JP4129650B2 - 弦楽器の弓棒およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化合成樹脂材を含み、ナットの収容および毛の取付けのために調節した弦楽器の弓棒に関する。
さらに本発明は、弦楽器の前記弓棒の製造方法に関する。
通常、弦楽器の弓用のヘッドを含む弓棒はスオウから製造される。選出されたこの木材は、弓棒の実施態様において、重量配分、重心位置およびばね力が重要になり、各々の弓棒を製造する前に、長期間にわたり申し分なく保管および乾燥されなければならない。弓棒には、弓を仕上げるためのナットと呼ばれる弓毛のための緊定装置と、毛または弦(すなわち弓毛)が取付けられる。
最近は、弦楽器の弓用の木材を入手する際に規制があり、これらの木材から弓を製造するために時間とコストがかかることから、すでに新製造技術を活用する案が公表された。これは弓棒用として特に繊維強化合成樹脂材、たとえば炭素繊維材が、場合により特にバルサム材のような軽材料からなる内部の棒核の使用に導入されている。たとえばWO84/02792およびドイツ特許第4014894号公報を参照。前記公知の弓棒においても、ある程度、たとえば強度または音響伝播性質の適合が材料の選択に望まれており、さらに木製の棒の場合とは異なり再生産性を保証しなければならず、合成樹脂材料製の弓棒の性質で、可能な限り木製の性質に近づけることが目指されてきた。これは、WO92/09068に記載された弓にも当てはまり、その棒は本質的にねじ軸を介して張ることができる緊定要素を収納した中空の合成樹脂棒から形成されている。これにより弓は、張力に対して平行に棒内部で毛を張りわたすことができる。しかしその際、やむなく初張力により棒の湾曲も変化し、毛が弦楽器の弦に押しつけられるとき、演奏にとつてマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
本発明に基づく考え方は、従来の木製弓を模倣する代わりに、新材料を使用して可能な限り同じ性質を達成して新しい演奏技術を可能にする、弦の性質で従来の弓と異なる弓を提供することである。その際、従来の弓の場合、調査と測定が示しているように、通常、各々の弓棒の剛性は棒の重量にほぼ比例することが考慮されているため、重量が異なる弓(またはより正確には弓棒)のための重量と剛性からの商はほぼ等しくなる。
本発明のために実施された調査では、弓棒の剛性の基準として、変形すなわち湾曲が、以下の条件に従って考慮されている。各々の弓棒−まだ毛およびナットなし−は、外側の指板端ならびにそこから130mmの距離で内側に固定される。先端には、300gの重量負荷に相当する力がかけられる。これにより弓棒が下方に向けられ、または曲げられ、その変形またはたわみが測定され、これが弓棒の剛性の基準として使用される。
従来のバイオリン弓とビオラ弓のために、表1に記載する以下の数値が出されており、比較し得る製品値(すなわち同種の弓)は、常に相対的に密集していることが分かる。
Figure 0004129650
同様の結果は、従来のチェロの弓ならびにコントラバスの弓でも確認することができた。表2参照。
Figure 0004129650
個々の弓棒の試験長さは、通常の棒長さと同じであり、バイオリンの弓の場合では70cm、ビオラの弓では69cm、チェロの弓では66cm、コントラバスの弓では64cmであった。
前掲の表1および2から、公知の弓棒は、この弓棒が重くなればなるほど剛性が増すことが明らかである。その際、たしかに多くの演奏技術にとっては弓の剛性が高いほうが望ましいが、これは弓の質量をそれに伴なって大きくするものではない。すなわち、弓の質量の多さもしくは重量の多さは、運弓方向を変える場合およびスピッカートにおいて不利になる一定の慣性モーメントになることを意味している。ただし、軽い弓は比較的たわみ易い。すなわち、このような弓は比較的たわみが多く、強音を出すために必要な高い弓圧をかけると、このたわみは、弦、弓毛および弓棒の接触を引き起こし、そのため非常に不快な雑音も引き起こす。
したがって本発明の目的は、詳しくは、従来の弦楽器の弓の構造方式から離れて、可能な限り軽量で、それにも拘わらず剛性の、特にスピッカートを用いた演奏の改善を可能にする弓棒を提供することである。そのための基準として、前述の調査結果に基づき非常に特徴のあるサイズになるので、上に定義したように、弓棒の質量とたわみの積が目的にふさわしいことが実証されている。
したがって本発明により冒頭に述べた方式の弓棒において、裸棒の質量(g)と剛性の基準となる裸棒のたわみ(mm)の積が、弓毛側に対向する外側で弓身端のグリップ部の棒の支持で、かつ、それに対向する弓毛または内側で130mmの間隔で、かつ、先端で300gの質量に相当する力の作用において、バイオリンとビオラの弓の場合では最大1000mm・g、好ましくは最大800mm・g、チェロの弓では最大700mm・g、好ましくは最大550mm・g、かつ、コントラバスの弓では最大600mm・g、好ましくは最大450mm・gになることが考慮されている。特に、棒の質量とたわみの積がバイオリンとビオラの弓の場合では最大600mm・g、好ましくは約450〜500mm・g、チェロの弓では最大400mm・g、好ましくは約300mm・g、かつ、コントラバスの弓では最大350mm・g、好ましくは約250mm・gになるとき、目指している新しい演奏方法にとって好ましいことが実証されている。
上述の弓棒を使用することにより、前述の目標設定に好ましい仕方で対応しており、かつ、上記の製品値に基づいて与えられた少ない質量により、軽く速い演奏が比較的わずかな労力で可能になる。他方、少ないたわみもしくは高い剛性により、弓を強く押しつけることができるようになり、弓棒の剛性が高いために弓毛の初張力が小さい場合でも、弓棒の押下げもしくは弦/弓毛/弓棒の接触は生じない。これに関する詳細は、使用した弓の重量が少なく弓毛が極く軽く緊張されている場合、スピッカートを最も良好に遂行できることが述べられている。逆に大きい音の演奏は、弓毛の高張力とともに、通常の実施態様で比較的重くかつ緩慢な比較的剛性の弓を必要とする。
この理由から、通常は可能な限り良好な妥協点が模索され、演奏者はそれぞれの特定の音楽作品の演奏に必要な演奏技術に応じて、弓をさまざまな強さに張っている。
本発明に基づく棒を使用した弓は、重量が少ないほかに、特に常に演奏技術で好ましい(比較的少ない)張力で演奏することができ、これによりスピッカートを容易に遂行することができ、しかも剛性が高いためにフォルテ-レガート演奏でも弓棒/弓毛/弦の接触が生じないことを特徴とする。
上述のように、本発明に基づく弓棒は、一方では軽く他方では剛性があり、質量とたわみの前述の積は、弓棒の寸法決めにおいて良好な使用を提供する。その際、各弓棒の特殊の実施態様は、それ自体合成樹脂技術者が、所定のもしくは所望の最終的な性質(質量、剛性)に基づき、特に適切な材料とその使用量を選択することにより直ちに見つけ出すことができる。その際、目指されている軽量の実施態様に関しては、裸棒の質量がバイオリンおよびビオラの弓で最大30g、チェロの弓で最大40gおよびコントラバスの弓で最大50gになる場合、特に好ましい。他方、目指されている特に剛性の実施態様に関しては、棒のたわみがバイオリンおよびビオラの弓で最大25mm、チェロの弓で最大15mmおよびコントラバスの弓で最大9mmになる場合に好ましい。
目指されている軽量の、それにも拘わらず剛性の棒の実施態様を達成するために、たとえばバルサ材または発泡材製の、縦長の芯の周りを取囲み、繊維強化合成樹脂材で、好ましくは互いに異なる繊維方向を有する少なくとも2つの層が配置される場合、好ましいことが実証されている。
さらに弓毛の張力のために、ヘッドおよび本来の弓身の安定した接続が重要であり、この関連においては、前記ヘッドが本来の弓身端に少なくとも1つの繊維強化合成樹脂材を巻付ける繊維強化合成樹脂材の層からなる場合にも好ましい。その際、重量を削減するために、巻付けたヘッドの合成樹脂材層が、場合により発泡材のような軽量材を充填した中空を含む。ただし前記ヘッド内の中空は、空のままにしておくこともできる。弓身端の合成樹脂材の周りに巻付けるヘッドの繊維強化合成樹脂材からなる層は、中空の場合でも、達成されている非常に堅固に安定した弓身の合成樹脂材との接続を度外視しても、十分な押圧強度を提供する。
弓棒に毛を取付けるために、通常、ヘッドの適切な収容室でくさびが使用され、前記収容室は、この棒の場合では弓棒の仕上げ後、ヘッドに入れることができる。またヘッド被膜たとえば象牙製の薄板は、弓毛側でヘッドに接着することができる。ただし前述の方式は、好ましい仕方で、前仕上げされた部分との結合構造を可能とし、したがってこの関連において、弓毛を固定するためのくさび用の収容室を解放して、ヘッドの巻付け合成樹脂材層が弓毛側に設けられた仕切と確実に接続される場合、特に好ましい。その際、前記仕切は簡単に収容室を入れることができる。さらにこの方法で、ヘッド用の繊維強化合成樹脂材層の巻付けの際の製造が簡単になる。
弓棒に緊定装置を取付けるために、本発明の棒の構造において、棒のグリップ端で芯に続いて棒長手方向に、かつ、合成樹脂材層に続けて巻付け、好ましくは合成樹脂製の支持台が配設され、前記合成樹脂材ならびに支持台にナットを固定するための側面の溝状開口部が解放されている場合に好ましい。
弦楽器の弓用の本発明の棒を製造する場合、好ましい仕方で、軽量材からなる縦長の芯の周りを、たとえば発泡材またはバルサ材製の、製造する棒に適した質量により、少なくとも2つの繊維強化合成樹脂材の層が巻付けられ、前記合成樹脂材が硬化する前に本来の棒の先端側の周りにヘッドを形成するために少なくとも1つの繊維強化合成樹脂材からなる層が、場合により軽量材製のヘッド芯を封入して巻付けられ、その後、棒の合成樹脂材がヘッドを含み一体にまとまり硬化されるように処理される。このように簡単な製造工程を適用して非常に安定した結合を達成することができるため、本発明の弓棒に望まれる高い剛性は、少ない質量で困難なしに可能になる。さらに、ヘッドを取付けるために、仕上げるヘッドに覆いを形成する仕切を使用して、ヘッド合成樹脂材が前仕上げされた合成樹脂仕切に挿入する際に押圧され、かつ、硬化する際に前記仕切と確実に結合される場合に目的に適している。
本発明は、以下に好ましい実施例を利用して、ただしこの実施例に限定されるものではなく、添付図面を参照してさらに詳しく説明する。各図面の詳細は次のとおりである。
図1 剛性の基準として弓のたわみを再現可能の条件下で確定する弦楽器の弓棒のための試験配列の図解
図2 正面の部分断面による本発明に基づく弓棒の先端
図3 図2の線III−IIIに記載する前記先端の断面図
図4 図示していないナットを固定するための支持台を具体的に示すための、たとえば図2および3に記載した、弓棒のグリップ端の部分断面図
図5 図2と同様の表示による弓棒のヘッドを変更した実施態様
図1は−上述のように−従来の弓棒と、本発明に基づいて形成された弓棒の剛性に関して試験した配列の図示である。詳しくは、図1記載の配列において、各々の弓棒1−まだ毛およびナットなし−が、外側のグリップ端2(3)に、ならびにそこから内側にx=130mmの距離(4)に緊定される。次にこのように緊定された弓棒1に、先端5に300gの重量負荷に相当する力Fがかけられる。これにより弓棒1は下方に外れるかまたは曲げられる−図1の下向きの矢印を参照。前記変形またはたわみDが測定され、弓棒1の剛性の基準として使用される。グリップ端2では、図1に長手方向のずれに対する保護として、さらに正面側の支持6が示されている。
従来の弓棒に相当する数値は、すでに前掲の表1または2に示している。本発明に従って形成された弓棒で得られた値について、以下に、さらに詳しく指摘する。
図2および3に、弦楽器の弓のための弓棒1の先端5を示す。この弓棒1のグリップ端を図4に示す。その他の、詳しく図示しない弓身は、すでに図2および4を利用して示されたような仕方で形成される。すなわち、バルサ材または合成樹脂発泡材製の軽量芯7を用いてその周囲を繊維強化合成樹脂材として一方向に向けた炭素薄板(いわゆるUD−炭素薄板)8が第1層として配設され、その周囲を炭素繊維組織9が高い押圧強さを達成するために第2層として取付けられている。UD−炭素薄板8は、図2から明らかなように、先端5で終了する芯7の前に合流する。このようにして得られた、ほぼ楕円形の断面(図3参照)をもつ弓身の端10の周りに、ヘッド5を製造するために、繊維強化合成樹脂材から準備された層、すなわち再び炭素薄板11が約2倍のヘッドサイズを有し、裏側12を除いて巻付けられる。図3も参照。その際、ヘッド5の表側および裏側に、室または中空15を仕切るために、追加の炭素材が13もしくは14に設けられる。前記中空15は空にしたままにできる。またはこの中空は、本発明の実施例の図示で具体的に示したように、発泡材を詰め込むこともできる。
さらに、製造するにあたって、詳しく図示しない固定する弓毛に対向するヘッド5側には、弓毛側に仕切16が取付けられ、この仕切と炭素薄板11が製造する際に確実に接続されることが目的に適している。この仕切16は、たとえば合成樹脂(偽象牙)から構成することができる。ただしこの仕切16それ自体は、ヘッド5の製造後に接着することもできる。
さらに合成樹脂仕切16は、図2および3記載の実施態様において、一方が先細の図示しないくさび用の収容室17を仕切る。この収容室自体は一般に弓毛を固定するために使用されている。さらに、図3の断面図から明らかなように、合成樹脂仕切16は側面フランジ18、19を有し、このフランジには、外観の印象を度外視して、仕切16−炭素薄板層11の安定した結合もしくは接続を追加補強するために、炭素薄板層11が設置される。
図4に従って、芯7の弓棒1のグリップ端には、好ましくは前仕上げされた合成樹脂部品の支持台20が接続される。この支持台20は一般に環状であり、閉じた前部端21と開いた後部端22とを有し、詳しく示されていない自体慣例の軸を前記後部端22から長手方向に挿入するためにある。棒1の弓毛の対向側(内側)には支持台20の中に、同様にそれを取囲む炭素繊維材層8、9にも、23の支持台20の中にも縦長溝が解放され、この溝を通して弓毛用のナットとして示された緊定装置が前記軸のねじ止め前に挿入することができる。次にこの軸を利用して前記ナットは軸のねじに合せながら対応する内ねじを有し、このように前記弓毛を多少引張るために、溝23の棒長手方向に長さを調節することができる。この構成要素は、自体慣例であり本発明にとっては重要ではないので、図面表示から省くことができた。
図5に記載の実施態様において、図5に24で示したように、図2に記載の実施態様から変化し、炭素繊維材11がくさび収容室17を形成するために考慮されている。好ましくはヘッド5の前記形態は、収容室17の位置で炭素繊維材層(群)11(図3参照)を巻付ける際に、炭素繊維材11が硬化する前にこの材料を押圧するため、くさび状の部品(図示しない)が挿入されることにより得られる。このくさび状の部品は、ヘッド5を含む弓棒1の硬化後に再び取除かれるため、この結果、前記収容室17が残る。したがってこの実施態様では、簡略化された合成樹脂仕切または合成樹脂台25(偽象牙、亀甲など)が取付けられる。
上記弓棒1を製造する際、まず初めにUD−炭素薄板層8が軽量芯7の周囲に取付けられ、前記層8は芯7が存在しなくなる正面の弓身端で端10に合流するように処理される。さらに本来の弓身の領域には、炭素組織が縦および横方向に調整された層9としての繊維を巻付けている。この層8、9がまだ硬化する前に、先端5で1つのまたはそれ以上の炭素薄板層11から合成樹脂仕切16もしくは25を設けて前記炭素薄板に対して押圧され、場合により中空15に発泡材を充填してヘッドが成形される。次にこのように得られたヘッド5を含む棒形構成物は、共に一体(図示しない)で、たとえば温度110℃〜150℃の範囲(各々の合成樹脂による)に加熱して硬化される。
層8用のUD−材料として、たとえば炭素繊維材240g/m2、層9用の組織材料として、縦方向に100g/m2および横方向に100g/m2の質量を有する材料を使用することができる。さらに、たとえば樹脂成分(たとえばエポキシ樹脂)は42%にすることができる。
当然ながら繊維強化合成樹脂材として、たとえばグラスファイバ強化合成樹脂材または、適切な樹脂を含浸したポリアミドまたはポリイミド繊維材料など、その他の自体慣例の材料を上述の炭素繊維材の代わりに使用することもできる。同様に、上記繊維組合せの弓棒を製造するために、前述の材料の組合せも使用することができる。
実験目的のために、バルサ材芯7を有する炭素繊維材からなる、バイオリン、ビオラ、チェロおよびコントラバス用の様ざまな弓棒が上述のように製造され、図1に記載の配列を利用して、たわみDに関する試験が実施された。その際、全体として上記のように製造された繊維材料の弓棒の質量は、21g〜25gとなり、たわみDは8mm〜25mmのオーダになった。質量とたわみの積は、一般に250mm・g〜600mm・gの範囲になった。
個別的にコントラバスの弓用には、前記の積が250mm・gに算出された弓棒が得られた。チェロの弓用として製造された棒では、300mm・gの積が算出された。さらにこれ以外の積の値は、ビオラの弓用の棒では450mm・g、バイオリンの弓用では500mm・gとなった。各々の炭素繊維材層8、9の厚さと、当然ながらその重量とに従って、棒の重量ならびにその剛性は、製造する弦楽器の弓に設定した目標に従って寸法決めすることができる。
上述の弓を用いた演奏では、特にスピッカートに適用する際、取扱の負担が本質的に軽減されることが明らかになった。また、弓圧が高い場合でも弓毛の連続圧力を防ぐために、弓毛もしくは棒は比較的少ない初張力で十分であった。

Claims (14)

  1. 繊維強化合成樹脂材を含み、ナットの収容と弓毛の取付のために調節された、バイオリン、ビオラ、チェロまたはコントラバス用の弦楽器の弓棒(1)であって、
    棒(1)の質量[g]と前記棒(1)の剛性の基準を形成するたわみ(D)[mm]との積が、弓毛側に対向する外側で弓身のグリップ領域におけるグリップ端(3)から前記弓毛または内側に130mmの位置(4)で棒(1)を支持し、かつ、棒(1)のヘッド側端部で質量300gに相当する力(F)が作用する際に、バイオリンまたはビオラの弓の場合で1000mm・g以下、チェロの弓では700mm・g以下およびコントラバスの弓では600mm・g以下であり、
    棒(1)の質量が、バイオリンまたはビオラの弓の場合で30g以下、チェロの弓では40g以下およびコントラバスの弓では50g以下、棒(1)のたわみ(D)が、バイオリンまたはビオラの弓の場合で25mm以下、チェロの弓では15mm以下およびコントラバスの弓では9mm以下であることを特徴とする弦楽器の弓棒。
  2. 棒(1)の質量とたわみ(D)の積が、バイオリンまたはビオラの弓の場合で600mm・g以下、チェロの弓では400mm・g以下およびコントラバスの弓では350mm・g以下であることを特徴とする請求項1記載の弦楽器の弓棒。
  3. 棒(1)の質量とたわみ(D)の積が、バイオリンまたはビオラの弓の場合で450〜500mm・g、チェロの弓では300mm・gおよびコントラバスの弓では250mm・gになることを特徴とする請求項1項記載の弦楽器の弓棒。
  4. 軽量材からなる縦長の芯(7)の周りを取囲む繊維強化合成樹脂材の少なくとも2つの層(8、9)が配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の弦楽器の弓棒。
  5. 互いに異なる繊維方向を有する繊維強化合成樹脂材の層が配設されることを特徴とする請求項4記載の弦楽器の弓棒。
  6. 棒(1)のヘッド側端(10)で繊維強化合成樹脂材(8)の周りに巻付ける少なくとも1つの層(11)からなるヘッド(5)が繊維強化合成樹脂材からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の弦楽器の弓棒。
  7. 巻付けるヘッド(5)の合成樹脂材層(11)が中空(15)を含むことを特徴とする請求項6記載の弦楽器の弓棒。
  8. 中空(15)が、発泡材のような、軽量材で充填されることを特徴とする請求項7記載の弦楽器の弓棒。
  9. 巻付けるヘッド(5)の合成樹脂材層(11)が、弓毛を固定するためのくさび用の収容室(17)を解放して、弓毛側に設けた仕切(16)と確実に接続されることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項記載の弦楽器の弓棒。
  10. 仕切(16)が収容室(17)を仕切ることを特徴とする請求項9記載の弦楽器の弓棒。
  11. 棒長手方向へ芯(7)が続く棒(1)のグリップ領域に、合成樹脂材層(8、9)を連続的に巻付けた、好ましくは合成樹脂からなる支持台(20)が配設され、前記合成樹脂材(8、9)ならびに支持台(20)でナットを固定するための側面溝状の開口部(23)が解放されていることを特徴とする請求項4ないし10のいずれか1項記載の弦楽器の弓棒。
  12. 繊維強化合成樹脂材の少なくとも2つの層(8、9)が、バルサ材のような、製造される棒(1)に適した質量を有する軽量材からなる縦長の芯(7)の周りに取巻かれ、棒(1)の前記合成樹脂材が硬化する前に、棒(1)のヘッド側端の周りに、繊維強化合成樹脂材からなる少なくとも1つの層が取巻かれてヘッド(5)が形成され、その後、ヘッドを含む棒の前記合成樹脂材が1つの形態に一緒に硬化される、ナットの収容と弓毛の取付のために調節された、バイオリン、ビオラ、チェロまたはコントラバス用の弦楽器の弓棒の製造方法であって、
    棒(1)の質量[g]と前記棒(1)の剛性の基準を形成するたわみ(D)[mm]との積が、弓毛側に対向する外側で弓身のグリップ領域におけるグリップ端(3)から前記弓毛または内側に130mmの位置(4)で棒(1)を支持し、かつ、棒(1)のヘッド側端部で質量300gに相当する力(F)が作用する際に、バイオリンまたはビオラの弓の場合で1000mm・g以下、チェロの弓では700mm・g以下およびコントラバスの弓では600mm・g以下になるように、棒(1)の質量を、バイオリンまたはビオラの弓の場合で30g以下、チェロの弓では40g以下およびコントラバスの弓では50g以下、棒(1)のたわみ(D)を、バイオリンまたはビオラの弓の場合で25mm以下、チェロの弓では15mm以下およびコントラバスの弓では9mm以下とし、前記繊維強化合成樹脂材の少なくとも2つの層(8、9)を取り付けることを特徴とする弦楽器の弓棒の製造方法。
  13. ヘッド(5)を形成する際に繊維強化合成樹脂材が軽量材からなるヘッド芯の周りを取囲むことを特徴とする請求項12記載の弦楽器の弓棒の製造方法。
  14. ヘッド合成樹脂材が前仕上げされた合成樹脂仕切(16、25)に挿入される際に押圧され、硬化する際に前記仕切と確実に接続されることを特徴とする請求項12記載の弦楽器の弓棒の製造方法。
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