JP4135377B2 - 圧力調整弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポンプなどで加圧された液体の圧力を調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料、潤滑油などの液体を圧送するに際しては、液圧を一定に保たなければならないことがある。例えば燃料タンクから内燃機関に燃料を供給して燃料噴射弁から燃料を噴射する場合、正確な分量の燃料を噴射するためには、燃料噴射弁にかかる燃圧が一定に保たれていることが望ましい。
【0003】
このように液圧を一定に保つための代表的な手法としては、圧力調整弁を利用する方法がある。図8(a)は、一般的な圧力調整弁の構造を概念的に示した説明図である。圧力調整弁Aは、図示するように、ケースaの内部がダイヤフラムbで2つの部屋に区切られたような構造となっている。ダイヤフラムbのほぼ中央にはシートバルブcが設けられており、シートバルブcには、開弁時に液体が通過する通路dが設けられている。シートバルブcは、スプリングeによってシートボディfに押しつけられており、シートバルブcの通路dはシートボディfによって封止されている。
【0004】
このような圧力調整弁の動作を、燃料タンクから内燃機関に燃料を供給する場合を例にとって説明する。図8(b)は、内燃機関に燃料を供給するシステムを概念的に示した説明図である。燃料タンクB内には燃料ポンプDが設けられており、燃料ポンプDで汲み上げられた燃料は、供給通路Eを介して内燃機関Cに圧送される。供給通路Eの途中には、内燃機関Cに供給される燃料圧力を一定に保つために、圧力調整弁Aが取り付けられている。圧力調整弁Aを取り付ける方向は、図8(a)と同じ向き、すなわち、図8(a)の上側が供給通路側となるように取り付けられている。
【0005】
供給通路内に燃圧が加わっていない場合あるいは燃圧が低い場合には、シートバルブcはスプリングeによってシートボディfに押しつけられて、圧力調整弁Aは閉弁状態となっている。しかし燃料ポンプDが燃料を圧送することにより供給通路E内の燃圧が高くなると、ダイヤフラムbにかかる燃圧がスプリングeの押し付け力に打ち勝ってシートバルブcを押し下げ、その結果、シートバルブcがシートボディfから離れて圧力調整弁Aが開弁状態となる。すると、供給通路E内の燃料が圧力調整弁Aを通って流出し、その結果、供給通路E内の燃圧が低下して圧力調整弁Aは再び閉弁状態となる。そして、供給通路E内の燃圧が再び上昇すると、圧力調整弁Aが開弁状態となって通路内圧力を低下させる。圧力調整弁Aを通った燃料は、リリーフ通路Fを介して燃料タンクBに還流する。こうした燃料供給システムでは、圧力調整弁Aが開弁状態と閉弁状態とを繰り返すことによって、供給通路E内の燃圧をほぼ一定に保つことができる。スプリングeの強さを調整すれば、供給通路内の燃圧を自由に設定することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧力調整弁を利用して液体圧力をほぼ一定に保つこうした手法には、圧力調整弁が開弁状態となって液体が流出する際に、大きな騒音を発生させることがあるという問題があった。すなわち、液体圧力が高圧になって圧力調整弁を開弁させると、加圧された通路内の液体が圧力調整弁から噴出するために、噴出した液体と壁面との衝突音や液面の波立ち音が発生する。更に、燃料などの揮発成分を含んだ液体の場合には、圧力調整弁を通過する際に揮発成分が減圧沸騰して沸騰音を生じさせる場合もある。このように圧力調整弁を用いた手法では、調整弁が開弁する度に、こうした騒音が発生するという問題が存在していた。
【0007】
また、容器の圧力を一定に保つ場合にも圧力調整弁が用いられることがあり、このような場合にも圧力調整弁を液体が通過する際に大きな騒音が発生するおそれがある。従って、容器内の圧力を一定に保つ場合にも、同様な要請が存在している。
【0008】
この発明は従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、圧力調整弁の構造を複雑にすることなく、騒音の発生を抑制可能な技術の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の圧力調整弁は次の構成を採用した。すなわち、
液体の圧力が所定値を越えると開弁して該液体を流出させ、該圧力が低下すると閉弁することによって、該液体の圧力を調整する圧力調整弁において、
前記液体の圧力を受けて開弁する弁部と、
前記弁部を通過した前記液体の流出通路と
を備え、
前記弁部は、該弁部を通過した前記液体を前記流出通路の内周面に向かって流す形状に構成されていることを特徴とする。
【0010】
こうした圧力調整弁では、弁部を通過して流出通路内に流れ込む液体の流れが、該通路の内周面に向かって流れるので、通路内に流入する際に流れの剥離が抑制される。詳細には後述するが、通路内で剥離が発生すると、これが原因となって騒音を発生させる。これに対して、本発明の圧力調整弁では、剥離が抑制されているので騒音の発生も抑制することが可能である。
【0011】
かかる圧力調整弁では、弁部を通過した流れが流出通路の内周面に向かって流れるようにするために、弁部の形状を、該弁部の周囲から前記流出通路に流れ込む液体の、該通路方向と直角方向の速度成分が、該通路の周方向に偏った分布となるような形状としてもよい。
【0012】
弁部の形状をこのような形状としておけば、流出通路の方向と直角方向の速度成分が強い側からの流れによって、該流出通路内の液体が通路の内周面に押しつけられる様にして流れ、その結果、剥離の発生を抑制することができる。こうして剥離の発生が抑制されれば、騒音源が減少するので騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0013】
こうした圧力調整弁の弁部を、流出通路の端面と、該流出通路が設けられたシートバルブに該流出通路の端面で当接するシートボディとを有する構成として、前記シートバルブと前記シートボディとの当接部を、当接する幅が前記端面の周囲で偏ているようにしてもよい。
【0014】
詳細には後述するが、シートバルブとシートボディとの当接部の幅を前記端面の周囲で偏らせてやれば、流出通路内の液体は内周面に押しつけられるようにして流れることになり、通路内での剥離の発生が抑制される。その結果、騒音源が減少するので、その分だけ騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0015】
こうした圧力調整弁においては、前記シートボディの下流側に、前記流出通路から流出した液体を排出するための排出口を備えた仕切板を設けるとともに、該排出口を、該流出通路の延長上を避けた位置に設けることとしてもよい。
【0016】
このように、前記流出通路の延長上を避けた位置に排出口を設けておけば、該通路から流出した液体は、一旦、仕切板に衝突して勢いを弱められた後、排出口から流出する。このため、圧力調整弁の下流側で発生する騒音を抑制することが可能となるので好ましい。
【0017】
かかる圧力調整弁は、次のような構成とすることもできる。すなわち、前記シートバルブと前記シートボディと前記排出口とを略同一軸上に設けるとともに、前記流出通路を、前記同一軸と交差する方向に設けることとしてもよい。
【0018】
シートバルブとシートボディと排出口とを略同一軸上に設けてやれば、圧力調整弁をコンパクトなものとすることが可能である。また、流出通路の方向を該同一軸とは交差する方向としてやれば、該通路から流出した液体が該排出口から直接流出することはない。このことから、弁部とシートボディと排出口とを略同一軸上に設けるとともに、流出通路を、該同一軸と交差する方向に設けてやれば、コンパクトで且つ騒音の抑制された圧力調整弁を得ることが可能となる。
【0019】
上述した圧力調整弁においては、次のような弁部とすることもできる。すなわち、弁部には、流出通路の端面と、該流出通路が設けられたシートバルブに該流出通路の端面で当接するシートボディと、該流出通路に相対する位置に該シートボディから立設された柱体とが含まれるようにしてもよい。
【0020】
こうすれば、流出通路内に流れ込んだ液体は、シートボディから立設した柱体によって導かれるようにして、通路の内周面に向かって流れの方向を変えるので、通路内部での剥離の発生を抑制することができる。その結果、剥離の発生に伴う騒音を抑制することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
以下では、実施例に基づいて、本発明の作用・効果について説明する。図1は、第1実施例の圧力調整弁100の構造を概念的に示す説明図である。図示するように、圧力調整弁100の構造は、一般的な圧力調整弁とほぼ同様である。すなわち、圧力調整弁100は、ケース102内部がダイヤフラム104によって2つの部屋に区切られており、ダイヤフラム104の略中央にはシートバルブ110が設けられている。シートバルブ110はスプリング106によってシートボディ112に押し付けられており、シートバルブ110がシートボディ112に押し付けられている当接面には、シートバルブ114を貫通する流出通路114の入口が設けられている。液体は、ケース102に設けられた流入口108から圧力調整弁100内に流入する。
【0022】
ダイヤフラム104にかかる液体の圧力が小さい場合は、シートバルブ110はスプリング106によってシートボディ112に押し付けられて、流出通路114の入口はシートボディ112によって封止されている。液体の圧力が上昇してダイヤフラム104にかかる荷重がスプリング106の押し付け力より大きくなると、シートバルブ110がシートボディ112から離れて流出通路114の入口が開口する。こうして流出通路114が開口すると、該通路を通って液体が流出するので、液体圧力が減少し、再びスプリング106によってシートバルブ110がシートボディ112に押し付けられて、流出通路114の入口が封止された状態となる。流出通路114を通った液体は、ケース102に設けられた排出口109から、圧力調整弁100の外部に排出される。
【0023】
一般的な圧力調整弁においては、流出通路の開口部は、シートバルブ110がシートボディ112に押し付けられた当接面の略中央部に設けられている。これに対して第1実施例の圧力調整弁100においては、流出通路114の開口部は、当接面の中央から偏心した位置に設けられている。図1(b)は、シートバルブ110の当接面に、流出通路114の開口部が設けられている様子を示した拡大図である。このように、流出通路114の開口部を当接面の偏心した位置に設けることによって、当接する幅が開口部の周囲で偏るようにしてやれば、以下に説明するように、圧力調整弁の騒音を抑制することが可能である。
【0024】
図2(a)は、流出通路114の縦断面を取って通路内を液体が流れる様子を示した説明図である。圧力調整弁100の開弁時は、シートバルブ110とシートボディ112との間に形成された隙間を通って、液体が流出通路114内に流れ込む。ここで第1実施例の圧力調整弁100では、前述したように、流出通路114の開口部が当接面の偏心した位置に設けられており、このため、流出通路114に流れ込む液体の流れに偏りが生じる。開口部を偏心した位置に設けることで、流出通路114に流れ込む液体に偏りが生じる理由については後述する。
【0025】
こうして流れに偏りが生じる結果、開口部から流入する液体は、図2(a)に示すように流出通路114の内周面の片側に押し付けられるようにして流れ込むことになるので、通路内部での剥離領域が減少する。開口部から流入する液体は、加圧されて勢い良く流出通路114に流れ込むので、通路内部で剥離が発生していると、この領域が騒音の発生源となる。剥離領域が騒音の発生源となる理由については後述する。こうして、開口部から流れ込む液体が、流出通路114の片側に押し付けられて流れることにより、押し付けられた側での剥離は抑制することができるが、もとより、反対側の内周面では剥離領域が残存している。図2(a)では、流出通路114内に残存する剥離領域を細かい斜線を付して表している。このように、内周面の片側には依然として流れが剥離しているものの、他方側での剥離は抑制されているので、全体としては剥離領域を減少させることができる。このことについて、若干補足説明を加える。
【0026】
参考として、流出通路114の開口部を、シートバルブ110とシートボディ112との当接面の略中央部に設けた場合に、開口部から流入した液体が流出通路114内を流れる様子を図2(b)に示した。開口部が当接面の略中央部に設けられている場合は、開口部から流入する流れに偏りが生じないので、図中に細かい斜線を付して表されているように、流れの剥離は流出通路の全周に生じる。これに対して、流出通路114の開口部を当接面に偏心した位置に設けた第1実施例の圧力調整弁100では、流れは通路の片側でしか剥離しておらず、剥離領域が減少していることが分かる。こうして、騒音の発生源である剥離領域が減少すれば、それに伴って、騒音の発生も抑制されることになる。以下では、剥離領域が騒音の発生源となっている理由、延いては、剥離領域を減少させることで騒音を抑制することが可能な理由について説明する。
【0027】
剥離領域が騒音の発生源となっている理由は、次のようなものであると考えられる。先ず、流れが剥離すると、液体中に高い周波数の圧力変動が発生し、この圧力変動が流出通路114の内周面を加振して騒音を発生させている場合が考えられる。また、流れが剥離すると、その部分で液体の自由表面が発生し、この液体表面が流出通路114の内周面に衝突して騒音を発生させる場合もあると考えられる。更に、図2(b)に示すように、流出通路114の全周に亘って剥離が発生している場合は、流れが不安定となって騒音を発生させる場合も考えられる。これを図3を参照しながら説明する。
【0028】
図3は、流出通路114の開口部が、シートバルブ110とシートボディ112との当接面の略中央に設けられている場合に、流出通路114内を液体が流れる様子を示した説明図である。前述したように、開口部が略中央に設けられている場合は、流出通路114の全周で剥離領域が発生する(図3(a)参照)。しかし、流出通路114内の流れは、図3(a)に示す状態で安定しているわけではない。すなわち、液体中に含まれる僅かな外乱の影響を受けて、図3(b)に示すような流れとなったり、あるいは図3(c)に示すような流れの状態に変化する。このような流れの状態も決して安定ではなく、異なる外乱が加わると、更に異なった流れへと移り変わる。このように、流出通路114の開口部が当接面の略中央に設けられている場合は、流れ込む液体に含まれる僅かな外乱によって、流出通路114内の流れの向きが極めて頻繁に切り変わることになり、騒音を発生させる場合があると考えられる。
【0029】
これに対して、第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114の開口部が、シートバルブ110とシートボディ112との当接面に偏心させて設けられているので、開口部から流入する液体は、流出通路114の内周面の一方に押し付けられるようにして流れる。その結果、流出通路114内での剥離領域が減少するので、騒音の発生を抑制することができる。また、剥離領域が減少すれば、それだけ液体と通路内周面との接触部が増加するので、液体の粘性によって流れを効果的に減衰することができるので、騒音の発生が抑制される。加えて、第1実施例の圧力調整弁100のように、流出通路114内を流れる液体が内周面の一方側に偏っていれば、圧力調整弁100に流れ込む液体中に外乱が含まれていても、この影響で流出通路114内の流れが切り変わることがない。このことからも、騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0030】
上述したように、第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114の開口部が、シートバルブ110とシートボディ112との当接面に偏心した位置に設けられている。こうすれば、開口部から流出通路114に流れ込む液体の流れに偏りが生じるので、流出通路114内での剥離の発生を抑制することができる。以下では、開口部を偏心した位置に設けることで、流出通路114に流れ込む液体の流れに偏りが生じる理由について説明する。
【0031】
開口部を偏心した位置に設けることで、流出通路114への流れに偏りが生じる理由は、大きく2つの要因が影響しているものと考えられる。初めに、図4(a)を参照することにより、第1の要因について説明する。図4(a)は、圧力調整弁100の開弁時に、シートバルブ110とシートボディ112との間の隙間から液体が流入する様子を概念的に示した説明図である。前述したように、開口部は、当接面の偏心した位置に設けられているので、流出通路114に流入するまでにシートバルブ110とシートボディ112との間に形成された隙間を通り抜ける長さは、通路の中心から望んだ方向によって異なっている。この様な隙間に流入する液体は、いろいろな方向の速度成分を含んでいるが、隙間を通り抜ける中に次第に整流されて、隙間に沿った方向の速度成分に揃えられていく。このことから、シートバルブ110とシートボディ112との間に形成された隙間を通り抜ける距離が長くなるほど、流れの方向が強く整流されていることになる。図4(a)では、紙面に向かって右側から流入する流れは、左側から流入する流れよりも隙間を通る距離が長いので、左側から流入する流れは右側から流入する流れよりも強く整流されていることになる。以上の説明から明らかなように、流出通路114への流れに偏りが生じる要因の1つは、開口部に至るまでに隙間を通過する距離を偏らせることで、流れの整流度合いが異なってくるためであると考えられる。
【0032】
次に、図4(b)を参照することにより、流出通路114への流れに偏りが生じる第2の要因について説明する。図4(b)は、シートバルブ110とシートボディ112との間の隙間から、流出通路114に向かって液体が流れ込む様子を、シートボディ112の側から見て概念的に示した説明図である。図中に示した矢印は、液体の流れを概念的に表したものである。液体は流出通路114に向かって流れるから、この様な流れを流出通路114の中心から眺めると、次のようなことが分かる。すなわち、流出通路の中心からの距離が長い部分ほど、同じ角度あたりの流入量が多くなっており、従って、この部分では流れが集中して大きな流速で流入することになる。開口部を偏心した位置に設けることで、流出通路114への流れに偏りが生じる要因の2つめは、このような理由によるものと考えられる。
【0033】
以上に説明したように、第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114の開口部を、シートバルブ110とシートボディ112との当接面に偏心した位置に設けているので、これによって流出通路114内の剥離領域を減少させ、騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
以上に説明した第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114の開口部を、シートバルブ110とシートボディ112との当接面に偏心した位置に設けることによって、流出通路114に流れ込む液体の流れに偏りを生じさせていた。もっとも、流出通路114への流れに偏りを生じさせるためには、開口部を設ける位置を偏心させることに限られず、次のようにすることもできる。以下では、こうした第1実施例の変形例について説明する。
【0035】
図5(a)は、こうした第1実施例の変形例の圧力調整弁150の構造を概念的に示した説明図である。変形例の圧力調整弁150は、前述した第1実施例の圧力調整弁100とほぼ同様な構造となっている。すなわち、変形例の圧力調整弁150も、ケース102と、ケース内部を区切るダイヤフラム104と、ダイヤフラム104の略中央に設けられたシートバルブ110と、シートボディ162と、シートバルブ110をシートボディ162に押し付けるスプリング106などから構成されている。
【0036】
前述した第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114の開口部は、シートバルブ110とシートボディ112との当接面に偏心した位置に設けられている。これに対して変形例の圧力調整弁150では、一般的な圧力調整弁と同様に当接面の略中央に設けられており、その代わりに、シートボディ162には流出通路114内の流れを制御するためのガイド164が設けられている。図5(b)は、シートボディ162に設けられたガイド164と、流出通路114との位置関係を示すために、流出通路114の出口側から見たときのガイド164を示した説明図である。図示されているように、ガイド164は流出通路114の内周面からは若干距離を於いて、通路の中心からは偏心させた位置に設けられている。尚、図5(b)では、ガイド164は断面がほぼ三日月形状を有するものとして表されている。これは、ガイド164が流出通路114の内周面と干渉することのないように、充分なクリアランスを容易に確保できるように配慮されたものである。もっとも、ガイド164と流出通路114との干渉さえ避けることができれば、ガイド164は異なる断面形状とすることも可能である。
【0037】
図5(c)は、第1実施例の変形例の圧力調整弁150が開弁したときに、液体が流出通路114内を流れる様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、ガイド164の設けられた側(図5(c)では向かって左側)からの流れは、ガイド164に遮られて流れの向きを変えるのに対して、反対側(図5(c)では向かって右側)からの流れはガイド164の背面に達する。このように、流出通路114への流れに偏りが生じる結果、通路内で発生する剥離領域が減少して、騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0038】
尚、上述した変形例の圧力調整弁150では、ガイド164は流出通路114の内側に設けられているものとして説明した。この様な位置にガイド164を設ければ、シートバルブ110とシートボディ162との間に形成された隙間を通過した流れを遮って、流出通路114への流れを偏らせることができる。もちろん、異なる位置にガイドを設けることによっても、シートバルブ110とシートボディ162との間に形成された隙間を通過した流れを遮って、流出通路114への流れを偏らせることは可能である。例えば、シートバルブ110あるいはシートボディ162の外周にガイドを設けることにより、シートバルブ110とシートボディ162との隙間に流入する流れを遮るようにしても良い。
【0039】
以上に説明した第1実施例の変形例の圧力調整弁150では、シートボディ162に設けるガイド164の形状あるいは寸法を適切に設定することで、流出通路114内の流れの状態を望ましい状態に制御することが容易であり、従って、騒音の発生を容易に抑制することが可能である。
【0040】
これに対して、前述した第1実施例の圧力調整弁100では、シートバルブ110に設ける流出通路114の開口部を偏心させるだけでよいので、圧力調整弁100の構造を極めて簡素なものとすることができる。このため、圧力調整弁100を、製造が容易で尚かつ信頼性の高い圧力調整弁とすることができる。特に、第1実施例の圧力調整弁100には、変形例のように突設したガイド164が設けられていないので、例えばガイド164が欠損すると言ったおそれがなく、それだけ信頼性の高い圧力調整弁とすることができる。
【0041】
B.第2実施例:
上述した第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114はシートバルブ110の中心軸に沿って設けられていた。これに対して、流出通路114を、シートバルブ110の中心軸に対して傾けて設けることとしても良い。こうすれば、以下に説明するように、騒音をより一層抑制することが可能となる。以下、こうした第2実施例の圧力調整弁について説明する。
【0042】
図6(a)は、第2実施例の圧力調整弁200の構造を概念的に示した説明図である。第2実施例の圧力調整弁200は、前述した第1実施例の圧力調整弁100とほぼ同様な構造となっている。すなわち、第2実施例の圧力調整弁200も、ケース102と、ケース内部を区切るダイヤフラム104と、ダイヤフラム104の略中央に設けられたシートバルブ210と、シートボディ112と、シートバルブ210をシートボディ112に押し付けるスプリング106などから構成されている。ケース102の上側には、圧力調整弁の内部に液体が流入する流入口108が設けられており、また、ケース102の下側には、開弁時に流出通路214を通過した液体を排出するための排出口109が設けられている。
【0043】
図6(a)に示すように、第2実施例の圧力調整弁200の流出通路214は、シートバルブ210の中心軸に対して傾いた状態で設けられている。前述した第1実施例の圧力調整弁100では、流出通路114はシートバルブ110の中心軸に沿った方向に設けられていた。
【0044】
図6(b)は第2実施例の圧力調整弁200が開弁して、流出通路214から液体が流れ出している様子を概念的に示した説明図である。図中に示した矢印は、流出通路214内を液体が流れる様子を模式的に示したものである。前述したように、第2実施例の圧力調整弁200では、流出通路214はシートバルブ210の中心軸に対して傾いているので、流出通路214からの流れは一旦、ケース102に衝突した後、排出口109から流出する。こうして流出通路214からの流れをケース102に衝突させて流れを減衰させることにより、排出口109からの液体の流出速度を減少させれば、圧力調整弁200の下流側で発生する騒音を抑制することが可能となる。
【0045】
C.第3実施例:
上述した各種の実施例では、流出通路内の剥離を抑制するために、流出通路への流れを偏らせていた。しかし、流出通路内の剥離を抑制するためには、流れを偏らせることに限らず、次のように流れのガイドを設けることとしても良い。以下では、剥離を抑制するためのガイドを備えた第3実施例の圧力調整弁300について説明する。
【0046】
図7は、第3実施例の圧力調整弁300の構造を概念的に示した説明図である。第3実施例の圧力調整弁300も、前述した第1実施例の圧力調整弁100とほぼ同様な構造となっている。すなわち、第3実施例の圧力調整弁300も、ケース102と、ケース内部を区切るダイヤフラム104と、ダイヤフラム104の略中央に設けられたシートバルブ310と、シートボディ312と、シートバルブ310をシートボディ312に押し付けるスプリング106などから構成されている。
【0047】
第3実施例の圧力調整弁300では、流出通路114の開口部は、シートバルブ310とシートボディ312との当接面の略中央に設けられており、シートボディ312には、流出通路114への流れを制御するためのガイド320が、流出通路114の略中央位置に設けられている。ガイド320の側面と、流出通路114の内周面との間隔を略一定に保つ観点から、本実施例のガイド320の断面形状は、流出通路114の断面形状とほぼ相似な形状としているが、もちろん、これに限定されるものではなく、異なる断面形状とすることも可能である。
【0048】
図7(b)は、流出通路114の縦断面を取って通路内を液体が流れる様子を示した説明図である。圧力調整弁300が開弁すると、液体は、シートバルブ310とシートボディ312との間の隙間を通って流出通路114内に流れ込む。ここで第3実施例の圧力調整弁300では、流出通路114の略中央にガイド320が設けられている。このため、流出通路114に流れ込んだ液体は、通路の中央部に進むことができず、ガイド320に導かれるようにして通路内周面に向かって流れの向きを変えた後、通路内周面に沿って流れていく。このように、第3実施例の圧力調整弁300では、開口部から流れ込んだ液体は、ガイド320によって流れの方向を変えられるので、流出通路114の内周面での剥離が抑制される。第3実施例の圧力調整弁300では、こうして剥離が抑制されるので、開弁時に発生する騒音を抑制することが可能となる。
【0049】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述した各種実施例の圧力調整弁においては、ダイヤフラムに圧力が加わると、シートボディは移動することなくシートバルブが動くことによって開弁している。もちろん、これとは逆に、シートバルブは移動せずにシートボディが動くことによって開弁状態となる圧力調整弁に対しても、本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の圧力調整弁の構造を概念的に示した説明図である。
【図2】第1実施例の圧力調整弁において、流出通路内に流れ込む流れを偏らせることで、通路内での剥離の発生が抑制されることを示す説明図である。
【図3】流出通路内の流れを偏らせない通常の圧力調整弁においては、通路内の流れが不安定となって騒音を発生させる様子を示す説明図である。
【図4】流出通路の開口部を、シートバルブとシートボディとの当接面に対して偏心した位置に設けることで、開口部に流入する流れに偏りが生じる理由を示す説明図である。
【図5】第1実施例の変形例の圧力調整弁の構造を概念的に示した説明図である。
【図6】第2実施例の圧力調整弁の構造を概念的に示した説明図である。
【図7】第3実施例の圧力調整弁の構造を概念的に示した説明図である。
【図8】一般的な圧力調整弁の構造と、該圧力調整弁を用いた燃料圧力の調整システムを示す説明図である。
【符号の説明】
100…圧力調整弁
102…ケース
104…ダイヤフラム
106…スプリング
108…流入口
109…排出口
110…シートバルブ
112…シートボディ
114…シートバルブ
114…流出通路
150…圧力調整弁
162…シートボディ
164…ガイド
200…圧力調整弁
210…シートバルブ
214…流出通路
300…圧力調整弁
310…シートバルブ
312…シートボディ
320…ガイド

Claims (3)

  1. 液体の圧力が所定値を越えると開弁して該液体を流出させ、該圧力が低下すると閉弁することによって、該液体の圧力を調整する圧力調整弁において、
    前記液体の圧力を受けて開弁する弁部と、
    前記弁部を通過した前記液体の流出通路と
    を備え、
    前記弁部は、
    前記流出通路の端面と、
    前記流出通路が設けられたシートバルブに該流出通路の端面で当接するシートボディと
    を有しており、
    前記流出通路の端面における前記流出通路の開口部は、前記流出通路の端面と前記シートボディとの当接面の中央から偏心した位置に設けられていることを特徴とする圧力調整弁。
  2. 液体の圧力が所定値を越えると開弁して該液体を流出させ、該圧力が低下すると閉弁することによって、該液体の圧力を調整する圧力調整弁において、
    ケースと、
    前記液体の圧力を受けて開弁する弁部と、
    前記弁部を通過した前記液体の流出通路と
    を備え、
    前記ケースの前記シートボディの下流側には、前記流出通路から流出した液体を前記ケースから排出するための排出口が設けられており、
    前記弁部は、
    前記流出通路の端面と、
    前記流出通路が設けられたシートバルブに該流出通路の端面で当接するシートボディと
    を有し、
    前記流出通路の端面における前記流出通路の開口部は、前記流出通路の端面と前記シートボディとの当接面の中央から偏心した位置に設けられ、
    前記シートバルブと前記シートボディと前記排出口とは、略同一軸上に設けられ、
    前記流出通路は、前記同一軸と交差する方向に設けられていることを特徴とする圧力調整弁。
  3. 液体の圧力が所定値を越えると開弁して該液体を流出させ、該圧力が低下すると閉弁することによって、該液体の圧力を調整する圧力調整弁において、
    前記液体の圧力を受けて開弁する弁部と、
    前記弁部を通過した前記液体の流出通路と
    を備え、
    前記弁部は、
    前記流出通路の端面と、
    前記流出通路が設けられたシートバルブに該流出通路の端面で当接するシートボディと、
    前記流出通路に相対する位置に前記シートボディから立設された柱体と
    を有しており、
    前記柱体は、前記流出通路の中心から偏心させた位置に設けられていることを特徴とする圧力調整弁。
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