JP4132271B2 - 運動する羽根の減衰部材に対する検査装置 - Google Patents

運動する羽根の減衰部材に対する検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくとも二つの羽根を保持し、振動装置に取り付けるべき保持装置を備え、保持装置と羽根の間に検査すべき減衰部材が配置されている、運動する羽根の減衰部材に対する検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の減衰部材は、運動する羽根あるいはブレードのようなタービンの回転部品に使用されている。運動する羽根は材料や形状に関して最適にされているので、運転中に振動する羽根板の振幅が極度に大きい場合、減衰部材を使用する必要がある。試験研究によれば、一般に鋼鉄から成る減衰部材はエネルギを摩擦に換えて振動する羽根板の振幅を効果的に低減し、周波数がずれることを示している。
【0003】
組立作業や測定処理に経費がかかり、コストが大きいので、回転する系、つまり現実の系に付いて減衰部材を設計する試験を行うことは不利であることが実証されている。更に、個々の羽根板の測定値のばらつきが大きいので、対応する測定結果には説得力が少ない。
【0004】
それ故、減衰部材を設計する場合、先ず静的な系に付いて予備試験を行うことが効果的である。そのような予備試験では、少なくとも二つの羽根板を試験装置に保持し、この試験装置を固定する振動装置もしくは振動台で励起して振動させる。回転する系とは異なり、検査すべき羽根板の周波数を正確に調整でき、振幅をレーザー等で精密に測定できる。得られる測定結果は羽根板に対する状況の具体的な表現を与え、重量や剛性に付いて減衰部材を最初に設計する基礎となる。次いで、このように最適にされた減衰部材は回転系中で実際の運転条件の下で最終的に検査される。
【0005】
しかし、静的な系で予備試験する場合、遠心力のシュミレーションは問題をもたらす。周知の検査装置では、このため、羽根板と保持装置の間に緊張される検査すべき減衰部材に線材が固定されいて、偏向と重量によりこの減衰部材に引張力を与え、この力により減衰部材が羽根板に対してしかも検査装置から離れるように押圧される。遠心力を模写あるいはシュミレーションする力はただ規則的に減衰部材に加わるので、実際の運転条件に対応していない。これに加えて、測定結果の質は高価な機械系の改悪化により苦しむ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、減衰部材を設計するため、遠心力を静的な系でできる限り正確に調整でき、実際に近い状態でシュミレーションできる冒頭に述べた種類の検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、この発明により、少なくとも二つの羽根6,6′を保持し、振動装置に取り付けるべき保持装置2を備え、この保持装置2と羽根6,6′の間に検査すべき減衰部材9が配置されている、運動する羽根の減衰部材に対する検査装置1にあって、圧力を加えることができ、膨張可能な少なくとも一つの本体10が保持装置2と減衰部材9の間に配置されていることにより解決されている。
【0008】
この発明による他の有利な構成は、特許請求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明による検査装置の利点は、圧力の加わり、クッション、ホース等のような種々の形状の本体が単に減衰部材を規則正しく押圧するので、遠心力をシュミレーションする力が構造部品や羽根板の特異な特性に影響を与えず、測定値の改悪が生じない点にある。更に、圧力を簡単に調整して 6,000 Nまでの種々の大きさの遠心力、従って種々の運転条件をシュミレーションできる。
【0010】
本体が加圧状態で保持装置に支持され、減衰部材を面状に押圧すると有利である。その場合、本体は余白部に配置されていると最も有利で、従って減衰部材に対して押圧する領域を除いたところに埋め込まれる。
【0011】
減衰部材が余白部の開放された側部を完全に覆い、その結果、本体が加圧状態で減衰部材のできる限り広い面を押圧すると有利である。
【0012】
更に、本体が加圧状態で余白部の上にある減衰部材の下側に完全に当たると有利である。
【0013】
本体に 15 バールまでの圧力が加わると有利である。
【0014】
本体をエラストマーで形成すると最も好ましいが、他の弾性的な合成樹脂またはゴムも採用できる。
【0015】
有利な構成では、本体はホースであり、このホースは保持装置の底面に形成された細長い溝の中に順次保持され、溝の両端には溝に平行に延びるようなそれぞれ一つのホースを設ける。
【0016】
保持装置あるいはその上に取り付けた支持板に形成され、溝に平行に延びる細長い余白部にそれぞれホースを配置して埋め込むと有利である。
【0017】
圧力の加わっていない状態のホースの横断面が余白部の断面より小さいと有利であり、余白部の深さがホースの直径より小さいと最も好ましく、その結果、圧力の加わっていない状態のホースは余白部の中で面状に押圧され、加圧状態でできる限り広い面でその上にある減衰部材を押圧する。
【0018】
これ等のホースが圧力発生部から離れている端部で一つのホースに合流し、このホースの中に圧力測定器を設け、その結果、二つのホースに同じ圧力が加わり、減衰部材ができる限り均一にその面に対して押圧されると合理的である。
【0019】
保持装置の基礎面が順次配置されている羽根の方向に、つまり(保持)溝の長手方向で外向きに曲がっていると有利で、これにより周囲に沿った羽根の配置は実際の系に近づく。
【0020】
【実施例】
以下、模式図面を参照して実施例に基づきこの発明をより詳しく説明する。
【0021】
図1には、羽根の減衰部材用の全体に参照符号1を付けたこの発明による検査装置の実施例が側面図にして示してある。この検査装置1には、図示していない振動装置、所謂「シェーカー(Shaker) 」の中に固定されている保持装置2がある。この保持装置2にはアンダーカット5を持つ細長い溝4を形成する基礎面3がある。図1に横断面図にして示す溝4には、二つの羽根6が溝4のアンダーカット5に係合する足部もしくは突起7で保持されている。これ等の羽根6は内部の流れ制限器として働くプラットホーム8に互いに支持されいるので、実際の系で周囲に沿って保持されるのと同じ方法で順次保持されている。そのような周囲は図2に示す基礎面3の曲がりで示されている。基礎面3は静的な系で簡単に平坦にも形成できる。
【0022】
羽根板6のプラットホーム8の下には検査すべき減衰部材9が配置されている。この減衰部材は一般にそこにクランプされているので、羽根6と保持装置2は互いに挟持されている。これ等の減衰部材9は一般に(鋼鉄の)板で形成され、例えば平坦、楔状等のような種々の形状にできる。減衰部材9は、エネルギを摩擦に変換して、運転中に振動する羽根板6の大き過ぎる振幅を低減するために使用されている。減衰をできる限り効率良くするため、減衰部材9は先ず検査装置1,つまり静的な系の予備試験の範囲でその重量と剛性に関して設計する。
【0023】
実際の回転系で生じる遠心力をシュミレーションするため、減衰部材9の下に圧力の加わり膨張可能なもしくは弾性的な(ゴム)ホースのような二つの本体10が設けてある。二つのホース10はそれぞれ溝4に平行の延びていて一定の断面を有する一つの細長い余白部11の中に埋め込まれている。この実施例では、両方の余白部の一方の深さは他方のものより浅いので、対応するホース10は付加的な部分により横方向に保護されている。しかし、一般には両方の余白部11は同じ寸法であるので、同じ深さである。
【0024】
図2に示すように、余白部11は順次並べて配置されている二つのホース6のほぼ全長にわたり、つまり羽根6のプラットホーム8の最初の端部から他方のホース6′のプラットホーム8′の対向する第二の端部まで延びている。ホース10はそれぞれ簡単に作製するため保持装置2の基礎面3に対してほぼ垂直に延びる穴12と通して余白部11の一端に導入され、余白部11の対向する他方の端部から同じような穴12を通して出て行く。これ等の穴12を基礎面3にほぼ平行に延びる二つの余白部11にそれぞれ移行させることが十分大きな半径で行われるので、ホース11に折れ曲がりが生じることはない。余白部11の幅は、圧力の加わっていない状態のホース10の直径より大きく、余白部の深さは前記直径より小さい。
【0025】
この構成では、減衰部材9はその下側13を基礎面3の上に載せ、余白部11の開放した上側をほぼ完全に覆う。その結果、ホース10は減衰部材9を配置した後に、図1から分かるように、圧力の加わっていない状態で収縮する。
【0026】
減衰部材9をその重量と剛性に関して設計する予備試験を行う場合には、保持装置2を固定する図示していない振動装置により羽根板6を励起して振動させる。その場合の調整可能な周波数は広い範囲内で自由に選択でき、例えば 1,000と 10,000 Hzの間にある。こうして、静的な系で種々の運転条件を研究できる。
【0027】
回転系内で生じる遠心力をシュミレーションするため、ホース10に 15 バールまでの圧力を加える。図2に示すように、弾性的なホース10は圧力のために延び、余白部11を完全に塞ぐ。ホース10は余白部11の壁と、余白部11の上にある減衰部材9の下側13に当接し、ホース10と羽根板6,6′のプラットホーム8,8′の間にある減衰部材9を羽根板6と一緒に押圧して保持装置2から離す。従って、圧力は減衰部材9に面状に加わる。こうして、約 6,000 Nまでの遠心力をシュミレーションできる。振動する羽根板6に生じる振幅は、静的な系の予備試験で、この発明による検査装置1の場合のように、レーザー等により正確に測定できる。更に、パラメータ(周波数、圧力)を調整したら、簡単に交換して種々の減衰部材9を検査でき、(実際)の回転系の試験で必要とされるような経費の掛かる組立作業を必要とすることはない。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明による検査装置を用いると、減衰部材を設計するため、遠心力を静的な系でできる限り正確に調整でき、実際に近い状態でシュミレーションできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による検査装置の実施例の側面図、
【図2】 見やすくするため断面部分にハッチングを付けていない図1の線分 II − II から見た矢視図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 保持装置
3 基礎面
4 溝
5 アンダーカット
6,6′ 羽根あるいは羽根板
7 羽根の突起
8,8′ プラットホーム
9 減衰部材
10 弾性的な本体、ホース
11 余白部
12 穴
13 減衰部材の下側

Claims (16)

  1. 少なくとも二つの羽根(6,6′)を保持し、振動装置に取り付けるべき保持装置(2)を備え、この保持装置(2)と羽根(6,6′)の間に検査すべき減衰部材(9)が配置されている、運動する羽根の減衰部材に対する検査装置(1)において、圧力を加えることができ、膨張可能な少なくとも一つの本体(10)が保持装置(2)と減衰部材(9)の間に配置されていることを特徴とする検査装置。
  2. 前記本体(10)は加圧状態で前記保持装置(2)に支持され、前記減衰部材(9)を面状に押圧することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記本体(10)は余白部(11)の中に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 前記余白部(11)は前記保持装置(2)の基礎面(3)の中に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記余白部(11)は前記保持装置(2)の基礎面(3)の上に配置されている支持板の中に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
  6. 前記減衰部材(9)は前記余白部(11)の開放された側部を完全に覆うことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の検査装置。
  7. 前記本体(10)は加圧状態で前記余白部(11)の上にある前記減衰部材(9)の下側(13)に完全に当接していることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の検査装置。
  8. 前記本体(10)には 15 バールまでの圧力が加わることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の検査装置。
  9. 前記本体(10)はエラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の検査装置。
  10. 前記本体(10)はホースであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の検査装置。
  11. 前記羽根(6)は前記保持装置(2)の基礎面(3)に形成されている細長い溝(4)の中に順次保持されていて、これ等の溝の両側にこの溝に平行の伸びるそれぞれ一つのホース(10)が設けてあることを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
  12. 前記ホース(10)はそれぞれ細長い一つの余白部(11)の中に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
  13. 圧力の加わっていない状態の前記ホース(10)の断面積は前記余白部(11)の断面よりも小さいことを特徴とする請求項12に記載の検査装置。
  14. 前記余白部(11)の深さは前記ホース(10)の直径より小さいことを特徴とする請求項12または13に記載の検査装置。
  15. 前記ホース(10)は圧力発生部から離れている端部で一つのホースとなり、このホースの中に圧力測定器が設けてあることを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載の検査装置。
  16. 前記保持装置(2)の基礎面(3)は順次配置されている羽根(6)の方向に外向きに曲がっていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の検査装置。
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