JP4131440B2 - 流体洗浄小便器 - Google Patents

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本発明は、個人住宅のみならず、オフィスビル、百貨店、ホテル等を含む公共施設までのトイレットルームの壁面に施設される水洗小便器、特に、壁面に沿って、あるいは壁面近くにおいてトイレットルームの床面に立設される小便器本体とその下方の床面の清浄性を簡易かつ確実に維持し得る水洗小便器に関する。
水洗小便器は一般にトイレットルームの壁面に沿って立設されるほぼ半円筒形の受面部と、その下部に連続すると共に排出口を有する鉢部からほぼ直角に伸びる垂れ受部とからなる。そして、鉢部と垂れ受部をトイレットルームの床面に直接設置して受面部を直立させる床置き型と、鉢部と垂れ受部を床面から離間させて下方に空間を設けるように受面部を壁面に取り付ける壁掛け型とに大別される。いずれの場合も、受面部の頭部に設けた給水部から配水孔を介して水を受面部の全内周面に沿って流し、受面部と鉢部の表面を水洗させて排出口から排出する。また、多くの場合、半円筒形の受面部の両側の端縁と、それに連続する垂れ受部の立ち上げ部分の端縁とを中空構造のリムとしてこれに給水部から水を通し、垂れ受部の内周面に沿って設けた配水孔からこの水を噴出させて垂れ受部表面を水洗し、排出口から排出する。床置き型の場合も壁掛け型の場合も、垂れ受部はできるだけ大きく開口すると共に立ち上げ部分の高さを十分に取るようにしたり、 垂れ受部の中央部分を使用者方向に突き出させたりして、垂れ受け効果の向上を図っている。
給水部への給水はバルブ体を介して頭部の給水孔に接続する水道管によって行われ、バルブ体に連携する開栓装置を、使用を済ませた使用者が手動で作動させるか、赤外線や超音波等によるセンサにより使用者の小便器との離間、或いは接近と離間を感知することによって自動的に作動させ、水洗が行われる。
上記のような水流による水洗にも拘らず、頻繁な使用が重なれば尿石の生成と付着、堆積は避けられず、その対策は清掃員の手作業による清掃以外にない。この手作業において問題となるのは受面部の両側端縁部と垂れ受部の立ち上がり端縁におけるリムの裏側、つまり、使用者が立つ正面側ないし上方から見えない段部の陰の面であって清掃が容易でない部分と、床置き型の場合の垂れ受部の外側の床面ならびに壁掛け型の場合は垂れ受部の下方の床面、つまり、水洗の対象とならないため手作業清掃が不可欠であり、しかも尿石が付着しやすいタイル間の目地を含む部分である。更には、垂れ受部の外表面も汚染を免れないが、特に壁掛け型の場合、垂れ受部外表面の尿は鉢部の外底面ないし壁面に対する取り付け部にまで流れて滞留する。これらの部分のうち、リムに関しては便器の内面側に張り出す段部形状を廃止すれば問題は解決するが、床面の汚れの問題は、便器を如何に構成すれば清掃員の負担を軽減しうるかの点であり、各種の解決手段が提案されている。
例えば特開平1−287328号公報に記載の小便器は、壁面に立設された小便器下の床面上に前後方向に往復動する洗浄ブラシによって床面を払掃洗浄する床清掃装置を備え、小便器への給水源から別の配管によって洗浄ブラシに洗浄水が供給される。また、実開平6−26693号公報は床置き型と壁掛け型の小便器の垂れ受部下方または周囲の床面に排水用凹部を設け、これを透水性のカバーで覆う構成を記載しているが、この場合の透水性カバーは清掃員によって水洗される。他の実施例では壁掛け型小便器を設置した壁面とは反対側の壁面から床面を下り勾配とし、人体をセンサで検知すると反対側壁面のノズルを開弁して床面に水を流し、床面を洗浄した水は小便器下方の排水溝から排出される。トイレブースの洗浄装置を示す実開平3−125875号公報では、壁掛け型の小便器の両側と下側を正面の取付け壁から張り出す壁部で取り囲み、これら壁部に設けた複数の吐水口から小便器の外面と床面に水を吹き付けて洗浄し、床面の排水口から排水する構成が開示される。更に、特開2004−316211号公報に提案される床置き型の男性用便器においては、床面に立設した箱型の主便器の両側の端縁面とその下方に続く垂れ受部の立ち上げ部の端縁面とに、主便器の頭部の給水部から垂れ受部の内部へ水を流す流水用樋を形成し、主便器下部の正面に連結する足元受皿に、主便器の排水路に連結した排水口を有する凹部を設け、その上面に格子状踏み板を載せ、主便器内面上部と流水用樋と足元受け皿の凹面内周とに洗浄水を供給して、主便器内面とその両側端縁面、垂れ受部内面とその端縁面の洗浄と同時に、垂れ受部の手前の床面も洗浄できる構成が開示されている。また、木村元保編著「公共トイレ学宣言」(経済調査会1994年)(http://www.tsubasa.to/dreams/html/90-05.html1200892114750_0.html)には、壁掛け式小便器の下部の使用者側に突き出す垂れ受部の更に下方の床面に小面積の垂れ受け水洗部を設け、用便後にこの垂れ受水洗部にも水を流し、洗浄することが示されている。
特開2004−316211号公報 実開平6−26693号公報 実開平3−125875号公報 特開平1−287328号公報 木村元保編著「公共トイレ学宣言」(経済調査会)(http://www.tsubasa.to/dreams/html/90-05.html1200892114750_0.html)
特開平1−287328の床清掃装置は小便器下方の床面の清掃効果に関しては好適であるとしても、製造と維持に関してはコストが掛かりすぎることは明らかであり、しかも、壁掛け型小便器の垂れ受部の外周面と底面の汚れに対してはなんら清掃効果がない。この装置と比較すれば実開平6−26693の床面の排水凹部は低コストが図れるが、人為的な洗浄を必要とし、垂れ受部外周面の洗浄も依然として人為的洗浄に頼る。また、床面に勾配を付けて水を流す構成は床面に対する洗浄効果はあるとしても歩行者に危険を与えることになり、壁付の垂れ受部外面の汚れについても無策である。その点では実開平3−125875の洗浄装置付のトイレブースは、小便器下方の床面と同時に垂れ受部外周面と底面、更には両側壁の端縁面を含めた小便器全外面の洗浄を行い得るから有利であると言えるが、トイレブースを形成する正面と両側の壁面はそれぞれ複数の吐水口のための開閉弁装置と配水管を内蔵するため、壁厚を薄くすることは困難であり、製造コストが嵩むばかりでなく、横幅寸法の増大を来たし、限られたスペースに複数のトイレブースを併置するときはこの点で不利となる。更に、特開2004−316211の場合には主便器の両側壁の端縁面に流水用樋を設けるので、これら端縁面を洗浄し得る点は画期的であるが樋の側縁外面は洗浄し得ずに残る。また、垂れ受部の外側の床面に足元受け皿を設け、その凹面内に洗浄水を供給する点も画期的と言えるが、垂れ受け部の外に飛散する尿は凹面を覆う格子状踏み板に直接降りかかるにも拘らず、この格子状踏み板の洗浄は依然として人手に頼らざるを得ない。足元受け皿はまた主便器と別体に作成され、主便器の正面下部に対してその排水路に受け皿の排水孔を連結するように結合されるので、連結ないし結合部分に汚水漏れなどの不具合が生じやすい。一方、これらの問題が未解決のまま残される中で高齢化社会の現象が進めば、便器外に飛散する尿の量が増加するのみでなく、飛散する領域が拡大する点も見過ごせない問題となる。また、「公共トイレ学宣言」の壁掛け式小便器の場合も、壁掛け式であるがために壁から突き出す垂れ受部の設置とは別個に床面における垂れ受け対策が必須となり、そのため垂れ受部外周の汚染とその蓄積が避けられないことに加えて、垂れ受部の外に飛散する垂れについても、この文献が示す様に床面に設けた小面積の垂れ受水洗部は直下に落ちるものにしか有効でなく、四方に飛び散る垂れに対しては全く無力である。
本発明は上記したような従来技術における問題点を解決すべく提案されたもので、小便器の受面部でなる本体を床置き型とし、排尿を受ける受面部の下方の床面の高さにあるシンク部と、使用者が足を載せて立つ場所であってシンク部に連接させたステップ部とを含む床体を本体下部に一体に形成し、受面部からシンク部への洗浄流体と共にステップ部からシンク部への洗浄流体を供給することにより、格別のコスト上昇を招くことのない簡易な構成をもって、人手に頼ることなく、汚染の対象となる本体と床面とを確実に洗浄できる流体洗浄小便器を提供することを目的とする。
本発明による流体洗浄小便器は、立設されて使用者の排尿を受ける受面部を含む本体と、使用者が立つ床面と同じ高さにおいて受面部の下端に連続するシンク部を含む床体と、本体の受面部に主洗浄流体流を供給する流体供給装置とでなり、本体と床体は一体に形成され、床体はシンク部のほぼ全幅に連続しかつ床面の上面に広がって使用者が載るステップ部を備え、流体供給装置はさらに床体のステップ部のほぼ全面を通ってシンク部のほぼ全幅へ流れる副洗浄流体流を供給する流体洗浄小便器であって、本体の受面部の両側端縁間の幅を床体のステップ部の両側壁間の幅より小さく設け、両側端縁は主洗浄流体流で洗浄されるように形成し、シンク部は内周面が受面部の内周面の中央部分に連続する主部分と、受面部の両側端縁の近傍部分において受面部下端の下を越えて受面部の外側に張り出して開口する膨出部分とよりなり、ステップ部の上面は受面部の両側端縁間でシンク部の主部分に、受面部の両側端縁の外側でシンク部の膨出部分に連続することを特徴とする。
流体供給装置は、また、本体の受面部の上部においてそのほぼ全周面に主洗浄流体流として散水する散水器と、受面部のほぼ中央の下端より上方位置から両側端縁の下端近傍まで内側に突き出して主洗浄流体流の一部を床体ステップ部上面に副洗浄流体流として散水する斜向段部とでなることを特徴とする。
本発明の流体洗浄小便器は簡潔な構成をもって、排尿受面部の洗浄とともに、垂れ尿と散乱尿を受容するステップ部をも人手を要することなく洗浄し得るという極めて大きな効果を発揮する。
本発明の流体洗浄小便器は、使用者が立つ床面に立設されて使用者の排尿を受ける受面部を含む本体と、床面と同じ高さにおいて受面部の下端に連続するシンク部を含む床体と、本体の受面部に対して洗浄用の流体流を供給する流体供給装置とで構成されるが、特に、本体と床体を一体に形成すると共に、床体にはそのシンク部に連続しかつ床面の上面に広がって使用者が載るステップ部を設け、流体供給装置は本体受面部へ主洗浄流体流を供給するのみならず、床体のステップ部のほぼ全面に対しても副洗浄流体流を供給するので、ステップ部を洗浄した副洗浄流体流は連接するシンク部に流れ込み、主洗浄流体流と共に排出される。つまり、排尿の際の汚れの対象となる受面部とその下方の床面とは、本発明の小便器ではいずれもシンク部に連続して一体化され、同時に洗浄されることとなる。
本発明の流体洗浄小便器においては、流体供給装置の少なくとも副洗浄流体流を加圧した気体流として、ステップ部上面の汚れをシンク部に吹き飛ばし、本体の受面部への主洗浄流体流は水洗流とする。この場合、主洗浄流体流も気体流とすることもできるが、特に副洗浄流体流としての加圧気体流は使用者の用便中に供給し、ステップ部への供給とは別個に、あるいは組み合わせて、両足の間から斜め上方に本体受面部に向けて噴出させることにより、落下する尿滴を途中で捕捉して受面部に吹き付けることも可能である。
流体供給装置は、また、本体頭部の給水部から受面部全面を通って床体のシンク部に流れる主洗浄流体流を生じる主水洗流手段と、本体内部に給水部から受面部下端まで形成した縦水路に連続して床体の周壁内に設けた横水路の散水孔からステップ部上面を通ってシンク部に流れる副洗浄流体流を生じる副水洗手段とで構成するから、一体に形成した本体と床体のそれぞれの汚染表面は給水部から同時に供給される主水洗流と副水洗流とにより洗浄される。
流体供給装置は、さらに、本体の受面部の上部からその全面を通って床体のシンク部へ流れる主洗浄流体流を水洗流手段による水洗流とする一方、副洗浄流体流は本体の内外いずれかに設けたエアタンクからの空気流を床体の周壁を経てステップ部上面に供給し、これをシンク部へ流す清掃気流手段による気体流とする。したがって受面部は水洗流で洗浄する一方、使用者が載る床体のステップ部上面は空気流で清掃して乾燥状態を保つ。汚れを運ぶ気流は受面部から流下する水洗流によってシンク部に導かれる。この場合ステップ部上面に撥水性を持たせておけば有利である。
また、本発明の流体洗浄小便器においては、本体の受面部の両側端縁間の幅を、床体のステップ部の両側壁間の幅とほぼ同じに形成して受面部とシンク部の内周面を互いに連続させ、さらにステップ部の上面も受面部の両側端縁間において、つまりはステップ部のほぼ全幅にわたって、シンク部の内周面に連続するように構成する。従って受面部とステップ部とは最大の幅をもって散乱尿を受容し、洗い流すことが可能となる。
本発明の流体洗浄小便器においては、また、本体の受面部の両側端縁間の幅を床体ステップ部の両側壁間の幅より小さくする一方、受面部内のシンク部はステップ部の幅より小さくなった分だけ受面部両側端縁の下を通って受面部の外側に張り出す膨出部分を備える様に形成し、ステップ部上面は受面部両側端縁間のシンク部主部分と端縁の両外側のシンク部膨出部分との全てに接続連続する。これによって複数の小便器を設置する公共トイレットルームの場合でも、ステップ部の幅は大きく、受面部の幅は比較的に小さくして隣接する小便器の受面部との間に間隔を設けるようにしつつ、ステップ部の全面を洗浄できるように構成する。
また、流体供給装置は主洗浄流体流を生じる手段として、本体の受面部上部のほぼ全周面に散水する散水器を備えるが、副洗浄流体流のための手段は、受面部のほぼ中央の下端から上がった位置から両側端縁の下端近くまで内側に突き出す坂路を形成して、主洗浄流体流の一部を床体のステップ部上面に向けて散水する斜向段部で構成する。この場合床体と一体の本体は受面部を斜めに保持し、受面部両側端縁の下端がステップ部の上方に突き出させて受面部下端を床体から切り離すことにより、副洗浄流体流の散水を効果的にする
以下に、本発明による流体洗浄小便器のいくつかの具体的な実施例について、添付の図面に沿って説明する。
図1および図2は本発明による流体洗浄小便器の第一の実施例を示し、図1は図2のI−I線に沿う流体洗浄小便器の中央縦断面図、図2は図1のII−II線に沿う横断面図である。
本実施例における流体洗浄小便器は、一般にトイレットルームの壁面に沿って立設される本体10と、本体10の下部に一体に形成して小便器をトイレットルームの床面に固定する床体20と、本体10の頭部に設けた流体流装置30とよりなる。一般に、流体流装置30をなす頭部を含む本体10と床体20とは一体の陶器あるいは磁器の製品として作成されるが、樹脂、金属等の他材による製品とすることも可能である。
本体10は、使用者が排出する尿を受ける断面をほぼ半円或いは放物線とした半円筒状または箱状の内周面を有する受面部11を備え、受面部の両側の端縁12は使用者前面を包容するに十分な広さの幅とし、各端縁12は内側に折り返すことなく、外に開く斜面或いは半円柱形状にすることによって尿或いは尿石が付着滞留する部分をなくし、清掃作業員による清掃を容易にする。
床体20が本体10の下部と一体に連続して形成されるが、床体20は、受面部11の内周面と連続するほぼ半球状の内周面の最深部に排水口21を有するシンク部22と、受面部11の両側端縁12の両下端間からシンク部22とは反対の側に長方形に拡がる上面23を有するステップ部24とを備える。上面23は主としてシンク部22に向けて傾斜するが、使用者が用便時に受面部11に向けて足をステップ部に載せて立ち易いように、上面23に互いに平行に設けた複数の突条の稜線が全体としてほぼ水平となるようにする。図ではこれら突条を、使用者が受面部に向かって立つ縦方向に平行に設けるものとして示すが、この様な突条に代えて複数の突起とすれば配列は自由となる。また、これら突条の稜線または突起の頂面は釉薬を省くことによって、あるいは滑り止め材を貼着して摩擦面とすれば使用者にさらに安定感を与える。
流体流装置30は、本体10の頂部に設けた給水部31と、受面部11の両側端縁12の内部に給水部31から受面部下端まで形成した縦水路34と、床体20のステップ部24の両側壁部内において一端で縦水路34の下端に連続させ、両側壁部内を通って後壁部内まで延長させると共にステップ部上面23に向けて開口する多数の散水孔36を設けた横水路35とで構成される。給水部31への給水は、例えば前面に設けた赤外線センサ37により使用者が小便器を離れたことを検知した時、頂壁を貫通する給水口32を介して図示しない給水栓から行われる。給水された水の一部は、底壁の受面部11内周面の上端に沿う位置で貫通する複数の散水孔33を介して受面部全般に主水洗流として使われる。給水部31内の水の他部は、受面部の両側端縁12内の縦水路34を介して床体20の横水路35に流れる副水洗流として使われ、散水孔33からステップ部24の上面23全般に散布される。その際、散水は突条或いは突起の上方から行うか、突条或いは突起の間の谷部に対して行うか、または両者を組み合わせて行うか、いずれでも良いが、要はステップ部上面の全般を洗浄することである。ステップ部上面を洗浄した副水洗流はシンク部22に流れ、受面部11を洗浄した主水洗流と共に排水口21から排出される。
上記において、主水洗流と副水洗流とはいずれも水によるものとして記載したが、少なくとも副水洗流をたとえば加圧空気や水蒸気のような気体流とすることも可能である。その場合、例えば給水部31を分割して縦水路34に通じる位置にエアタンク37を設け、縦水路34と横水路35に気体流を供給して散水孔36からステップ部上面23に吹き付ける。
本実施例では受面部11の両側端縁12の、特にそれらの下端間の幅を図2に見られるように床体20のステップ部24の幅と同じにした構成を示すが、これは、受面部11の幅をできるだけ大きく取ることによって排尿と飛散する尿とを全て受容すると同時に、床体20の幅を、使用者が両足をある程度開いて載せて立つに十分な寸法にすること、更に、十分大きい幅としたステップ部24の上面23いっぱいに流されてくる副水洗流の全幅を受けてシンク部22に落とすこと、を意図したものである。したがって設計の意図に応じて、受面部11とステップ部24の幅の関係は適宜変更可能である。
例えば公共用のトイレットルームの場合、日本工業規格では隣接する小便器の中心線間の距離は80cmであるから、本発明の小便器の床体20の幅と、受面部11の少なくとも下端部の幅とを最大80cmを限度として自由に選択可能であるが、排尿と飛散尿を完全に受容するためには受面部の幅はできる限り大きくすべきことと、ステップ部に使用者が両足を開いて立つに十分な広さを提供しうることを考えれば、実用上は50〜60cm前後とすることが好適である。一方、床体20の幅を受面部の幅より大きく取り、ステップ部上面が受面部下端の両側にはみ出すようにすることもできるが、この場合もステップ部上面に対する副水洗流の幅は削減せず、またはみ出した部分から溢れさせることなく、ステップ部上面の全面を洗浄した副水洗流をシンク部に収容する手段を講じることが望ましい。
上記の副水洗流収容手段の一例を用いた本発明の第二の実施例を図3および図4に示す。図4に明らかなように、床体20の幅は例えば約60cmとし、本体10の受面部の両側端縁12間の幅は約50cmとすれば、各端縁12の両外側には床体20の上面が約5cmずつの幅で露出する。この場合もステップ部上面洗浄用の横水路35と散水孔36はステップ部24の後壁部内において床体20の幅のほぼいっぱいに設けられ、幅方向において少なくとも最外側の散水孔36からの水は受面部端縁12の外側に達するので、この部分における副水洗流の収容手段として、受面部端縁12の下端から縦方向に奥まった位置まで、受面部下端をくぐって受面部内側から外側へ幅方向に、シンク部22の一部を両側に張り出させた膨出シンク部22aを設け、受面部端縁12の外側に流れる副水洗流は膨出シンク部22aに流れ込み、直接シンク部22に流れ込んだ副水洗流と合流して排水口21に流される。この場合、受面部の両側端縁12はそれらの間の幅を床体20の幅より小さくした分飛散尿の汚染を受け易くなるが、各端縁部分は図4に見られるように使用者に対して鋭角をもって開き、受面部11に対する主水洗流によって洗浄されるように形成され、受面部外周面が使用者に向けて開かれて汚染されることはない。また、図3に示すように、受面部下端を端縁12下端から床体上面に沿って切り込み13を設けることにより、膨出シンク部22aとシンク部22とを連通させるが、受面部端縁12の下端部分のみをステップ部上面と接続させた構成とすることも可能である。
次に図5について、上記した第一と第二の実施例とは異なる床体のステップ部構成を用いた第三の実施例を説明する。この実施例では、本体10、床体20および流体流装置30の構成は実質的に第一と第二の実施例と変わらないが、床体20のステップ部上面23を構成する複数の突条または突起に代えて、ステップ部24の後壁側からシンク部22に向けて傾斜する平坦な上面23の上に敷設した高透水性で板状のステップ材25を用いる。本体10の給水部31から縦水路34を介してステップ部24の後壁内の横水路35に供給された副水洗流は、散水孔36に面する後端からシンク部22に面する前端までステップ材25を透過して洗浄した後、シンク部22に放出される。ステップ部上面23の少なくとも一部に摩擦面を設けるか、シンク部側前端にストッパを設けて、ステップ材25が使用者の荷重によって滑動することがないようにする。ステップ材25の材質としては、高透水性であること、換言すれば水の透過速度が高い性質を得るために空隙度が高く、使用者が載って荷重を受けても殆ど圧縮がないような硬度あるいは耐圧性を示す、線状、粗繊維状或いはスポンジ状の無機材、合成樹脂材または金属材による成型体を用いる。より望ましくは酸化チタン等の臭気分解機能を有する組成物がステップ材として含まれる。また、清掃に多少の人手を要することをいとわなければ、例えば通水性、滑り止め表面や撥水性を持たせ着脱自在に配置したステインレス鋼板をステップ材とすることも勿論可能である。
図6および7に示す第四の実施例においては、流体供給装置30の副洗浄流体流が、本体の受面部11内周面に供給される主洗浄流体流の一部を床体のステップ部上面23に向けて分流し、散布する手段によって生じられる。この散布手段は、本体10の受面部11の、床体ステップ部24上に立った使用者から見てほぼ中央領域の受面部下端11bから上方の位置を始点39aとし、この始点39aから受面部両側の各端縁12の下端12aに向けて受面部内周面に沿って斜め下方に、徐々に幅を広げながら内側に突き出す凹凸の坂路形状の斜向段部39でなる。この斜向段部39の終端39bはステップ部24に向けて拡がる。したがって受面部上端11aにおいて散水器31aによって受面部11の内周のほぼ全面に拡散されて主洗浄流体流として受面部11を下降する水の一部は斜向段部39の上面に沿って端縁下端12aの方向に斜めに、副洗浄流体流として分流され、終端39bからステップ部24の上面23に向けて散布される。この受面部の端縁下端12a部分からの水の散布効果を上げるために、本実施例においては図6に明らかなように、本体10が受面部11全体をやや斜めに、下端が床体のステップ部上に幾分かぶさるように支持する形態とし、受面部下端11bは床体のシンク部22内周面とシンク部に連接するステップ部24の一部の上面とに上方から対面するように、床体20から切り離した構成としてある。従って、受面部11の内周面を洗浄して流下する主洗浄流体流の水は受面部下端11bから空間を落下してシンク部22内に収容される。本体10は上部で受面部11を保持し、下部では床体20と一体に形成する。ステップ部24の上面23は、第一、第二の実施例における突条または突起、第三の実施例のステップ材のいずれを備えるものでもよい。
以上幾つかの実施例について本発明の流体洗浄小便器の構成を説明したが、本発明はこれら実施例のみに限定されることなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱することなく種々の変更が可能である。例えば、いずれの実施例においても床体のステップ部上面に対する副洗浄流体流はステップ部の両側壁から後壁まで伸びる横水路によって後壁側からシンク部に向けて縦方向に流されるものとして示されるが、両側壁から横方向に流すようにしても良いし、横水路は設けずに、縦水路の下端、つまり受面部の両側端縁の下端から直接ステップ部上面に向けて開口させることも可能である。また縦水路も受面部の端縁内部ではなく、受面部の後背部分に設け、床体の側壁から後壁まで、または側壁のみ、あるいは受面部下端縁に設けた横水路に接続するようにしても良い。さらに、第四実施例の斜向段部は受面部を傾斜させて下端を床体から切り離した構成との組合せで示したが、この切り離し構成との組合せに限らず、第一実施例の一体構成と組み合わせることもできる。
受面部とステップ部とに分けて洗浄流体流を同時に供給し、両流を受面部下方のシンク部から排水するようにした構成は本発明の顕著な特徴であるが、この点については、極端な例として受面部を洗浄した流体流の全部がステップ部を通過し、その後にステップ部の後壁側に設けたシンク部から排水されるようにすることも可能である。ただし、この場合には使用者の用便中に排尿が一旦受面部下方に滞留するようにして、排尿がステップ部に載せた使用者の足の下に流れ込むことによる不潔感を与えないようにする必要がある。また、この場合の別構成としてシンク部を受面部下方からステップ部の下部に延長させ、ステップ部を高剛性、高透水性で脱着可能な部材で形成し、受面部内周面に設けた斜向段部によりステップ部材の上面に主洗浄流体流の一部を散水させる構成とすることも可能である。さらに、第一から第四の実施例を含め、特に上述した例のようなステップ部あるいはステップ部材を用いるときは、ステップ部表面に撥水加工を施しておけば洗浄効果をあげることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の流体洗浄小便器によれば、全体を床置き型とした構成において、排尿を受ける受面部でなる本体と、受面部下端に面するシンク部およびこのシンク部に連続しかつ使用者が両足を載せて立つステップ部でなる床体とを一体に形成し、受面部を洗浄してシンク部に流れる流体流とステップ部を洗浄してシンク部に流れる流体流とを流体供給装置で供給するようにしたので、従来不可欠であったシンク部に続く垂れ受部を囲む周壁が省略され、使用者が立って垂れ尿と散乱尿を受けるが人手による清掃を待つしかなかった床面に対応するステップ部も受面部と同時あるいは別タイミングで洗浄することができる。従って本発明の流体洗浄小便器は簡潔な構成をもって、排尿受面部の洗浄とともに、垂れ尿と散乱尿を受容するステップ部をも人手を要することなく洗浄し得るという極めて大きな効果を発揮する。
本体と床体の一体化は受面部とステップ部を一体化して双方の幅を最大限に設定し、両者間になんら仕切りを設けずに連続する空間を提供して、使用者が足を十分に開いて用便を足すことを可能とするばかりでなく、特に排尿完了時に広範囲に飛散する尿を完全に捕捉することが可能となる。
本発明の第一の実施例における流体洗浄小便器の、図2のI−I線に沿う縦断面図。 図1のII−II線に沿う横断面図。 本発明の第二の実施例における小便器の部分縦断面図。 図3の小便器の横断面図。 本発明の第三の実施例における小便器の部分縦断面図。 本発明の第四の実施例における小便器の側断面図。 図6の小便器の上面図。
符号の説明
10 本体
11 受面部
11a 受面部上端
11b 受面部下端
12 端縁
12a 端縁下端
13 切り込み
20 床体
21 排水口
22 シンク部
23 ステップ部上面
24 ステップ部
30 流体供給装置
31 給水部
34 縦水路
35 横水路
36 散水孔
39 斜向段部
39a 始端
39b 終端

Claims (2)

  1. 立設されて使用者の排尿を受ける受面部(11)を含む本体(10)と、使用者が立つ床面と同じ高さにおいて受面部(11)の下端に連続するシンク部(22)を含む床体(20)と、本体(10)の受面部(1)に主洗浄流体流を供給する流体供給装置(30)とでなり、本体(10)と床体(20)は一体に形成され、床体(20)はシンク部(22)のほぼ全幅に連続しかつ床面の上面に広がって使用者が載るステップ部(24)を備え、流体供給装置(30)はさらに床体(20)のステップ部(24)のほぼ全面を通ってシンク部(22)のほぼ全幅へ流れる副洗浄流体流を供給する流体洗浄小便器において、本体(10)の受面部(11)の両側端縁(12)間の幅を床体(20)のステップ部(24)の両側壁間の幅より小さく設け、両側端縁(12)は主洗浄流体流で洗浄されるように形成し、シンク部(22)は内周面が受面部(11)の内周面の中央部分に連続する主部分と、受面部の両側端縁(12)の近傍部分において受面部下端を越え受面部の外側に張り出して開口する膨出シンク部分(22a)とよりなり、ステップ部(24)の上面(23)は受面部の両側端縁(12)間でシンク部(22)の主部分に、受面部の両側端縁(12)の外側で膨出シンク部分(22a)に連続することを特徴とする流体洗浄小便器。
  2. 流体供給装置(30)は、本体(10)の受面部(11)の上部においてそのほぼ全周面に主洗浄流体流として散水する散水器(31a)と、受面部(11)のほぼ中央の下端より上方位置から両側端縁(12)の下端近傍まで内側に突き出して主洗浄流体流の一部を床体ステップ部上面(23)に副洗浄流体流として散水する斜向段部(39)とでなることを特徴とする請求項1の流体洗浄小便器。
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