JP4132914B2 - ワーク姿勢制御装置及びワーク姿勢制御方法、傾斜測定装置及びその測定動作方法 - Google Patents

ワーク姿勢制御装置及びワーク姿勢制御方法、傾斜測定装置及びその測定動作方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク姿勢制御装置及びそのワーク姿勢制御方法、傾斜測定装置及びその測定動作方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ワーク姿勢制御装置は、例えば、図6に示すように、加工テーブル1を、互いに直交する2方向(以下、「X方向、Y方向」)のそれぞれに対して傾動可能に備えた加工テーブル変位装置2に対して傾斜測定装置3を設置して構成されている。そして、傾斜測定装置3によって加工テーブル1上に載置されたワークWの表面(以下、「ワーク加工面Wa」)の傾きを測定し、その測定結果に基づいて加工テーブル1を傾動させることで、前記ワーク加工面Waが例えば水平になるようワーク姿勢を制御するものである。
【0003】
より具体的には、傾斜測定装置3は、ワーク加工面Waに向けて光を出射する発光手段4と、その反射光を受光しその受光位置に応じて二次元座標系(以下、「測定座標系」)の位置信号(x、y)を出力する二次元位置検出素子5(例えばC-MOS等)と、測定手段6とを備えてなる。ワーク加工面Waの傾斜に応じて二次元位置検出素子5での受光位置が変化するので、この二次元位置検出素子5からの位置信号からワーク加工面Waの傾きを、測定座標系x−yの座標軸に対応した2方向に対する傾斜角度(θx ,θy )として算出し、これらを加工テーブル変位装置2の駆動手段7側に与える。そして、この駆動手段7では、受けた傾斜角度(θx,θy)を相殺するように加工テーブル1を、前記X方向及びY方向に対して傾動させるよう動作する。
【0004】
このような構成であれば、例えば図7(A)に示すように、ワーク加工面WaがX方向に沿って傾斜している場合、傾斜測定装置3では、測定座標系においてx軸上の受光点Pに応じた位置信号(x1 ,0)が出力され(同図(B)参照)、これに基づき傾斜角度(−θx1,0)と測定されることになり、これに基づき加工テーブル1を、X方向に対して+θx1だけ傾動させることで、もってワーク加工面Waが水平となるようワークWの姿勢を制御することが可能になる。
【0005】
ところで、このようなワーク姿勢制御を正常に実行させるには、傾斜測定装置3の有する測定座標系のx−y−z軸方向と、加工テーブル変位装置2のX−Y方向とを一致させる必要がある(図7(B)参照)。しかしながら、これらを完全に一致させた状態に傾斜測定装置3を加工テーブル変位装置2に取り付けることは極めて困難であり、実際には、図8(B)に示すように、加工テーブル変位装置2のX−Y方向に対して、傾斜測定装置3の有する測定座標系のx−y軸方向が相対的にずれた、いわゆる取付誤差が生じてしまう。このような場合、傾斜測定装置3では、測定座標系のx軸上から反れた受光点P’に応じた位置信号(x2 ,y2 )が出力されることになる。すると、x、y軸の両方向に対して傾いるとして傾斜角度(θx2,θy2)が測定され、加工テーブル1がX及びYの両方向に対して傾動されることになる(同図(A)参照)が、これではワーク加工面Waの傾斜を相殺しきれずに、ワーク姿勢を複雑に変位させながら制御動作が繰り返し実行されて、正常なワーク姿勢制御ができなくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、加工テーブル変位装置に対して厳密な取付作業を要することなく、正常なワーク姿勢制御を可能にできるワーク姿勢制御装置及びそのワーク姿勢制御方法、傾斜測定装置及びその測定動作方法を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るワーク姿勢制御方法は、ワークの載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に設けられた加工テーブル上に載置されたワークに向けて発光手段から光を照射し、その反射光を受光した二次元位置検出素子から出力される受光位置に応じた位置信号に基づいて前記ワークの表面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に基づき加工テーブルを傾動させてワーク姿勢を制御するワーク姿勢制御方法において、加工テーブル上にワークがない初期姿勢にあるときの二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として測定し、そこから加工テーブルを、2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出し、ワーク姿勢の制御動作の際には、二次元位置検出素子からの位置信号を、原点位置を中心に回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて加工テーブルを傾動させるところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明に係る傾斜測定装置の測定動作方法は、ワークの載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に設けられた加工テーブル上に載置されたワークに向けて発光手段から光を照射し、その反射光を受光した二次元位置検出素子から出力される受光位置に応じた位置信号に基づいて、基準面に対するワーク加工面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する傾斜測定装置の測定動作方法において、加工テーブル上にワークがない初期姿勢にあるときの二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として測定し、そこから加工テーブルを、2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出し、測定動作の際には、二次元位置検出素子からの位置信号を、原点位置を中心に回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて測定動作を行うところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明に係るワーク姿勢制御装置は、ワークが載置される加工テーブルを、その載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に備えた加工テーブル変位装置と、傾斜測定装置とを備えて構成され、傾斜測定装置は、加工テーブル上に載置されたワークに向けて光を出射する発光手段と、その発光手段からの光の反射光を受光し、その受光位置に応じた位置信号を出力する二次元位置検出素子と、二次元位置検出素子からの位置信号に基づいて、基準面に対するワーク加工面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する測定動作を行う傾斜測定手段とを備えてなり、加工テーブル変位装置は、傾斜測定装置から出力される傾斜信号に基づいて加工テーブルを傾動させることで、ワークの姿勢を制御するワーク姿勢制御装置において、加工テーブル上にワークがない初期姿勢にあるときの二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として記憶すると共に、加工テーブルを、2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの二次元位置検出素子における受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出して記憶する補正係数設定手段を備えて、傾斜測定手段は、ワーク姿勢の制御動作の際、二次元位置検出素子から出力される位置信号を、原点位置を中心に回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて測定動作を行うよう構成されて、ワークの姿勢を制御するところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明に係る傾斜測定装置は、ワークが載置される加工テーブルを、その載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に備えた加工テーブル変位装置に対して設置され、加工テーブル上に載置されたワークに向けて光を出射する発光手段と、その発光手段からの光の反射光を受光し、その受光位置に応じた位置信号を出力する二次元位置検出素子と、二次元位置検出素子からの位置信号に基づいて、基準面に対するワーク加工面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する測定動作を行う傾斜測定手段とを備えた傾斜測定装置において、加工テーブル上にワークがない初期姿勢にあるときに、二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として記憶すると共に、加工テーブルを、2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたとき二次元位置検出素子における受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出して記憶する補正係数設定手段を備えて、傾斜測定手段は、測定動作の際、二次元位置検出素子から出力される位置信号を、原点位置を中心に回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて測定動作を行うところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3に記載のワーク姿勢制御装置において、発光手段がレーザ光を出射するレーザ光源で構成されると共に、そのレーザ光源から出射されワーク側に向うレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、ワーク側からの反射光を受けて二次元位置検出素子上に結像する受光レンズとを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4に記載の傾斜測定装において、発光手段がレーザ光を出射するレーザ光源で構成されると共に、そのレーザ光源から出射されワーク側に向うレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、ワーク側からの反射光を受けて二次元位置検出素子上に結像する受光レンズとを備えたところに特徴を有する。
【0013】
【発明の作用及び効果】
<請求項1及び請求項3の発明>
この構成によれば、ワーク姿勢の制御動作を実行する前に、まず、加工テーブルにワークがない初期姿勢にあるときの二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として測定する。次いで、そこから加工テーブルを、傾動可能な2方向のうち一方の方向に対して傾動させ、そのときの二次元位置検出素子での受光位置の移動方向と、当該一方の方向との回転ずれ角度を算出する。
そして、ワーク姿勢の制御動作の際には、二次元位置検出素子からの位置信号を、前記原点位置を中心に前記回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて前記加工テーブルを傾動させる。
【0014】
このような構成であれば、たとえ加工テーブル変位装置のX−Y方向に対して、傾斜測定装置の有する測定座標系のx−y−z軸方向が相対的にずれた、いわゆる取付誤差が生じていたとしても、そのずれを相殺するように変換した位置信号に基づいて加工テーブルを傾動させることができ、これにより加工テーブル変位装置に対して厳密な取付作業を要することなく、正常なワーク姿勢制御を行うができる。
【0015】
<請求項2及び請求項4の発明>
この構成によれば、傾斜測定装置は、厳密な取付作業を要することなく、測定対象たる加工テーブルの傾動可能方向と一致した方向に対する傾斜角度として、その加工テーブルに載置されたワークの傾きを測定することができる。
【0016】
<請求項5及び請求項6の発明>
この構成によれば、傾斜測定装置は、測定レーザ光源から光を出射させ、その出射光をコリメータレンズにて平行光にすると共に、ワーク側からの反射光を受けて受光レンズにて二次元位置検出素子上に結像するよう構成されている。このような高精度の傾斜測定を要求されるものであっても、厳密な取付作業を要することなく、測定対象たる加工テーブルの傾動可能方向と一致した方向に対する傾斜角度としてワークの傾きを測定でき、或いは、これに基づく正常なワーク姿勢制御が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図3によって説明する。
本実施形態に係るワーク姿勢制御装置は、加工すべきワークWを任意の姿勢に変位可能な加工テーブル変位装置10に対して、ワークW表面(以下、「ワーク加工面Wa」)の傾斜を測定するための傾斜測定装置20を配置した構成となっている。
【0018】
具体的には、まず、加工テーブル変位装置10は、図1に示すように、加工テーブル11と、その加工テーブル11を互いに略直交する2方向(以下、「X方向、Y方向」)に対して傾動させる傾動機構(図示せず)と、この傾動機構を駆動させる駆動手段12とからなる。なお、加工テーブル変位装置10は、傾動機構に加えて、加工テーブル11をX方向及びY方向に移動させるスライド機構をも備えた構成であっても良い。
【0019】
一方、傾斜測定装置20は、いわゆるオートコリメータであって、半導体レーザ21(例えばレーザダイオード)からワーク加工面Waに向けて出射したレーザ光を、コリメータレンズ22を介して平行光にすると共に、ワーク加工面Waでの反射光をビームスプリッタ23にて分岐させて集光レンズ24を介して二次元位置検出素子25(例えば、C-MOS)の受光面に導くよう構成されている。
【0020】
ワーク加工面Waの傾斜によって、集光レンズ24により結像された二次元位置検出素子25上での受光位置は変位し、この受光位置に応じた二次元座標系(以下「測定座標系」)の位置信号(x,y)が出力される。測定手段に相当するCPU26は、位置信号からワーク加工面Waの傾きを、測定座標系のx軸,y軸の2方向に対する傾斜角度(θx,θy)として算出し、これらを加工テーブル変位装置10の駆動手段12側に与える。また、CPU26は、次述する作用説明で明らかになるが、ワーク姿勢制御を開始する前の「ティーチングモード」において補正係数設定手段として機能する。
【0021】
次に、上記構成からなる本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態に係るワーク姿勢制御装置においても、従来のものと同様に、加工テーブル変位装置10のX−Y方向に対して、傾斜測定装置20の測定座標系x−y−zの軸方向が相対的にずれた、いわゆる取付誤差が生じ得る。従って、このままでは正常なワーク姿勢制御が行えない。
そこで、まず、加工テーブル11上にワークWがなく、加工テーブル11をX方向及びY方向のいずれの方向にも傾動していない初期姿勢に戻し、傾斜測定装置20において例えば図示しないモード切替スイッチにより「ティーチングモード」に切り替えて実行させる。
【0022】
すると、CPU26により図2のフローチャートに示す制御が実行される。ステップS1で半導体レーザ21をオンして、二次元位置検出素子25からの位置信号(x0 ,y0 )を「原点位置」として図示しないメモリに記憶する(ステップS2)。次いで、例えば図示しない入力手段により加工テーブル11をX方向(或いはY方向)に対して傾斜させるための信号が加工テーブル変位装置10に入力されると、その信号がCPU26にも与えられる(ステップS3)。すると、ステップS4にて、加工テーブル11がX方向に対して傾動している間、二次元位置検出素子25からの位置信号のレベル偏差に基づき、測定座標系における受光位置の実際の移動方向が算出される。また,CPU26は、前記入力手段からの信号によって、加工テーブル変位装置10のX−Y方向と、傾斜測定装置20の測定座標系のx−y軸方向とが一致しているとした場合に、二次元位置検出素子25での受光位置が移動すべき方向、即ち、測定座標系でのx軸方向(或いはy軸方向)を知ることができるから、このx軸方向(y軸方向)に対する、実際の受光位置の移動方向との「回転ずれ角度(±θ)」を算出して前記メモリに記憶する(ステップS5)。そして、半導体レーザ21をオフして(ステップS6)、「ティーチングモード」が完了する。
【0023】
なお、ステップ3において入力手段からの信号ではなく、傾斜測定装置20のCPU26により測定座標系のx軸方向及びy軸方向のいずれか一方のみの方向に対して傾斜しているとする傾斜信号を((θx,0),(0、θy))を加工テーブル変位装置10側に与えることで、加工テーブル11をX方向或いはY方向に傾動させる構成であっても良い。
【0024】
次に、前記モード切替スイッチにて「傾斜測定モード」に切り替えると、再び半導体レーザ21をオンすると共に、メモリから「原点位置」及び「回転ずれ角度(±θ)」を読み込んで、二次元位置検出素子25からの位置信号P(x,y)を、例えば、次の式によって前記原点位置を中心に、逆回転変換させる。
【0025】
P'(x,y)=P(x・cosθ−y・sinθ,x・sinθ+y・cosθ)
そして、この逆回転変換後の位置信号P'に基づいてワーク加工面Waの傾斜角度(θx ,θy)が測定され、これが加工テーブル変位装置10の駆動手段12に与えられることになる。
【0026】
ここで、例えば、図3(A)に示すように、加工テーブル変位装置10のX−Y方向に対して、傾斜測定装置20の測定座標系x−yの軸方向が所定角度−αだけずれており、図1に示すように、ワーク加工面Waが加工テーブル11のX方向に対して角度βだけ傾斜している場合を例に挙げて説明する。なお、説明を簡単にするために測定座標系の中心位置(二次元位置検出素子25の受光面における中心位置)と、加工テーブル11上でのX−Y方向の交差点とは一致しているとする。
【0027】
この場合、前述の「ティーチングモード」実行により、図3(B)に示すように、加工テーブル11上にワークWがない初期姿勢においてメモリに原点位置(0,0)が記憶される。そして、そこから加工テーブル11をX正方向に対して下方側に傾動させる(図4(B)参照)と、図4(A)に示すように、測定座標系ではx軸上から反れた点Qへ受光位置が推移する。ここでその受光位置の移動方向とx軸方向とから回転ずれ角度(−α)が記憶される。
次いで、図5(A)に示すように、加工テーブル11上にワークWを再度載置し、「傾斜測定モード」に切り替えて実行すると、二次元位置検出素子25からの位置信号Pが(Lcosα,-Lsinα)となるが、これが上記式にてP'(L,0)に逆回転変換される(同図(B)参照)。これにより、傾斜測定装置20では、加工テーブル11上のX方向に対して角度−βだけ傾斜しているとして、これが加工テーブル変位装置10の駆動手段12に与えられることになる。そして、駆動手段12にてX方向に対して角度+βだけ傾動させることで、もってワーク加工面Waが水平になるようにワーク姿勢制御をスムーズに実行することができる。
【0028】
このような構成であれば、たとえ加工テーブル変位装置10のX−Y方向に対して、傾斜測定装置20の有する測定座標系のx−y軸方向が相対的にずれた、いわゆる取付誤差が生じていたとしても、そのずれを相殺するように変換した位置信号に基づいて加工テーブル11を傾動させることができ、これにより加工テーブル変位装置10に対して厳密な取付作業を要することなく、正常なワーク姿勢制御を可能にできる。
【0029】
なお、上記説明では、測定座標系x−y−zのz軸と、加工テーブル11上でのX−Y方向の交差点とが一致している場合としたが、たとえこれらがずれている場合であっても上記ティーチングモードを実行することでそれらのずれも調整される。従って、測定座標系のz軸(x−y座標の原点位置)と、加工テーブル11上でのX−Y方向の交差点とにおいても厳密な調整が必要なくなる。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、傾斜測定装置20は、発光手段を半導体レーザ21とし、コリメータレンズ22及び集光レンズ24を備えたオートコリメータとしたが、例えば発光手段はレーザ光を出射するものに限らず、また、コリメータレンズ22や集光レンズ24等を備えていない傾斜測定装置20であっても良い。(2)上記実施形態では、二次元位置検出素子としてC-MOSを使用した例を説明したが、これに限らず、PSD、N-MOSやCCDであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク姿勢制御装置の全体構成図
【図2】ティーチングモードを示すフローチャート図
【図3】加工テーブル変位装置のX−Y方向と、傾斜測定装置の測定座標系との関係を示した模式図(1)
【図4】加工テーブル変位装置のX−Y方向と、傾斜測定装置の測定座標系との関係を示した模式図(2)
【図5】加工テーブル変位装置のX−Y方向と、傾斜測定装置の測定座標系との関係を示した模式図(3)
【図6】従来のワーク姿勢制御装置の全体構成図
【図7】加工テーブル変位装置のX−Y方向と、傾斜測定装置の測定座標系との関係を示した模式図(1)
【図8】加工テーブル変位装置のX−Y方向と、傾斜測定装置の測定座標系との関係を示した模式図(2)
【符号の説明】
10…加工テーブル変位装置
11…加工テーブル
12…駆動手段
20…傾斜測定装置
21…半導体レーザ
22…コリメータレンズ
24…集光レンズ
25…二次元位置検出素子
26…CPU
W… ワーク

Claims (6)

  1. ワークの載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に設けられた加工テーブル上に載置されたワークに向けて発光手段から光を照射し、その反射光を受光した二次元位置検出素子から出力される受光位置に応じた位置信号に基づいて前記ワークの表面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に基づき前記加工テーブルを傾動させて前記ワーク姿勢を制御するワーク姿勢制御方法において、
    前記加工テーブル上に前記ワークがない初期姿勢にあるときの前記二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として測定し、そこから前記加工テーブルを、前記2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの前記受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出し、
    ワーク姿勢の制御動作の際には、前記二次元位置検出素子からの位置信号を、前記原点位置を中心に前記回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて前記加工テーブルを傾動させることを特徴とするワーク姿勢制御方法。
  2. ワークの載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に設けられた加工テーブル上に載置されたワークに向けて発光手段から光を照射し、その反射光を受光した二次元位置検出素子から出力される受光位置に応じた位置信号に基づいて、基準面に対する前記ワーク表面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する傾斜測定装置の測定動作方法において、
    前記加工テーブル上に前記ワークがない初期姿勢にあるときの前記二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として測定し、そこから前記加工テーブルを、前記2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの前記受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出し、
    前記測定動作の際には、前記二次元位置検出素子からの位置信号を、前記原点位置を中心に前記回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて前記測定動作を行うことを特徴とする傾斜測定装置の測定動作方法。
  3. ワークが載置される加工テーブルを、その載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に備えた加工テーブル変位装置と、傾斜測定装置とを備えて構成され、
    前記傾斜測定装置は、
    前記加工テーブル上に載置された前記ワークに向けて光を出射する発光手段と、その発光手段からの光の反射光を受光し、その受光位置に応じた位置信号を出力する二次元位置検出素子と、
    前記二次元位置検出素子からの位置信号に基づいて、基準面に対する前記ワーク表面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する測定動作を行う傾斜測定手段とを備えてなり、
    前記加工テーブル変位装置は、前記傾斜測定装置から出力される前記傾斜信号に基づいて前記加工テーブルを傾動させることで、前記ワークの姿勢を制御するワーク姿勢制御装置において、
    前記加工テーブル上に前記ワークがない初期姿勢にあるときの前記二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として記憶すると共に、前記加工テーブルを、前記2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたときの前記二次元位置検出素子における受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出して記憶する補正係数設定手段を備えて、
    前記傾斜測定手段は、ワーク姿勢の制御動作の際、前記二次元位置検出素子から出力される位置信号を、前記原点位置を中心に前記回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて前記測定動作を行うよう構成されて、前記ワークの姿勢を制御することを特徴とするワーク姿勢制御装置。
  4. ワークが載置される加工テーブルを、その載置面を含む平面において互いに略直交する2方向のそれぞれに対して傾動可能に備えた加工テーブル変位装置に対して設置され、
    前記加工テーブル上に載置された前記ワークに向けて光を出射する発光手段と、
    その発光手段からの光の反射光を受光し、その受光位置に応じた位置信号を出力する二次元位置検出素子と、
    前記二次元位置検出素子からの位置信号に基づいて、基準面に対する前記ワーク表面の傾斜角度を測定し、その傾斜角度に応じた傾斜信号を出力する測定動作を行う傾斜測定手段とを備えた傾斜測定装置において、
    前記加工テーブル上に前記ワークがない初期姿勢にあるときに、前記二次元位置検出素子における受光位置を原点位置として記憶すると共に、前記加工テーブルを、前記2方向のいずれか一方の方向に対して傾動させたとき前記二次元位置検出素子における受光位置の移動方向の、当該一方の方向に対する回転ずれ角度を算出して記憶する補正係数設定手段を備えて、
    前記傾斜測定手段は、前記測定動作の際、前記二次元位置検出素子から出力される位置信号を、前記原点位置を中心に前記回転ずれ角度分だけ逆回転させた位置に相当する位置信号に変換し、その変換後の位置信号に基づいて前記測定動作を行うことを特徴とする傾斜測定装置。
  5. 前記発光手段がレーザ光を出射するレーザ光源で構成されると共に、そのレーザ光源から出射され前記ワーク側に向うレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、前記ワーク側からの反射光を受けて前記二次元位置検出素子上に結像する受光レンズとを備えたことを特徴とする請求項3に記載のワーク姿勢制御装置。
  6. 前記発光手段がレーザ光を出射するレーザ光源で構成されると共に、そのレーザ光源から出射され前記ワーク側に向うレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、前記ワーク側からの反射光を受けて前記二次元位置検出素子上に結像する受光レンズとを備えたことを特徴とする請求項4に記載の傾斜測定装置。
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