JP4136589B2 - 光フィルター用ガラス及び光フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光フィルター用ガラスに関する。更に、本発明は、ガラスを用いた光フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
光フィルターには、特定の波長をカットしたり透過するもの、波長によらず光強度を落とすものなどがある。前者の光フィルターには、特定の波長のみを透過するバンドパスフィルター、特定の波長のみをカットするノッチパスフィルター、特定の波長より短波長や長波長のみを透過するハイパスフィルター、ローパスフィルターなどがあり、後者の光フィルターには、NDフィルターがある。
【0003】
また、光フィルターには吸収型と干渉型等がある。吸収型光フィルターには代表的なものとしてNDフィルター等があり、干渉型光フィルターには、代表的なものとしてバンドパスフィルターが挙げられる。写真用等の吸収型光フィルターには基体としてプラスチックが用いられているが、強いレーザーが用いられる光フィルターの基板には、耐久性・耐熱性が要求されるので、もっぱらアモルファスガラスが用いられている。
【0004】
バンドパスフィルターは、ガラスなどの基板材上に例えば、高い屈折率を持つ誘電体薄膜(H層)と低い屈折率を持つ誘電体薄膜(L層)を交互に積層した構造の誘電体多層膜を形成したものが用いられる。
【0005】
WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重方式)光通信システムに用いられるバンドパスフィルターにおいては、通過波長のバンド幅を狭く設定し、より高密度波長に適用しようとする場合、バンドの中心波長の温度安定性が問題となっている。すなわち、わずかな温度変化に対してもバンドの中心波長が変動してしまう敏感な素子であるため、その使用においては温度コントローラーで温度補償を行うべきであるが、用いる際のスペース的な問題により事実上温度コントローラーをつけることができない。この中心波長の温度安定性は、光情報量が増加するに従いバンド幅を狭くする必要があるため、その重要さを増すものである。
【0006】
従来から用いられてきたバンドパスフィルター用アモルファスガラス基板材は、その熱膨張特性が十分高くなく、機械的強度も低いため、膜に与える圧縮応力および耐久性の面でも充分なものでなかった。更に、これらは表面硬度が低く、将来の光フィルター用基板材、特にバンドパスフィルター用基板材としての要求に十分対応できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、バンドパスフィルターの高精度化に合わせ、単層もしくは多層膜形成したフィルター部材の使用温度における屈折率変動を回避する(基板材料を高熱膨張係数として、これにより膜に圧縮応力を与え、膜の屈折率温度安定性を向上させる。)ための熱膨張特性と、耐久性を考慮した機械的特性を兼ね備え、かつ基板材自体は良好な光線透過率とを併せ持った、光フィルター用ガラス基板材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意試験研究を重ねた結果、上記課題を解決するには、特定の熱膨張係数範囲や機械的強度,光線透過率を有するガラスが好適であることを見い出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、 ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、SiO2成分の上限が41.39%であることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項2に記載の発明は、SiO2成分の下限が17.10%であることを特徴とする、請求項に記載の光フィルター用ガラスであり、請求項に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、B23成分が0〜21.5%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、P25成分が0〜8.60%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、TiO2成分の上限が30.00%であることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項6に記載の発明は、TiO2成分の下限が5.00%であることを特徴とする、請求項に記載の光フィルター用ガラスであり、請求項記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、La23成分が0〜17.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、ZrO2成分が0〜5.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Nb25成分が0〜7.90%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項10に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Ta25成分が0〜7.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項11に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、WO3成分が0〜2.60%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項12に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Y23成分が0〜5.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項13に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、MgO成分が0〜1.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項14に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、ZnO成分が0〜2.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項15に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、BaO成分が0〜10.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項16に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、SrO成分が0〜14.80%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項17に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Li2O成分の上限が8.50%であることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項18に記載の発明は、Li2O成分の下限が2.00%であることを特徴とする、請求項17に記載の光フィルター用ガラスであり、請求項19に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Na2O成分が0〜14.10%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項20に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%、TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%、MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%、Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%、Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%、の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、K2O成分が0〜9.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラスであり、請求項21に記載の発明は、−20〜+70℃における熱膨張係数の上限が、115×10-7/℃であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の光フィルター用ガラスであり、請求項22に記載の発明は、ヤング率の下限が、85GPaであることを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の光フィルター用ガラスであり、請求項23に記載の発明は、請求項1〜22のいずれかに記載のガラス上に、誘電体を成膜してなる光フィルターであり、請求項24に記載の発明は、該ガラスは該誘電体よりも大きな熱膨張係数を有する請求項23記載の光フィルターである。
【0010】
本発明の光フィルター用ガラスの熱膨張特性,ヤング率,ビッカース硬度,光線透過率,組成を限定した理由を以下に述べる。尚、組成は原ガラスと同様、酸化物基準で表示する。
【0011】
まず、熱膨張特性であるが、前述のようにバンドの中心波長の温度安定性は非常に重要であり、膜構成物質の熱膨張係数より大きいものが必要である。本発明者が試験研究を行った結果、−20℃〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7/℃以上とすると、バンドパスフィルターとして使用する温度範囲において、膜に十分な圧縮応力を与えることができることが判明した。しかしその一方で120×10-7/℃を越えると、膜との熱膨張係数差が大きくなりすぎて、膜の剥離等の問題を生じやすくなる。より好ましい範囲は95×10-7〜115×10-7/℃、更に好ましい範囲は105±5×10-7/℃の範囲である。
【0012】
バンドパスフィルターにおいて中心波長の温度安定性は当然、薄膜を構成する誘電体の屈折率温度係数に依存するが、それ以上に基板材の熱膨張係数に大きく影響を受ける。これは屈折率が薄膜の充填率によって決定されることに起因する。すなわち、薄膜の充填率が高いほど中心波長の温度による変化は小さくなる。そして薄膜の充填率はこれを成膜している光フィルター基板材の熱膨張係数に大きく影響を受けるものである。つまり、成膜時の基板材は約200℃となるが、その熱によって基板材自体は大きく膨張しており、薄膜はその膨張した基板材につけられ、次いで基板材が冷却されるにしたがって、それらの熱膨張係数の差により薄膜は圧縮応力を受ける。その結果、薄膜の充填率が高くなり屈折率が高くなる。基板材の熱膨張係数が大きければ大きいほど成膜された誘電体薄膜にかかる圧縮応力は大きくなり、その使用温度における屈折率の温度による変化率が少なくなる。この理由により、誘電体薄膜の熱膨張係数よりもガラスの熱膨張係数を大きく設定することが望ましい。
【0013】
その他、過酷な使用条件を考慮すると、前記以外の特性の他にも、機械的な変形等に対する強度、すなわち、ヤング率やビッカース硬度も無視できない。
【0014】
次いでヤング率についてであるが、これら基板材は、成膜後に微小なチップ状(2mm以下×2mm以下×2mm以下)に加工するため、高ヤング率、高強度が求められる。以上のように後の加工工程を考慮すると、ヤング率は75GPa以上、ビッカース硬度は550以上であることが好ましい。
【0015】
次いで光線透過率についてであるが、光線透過率が低ければ当然信号の取り出しに不都合(S/N比の低下)を生じるので、その値は大きい方が好ましく、最低でも光線透過率は60%以上である必要がある。更にバンドパスフィルターの使用波長は950nm〜1600nmであり、板厚10mm材におけるこの波長の光線透過率は90%以上であることが必要となる。尚、前記波長における光線透過率については、好ましくは93%以上、更に好ましくは95%以上である。
【0016】
次に原ガラスの組成範囲を上記の様に限定した理由について以下に述べる。SiO2,B23,P25成分は、ガラス構成成分であるが、これら成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35%未満ではガラスの化学的耐久性が悪く、ヤング率,ビッカース硬度の低下を引き起こす。また55%を超えると原ガラスの溶融・成形性が困難になるのと同時に、高膨張特性が得られ難くなる。
【0017】
TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分は、比較的高アルカリ(Li,Na,K)含有ガラスにおいて、化学的耐久性を損なうことなく高膨張特性および高ヤング率,高ビッカース硬度特性を付与できるきわめて重要な成分であるが、これら成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20%未満では、上記効果が得られず、また45%を超えると、ガラスの溶融・成型性、とくに成型時の失透性が悪化する。
【0018】
Li2O,Na2O,K2O成分は、ガラスの溶融性を向上させると同時に高熱膨張特性化する成分であるが、これら成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5%ではこれらの効果が得られず、また30%を超えると、化学的耐久性が悪化すると同時にヤング率特性,ビッカース硬度特性も低下してしまう。
【0019】
MgO,ZnO,CaO,BaO,SrO成分は、ガラスの溶融性を向上させると同時に高ヤング率特性を維持しつつ高膨張特性を有するために含有するが、これら成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3%未満ではこれらの効果が得られず、20%を超えるとガラスの溶融・成型性が悪化してしまう。
【0020】
Sb23およびAs23成分はガラス溶融の際の清澄剤として添加しうるが、これらの成分の中から選ばれる1種または2種は1%以下で十分である。より好ましくは0.5%以下である。
【0021】
また、特性を損なわない範囲で、SnO,CuO,CoO,NiO,Fe23,CeO,MnO成分を5%まで含有させることができる。
【0022】
次にPbOを実質的に含まない理由についてであるが、この成分は環境上好ましくない成分であるので、使用は極力避けるべきである。
【0023】
次に本発明にかかる光フィルター用ガラスを製造するについては、上記の組成を有するガラスを溶解し、成形・徐冷(必要に応じてアニール処理)後、これを常法によりラッピングした後、ポリシングすることにより、表面粗度Ra(算術平均粗さ)が1.0Å以上、5.0Å以下の範囲内の光フィルター用ガラスが得られる。
【0024】
本発明のガラスは、該基板表面に誘電体多層膜を成膜した干渉型光フィルター用に好適であり、特に、誘電体多層膜として、高い屈折率を持つ誘電体薄膜(H層)と低い屈折率を持つ誘電体薄膜(L層)を交互に積層した構造の、バンドパスフィルター用に好適である。
【0025】
上記誘電体としては、TiO2、Ta22、Nb25、SiO2等の無機酸化物が好ましい。更に、波長範囲950nm〜1600nmに用いるバンドパスフィルターにおいては、誘電体層としてH層/L層の組合せとして、TiO2/SiO2、Ta22/SiO2、Nb25/SiO2か好ましい。
本発明の光フィルターは、ガラス基板の表面に誘電体薄膜を成膜して得ることができる。成膜方法としては、蒸着法、RFイオンプレーティング法、マグネトロンスパッタリング法、プラズマイオンプレーティング法等がある。中でも蒸着法が好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施例について説明する。表1、2、3は本発明の光フィルター用ガラスの実施例(No.1〜8)および従来から用いられている光フィルター用ガラス基板(比較例)について、組成の他に、析出結晶相,熱膨張係数,ヤング率,ビッカース硬度,光線透過率を示したものである。
【0027】
【表1】
Figure 0004136589
【0028】
【表2】
Figure 0004136589
【0029】
【表3】
Figure 0004136589
【0030】
上記実施例のガラスの製造方法を説明する。酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、これを通常の溶解装置を用いて約1250〜1350℃の温度で溶解し攪拌均質化した後、成形・冷却工程を経てガラス成形体を得た。ついで得られたガラスを800#〜2000#のダイヤモンドペレットにて5〜30分ラッピングし、次いで粒子径(平均)0.02〜3μmの研磨剤酸化セリュームにて30〜60分間研磨し仕上げた。これらのガラスの表面粗度Ra(中心線粗さ)は5Å以下であった。
【0031】
本発明の実施例1〜8と比較例1を比較すると、従来から用いられている光フィルター用ガラス基板は熱膨張係数が88×10-7/℃と、成膜された膜に圧縮応力を与えるには十分な数値ではなく、更にヤング率=70GPa,ビッカース硬度=480と低強度材であった。これに対し、本発明のガラスは成膜された膜に圧縮応力を与えるに十分な熱膨張係数を有しており、ヤング率やビッカース硬度においても十分な数値を有しているため、光フィルター用の基板材料として好適であった。
【0032】
また上記の実施例により得られたガラス基板に、TiO2/SiO2、Ta22/SiO2、Nb25/SiO2の多層膜をそれぞれ成膜してなる干渉型光フィルターは、その中心波長の温度安定性が非常に良好なものであり、光通信用のバンドパスフィルターとして非常に良好なものであった。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、中心波長の温度安定性の優れた光フィルター用ガラスを提供することができる。この特徴(高い光線透過率、高い熱膨張特性、高いヤング率、高いビッカース硬度)は干渉型光フィルター、特にバンドパスフィルター用として好適であり、特に光通信システムにおけるWDM、DWDM(高密度波長分割多重方式)の用途に最適である。更にこの光フィルター用ガラス基板にTiO2/SiO2、Ta22/SiO2、Nb25/SiO2の誘電体膜を複数層成膜してなるバンドパスフィルター部材は、従来のバンドパスフィルター部材にない、中心波長の温度安定性を有するものであり、地上の光通信システムだけでなくspace−based−satellite等でも使用される可能性がある。

Claims (24)

  1. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、
    SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、SiO2成分の上限が41.39%であることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  2. SiO2成分の下限が17.10%であることを特徴とする、請求項記載の光フィルター用ガラス。
  3. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、B23成分が0〜21.5%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  4. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、P25成分が0〜8.60%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  5. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、TiO2成分の上限が30.00%であることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  6. TiO2成分の下限が5.00%であることを特徴とする、請求項記載の光フィルター用ガラス。
  7. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、La23成分が0〜17.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  8. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、ZrO2成分が0〜5.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  9. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Nb25成分が0〜7.90%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  10. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%
    の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Ta25成分が0〜7.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  11. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、WO3成分が0〜2.60%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  12. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Y23成分が0〜5.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  13. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、MgO成分が0〜1.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  14. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、ZnO成分が0〜2.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  15. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、BaO成分が0〜10.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  16. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、SrO成分が0〜14.80%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  17. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Li2O成分の上限が8.50%であることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  18. Li2O成分の下限が2.00%であることを特徴とする、請求項17記載の光フィルター用ガラス。
  19. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、Na2O成分が0〜14.10%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  20. −20〜+70℃における熱膨張係数が90×10-7〜120×10-7/℃であり、SiO 成分、TiO 成分、及びLi O成分を必須成分として含有し、ガラスの組成は重量百分率で、SiO2,B23,P25成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が35〜55%
    TiO2,La23,ZrO2,Nb25,Ta25,WO3,Y23成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が20〜45%
    MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が3〜20%
    Li2O,Na2O,K2O成分の中から選ばれる1種または2種以上の合計量が5〜30%
    Sb23,As23成分の中から選ばれる1種または2種の合計量が0〜1%の範囲の各成分を含有し、ヤング率が75GPa以上であり、K2O成分が0〜9.00%の範囲にあることを特徴とする光フィルター用ガラス。
  21. −20〜+70℃における熱膨張係数の上限が、115×10-7/℃であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の光フィルター用ガラス。
  22. ヤング率の下限が、85GPaであることを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の光フィルター用ガラス。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載のガラス上に、誘電体を成膜してなる光フィルター。
  24. 該ガラスは該誘電体よりも大きな熱膨張係数を有する請求項23記載の光フィルター。
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