JP4132586B2 - 画像処理条件設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力カラー画像データの特定色を処理し、所望の出力カラー画像データを得るための画像処理条件設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、印刷・製版の分野において、作業工程の合理化、画像品質の向上等を目的として読取原稿に記録された画像情報を電気的に処理し、フイルム原版を作成する画像読取記録再生システムが広範に用いられている。
【0003】
この場合、前記画像読取記録再生システムを構成する画像処理装置では、読取原稿をスキャンして得られた画像データに対して所望の画像処理を施すため、画像処理条件の設定を行っている。すなわち、前記画像処理装置では、目的に応じたフイルム原版を作成するため、読取原稿をラフにスキャンして得られるプレスキャン画像データに基づき、倍率、トリミング範囲、出力線数、網角度等のスキャンニング情報を設定するとともに、ハイライト点、シャドー点の濃度設定、トーンカーブ調整によるグラデーションの設定、グレー色の調整、肌色、空色、緑色等の特定色の色相の調整、明るさの調整といった仕上がり情報の指定を行った後、読取原稿を詳細にスキャンして本スキャン画像データを得るようにしている(特開平4−111575号公報、特開平6−291998号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記画像処理装置では、例えば、特定色の調整を行う場合、プレスキャン画像上において、オペレータが調整したい特定の画素を指定し、その画素の色が所望の色となるように画像処理条件の設定を行っている。従って、本スキャンによって得られる画像の色は、オペレータの熟練度に大きく依存していた。
【0005】
また、画像処理の対象となる入力画像の特性は、例えば、それを提供する印刷会社によって異なっており、その特性を考慮して画像処理条件を設定するためには、相当な熟練を必要とする。
【0006】
本発明は、前記の不都合を解消するためになされたもので、特定色に対する画像処理条件を自動的に設定することができ、また、入力カラー画像データの特性に応じた最適な画像処理条件を設定することができ、この画像処理条件に従って所望の画像を得ることのできる画像処理条件設定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、特定色空間を構成する特定色画像データに対して重み付けをしておき、入力カラー画像データを所定の画像処理条件で処理して得られる処理データと特定色の理想画像データとの差異を求め、その差異を全入力カラー画像データを対象として重み付け加算することにより評価値を求め、画像処理条件の修正の前後による前記評価値に基づいて最適な画像処理条件を設定する。
【0008】
このようにして画像処理条件を設定することにより、入力カラー画像データの特定色となるべき特定箇所をオペレータが特定する処理を経ることなく、自動的に最適な画像処理条件を設定することができる。なお、重み付けの係数Wi(iは、前記入力カラー画像データの全てを対象とする。)を、特定された前記入力カラー画像データに対する修正前の重み付け係数Wi′と、前記特定色空間を構成する前記特定色画像データの画像データ数Nとを用いて、
Wi=(N・Wi′+1)/(N+1)
として修正するとともに、特定された前記入力カラー画像データ以外の前記入力カラー画像データに対する重み付け係数Wiを、
Wi=N・Wi′/(N+1)
として修正する処理を繰り返すことで設定すれば、特定の原稿に対する最適な画像処理条件の自動設定が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の画像処理条件設定方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面に基づき以下詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る画像処理条件設定方法が適用される画像読取記録再生システムの構成ブロック図を示す。この画像読取記録再生システムは、反射型原稿に記録された画像情報を読み取る反射型スキャナ10と、透過型原稿に記録された画像情報を読み取るとともに、前記反射型スキャナ10の制御および入力カラー画像データに対する所望の画像処理を施す透過型スキャナ12と、前記透過型スキャナ12を操作するとともに、その画像を表示するコンソール14と、所望の処理が施されることで得られた出力カラー画像データをフイルム原版として出力する出力装置16とから基本的に構成される。
【0011】
ここで、前記反射型スキャナ10は、図2に示すように構成される。すなわち、反射型スキャナ10は、ケーシング18の上部に光透過ガラスからなる原稿載置台20が設けられており、この原稿載置台20上には、原稿押板22によって押圧される反射型原稿Sが載置される。なお、原稿載置台20には、読取光学系のシェーディング補正を行うためのシェーディング基準板25が並設される。ケーシング18内には、反射型原稿Sを照明するとともに、その反射光を受光する光源部24と、前記反射光の光路を変更する移動ミラー部26と、反射光のハイライト濃度またはシャドー濃度を調整するNDフィルタ28と、結像レンズ30と、受光部32とが設けられる。光源部24は、図2の紙面と直交する主走査方向に長尺な2本のランプ34a、34bと、反射ミラー36とを備える。移動ミラー部26は、2つの反射ミラー38a、38bを備える。また、受光部32は、3つのプリズム40a〜40cと、各プリズム40a〜40cに固着されるCCD42a〜42cとで構成される。この場合、プリズム40a〜40cは、反射型原稿Sからの反射光をR、G、Bの3原色に分光し、各CCD42a〜42cに導く。なお、光源部24および移動ミラー部26は、搬送モータ44によって矢印で示す副走査方向に移動可能に構成され、また、光源部24は移動ミラー部26の2倍の速度で移動するように構成される。反射型スキャナ10は、さらに制御回路46を有し、この制御回路46によって全体の動作制御が行われるとともに、前記各CCD42a〜42cから得られた入力カラー画像データを透過型スキャナ12に転送する制御が行われる。
【0012】
透過型スキャナ12は、全体の制御を行うCPU48と、図示しない透過型原稿の画像情報を読み取る画像読取部49と、反射型スキャナ10および透過型スキャナ12の画像読取部49と、信号の授受を行う入出力制御回路50と、入力カラー画像データに対して画像処理を行う以前の前処理を行う前処理回路52と、画像処理条件の修正等を行う画像処理条件修正回路56と、前記画像処理条件に基づき所望の画像処理を行う画像処理回路58とを備える。前処理回路52には、入力カラー画像データを一時的に記憶する画像バッファ54と、入力カラー画像データを反射型スキャナ10、透過型スキャナ12、あるいは、出力装置16の特性に依存しない測色的END(Equivalent Neutral Density)データに変換するためのENDルックアップテーブルを記憶するENDLUT記憶部62とが接続される。また、画像処理条件修正回路56には、仕上がり情報としての画像処理条件である各セットアップパラメータを記憶するパラメータ記憶部60と、基準となるグラデーションカーブをルックアップテーブルとして記憶するグラデーションLUT記憶部64とが接続される。そして、これらはバス66を介して相互に接続される。
【0013】
ここで、画像処理条件修正回路56は、図3に示すように、肌色、空色、緑色等の特定色を理想網%データ(理想画像データ)の集合として記憶する特定色理想画像データ記憶部57と、前記理想網%データおよびその近傍のデータからなる特定色空間に対する重み付け係数を各データ毎に記憶する重み付け係数記憶部59と、画像処理条件である所定のセットアップパラメータによって調整されたグラデーションカーブにより測色的ENDデータを変換して得られたデバイスに依存しない網%データ(処理データ)を、理想網%データおよび特定色空間の重み付け係数を用いて評価関数により評価し、その評価値を算出する評価値算出部61と、前記評価値に基づいてセットアップパラメータを設定するセットアップパラメータ設定部63とから基本的に構成される。
【0014】
なお、画像処理条件修正回路56には、熟練したオペレータによる操作に基づいて重み付け係数を設定する場合において、重み付け係数設定部65が接続される。
【0015】
一方、前記バス66にはコンソール14が接続されている。このコンソール14は、ビデオバッファ68および制御部70を備え、前記制御部70はコンソール14に接続されたCRTディスプレイ72への出力制御を行うとともに、キーボード74およびマウス76からの入力データを処理する。出力装置16は、画像処理回路58に接続されており、前記画像処理回路58からの出力画像データに基づきフイルム上に画像を記録する機能を備える。
【0016】
本実施形態に係る画像読取記録再生システムは基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0017】
先ず、図4に示すフローチャートに基づき当該システムの全体の動作について説明する。
【0018】
反射型スキャナ10を使用する場合、原稿載置台20の上に反射型原稿Sがセットされ、原稿押板22により画像読取面の平面性が維持される。次いで、コンソール14のキーボード74からの指示に従い、透過型スキャナ12を介して反射型スキャナ10が画像の読み取り動作を行う。そこで、搬送モータ44が駆動され、光源部24および移動ミラー部26が移動を開始する。この場合、光源部24は、先ず、シェーディング基準板25に対してランプ34a、34bからの照明光を照射し、その反射光が反射ミラー36、38a、38b、NDフィルタ28、結像レンズ30、プリズム40a〜40cを介して各CCD42a〜42cに導かれる。各CCD42a〜42cは、前記反射光をそれぞれR、G、Bの信号に光電変換し、これらを制御回路46に導出してシェーディング補正を行う。すなわち、制御回路46は、シェーディング基準板25を読み取って得られるRGB信号に基づき、結像レンズ30やCCD42a〜42cの特性に起因するシェーディングの補正を行う。
【0019】
次に、光源部24は原稿載置台20を介して反射型原稿Sに対しランプ34a、34bからの照明光を照射し、画像情報を反射光として読み取る。前記画像情報はCCD42a〜42cによって光電変換されることでRGB信号とされ、制御回路46に導かれる(ステップS1)。制御回路46は前記RGB信号を透過型スキャナ12に転送する。
【0020】
透過型スキャナ12では、前記RGB信号を入出力制御回路50を介して受け取った後、CPU48の作用下に前処理回路52において対数変換等の処理が施され、RGB濃度データが生成される(ステップS2)。このRGB濃度データは、一旦、画像バッファ54に蓄積される。次いで、前処理回路52では、反射型原稿Sの色素量に対応してENDLUT記憶部62に記憶されたENDルックアップテーブルに基づき、前記RGB濃度データに対してEND変換処理を施し、デバイスに依存しないC、M、Yの測色的ENDデータが生成される(ステップS3)。
【0021】
次に、画像処理回路58では、前記測色的ENDデータのハイライト濃度、シャドー濃度を予め設定された基準値に調整するピクチャーアジャスト処理が行われた後(ステップS4)、画像処理条件修正回路56で修正された後述する画像処理条件であるセットアップパラメータに基づき、グラデーション処理(ステップS5)、カラーコレクション処理(ステップS6)、UCR(Under Color Removal )、シャープネス強調等の処理(ステップS7)がなされた網%データとされた後、出力装置16に出力される。
【0022】
なお、透過型スキャナ12において透過型原稿の画像情報を読み取る場合、画像読取部49で読み取られたRGB信号は入出力制御回路50を介して前処理回路52に転送され、反射型原稿Sの場合と同様にして処理される。
【0023】
出力装置16では、前記網%データに対して出力態様に応じた網掛け処理がなされ、網点データが生成される(ステップS8)。前記網点データは、例えば、レーザビームをオン/オフ制御し、これによってフイルム上に所望の画像が記録される(ステップS9)。
【0024】
画像読取記録再生システムでは、概略以上のように動作してフイルム原版が作成される。次に、当該システムにおけるセットアップパラメータの設定を行う場合について説明する。
【0025】
すなわち、このシステムでは、図5のフローチャートで示すように、反射型スキャナ10(または透過型スキャナ12)に反射型原稿S(または透過型原稿)をセットした後(ステップS20)、前記反射型原稿S(または透過型原稿)に記録された画像情報を一旦ラフに読み取るプレスキャンを行う(ステップS21)。透過型スキャナ12では、このプレスキャンによって得られたプレスキャン画像データ(入力カラー画像データ)に基づきセットアップパラメータの一部が自動設定される(ステップS22)。なお、このセットアップパラメータに基づき、ピクチャーアジャスト(ステップS4)、グラデーション(ステップS5)、カラーコレクション(ステップS6)、UCR、シャープネス等の処理(ステップS7)が施される。
【0026】
透過型スキャナ12では、前記セットアップパラメータの一部をファジイ推論のルールを適用して自動的に設定することができる。すなわち、プレスキャンによって得られたプレスキャン画像データは、画像バッファ54に格納されるとともに、コンソール14のCRTディスプレイ72に表示され、その特性値の計算が行われる。この特性値としては、累積ヒストグラムの任意%における濃度(レベル)、画面分割(例えば、1/4、1/8)した領域毎の累積ヒストグラムの濃度、濃度平均値、最大ピーク濃度、Y、M、C毎の累積ヒストグラム等がある。これらの特性値と原稿特性との関係を記述したルールによって、画像処理条件の一部である原稿分類情報が求められる。例えば、次のようなルールによって原稿分類情報を得ることができる。
【0027】
(a)IF 濃度平均値が非常に低い THEN 露光はかなりオーバー
(b)IF 濃度平均値が低い THEN 露光はオーバー
(c)IF 濃度平均値が少し低い THEN 露光は少しオーバー
(d)IF 濃度平均値が中位 THEN 露光はノーマル
(e)IF 濃度平均値が少し高い THEN 露光は少しアンダー
(f)IF 濃度平均値が高い THEN 露光はアンダー
(g)IF 濃度平均値が非常に高い THEN 露光はかなりアンダー
以上のように濃度平均値範囲を7つに分類し、各々の領域を(a)〜(g)で区別する。任意のプレスキャン画像データは上記の7つのルールのどれかに当てはまり、アンダーからオーバーに至る露光状態が判断される。原稿分類情報としては、他に、ハイキー/ローキー、ハイライト点の有無、絵柄、肌色の有無、色かぶり等があり、上述と同様なファジイ推論のルールを適用することができる。次に、この原稿分類情報から次のルールに従ってセットアップパラメータの設定を行う。
【0028】
(a′)IF 露光がかなりオーバー THEN ハイライト点濃度は0.05
(b′)IF 露光がオーバー THEN ハイライト点濃度は0.10
(c′)IF 露光が少しオーバー THEN ハイライト点濃度は0.15
(d′)IF 露光がノーマル THEN ハイライト点濃度は0.20
(e′)IF 露光が少しアンダー THEN ハイライト点濃度は0.30
(f′)IF 露光がアンダー THEN ハイライト点濃度は0.40
(g′)IF 露光がかなりアンダー THEN ハイライト点濃度は0.50以上のようにして、ハイライト点のセットアップパラメータの自動設定を行うことができる。また、仕上がり情報に対してはオペレータの指示に基づき後述するようにしてセットアップパラメータを設定することができる。
【0029】
以上のようにして各セットアップパラメータが設定されると、次に、反射型スキャナ10(または透過型スキャナ12)は反射型原稿S(または透過型原稿)に記録された画像情報を精細に読み取る本スキャンを行う(ステップS23)。前記本スキャンによって得られた本スキャン画像データは、ステップS22で設定された画像処理条件に基づき画像処理回路58で所望の画像処理がなされた後、出力装置16に転送され、画像が再生出力される(ステップS24)。
【0030】
そこで、次に、図5のステップS22における仕上がり情報に係るセットアップパラメータ(画像処理条件)の自動設定方法について説明する。
【0031】
ここで、セットアップパラメータの設定に際し、コンソール14のCRTディスプレイ72には、図6に示す画面が表示される。すなわち、この画面には、ステップS21のプレスキャンによって得られた画像が表示されるとともに、オペレータが選択する仕上がり情報が表示される。この仕上がり情報は、例えば、明るさ指示と仕上がり指示とに分類されており、明るさ指示では、「明るく」、「やや明るく」、「暗く」、「やや暗く」、「原稿通り」といった明るさの指示をマウス76を用いて選択することができる。また、仕上がり指示では、「美しい肌」、「グレイに揃える」、「美しい空」、「美しい緑」を選択することができる。
【0032】
そこで、仕上がり指示として、「美しい肌」を選択する場合について図7のフローチャートに基づき説明する。
【0033】
先ず、セットアップパラメータ設定部63は、前述したファジイ推論のルールを適用し、グラデーションLUT記憶部64に記憶された標準のグラデーションカーブに対する修正量である初期セットアップパラメータを設定し、パラメータ記憶部60に格納しておく(ステップS50)。次に、オペレータは、マウス76を用いて、図6に示す画面上で、仕上がり情報として「美しい肌」を選択する(ステップS51)。また、オペレータは、画像処理の対象となるカラー画像データの特性、例えば、当該カラー画像データを供給する印刷会社の特性に対応した重み付け係数を重み付け係数記憶部59から選択する(ステップS52)。
【0034】
ここで、重み付け係数は、熟練したオペレータが特定の種類の多数のカラー画像に対して、「美しい肌」に相当する画像部分を多数回に亘って指定し、その指定された特定箇所の画像データが仕上がり情報である「美しい肌」の特定色空間において出現する確率を、重み付け係数設定部65において算出することにより、予め設定しておくことができる。
【0035】
すなわち、「美しい肌」を規定する特定色空間を構成する各特定色画像データに対する当初の重み付け係数Wは、「美しい肌」の特定色空間内で1、それ以外の部分で0となるように設定しておく。特定色画像データの個数をN、熟練したオペレータが指定した特定箇所に対応する特定色画像データを(c0,m0,y0)、それ以外の特定色画像データを(c,m,y)と表し、特定色画像データ(c0,m0,y0)に対応する修正した重み付け係数W(c0,m0,y0)を、修正する前の重み付け係数W′(c0,m0,y0)から、
W(c0,m0,y0)=(N・W′(c0,m0,y0)+1)/(N+1) …(1)
として求める。また、特定色画像データ(c,m,y)に対応する修正した重み付け係数W(c,m,y)を、修正する前の重み付け係数W′(c,m,y)から、
W(c,m,y)=N・W′(c,m,y)/(N+1) …(2)
として求める。
【0036】
このような処理を多数の原稿に対して熟練したオペレータが多数回繰り返すことにより、最適であると判断される特定箇所に対する重み付け係数W(c0,m0,y0)がそれ以外の部分の重み付け係数W(c,m,y)より大きく設定されることになる。これらの重み付け係数W(c0,m0,y0)およびW(c,m,y)は、特定の原稿に対する固有の重み付け係数Wとして重み付け係数記憶部59に記憶される。なお、重み付け係数Wは、原稿の種類に応じてそれぞれ設定される。
【0037】
そこで、ステップS52において、前記のようにして設定された重み付け係数Wを選択した後、入力カラー画像データのY、M、Cの色素量データの網%データをステップS50で設定された初期セットアップパラメータで修正されたグラデーションカーブを用いて算出する(ステップS53)。
【0038】
次に、オペレータによって指示された「美しい肌」に対応する理想の網%データを特定色理想画像データ記憶部57から読み出し、評価値算出部61において、ステップS53で算出した前記各網%データに最も近い各目標網%データを演算する(ステップS54)。この場合、「美しい肌」に対応する理想網%データは、図8の点a1、a2、a3で囲まれる面α上のデータとして定義される。すなわち、プレスキャン画像の画素iの網%データを各Y、M、Cの色素に対してyi、mi、ciとした場合、次の(3)式で定義される指標riが最小となる理想網%データを各網%データに対する目標網%データy0i、m0i、c0i(=d0i)として求める。
【0039】
ri2=(yi−y0i)2+(mi−m0i)2+(ci−c0i)2…(3)
以上の操作をプレスキャン画像データの全画素に対して行った後、Y、M、Cの各色相のグラデーションカーブのミドルセパレーション(MS)の初期セットアップパラメータを一定量増加または減少させ、これらの修正されたセットアップパラメータをパラメータ記憶部60に記憶させる(ステップS55)。
【0040】
次に、修正されたセットアップパラメータを用いて得られたグラデーションカーブに基づきステップS53の場合と同様に、プレスキャン画像データの各網%データyi′、mi′、ci′を再度演算する(ステップS56)。
【0041】
続いて、セットアップパラメータの修正による網%データの評価を行う(ステップS57)。すなわち、ミドルセパレーション(MS)のセットアップパラメータを変更する前のYの網%データが全体としてどれだけ目標網%データから離れているかを示す評価関数をfyとし、ミドルセパレーション(MS)のセットアップパラメータの修正後の評価関数をfy′とすると、各評価関数は、画素iの重み付け係数Wiを用いて、次の(4)式および(5)式のように定義される。
【0042】
fy=ΣWi・√((yi−y0i)2) …(4)
fy′=ΣWi・√((yi′−y0i)2) …(5)
但し、Σは、プレスキャン画像データである全入力カラー画像データについての和を表す。
【0043】
そこで、(4)式および(5)式で定義される評価関数fy、fy′の値である評価値に基づき、例えば、fy>fy′であれば、特定色のYの網%データが全体として目標網%データに近づいているため、セットアップパラメータのミドルセパレーション(MS)の修正方向(増加または減少)が正当であると判定する。また、fy<fy′であれば、特定色のYの網%データが全体として目標網%データから離れてしまっているため、セットアップパラメータのミドルセパレーション(MS)の修正方向が不適当であると判定する。
【0044】
Mの色相およびCの色相についても、前記評価関数fy、fy′と同様の評価関数を用いてセットアップパラメータの修正方向の判定を行う。
【0045】
修正方向が正当である場合には、その方向に対してセットアップパラメータを所定量修正し、また、修正方向が不適当である場合には、逆の方向に対してセットアップパラメータを所定量修正する操作を繰り返し、評価値がY、M、Cの各色相に対して正当であると判定された時点で、ミドルセパレーション(MS)に関するセットアップパラメータをパラメータ記憶部60に最終的に設定する(ステップS58)。
【0046】
同様にして、グラデーションカーブにおけるハイライトセパレーション(HS)およびシャドーセパレーション(SS)に対するセットアップパラメータの設定を行う。このようにしてグラデーションカーブを修正するためのセットアップパラメータの設定が完了する。
【0047】
次に、Y、M、Cの各色相に対する微調整を行う。この場合、例えば、仕上がり指示が「美しい肌」であるとき、肌色はYの色相とRの色相とで主に構成されているため、プレスキャン画像データのうち、所定の範囲内でRの色相と判断されたプレスキャン画像データのみを抽出し、そのプレスキャン画像データに対してY、M、Cの各色相の色素量データを修正し(ステップS59)、ステップS56およびステップS57と同様の処理を行って(ステップS60、S61)、各色素量に対するセットアップパラメータの修正を行う。同様に、Yの色相と判断されたプレスキャン画像データに対するセットアップパラメータの設定を行う(ステップS62)。
【0048】
なお、仕上がり情報として「グレイに揃える」を選択した場合には、前記のカラーコレクションの修正作業(ステップS59〜S61)を除いて同様の操作を行うことでセットアップパラメータの設定を行うことができる。この場合、「グレイに揃える」という仕上がり情報に対応する理想の網%データは、図9の点b1およびb2間の曲線β上のデータとして定義される。
【0049】
また、仕上がり情報として「美しい空」を選択した場合には、「美しい肌」と同様にしてセットアップパラメータの設定を行うことができる。この場合、「美しい空」という仕上がり情報に対応する理想の網%データは、図10の点c1およびc2間の線分γ1上のデータと、点c2、c3、c4で囲まれる面γ2上のデータとして定義される。
【0050】
さらに、仕上がり情報として「美しい緑」を選択した場合には、図7のステップS54での目標網%データの演算処理を以下のようにして行う。すなわち、「美しい緑」に対応する理想の網%データは、図11の点d1、d2、d3、d4、d5、d6で囲まれる立体δ内のデータとして定義される。そこで、プレスキャン画像データの各網%データに最も近い前記立体δ表面の各理想網%データを(3)式に従って求め、これを仮の目標網%データとする。次いで、前記入力カラー画像データの網%データが前記立体δの内部にあるか、外部にあるかを判断する。内部にある場合には、その網%データを真の目標網%データに設定し、ステップS55以下の処理は行わない。また、外部にある場合には、前記仮の目標網%データを真の目標網%データに設定し、ステップS55以下の処理を行うことでグラデーションカーブの修正を行う。
【0051】
なお、オペレータが仕上がり情報である「美しい肌」、「グレイに揃える」、「美しい空」、「美しい緑」の全てを指示した場合、(4)式に示す評価関数は、新たな評価関数Fとして、
F=ΣkjΣWij・√((yij−y0ij)2) …(6)
のように定義される。この場合、jは、j=1(「美しい肌」)、2(「グレイに揃える」)、3(「美しい空」)、4(「美しい緑」)をそれぞれ表し、第1番目のΣは、jについての和、第2番目のΣは、全画素iについての和を表すものとする。また、kjは、仕上がり情報間の重み付け係数である。セットアップパラメータを修正後の評価関数F′も同様にして定義される。そこで、これらの評価関数F、F′の評価値を判定することにより、前記仕上がり情報の全てを満足することのできるセットアップパラメータの自動設定が可能となる。
【0052】
以上のようにしてプレスキャン画像データを用いてセットアップパラメータを設定した後、反射型原稿Sの本スキャンを行い(ステップS23)、得られた本スキャン画像データに対して前記セットアップパラメータに基づいてグラデーション並びにカラーコレクションを行うことにより、仕上がり情報に適合した高精度な画像データを自動的に得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、所望の特定色からなる入力カラー画像データに対して最適な画像処理条件を自動設定し、所望の仕上がり状態となる良好な画像を得ることができる。
【0054】
また、この画像処理条件の設定に先立ち、原稿の特性に対応した重み付け係数を選択することにより、原稿の特性に応じた適切な画像処理条件を自動設定することができる。この結果、入力カラー画像データに対して熟練したオペレータと同等の画像処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理条件設定方法が適応される画像読取記録再生システムの構成ブロック図である。
【図2】図1に示す反射型スキャナの概略構成図である。
【図3】図1に示す画像処理条件修正回路の構成ブロック図である。
【図4】図1に示すシステムにおける画像処理の全体動作のフローチャートである。
【図5】図1に示すシステムにおける画像処理の概略フローチャートである。
【図6】図1に示すシステムにおけるコンソールでの表示画面説明図である。
【図7】図5に示すフローチャートにおける画像処理条件設定の詳細フローチャートである。
【図8】仕上がり情報「美しい肌」に対する理想網%データの説明図である。
【図9】仕上がり情報「グレイに揃える」に対する理想網%データの説明図である。
【図10】仕上がり情報「美しい空」に対する理想網%データの説明図である。
【図11】仕上がり情報「美しい緑」に対する理想網%データの説明図である。
【符号の説明】
10…反射型スキャナ 12…透過型スキャナ
14…コンソール 16…出力装置
32…受光部 48…CPU
52…前処理回路 56…画像処理条件修正回路
57…特定色理想画像データ記憶部 58…画像処理回路
59…重み付け係数記憶部 60…パラメータ記憶部
61…評価値算出部 62…ENDLUT記憶部
63…セットアップパラメータ設定部
64…グラデーションLUT記憶部 65…重み付け係数設定部
72…CRTディスプレイ S…反射型原稿
Claims (1)
- 入力カラー画像データの特定色を処理し、所望の出力カラー画像データを得るための画像処理条件設定方法において、
前記特定色の理想画像データ近傍で大きくなり、それより離れるにつれて小さくなるように重み付け係数を設定した複数の特定色画像データからなる特定色空間を作成しておき、前記入力カラー画像データを所定の画像処理条件で処理して得られる処理データと前記理想画像データとの差異に対して前記重み付け係数による重み付けを行うことで評価値を求め、その評価値に基づき前記画像処理条件を修正する際、
前記重み付け係数Wi(iは、前記入力カラー画像データの全てを対象とする。)を、特定された前記入力カラー画像データに対する修正前の重み付け係数Wi′と、前記特定色空間を構成する前記特定色画像データの画像データ数Nとを用いて、
Wi=(N・Wi′+1)/(N+1)
として修正するとともに、特定された前記入力カラー画像データ以外の前記入力カラー画像データに対する重み付け係数Wiを、
Wi=N・Wi′/(N+1)
として修正する処理を繰り返すことにより設定することを特徴とする画像処理条件設定方法。
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