立てられる。
可動部の磁石5は、図4の電気系統図に矢印で示すように厚み方向(鉛直方向)に着磁されている。すなわち、1つの磁石保持板4に取り付けられた2枚の磁石5はN極が互いに向き合うように、したがってセンターヨーク6に向かうように着磁されている。
これにより、各磁石5から発生した磁束がセンターヨーク6に入って長手方向前後に分岐し、センターヨーク6の両端部(前後端部)に達し、そこで上下に分岐してサイドヨーク7に入り、各上下のサイドヨーク7では前後端部からの磁束が磁石5と対面する位置(図4ではサイドヨーク7の中央部)に向かって流れ、そこから対面する磁石のS極に達するというような磁気回路が構成される。したがって、この状態で速度制御用コイル8に電流を流すと、フレミングの法則により磁石5は走査方向(ヨーク6,7の長手方向)に力を受ける。また、磁石5と対面している部分の加減速用コイル9に電流を流しても同様に磁石5は走査方向に力を受ける。
図4は、図1〜図3の駆動機構における電気系回路の接続の様子を示す図であり、アクチュエータ(可動部および固定部)部分は可動部の一部および固定部の片側のみが示してある。図4(a)はアクチュエータの片側部分の一部破断平面図、図4(b)はアクチュエータ部分の縦断面および電気系の接続を示す図、そして図4(c)はその磁石5部分における横断面図である。図4(b)に示すように、駆動用ドライバとして4つの加速用ドライバ29a、4つの減速用ドライバ29b、および速度制御用ドライバ28が設けられる。加減速用ドライバを複数個に分割するのは、ドライバの容量に余裕を持たせるためであり、余裕があれば加速用と減速用に各々1個ずつでよい。各加減速用コイル9にはスイッチ手段Sを介して加速用ドライバ29aの1つ、減速用ドライバ29bの1つが並列に接続されている。
加減速用コイル9のスイッチ手段Sは、各コイルを加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bのいずれとも接続しないようにするか、いずれか一方とのみ接続するように作用する。つまり各コイルが加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29bの両方と接続されることはない。
ここでは加速用コイルおよび減速用コイルを4相ずつの4組とし、これらの組に対し、それぞれ4個の加速用ドライバ29aまたは4個の減速用ドライバ29bをスイッチ手段Sによってそれぞれ接続するようになっている。すなわち、各コイルを順に各組に割り当て、4個ずつ離れた同じ組のコイルが同じ加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bと接続できるようになっている。このようにすれば、連続して隣り合う4個の加減速用コイル9を、どんな位置であっても、4個の加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bにそれぞれ接続することができる。
図4では、一方のストローク端から他方のストローク端まで加速、定速走行および減速する場合の始動位置P1および停止位置P2の例が示してある。このときは左端の4相のコイル9が加速用ドライバ29aのみと接続されるようスイッチSが閉じられる。また右端の4相のコイル9が減速用ドライバ29bとのみ接続されるようにスイッチSが閉じられる。他の加減速用コイル9はいずれのドライバとも接続されない。各4相のコイル9の走査方向の合計長さは(磁石寸法+加速ストローク+減速ストローク)よりは長くなるように設計されている。つまり、4相のコイルのみで加速が終了するようになっている。換言すると加速中にコイルの切り替えがないように構成されている。
上記構成からなる駆動機構を図31の走査型露光装置のレチクルステージ82として用いた場合の作用を、ウエハステージ103とレチクルステージ82は同期して動くものとして、以下にレチクルステージ82(図1〜図4においては符号「2」で示す)の作用のみを説明する。図1〜図4を参照して、先ず、レチクルステージ2の初期位置出しを行なう。これは速度制御用コイル8に所定方向の電流を流して可動部を一方向に送り、不図示の原点スイッチを切ったタイミングで、不図示のレチクルステージ位置計測用の干渉計をリセットする。さらに、干渉計の計測値を参照しながら速度制御用コイル8に電流を流すことにより、図4の始動位置P1まで可動部(ステージ2、磁石保持板4および磁石5等)を移動させ、始動位置P1で速度制御用コイル8により位置決め制御を行なう。
次に、不図示の制御系からの指令により加速用ドライバ29aにより加速用に接続された4相のコイル9に電流を流してレチクルステージ2を加速する。露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。一定速度で露光を行ない、露光領域を外れるころには可動部の磁石5は今度は減速用ドライバ29bに接続された4相のコイル9と対面するようになっているので、この4相のコイル9で可動部を減速し停止位置P2に停止させる。
図4ではストローク端からストローク端まで可動部が移動する例を説明したが、走査型露光装置において露光画角を小さくとったときはレチクルステージを端から端まで移動させず途中の位置から途中の位置まで移動させた方がレチクルステージの移動時間すなわち露光時間を短縮でき、生産性が向上する。このような場合は途中の始動位置、途中の停止位置に対応した加減速用コイル9が加速または減速用ドライバ29a,29bと接続されるようスイッチ手段Sを切り替え、図4の場合と同様に速度制御用コイル8で前記「途中の始動位置」まで初期位置出しを行なってから走査露光を行なえば良い。
本実施例によれば、いずれの場合でもスイッチ手段Sの切り替えは露光画角に対応して発生するのみである。どのコイル9をドライバ29a,29bと接続するかは画角が決まればそれに対応して決まるので、一般的な多相コイル駆動リニアモータのように可動部の位置をセンシングしながら駆動コイルを選択するような複雑な駆動シーケンスを必要としない。
本実施例においては磁石5の走査方向の長さは従来例におけるコイル85(図32)の走査方向長さに相当し、その長さ分の磁束だけを通せば良いのでヨーク6,7の断面積は小さくて済む。また、加減速用コイル9は走査方向全体に配置しながらも、加減速時は露光画角に対応したコイル9のみを駆動しているので加減速時に無駄な発熱がない。速度制御時は走査方向全長にわたる速度制御用コイル8を駆動しており無駄があるが、速度制御時は駆動電流が加減速電流に比べて十分小さい、つまり無駄の絶対値が十分小さいので問題にはならない。
さらに露光画角に応じて加速減速コイルが選択できるので露光画角の変化に柔軟に対応できる。
[実施例2]
図5は、本発明の第2の実施例に係るレチクルステージアクチュエータを示す。図5(a)は、その縦断面および電気系の接続を示す図、図5(b)はその磁石5部分における横断面図である。本実施例では、第1実施例でセンターヨーク6の周りに巻回した複数の加減速用コイル9を上下各々のサイドヨーク7の周りに巻回するようにした。これに伴い加速ドライバ群が2組、減速ドライバ群が2組の構成となる。なお、ステージ2、磁石保持板4および磁石5等からなる可動部は、磁石5の位置を加減速用コイル9の厚み分だけセンターヨーク6に寄せた以外は第1実施例のものと同様に構成されている。
第1実施例と同様にレチクルステージ2の動きのみを説明する。レチクルステージ2を初期位置出しした後、駆動コイルに電流を流してレチクルステージを加速する。レチクルステージの重心と加速のための駆動力のかかる位置とのずれをΔ、加速のための推力をFとすると、F*Δだけのモーメントがレチクルステージベース、延いては本体に作用して本体を揺らしたり、本体を変形させたりしようとするが、本実施例では加速に同期してドライバ29aに流す電流の量を上下の加速用コイル9で違う値にし、その結果、上記F*Δだけのモーメントを打ち消すモーメントを可動部に与えるようにしている。
このときの電流の制御は本体の揺れに相当する加速度を計測してこれを上下のドライバの電流差に比例させてもよいし、予め定められた電流差で上下ドライバを駆動してオープン制御的に付加しても良い。
露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。
露光領域を外れたら減速用ドライバ29bにより減速し、停止させる。このときは必ずしも上下のドライバ29bに電流差を与えてモーメントを打ち消す必要はない。ここで本体が揺れても次の同期までに制定すればよいからである。上記加減速および一定速度に制御中の位置情報は不図示のレーザ干渉計等の位置計測手段により得るようになっている。
本実施例では第1実施例の効果に加えて、加速に伴って発生する、レチクルステージ2の重心と駆動力のかかる位置とのずれに起因する光軸回りのモーメントも打ち消すことができる。この結果さらに本体の変形や、レチクルとウエハの同期に対する外乱を少なくすることができる。
また、上述においては、上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数が同じとして、上下の加減速用コイル9に電流差を与えて加速時の反モーメントを打ち消す説明をしたが、力の作用点と可動部重心の光軸位置に対するずれΔは分かっていて不変であることが多いので、予めこのΔに相当する分だけ上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数に差をつけておいてもよい。こうすると上下の加減速用コイル9に同じ電流を与えて反モーメントを打ち消すことができるので加速用ドライバ29aと減速用ドライバ29bを第1実施例と同様、各1群ずつで構成でき、構成を簡略化することができる。
[実施例3]
図6〜8は、本発明の第3の実施例に係るレチクルステージの構成を示す斜視図であり、図6は全体図、図7はヨークおよびコイル部分破断図、図8は可動部と固定部とをずらして示した分解図である。図6〜8に示すレチクルステージでは、不図示の除振ベース上にステージガイド1が固定され、そのステージガイド上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上にはレチクル3が保持されている。またステージ2の両側にはコの字形断面を持つ中央部のくびれた磁石保持板4が固定され、磁石保持板4の前後端の都合4つの水平部分4aに図6〜8に示すようにそれぞれ磁石の入る矩形穴が設けられ、4つの磁石5がその矩形穴のそれぞれに嵌め込まれ固定されている。各磁石保持板4の前後方向の磁石5と磁石5の距離は少なくともステージ2の最大ストロークより大きくなるように設定されている。ステージ2、レチクル3、磁石保持板4および磁石5が一体となって可動部を構成する。
一方、固定部は可動部の両側に設けられたヨーク・コイルユニット10により構成される。各ユニット10は、センターヨーク6、2個のサイドヨーク7、1相の速度制御用コイル8および複数個の加減速用コイル9により形成される。
各ユニットを作成する際は、例えば、先ずセンターヨーク6の周りに長手方向の長さがセンターヨーク6のほぼ全長に相当する速度制御用コイル8が巻回される。速度制御用コイル8は電気的に単相になるように構成されるが、機械的には中央を境にして2つのコイルから構成され、この2つの部分にはセンターヨーク6の回りに逆方向の電流が流れるように構成される。例えば2つの部分の巻回方向を逆にしたものを直列に接続すればよい。
速度制御用コイル8の周りにはさらに長手方向の長さが速度制御用コイル8に比べて十分短い加減速用コイル9が巻回され、この加減速用コイル9が複数個センターヨーク6の長手方向に沿って設けられる。これらの複数個の加減速用コイル9は電気的に独立、つまり各相ごとに電流が制御できるように構成され、かつ磁石保持板4に設けた4つの磁石5の前2個の磁石5と後2個の磁石5の間隔だけ離れた2個の加減速用コイル9が直列に接続され、これらの2個のコイルはセンターヨーク6回りに逆方向の電流が流れるように構成される。
次に、センターヨーク6を上下から挟み込むようにサイドヨーク7が固定される。固定部と可動部は前述の磁石保持板4の磁石5部分がヨーク・コイルユニット10における加減速用コイル9とサイドヨーク7との間にこれらとは非接触ではまるような位置関係で組み立てられる。
可動部の磁石5は、図9の電気系統図に矢印で示すように厚み方向(鉛直方向)に着磁されている。すなわち、1つの磁石保持板4に取り付けられた前2個の磁石5はN極が互いに向き合うように、したがってN極がセンターヨーク6に向かうように、そして後2個の磁石5はS極が互いに向き合うように、したがってS極がセンターヨーク6に向かうように着磁されている。
これにより、前部磁石5のN極から発生した磁束がセンターヨーク6に入って後方の後部磁石5に対面する位置に向かい、そこから対面する後部磁石5のS極に達し、後部磁石5のN極から発生した磁束はサイドヨーク7に入って前方の前部磁石5に対面する位置に向かい、そこから対面する前部磁石5のS極に達するというような磁気回路が構成される。したがって、この状態で速度制御用コイル8に電流を流すと、フレミングの法則により前部および後部磁石5は走査方向(ヨーク6,7の長手方向)に同じ向きの力を受ける。また、磁石5と対面している部分の加減速用コイル9に電流を流しても同様に前部および後部磁石5は走査方向に同じ向きの力を受ける。
図9は、図6〜図8の駆動機構における電気系回路の接続の様子を示す図であり、アクチュエータ(可動部および固定部)部分は可動部の一部および固定部の片側のみが示してある。図9(a)はその縦断面および電気系の接続を示す図、そして図9(b)はその磁石5部分における横断面図である。図9(a)に示すように、駆動用ドライバとして4つの加速用ドライバ29a、4つの減速用ドライバ29b、および1個の速度制御用ドライバ28が設けられる。加減速用ドライバを複数個に分割するのは、ドライバの容量に余裕を持たせるためであり、余裕があれば各々1個ずつでよい。各加減速用コイル9にはスイッチ手段Sを介して加速用ドライバ29aの1つ、減速用ドライバ29bの1つが並列に接続されている。
センターヨーク6回りに互いに逆向きの電流が流れるように構成された一対の各加減速用コイル9のスイッチ手段Sは、各コイルを加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bのいずれとも接続しないようにするか、いずれか一方とのみ接続するように作用する。つまり各コイルが加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29bの両方と接続されることはない。
ここではそれぞれ連続する加速用コイルおよび減速用コイルを4相ずつ選択してそれぞれ4個の加速用ドライバ29aまたは4個の減速用ドライバ29bにスイッチ手段Sによって接続するようになっている。加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29b側から見れば、各ドライバには4個ずつ離れたコイル9が加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bとスイッチ手段Sを介して接続できるようになっている。このようにすれば、連続して隣り合う4個の加減速用コイル9を、どんな位置においても、4個の加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bにそれぞれ接続することができる。
図9では、一方のストローク端から他方のストローク端まで加速、定速走行および減速する場合の始動位置P1および停止位置P2の例が示してある。このときは左端の4相のコイル9が加速用ドライバ29aとのみ接続されるようスイッチSが閉じられる。また右端の4相のコイル9が減速用ドライバ29bとのみ接続されるようにスイッチSが閉じられる。他の加減速用コイル9はいずれのドライバとも接続されない。各4相のコイル9の走査方向の合計長さは(磁石寸法+加速ストローク+減速ストローク)よりは長くなるように設計されている。つまり、4相のコイルのみで加速が終了するようになっている。換言すると加速中にコイルの切り替えがないように構成されている。
上記構成からなる駆動機構を図31の走査型露光装置のレチクルステージ82として用いた場合の作用を、ウエハステージ103とレチクルステージ82は同期して動くものとして、以下にレチクルステージ82(図6〜図8においては符号「2」で示す)の作用のみを説明する。図6〜図9を参照して、先ず、レチクルステージ2の初期位置出しを行なう。これは速度制御用コイル8に所定方向の電流を流して可動部を一方向に送り、不図示の原点スイッチを切ったタイミングで、不図示のレチクルステージ位置計測用の干渉計をリセットする。さらに、干渉計の計測値を参照しながら速度制御用コイル8に電流を流すことにより、図9の始動位置P1まで可動部(ステージ2、磁石保持板4および磁石5等)を移動させ、始動位置P1で速度制御用コイル8により位置決め制御を行なう。
次に、不図示の制御系からの指令により加速用ドライバ29aにより加速用に接続されている4相のコイル9に電流を流してレチクルステージ2を加速する。露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。一定速度で露光を行ない、露光領域を外れるころには可動部の磁石5は今度は減速用ドライバ29bに接続された4相のコイル9と対面するようになっているので、この4相のコイル9で可動部を減速し停止位置P2に停止させる。
図9ではストローク端からストローク端まで可動部が移動する例を説明したが、走査型露光装置において露光画角を小さくとったときはレチクルステージを端から端まで移動させず途中の位置から途中の位置まで移動させた方がレチクルステージの走行時間すなわち露光時間を短縮でき、生産性が向上する。このような場合は途中の始動位置、途中の停止位置に対応した加減速用コイル9が加速または減速用ドライバ29a,29bと接続されるようスイッチ手段Sを切り替え、図9の場合と同様に速度制御用コイル8で前記「途中の始動位置」まで初期位置出しを行なってから走査露光を行なえば良い。
本実施例によれば、いずれの場合でもスイッチ手段Sの切り替えは露光画角に対応して発生するのみである。どのコイル9をドライバ29a,29bと接続するかは画角が決まればそれに対応して決まるので、一般的な多相コイル駆動リニアモータのように可動部の位置をセンシングしながら駆動コイルを選択するような複雑な駆動シーケンスを必要としない。
本実施例においては磁石5の走査方向の長さは従来例におけるコイル85(図32)の走査方向長さに相当し、その長さ分の磁束だけを通せば良いのでヨーク6,7の断面積は小さくて済む。また、加減速用コイル9は走査方向全体に配置しながらも、加減速時は露光画角に対応したコイル9のみを駆動しているので加減速時に無駄な発熱がない。速度制御時は走査方向全長にわたる速度制御用コイル8を駆動しており無駄があるが、速度制御時は駆動電流が加減速電流に比べて十分小さい、つまり無駄の絶対値が十分小さいので問題にはならない。
さらに露光画角に応じて加速減速コイルが選択できるので露光画角の変化に柔軟に対応できる。
[実施例4]
図10は、本発明の第4の実施例に係るレチクルステージアクチュエータを示す。図10(a)は、その縦断面および電気系の接続を示す図、図10(b)はその磁石5部分における横断面図である。本実施例では、第3実施例でセンターヨーク6の周りに巻回した複数の加減速用コイル9を上下各々のサイドヨーク7の周りに巻回するようにした。これに伴い加速ドライバ群が2組、減速ドライバ群が2組の構成となる。また、ステージ2、磁石保持板4および磁石5等からなる可動部は、磁石5の位置を加減速用コイル9の厚み分だけセンターヨーク6に寄せた以外は第3実施例のものと同様に構成されている。
第3実施例と同様にレチクルステージ2の動きのみを説明する。レチクルステージ2を初期位置出しした後、駆動コイル9に電流を流してレチクルステージ2を加速する。レチクルステージ2の重心と加速のための駆動力のかかる位置とのずれをΔ、加速のための推力をFとすると、F*Δだけのモーメントがレチクルステージベース、延いては本体に作用して本体を揺らしたり、本体を変形させたりしようとするが、本実施例では加速に同期してドライバ29aに流す電流の量を上下の加速用コイル9で違う値にし、その結果、上記F*Δだけのモーメントを打ち消すモーメントを可動部に与えるようにしている。
このときの電流の制御は本体の揺れに相当する加速度を計測してこれを上下のドライバの電流差に比例させてもよいし、予め定められた電流差で上下ドライバを駆動してオープン制御的に付加しても良い。
露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。
露光領域を外れたら減速用ドライバ29bにより減速し、停止させる。このときは必ずしも上下のドライバ29bに電流差を与えてモーメントを打ち消す必要はない。ここで本体が揺れても次の同期までに制定すればよいからである。上記加減速および一定速度に制御中の位置情報は不図示のレーザ干渉計等の位置計測手段により得るようになっている。
本実施例では第3実施例の効果に加えて、加速に伴って発生する、レチクルステージ2の重心と駆動力のかかる位置とのずれに起因する光軸回りのモーメントも打ち消すことができる。この結果さらに本体の変形や、レチクルとウエハの同期に対する外乱を少なくすることができる。
また、上述においては、上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数が同じとして、上下の加減速用コイル9に電流差を与えて加速時の反モーメントを打ち消す説明をしたが、力の作用点と可動部重心の光軸位置に対するずれΔは分かっていて不変であることが多いので、予めこのΔに相当する分だけ上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数に差をつけておいてもよい。こうすると上下の加減速用コイル9に同じ電流を与えて反モーメントを打ち消すことができるので加速用ドライバ29aと減速用ドライバ29bを第1実施例と同様、各1群ずつで構成でき、構成を簡略化することができる。
[実施例5]
図11は、本発明の第5の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。この機構においては、同図に示すように、不図示のベース上にガイド1が固定され、ガイド1上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上には工作物3が保持されている。またステージ2の両側には駆動用コイルが固定される。各駆動コイルは前後に配置される位置決め・速度制御用コイル8とそれらの間に配置される加減速用コイル9とから構成される。前後の位置決め・速度制御用コイル8は電気的に同相に接続され、各駆動コイルは都合2相の構成となる。また、ステージ2の全ストロークにわたり駆動コイルの一部に一定の磁場を与えるため、ヨーク26と磁石27で構成されるリニアモータ固定子が設けられる。磁石27は、ヨーク26と接する面がS極となるように、その裏側の駆動コイル8,9に対向する面がN極となるように着磁されている。リニアモータ固定子は不図示のベース上に固定される。駆動コイルには電力増幅器が接続されているが、加減速用コイル9にはPWM方式の増幅器29が接続され、大出力が発生できるようになっており、位置決め・速度制御用コイル8にはリニア方式の増幅器28が接続され、高い周波数まで電流指令に応答するようになっている。ステージ2の位置は、不図示のレーザ干渉計により測定され、不図示の位置・速度制御回路に帰還されるようになっている。
この構成における作用を図12の制御ブロック図を用いて説明する。制御装置31から位置指令が出力されると、その位置指令とレーザ干渉計で計測された位置信号との誤差が求められ、その誤差が演算回路32に時系列で入力される。演算回路32はこの位置誤差信号に種々のフィルタ演算を施して電流指令を出力する。電流指令はPWM増幅器29とリニア増幅器28の両方に入力される。加減速時は電流指令として大きな値が与えられるが、リニア増幅器28は前段に挿入されたクランプ回路34のため入力が一定値以下に制限され、制限された最大値分の電流しか流さないようになっている。一方、PWM増幅器29は指令値分の電流を流す。つまり加減速時は主にPWM増幅器29により推力が与えられる。
加減速による移動が終わって位置決め動作に入ったときは、電流指令値は小さく、周波数の比較的高い信号となる。すなわち、高精度を得るために演算回路32のサーボゲインが高く設定されており、位置決め動作に入る頃はステージ2はサーボ系が構成する電気的なばねにより、比較的高い周波数で微小変位の振動をしながら目標位置に向かう。この電流指令もPWM増幅器29とリニア増幅器28の両方に入るが、PWM増幅器29は上述の比較的高い周波数の入力に応答しきれず、所望の制御電流をコイルに流すことができない。最悪の場合、入力波形に対して歪んだ波形の電流を流して無用の外乱を発生することもあるので、本実施例ではPWM増幅器29の前段にローパスフィルタ33を挿入して位置決め時の比較的高い電流指令を遮断するようにしている。
一方、リニア増幅器28側では電流指令値が小さいので、電流指令値はクランプ回路34にクランプされずそのまま通過し、リニア増幅器28に入力される。リニア増幅器28により電流指令の波形通りの電流波形が位置決め・速度制御用コイル8に流される。つまり位置決め・速度制御時は主にリニア増幅器28により位置決めのための推力が与えられ、高精度の位置決めが達成される。
[実施例6]
図13は、本発明の第6の実施例に係る駆動機構の外観を示す斜視図であり、図14は図13の駆動機構の構成を示す斜視図である。この駆動機構は、工作物3を1軸方向に走査露光するためのものである。図13および図14に示すように、この装置では不図示の除振ベース上にステージガイド1が固定され、ステージガイド1上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上には工作物3が保持されている。また、ステージ2の両側にはコの字形断面を持つ磁石保持板4が固定され、磁石保持板4の水平部分4aには、磁石5の入る矩形穴が設けられ、その矩形穴に磁石5が嵌め込まれ固定されている。ステージ2、工作物3、磁石保持板4および磁石5が一体となって可動部を構成する。
一方、固定部は可動部に対して設けられたヨーク・コイルユニットにより構成される。各ヨーク・コイルユニットは1個のセンターヨーク6、2個のサイドヨーク7、1相の速度制御用コイル8および複数個の加減速用コイル9から形成される。センターヨーク6の周りに長手方向に長さがセンターヨーク6のほぼ全長に相当する速度制御用コイル8が巻回され、電気的に単相になるよう構成される。
速度制御用コイル8の周りには、さらに長手方向に長さが速度制御用コイル8に比べて十分短い加減速用コイル9が巻回され、この加減速用コイル9が複数個センターヨーク6の長手方向に沿って設けられる。これら複数個の加減速用コイル9は電気的に独立、つまり各相ごとに電流が制御できるように構成される。そしてセンターヨーク6を上下から挟み込むようにサイドヨーク7が固定される。
固定部と可動部は、前述の磁石保持板4の磁石5がヨーク・コイルユニットにおける加減速用コイル9とサイドヨーク7の間に非接触ではまるような位置関係で固定される。
可動部の磁石5は、後述の図15に示すように、固定部に対して厚み方向(鉛直方向)に配置される。さらに詳しく言うと、1つの磁石保持板4に含まれる2枚の磁石5はN極がセンターヨーク6に向かうように配置される。
各磁石5から発生した磁束はセンターヨーク6に入ってその長手方向の前後に分岐し、センターヨーク6の両端部(前後端部)に達し、前後端部で上下に分岐して上下のサイドヨーク7に入り、上下のサイドヨーク7では前後端部からの磁束が磁石5に対面する位置に向かって流れ、そこから対面する磁石5のS極に達するような磁気回路を構成する。したがって、この状態で速度制御用コイル8に電流を流すとフレミングの法則により、磁石5は走査方向(センターヨーク6、サイドヨーク7の長手方向)に力を受ける。また磁石5と対面している部分の加減速用コイル9に電流を流した場合にも同様に磁石5は走査方向に力を受ける。
図15は、図13および図14の駆動機構における電気系回路の接続の様子を示す図であり、可動部の一部および固定部の片側のみが示してある。図15(a)はその片側部分の一部破断平面図、図15(b)はその縦断面および電気系の接続を示す図、そして図15(c)はその磁石5部分における横断面図である。図15(b)に示すように、駆動用ドライバとして4つの加速用ドライバ29a、4つの減速用ドライバ29b、および速度制御用ドライバ28が設けられる。加減速用ドライバを複数個に分割するのは、ドライバの容量に余裕を持たせるためであり、余裕があれば各々1個ずつでよい。各加減速用コイル9にはスイッチ手段Sを介して加速用ドライバ29aの1つ、減速用ドライバ29bの1つが並列に接続されている。
加減速用コイル9のスイッチ手段Sは、各コイルを加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bのいずれとも接続しないようにするか、いずれか一方とのみ接続するように作用する。つまり各コイルが加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29bの両方と接続されることはないように作用する。
ここでは加速用コイルおよび減速用コイルを4相ずつの4組とし、これらの組に対し、それぞれ4個の加速用ドライバ29aまたは4個の減速用ドライバ29bをスイッチ手段Sによってそれぞれ接続するようになっている。すなわち、各コイルを順に各組に割り当て、4個ずつ離れた同じ組のコイルが同じ加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bと接続できるようになっている。このようにすれば、連続して隣り合う4個の加減速コイル9を、どんな位置であっても、4個の加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bにそれぞれ接続することができる。
さらに本実施例の最大の特徴として、加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29bにはPWM増幅器が用いられ、速度制御用ドライバ28にはリニア増幅器が用いられている。
図15では、一方のストローク端から他方のストローク端まで加速、定速走行および減速する場合の始動位置P1および停止位置P2の例が示してある。このときは左端の4相の加減速用コイル9が加速用ドライバ29aのみと接続されるようスイッチSが閉じられる。また右端の4相のコイル9が減速用ドライバ29bとのみ接続されるようにスイッチSが閉じられる。他の加減速用コイル9はいずれのドライバとも接続されない。各4相のコイル9の走査方向の合計長さは(磁石寸法+加速減速ストローク)よりは長くなるように設計されている。つまり、4相のコイルのみで加速が終了するようになっている。すなわち、加速中にコイルの切り替えがないように構成されている。
制御ブロック図は図12のものと同じである。
上記構成における作用を図12の制御ブロック図を用いて説明する。制御装置31から位置指令が出力されると、その位置指令とレーザ干渉計で計測された位置信号との誤差が求められ、その誤差が演算回路32に入力される。演算回路32は時系列で入力される位置誤差信号に種々のフィルタ演算を施して電流指令を出力する。電流指令はPWM増幅器29とリニア増幅器28の両方に入力される。加減速時は電流指令として大きな値が与えられるが、リニア増幅器28は前段に挿入されたクランプ回路34のため入力が一定値以下に制限され、この最大値分の電流しか流さないようになっている。
一方、PWM増幅器29は指令値分の電流を4相の加速用コイル9に流す。つまり加速時には、主に加速用PWM増幅器29とそれに接続された4相のコイル9により推力が与えられる。
加速による移動が終わって、露光領域に入ると、一定速度になるように速度制御を行う。このとき可動磁石5は加速用コイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。また、定速なので、電気的にも電流指令値は小さく、周波数の比較的高い信号となる。高精度を得るため演算回路32の速度ループのサーボゲインが高く設定されており、ステージ2はサーボ系が構成する電気的なばねにより比較的高い周波数で微小変位の振動をしながら時々刻々と目標位置が制御される。この電流指令もPWM増幅器29とリニア増幅器28の両方に入るが、PWM増幅器29は上述の比較的高い入力に応答しきれず、所望の制御電流をコイルに流すことができない。最悪の場合、入力波形に対して歪んだ波形の電流を流して無用の外乱を発生することもあるので、本実施例ではPWM増幅器29の前段にローパスフィルタ33を挿入して位置決め時の比較的高い周波数の電流指令を遮断するようにしている。
一方、リニア増幅器28側では電流指令値が小さいので、クランプ回路34にクランプされずそのまま通過し、リニア増幅器28により電流指令の波形通りの電流波形が速度制御用コイル8に流される。つまり速度制御時は、主にリニア増幅器28により速度制御のための推力が与えられ、高精度の速度制御が達成できる。
露光領域を外れるときには、今度は減速用PWMドライバ29に接続された4相の減速用コイル9と可動部の磁石5が対面するようなっているので、この4相の減速用コイル9で可動部を減速し、停止させる。減速動作におけるPWM増幅器29とリニア増幅器28の役割、作用は加速時と同じである。
[実施例7]
図16は、本発明の第7の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図であり、図17は図16のA−A断面図である。図16に示すように、不図示のベース上にガイド1が固定され、ガイド1上に空気膜等の潤滑を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上には工作物3が保持されている。またステージ2の両側には駆動用コイル44が固定される。また、ステージ2の全ストロークにわたり、駆動コイル44の一部に一定の磁場を与えるため、ヨーク26と磁石27で構成されるリニアモータ固定子が設けられる。リニアモータ固定子は不図示のベース上に固定される。
また上述のリニアモータ駆動機構と並列に、送りねじ51による駆動機構が設けられる。送りねじ駆動機構は、図17に示すように、不図示のベース上に配置された2個の軸受けユニット50、軸受けユニット50で支持される送りねじ51、軸受けユニット50の一つに固定され、送りねじ51を回転させるモータ45、送りねじ51によって送られるボールナット52、ボールナット52を収納するハウジング53、ハウジング53からステージ2に力を伝達する力伝達部56から構成される。
力伝達部56は、ハウジング53を走査方向に滑動自在に支持するハウジングスライダ55とハウジング53の滑動範囲を制限するハウジングストッパ54から構成され、ハウジング53がハウジングストッパ54に突き当たることにより、ハウジング53からステージ2に力が伝達されるようになっている。
図16において、駆動コイル44には、リニア方式の増幅器28が接続され、高い周波数まで電流指令に応答するようになっており、送りねじ51を回転させるモータ45にはPWM方式の増幅器29が接続され、大出力が発生できるようになっている。つまり送りねじ機構で加減速を行い、駆動コイル44で位置決めを行うようになっている。ステージ2の位置は、不図示のレーザ干渉計により測定され、不図示の位置・速度制御回路に帰還されるようになっている。
この駆動機構の制御ブロック図を図18に示す。図12と共通または対応する部分には同一の符号を付してある。図16〜図18の駆動機構は、構成、動作とも図11〜図12のものとほぼ同じであるが、位置決め時に送りねじ機構の力伝達を遮断する方法が異なる。つまり位置決め時には電流波形の周波数で信号を遮断するのではなく、ボールナット52を収納したハウジング53を両側のハウジングストッパ54との間で非接触になるようにして送りねじ51からの力の伝達を遮断し、位置決めコイル44のみで高精度な位置制御を実現している。
[実施例8]
図19(a)および(b)はそれぞれ本発明の第8の実施例に係る駆動機構の外観および構成を示す斜視図である。同図に示すように、不図示のベース上にガイド1が固定され、ガイド1上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上には工作物3が保持され、ステージ2の両側にはリニアモータ可動子70であるところのヨーク66と4極の磁石67が固定される。また、リニアモータ固定子としては、固定子枠71および固定子枠71に固定される片側6個のコイルユニットが設けられている。固定子枠71は不図示のベース上に固定される。各コイルユニットは上部の位置決め・速度制御用コイル8と下部の加減速コイル9とから構成される。各加減速コイル9はPWM増幅器29に接続され、各位置決め・速度制御用コイル8はリニア増幅器28に接続される。図20は、図19の駆動機構の電気系接続図である。
この構成において、ステージ2を左から右に動かすときの6個のコイルユニット(片側のみ)の駆動シーケンスは図21に示す通りである。つまり、不図示のエンコーダによってコイル8,9と磁石67との相対位置を検出し、これに基づいて駆動コイルおよびその電流を流す方向を選択する。図21において、
外1
は選択されたコイルを示し、それぞれ紙面に垂直で上方向に流れる電流、および紙面に垂直で下方向に流れる電流を示す。
本実施例における動作は、図21のように、6個のコイルユニットを選択的に使用すること以外は第5の実施例の場合と同じであり、1個のコイルユニットあたりの制御は図12の場合と同じである。
[実施例9]
図22は、本発明の第9の実施例に係る駆動機構の構成を示す。同図において、ベース80上にガイド1が固定され、ガイド1上に一次元方向に滑動自在に可動ステージ2が設けられる。ベース80上にスペーサ71を介して第1ヨーク6が固定され、第1ヨーク6には図34に示す磁石87と同様に厚み方向に着磁され可動ステージ2のストローク全体に渡って配置される単極磁石27が固定されている。ベース80上には、また、スペーサ71を介して第2ヨーク7が第1ヨーク6と長手方向が略平行になるように空隙を介して固定される。さらに、第1ヨーク6と第2ヨーク7の両端付近には第1ヨーク6と第2ヨーク7を橋渡しする形で前記単極磁石とは別に永久磁石72が配置されている。これらの2個の永久磁石72は、前記単極磁石27と平行で向きは反対になるように着磁される。つまり、単極磁石27は第1ヨーク6とS極で、第2ヨーク7とN極で対面しているが、2個の永久磁石72は、いずれも第1ヨーク6とN極で対面し、第2ヨーク7とS極で対面するようになっている。以後これらのヨーク6,7の両端に配置される永久磁石72を電流磁束規制磁石と称する。
以上のようにヨーク6,7および磁石27,72を配置した結果、ストローク全体にわたる単極磁石27のN極から発生した磁束は単極磁石27と第2ヨーク7との間の空隙を通って第2ヨーク7に入り、第2ヨーク7の両端へ流れ、第2ヨーク7の両端で電流磁束規制磁石72のS極に入る。一方、第1ヨーク6の両端で電流磁束規制磁石72のN極から発生した磁束は第1ヨーク6に入って中央に向かい、ストローク全体にわたる単極磁石27のS極に入る。
第1ヨーク6の周りには第1ヨーク6と単極磁石27の周りを巻回するように、両者に非接触で可動コイル44が配置され、可動コイル44は、前記一次元方向に滑動自在の可動ステージ2に固定される。
上記構成において、可動コイル44に電流を流すと、図32に示した従来例と同様に可動ステージ2はガイドされた方向に力を受ける。このとき従来例ではヨークが一体で構成されていたので、コイル電流による磁束はヨーク86内を循環したが、本実施例ではヨークが電流磁束規制磁石72で第1ヨーク6と第2ヨーク7に分離されているので、コイル電流による磁束は強磁性体の循環経路を失う。この結果、コイル電流によって第1ヨーク6および第2ヨーク7に発生する磁束は僅かなものとなる。したがって、ヨーク6,7の厚さをストローク全体にわたる単極磁石27の磁束を循環できる最低限の厚さ程度にしても、可動コイル44に大きな電流を流して可動ステージ2に大きな推力を発生させることが可能となる。
[実施例10]
図23は、本発明の第10の実施例に係る駆動機構の構成を示す。同図の機構では、不図示のベース上にガイド1が固定され、ガイド1上に一次元方向に滑動自在に可動ステージ2が設けられている。また、第1ヨーク6が前記ベース上に固定され、第1ヨーク6の両端部の上部には電流磁束規制磁石72が固定されている。電流磁束規制磁石72の上には第2ヨーク7が固定されている。第2ヨーク7の周りには可動ステージ2のストローク全体に渡って配置される単相コイル8が巻回され固定されている。単相コイル8と第1ヨーク6との空隙には単相コイル8と単極で対面する可動磁石5が配置され、枠4によって可動ステージ2に固定される。可動磁石5は本実施例ではN極が上になるよう厚み方向に着磁され、両端に配置される2個の電流磁束規制磁石72は、可動磁石5と平行で向きは反対になるように着磁される。つまり、可動磁石5は第1ヨーク6とN極で対面し、第2ヨーク7とS極で対面するようになっている。
可動磁石5のN極から発生した磁束は空隙を通って第2ヨーク7に入り、第2ヨーク7の両端へ流れ、この第2ヨーク7の両端で電流磁束規制磁石72のS極に入る。一方、第1ヨーク6の両端で電流磁束規制磁石72のN極から発生した磁束は第1ヨーク6に入って中央に向かい、単相コイル8の巻線の一部および空隙を通って可動磁石5のS極に入る。
上記構成において、単相コイル8に電流を流すと、図35に示した従来例と同様に可動ステージ2はガイドされた方向に力を受ける。このとき従来例ではヨークが一体で構成されていたので、コイル電流による磁束はヨーク96内を循環したが、本実施例ではヨークが電流磁束規制磁石72で第1ヨーク6と第2ヨーク7に分離されているので、コイル電流による磁束は強磁性体の循環経路を失う。この結果、コイル電流によって第1ヨーク6および第2ヨーク7に発生する磁束は僅かなものとなる。したがって、ヨーク6,7の厚さをストローク全体にわたる可動磁石5の磁束を循環できる最低限の厚さ程度にしても、可動コイル44に大きな電流を流して可動ステージ2に大きな推力を発生させることが可能となる。
[実施例11]
図24〜図26は、本発明の第11の実施例に係る駆動機構を用いたレチクルステージの構成を示す斜視図であり、図24は全体図、図25はヨークおよびコイル部分破断図、図26は可動部と固定部とをずらして示した分解図である。図24〜図26に示すレチクルステージでは、不図示の除振ベース上にステージガイド1が固定され、ステージガイド1上に空気膜等の潤滑手段を介してステージ2が走査方向に滑動自在に支持されている。ステージ2上にはレチクル3が保持されている。またステージ2の両側にはコの字形断面を持つ磁石保持板4が固定され、磁石保持板4の水平部分4aに図に示すように磁石の入る矩形穴が設けられ、その矩形穴に磁石5が嵌め込まれ固定されている。ステージ2、レチクル3、磁石保持板4および磁石5が一体となって可動部を構成する。
一方、固定部は可動部の両側に設けられたヨーク・コイルユニット10により構成される。各ユニット10は、センターヨーク6、2個のサイドヨーク7、4個の電流磁束規制磁石72、1相の速度制御用コイル8および複数個の加減速用コイル9により形成される。
ユニット10を作成する際は、例えば、先ずセンターヨーク6の周りに長手方向の長さがセンターヨーク6のほぼ全長に相当する速度制御用コイル8が巻回される。速度制御用コイル8は電気的に単相になるように構成される。速度制御用コイル8の周りにはさらに長手方向の長さが速度制御用コイル8に比べて十分短い加減速用コイル9が巻回され、この加減速用コイル9が複数個センターヨーク6の長手方向に沿って設けられる。これらの複数個の加減速用コイル9は電気的に独立、つまり各相ごとに電流が制御できるように構成される。次に、センターヨーク6を上下から挟み込むように4個の電流磁束規制磁石72を介して2個のサイドヨーク7が固定される。
固定部と可動部は前述の磁石保持板4の磁石5部分がヨーク・コイルユニット10における加減速用コイル9とサイドヨーク7との間にこれらとは非接触ではまるような位置関係で組み立てられる。
可動部の磁石5は、図27の電気系統図に矢印で示すように厚み方向(鉛直方向)に着磁されている。すなわち、1つの磁石保持板4に取り付けられた2枚の磁石5はN極が互いに向き合うように着磁されている。
また、固定部に設けられた4個の電流磁束規制磁石72も鉛直方向に着磁されている。各電流磁束規制磁石72は、S極がセンターヨーク6と対面し、N極がサイドヨーク7と対面するように配置される。
可動部に含まれる各磁石5のN極から発生した磁束は空隙およびコイル8,9の巻線の一部を通ってセンターヨーク6に入り、センターヨーク6で長手方向前後に分岐し、センターヨーク6の両端部(前後端部)に達し、そこで電流磁束規制磁石72のS極に入る。一方、磁石5のS極から発生した磁束は空隙を通ってサイドヨーク7に入り、そこで長手方向前後に分岐し、サイドヨーク7の両端部(前後端部)に達し、そこで電流磁束規制磁石72のN極に入る。以上のように可動部の磁石5と固定部の磁石72との間で互いに循環するような磁気回路を構成している。
この状態で速度制御用コイル8に電流を流すと、フレミングの法則により磁石5は走査方向(ヨーク6,7の長手方向)に力を受ける。また、磁石5と対面している部分の加減速用コイル9に電流を流しても同様に磁石5は走査方向に力を受ける。
また、この状態で加減速用コイル9や速度制御用コイル8に電流を流すと、電流による磁束がセンターヨーク6に発生する。従来であれば、この磁束はサイドヨーク7を通って循環しようとするところである。ところが、本実施例においては、センターヨーク6とサイドヨーク7との間に電流磁束規制磁石72が設けられており、コイル8,9の電流によってセンターヨーク6に発生した磁束がサイドヨーク7を通って循環するのを妨げる役目を果たす。電流を起磁力とする磁気回路において、磁石は磁気抵抗の大きな材質だからである。この結果、電流による磁束はヨーク内に発生しにくくなる。したがって、ヨーク断面積の設計において電流による磁束の飽和を余り考慮する必要がなくなり、ヨーク断面積をより小さくすることができる。また、電流の過渡特性も向上させることができる。
図27は、図24〜図26の駆動機構における電気系回路の接続の様子を示す図であり、アクチュエータ(可動部および固定部)部分は可動部の一部および固定部の片側のみが示してある。図27(a)はアクチュエータの片側部分の一部破断平面図、図27(b)はアクチュエータ部分の縦断面および電気系の接続を示す図、そして図27(c)はアクチュエータの磁石5部分における横断面図である。図27(b)に示すように、駆動用ドライバとして4個の加速用ドライバ29a、4個の減速用ドライバ29b、および1個の速度制御用ドライバ28が設けられている。加減速用ドライバを複数個に分割するのは、ドライバの容量に余裕を持たせるためであり、余裕があれば各々1個ずつでよい。各加減速用コイル9にはスイッチ手段Sを介して加速用ドライバ29aの1つ、減速用ドライバ29bの1つが並列に接続されている。
加減速用コイル9のスイッチ手段Sは、各コイルを加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bのいずれとも接続しないようにするか、いずれか一方とのみ接続するように作用する。つまり各コイル9が加速用ドライバ29aおよび減速用ドライバ29bの両方と接続されることはない。
ここでは加速用コイルおよび減速用コイルを4相ずつの4組とし、これらの組に対し、それぞれ4個の加速用ドライバ29aまたは4個の減速用ドライバ29bをスイッチ手段Sによってそれぞれ接続するようになっている。すなわち、各コイルを順に各組に割り当て、4個ずつ離れた同じ組のコイルが同じ加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bと接続できるようになっている。このようにすれば、連続して隣り合う4個の加減速用コイル9を、どんな位置であっても、4個の加速用ドライバ29aまたは減速用ドライバ29bにそれぞれ接続することができる。
図27では、一方のストローク端から他方のストローク端まで加速、定速走行および減速する場合の始動位置P1および停止位置P2の例が示してある。このときは左端の4相のコイル9が加速用ドライバ29aのみと接続されるようスイッチSが閉じられる。また右端の4相のコイル9が減速用ドライバ29bとのみ接続されるようにスイッチSが閉じられる。他の加減速用コイル9はいずれのドライバとも接続されない。各4相のコイル9の走査方向の合計長さは(磁石寸法+加速ストローク+減速ストローク)よりは長くなるように設計されている。つまり、4相のコイルのみで加速が終了するようになっている。換言すると加速中にコイルの切り替えがないように構成されている。
上記構成からなる駆動機構を図31の走査型露光装置のレチクルステージ82として用いた場合の作用を、ウエハステージ103とレチクルステージ82は同期して動くものとして、以下にレチクルステージ82(図24〜図27においては符号「2」で示す)の作用のみを説明する。図24〜図27を参照して、先ず、レチクルステージ2の初期位置出しを行なう。これは速度制御用コイル8に所定方向の電流を流して可動部を一方向に送り、不図示の原点スイッチを切ったタイミングで、不図示のレチクルステージ位置計測用の干渉計をリセットする。さらに、干渉計の計測値を参照しながら速度制御用コイル8に電流を流すことにより、図27の始動位置P1まで可動部(ステージ2、磁石保持板4および磁石5等)を移動させ、始動位置P1で速度制御用コイル8により位置決め制御を行なう。
次に、不図示の制御系からの指令により加速用ドライバ29aにより加速用に接続された4相のコイル9に電流を流してレチクルステージ2を加速する。露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。一定速度で露光を行ない、露光領域を外れるころには可動部の磁石5は今度は減速用ドライバ29bに接続された4相のコイル9と対面するようになっているので、この4相のコイル9で可動部を減速し停止位置P2に停止させる。
図27ではストローク端からストローク端まで可動部が移動する例を説明したが、走査型露光装置において露光画角を小さくとったときはレチクルステージを端から端まで移動させず途中の位置から途中の位置まで移動させた方がレチクルステージの移動時間すなわち露光時間を短縮でき、生産性が向上する。このような場合は途中の始動位置、途中の停止位置に対応した加減速用コイル9が加速または減速用ドライバ29a,29bと接続されるようスイッチ手段Sを切り替え、図27の場合と同様に速度制御用コイル8で前記「途中の始動位置」まで初期位置出しを行なってから走査露光を行なえば良い。
本実施例によれば、いずれの場合でもスイッチ手段Sの切り替えは露光画角に対応して発生するのみである。どのコイル9をドライバ29a,29bと接続するかは画角が決まればそれに対応して決まるので、一般的な多相コイル駆動リニアモータのように可動部の位置をセンシングしながら駆動コイルを選択するような複雑な駆動シーケンスを必要としない。
本実施例においては磁石5の走査方向の長さは従来例におけるコイル85(図262)の走査方向長さに相当し、その長さ分の磁束だけを通せば良いのでヨーク6,7の断面積は小さくて済む。また、加減速用コイル9は走査方向全体に配置しながらも、加減速時は露光画角に対応したコイル9のみを駆動しているので加減速時に無駄な発熱がない。速度制御時は走査方向全長にわたる速度制御用コイル8を駆動しており無駄があるが、速度制御時は駆動電流が加減速電流に比べて十分小さい、つまり無駄の絶対値が十分小さいので問題にはならない。
さらに露光画角に応じて加速減速コイルが選択できるので露光画角の変化に柔軟に対応できる。
[実施例12]
図28は、本発明の第12の実施例に係るレチクルステージアクチュエータを示す。図28(a)は、その縦断面および電気系の接続を示す図、図28(b)はその磁石5部分における横断面図である。本実施例では、第11実施例でセンターヨーク6の周りに巻回した複数の加減速用コイル9を上下各々のサイドヨーク7の周りに巻回するようにした。これに伴い加速ドライバ群が2組、減速ドライバ群が2組の構成となる。なお、ステージ2、磁石保持板4および磁石5等からなる可動部は、磁石5の位置を加減速用コイル9の厚み分だけセンターヨーク6に寄せた以外は第11実施例のものと同様に構成されている。
第11実施例と同様にレチクルステージ2の動きのみを説明する。レチクルステージ2を初期位置出しした後、駆動コイルに電流を流してレチクルステージを加速する。レチクルステージの重心と加速のための駆動力のかかる位置とのずれをΔ、加速のための推力をFとすると、F*Δだけのモーメントがレチクルステージベース、延いては本体に作用して本体を揺らしたり、本体を変形させたりしようとするが、本実施例では加速に同期してドライバ29aに流す電流の量を上下の加速用コイル9で違う値にし、その結果、上記F*Δだけのモーメントを打ち消すモーメントを可動部に与えるようにしている。
このときの電流の制御は本体の揺れに相当する加速度を計測してこれを上下のドライバの電流差に比例させてもよいし、予め定められた電流差で上下ドライバを駆動してオープン制御的に付加しても良い。
露光領域に入ったら加速を止め、一定速度になるように不図示の制御回路により速度制御する。このとき可動磁石5は加速用ドライバ29aに接続されたコイル9とは対面しておらず、速度制御の補正力は速度制御ドライバ28で駆動される速度制御用コイル8の電流との相互作用によるものとなる。
露光領域を外れたら減速用ドライバ29bにより減速し、停止させる。このときは必ずしも上下のドライバ29bに電流差を与えてモーメントを打ち消す必要はない。ここで本体が揺れても次の同期までに制定すればよいからである。上記加減速および一定速度に制御中の位置情報は不図示のレーザ干渉計等の位置計測手段により得るようになっている。
本実施例では第1実施例の効果に加えて、加速に伴って発生する、レチクルステージ2の重心と駆動力のかかる位置とのずれに起因する光軸回りのモーメントも打ち消すことができる。この結果さらに本体の変形や、レチクルとウエハの同期に対する外乱を少なくすることができる。
また、上述においては、上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数が同じとして、上下の加減速用コイル9に電流差を与えて加速時の反モーメントを打ち消す説明をしたが、力の作用点と可動部重心の光軸位置に対するずれΔは分かっていて不変であることが多いので、予めこのΔに相当する分だけ上下のサイドヨーク7に巻回する加減速用コイル9のターン数に差をつけておいてもよい。こうすると上下の加減速用コイル9に同じ電流を与えて反モーメントを打ち消すことができるので加速用ドライバ29aと減速用ドライバ29bを第1実施例と同様、各1群ずつで構成でき、構成を簡略化することができる。
[実施例13]
上記の第1〜13実施例に示した駆動機構またはレチクルステージは、いずれも図31の走査型露光装置のレチクルステージ82として適用することができる。
図31において、基準ベース100上に除振手段101を介して本体定盤102が支持されている。本体定盤102上にはXY平面(水平面)内に移動可能なウエハステージ103が設けられ、また本体支持部材105を介して投影光学系106が固定されている。支持部材105の上方にはレチクルステージベース80が設けられ、レチクルステージベース80上を不図示のガイドに沿って1軸方向に走査可能なレチクルステージ82が設けられている。104は、ウエハステージ103の位置を計測するための干渉計第2基準、107はレチクルステージ82の位置を計測するための干渉計第1基準、108はレチクルステージ82上のレチクル(不図示)を通してウエハステージ103上のウエハ(不図示)に露光エネルギーを与えるための照明系である。
照明系108からの照明光が当たるのは、レチクルステージ82上のレチクルのうちレチクルステージ82の走査方向に垂直な細長い矩形または円弧領域のみなので、そのレチクルのパターン全体をウエハ上に露光するにはレチクルステージ82とウエハステージ103の双方を走査する必要がある。走査は一定速度で行なわれ、走査中のレチクルステージ82とウエハステージ103の速度比は、投影光学系108の縮小倍率に正確に一致させる。レチクルステージ82の位置は干渉計第1基準107を介して、ウエハステージ103の位置は干渉計第2基準104を介して、不図示のレーザ干渉計で計測され不図示の制御系に帰還されるようになっている。
上記構成において、ウエハステージ103およびレチクルステージ82を初期位置に移動し、ウエハステージ103およびレチクルステージ82を加速する。両者が照明光の当たる領域に入る前に位置関係が所定の位置関係となり、速度比が投影光学系108の縮小倍率に等しくなる状態に収束させる。この状態を保って露光し、照明光の当たる領域から外れたら両者を適当に減速する。
次に上記説明した走査型露光装置を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図29は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。
図30は上記ウエハプロセス(ステップ4)の詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを低コストに製造することができる。
本発明の第1の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。
図1の駆動機構の一部を破断して示す斜視図である。
図1の駆動機構の分解斜視図である。
図1の駆動機構の制御ブロック図である。
本発明の第2の実施例に係る駆動機構の制御ブロック図および断面構成図である。
本発明の第3の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。
図6の駆動機構の一部を破断して示す斜視図である。
図6の駆動機構の分解斜視図である。
図6の駆動機構の制御ブロック図である。
本発明の第4の実施例に係る駆動機構の制御ブロック図および断面構成図である。
本発明の第5の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。
図11の駆動機構の制御ブロック図である。
本発明の第6の実施例に係る駆動機構の外観を示す斜視図である。
図13の駆動機構の構成を示す斜視図である。
図13および図14の駆動機構の電気系回路を示す接続図である。
本発明の第7の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。
図16のA−A断面図である。
図16および図17の駆動機構の制御ブロック図である。
本発明の第8の実施例に係る駆動機構の外観および構成を示す斜視図である。
図9の駆動機構の電気系回路を示す接続図である。
図9の駆動機構のコイル選択シーケンスを示す図である。
本発明の第9の実施例に係る駆動機構の外観および構成を示す斜視図である。
本発明の第10の実施例に係る駆動機構の外観および構成を示す斜視図である。
本発明の第11の実施例に係る駆動機構の構成を示す斜視図である。
図24の駆動機構の一部を破断して示す斜視図である。
図24の駆動機構の分解斜視図である。
図24の駆動機構の制御ブロック図である。
本発明の第12の実施例に係る駆動機構の制御ブロック図および断面構成図である。
本発明の第13の実施例に係る走査型露光装置の動作を示すフローチャートである。
本発明の第13の実施例に係る走査型露光装置の動作を示すフローチャートである。
本発明の適用対象の一例である従来の走査型露光装置の全体構成を示す図である。
従来の駆動機構の構成を示す斜視図である。
従来の他の駆動機構の構成を示す斜視図である。
図32および図33における磁石およびヨーク内の磁束の流れを示す図である。
従来のさらに他の駆動機構の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1:ガイド、2:可動ステージ、3:工作物(レチクル)、4:磁石保持板、4a:磁石固定枠、5:磁石、6:センタ−ヨーク、7:サイドヨーク、8:位置決め・速度制御用コイル、9:加減速用コイル、10:固定子(ヨーク・コイルユニット)、26:ヨーク、27:磁石、28:リニア増幅器(速度制御ドライバ)、29:PWM増幅器、29a:加速用ドライバ、29b:減速用ドライバ、31:制御装置、32:演算回路、33:ローパスフィルタ、34:クランプ回路、44:駆動コイル、45:モータ、50:軸受けユニット、51:送りねじ、52:ボールナット、53:ハウジング、54:ハウジングストッパ、55:ハウジングスライダ、56:力伝達部、57:エアパッド、64:駆動コイル、67:磁石、70:可動子、71:固定子枠、72:電流磁束規制磁石、80:レチクルステージベース、81:ガイド、82:レチクルステージ、83:レチクル、85:可動コイル、86:ヨーク、87:永久磁石、100:基準ベース、101:除振手段、102:本体定盤、103:ウエハステージ、104:干渉計第2基準、105:本体支持部材、106:投影光学系、107:干渉計第1基準、108:照明系。