JP4133520B2 - 耐変形性が著しく良好な容器用鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、飲料缶などの金属容器に利用される鋼板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲料缶、食品缶などに代表される容器用鋼板は、通常ロックウェル表面硬度HR30Tにより材質のグレード分けが行なわれているが、このグレードはT1〜T6、DR8〜10など10種近くに分けられており、これを造り分けるために成分や製造条件の変更などが細かく行なう必要があるため、生産性向上の阻害要因にもなっている。
【0003】
また、容器の低コスト化のため容器用鋼板の薄手化が進行し、0.2mm以下の素材も適用されるにいたっている。このような極薄材料で容器を製造した場合に顕在化している問題の一つに容器の変形がある。これは、容器の製造過程や内容物を充填した後の一般市場における容器のハンドリング時に起きる外力の作用のみならず、容器の内部圧力の増減、すなわち内容物の加熱処理時の増圧や内容物保持のための減圧処理、または炭酸飲料など内容物によっては必須となる増圧、さらには流通や保持中の温度変化に伴う内圧の変化による容器の変形である。
【0004】
耐変形性を向上させるには容器のデザインのみならず、素材としてはより硬質なものを使用する必要がある。しかし、一般的に硬質な材料は延性が低く缶成形時の材料破断などの問題を引き起こす。
【0005】
生産性を向上させるには上工程では同一の素材を準備し、できるだけ下工程での条件変更により材質を造り分けることが効率的である。このための方法として焼鈍後の再冷延(2CR)の圧下率によるものがあり、下記特許文献1などでその技術が開示されている。しかし、この方法では2CR率を変えて同一の板厚の鋼板を製造するには、その前の工程での冷延板厚を造り分けておく必要があり、生産性の格段の向上は望めない。また、硬化手段として加工による転位強化を利用するため、通常の固溶強化などに比べると延性の劣化が大きく、缶成形の際のフランジ成形性が劣るなどの不具合も発生し易い。
【0006】
【特許文献1】
特公平7−109010号公報
【0007】
焼鈍以降の工程で延性をそれほど阻害せずに強度調整する方法として焼鈍時の窒化による技術が下記特許文献2,3,4などで開示されている。しかしこれらの技術では、窒化による表面硬度造り分けとそれによる生産性の向上については述べているが、特に表内層の硬度を制御することによる特に極薄素材での耐変形性の向上については何ら記載がない。またその製造方法については、あたかもアンモニア含有雰囲気で保持すればよいと記されているのみで、表内層の材質を制御するための窒化の具体的な条件については十分開示されておらず、これらの技術により極薄素材で成形した容器の耐変形性は必ずしも十分なものではない。
【0008】
【特許文献2】
特開平08−170122号公報
【特許文献3】
特開平08−176788号公報
【特許文献4】
特開2001−107148号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、極薄手材を使用して製造された容器で問題となる変形について、素材の表層および内層の材質を窒化・浸炭を適用することで制御して大幅に改善するとともに、硬質な場合にも良好な延性を持ち、生産性が向上するスケジュールフリーで製造可能な鋼板およびその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特に窒化過程を経て製造される板厚0.4mm以下の鋼板の成分および窒化条件と材質との関係を検討するうち、成分、特にN量を特定範囲に限定し、さらに窒化条件を最適に調整することで材料の表層部および内層部の材質を好ましく制御することが可能で、これにより極薄鋼板を素材とした容器において問題となっている変形を大幅に抑制することができることを知見した。
【0011】
すなわち、冷間圧延後に窒化処理を行い鋼中の窒素量または炭素量を増加させることにより、単に表面硬度を造り分けただけでは缶の耐変形性はそれほど向上するものではないという知見を踏まえ、本発明は極薄素材で缶の耐変形性を向上させるために必要な窒化条件、および窒化の制御方法を確立したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、成分について説明する。成分はすべて質量%である。
C量の上限は、加工性の劣化を回避するために必要であり、C:0.0800%以下とする。好ましくは0.0600%以下、さらに好ましくは0.040%以下である。窒化によりCと同様の性質を有するNを増量させる本発明鋼では強度確保などの観点で必要となるC含有量は低くても構わない。C:0.0050%以下でも必要な強度確保が可能であり、0.0020%以下でも構わないし、0.0015%以下とすれば、窒化量との兼ね合いもあるが通常の容器材料では規格外の極軟質材の製造も可能となる。
【0013】
窒化前のN量の上限もC同様、加工性の劣化を回避するために必要であり、N:0.0300%以下とする。好ましくはN:0.0200%以下、さらに好ましくはN:0.0150%以下、さらに好ましくはN:0.0100%以下、さらに好ましくはN:0.0050%以下、さらに好ましくはN:0.0030%以下である。注意を要するのは、後述のように窒化によって含有させたNは、缶の耐変形性効果を付与するために存在するものであり、窒化前に存在するNとは効果が異なることである。
【0014】
窒化後のN量の上限は、加工性の劣化を回避するために加え、めっき等の表面処理性の劣化を回避するために必要であり、N:0.600%以下とする。好ましくは0.300%以下、さらに好ましくは0.150%以下、さらに好ましくは0.100%以下、さらに好ましくは0.050%以下、さらに好ましくは0.030%以下である。ただし窒化による硬化部をより硬質化させる意味では、N量は高い方が好ましいことは言うまでもない。
【0015】
Siは強度調整のために添加されるが多すぎると加工性が劣化するため、2.0%以下とする。本発明鋼においては結晶粒界において窒化により鋼中に侵入したNと窒化物を形成し、脆性的な割れを起こすばかりでなく、本発明の効果を損ねる場合もあるので、1.5%以下、さらに1.0%以下にする必要が生ずることもある。
【0016】
Mnは強度調整のために添加されるが、多すぎると加工性が劣化するため2.0%以下とする。
【0017】
Pは強度調整のために添加されるが、多すぎると加工性が劣化するため0.10%以下とする。
【0018】
Sは熱間延性を劣化させ、鋳造や熱間圧延の阻害要因となるので0.05%以下とする。
【0019】
Alは脱酸のために添加される元素であるが、高いと鋳造が困難となり、表面の疵が増加するなどの害があるため2.0%以下とする。
【0020】
上述の基本元素以外に、通常の容器用鋼板で考慮される元素の効果およびその制御について以下に述べる。
Tiは鋼板の再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる。このため0.08%以下が望ましい。特に高いr値が必要でない通常の用途ではTiを添加する必要はなく、0.03%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。
【0021】
NbもTiと同様の影響を有し、鋼板の再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる。このため0.08%以下とする。特に高いr値が必要でない通常の用途ではNbを添加する必要はなく、0.03%以下、さらに好ましくは0.01%以下とする。
【0022】
BはTi,Nbを0.01%程度以上含有する鋼板に添加した場合、鋼板の再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させるが、Ti,Nbの含有量が少ない場合にはこの点での悪影響は少なく、むしろ再結晶温度を下げるため低温での再結晶焼鈍が可能となり、焼鈍通板性を向上させる効果も有するため、積極的に添加することも可能である。しかし、過剰な添加は鋳造時の鋳片の割れが顕著になるため、上限を0.015%とする。再結晶温度を低下させ焼鈍通板性を向上させる目的では、窒化前の含有N量との関係でB/N=0.6〜1.5とすれば十分である。
【0023】
また、窒化前まで固溶Ti,Nb,Bを残存させておき、窒化に伴い表面から鋼板に侵入するNにより特に鋼板表層部にこれらの窒化物を形成させ、鋼板表層のみを優先的に硬化させることで本発明が目的とする効果をより高めるには、中心層1/4厚さの平均成分でTi:4×C+1.5×S+3.4×N以上、Nb:7.8×C+6.6×N以上、B:0.8×N以上の1種または2種以上を含有させることが好ましい。
ここで中心層1/4厚さの平均成分としたのは、本発明では表層部のN量は窒化処理前後で大きく変化するため、上の各値もそれに応じて変化してしまうためである。本発明では窒化処理による変化が小さい中心層1/4厚さの平均成分を用いて、窒化処理後の製品板での値で規定を行なうものとした。
【0024】
また、耐食性を高めるなど本発明で規定していない特性を付与するために、Cr:20%以下(好ましくは10%以下)、Ni:10%以下(好ましくは5%以下)、Cu:5%以下(好ましくは2%以下)の1種または2種以上を添加することは、本発明の効果を何ら損ねるものではない。
【0025】
窒化前に鋼中に固溶しているCrは、窒化により鋼板に浸入したNと結合し、鋼中に微細なCr窒化物を形成して窒化部を硬質化する効果を有する。このため本発明で特徴とする窒化の程度を低く制御した部位でも、材質の硬質化が必要以上に現れてしまう場合もあるが、逆にこの窒化物を活用して窒化部の硬度を効果的に高めることも可能である。この目的で添加する場合はCrを0.01%以上添加することが好ましい。しかし一方でCrは鋼板の再結晶温度を上げ、過剰に添加すると本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる場合がある。この再結晶温度の上昇による焼鈍通板性の低下を回避するには2.0%以下とすることが好ましく、0.6%以下であれば再結晶温度の上昇は実用的に問題ない程度に抑制できる。
【0026】
さらに本発明で規定していない特性を付与するために、Sn,Sb,Mo,Ta,V,W1種または2種以上を合計で0.1%以下含有することは、本発明の効果を何ら損ねるものではない。
【0027】
ここで、本明細書中にて用いる鋼板板厚方向の部位の区分について、図1を用いて記述する。
「表層1/8厚さ」とは図1中の対応部位を表す。また、「中心層1/4厚さ」とは図1中の対応部位を表す。なお、「表層1/8厚さ」に対応する部位は鋼板の両表面について存在するが、本発明ではそのどちらか一面についてでも本発明の限定範囲に該当するものを対象とする。窒化の方法や窒化前の表面処理、さらには窒化後の何らかの処理により、表と裏の窒素分布または硬度分布を変化させることは比較的容易であるが、本発明ではそのような表裏異表層の鋼板についても対象とする。これは片面のみでも本発明が目的とする耐変形性を得ることが可能だからである。
【0028】
「表層1/8厚さのN量」は鋼板を研磨し、相当の部位のみを残存させた後、分析を行なうことで測定するものとする。同様に「中心層1/4厚さのN量」は両表面を研磨除去し、相当部位のみについての分析値を使用する。
【0029】
「表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度」および「中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度」は、鋼板の断面を板厚方向の硬度分布が適当に評価できる程度に小さな圧痕の大きさとなるような荷重、かつ板厚方向の位置で測定したビッカース硬度を用いる。測定する板厚方向の位置については、1/8厚さに少なくとも2個の測定値が入るように等間隔に板厚方向の位置を設定しこれらを用いる。そして各部以内で測定された値の平均値をそれぞれの断面平均硬度とする。
【0030】
注意を要するのは各圧痕跡間の距離であるが、通常ビッカース硬度測定は圧痕の大きさに応じて最も近くにある圧痕と適当な距離を離す必要があるため、図2のように板表面の方向に適当な距離をずらしていくことで、各圧痕跡間の距離を適当に保つことが可能となる。また、板表面に近い部位では板表面の影響が問題となるが、これは同等の材質を持つ鋼板を重ねて結束したものの断面硬度を測定した値を用いるものとする。
【0031】
「表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度」および「中心層1/4厚さの鋼板断面最高硬度」は上述の「表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度」および「中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度」で得た硬度分布において各部位内での最高高度を指す。
分析値および硬度分布は、成分元素の局所的な偏析や組織の不均一等により通常多少のばらつきが生ずるが、異常値を除外できる程度の適当な回数の試行により決定されるものとする。
【0032】
以下、本発明の重要な要件である窒化の状態について記述する。
窒化によるNの増加量や焼鈍後のN量は本発明の重要規定要件である。
本発明では特に鋼板の表層部と中心層部のN量に差をつけることを特徴とする。この差は(表層1/8厚さのN量)−(中心層1/4厚さのN量)で規定し、この値を10ppm 以上、好ましくは20ppm 以上、さらに好ましくは30ppm 以上、さらに好ましくは50ppm 以上、さらに好ましくは100ppm 以上、さらに好ましくは200ppm 以上、さらに好ましくは300ppm 以上とする。この差がこれより小さいと本発明が目的とする耐変形性が得られない。
【0033】
また(表層1/8厚さのN量)の上限は6000ppm (0.600%)とする。表層1/8厚さの平均での上限を6000ppm とするのは、この値が6000ppm を超えると本発明の通常の条件では最表面のN量は10000ppm 超となり、メッキ不良など表面の問題が起きやすくなるためである。この懸念から(表層1/8厚さのN量)の上限を3000ppm とすることが好ましく、1000ppm 以下とするのが更に好ましい。
【0034】
またその結果として、鋼材の表層および中心層の硬度に差を有せしめることが本発明の特徴である。この差は(表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)で規定し、この値をHv10以上、好ましくはHv20以上、さらに好ましくはHv30以上とする。この差がこれより小さいと本発明が目的とする耐変形性が得られない。また(表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)で規定することもできる。この場合はこの値をHv20以上、好ましくはHv30以上、さらに好ましくはHv40以上とする。
【0035】
上記のように表層のN量および硬度を中心層との比較において制御するには、窒化処理前の状態も合わせて好ましく制御しておくのが望ましい。すなわち、窒化前の鋼板の含有N量は0.0300%以下とすることが好ましい。窒化前にすでに多量のN含有している場合は本発明の効果が発現しにくくなる。さらに好ましくは0.0200%以下、さらに好ましくは0.0100%以下、さらに好ましくは0.0050%以下、さらに好ましくは0.0030%以下がよい。
そして、窒化によりN含有量を高めるが、その増加量は板厚平均で6000ppm 以下が望ましい。通常の製造工程を想定すれば、板厚平均でこれを超えて増加している場合は板表面のN量は非常に高い値となり、メッキ性などの阻害要因となる場合がある。好ましくは2000ppm 以下、さらに好ましくは1000ppm 以下、さらに好ましくは500ppm 以下、さらに好ましくは200ppm 以下とする。窒化処理前のN量やその他の鋼成分によっては100ppm 以下でも十分な効果を得ることができる。
【0036】
また本発明では、Nの増加が板厚全体均一にわたったものになってはならない。すなわち(表層1/8厚さのNの増加量)/(中心層1/4厚さのNの増加量)の絶対値が2.0以上となるように、表層部のみのN量を効率的に増加させるのが望ましい。ここで絶対値としたのは、成分がほとんど変化しない中心層のN量の分析値は、各種のばらつきに起因して板厚全体の値より小さくなる場合もあるからである。この値は好ましくは3.0、さらに好ましくは5.0以上、さらに好ましくは10以上である。またこのような窒化前後のN量の変化を制御することにより、断面硬度について鋼材の表層および中心層の硬度に差を有せしめることが本発明の特徴である。
【0037】
上述と同様にこの差は(表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)で規定し、この値をHv10以上、好ましくはHv20以上、さらに好ましくはHv30以上とする。この差がこれより小さいと本発明が目的とする耐変形性が得られない。また(表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)で規定することもできる。この場合はこの値をHv20以上、好ましくはHv30以上、さらに好ましくはHv40以上とする。
【0038】
次に窒化条件に関して述べる。
本発明の窒化処理は冷延後の再結晶焼鈍と同時またはその後に、再結晶焼鈍と連続して行なうことが生産性の観点からは好都合であるが、特に限定するものではない。焼鈍の方法はバッチ式または連続焼鈍を問わずに適用が可能である。ただし窒化処理の生産性および窒化材のコイル内材質の均一性の観点からは、連続焼鈍法がはるかに有利である。また本発明が規定するように表内層の材質を制御して大きな効果を得るには、窒化時間およびその後の熱履歴が長時間化するのは不利となることからも、少なくとも窒化処理は連続焼鈍設備で行なわれることが好ましい。特別な理由がない場合は連続焼鈍材に適用されるものとする。特に連続焼鈍工程において炉中の雰囲気を部分的に制御し、前半で再結晶、後半で窒化する工程は生産性や材質の均一性、窒化状態の制御のし易さなど多くのメリットがある。
【0039】
また再結晶が終了する前に窒化処理を行なうと、再結晶が著しく抑制されて未再結晶組織が残り、加工性の顕著な劣化が起こる場合があり注意が必要である。この限界は鋼成分や窒化条件、再結晶焼鈍条件などで複雑に決定されるものであるが、当業者であれば未再結晶組織が残存しない条件を適当な試行の後に見出すことは容易である。窒化処理は窒化による鋼板のN増加量のみならず、鋼成分や再結晶焼鈍条件、さらには窒化後の熱履歴等も考慮し、Nの鋼板表面から内部への拡散や板厚断面での硬度変化を考えて決定する必要がある。単にロックウェル硬度で決定される材質だけを指標にしたのでは、本発明が目的とする好ましい耐変形性を得ることはできない。
【0040】
この条件は実操業では適当な回数の試行を参考とし決定する必要があるが、1つの態様として以下のものがある。それに基づき本発明を規定する。すなわち、窒化は板温度が550〜800℃の状態で行なわれるのが望ましい。これは通常の焼鈍のように窒化雰囲気をこの温度にしておき、その雰囲気中に鋼板を通過させることで板温度をこの範囲にし、同時に窒化を行なうことも可能であるし、窒化雰囲気はより低い温度としておき、この範囲の温度に加熱した鋼板をその中に侵入させることで窒化を進行させてもよい。窒化雰囲気をこの温度に昇温する場合には、鋼板の窒化とは無関係な雰囲気の変質および分解により鋼板の窒化効率が低下する場合があるので、550〜750℃とするのがよい。好ましくは600〜700℃、さらに好ましくは630〜680℃である。
【0041】
窒化雰囲気は体積比で窒素ガスを10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上含み、必要に応じて水素ガスを90%以下、さらに好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下、さらに好ましくは20%以下含み、アンモニアガスを0.02%以上含んだものとするのが望ましい。
残部は酸素ガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素ガスまたは各種の不活性ガスなどが可能である。特にアンモニアガスは窒化効率を上げるために効果が高く、所定の窒化量を短時間で得ることが可能となるため、鋼板中心へのNの拡散を抑制し、本発明にとって好ましい効果を得ることができる。この効果は0.02%以下でも十分であるが、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは5%以上であり、10%以上とすれば5秒以下での窒化処理でも十分な効果を得ることが可能となる。
【0042】
また、アンモニアガス以外の比率、特に窒素ガスと水素ガスが主要なガス成分となる場合については、体積で(窒素ガス)/(水素ガス)を1以上にすることが窒化効率の点から好ましく、この比を2以上にすることでさらに効率的な窒化が可能となる。また、通常の焼鈍においては窒素ガスと水素ガスを主体とした雰囲気中で窒化しないような条件で焼鈍が行なわれるが、当業者であれば上に述べたアンモニアガスの混入に限らず、露点の変更やわずかな微量ガスの混入、ガス比率の変更などにより窒化が起きる条件に変更することも適当な試行の後に可能である。
【0043】
窒化雰囲気での保持時間は特に限定されるものではないが、550℃以上という本発明の温度条件と、最大0.400mmという鋼板厚さを考慮し、かつ保持中の鋼中Nの拡散により窒化により鋼板表面から侵入したNが鋼板中心層へ到達し、本発明が目的とするN分布または硬度分布が得られなくなることを考慮し、360秒を上限とするのが望ましい。また窒化効率を向上させても、本発明が必要とする窒化量および鋼板板厚方向の窒素および硬度分布を得るには、0.1秒は必要である。好ましくは2〜60秒、さらに好ましくは5〜30秒である。
【0044】
鋼板板厚方向の窒素分布を制御するには窒化後の鋼板の熱履歴も重要となる。対象となる鋼板の板厚および鋼中での窒素の拡散を考慮すると、高温での長時間保持は好ましくない。しかし、この熱処理により窒素分布を適当になだらかにすることで、本発明の効果をより顕著にすることも可能となる。このためには550℃以上の温度域での履歴が重要で、この温度域での温度と時間の積を48000以下とすることが好ましい。これは600℃で80秒、800℃で60秒に相当するが、温度が連続的に変化するときはその効果が適当に評価されるように5秒程度ごとの時間領域に分割し温度変化を記録し、各領域についての温度と時間の積の和を求めることでも評価が可能である。もちろんこれはある温度幅をもった温度領域に分割して評価してもよい。好ましくは24000以下、さらに好ましくは12000以下で、通常は窒化終了時点で鋼中窒素の分布がほぼ決定するように窒化条件を設定しておくことが好ましい。
【0045】
上述の熱履歴に絡んで、窒化後の冷却速度が発明の効果に大きく影響する。すなわち、窒素分布がほとんど変化しない低温短時間でも冷却過程での窒化物の形成状態が大きく変化するため、断面硬度分布には顕著な差が見られる場合がある。550℃から300℃までの平均冷却速度を10℃/s以上とすることで、固溶窒素をより多く残存させ表層部を中心層に比し相対的に硬質にし、耐変形性を向上させることが可能となる。好ましくは20℃/s以上、さらに好ましくは50℃/s以上である。ただし固溶窒素を過度に残存させると、用途によっては時効性が問題となる場合があるので注意が必要である。
【0046】
薄手の容器用鋼板の製造においては、硬度調整や板厚調整のために再結晶焼鈍の後に再冷延を行なう場合がある。この圧下率は形状調整のために行なわれるスキンパスに近い数%程度から、冷延と同様の50%以上までが実用化されている。本発明に再冷延法を適用する場合、この圧下率は20%以下に限定する。圧下率がこれ以上になると、本発明が特徴とする表層と内層の特性差が小さくなり、発明の効果が消失するのみでなく、鋼板自体が硬質になり本発明によって耐変形性を付与する必要性がなくなる。また、再冷延圧下率の上昇は鋼板の加工性を劣化させるので、缶強度を付与する目的に限定すれば本来好ましい方法ではない。好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、好ましくは5%以下、好ましくは3%以下とする。
【0047】
再冷延の時期は、生産性の観点から好ましい再結晶焼鈍と窒化処理を連続的に行なう工程においては窒化処理の後になるが、再結晶焼鈍と窒化処理を別の工程で行なう場合には窒化処理の前に行なうことも可能である。
【0048】
本発明は板厚0.400mm以下の鋼板に適用されるものとする。これは板厚がこれより厚い鋼板では成形部材の変形は問題となりにくいからである。また板厚が厚い場合には、窒化による表層硬化の厚さが相対的に小さくなり、本発明の効果が現れにくくなるためもある。好ましくは0.300mm以下、さらに好ましくは0.240mm以下の鋼板を対象とし、0.200mm以下、さらに好ましくは0.180mm以下の鋼板では非常に顕著な効果を得ることが可能となる。
【0049】
このように窒化によるNの増加量、窒化後のN量さらには断面硬度を表層と中心層を区別し、板厚方向への分布を考慮し制御することで、ただ単にNを含有した鋼や表面硬度の造り分けのみを目的として窒化した鋼に無い本発明鋼特有の材質を持つようになるメカニズムは明確ではないが、表層部に比較して増大する固溶Nおよび窒化物により曲げ変形に対する抵抗性が高まるためと考えられる。そして、この効果は対象材の板厚や変形を起きる際の外力、内圧や容器の形状などの条件が絡んで、本発明で規定する表層と中心層の差を意識した窒化量および窒化条件と相まって、非常に効果的に耐変形性が発現するためではないかと推定される。
【0050】
本発明の効果は成分調整以降、焼鈍前の熱履歴、製造履歴によらない。熱延を行う場合のスラブはインゴット法、連続鋳造法などの製造法には限定されず、また熱延に至るまでの熱履歴にもよらないため、スラブ再加熱法、鋳造したスラブを再加熱することなく直接熱延するCC−DR法、さらには粗圧延などを省略した薄スラブ鋳造によっても本発明の効果を得ることができる。また熱延条件にもよらず、仕上げ温度をα+γの二相域とする二相域圧延や、粗バーを接合して圧延する連続熱延によっても本発明の効果を得られる。
【0051】
また、本発明鋼を溶接部を有する容器用素材として用いる場合には、熱影響部の軟化を抑制、特にN濃度が高い表層部が急冷され硬化するため溶接部の強度を向上させる効果も有する。これはB,Nbなど通常でも熱影響部の軟化を抑制する元素が添加された場合にはさらに顕著となる。
【0052】
通常、本発明鋼板は表面処理鋼板用の原板として使用されるが、表面処理により本発明の効果はなんら損なわれるものではない。缶用表面処理としては通常、錫、クロム(ティンフリー)などが施される。また、近年使用されるようになっている有機皮膜を被覆したラミネート鋼板用の原板としても、本発明の効果を損なうことなく使用できる。
【0053】
【実施例】
表1に示す各成分の鋼について、熱間圧延、冷間圧延、窒化を伴う焼鈍後、スキンパスまたは再冷延を施して鋼板を製造し、耐変形性を評価した。
本発明では、二種の耐変形性評価を行なった。一つは飲料缶で適用されている3ピース缶と同様の缶を成形し、この缶の胴部を10mmφ、長さ40mmの円柱金型で押し込んだ際の変形抵抗を測定した。もう一つはやはり飲料缶で適用されている2ピース缶と同様の缶を成形し、この缶に内圧をかけ缶底が挫屈して変形する際の圧力を測定した。
【0054】
3ピース缶の試験においては、金型の押し込み量と押し込み荷重の相関を示すと図3のようになり、ある荷重で変極点を生ずる。この変極点となる荷重を耐変形性の指標とした。この値が高いほど外力による変形が小さくなり、耐変形性が良好ということになる。2ピース缶の試験においては一定の速度で内圧を高めていき、時間と内圧の相関を示すと図4のようになり、ある内圧で缶底の挫屈が起き缶体積が急激に膨張することに対応した急激な内圧の低下を生ずる。この最高圧力を耐変形性の指標とした。この値が高いほど内圧の変化による大きな変形がおき難くなり耐変形性が良好ということになる。
【0055】
本実施例での熱延、冷延、焼鈍、窒化条件等を表1に併せて示す。窒化は全て焼鈍の中盤以降で行なわれており、窒化が起きる前に再結晶は完了していたものと考えられる条件となっている。表1でのN量は窒化前の板厚平均のN量である。鋼板は通常の方法で製造されているため、窒化前は板厚方向の元素の変化はごく僅かで、本発明の効果にとって無視できる程度のものである。すなわち、窒化前の鋼板については表層1/8厚さのN量および中心層1/4厚さは表中の数値と同じものとなる。
【0056】
これらの鋼についての材質を表2に示す。本発明の製造法により板厚方向の状態を本発明の範囲内に制御することで、良好な耐変形性が得られていることが確認できる。
表2において、使用した記号の意味は以下の通りであある。
A:(板厚平均のNの増加量)
B:(表層1/8厚さのN量)−(中心層1/4厚さのN量)
C:(表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)
D:(表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)
E:(表層1/8厚さのNの増加量)/(中心層1/4厚さのNの増加量)の絶対値
F:缶形状が3Pの場合の缶胴挫屈荷重(kgf )
缶形状が2Pの場合の缶底挫屈圧力(kgf/cm2 )
G:(対象鋼−比較鋼)/比較鋼(%)
「備考」欄の*印:表面割れのため表層硬度の測定不可能。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】
以上述べたごとく本発明によれば、容器の耐変形性を著しく改善できる極薄容器用鋼板を高生産性にて得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における「表層1/8厚さ」および「中心層1/4厚さ」を示す図。
【図2】ビッカース硬さの測定位置を示す図。
【図3】3ピース缶の耐変形性評価の結果を示す図。
【図4】2ピース缶の耐変形性評価の結果を示す図。
Claims (14)
- 質量%で、
C :0.0800%以下、
N :0.600%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P :0.10%以下、
S :0.05%以下、
Al:2.0%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、(表層1/8厚さのN量)−(中心層1/4厚さのN量):10ppm 以上かつ(表層1/8厚さのN量)が6000ppm 以下であることを特徴とする板厚0.400mm以下の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。 - 質量%で、
C :0.0800%以下、
N :0.600%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P :0.10%以下、
S :0.05%以下、
Al:2.0%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、(表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)>Hv10、または(表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)>Hv20とすることを特徴とする板厚0.400mm以下の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。 - 質量%で更に、
Ti:0.08%以下、
Nb:0.08%以下、
B :0.015%以下
の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。 - 鋼成分として、板厚中心層1/4の平均成分でTi:4×C+1.5×S+3.4×N以上、Nb:7.8×C+6.6×N以上、B:0.8×N以上の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。
- 質量%で更に、
Cr:20%以下、
Ni:10%以下、
Cu:5%以下
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。 - 質量%で更に、Sn,Sb,Mo,Ta,V,Wの1種または2種以上を合計で0.1%以下を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板。
- 質量%で、
C :0.0800%以下、
N :0.0300%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P :0.10%以下、
S :0.05%以下、
Al:2.0%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、窒化処理を行うに際し、板温度が550〜800℃の状態でアンモニアガスを0.02%以上含有する雰囲気中に0.1秒以上、360秒以下保持し、窒化処理の後、550℃以上の温度域の熱履歴において温度と時間の積を48000以下または窒化処理の後、550℃から300℃までの平均冷却速度を10℃/秒以上とすることを特徴とする板厚0.400mm以下の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。 - 再結晶焼鈍の後、窒化処理の前または後での再冷延率が20%以下であることを特徴とする請求項7記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。
- 鋼成分として、質量%で更に、
Ti:0.08%以下、
Nb:0.08%以下、
B :0.015%以下
の1種または2種以上を含有させることを特徴とする請求項7または8に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。 - 鋼成分として、板厚中心層1/4の平均成分でTi:4×C+1.5×S+3.4×N以上、Nb:7.8×C+6.6×N以上、B:0.8×N以上の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。
- 鋼成分として、質量%で更に、
Cr:20%以下、
Ni:10%以下、
Cu:5%以下
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。 - 鋼成分として更にSn,Sb,Mo,Ta,V,Wの1種または2種以上を合計で0.1%以下を含有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼を請求項7に記載の処理方法によって得る容器用鋼板を製造する方法であって、冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、(板厚平均のNの増加量)が6000 ppm 以下となる窒化処理を行って、(表層1/8厚さのNの増加量)が6000 ppm 以下、かつ(表層1/8厚さのNの増加量)/(中心層1/4厚さのNの増加量)の絶対値を2.0以上とすることを特徴とする耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼を請求項7に記載の処理方法によって得る容器用鋼板を製造する方法であって、冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはそ の後、N量の増加量が板厚平均で6000 ppm 以下となる窒化処理を行って、(表層1/8厚さの鋼板断面平均硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)>Hv10、または(表層1/8厚さの鋼板断面最高硬度)−(中心層1/4厚さの鋼板断面平均硬度)>Hv20とすることを特徴とする耐変形性が著しく良好な容器用鋼板の製造方法。
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