JP4131760B2 - 排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−の保持シ−ル材 - Google Patents
排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−の保持シ−ル材 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、排気ガス浄化用触媒コンバーター、特に自動車等の排気ガス浄化用触媒コンバーターの保持シ−ル材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、主として車両に搭載する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいては、触媒保持体と前記触保持体の外側に被せる金属製シェルと、両者の間に配置した保持シール材よりなる。
前記触媒保持体には白金等の触媒が担持されている。触媒保持体としては、例えばその断面をハニカム状に成形したコージェライト等の担体を用いる。
【0003】
次に、保持シール材については、現在はバーミキュライトとセラミックファイバー等との混合物である熱膨張性保持シール材が主であるが、近年、排気ガス規制の強化により排気ガス温度が著しく上昇しており、従来の熱膨張性保持シール材では耐熱性が不十分であるため、近年、無機繊維のマット状物からなる無膨張性保持シール材が用いられつつある。
前記保持シ−ル材は、自動車の走行中等において触媒保持体が外周の金属製シェルと当接することによる破損を防ぎ、また、金属製シェルと触媒保持体との間から排気ガスがリークすることを防ぐために用いられている。
【0004】
前記保持シ−ル材を用いて排気ガス浄化用コンバーターを製造する方法は、外周の金属製シェルを予め二分割しておいて、触媒保持体に巻き付けた保持シ−ル材を挟み込む方法(キャニング)が一般的である。
また、作業性の向上等から、金属製シェルを最初からパイプ状にしておき、保持シール材を触媒保持体に巻き付けたのち、かかるパイプ内へ圧入する方法が実施されている。
【0005】
尚、無機繊維のマット状物からなる無膨張性保持シール材については、無機繊維のマット状物を有機フィルムで密封し厚みを減少させることにより、前記触媒保持体への組付け性を改善する方法が、特開昭57−146954、特開昭59−126023等に挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、前記無機繊維のマット状物を前記有機フィルムで密封して保持シ−ル材を形成した場合、前記保持シ−ル材の触媒保持体接触側に面するフィルムは、エンジン始動直後に、排気ガス自体の熱と触媒が排気ガスを浄化する際に生じる反応熱により、有機フィルムが焼失してしまうが、前記保持シ−ル材の金属シェル側に面するフィルムは、保持シール材が断熱材の役割をするため、金属シェル側まで触媒の反応熱等が伝達されないため、有機フィルムは炭化状態で残留する。従って、無機繊維のマット状物と金属シェル界面の摩擦係数が低くなり、所定の保持力を得るためには、保持シール材の充填密度を高くする必要があるという問題点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上掲の問題点に関して鋭意研究した結果、下記要旨構成にかかる本発明に想到した。
即ち本発明は、触媒保持体と、前記触媒保持体の外側に被せる金属製シェルとの間に配置する保持シール材によって構成される排気ガス浄化用コンバーターにおいて、前記保持シール材は、組付け後の充填密度が0.1〜0.6g/cm3 の範囲内になるように調整されている結晶質アルミナ繊維のマット状物を用いて、前記触媒保持体接触面側に有機フィルムを使用し、また金属製シェル接触面側に厚みが10μm以上500μm以下の金属箔または金属板を用いてパックされてなることを特徴とする排気ガス浄化用コンバーターの保持シ−ル材にある。
【0008】
まず、前記触媒保持体としては、例えばハニカム状のものを用いる。また、前記触媒保持体には、例えばコージェライト等により作成する。
次に、前記金属製シェルは、例えば断面が楕円形、円形のパイプまたは、シェル状に二分割されたケースである。
【0009】
次に、前記保持シール材は、結晶質アルミナ繊維のマット状物を用いる。一般に、結晶質アルミナ繊維のマット状物は嵩高い為、組み付け性の面から初期厚みを薄くする必要がある為、真空パック等の処理を行って用いられる。又、かかる保持シール材は触媒保持体と金属シェルとの間に、0.1〜0.6g/cm3 の範囲内の充填密度で配置する必要がある。これは、充填密度が0.1g/cm3 未満の場合、振動等によって触媒保持体がズレるのを防止する為の必要面圧を確保することが困難であり、一方、0.6g/cm3 より大きくすると繊維が圧壊してしまい耐久性が劣化してしまう。
【0010】
また、上記構造のコンバ−タ−は、自動車製造工場において排気ガスパイプに接続される。そして、試運転の際には高温度の排気ガスによって、前記真空パック処理を行う有機質のフィルム、つまり前記保持シ−ル材の触媒保持体接触側に面するフィルムは焼失してしまうが、前記保持シ−ル材の熱伝導率は非常に小さいため、前記保持シ−ル材の金属シェル側の温度が低く、前記有機質フィルムを焼失するには至らない。従って、有機質フィルムが炭化状態で残留することを防ぐために金属シェル側に面するフィルムは金属箔または金属板とするものである。
ここで、前記金属箔または金属板は入手のしやすさから、厚さ10μm以上500μm以下のアルミニウムもしくはステンレス箔が好ましい。
ここで、金属箔の厚みが、10μm未満であると、気密性の維持が困難となり、一方、500μmより厚いと、組み付けの際、触媒保持体に保持シール材を巻き付けることが困難となる。従って、金属箔の厚みは、200〜300μmがより好適である。
尚、前記有機質フィルムには、ポリエチレン等の有機合成フィルムを用いるのが好ましい。
【0011】
前記保持シ−ル材の製作においては、前記有機質のフィルムと金属箔の開口部をホットメルトや接着材により張り合わせ、完全密封する。
次に、前記保持シ−ル材を触媒保持体の周囲に環状に被覆する。この際、触媒保持体接触側には有機質のフィルム面となるように設置する。次いで、例えば分割状金属シェルの場合、下シェルの窪みのなかに埋没させ、上シェルを被冠することにより、排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−を製造することができる。
【0012】
【実施例】
実施例1
触媒保持体として外径φ130mm、長さ100mmのコ−ジェライトモノリスを用いた。金属製シェルは分割状で上シェルと下シェルとからなる。前記上シェルと下シェルは、共に断面が略半円形の殻である。その両端にはボルト穴を有するフランジが設けられている。前記金属製シェルは肉厚1.5mm、SUS304のものを用いた。また、保持シール材として厚み6mm、嵩密度0.10g/cm3 の結晶質アルミナ繊維マットの両側をポリエチレン製フィルム(厚み1100μm)と、アルミニウム箔(厚み200μm)で被い、ホットメルトにより真空パックして作製し、該保持シール材を両面テープにて触媒保持体に定着させた。
【0013】
さらに、保持シ−ル材を巻き付けた触媒保持体を、下シェルに埋没させ、上シェルを覆うことにより、排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−を製造した。
【0014】
本実施例により作製した排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−を350℃×1Hr電気炉で加熱したのち、10G、100Hz、600万回の振動試験を実施した結果、触媒保持体にズレ等の問題はなく良好な結果であった。又、振動試験後の上記触媒コンバータにおいて、触媒保持体をインレット側からアウトレット側に2mm押し込んだ時の荷重を測定した結果、目標500Nに対し、734Nとなり良好な結果であった。
【0015】
比較例
触媒保持体として外径φ130mm、長さ100mmのコ−ジェライトモノリスを用いた。金属製シェルは分割状で上シェルと下シェルとからなる。前記上シェルと下シェルは、共に断面が略半円形の殻である。その両端にはボルト穴を有するフランジが設けられている。前記金属製シェルは肉厚1.5mm、SUS304のものを用いた。また、保持シール材として厚み6mm、嵩密度0.10g/cm3 の結晶質アルミナ繊維マットの両側をポリエチレン製フィルム(厚み100μm)で被い、ホットメルトにより真空パックして作製し、該保持シール材を両面テープにて触媒保持体に定着させた。
【0016】
さらに、保持シ−ル材を巻き付けた触媒保持体を、下シェルに埋没させ、上シェルを覆うことにより、排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−を製造した。
【0017】
実施例同様、350℃×1Hr電気炉で加熱したのち、10G、100Hz、600万回の振動試験を実施した結果、触媒保持体が後方に約0.3mmのズレを生じており、かかる触媒コンバータについても実施例同様の触媒保持体の押し込み荷重を測定した結果、368Nとなり目標を満足できないため、充填密度を高くする必要が生じた。
【0018】
【発明の効果】
本発明の排気ガス浄化用触媒コンバ−タ−の保持シ−ル材によれば、触媒保持体と、前記触媒保持体の外側に被せる金属製シェルとの間に配置する保持シール材によって構成される排気ガス浄化用コンバーターにおいて、前記保持シール材は、組付け後の充填密度が0.1〜0.6g/cm3 の範囲内になるように調整されている結晶質アルミナ繊維のマット状物を用いて、前記触媒保持体接触面側に有機フィルムを使用し、また金属製シェル接触面側に厚みが10μm以上500μm以下の金属箔または金属板を用いて真空パックされてなることにより、いかなる条件下においても良好な保持性能が得られるばかりでなく、有機使用量を極端に削減でき、環境保護に貢献できる。
Claims (1)
- 触媒保持体と、前記触媒保持体の外側に被せる金属製シェルとの間に配置する保持シール材によって構成される排気ガス浄化用コンバーターにおいて、
前記保持シール材は、組付け後の充填密度が0.1〜0.6g/cm3 の範囲内になるように調整されている結晶質アルミナ繊維のマット状物を用いて、前記触媒保持体接触面側に有機フィルムを使用し、また金属製シェル接触面側に厚みが10μm以上500μm以下の金属箔または金属板を用いて真空パックされてなることを特徴とする排気ガス浄化用コンバーターの保持シ−ル材。
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JPH11343845A JPH11343845A (ja) | 1999-12-14 |
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1998
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