JP4135895B2 - 監視カメラの照明制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置を備える監視カメラにおける照明制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮像部と、赤外線照明装置(以下、単に照明装置と称す)と、照明装置の発光の明るさを制御する照明制御回路を備え、夜間等においても良好な画像を得ることができるようにした監視カメラシステムが知られており、その照明装置の発光の明るさの制御方法の一つとして、監視カメラからの映像信号を用いて自動制御する方法が知られている。なお、照明装置としては、通常、赤外線を発光する発光ダイオード(LED)が用いられている。
【0003】
本出願人は、先に、映像信号を用いて照明装置の発光の明るさを自動制御する場合の制御特性を図3に示すようにすることを提案した(特許文献1参照)。
図3に示す制御特性は、被写体照度が第1の閾値、図3ではLTH2 、以下の場合には発光の明るさを所定の一定値LMAX とし、被写体照度が当該閾値より高い場合には、被写体照度に応じてリニアに発光の明るさを低減させていき、被写体照度が第2の閾値、図3ではLTH1 、以上の場合は照明装置を消灯させるという特性である。
【0004】
図3に示す制御特性によれば、夜間等の被写体照度がある値以下であるときには照明装置を明るく発光させることができるので、明瞭でS/N比の高い暗視映像を得ることができる。また、被写体照度がそれより高いときには照明装置の発光の明るさを被写体照度に応じた明るさとすることができるので、照明装置であるLEDに流れる電流を制限でき、以て、LEDの消費電流が必要以上に大きくなることを防止することができる。
【0005】
さて、特許文献1では、図3に示す制御特性を得るための構成例として、図4に示す構成を挙げている。図4において、1は積分回路、2は反転増幅回路、3は非直線回路、4は駆動電流生成回路を示す。
【0006】
監視カメラの撮像部(図示せず)から出力された映像信号は積分回路1で積分され、積分回路1の出力電圧は反転増幅回路2において増幅されると共に、その極性が反転される。従って、積分回路1の出力電圧が高くなると、反転増幅回路2の出力電圧は低くなる。
【0007】
非直線回路3は、入力電圧が第1の閾値VTH1 以上である場合には所定の第1のレベル、例えば 0Vを出力し、入力電圧が、第1の閾値VTH1 より小さい値に設定された第2の閾値VTH2 未満である場合には所定の第2のレベル、例えば電源電圧を出力し、入力電圧がVTH2 以上で、且つVTH1 未満である場合には、入力電圧に応じた電圧をリニアに出力するものである。ここで、第1の閾値VTH1 、第2の閾値VTH2 をどのような電圧値に定めるかは任意である。
【0008】
駆動電流生成回路4は、非直線回路3の出力電圧が第1のレベルである場合には、照明装置(図示せず)の駆動電流を発生させず、非直線回路3の出力が第2のレベルである場合には、照明装置が所定の一定の明るさ、即ち図3のLMAX で発光する駆動電流を生成して照明装置に供給する。そして、非直線回路3の出力が第1のレベルと第2のレベルの間にある場合には、駆動電流生成回路4は、非直線回路3の出力電圧に対してリニアに変化する駆動電流を生成して、照明装置に供給する。この構成によれば、図3に示すような制御特性が得られる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−128151号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4の非直線回路3は上記の動作を行うものであるので、その構成は構成は複雑、且つ面倒なものとなり、コスト上昇につながるものである。
【0011】
そこで、本発明は、照明装置を備え、照明装置の発光の明るさを映像信号を用いて自動制御を行う監視カメラにおいて、図3に示すように、被写体照度が第1の閾値以下の場合には発光の明るさを所定の一定値とし、被写体照度が当該閾値より高い場合には、被写体照度に応じてリニアに発光の明るさを低減させるという制御特性を、簡単な回路構成で実現することができる監視カメラの照明制御回路を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の監視カメラの照明制御回路は、映像信号を積分する積分回路と、前記積分回路の出力電圧をバッファリングするバッファ回路と、前記バッファ回路の出力電圧を反転増幅する反転増幅回路と、前記反転増幅回路の出力電圧を入力して赤外線照明装置に供給する電流を生成する定電流回路と、前記定電流回路の入力端とグランドとの間に設けられ、当該定電流回路に入力する入力電圧を所定の電圧以下に制限するリミッタ回路とを備える監視カメラの照明制御回路であって、前記リミッタ回路は、アノードが電流制限抵抗を介して前記反転増幅回路の出力端子に接続され、カソードがグランドに接地されたダイオードで構成され、前記反転増幅回路の出力電圧は、被写体照度が所定の照度より低い場合には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧より高くなり、被写体照度が前記所定の照度の時には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧に等しくなり、被写体照度が前記所定の照度より高い場合には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧より低くなるように定められていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る監視カメラの照明制御回路の一実施形態を示す図であり、図中、10は積分回路、11はバッファ回路、12は反転増幅回路、13はリミッタ回路、14は定電流回路、15は照明装置を示す。なお、図1は照明制御回路の構成例のみを示しており、監視カメラの撮像部等は図示を省略している。
【0014】
撮像部(図示せず)から出力された映像信号は積分回路10で積分される。図1では積分回路10は、抵抗とコンデンサを並列接続した構成としているが、入力信号を積分できる構成であればどのようなものであってもよい。
積分回路10の出力電圧は、バッファ回路11でバッファリングされる。即ち、積分回路10の出力電圧は、バッファ回路11によりインピーダンス変換されて出力される。周知のように、バッファ回路11の出力電圧は、積分回路10の出力電圧そのままである。
なお、図1ではバッファ回路11は演算増幅器を用いて構成されているものとしているが、その他の構成のものであってもよい。
【0015】
バッファ回路11の出力電圧は、反転増幅回路12により反転増幅される。図1では反転増幅回路12は、演算増幅器を用いた周知の構成としているが、その他の構成であってもよい。
図1に示す反転増幅回路12では、抵抗R1 は入力抵抗であり、バッファ回路11の出力端と、演算増幅器の反転入力端子の間に接続されている。また、抵抗R2 は帰還抵抗であり、演算増幅器の出力端子と反転入力端子の間に接続されている。更に、抵抗R3 、R4 は電源電圧を分圧して、演算増幅器の非反転入力端子に与えるバイアス電圧を定めているものである。
そして、周知のように、抵抗R1 と抵抗R2 の抵抗値を調整することによって、当該反転増幅回路12の利得を調整することができる。
【0016】
なお、積分回路10と反転増幅回路12との間にバッファ回路11を設けるのは次の理由による。
即ち、バッファ回路11を設けないとすると、反転増幅回路12の入力抵抗R1 と帰還抵抗R2 が積分回路10の負荷抵抗として機能して、積分回路10に蓄積された電荷が当該入力抵抗R1 と帰還抵抗R2 を介して漏れてしまうことになる。そこで、それを防止するために、積分回路10の出力側に、入力インピーダンスが無限大のバッファ回路11を設けるのである。
【0017】
反転増幅回路12の出力電圧は抵抗R5 を介して定電流回路14に入力されるが、定電流回路14の入力端とグランドの間には、ダイオードDからなるリミッタ回路13が接続されている。ダイオードDは、アノードが定電流回路14の入力端に接続され、カソードがグランドに接地されている。
なお、抵抗R5 は、電流制限抵抗であり、ダイオードDに流れる電流を制限するために設けられているものである。
【0018】
定電流回路14は、入力電圧に基づいて、赤外LEDが複数個直列接続されてなる照明装置15を発光させるための電流を生成するものであり、図1では演算増幅器と、トランジスタTを用いた周知の構成としているが、その他の構成であってもよいことは当然である。
【0019】
図1に示す定電流回路14では、入力電圧は抵抗R6 と抵抗R7 とで分圧されて演算増幅器の非反転入力端子に入力される。演算増幅器の出力端はトランジスタTのベースに接続されている。また、トランジスタTのコレクタは照明装置15に接続され、エミッタは抵抗R8 を介して接地されている。演算増幅器の反転入力端子は、トランジスタTのエミッタに接続されている。
なお、抵抗R6 と抵抗R7 の抵抗値は、抵抗R5 の影響を受けないようにするために、抵抗R5 の抵抗値に対して十分大きくすることが望ましい。
【0020】
次に、図1に示す照明制御回路の動作について説明するが、以下では、反転増幅回路12の出力電圧をV1 、リミッタ回路13のダイオードDの順方向電圧をVD とする。
今、真っ暗な状態から、被写体照度が徐々に上がってくる場合を考える。
当該監視カメラの撮像部(図示せず)から出力された映像信号は積分回路10で積分され、バッファ回路11でバッファリングされ、更に反転増幅回路12で反転増幅されるが、真っ暗な状態では積分回路10の出力電圧は非常に低く、従って、反転増幅回路12の出力電圧V1 は高くなる。
そして、図1に示す各回路の定数は、真っ暗な状態では反転増幅回路12の出力電圧V1 は、ダイオードDの順方向電圧VD より高くなるように定められているものとする。
【0021】
この場合には、リミッタ回路13により、定電流回路14の入力電圧は、リミッタ回路13を構成しているダイオードDの順方向電圧VD に制限される。
従って、照明装置15には、定電流回路14に入力される電圧VD を、抵抗R6 、R7 で分圧した電圧値に応じた電流が供給されることになり、照明装置15の各赤外LEDは当該電流に対応する明るさLO で発光することになる。結局、このときには、照明装置15の各赤外LEDは、リミッタ回路13のダイオードDの順方向電圧VD に応じた明るさで発光することになる。
【0022】
なお、この状態では、ダイオードDには大きな電流が流れることになるが、ダイオードDに、その許容電流より大きな電流が流れると破損してしまう可能性があるので、それを防止するために抵抗R5 を設けているのである。
【0023】
真っ暗な状態から徐々に被写体照度が上がっていくと、積分回路10の出力電圧は徐々に上昇していき、反転増幅回路12の出力電圧V1 は徐々に低下していくが、反転増幅回路12の出力電圧V1 が、ダイオードDの順方向電圧VD より高い間は、定電流回路14の入力電圧はダイオードDの順方向電圧VD に制限される。
【0024】
従って、被写体照度が上がっても、反転増幅回路12の出力電圧V1 が、ダイオードDの順方向電圧VD より高い間は、照明装置15の各赤外LEDは、リミッタ回路13のダイオードDの順方向電圧VD に応じた明るさで発光することになる。
【0025】
更に被写体照度が上がると、積分回路10の出力電圧は更に上昇していき、反転増幅回路12の出力電圧V1 は更に低下していく。そして、反転増幅回路12の出力電圧V1 が、ダイオードDの順方向電圧VD 未満になると、ダイオードDによる入力電圧制限の機能は働かなくなるので、定電流回路14には反転増幅回路12の出力電圧V1 がそのまま入力されることになる。
【0026】
そして、このときには、照明装置15には、定電流回路14に入力される電圧V1 を、抵抗R6 、R7 で分圧した電圧値に応じた電流が供給されることになり、照明装置15の各赤外LEDは当該電流に対応する明るさで発光することになる。従って、結局、このときには、照明装置15の各赤外LEDは、反転増幅回路12の出力電圧V1 に応じた明るさで発光することになる。
【0027】
その後、被写体照度が更に上がっていくと反転増幅回路12の出力電圧V1 は更に低下していく。そして、反転増幅回路12の出力電圧V1 を抵抗R6 、R7 で分圧した電圧値に応じた電流が、照明装置15の赤外LEDが発光可能な下限値未満になると、照明装置15は消灯する。
【0028】
図1に示す照明制御回路の動作は以上のようであるので、被写体照度と、照明装置の発光の明るさとの関係は図2に示すようになり、目的とする制御特性が得られることが分かる。図2において、LP で示す被写体照度は、反転増幅回路12の出力電圧V1 がダイオードDの順方向電圧VD と等しくなる被写体照度である。従って、この被写体照度LP を境として、被写体照度がそれ以下の場合には発光の明るさはLO で一定であるが、被写体照度がLP より高い状態で変化した場合には、照明装置15の発光の明るさは、被写体照度に応じてリニアに変化することになる。
【0029】
なお、図1に示す構成によれば、図2に示す制御特性のLO の値、反転増幅回路12の出力電圧V1 がダイオードDの順方向電圧VD と等しくなる被写体照度LP の値、及び、図2の被写体照度LP の値より右側の傾斜部分の傾きという3つのパラメータを調整することが可能である。
【0030】
まず、定電流回路14の分圧抵抗である抵抗R6 と抵抗R7 の比を変えると、演算増幅器に入力される電圧が変わるので、照明装置15の各赤外LEDに供給する最大電流を変えることができる。従って、定電流回路14の分圧抵抗である抵抗R6 と抵抗R7 の比を調整することによって、図2のLO で示す発光の明るさの最大値を調整することができる。
なお、このときには、反転増幅回路12の出力電圧V1 がダイオードDの順方向電圧VD と等しくなる被写体照度LP の値は変わらない。
【0031】
また、反転増幅回路12の入力抵抗R1 と、帰還抵抗R2 との比を変更すると反転増幅回路12の利得を変更できることは周知であるが、反転増幅回路12の利得を変更すると、図2の制御特性の傾斜部分の傾きを変更することができる。
【0032】
更に、反転増幅回路12の抵抗R3 と、抵抗R4 の比を変更するとバイアス電圧が変わるが、このようにして反転増幅回路12のバイアス電圧を調整すると、図2の制御特性のLP の値を図の左右方向に調整することができる。つまり、反転増幅回路12の出力電圧V1 がダイオードDの順方向電圧VD と等しくなる被写体照度の値を調整することができる。なお、このときには傾斜部分の傾きは変わらない。
【0033】
以上のように、図1に示す照明制御回路によれば、反転増幅回路12の定数、定電流回路14の定数を調整することによって、図2に示す制御特性のパラメータを調整することができるのである。
【0034】
以上のようであるので、この監視カメラの照明制御回路によれば、簡単な回路構成で目的とする照明制御特性を得ることができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図1に示す構成は最も簡単な構成の例であるが、上述したように、積分回路10、バッファ回路11、反転増幅回路12、定電流回路14の各回路構成は図1に示す構成に限るものではない。
【0036】
また、図1ではリミッタ回路13はダイオードで構成するものとしたが、トランジスタで構成してもよく、要するに、電圧制限機能を有する回路を用いればよい。その場合には、上記の説明におけるダイオードDの順方向電圧を、リミッタ電圧と読み替えればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る監視カメラの照明制御回路の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す監視カメラの照明制御回路によって得られる照明制御特性を示す図である。
【図3】特許文献1に開示されている照明制御特性を示す図である。
【図4】図3に示す照明制御特性を得るための構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…積分回路、2…反転増幅回路、3…非直線回路、4…駆動電流生成回路、10…積分回路、11…バッファ回路、12…反転増幅回路、13…リミッタ回路、14…定電流回路、15…照明装置。
Claims (1)
- 映像信号を積分する積分回路と、
前記積分回路の出力電圧をバッファリングするバッファ回路と、
前記バッファ回路の出力電圧を反転増幅する反転増幅回路と、
前記反転増幅回路の出力電圧を入力して赤外線照明装置に供給する電流を生成する定電流回路と、
前記定電流回路の入力端とグランドとの間に設けられ、当該定電流回路に入力する入力電圧を所定の電圧以下に制限するリミッタ回路と
を備える監視カメラの照明制御回路であって、
前記リミッタ回路は、アノードが電流制限抵抗を介して前記反転増幅回路の出力端子に接続され、カソードがグランドに接地されたダイオードで構成され、
前記反転増幅回路の出力電圧は、被写体照度が所定の照度より低い場合には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧より高くなり、被写体照度が前記所定の照度の時には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧に等しくなり、被写体照度が前記所定の照度より高い場合には前記リミッタ回路のダイオードの順方向電圧より低くなるように定められている
ことを特徴とする監視カメラの照明制御回路。
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