JP4136222B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置に関し、特に、光ディスクにデータ記録を行うことが可能な光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ記録が可能な記録型の光ディスクには、CD−RやDVD−R等の追記型(WriteOnce)の光ディスクと、CD−RW等の書き換え可能型(Erasable)の光ディスクとがある。
図6は従来のデータ記録を行うことが可能な光ディスク装置の一例のブロック図を示す。同図中、スピンドルモータ10は光ディスク12を所定の回転速度で回転駆動する。スレッドモータ14は光ピックアップ16をディスク半径方向に移動させる。光ピックアップ16は光学系対物レンズ、アクチュエータ、1/4 波長板、コリメータレンズ、ビームスプリッタ、発光素子(レーザダイオード)、受光素子(光検出器)等から構成されている。
【0003】
レーザドライバ18はレーザダイオードを発光させ、レーザビームを出力させる。フロントモニタ20はレーザビームの光強度を検出して出力する。ALPC(Automatic Laser Power Control)22はフロントモニタ20の出力に基づいてレーザビームのパワーが最適となるようにレーザドライバを制御する。
【0004】
ウォブル信号処理部24はATIP信号の復調処理を行う。なお、記録型の光ディスクにはガイド用のプリグルーブ(溝)が設けられている。プリグルーブは例えば中心周波数22.05kHzで極僅かにラジアル方向にウォブル(蛇行)しており、ATIP(Absolute TimeIn Pregroove)と呼ばれる記録時のアドレス情報や、回転サーボ用の同期信号及び各種制御信号が、最大偏位±1kHzでFSK変調により多重されて記録されている。
【0005】
RFアンプ26は再生信号を増幅するヘッドアンプである。このRFアンブ26は、マトリクスアンプを含むものであり、主信号の他に各種サーボ信号を取り出して各サーボ回路に出力する。フォーカス/トラッキングサーボ回路28はアクチュエータを駆動し、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボの制御を行う。送りサーボ回路30はスレッドモータ14を駆動制御する。スピンドルサーボ回路32はスピンドルモータ10を駆動制御する。
【0006】
CDエンコード/デコード回路34はCIRC(Cross Interleaved Read−solomon Code)のエンコード/デコード、及びEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調/復調、及び同期検出等の処理を行う。記録補償回路36はCDエンコード/デコード回路34から送られてくる記録データに対し、メディアの記録時の特性に合わせたデータ補正処理を行う。このときの補正量は記録層の特性、記録レーザビームのプロファイル、記録を行う線速度等により変化する。
【0007】
CD−ROMエンコード/ デコード回路38はCD−ROM固有のECC(Error Correct Code)のエンコード/デコード、及びヘッダの検出等の処理を行う。インタフェース/バッファコントローラは40はホストコンピュータとの間のデータの送受、及びデータバッファの制御を行う。RAM39,41はデータ処理を行うためにデータを一時格納するための補助メモリである。
【0008】
CPU42はメカ動作を含む装置全体の制御を司るマイクロコンピュータである。D/Aコンバータ46はCDエンコード/デコード回路34から送出されるオーディオデータをアナログ信号に変換する。オーディオアンプ48はアナログ変換されたオーディオ信号を増幅して出力する。
CD−RW等の書き換え可能型の光ディスク装置では、データの記録の際に正確な信号記録領域を形成するために、下記のような工夫がなされている。
【0009】
(1)記録パルス幅の設定。記録データは、EFM変調されて3T〜11T(Tは標準速度(1倍速)にて周波数4.32MHzの1周期で約236msec)のパルス幅で記録されるが、記録パルス幅にあった正確な記録を行うために、ディスク毎に最適なストラテジ( 記録光パルス幅)を設定する。この情報は、ディスクに参照値として予め記録される。
【0010】
(2)記録パワーの設定(OPC)。OPC(Optimum Power Control)は、記録時のレーザビームのパワーを最適にするために考えられたもので、ディスクの中心部のPCA(Power CalibrationArea)において、レーザパワーを段階的に15ステップ変化させてテスト信号を記録した後、その部分を再生してRF信号のエンベロープのピークとボトムの差電圧(A)を検出し、上記RF信号のエンベロープのピークとディスク無しのレベルとの差電圧(B)とから、変調度m(m=A/B)を得る。
【0011】
15段階それぞれの変調度をm1 〜m15を求め、これらの各変調度に対応する記録パワーをPJ 、J=1〜15として、次式により各段階のγJ を得る。
Figure 0004136222
そして、γJ が予め決められた所定値(例えば0.5〜2.0)に最も近い段階の記録パワーを最適記録パワーとして設定する。
【0012】
(3)ランニングOPC。記録時におけるディスクからの反射光量( 戻り光量に基づいて、記録パワーが最適となるように常時記録パワーを補正する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
CD−RW等の書き換え可能型の光ディスク装置では、記録パルス幅内で、消去パワーを中心とし、それより波高値の高い記録パワーと、それより波高値の低い再生パワーとを繰り返すパルストレインを発生して、このパルストレインによってレーザダイオードを駆動して信号記録を行っている。
【0014】
現在の光ディスク装置においては、上記パルストレインの先頭の記録パワーのパルス幅は、2番目以降の記録パワーのパルス幅に対して略2倍(標準速度で0.5T程度)とされ、一定の値に固定されている。
記録がなされない区間である記録パルス間隔が適正な間隔に維持されている場合は、レーザビームの記録パワー及び未記録区間でのディスク表面の冷却時間のバランスが取れて、最適な記録が形成される。
【0015】
しかし、記録パルス列の各パルス間隔は一定ではなく、パルス間隔が短いときもあれば長いときもある。このため、パルス間隔が短い場合には、記録パワーがオフになった後、ディスク表面が冷却されないうちに、再レーザビームの記録パワーがオンとなって信号記録を始めるので、ディスク上の信号記録部分の温度が通常よりも速く上昇し、信号が記録され始めるまでの時間が短くなる。しかし、パルストレインの先頭及び2番目以降の記録パワーのパルス幅が固定のため、信号記録領域は最適な領域に比べて幅が広く深いものになり、反射光量も少なくなる。
【0016】
また、パルス間隔が長い場合には、記録パワーがオフになってから再レーザビームの記録パワーがオンになるまでの間に、ディスク表面が完全に冷却されてしまうことから、ディスク上の信号記録部分の温度が直ぐに上昇せず、信号記録時間が長くなる。しかし、パルストレインの先頭及び2番目以降の記録パワーのパルス幅が固定のため、形成される領域は適正な領域に比べて幅が狭く浅いものになり、反射光量も多くなる。このように、各パルス間隔が一定でない記録パルス列データを記録する場合、形成される信号記録領域の大きさがパルス間隔によって変化してしまい、安定した信号記録領域を形成できないという問題があった。
【0017】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、記録パルス幅及びパルス間隔によらず、一定の大きさの信号記録領域を形成することができ、また、光ディスクの感度ムラを補償することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明では、光ディスクの記録特性に応じて記録用レーザビームのレーザパワーを調整し、複数のパルスからなるパルストレインでデータの記録を行う光ディスク装置であって、記録信号に基づくパルストレインで発光素子を駆動して記録用光ビームを出射させる発光駆動手段と、前記光ディスクからの反射光量レベルを検出する反射光量検出手段と、前記反射光量レベルと所定の閾値とを比較して前記反射光量レベルが閾値を越える期間を判定する比較手段と、前記パルストレインの先頭パルスの立ち下がりを前記反射光量レベルが閾値を越える期間に応じて可変制御するパルス幅制御手段とを有する。
【0019】
このように、反射光量レベルが閾値を超える期間に基づきパルストレインの先頭パルスの立ち下がりを可変制御することにより、記録パルス幅及びパルス間隔によらず、一定の大きさの信号記録領域を形成することができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク装置において、閾値は、光ディスクの記録特性に応じた最適記録パワーを設定する記録パワー設定動作で設定された最適記録パワーに対応する反射光量レベルを設定する。
このため、光ディスクの記録特性に応じた反射光量レベルを閾値として設定して、光ディスクの感度ムラを補償することができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の光ディスク装置において、パルス幅制御手段は、前記記録パワー設定動作時に、前記パルストレインの先頭パルスのパルス幅を所定値に固定する。
【0022】
このように、記録パワー設定動作時に、パルストレインの先頭パルスのパルス幅を所定値に固定するため、光ディスクの記録特性に応じた反射光量レベルを閾値として設定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック図を示す。同図中、図6と同一部分には同一符号を付す。図1において、スピンドルモータ10はCD−RW等の書き換え可能型の光ディスク12を所定の回転速度で回転駆動する。スレッドモータ14は光ピックアップ16をディスク半径方向に移動させる。光ピックアップ16は光学系対物レンズ、アクチュエータ、1/4 波長板、コリメータレンズ、ビームスプリッタ、発光素子(レーザダイオード)、受光素子(光検出器)等から構成されている。
【0024】
レーザドライバ18はレーザダイオードを発光させ、レーザビームを出力させる。フロントモニタ20はレーザビームの光強度を検出して出力する。ALPC(Automatic Laser Power Control)22はフロントモニタ20の出力に基づいてレーザビームのパワーが最適となるようにレーザドライバを制御する。
【0025】
パルス幅制御回路50は、光ディスク12からの反射光量(戻り光量)レベルと閾値とを比較して、その比較結果に応じて記録用パルストレインの先頭パルスのパルス幅の制御を行う。
ウォブル信号処理部24はATIP信号の復調処理を行う。なお、記録型の光ディスクにはガイド用のプリグルーブ(溝)が設けられている。プリグルーブは例えば中心周波数22.05kHzで極僅かにラジアル方向にウォブル(蛇行)しており、ATIP(Absolute TimeIn Pregroove)と呼ばれる記録時のアドレス情報や、回転サーボ用の同期信号及び各種制御信号が、最大偏位±1kHzでFSK変調により多重されて記録されている。
【0026】
RFアンプ26は再生信号を増幅するヘッドアンプである。このRFアンブ26は、マトリクスアンプを含むものであり、主信号の他に各種サーボ信号を取り出して各サーボ回路に出力する。フォーカス/トラッキングサーボ回路28はアクチュエータを駆動し、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボの制御を行う。送りサーボ回路30はスレッドモータ14を駆動制御する。スピンドルサーボ回路32はスピンドルモータ10を駆動制御する。
【0027】
CDエンコード/デコード回路34はCIRC(Cross Interleaved Read−solomon Code)のエンコード/デコード、及びEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調/復調、及び同期検出等の処理を行う。記録補償回路36はCDエンコード/デコード回路34から送られてくる記録データに対し、メディアの記録時の特性に合わせたデータ補正処理を行う。このときの補正量は記録層の特性、記録レーザビームのプロファイル、記録を行う線速度等により変化する。
【0028】
CD−ROMエンコード/ デコード回路38はCD−ROM固有のECC(Error Correct Code)のエンコード/デコード、及びヘッダの検出等の処理を行う。インタフェース/バッファコントローラは40はホストコンピュータとの間のデータの送受、及びデータバッファの制御を行う。RAM39,41はデータ処理を行うためにデータを一時格納するための補助メモリである。
【0029】
CPU42はメカ動作を含む装置全体の制御を司るマイクロコンピュータである。D/Aコンバータ46はCDエンコード/デコード回路34から送出されるオーディオデータをアナログ信号に変換する。オーディオアンプ48はアナログ変換されたオーディオ信号を増幅して出力する。
図2は、パルス幅制御回路50及びその周辺回路の一実施例のブロック図を示す。同図中、レーザドライバ18にはALPC22から記録パワー、消去パワー、再生パワーが供給され、それぞれレーザドライバ18を構成するスイッチ181,182,183に供給される。スイッチ181,182,183それぞれはパルス幅制御回路50内の論理回路504から供給されるパルスのハイレベル時にオン、ローレベル時にオフとなるよう制御され、各スイッチの出力するパワーは加算器184に供給されて加算される。加算器184出力は光ピックアップ16内のレーザダイオード16aに供給され、レーザダイオード16aはレーザドライバ18から供給されるパワー信号のレベルに応じた光強度のレーザ光を出射する。
【0030】
ALPC22はフロントモニタ20の出力に基づいてレーザビームパワーが最適となるように再生パワー、消去パワー、記録パワー(再生時パワー<消去時パワー<記録時パワー)それぞれを調整してレーザドライバ18に供給する。
パルス幅制御回路50は、A/D変換器501とD/A変換器502とコンパレータ503と論理回路504とから構成されている。光ピックアップ16の受光素子の出力する反射光量レベルはコンパレータ503に供給されると共に、A/D変換器501でディジタル化されてCPU42に供給されている。コンパレータ503はCPU42の出力する閾値をD/A変換器502でアナログ化されて供給されており、コンパレータ503は反射光量レベルが閾値を越えたときにハイレベルで、閾値以下のときローレベルとなる信号を生成して論理回路504に供給する。
【0031】
なお、CPU42は、通常の記録時にパルス幅制御回路50のD/A変換器502に閾値を供給すると共に、ALPC22の制御を行う。また、OPC実行時には、光ディスクからA/D変換器501を介して反射光量データを取り込んでサンプリングし、サンプルデータを基に閾値を設定する。
図3は、論理回路504の一実施例のブロック図を示す。また、図4は論理回路504各部の信号タイミングチャートを示す。図3において、端子505a,505b,505cそれぞれにはCPU42より、記録モード時にハイレベルを保持する再生パルス、記録モード時のトレインパルス列が供給されない期間である記録パルス間隔で既記録信号を消去するための消去パルス、記録モード時に信号を記録するためのトレインパルス列が供給され、端子505dにはコンパレータ503出力が供給される。
【0032】
図4(A)に示すような波形の再生パルスは、論理回路504内をスルーで端子506aからレーザドライバ18のスイッチ183に供給される。図4(B)に示すような波形の消去パルスは、論理回路504内をスルーで端子506bからレーザドライバ18のスイッチ182に供給されると共に、D型フリップフロップ508,509,510それぞれのクリア端子CLに供給される。なお、トレインパルス列は、パルストレイン記録を行うためのもので、先頭パルスのパルス幅が2番目以降のパルスのパルス幅に対して略2倍(標準速度で0.5T程度)とされ、2番目以降のパルスについてはデューティ比が50パーセントとされたパルス列である。
【0033】
図4(C)に示すような波形のトレインパルス列は、ANDゲート507の一方の入力端子に供給されると共に、マルチプレクサ(MPX)512の入力端子aに供給される。更に、図4(D)に示すような波形のコンパレータ503出力は、ANDゲート507の他方の入力端子に供給されると共に、マルチプレクサ(MPX)512の入力端子bに供給される。なお、図4(D)のコンパレータ503出力は、図4(C)のトレインパルス列の先頭パルスと同一タイミングで立ち上がり、そのパルス幅はCPU42の出力する閾値によって設定されている。
【0034】
ANDゲート507は、トレインパルス列とコンパレータ503出力との論理和をとって図4(E)に示す波形の信号を生成し、フリップフロップ508のクロック入力端子Cpに供給すると共に、これを反転した図4(G)に示す波形の信号をフリップフロップ509のクロック入力端子Cpに供給する。フリップフロップ508,509のデータ入力端子Dには常時ハイレベルの信号が供給されており、フリップフロップ508はANDゲート507出力の立ち上がりで反転Q出力をローレベルに立ち下げ、消去パルスの立ち上がりで反転Q出力をハイレベルに立ち上げ、図4(F)に示す波形の反転Q出力をORゲート511の一方の入力端子に供給する。
【0035】
フリップフロップ509は図4(G)に示すANDゲート507の反転出力の立ち上がりでQ出力をハイレベルに立ち上げ、消去パルスの立ち上がりで反転Q出力をローレベルに立ち下げ、図4(H)に示す波形のQ出力をフリップフロップ510のデータ入力端子Dに供給する。フリップフロップ510のクロック入力端子Cpにはトレインパルス列が供給されており、フリップフロップ510は図4(H)に示す信号の立ち上がりで図4(H)の信号をラッチし、消去パルスの立ち上がりで反転Q出力をローレベルに立ち下げ、図4(I)に示す波形のQ出力をORゲート511の他方の入力端子に供給する。
【0036】
これによって、ORゲート511は、図4(C)に示す各トレインパルス列について、先頭パルスの立ち上がりから2番目のパルスの立ち上がりまでローレベルで、そのほかの期間はハイレベルとなる図4(J)に示す制御信号を生成してマルチプレクサ512の制御端子に供給する。マルチプレクサ512は制御信号がハイレベルのとき入力端子aに供給されるトレインパルス列を選択し、制御信号がローレベルのとき入力端子bに供給されるコンパレータ503出力を選択して出力する。この出力信号は端子506cからレーザドライバ18のスイッチ181に供給される。
【0037】
つまり、各トレインパルス列の先頭パルスがコンパレータ503出力に置き換えられ、2番目以降のパルスはトレインパルス列そのままとされた、補正トレインパルス列がレーザドライバ18のスイッチ181に供給される。
CPU42にホストコンピュータからの記録コマンドが供給されると、CPU42は図4に示すt1時点で再生パルスを論理回路504に送出し、レーザドライバ18のスイッチ183をオンさせて、再生パワーをレーザダイオード16aに供給する。再生パルスは、データの記録動作中は、常時ハイレベル状態になる。
【0038】
続いて、t2〜t3期間で消去パルスによってスイッチ182をオンとし、消去パワーをレーザダイオード16aに供給して光ディスク12上の既記録データの消去を行った後、トレインパルス列によりスイッチ181をオンして記録パワーをレーザダイオード16aに供給する。コンパレータ503は、光ディスク12からの反射光量レベルとCPU42から供給される閾値とを比較し、反射光量レベルの変化を監視する。
【0039】
t4時点で反射光量レベルが閾値以下になり、コンパレータ503出力がローレベルになると、論理回路504はスイッチ181をオフにして、記録パワーの供給を停止させる。t5〜t6の期間は、記録パルスによりスイッチ181をオン/オフして記録パワーをレーザダイオードに供給し、信号記録領域を形成する。
【0040】
このような動作を各トレインパルス列毎に行うが、記録パルス間隔(トレインパルス列間の間隔)が短い場合は、ディスク表面が冷却されないうちに、再レーザビームの記録パワーがオンとなって信号記録領域の形成を始めるので、ディスク上の信号記録領域形成部分の温度が通常よりも速く上昇し信号記録領域形成時間が短くなるので、反射光量レベルが比較的短時間で変化することになり、記録パワーを供給してから反射光量レベルが閾値以下になるまでの期間t7〜t8が短くなる。これによって、トレインパルス列の先頭パルスのパルス幅が短くなるように制御される。
【0041】
また、記録パルス間隔(トレインパルス列間の間隔)が長い場合、記録パワーがオフになってから再レーザビームの記録パワーがオンになるまでの間に、ディスク表面が完全に冷却されてしまうことから、ディスク上の信号記録領域形成部分の温度が直ぐに上昇せず、信号記録領域形成時間が長くなるので、反射光量レベルが比較的緩やかに変化することになり、記録パワーを供給してから反射光量レベルが閾値以下になるまでの期間t7〜t8が長くなる。これによって、トレインパルス列の先頭パルスのパルス幅は長くなるように制御される。
【0042】
本発明では、OPC(Optimum Power Control)動作時にディスクからの反射光量レベルをサンプリングし、サンプル値を元に閾値を設定する。図5は本発明におけるCPU42が実行するOPC動作のフローチャートを示す。
同図中、OPC実行命令が送出されると、ステップS12で段階変数nを1に設定し、ステップS14で記録パワーLP(n)を設定する。記録パワーLP(n)はnが大なるほど大きくなる値である。続いてステップS16にてテスト信号を記録パワーLP(n)で記録する。このとき、トレインパルス列の先頭パルスのパルス幅は2番目以降のパルスのパルス幅の例えば略2倍(標準速度で0.5T程度)に固定する。
【0043】
テスト信号の記録中は、ステップS18で光ディスクからの反射光量レベルを監視し、所定位置の反射光量レベルVnをサンプリングしてCPU42内蔵のメモリに記憶する。反射光量レベルVnのサンプリング位置は、トレインパルス列の終了位置とする。その後、ステップS20で段階変数nが15であるか否かを判定し、n=15でない場合は、ステップS22で段階変数nを1だけインクリメントしてステップS14に進み、ステップS14〜S22を繰り返す。
【0044】
15ステップの記録パワーによるテスト信号の記録が終了すると、ステップS20からステップS24に進み、記録したテスト信号を再生する。そして、ステップS26で各記録パワー毎のRF信号のエンベロープのピーク値(P)とボトム値(B)をサンプリングする。次に、ステップS27で次式により変調度m(m=A/B)を算出する。
【0045】
ステップS28では、15段階それぞれの変調度をm1 〜m15を求め、これらの各変調度に対応する記録パワーをPJ 、J=1〜15として、次式により各段階のγJ を得る。
Figure 0004136222
ステップS30では、γJ が予め決められた所定値(例えば0.5〜2.0)に最も近い段階の記録パワーを、装着した光ディスクの最適記録パワーとして設定する。そして、ステップS32でサンプリングした各記録パワーの反射光量レベルVn(n=1〜15)の中で、最適記録パワーとして設定された記録パワーの反射光量レベルVBnを閾値として設定し、この処理を終了する。
【0046】
なお、反射光量レベルVnのサンプリングは、反射光量レベルが直前のランド部の長さ(3T〜11T)によりばらつきが生じるため、特定の長さの範囲の信号記録領域の後でのみ行う方が動作を安定させることができる。
本発明においては、パルストレインの先頭パルスのパルス幅を反射光量レベルに応じて可変制御するので、記録パルス幅及びパルス間隔によらず、一定の大きさの信号記録領域を形成することができる。また、閾値は、光ディスクの記録特性に応じた最適光パワーを設定するOPC動作時に最適光パワーに対応する反射光量レベルを設定するため、光ディスクの記録特性に応じた反射光量レベルを閾値として設定して光ディスクの感度ムラを補償することができる。
【0047】
上記実施例は、CD−RW等の書き換え可能型の光ディスクを記録可能な光ディスク装置であるが、パルストレイン方式の記録を行うものであればCD−RやDVD−R等の追記型の光ディスクを記録可能な光ディスク装置にも適応することができ、上記実施例に限定されない。
なお、CD−RWは記録媒体が相変化媒体であり、記録中の記録の深さによる反射率の変化があまりないため、反射光量レベルの変化をそのままコンパレータ503で判定しても正常に動作しないおそれがある。従って、本発明をCD−RWに適用する場合には、コンパレータ503をトレインパルス列の出力時にイネーブルとし、消去パルスの出力時にディスエーブルとするように、CPU42により制御するのが望ましい。
【0048】
なお、レーザドライバ18が請求項記載の発光駆動手段に対応し、光ピックアップ16が反射光量検出手段に対応し、パルス幅制御回路50がパルス幅制御手段に対応し、コンパレータ503が比較手段に対応し、論理回路504がパルス幅制限手段に対応する。
【0049】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1に記載の発明は、光ディスクの記録特性に応じて記録用レーザビームのレーザパワーを調整し、複数のパルスからなるパルストレインでデータの記録を行う光ディスク装置であって、記録信号に基づくパルストレインで発光素子を駆動して記録用光ビームを出射させる発光駆動手段と、前記光ディスクからの反射光量レベルを検出する反射光量検出手段と、前記反射光量レベルと所定の閾値とを比較して前記反射光量レベルが閾値を越える期間を判定する比較手段と、前記パルストレインの先頭パルスの立ち下がりを前記反射光量レベルが閾値を越える期間に応じて可変制御するパルス幅制御手段とを有する。
【0050】
このように、反射光量レベルが閾値を超える期間に基づきパルストレインの先頭パルスの立ち下がりを可変制御することにより、記録パルス幅及びパルス間隔によらず、一定の大きさの信号記録領域を形成することができる。
【0051】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク装置において、閾値は、光ディスクの記録特性に応じた最適記録パワーを設定する記録パワー設定動作で設定された最適記録パワーに対応する反射光量レベルを設定する。
このため、光ディスクの記録特性に応じた反射光量レベルを閾値として設定して、光ディスクの感度ムラを補償することができる。
【0052】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の光ディスク装置において、パルス幅制御手段は、前記記録パワー設定動作時に、前記パルストレインの先頭パルスのパルス幅を所定値に固定する。
【0053】
このように、記録パワー設定動作時に、パルストレインの先頭パルスのパルス幅を所定値に固定するため、光ディスクの記録特性に応じた反射光量レベルを閾値として設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック図である。
【図2】パルス幅制御回路50及びその周辺回路の一実施例のブロック図である。
【図3】論理回路504の一実施例のブロック図である。
【図4】論理回路504各部の信号タイミングチャートである。
【図5】本発明におけるCPU42が実行するOPC動作のフローチャートである。
【図6】従来の光ディスク装置の一例のブロック図である。
【符号の説明】
10 スピンドルモータ
12 光ディスク
14 スレッドモータ
16 光ピックアップ
18 レーザドライバ
20 フロントモニタ
22 ALPC
24 ウォブル信号処理部
26 RFアンプ
28 フォーカス/トラッキングサーボ回路
30 送りサーボ回路
32 スピンドルサーボ回路
34 CDエンコード/デコード回路
36 記録補償回路
38 CDエンコード/デコード回路
40 インタフェース/バッファコントローラ
42 CPU
46 D/Aコンバータ
48 オーディオアンプ
50 パルス幅制御回路
501 A/D変換器
502 D/A変換器
503 コンパレータ
504 論理回路
507 ANDゲート
508〜510 D型フリップフロップ
511 ORゲート
512 マルチプレクサ

Claims (3)

  1. 光ディスクの記録特性に応じて記録用レーザビームのレーザパワーを調整し、複数のパルスからなるパルストレインでデータの記録を行う光ディスク装置であって、
    記録信号に基づくパルストレインで発光素子を駆動して記録用光ビームを出射させる発光駆動手段と、
    前記光ディスクからの反射光量レベルを検出する反射光量検出手段と、
    前記反射光量レベルと所定の閾値とを比較して前記反射光量レベルが閾値を越える期間を判定する比較手段と、
    前記パルストレインの先頭パルスの立ち下がりを前記反射光量レベルが閾値を越える期間に応じて可変制御するパルス幅制御手段とを
    有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の光ディスク装置において、
    前記閾値は、光ディスクの記録特性に応じた最適記録パワーを設定する記録パワー設定動作で設定された最適記録パワーに対応する反射光量レベルであることを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項2記載の光ディスク装置において、
    前記パルス幅制御手段は、前記記録パワー設定動作時に、前記パルストレインの先頭パルスのパルス幅を所定値に固定することを特徴とする光ディスク装置。
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