JP4131007B2 - 内視鏡用自動調光装置および電子内視鏡装置 - Google Patents
内視鏡用自動調光装置および電子内視鏡装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡(スコープ)を胃など器官内に挿入し、所定の部位の像を観察することができる内視鏡装置に関し、特に、被写体像の明るさが一定となるように観察部位に照射される照明光の光量を調整する自動調光に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内視鏡装置では、被写体像に応じた画像信号に基づいて被写体の明るさ(被写体の輝度)を検出し、被写体の適切な明るさを示す参照値と比較して照明光の光量調整が行われる。参照値より輝度値の方が大きければ絞りを閉じて光量を減少させ、逆に、参照値より輝度値の方が小さければ絞りを開いて光量を増加させる。参照値と比較される被写体像の明るさを表す値としては、被写体全体の明るさ平均を示す平均輝度値、あるいは最高輝度を表すピーク輝度値が適用されており、オペレータは、プロセッサに備えられたスイッチを操作することによって参照値のレベルを設定変更することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
平均輝度値を参照値と比較して光量調整を行った場合、ハレーション(被写体像の一部が白く映し出される状態)が発生し易くなり、検査、処置等に支障を来たす。一方、ピーク輝度値を参照値と比較して光量調整を行った場合、ハレーションの発生を抑えることはできるが、観察される被写体像が全体的に暗くなる傾向にある。参照値のレベルを設定変更することによってある程度明るさの問題を解決することはできるが、オペレータにとっては、内視鏡操作をしている間に参照値のレベルを設定変更することが難しい。そのため、処置等を行っている間、被写体の明るさを常に適正な明るさに維持することが困難となる。
【0004】
そこで本発明では、ハレーション発生を抑えながら被写体像を適切な明るさに維持する光量調整を行うことが出来る電子内視鏡装置、内視鏡用自動調光装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子内視鏡装置は、撮像素子を有するビデオスコープとビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、プロセッサでは撮像素子から読み出される画像信号が処理されて、モニタなどへビデオ信号が出力される。本発明の電子内視鏡装置は、被写体像の明るさに関するヒストグラムデータを得るため、撮像素子から読み出される画像信号に基づいて所定のヒストグラム処理を施すヒストグラム処理手段と、ヒストグラムデータに基づいて、ハレーションが発生しているか否かを検出するハレーション検出手段とを備える。例えば、ヒストグラムデータに基づいて、被写体像を構成する全画素の数に対する高輝度画素の数の割合を示すハレーション割合を算出し、ハレーション割合が0以外の値であるか否かを判別することによってハレーションを検出すればよい。被写体像の明るさを示す輝度値は、例えば輝度レベルとして0〜255の範囲のいずれかの値に定められる。高輝度画素はハレーション境界輝度値以上の輝度値を有する画素であり、ハレーション境界輝度値はハレーション発生の閾値(境界値)となる輝度値である。例えば、輝度値が0〜255の範囲である場合、220〜230のいずれかの値に定められる。電子内視鏡装置は、モニタなどに映し出される被写体像が参照値の輝度レベルに対応した明るさとなるように被写体を照明する光の光量を調整する光量調整手段を備えており、光量調整手段は、ハレーションの有無に基づいて所定の時間間隔ごとに光量調整を行う。光量調整に関しては、例えば、1フレーム分の画像信号の読み出し期間毎に行えばよい。
【0006】
本発明に係わる光量調整手段は、ハレーションが発生している場合には光量を減少させるとともに、ハレーションが発生していない場合、ハレーションが発生する直前まで一定時間間隔で光量を増加させていく。例えば、光源部が、ハロゲンランプなどの光源と、ビデオスコープ内に設けられる光ファイバー束の入射端との間に絞りを設けた構成の場合、絞りを開閉させることによって光量を増加させ、あるいは光量を減少させる。また、発光ダイオードをビデオスコープ先端に設けた構成の場合、発光ダイオードへ送る電流量を調整することによって光量の増減を行う。光量増加の一定時間間隔は、光量調整を行う所定の時間間隔と一致させるのがよい。
【0007】
平均輝度値を用いる代わりにハレーション発生の有無を検出することによって光量調整を行うため、ハレーションのない被写体像をモニタなどに映し出すことができる。また、ハレーションが発生する直前までは一定時間間隔で光量を増加させていくため、ピーク輝度値を用いて光量調整を行った場合のように被写体像が暗いままの状態で維持されることはなく、全体的に明るくて見やすい被写体像を常にモニタに映し出すことができる。
【0008】
被写体像が暗い場合、暗さの程度に応じて光量を増減させるのが望ましい。そのため、電子内視鏡装置は、好ましくは、被写体像を構成する全画素の数に対する所定の輝度以下である画素の数の割合を示す暗部割合を算出する暗部割合算出手段と、暗部割合の値が基準となる暗部参照割合の値以上であるか否かを判別する暗部割合判別手段とをさらに有する。暗部割合の値が暗部参照割合の値以上である場合、光量調整手段は、暗部参照割合以下となる場合に比べてより多く光量を増加させる。これにより、被写体像が暗くなった場合でも、すぐに適正な明るさに戻すことができる。ただし、暗部参照割合は、被写体像全体に対しより多く光量増加を実行するための基準となる値を表す。
【0009】
本発明の内視鏡用自動調光装置は、被写体像の明るさに関するヒストグラムデータを得るため、被写体像に応じた画像信号に基づいて所定のヒストグラム処理を施すヒストグラム処理手段と、ヒストグラムデータに基づいて、ハレーションが発生しているか否かを検出するハレーション検出手段と、ハレーションの有無に基づいて、被写体像の明るさが適切な明るさとなるように被写体を照明する光の光量を所定の時間間隔ごとに調整する光量調整手段とを備え、光量調整手段は、ハレーションが発生している場合には光量を減少させ、ハレーションが発生していない場合、ハレーションが発生する直前まで一定時間間隔で光量を増加させていくことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。電子内視鏡装置は、胃など体内の器官に対して検査、手術などを行うための装置であり、検査等が開始されると、ビデオスコープが観察部位の撮影のため体内へ挿入される。
【0012】
電子内視鏡装置では、撮像素子としてCCD54を有するビデオスコープ50と、ビデオスコープ50から送られてくる画像信号を処理するプロセッサ10とが備えられ、被写体像を表示するモニタ32’がプロセッサ10に接続される。ビデオスコープ50はプロセッサ10に着脱自在に接続されており、また、プロセッサ10にはキーボード34’が接続される。
【0013】
光源ランプ12から放射された光は、集光レンズ(図示せず)を介してビデオスコープ50内に設けられた光ファイバー束51の入射端51Aに入射する。光ファイバー束51は、ランプ12から放射される光を観察部位のあるビデオスコープ50の先端側へ伝達する光ファイバーであり、光ファイバー束51を通った光は出射端51Bから出射する。これにより、観察部位Sに光が照射される。
【0014】
観察部位Sにおいて反射した光は、対物レンズ(図示せず)を通ってCCD54の受光面に到達し、これにより観察部位Sの像がCCD54の受光面に形成される。本実施形態では、カラー撮像方式として単板同時式が適用されており、CCDの受光面上にはイエロー(Ye)、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、グリーン(G)の色要素が市松状に並べられた補色カラーフィルタ(図示せず)が受光面の各画素に対応するよう配置されている。CCD54では、補色カラーフィルタを通る色に応じた被写体像の画像信号が光電変換により発生し、1フレームもしくは1フィールド分の画像信号が、色差線順次方式に従って所定時間間隔ごとに順次読み出される。カラーテレビジョン方式としては例えばNTSC方式が適用されており、1/30(1/60)秒間隔ごとに1フレーム(1フィールド)分の画像信号が順次読み出され、プロセッサ10へ送られる。
【0015】
プロセッサ10の信号処理回路20には、CCD54から出力される画像信号のゲインコントロールを行うCCDゲイン制御回路、画像信号読み出しのタイミング(ディレイタイム)を調整するタイミング回路、ホワイトバランス調整のためにR,G,Bのゲインコントロールを行うR、GおよびBゲイン制御回路、ガンマ補正を行うためのガンマ補正回路、輝度信号、色差信号を生成するためのカラーマトリクス回路などが含まれている(いずれも図示せず)。信号処理回路20に入力された画像信号に対して様々な処理が各回路において施され、その結果、映像信号が生成される。生成された映像信号はNTSCコンポジット信号、Y/C分離信号(Sビデオ信号)、RGB分離信号などのビデオ信号としてモニタ32’へ出力され、これにより被写体像がモニタ32’に映し出される。
【0016】
CPU(Central Processing Unit)24はプロセッサ10全体を制御しており、ICチップで構成される信号処理回路20などの各回路に制御信号を出力するとともに、光量調整等を実行するためのプログラムを格納したROM(図示せず)を有する。ビデオスコープ50内にはデータ書き換え可能なEEPROM57が設けられており、ビデオスコープ50の特性に関するデータがEEPROM57にあらかじめ記憶されている。ビデオスコープ50がプロセッサ10に接続されると、EEPROM57内に格納されたデータがプロセッサ10へ送られ、メモリ26に格納される。
【0017】
プロセッサ10のフロントパネルには一連のパネルスイッチ30が設けられており、パネルスイッチ30に対する操作に応じた処理が実行される。また、キーボード34において患者情報などの文字情報をモニタ32’に表示するためキー操作がなされると、キーボード34’の操作に応じた信号がCPU24へ入力され、その信号に基いてCRTC(CRTコントローラ)22へ制御信号が送られる。そして、キー操作に応じたキャラクタ信号がCRTC22から出力され、ビデオ信号にスーパーインポーズされる。また、RTC(RealTimeClock)28から日時のデータがCPU24によって読み出され、現在の日時に応じたキャラクタ信号がCRTC22から出力される。
【0018】
ライトガイド51の入射端51Aと光源12との間には被写体Sに照射される光の光量を調整するための絞り34が設けられており、絞り34はモータ33の駆動によって開閉する。モータ33はステッピングモータであり、絞り制御回路32から送られてくるパルス信号に従って駆動(回転)する。よって、絞り34の駆動量、すなわち絞り34の開度の変化量はパルス信号に従う。本実施形態では、絞り34を全開から全閉まで駆動させるに必要なパルス数は240である。信号処理回路20では、送られてくる画像信号に基づいて1フレーム分の輝度信号が生成され、ヒストグラム回路23へ送られる。ヒストグラム回路23では、送られてくる輝度信号に基づいて被写体像の明るさに関するヒストグラムデータが生成され、CPU24へ出力される。そして、ヒストグラムデータに基づいて絞り制御回路32へ制御信号が出力され、被写体像の明るさが適切な明るさとなるように絞り34が開閉する。
【0019】
図2は、プロセッサ10内のCPU24において実行されるメインルーチンを示した図である。
【0020】
ステップS101では、CPU24の初期設定、変数の初期設定が行われる。ステップS102ではパネルスイッチ30に関する処理が行われ、所定のスイッチが操作された場合にそのスイッチに対する処理が実行される。ステップS103では、キーボード34’に関する処理が行われ、所定のキーが操作された場合、そのキー操作に対する処理が実行される。
【0021】
ステップS104ではクロック処理が行われ、RTC28から日時、時刻に応じたデータが読み出され、モニタ32’に日時、時刻が表示される。ステップS105では、ビデオスコープ50に関する処理が施される。そして、ステップS106では、その他の処理が施される。プロセッサ10の主電源がOFFになるまで、ステップS102〜S106が繰り返し実行される。
【0022】
図3は、自動調光処理を実行する割り込みルーチンを示した図である。本実施形態では、1/30秒ごとにメインルーチンに割り込んで自動調光処理が行われる。
【0023】
ステップS201では、ヒストグラム回路23において1画面分の被写体像の明るさに関するヒストグラム(図4参照)のデータが生成され、CPU24によって読み出される。ヒストグラムは、モニタ32’に表示される被写体像を構成する各画素の輝度値としてとりうる値を横軸とし、信号処理回路20(図1)からヒストグラム回路23(図1)に送られてきた1フレーム分の輝度信号を構成する全画素についてその横軸の各輝度値に応じた画素の個数(度数)を縦軸にとったグラフを表す。本実施系では、被写体像の明るさが輝度値として0〜255の範囲のいずれかの値に定められる。ステップS201が実行されると、ステップS202へ進む。
【0024】
ステップS202では、ヒストグラムデータに基づいてハレーション発生割合を表す変数vp1、高輝度画素割合を表す変数vp2、暗部割合を表す変数vdpがそれぞれ算出される。ハレーション発生割合vp1は、被写体像を構成する全画素の中でハレーション境界輝度値(変数CB1)以上の輝度を有する画素の割合を示す。ハレーション境界輝度値CB1は、この値以上であればモニタ32’の画面上においてハレーションが発生するとみなされる輝度値であり、ここでは、例えば227に設定されている(図4参照)。高輝度画素割合vp2は、被写体像を構成する全画素の中で高輝度境界輝度値(変数CB2)以上の輝度を有する画素の割合を示す。高輝度境界輝度値CB2は、この値以上であれば高輝度とみなされる輝度値であり、ここでは、例えば197に設定されている(図4参照)。暗部割合vdpは、被写体像を構成する全画素の中で低輝度境界輝度値(変数CD)以下の輝度を有する画素の割合を示す。低輝度境界輝度値CDは、この値以下であれば観察に支障を来たすとみなされる輝度値であり、ここでは、例えば33に設定されている。ステップS202が実行されると、ステップS203へ進む。
【0025】
ステップS203では、算出されたハレーション割合vp1が参照ハレーション割合(変数CP1)より大きいか否かが判断される。参照ハレーション割合CP1は、光量調整を実行するための基準となる割合であり、ハレーション割合vp1が参照ハレーション割合CP1よりも大きければ光量を減少させる。ここでは、参照ハレーション割合CP1は、ハレーション発生を最大限抑えることを考慮して、1%に定められている。すなわち、ハレーションが被写体像のごく一部に発生していてもハレーション発生が検知される。ステップS203において、算出されたハレーション割合vp1が参照ハレーション割合CP1より大きいと判断された場合、ステップS215へ進む。
【0026】
ステップS215では、被写体像が適切な明るさとなるように、絞り34を所定量だけ駆動させるための制御信号が絞り制御回路32へ出力される。本実施形態では、絞り34の駆動量はステッピングモータの回転数と比例関係にあり、ステッピングモータの回転量は絞り制御回路32から出力されるパルス数に従う。図5に示すように、本実施形態では、パルス数と高輝度画素割合vp2との対応関係を示す表T1から光量減少時のパルス数が定められる。したがって、ステップS202で算出された高輝度画素割合vp2の値に基づいてパルス数、すなわち絞り34の駆動量が定められる。ステップS215が実行されると、ステップS216へ進み、割り込み処理カウンタ変数vcが0に設定される。割り込み処理カウンタ変数vcは、割り込み処理の回数を計数するための変数である。ステップS216が実行されると、割り込みルーチンは終了する。
【0027】
一方、ステップS203において、算出されたハレーション割合vp1が参照ハレーション割合CP1より大きくない、すなわちハレーションは発生していないと判断された場合、ステップS204へ進み、割り込み処理カウンタ変数vcに1が加算される。そして、ステップS205では、算出された暗部割合vdpが暗部参照割合(定数CD1)より大きいか否かが判断される。暗部参照割合CD1は光量の増加量をどの程度行うか定めるのに基準となる暗部割合を示す。ここでは、暗部参照割合CD1は15%に定められている。暗部割合vdpが暗部参照割合CD1以上である場合、被写体像が極端に暗い状態であることから、光量を多く増加させるための処理がステップS211〜ステップS214において実行される。逆に、暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より小さい場合、被写体像が極端に暗い状態ではないことから、光量増加量の程度を抑えた光量増加がステップS206〜S210において実行される。
【0028】
ステップS205において、暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より小さいと判断された場合、ステップS206へ進み、割り込み処理カウンタ変数vcが光量増加開始基準カウンタ定数C1より大きいか否かが判断される。光量増加開始基準カウンタ定数C1は、ステップS215における光量減少を実行してから光量増加を開始するまでの期間に応じた定数であり、ここでは4に定められている。割り込み処理カウンタ変数vcが光量増加開始基準カウンタ定数C1より大きくないと判断された場合、光量減少のため絞り34を作動させてからそれほど時間が経過していないことに起因して絞り34がハンチング状態となる恐れがあるため、光量増加を実行せず、このまま割り込みルーチンが終了する。一方、ステップS206において、割り込み処理カウンタ変数vcが光量増加開始基準カウンタ定数C1より大きいと判断された場合、ステップS207へ進む。
【0029】
ステップS207では、高輝度画素割合(変数vp2)が高輝度参照割合CP2より大きいか否かが判断される。高輝度参照割合CP2は、光量増加に対するパルス数を定めるための基準となる高輝度画素割合を表す。ここでは、高輝度参照割合CP2は30%に定められている。高輝度画素割合vp2が高輝度参照割合CP2より大きいと判断された場合、ステップS208へ進む。ステップS208では、所定パルス数の分だけ絞り34が開くように、絞り制御回路32へ制御信号が送られる。パルス数は絞り34を過度に開けないような数に設定され、ここでは1に設定されている。一方、ステップS207において、高輝度画素割合vp2が高輝度参照割合CP2より大きくないと判断された場合、ステップS209へ進む。ステップS209では、パルス数がステップS208に比べて大きい値に設定されており、そのパルス数分だけ絞り34が開くように絞り制御回路32へ制御信号が送られる。ここでは、パルス数は2に設定されている。ステップS208あるいはステップS209が実行されるとステップS210へ進み、割り込み処理カウンタ変数vcが光量増加提示定数C2の値に設定される。光量増加提示定数C2は、光量増加が行われたことを示すための定数であり、ここでは2の値に設定されている。ステップS210が実行されると、割り込みルーチンは終了する。
【0030】
一方、ステップS205において、暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より大きいと判断された場合、ステップS211へ進む。ステップS211では、割り込み処理カウンタ変数vcが1であるか否かが判断される。割り込み処理カウンタ変数vcが1であると判断された場合、ステップS215において光量減少のため絞り34を駆動させてから時間があまり経過していないことから、ハンチング防止のため絞り34を駆動させず、割り込みルーチンはこのまま終了する。一方、ステップS211において割り込み処理カウンタ変数vcが1ではないと判断された場合、ステップS212へ進む。
【0031】
ステップS212では、暗部割合vdpが光量増加参照割合(定数CD2)よりも小さいか否かが判断される。光量増加参照割合CD2は、光量増加量を定めるのに基準となる暗部割合を示す。ここでは、光量増加参照割合CD2は30%に設定されている。暗部割合vdpが光量増加参照割合CD2よりも小さいと判断された場合、ステップS213へ進む。ステップS213では、所定パルス数の分だけ絞り34が開くように、絞り制御回路32へ制御信号が送られる。被写体像が極端に暗くないことから、パルス数は、ここでは8に設定されている。一方、ステップS212において、暗部割合vdpが光量増加参照割合CD2よりも小さくないと判断された場合、ステップS214へ進む。ステップS214では、所定パルス数の分だけ絞り34が開くように絞り制御回路32へ制御信号が送られる。被写体像の明るさレベルをある程度上げるため、パルス数はここでは14に設定されている。ステップS213もしくはステップS214が実行されると、割り込みルーチンは終了する。
【0032】
このように本実施形態によれば、ステップS201においてヒストグラムデータが生成され、ステップS202では、ヒストグラムデータに基づいてハレーション発生割合vp1、高輝度画素割合vp2、暗部割合vdpがそれぞれ算出される。そして、ハレーションが発生しているか否かがハレーション発生割合vp1に基づいて判断される(S203)。ハレーションが発生している場合、光量を減少させる(S215)。一方、ハレーションが発生していない場合、暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より小さいか否かが判断される(ステップS205)。暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より小さい場合、わずかに光量を増加させるようなパルス数に基づいて絞り34が駆動される(ステップS208、209)。一方、暗部割合vdpが暗部参照割合CD1より小さくない場合、ある程度光量が増加するように絞り34が駆動される(ステップS213、S214)。
【0033】
さらに、本実施形態では、あまり光量を増加させない場合、高輝度画素割合vp2と高輝度参照割合CP2とが比較され(ステップS207)、比較によってパルス数の値が2段階に分かれて(1パルスと2パルス)設定されるようになっている。また、ある程度光量を増加させる場合、暗部割合vdpと光量増加参照割合CD2とが比較され、(ステップS212)、比較によってパルス数の値が2段階に分かれて(8パルスと14パルス)設定されるようになっている。ただし、パルス数を設定する際には、2段階に限らずさらに細分化して設定するようにしてもよい。
【0034】
光量調整を行うための構成に関しては、光ファイバー束に入射する光の光量を絞りの開閉によって調整する代わりに、発光ダイオードをビデオスコープ先端に設け、発光ダイオードへ供給する電流を制御することによって被写体へ照射される光の光量を調整してもよい。また、電子内視鏡装置の代わりに、内視鏡用光源装置に対して上述した光量調整を行う構成を適用させてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ハレーション発生を抑えながら被写体像を適切な明るさに維持する光量調整を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【図2】プロセッサ内のCPUにおいて実行されるメインルーチンを示した図である。
【図3】自動調光処理を実行する割り込みルーチンを示した図である。
【図4】被写体像の明るさに関するヒストグラムを示した図である。
【図5】高輝度画素割合とパルス数との対応関係の表を示した図である。
【符号の説明】
10 プロセッサ
24 CPU
32 絞り制御回路
33 モータ
34 絞り
50 ビデオスコープ
54 CCD(撮像素子)
vp1 ハレーション発生割合
vp2 高輝度画素割合
vdp 暗部割合
CD1 暗部参照割合
Claims (2)
- 撮像素子を有するビデオスコープと前記ビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、
被写体像の明るさに関するヒストグラムデータを得るため、前記撮像素子から読み出される画像信号に基づいて所定のヒストグラム処理を施すヒストグラム処理手段と、
前記ヒストグラムデータに基づいて、ハレーションが発生しているか否かを検出するハレーション検出手段と、
前記ヒストグラムデータに基づいて、被写体像全体の中で所定の輝度以下である画素の割合を示す暗部割合を算出する暗部割合算出手段と、
前記暗部割合の値が基準となる暗部参照割合の値以上であるか否かを判別する暗部割合判別手段と、
ハレーションの有無に基づいて、被写体像の明るさが適切な明るさとなるように被写体を照明する光の光量を所定の時間間隔ごとに調整する光量調整手段とを備え、
前記光量調整手段が、ハレーションが発生している場合、光量を減少させ、ハレーションが発生していない場合、光量を増加させ、
前記光量調整手段が、光量増加のときに、前記暗部割合の値が基準となる暗部参照割合の値以上である場合、前記暗部参照割合の値より小さい場合に比べてより多く光量を増加させることを特徴とする電子内視鏡装置。 - 被写体像の明るさに関するヒストグラムデータを得るため、被写体像に応じた画像信号に基づいて所定のヒストグラム処理を施すヒストグラム処理手段と、
前記ヒストグラムデータに基づいて、ハレーションが発生しているか否かを検出するハレーション検出手段と、
前記ヒストグラムデータに基づいて、被写体像全体の中で所定の輝度以下である画素の割合を示す暗部割合を算出する暗部割合算出手段と、
前記暗部割合の値が基準となる暗部参照割合の値以上であるか否かを判別する暗部割合判別手段と、
ハレーションの有無に基づいて、被写体像の明るさが適切な明るさとなるように被写体を照明する光の光量を所定の時間間隔ごとに調整する光量調整手段とを備え、
前記光量調整手段が、ハレーションが発生している場合、光量を減少させ、ハレーションが発生していない場合、光量を増加させ、
前記光量調整手段が、光量増加のときに、前記暗部割合の値が基準となる暗部参照割合の値以上である場合、前記暗部参照割合の値より小さい場合に比べてより多く光量を増加させることを特徴とする内視鏡用自動調光装置。
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