JP4133078B2 - 繊維強化金属の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼・非鉄金属工業における圧延ロール、ガイドロール等をはじめとする耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐クラック性、耐焼付き性、機械的強度が必要な各種部材および熱・エネルギー分野におけるタービン、ボイラ等の耐熱性、耐熱衝撃性、耐クラック性、機械強度が必要な各種部材に有用な繊維強化金属の製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、金属材料や非鉄金属材料の加工用向け工具材を中心に説明する。金属材料、非鉄金属材料の圧延や成形加工には耐摩耗性に優れたロール材等が使用されている。特に高速度鋼(以下、ハイスピード鋼またはハイスともいう。)製ロールは耐摩耗性に優れた高炭素、高V鋳鉄が外層を形成し、この外層が鋼製の軸に溶着した構造を有しているが、このハイス製ロールは耐摩耗性には極めて優れている反面、使用中に繰り返し負荷される急冷、急加熱による熱衝撃応力に対する耐クラック性に問題があり、ロール寿命は、このクラック進展度によってほぼ決定付けられる。ロール寿命を伸ばすためには耐摩耗性を犠牲にすることなく、クラックの進展を如何に抑制するかが重要である。また最近処理量が増加しているステンレス鋼等の圧延では、ロール材の耐焼付き性も重要な課題であり、その特性向上が望まれている。同様に耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐クラック性、機械的強度が要求される工業用の各種部材、治具、加工工具においてもロール材と同様な性能向上が不可欠になっている。
【0003】
これらの課題を解決する手段として特開2001−59147号公報には、鋼製基台に耐摩耗性材料からなる外層を設けた複合部材が記載されている。そこには、具体的な製造手段として鉄基合金粉末とアルミナ繊維の混合粉末をカプセルに充填し、カプセルに鉄の蓋をして溶接後、真空脱気、真空封着した後、熱間静水圧成形(HIP)により焼結成形して製造する方法が記載されている。本例ではHIP法によって高密度で耐摩耗性、耐クラック性に優れる鋼製部材を得ている。
【0004】
このHIP法に関して特開昭54−48613号公報には、金型に粉末を充填し、その上にガラス粉を層状に乗せて真空中で加熱脱気し、そのままHIP処理する方法が記載されている。また特開昭62−287041号公報には高合金鋼焼結材料の製造方法として、ハイス粉を予成形し、焼結後に10MPaでHIP処理する方法が記載されている。
【0005】
上記の各公報においても、高密度の粉末焼結体を得るために、粉体の種類、成形方法、焼結工程など途中のプロセスは異なるものの、最終的には10〜100MPaの超高圧を要するHIP処理を経て焼結体を得ている。このHIP法は1000℃以上の温度で高い圧力を発生させるため、装置自体が非常に高価であり、かつ炉内体積も高圧装置であるために、装置自体の大型化に限界がある。このため炉内に積載できる被処理物量が限られるため、必然的に製造コストが高くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、優れた耐摩耗性を有し、クラックの進展の抑制効果、および耐焼付き性を向上できる金属製複合材料を低コストで得ることを目的とし、そのための新規製造技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に関して鋭意研究を行った結果、以下に記述する構成によって課題を解決できることを見出したものである。
(1) 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形体を排気管付の金属箔製カプセルで包み、炉内に設置した後、該カプセル内を排気管を通じて炉外から減圧しながら、炉内は大気圧のままで所定の焼結温度まで昇温して焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
(2) 前記焼結温度まで昇温した後、炉内を圧力0.1〜7MPaの加圧状態とすることを特徴とする、上記(1)に記載の繊維強化金属の製造方法。
(3) 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形材を1個以上の穴を有する金属箔製カプセルで包むとともに、該穴部をガラス粉末あるいはガラス板で覆い、減圧下で所定の焼結温度まで昇温して、前記ガラスを溶融状態にせしめた後、圧力0.1〜7MPaの低加圧下で焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
(4) 前記カプセルの金属箔の厚みが5〜300μmであることを特徴とする、上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(5) 減圧下で所定の焼結温度まで昇温する際に、一旦、該所定焼結温度より25〜100℃高い温度に昇温し、その後、所定の焼結温度で焼結を行うことを特徴とする、上記(3)または(4)に記載の繊維強化金属製造方法。
(6) 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形材をガラス粉末で被覆し、減圧下で所定の焼結温度まで昇温し、該ガラス粉末を溶融状態にせしめた後、圧力0.1〜7MPaの低加圧下で焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
(7) 前記ガラスの軟化点が600℃〜1000℃、かつ該ガラスの1100℃における溶融粘性が102〜105Pa・sであることを特徴とする、上記(3)ないし(6)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(8) 前記予成形時の成形圧力が100〜1000MPaであることを特徴とする、上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(9) 前記セラミック繊維が、酸化物系セラミック繊維、炭化物系セラミック繊維、窒化物系セラミック繊維から選ばれた1種または2種以上の混合物であり、かつ、該セラミック繊維のアスペクト比が20〜200であり、繊維強化金属に占める該セラミック繊維の体積率が5〜60vol%であることを特徴とする、上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(10) 前記繊維強化金属の基地の金属が、鉄基合金、コバルト、コバルト基合金、ニッケル、ニッケル基合金のいずれかであり、前記所定の焼結温度が1000〜1300℃であることを特徴とする、上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(11) 前記鉄基合金は、質量%で、C:0.8〜3.5%、Cr:2〜7%を含有し、さらに、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hfの中から選ばれた1種または2種以上の元素を合計で1〜15%含有し、残部がFeから成り、前記セラミック繊維が酸化物系セラミック繊維であることを特徴とする、上記(10)に記載の繊維強化金属の製造方法。
(12) 前記鉄基合金は、質量%で、さらに、Mo≦10%、W≦20%、Co≦10%、Ni≦5%の中から選ばれた1種または2種以上の元素を含有することを特徴とする、上記(11)に記載の繊維強化金属の製造方法。
(13) 前記繊維強化金属の基地の金属が、チタンまたはチタン基合金であり、前記所定の焼結温度が1100〜1400℃であることを特徴とする、上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
(14) 前記繊維強化金属の基地の金属が、アルミニウム、アルミニウム基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金のいずれかであり、前記所定の焼結温度が300〜600℃であることを特徴とする、上記(1)、(2)、(4)、(8)、(9)のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による繊維強化金属は大きく次の3つの方法によって製造可能である。まず、本発明の第1の実施形態による方法(以下、単に第1の方法ともいう。)は、請求項6ないし請求項13のいずれかに記載の発明のように、基地(マトリックス)金属粉末とセラミック繊維を混合した後、必要に応じて造粒工程を経た後、予成形を行う。この予成形は通常の粉末成形に用いられる粉体加圧成形が好ましく、1軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)が適宜使用できる。また予成形体を効率良く得るために必要に応じて、合金粉末とセラミック繊維を混合する時に有機系の湿潤剤、潤滑剤、結合剤などを焼結に悪影響を与えない範囲で添加しても良い。得られた予成形体は必要に応じて若干の加工を施した後、予成形体の全表面部にガラス粉末を被覆する。
【0009】
ガラス粉末の被覆は、予め粉末化したガラスをアルコール等の非水系有機溶媒に分散させたものを、刷毛塗り、スプレー、浸漬法によって予成形体の全表面にできるだけ均一に塗布する。塗布厚みはガラス粉末の平均粒子径、粒度分布によっても異なるが、一応の目安として少なくとも100μm必要である。これ未満であると、予成形体を焼結する際に、未ガラス被覆層、あるいは微小ピンホールが形成されることがある。
【0010】
ガラス粉末で被覆された予成形体は炉内に入れ、減圧下で基地金属に応じた所定の焼結温度まで昇温する。減圧は基地金属粉末の酸化を防止し、同時に予成形体中の空隙に存在する空気等の気体を抜くことで焼結促進を促すために必要不可欠である。この減圧度は高いほど良いが、概ね0.1Pa以下であれば良い。予成形体は昇温途中で体積収縮を開始し、基地金属に応じた焼結温度に達するとある程度焼結し始める。同時にガラス粉末層は加熱によって軟化現象を生じ、基地金属に応じた所定の焼結温度域で完全に溶融状態となって、予成形体の全表面を完全に被覆する。
ガラスが溶融状態になっている、基地金属に応じた所定の焼結温度域では、合金組成とセラミック繊維の種類と量によっても異なるが、予成形体は焼結が進行するものの、完全な緻密化は生じなかった。これはセラミック繊維が焼結を阻害しているためである。このため、減圧下かつ、この温度範囲で長時間保持しても完全な緻密体を得ることは困難であった。
【0011】
そこで、本発明では予成形体に若干の外圧を付加することで焼結を促進させる。即ち、予成形体表面は溶融ガラスによって完全被覆されているので、加圧雰囲気に切り替えることで予成形体全面に均一にガス圧を負荷することが可能となる。また、予成形体内部は先の減圧によって、殆どの空気などのガス成分がないため、この加圧ガス圧の負荷効果を助長する。
ただし、本発明では従来のHIP法の如き1000℃以上の高温で10MPa〜100MPaという超高圧は不要である。加圧値も基地金属粉末、セラミック繊維の種類と量によって異なるが、圧力0.1〜7MPaの範囲の低加圧で焼結が可能である。加圧値は高いほど良いというデータは、HIP処理の圧力から既知であるが、本発明で目的とするのは、低コストで高品質の繊維強化金属を得ることであり、実用的な加圧値の上限は7MPa以下である。この低加圧法による焼結は、高温域で金属が容易に塑性変形できる性質に起因する。すなわち、基地金属に応じた所定の焼結温度、すなわち、基地金属が鉄基合金、コバルト、コバルト基合金、ニッケル、ニッケル基合金のいずれかである場合は、1000〜1300℃、また、基地金属がチタンまたはチタン基合金である場合は、1100〜1400℃の焼結可能温度に達した基地金属粉末は、たとえ焼結阻害因子であるセラミック繊維が共存しても若干の外圧を成形体に加えれば、基地金属粉末は外圧を駆動力として残存気孔部分を埋めて緻密化することが可能となる。この焼結温度が下限の1000℃または1100℃未満では、低加圧下での焼結が不十分であり好ましくない。また、上限の1300℃または1400℃超でも、焼結材料の結晶粒が粗大化して特性が悪化するため好ましくない。
【0012】
本発明の第2の実施形態による方法(以下、単に第2の方法ともいう。)は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項8ないし請求項14のいずれかに記載の発明のように、上記の第1の発明と同様に準備した予成形体をカプセル状の金属箔内に設置する。この金属箔には脱気用の排気管を付ける。この作業は溶接などの方法で行うことができる。次ぎに、この金属箔に入れられた予成形体を焼結炉内に入れる。金属箔から伸びている管は、減圧ポンプにつなぐ。減圧ポンプによって金属箔内を脱気しながら、昇温する。基地金属に応じた所定の焼結温度に達すると、金属箔内は減圧状態になっているために、炉内の大気圧が予成形体の全面に負荷され緻密化が生じる。あるいは、この温度域に達した後、炉内を大気圧から0.1〜7MPaのガス圧を炉内に負荷すれば、第1の方法と同じく金属の塑性変形によって焼結が更に進行し短時間で緻密体が得られる。
【0013】
第2の方法では、第1の方法のようにガラスによる予成形体の被覆手段を用いない。このため、基地金属としては、上記のように第1の方法で例示した金属の他、通常のガラスの軟化点より融点の低い、アルミニウム、アルミニウム基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金等のような低融点金属でも、本発明を適用することができる。このような基地金属が低融点金属の場合の焼結温度は、300〜600℃とする必要がある。この焼結温度が下限の300℃未満では、低圧下での焼結が不十分であり、また、上限の600℃超では、焼結材料の結晶粒が粗大化して特性が悪化するため好ましくない。
【0014】
本発明の第3の実施形態による方法(以下、単に第3の方法ともいう。)は、請求項3ないし請求項13のいずれかに記載の発明のように、上記の予成形体をカプセル状の金属箔内に設置し、溶接等の手段で外気と遮断する。ここで金属箔には1個以上の小さな穴(貫通孔)をあけておく。この穴は予成形体中に含まれるガスの脱気用である。さらに、この穴は、ガラス粉末層、あるいはガラス片(多孔質でも良い)で覆う。この状態で金属箔ごと成形体を焼結炉内に設置し、減圧下で基地金属に応じた所定の焼結温度まで昇温する。
【0015】
予成形体中あるいは金属箔と予成形体の隙間にある空気等のガスは、金属箔に開けられた穴部の、ガラス粉末の隙間あるいはガラス片と金属箔の隙間(多孔質ガラスの場合は、ガラスの孔も含む。)等を通して、脱気される。温度上昇に伴い、ガラスは軟化し最終的には溶融状態に至る。これによって、金属箔の小さな穴は閉鎖される。このようにして、溶融ガラスによって閉鎖されるまでに、予成形体中のガスは殆どなくなってしまうことになる。この状態で、0.1〜7MPaの低圧加圧を行い焼結させる。この第3の方法でも、HIP法と比べて低加圧でありながら、緻密な焼結体が得られる。
【0016】
上記の三つの方法において、予成形体は高密度体であることが望ましい。これは、低加圧焼結を補助するためにも重要である。予成形体を得る方法としては、一軸プレス、CIP成形のいずれも使用可能であり、その成形圧力は実用的な範囲として100〜1000MPaである。成形圧力が100MPa未満では予成形体の生密度が低下し、たとえ低圧加圧を長時間行っても完全焼結が困難となる。逆に、成形圧力を1000MPaを越えて設定すると、得られる予成形体の成形体密度(言い換えると理論密度に対する相対密度)が高い点で有利であるが、成形装置の大型化と設備費の増加によるコストアップの問題が生じる。100〜1000MPaの範囲であれば、成形装置も比較的コンパクトで量産にも対応可能である。
【0017】
本発明の第1の方法または第3の方法で使用するガラスは極めて重要である。ガラスは加熱によって軟化点を経て溶融する。ガラスの軟化点が低すぎると、成形体の緻密化がある程度進行しない内にガラスが溶融状態に陥る。成形体の焼結がある程度進行しない状態では、成形体には多数の粗大な気孔が残存している。さらに、セラミック繊維を含有している分だけ相対密度も低下傾向にある。そのため、軟化点の低いガラスでは、溶融ガラスが成形体内へ含浸し繊維強化金属の特性に悪影響を与える。逆に、ガラスの軟化点が著しく高く、成形体の基地金属に応じた所定の焼結温度領域でガラスが半溶融状態あるいは未溶融状態の場合には、成形体のガラス被覆が不完全となって、次ぎにガス加圧に切り替えてもガスが成形体内へ浸透することによって焼結が困難となる。このガラスの高温特性は、予成形体を全面被覆する場合と金属箔に付けた孔をふさぐためのガラス粉末、ガラス板、多孔質ガラスであっても同じである。
【0018】
上記の理由から、本発明の繊維強化金属の製造方法で使用するガラスの軟化点は、600℃から1000℃、かつ同ガラスの1100℃における溶融粘性値は102〜105Pa・sの範囲であることが好ましい。これに付随して予成形体の相対密度も概ね50%以上であれば、ここで規定するガラスの軟化点と1100℃における溶融粘性値を有するガラスが使用可能である。なお、本発明に使用するガラスは、あくまでも軟化点と1100℃の溶融粘性値によってのみ規定されるものであって、例えば、ホウ珪酸ガラス系、アルミノ珪酸塩ガラス、などのガラスの化学組成によって限定されるものではない。また本発明で規定するガラスは、完全非晶質をはじめ結晶質成分と非晶質成分を含有するような材料であっても良い。
【0019】
予成形材を1個以上の穴を有する金属箔カプセルに包み込み、該穴部をガラス粉末あるいはガラス板で覆い、高温下でガラスを溶融させることにより金属箔カプセルを封止する際に、確実に封止する方法として、所定の焼結温度より25〜100℃高い温度に一旦昇温した後、本焼結を行うことにより達成できる。この温度が25℃未満では、期待した封止促進効果が得られず、また、100℃超では、高すぎて焼結材料の結晶粒が粗大化するため好ましくない。なお、この場合の昇温時間は、5〜30分であることが好ましい。5分未満では、期待した封止効果が得られず、また、30分超に及ぶ長時間の処理では、高い温度と長い処理時間の相乗効果で焼結材料の結晶粒が粗大化して特性に悪影響を及ぼすからである。
【0020】
カプセル向け金属箔は、基地金属に応じた所定の焼結温度域での耐熱性を有し、取り扱いに耐える機械的強度を有するものであれば、普通鋼、ステンレス鋼等が適宜使用できる。金属箔は低圧加圧焼結を阻害しないために、できるだけ薄肉が好ましいが、実用的な金属箔の厚みは概ね5〜300μmである。金属箔の厚みが2mm以上(薄板)と極端に厚くなると低圧加圧効果が低下しやすい。なお、第2の方法では予成形体自体は金属箔で被覆されているが、炉外の減圧ポンプにつなぐための減圧管については、減圧ポンプ作動によってつぶれない程度の強度と肉厚が必要である。
【0021】
本発明の繊維強化金属の基地金属には、各種の金属、鉄基合金、コバルト、コバルト基合金、ニッケル、ニッケル基合金、超合金、チタン、チタン基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金等の各種金属の粉末が使用できる。
鉄基合金の成分組成としては、質量%で0.8〜3.5%の炭素、2〜7%のCr、0〜10%のMo、0〜20%のW、1〜15%の、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hfの中から選ばれた1種あるいは2種以上の元素、0〜10%のCo、0〜5%のNi、残部が実質的にFeから成るものが好ましい。この鉄基合金は、特にロール材などに要求される耐摩耗性、機械的強度、耐熱性などに優れる材料の一つである。また、同じロール材としてよく使用される鉄基合金のCr含有が5〜25%である、いわゆる高Cr鋳鋼や高Cr鋳鉄材も同じようにセラミック繊維を混合することで耐摩耗性、耐焼付き性等を大幅に改善できる。
さらに、Ni基合金としてはハステロイ、インコネルやナイモニック等の超合金、Co基合金としてはステライト等の超合金が使用でき、セラミック繊維で強化することにより、耐熱性、耐食性に耐摩耗性や耐焼付き性等を付与した高機能材を創出できる。
【0022】
また、基地金属が鉄基合金の場合のセラミック繊維は、機械的強度、耐熱性に優れ、鉄基合金と反応しにくい酸化物系セラミック繊維が好ましく、とりわけ、酸化アルミニウム、酸化珪素からなるセラミック繊維が好ましい。なお、酸化アルミニウム繊維とは少なくとも酸化アルミニウムの含有率が80質量%以上のものが好ましい。さらに酸化アルミニウムおよび酸化珪素を主成分とする繊維(いわゆるムライト質繊維)においては、酸化アルミニウム成分と酸化珪素成分をムライトの化学組成に換算した場合に、少なくとも30質量%以上のムライト質に相当するものが好ましい。なお、基地金属がNi基およびCo基の合金や超合金の場合は、セラミック繊維は酸化物系のみならず、SiC等の炭化物系、Si34等の窒化物系の繊維も利用することができる。
【0023】
セラミック繊維のアスペクト比は20〜200の範囲が好ましい。アスペクト比が20未満の場合、セラミック繊維による耐クラック性が期待できなくなる。逆にアスペクト比が200を越えるようないわゆる長繊維では、金属および合金粉末とセラミック繊維との混合が難しく、繊維同士の絡み合いによる凝集体が生成しやすく、このような混合粉末を用いて成形すると不均一な予成形体となって均一組織を有する焼結体を得ることが困難である。
【0024】
繊維強化金属に占めるセラミック繊維の体積率は、5〜60vol%の範囲が好ましい。セラミック繊維の体積占有率が5%未満では、合金単体と比較した場合の耐摩耗性、耐クラック等の諸特性に顕著な差が認められない。逆に、セラミック繊維の体積率が60%を越えると繊維主体の複合材料となって、合金粉末と繊維間の混合性の悪化を招き、かつ繊維同士の絡み合いによる空隙の増加と緻密化に必要な合金の絶対量が不足するため焼結が阻害され、結果として耐摩耗性、耐クラック性も低下する。
【0025】
本発明の繊維強化金属の製造方法では、焼結体全体が繊維強化金属から成る場合と、必要な部位のみ繊維強化金属とし、その他の部位は従来の合金から成る、いわゆる複合体も含む。複合体を製造する場合、例えば円筒物では内部が合金、外層のみ繊維強化金属という組み合せがある。この場合は予成形体を中空円筒で成形し、この中空部に合金円筒を組み込み、同時焼結するような手段が可能である。上述した本発明の第1ないし第3の方法のいずれかを経て製造され、かつ少なくとも焼結体の一部に本発明の手法が用いられるような複合構造体等も本発明の範疇である。
【0026】
本発明の繊維強化金属の製造方法では、複合する金属としては鉄基合金以外に、アルミニウム或いはアルミニウム基合金、チタン或いはチタン基合金、マグネシウム或いはマグネシウム基合金等にも各金属に適した焼結温度の下、適用することができる.この場合もセラミック繊維は酸化物系のみならず、炭化物系や窒化物系等も利用できる。
【0027】
【実施例】
[実施例1] 一体型円筒物(ガイドローラー)
炭素C:0.88%、珪素Si:0.28%、Cr:4.0%、V:2.0%、Mo:5.0%、W:6.0%含有の鉄基の合金粉末に対してアスペクト比50のアルミナ繊維を0〜80vol%になるように添加し、10分間機械混合したものを一軸プレス装置を用い成形加圧50〜1500MPaの範囲で予成形を行い、120φ×70Lの予成形体を得た。得られた各成形体の全面に軟化点750℃、1100℃の溶融粘性が103Pa・sのアルミノ珪酸塩ガラス粉末を浸漬法にて均一に約200μmの厚みで被覆し、被覆体を室温で約5時間乾燥した後、炉内に設置した。炉内を0.1Paの減圧度に保ちながら1200℃まで5hで昇温した。
【0028】
1200℃に到達した段階で直ちに減圧状態からガス導入による加圧雰囲気(加圧:1MPa)に切り替えた。この状態で2時間保持した後、炉冷後に焼結体を取り出した。得られた円筒物の表面は溶融後固化したガラス層で均一に被覆された状態であった。得られた焼結体はガラス層を研削によって充分除去した後、相対密度の測定、微構造の観察を行い評価した。また、この焼結体を研削加工し、100φ60Lのガイドローラーを試作し、所定の熱処理(焼入れ、焼戻し)を行い、基地硬さをショア硬度で80〜85に調整した後、その耐摩耗性、耐クラック性を評価した。耐摩耗性は熱間の普通鋼を一定量通材後の摩耗深さで、耐クラック性は通材後のローラの表面のクラック深さをクラックメータで測定して、耐焼付き性は通材後のローラ表面の焼付き状況を目視で観察して評価した。
【0029】
[実施例2] 外層部のみ繊維強化金属から成る複合ガイドロール
実施例1と同じ金属粉末とアルミナ繊維(20〜40vol%)を均一混合後、CIP装置によって成形圧力500〜1000MPaで予成形を行い、これを切削加工して内径80φ、外形120φの中空円筒状の成形体を得た。この中空部にハイス鋼製円柱物を挿入した。なお、ハイス鋼と予成形体とは焼結収縮率と熱膨張差を考慮したサイズ差を付けた。これを厚み100μmのステンレス鋼製のカプセル状の金属薄箔容器に入れた。なお、この容器には排気用スチール製パイプを付けた。容器を密閉した後、焼結炉内に設置した。排気用パイプは炉内から炉外へ出し、これに排気用真空ポンプを接続し、減圧しながら所定の1200℃まで昇温した。1200℃に到達した時点で、大気下とガス加圧(5MPa)の2種類で焼結を試みた。炉冷後、得られた焼結体は、ハイス鋼と外層の繊維強化金属部が一体的に接合した構造を有しており、焼結体に変形、クラックなどは認めず良好な状態であった。実施例1と同様に繊維強化金属部の評価を行った。
【0030】
[実施例3] 実施例2と同様な構造物
実施例2と同じ組成物の金属粉末とムライト繊維(20〜40vol%)を均一混合後、CIP装置によって成形圧力500〜1000MPaで予成形を行い、切削加工により中空円筒状成形体を得た。これに実施例2と同一のハイス鋼円筒を挿入し、厚み150μmの普通鋼製のカプセル状金属箔内に入れて封着した。なお、金属箔には約0.5mmφの貫通穴を3個開けた。貫通穴の内、1個にはガラス粉末層を形成させ、残りの2個はガラス片で覆った。これを炉内に入れ、減圧下で1200℃まで昇温させた。1200℃に達した後、5MPaのガス加圧雰囲気に切り替え、5時間保持した。炉冷後、試料を取り出したところ、金属箔の穴部は溶融後固化したガラス層で完全に封着されており、ガラス層を削除した繊維強化金属部は完全に緻密化していた。
【0031】
[実施例4] 実施例3と同様な構造物
実施例3と同じ組成物の金属粉末および高Cr鋳鉄粉末(主成分2.5%C−18%Cr−1%Mo)とムライト繊維(20〜40vol%)を均一混合後、CIP装置によって成形圧力500〜1000MPaで予成形を行い、切削加工により中空円筒状成形体を得た。これに実施例2と同一のハイス鋼円筒を挿入し、厚み150μmのスチール製のカプセル状金属箔内に入れて封着した。なお、金属箔には約0.5mmφの貫通穴を3個開けた。貫通穴の内、1個にはガラス粉末層を形成させ、残りの2個にはガラス片で覆った。これを炉内に入れ、0.1Paの減圧度に保ちながら焼結温度の1200℃まで昇温させた後、さらに1250℃に20分間昇温し、その後、1200℃の焼結温度に戻し、5MPaのガス加圧雰囲気に切り替え、5時間保持した。炉冷後、試料を取り出したところ、金属箔の穴部は溶融後固化したガラス層で完全に封止されており、ガラス層を削除した繊維強化金属部は完全に緻密化していた。
【0032】
[実施例5]
その他の金属として、Ni基超合金であるハステロイS(主成分16%Cr−15%Mo−残Ni)およびCo基超合金であるステライト6(主成分30%Cr−3%Ni−4.5%W−1.5%Mo−残Co)粉末に炭化珪素繊維(20〜40%)を均一混合後、CIP装置によって成形圧力500MPaで予成形を行い、厚み100μmの普通鋼製の金属箔内に入れて封着した。なお、金属箔には約0.5mmφの貫通穴を3個開けた。貫通穴にはガラス粉末層を形成させ、これを炉内に入れ、減圧下で1100℃まで昇温させた。1100℃に達した後、3MPaのガス加圧雰囲気に切り替え、5時間保持した。炉冷後、試料を取り出したところ、金属箔の穴部は溶融後固化したガラス層で完全に封着されており、ガラス層を削除した繊維強化金属部は完全に緻密化していた。この焼結材から切削加工により、板状の摩耗試験片(20mm×10mm×30mm)と曲げ試験片(3mm×4mm×38mm)を作製し、熱間摩耗試験と強度試験を行った。摩耗試験は、円盤状加熱片を高周波加熱で850℃に加熱し、板状の摩耗試験片に荷重を加えながら押し当て、5000回転動後の摩耗深さで評価した。また、繊維強化による強度の向上を4点曲げ試験にて評価した。
【0033】
[実施例6]
さらにその他の金属として、チタンおよびチタン基合金(主成分Ti−6%Al−4%V)に窒化珪素繊維単独および一部に炭化珪素繊維を混合したセラミック繊維(20〜40%)を均一混合後、CIP装置によって成形圧力700MPaで予成形を行い、厚み150μmのステンレス製の金属箔内に入れて封着した。なお、金属箔には約0.5mmφの貫通穴を3個開けた。貫通穴にはガラス粉末層を形成させ、これを炉内に入れ、減圧下で1300℃まで昇温させた。1300℃に達した後、5MPaのガス加圧雰囲気に切り替え、3時間保持した。炉冷後、試料を取り出したところ、金属箔の穴部は溶融後固化したガラス層で完全に封着されており、ガラス層を削除した繊維強化金属部は完全に緻密化していた。この焼結材から切削加工により、板状の摩耗試験片(20mm×10mm×30mm)と曲げ試験片(3mm×4mm×38mm)を作製し,熱間摩耗試験と強度試験を行った。摩耗試験は円盤状加熱片を高周波加熱で850℃に加熱し、板状の摩耗試験片に荷重を加えながら押し当て、5000回転動後の摩耗深さで評価した。また、繊維強化による強度の向上を4点曲げ試験にて評価した。
【0034】
[実施例7]
さらにその他の金属として、Al基合金(主成分Al−2%Cu−2%Mg−6%Zn)およびMg基合金(主成分Mg−2%Al−1%Zn)に炭化珪素繊維(20〜40%)を均一混合後、プレス装置によって成形圧力300MPaで予成形を行い、これを厚み100μmの普通鋼製のカプセル状の金属薄箔容器に入れた。なお、この容器には排気用スチール製パイプを付けた。容器を密閉した後、炉内に設置した。排気用パイプは炉内から炉外へ出し、これに排気用真空ポンプを接続し、減圧しながら所定の焼結温度475℃まで昇温した。475℃に到達した時点で、大気下とガス加圧(3MPa)の2種類で2時間焼結を試みた。炉冷後、得られた焼結体は、緻密化していた。この焼結材から切削加工により、板状の摩耗試験片(20mm×10mm×30mm)と曲げ試験片(3mm×4mm×38mm)を作製し、摩耗試験と強度試験を行った。
摩耗試験は、円盤状相手片(普通鋼)を常温で板状の摩耗試験片に荷重を加えながら押し当て、5000回転動後の摩耗深さで評価した。また、繊維強化による強度の向上を4点曲げ試験にて評価した。
【0035】
上記、実施例1〜7の評価結果を表1〜表6に示す。まず、表1には、本発明の第1の方法に係る実施例(ガラス前面被覆の場合)を示す。
【表1】
Figure 0004133078
【0036】
ここで、番号15、16は、ガラス被覆を行わず、同じ焼結工程を経て作製した繊維強化金属である。また、表中の焼結前相対密度は予成形体での理論密度に対する割合、焼結後相対密度は焼結体の理論密度に対する割合を示したものである。また、摩耗深さ%とは、番号1のセラミック繊維が無添加、つまり基地金属のみでガイドロールを作製した場合の、耐摩耗試験において、試験後の摩耗深さを100%とした場合の番号2以降の相対割合である。
【0037】
次に、本発明の第2の方法に係る実施例(金属箔+外部減圧法)を表2に示す。
【表2】
Figure 0004133078
番号18〜20は、大気中(加圧なし)の条件、番号21は5MPaの加圧下で焼結した場合の結果を示す。
【0038】
次に、本発明の第3の方法に係る実施例(金属箔+ガラス封止の場合)を表3に示す。
【表3】
Figure 0004133078
【0039】
次に、本発明の第3の方法において、ガラスの封止効果を促進する発明に係る実施例を表4に示す。
【表4】
Figure 0004133078
なお、番号26〜28の基地金属は、実施例3と同じ金属、番号29〜31の基地金属は、高Cr鋳鉄材の場合である。摩耗深さは、セラミック繊維を含有しない場合の摩耗深さを100%としたときの摩耗深さ比で示した。
【0040】
次に、基地金属が、ニッケル基合金、コバルト基合金、チタン、チタン基合金の場合の実施例について表5に示す。
【表5】
Figure 0004133078
番号40のセラミック繊維には、窒化珪素繊維と炭化珪素繊維を混合したものを用いた。なお、摩耗深さ、曲げ強度は、セラミック繊維を含有しない場合の摩耗深さ、曲げ強度を100%とした時の摩耗深さの比、曲げ強度の比で示した。
【0041】
次に、基地金属が、アルミニウム基合金、マグネシウム基合金の場合の実施例について表6に示す。
【表6】
Figure 0004133078
番号44、45、48、49は加圧なし、番号46、50は3MPa加圧したときの結果である。
【0042】
各番号の繊維強化金属の焼結体の微構造は、基地金属の焼結組織の中にセラミック繊維がランダムに分散した組織から成っていた。なお、鉄基合金の組織は、マトリックス+炭化物組織、炭化物はVC炭化物、Nb炭化物、Mo、W、Cr、Fe複合炭化物から構成されていた。炭化物の大きさは30μm以下であった。
【0043】
表1〜6から明らかなように、本発明の範囲試料(番号に下線付き)では、焼結体の相対密度も99%以上に緻密化しており、耐摩耗試験による摩耗深さ率はセラミック繊維の添加効果によって大幅に改善され、明らかに耐摩耗性が向上していることがわかる。また、鉄基合金以外のNi基およびCo基合金においても、耐摩耗性および強度の大幅な向上がみられる。因みに、本発明の第1の方法(ガラス全面被覆法)、本発明の第2の方法(金属箔+減圧法)、本発明の第3の方法(金属箔+ガラス封着法)を用いず、真空焼結だけを行った試料では緻密化が進行しておらす、焼結体の相対密度は90%以下にとどまり、摩耗深さは100%以上であった。
また、本発明の範囲である試料群では、摩耗試験後の表面クラックの発生が、基地金属単体のそれを100%とした場合で半分以下であり、かつ焼き付き現象も基地金属単体に比べて格段に軽微であった。
【0044】
【発明の効果】
以上詳説したように、本発明の繊維強化金属の製造方法によれば、耐摩耗性、耐クラック性および耐焼き付き性、機械強度の改善が図れる複合材料をHIP処理なしで低コストで製造可能である。また、本発明によって得られる繊維強化金属は、その優れた耐摩耗性、耐クラック性(耐熱衝撃性)、耐熱性、機械的強度特性から、具体的用途として、鉄鋼・非鉄金属用圧延ロール、ガイドローラー等の各種熱間部材、治具、発電用ガスタービン部材、自動車、船舶、航空機、各種の機械部品、切削加工工具等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る、予成形体の全表面にガラス粉末層を被覆した場合の焼結方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る、予成形体をカプセル状の金属箔で包んで減圧管を付けた場合の焼結方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る、予成形体を穴付のカプセル状金属箔で包み、穴部をガラス粉末、あるいはガラス板で覆う焼結方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 焼結炉
2 予成形体
3 ガラス粉末層
4 減圧装置およびガス加圧装置
5 金属箔
6 減圧装置
7 減圧用金属管
8 ガラス粉末層またはガラス板
9 金属箔にあけた通気用の穴

Claims (14)

  1. 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形体を排気管付の金属箔製カプセルで包み、炉内に設置した後、該カプセル内を排気管を通じて炉外から減圧しながら、炉内は大気圧のままで所定の焼結温度まで昇温して焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
  2. 前記焼結温度まで昇温した後、炉内を圧力0.1〜7MPaの加圧状態とすることを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化金属の製造方法。
  3. 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形材を1個以上の穴を有する金属箔製カプセルで包むとともに、該穴部をガラス粉末あるいはガラス板で覆い、減圧下で所定の焼結温度まで昇温して、前記ガラスを溶融状態にせしめた後、圧力0.1〜7MPaの低加圧下で焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
  4. 前記カプセルの金属箔の厚みが5〜300μmであることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  5. 減圧下で所定の焼結温度まで昇温する際に、一旦、該所定焼結温度より25〜100℃高い温度に昇温し、その後、所定の焼結温度で焼結を行うことを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の繊維強化金属製造方法。
  6. 金属の基地にセラミック繊維が分散した焼結材料を製造する際に、前記金属の粉末とセラミック繊維を混合したものを予成形した後、該予成形材をガラス粉末で被覆し、減圧下で所定の焼結温度まで昇温し、該ガラス粉末を溶融状態にせしめた後、圧力0.1〜7MPaの低加圧下で焼結することを特徴とする、繊維強化金属の製造方法。
  7. 前記ガラスの軟化点が600℃〜1000℃、かつ該ガラスの1100℃における溶融粘性が102〜105Pa・sであることを特徴とする、請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  8. 前記予成形時の成形圧力が100〜1000MPaであることを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  9. 前記セラミック繊維が、酸化物系セラミック繊維、炭化物系セラミック繊維、窒化物系セラミック繊維から選ばれた1種または2種以上の混合物であり、かつ、該セラミック繊維のアスペクト比が20〜200であり、繊維強化金属に占める該セラミック繊維の体積率が5〜60vol%であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  10. 前記繊維強化金属の基地の金属が、鉄基合金、コバルト、コバルト基合金、ニッケル、ニッケル基合金のいずれかであり、前記所定の焼結温度が1000〜1300℃であることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  11. 前記鉄基合金は、質量%で、C:0.8〜3.5%、Cr:2〜7%を含有し、さらに、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hfの中から選ばれた1種または2種以上の元素を合計で1〜15%含有し、残部がFeから成り、前記セラミック繊維が酸化物系セラミック繊維であることを特徴とする、請求項10に記載の繊維強化金属の製造方法。
  12. 前記鉄基合金は、質量%で、さらに、Mo≦10%、W≦20%、Co≦10%、Ni≦5%の中から選ばれた1種または2種以上の元素を含有することを特徴とする、請求項11に記載の繊維強化金属の製造方法。
  13. 前記繊維強化金属の基地の金属が、チタンまたはチタン基合金であり、前記所定の焼結温度が1100〜1400℃であることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
  14. 前記繊維強化金属の基地の金属が、アルミニウム、アルミニウム基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金のいずれかであり、前記所定の焼結温度が300〜600℃であることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項4、請求項8、請求項9のいずれか1項に記載の繊維強化金属の製造方法。
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