JP4129217B2 - 超音波手術システム、その異常検知方法および異常検知プログラム - Google Patents

超音波手術システム、その異常検知方法および異常検知プログラム Download PDF

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Description

この発明は、超音波振動を応用して生体組織の凝固、切開または結石の破砕、吸引等の外科的な医療処置を行う超音波手術システム、その異常検知方法および異常検知プログラムに関するものである。
従来から、超音波振動子が組み込まれたハンドピースと該超音波振動子に接続されたプローブとを有し、超音波振動を伝達させたプローブを生体組織等に接触させ、該生体組織等に対して切開、切除、または吸引等の外科的な医療処置を行う超音波手術システムが開発されている。この超音波手術システムの超音波振動子から出力される超音波振動は、この超音波振動子の駆動制御を行って実現され、一般に、超音波振動子は、その共振周波数またはその近傍において駆動することが望ましい。
ここで、プローブの破損または血液等の付着、あるいはハンドピースの故障等の各種異常に起因して、超音波手術システムの振動系に過負荷がかかった場合、この超音波手術システムの超音波振動子は、その共振周波数またはその近傍において駆動することが困難になり、これによって、この超音波手術システムは、上述した医療処置を確実に行う機能が損なわれる。この場合、超音波手術システムは、超音波振動子の駆動を早期に停止し、または、術者に対する警告を行って、上述した各種異常の再発または悪化を防止する必要がある。このような技術に関し、ハンドピースに配置された記憶手段に異常判定基準または異常履歴等の情報が記憶され、このハンドピースに組み込まれた超音波振動子を駆動させる場合に、この記憶手段に記憶された情報をもとに、この超音波振動子の共振周波数を検出し、あるいは、このハンドピースの適用可否を判定する超音波手術システムがある(特許文献1参照)。
特開2002−360602号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された超音波手術システムでは、ハンドピースの記憶手段から読み出された情報をもとに異常が発生したか否かを判定しているので、プローブに対して超音波振動を出力する前に、ハンドピースの超音波振動子とプローブとの接続状態が異常か否かを判定し、または超音波振動子に接続したプローブと該超音波振動子を有するハンドピースとの組合せが適正か否かを判定し、この接続状態または組合せに関する異常を検知することは困難な場合が多い。また、超音波手術システムの異常履歴またはプローブの使用履歴等に関する情報がプローブ毎に記憶されないので、プローブ毎に異常履歴または使用履歴に関する情報を追跡することが困難になり、プローブに対して超音波振動を出力する前に、プローブの使用可否または異常等を判定することが困難になる。このため、超音波手術システムの異常を検知するまでに多大な時間がかかるだけでなく、手術の効率が低下するという問題点があった。
さらに、上述した特許文献1に記載された超音波手術システムでは、発生した異常の履歴情報がハンドピースの記憶手段のみに記憶されるので、異常発生後に、該異常の原因であるプローブを新規のプローブに交換し、またはこのプローブの状態を改善し、その後、超音波振動子の再駆動を試みても、この記憶手段に記憶された異常履歴情報が読み出され、該異常履歴情報によって超音波振動子の駆動が禁止される場合が多く、超音波振動子の駆動を迅速かつ効率よく再開することが困難であるという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プローブ毎に記憶された異常判定に関する各種情報とハンドピース毎に記憶された異常判定に関する各種情報とをもとに、ハンドピースに組み込まれた超音波振動子の駆動を制御するとともに異常発生を確実に検知でき、さらに、異常発生によって禁止された超音波振動子の駆動を迅速かつ効率よく再開できる超音波手術システム、その異常検知方法および異常検知プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる超音波手術システムは、超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を被処置体に伝達し、該被処置体に対する医療処置を行う超音波手術システムにおいて、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第1判定基準情報を記憶する第1記憶手段を有し、前記超音波振動子に接続され、該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブと、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第2判定基準情報を記憶する第2記憶手段と前記超音波振動子とを有するハンドピースと、前記第1の記憶手段から前記第1判定基準情報を読み取るとともに前記第2記憶手段から前記第2判定基準情報を読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、さらに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定した場合に前記超音波振動子の駆動を停止する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、プローブが、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第1判定基準情報を記憶する第1記憶手段を有し、前記超音波振動子に接続された場合に、該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達し、ハンドピースが、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第2判定基準情報を記憶する第2記憶手段と前記超音波振動子とを有し、制御手段が、前記第1の記憶手段から前記第1判定基準情報を読み取るとともに前記第2記憶手段から前記第2判定基準情報を読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、さらに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定した場合に前記超音波振動子の駆動を停止するようにし、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知し、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知し、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力を禁止し、これによって、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制し、システムの安全性を高めるとともに手術効率を高めた超音波手術システムを実現している。
また、請求項2にかかる超音波手術システムは、上記発明において、前記制御手段は、当該超音波手術システムに発生した異常の履歴情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記履歴情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、前記制御手段が、当該超音波手術システムに発生した異常の履歴情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記履歴情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させるようにし、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡可能にするとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定し、超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知している。
また、請求項3にかかる超音波手術システムは、上記発明において、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードと、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認するテストモードとを切り換える切換手段を備え、前記制御手段は、前記テストモードの場合、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認し、前記プローブに起因する異常および前記ハンドピースに起因する異常が無いことを確認した場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記履歴情報を消去するとともに、駆動停止した前記超音波振動子の再駆動を許可することを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、切換手段が、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードと、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認するテストモードとを切り換え、前記制御手段が、前記テストモードの場合、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認し、前記プローブに起因する異常および前記ハンドピースに起因する異常が無いことを確認した場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記履歴情報を消去するとともに、駆動停止した前記超音波振動子の再駆動を許可するようにし、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動できる超音波手術システムにしている。
また、請求項4にかかる超音波手術システムは、上記発明において、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力した出力時間を計時する計時手段を備え、前記制御手段は、前記計時手段から受信した前記出力時間に対応する出力時間情報をもとに前記プローブの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第1累積時間情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記出力時間情報をもとに前記ハンドピースの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第2累積時間情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させることを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、計時手段が、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力した出力時間を計時し、前記制御手段が、前記計時手段から受信した前記出力時間に対応する出力時間情報をもとに前記プローブの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第1累積時間情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記出力時間情報をもとに前記ハンドピースの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第2累積時間情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させるようにし、前記プローブの累積出力時間または前記ハンドピースの累積出力時間を追跡するとともに、前記プローブの累積出力時間または前記ハンドピースの累積出力時間が所定の規定時間を超えた場合に前記超音波振動子の駆動を確実に停止し、安全性を一層高めた超音波手術システムにしている。
また、請求項5にかかる超音波手術システムは、上記発明において、前記被処置体を前記プローブに押圧し、該被処置体に医療処置を行う押圧手段と、前記押圧手段と前記プローブとが接触した場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報をもとに前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知する導通検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知したこと示す検知情報を前記導通検知手段から受信した場合に、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定し、前記超音波振動子の駆動を停止することを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、押圧手段が、前記被処置体を前記プローブに押圧して該被処置体に医療処置を行い、導通検知手段が、前記押圧手段と前記プローブとが接触した場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報をもとに前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知し、前記制御手段が、前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知したこと示す検知情報を前記導通検知手段から受信した場合に、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定し、前記超音波振動子の駆動を停止するようにし、前記医療処置を行う場合に消耗する前記押圧手段に発生した異常を確実に検知し、前記押圧手段または前記プローブの破損を防止し、前記医療処置を安全に行える超音波手術システムにしている。
また、請求項6にかかる異常検知方法は、超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を被処置体に伝達し、該被処置体に対する医療処置を行う超音波手術システムに発生する異常を検知する異常検知方法おいて、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動前異常検知ステップと、前記駆動前異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知する駆動準備時異常検知ステップと、前記駆動準備異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動時異常検知ステップと、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記超音波振動子の駆動を停止させる駆動禁止ステップと、を含んだことを特徴とする。
この請求項6の発明によれば、駆動前異常検知ステップを行い、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に駆動準備時異常検知ステップを行い、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知し、前記駆動準備異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に駆動時異常検知ステップを行い、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に駆動禁止ステップを行い、前記超音波振動子の駆動を停止させるようにし、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知し、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知し、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力を禁止し、これによって、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制し、前記被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行えるようにしている。
また、請求項7にかかる異常検知方法は、上記発明において、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させる異常履歴情報記憶ステップを含んだことを特徴とする。
この請求項7の発明によれば、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に異常履歴情報記憶ステップを行い、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させるようにし、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡するとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定し、前記超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知している。
また、請求項8にかかる異常検知方法は、上記発明において、前記駆動禁止ステップによって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶ステップによって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換える第1モード切換ステップと、前記テストモードの場合に、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認する異常確認ステップと、前記異常確認ステップによって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止ステップによって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可する駆動禁止解除ステップと、前記テストモードから前記駆動モードに切り換える第2モード切換ステップと、を含んだことを特徴とする。
この請求項8の発明によれば、前記駆動禁止ステップによって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶ステップによって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に第1モード切換ステップを行い、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換え、前記テストモードの場合に異常確認ステップを行い、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認し、前記異常確認ステップによって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に駆動禁止解除ステップを行い、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止ステップによって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可し、その後、第2モード切換ステップを行い、前記テストモードから前記駆動モードに切り換えるようにし、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動させている。
また、請求項9にかかる異常検知プログラムは、超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を被処置体に伝達し、該被処置体に対する医療処置を行う超音波手術システムに発生する異常を検知する異常検知プログラムおいて、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動前異常検知手順と、前記駆動前異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知する駆動準備時異常検知手順と、前記駆動準備異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動時異常検知手順と、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記超音波振動子の駆動を停止させる駆動禁止手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この請求項9の発明によれば、駆動前異常検知手順を実行して、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、駆動準備時異常検知手順を実行して、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知し、前記駆動準備異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、駆動時異常検知手順を実行して、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、駆動禁止手順を実行して、前記超音波振動子の駆動を停止させるようにし、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知し、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知し、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力を禁止し、これによって、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制し、前記被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行えるようにしている。
また、請求項10にかかる異常検知プログラムは、上記発明において、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させる、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させる異常履歴情報記憶手順をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この請求項10の発明によれば、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、異常履歴情報記憶手順を実行して、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させるようにし、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡するとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定し、前記超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知している。
また、請求項11にかかる異常検知プログラムは、上記発明において、前記駆動禁止手順によって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶手順によって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換える第1モード切換手順と、前記テストモードの場合に、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認する異常確認手順と、前記異常確認手順によって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止手順によって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可する駆動禁止解除手順と、前記テストモードから前記駆動モードに切り換える第2モード切換手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この請求項11の発明によれば、前記駆動禁止手順によって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶手順によって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に第1モード切換手順を実行して、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換え、前記テストモードの場合に異常確認手順を実行して、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認し、前記異常確認手順によって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に駆動禁止解除手順を実行して、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止手順によって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可し、その後、第2モード切換手順を実行して、前記テストモードから前記駆動モードに切り換えるようにし、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動させている。
請求項1の発明によれば、プローブが、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第1判定基準情報を記憶する第1記憶手段を有し、前記超音波振動子に接続された場合に、該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達し、ハンドピースが、当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第2判定基準情報を記憶する第2記憶手段と前記超音波振動子とを有し、制御手段が、前記第1の記憶手段から前記第1判定基準情報を読み取るとともに前記第2記憶手段から前記第2判定基準情報を読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、さらに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定した場合に前記超音波振動子の駆動を停止しているので、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知でき、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知でき、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力が禁止され、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制でき、システムの安全性を高めるとともに手術効率を高めた超音波手術システムを実現できるという効果を奏する。この超音波手術システムを用いることによって、術者は、前記被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行うことができる。
また、請求項2の発明によれば、前記制御手段が、当該超音波手術システムに発生した異常の履歴情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記履歴情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させるので、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡できるとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定でき、超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知できるという効果を奏する。
また、請求項3の発明によれば、切換手段が、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードと、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認するテストモードとを切り換え、前記制御手段が、前記テストモードの場合、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認し、前記プローブに起因する異常および前記ハンドピースに起因する異常が無いことを確認した場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記履歴情報を消去するとともに、駆動停止した前記超音波振動子の再駆動を許可するので、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動できる超音波手術システムを実現できるという効果を奏する。
また、請求項4の発明によれば、計時手段が、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力した出力時間を計時し、前記制御手段が、前記計時手段から受信した前記出力時間に対応する出力時間情報をもとに前記プローブの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第1累積時間情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記出力時間情報をもとに前記ハンドピースの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第2累積時間情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させるので、前記プローブの累積出力時間または前記ハンドピースの累積出力時間を追跡できるとともに、前記プローブの累積出力時間または前記ハンドピースの累積出力時間が所定の規定時間を超えた場合に前記超音波振動子の駆動を確実に停止でき、安全性を一層高めた超音波手術システムを実現できるという効果を奏する。
また、請求項5の発明によれば、押圧手段が、前記被処置体を前記プローブに押圧して該被処置体に医療処置を行い、導通検知手段が、前記押圧手段と前記プローブとが接触した場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報をもとに前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知し、前記制御手段が、前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知したこと示す検知情報を前記導通検知手段から受信した場合に、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定し、前記超音波振動子の駆動を停止するので、前記医療処置を行う場合に消耗する前記押圧手段に発生した異常を確実に検知でき、これによって、前記押圧手段または前記プローブの破損を防止でき、前記医療処置を安全に行える超音波手術システムを実現できるという効果を奏する。
また、請求項6の発明によれば、駆動前異常検知ステップを行い、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に駆動準備時異常検知ステップを行い、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知し、前記駆動準備異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に駆動時異常検知ステップを行い、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に駆動禁止ステップを行い、前記超音波振動子の駆動を停止させるので、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知でき、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知でき、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力を禁止し、これによって、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制でき、前記被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行うことができるという効果を奏する。
また、請求項7の発明によれば、前記駆動前異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に異常履歴情報記憶ステップを行い、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させるので、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡できるとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定し、前記超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知できるという効果を奏する。
また、請求項8の発明によれば、前記駆動禁止ステップによって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶ステップによって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に第1モード切換ステップを行い、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換え、前記テストモードの場合に異常確認ステップを行い、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認し、前記異常確認ステップによって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に駆動禁止解除ステップを行い、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止ステップによって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可し、その後、第2モード切換ステップを行い、前記テストモードから前記駆動モードに切り換えるので、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動でき、前記被処置体に対する医療処置を効率よく行えるという効果を奏する。
また、請求項9の発明によれば、駆動前異常検知手順を実行して、前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とをもとに、前記超音波振動子が駆動する前に当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、駆動準備時異常検知手順を実行して、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知し、前記駆動準備異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、駆動時異常検知手順を実行して、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定し、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、駆動禁止手順を実行して、前記超音波振動子の駆動を停止させるので、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力する前に前記プローブと前記超音波振動子との接続状態または組合せに関する異常を検知でき、さらに、前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力している間に当該超音波手術システムに発生した異常を早期に検知でき、異常を検知した場合に前記超音波振動の出力を禁止し、これによって、前記プローブまたは前記ハンドピースにかかる負荷を低減して前記プローブまたは前記ハンドピースの劣化を抑制でき、前記被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行うことができるという効果を奏する。
また、請求項10の発明によれば、前記駆動前異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、異常履歴情報記憶手順を実行して、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させるので、前記プローブ毎または前記ハンドピース毎に前記履歴情報を追跡できるとともに、前記第1記憶手段または前記第2記憶手段から読み取られた前記履歴情報をもとに異常か否かを判定し、前記超音波振動子が超音波振動を出力する前に前記プローブに起因する異常または前記ハンドピースに起因する異常を確実に検知できるという効果を奏する。
また、請求項11の発明によれば、前記駆動禁止手順によって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶手順によって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に第1モード切換手順を実行して、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換え、前記テストモードの場合に異常確認手順を実行して、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認し、前記異常確認手順によって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に駆動禁止解除手順を実行して、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止手順によって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可し、その後、第2モード切換手順を実行して、前記テストモードから前記駆動モードに切り換えるので、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動停止された前記超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動でき、前記被処置体に対する医療処置を効率よく行えるという効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる超音波手術システム、その異常検知方法および異常検知プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、この発明にかかる超音波手術システムとして、生体組織等の被処置体を切開するシザース型の超音波手術システムを例示した場合について説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である超音波手術システムの概略構成を例示する模式図である。図1において、超音波手術システム10は、制御装置本体1と、ハンドピース2と、プローブ3と、シース4と、フットスイッチ5とを有する。制御装置本体1には、電源スイッチ1a、コネクタ1b、テストスイッチ1c、表示部1d、アップスイッチ1e、およびダウンスイッチ1fが設けられる。ハンドピース2には超音波振動子(図示せず)が内蔵され、プローブ3は、この超音波振動子に螺子締結される。シース4は、その内部にプローブ3を挿入するとともにハンドピース2に着脱自在に接続される。この場合、シース4は、被処置体に医療処置を行うプローブ3先端をシース4先端から露出させるように、プローブ3を覆う。フットスイッチ5は、ペダル5a,5bが設けられ、ケーブル6を介して制御装置本体1に電気的に接続される。また、ハンドピース2は、一端にプラグ8が設けられたケーブル7を有し、ケーブル7の他端は、ハンドピース2に内蔵された超音波振動子と電気的に接続される。ハンドピース2は、プラグ8を制御装置本体1のコネクタ1bに接続した場合に、制御装置本体1と電気的に接続される。
制御装置本体1は、電源スイッチ1aを操作して電源投入がなされた場合、フットスイッチ5のペダル5a,5bによって入力された指示に基づき、ハンドピース2に内蔵された超音波振動子の出力設定情報をもとめ、または、得られた出力設定情報をもとに該超音波振動子の駆動制御を行って、該超音波振動子に所望の超音波振動を出力させる。また、制御装置本体1は、アップスイッチ1eまたはダウンスイッチ1fの操作によって、ハンドピース2に内蔵された超音波振動子の出力設定情報を調整することができる。
ハンドピース2の超音波振動子は、制御装置本体1による駆動制御のもと、プローブ3に所望の超音波振動を出力する。プローブ3は、チタンまたはその合金によって実現され、ハンドピース2の超音波振動子から出力された超音波振動をプローブ3先端まで伝達する。
シース4は、ジョー4a、グリップ4b、および軸4cを有する。ジョー4aは、グリップ4bの操作によって、軸4cを支点としてプローブ3先端に対する開閉動作を行い、プローブ3先端に被処置体を押圧する。ここで、プローブ3先端に所望の超音波振動を伝達させた場合、ジョー4aは、グリップ4の操作による開閉動作を行って、プローブ3先端に被処置体を押圧するとともに該被処置体に超音波振動を伝達させ、これによって、該被処置体に対する切開等の医療処置を達成する。すなわち、ジョー4aは、プローブ3先端に被処置体を押圧する押圧手段として機能する。
つぎに、ハンドピース2、プローブ3、およびシース4の配置状態について詳細に説明する。図2は、ハンドピース2に内蔵された超音波振動子とプローブとの接続状態、およびプローブ3を挿入したシース4とハンドピース2との接続状態を例示する模式図である。なお、図2には、プローブ3によって伝達される超音波振動の波形も例示する。
図2において、ハンドピース2には、超音波振動子2aおよび記憶部2bが内蔵され、
超音波振動子2aは、締結部2cによってプローブ3と螺子締結される。プローブ3には、締結部2c近傍に開口部3aが設けられ、開口部3a内部には記憶部3bが配置される。超音波振動子2aおよび記憶部2bは、ケーブル7と電気的に接続され、記憶部3bは、プローブ3が超音波振動子2aに螺子締結された場合、ハンドピース2に設けられた配線を介してケーブル7と電気的に接続される。したがって、プラグ8が制御装置本体1のコネクタ1bに接続された場合、超音波振動子2aおよび記憶部2bは、ケーブル7を介して制御装置本体1と電気的に接続され、記憶部3bは、ハンドピース2およびケーブル7を介して制御装置本体1と電気的に接続される。超音波振動子2aは、PZT等の圧電セラミックを用いて実現され、制御装置本体1と電気的に接続された場合、上述したように、制御装置本体1に駆動制御される。この制御装置本体1による駆動制御によって、超音波振動子2aは、締結部2cを介してプローブ3に所望の超音波振動を出力できる。
一方、シース4は、上述したように、プローブ3を挿入するとともにハンドピース2に接続される。この場合、プローブ3の外壁の所望位置には、所望数量のシール材4dが配置され、プローブ3は、シール材4dを介してシース4に着脱自在に支持される。ここで、超音波振動子2aが締結部2cを介してプローブ3に超音波振動を出力した場合、プローブ3には、この超音波振動に対応する縦波(定在波)が発生する。図2に示すように、プローブ3に発生する定在波の波形の位相は、プローブ3の締結部2c近傍からプローブ3先端までの距離、すなわち、プローブ3上の位置に対応する。この場合、プローブ3に発生する定在波は、シール材4dを介してプローブ3をシース4に支持する位置において節を呈し、被処置体に対する医療処置を行うプローブ3先端において腹を呈する。すなわち、シール材4dは、この定在波がプローブ3先端において腹を呈するように配置され、これによって、プローブ3は、その先端に所望の超音波振動を確実に伝達できる。
なお、シール材4dの配置数量は、プローブ3がシース4に確実に支持される程度であればよく、望ましくは、シール材4d同士が、等間隔で配置される。この場合、超音波振動に起因するプローブ3の曲がりまたはぶれ等の現象が抑制され、これによって、プローブ3にかかる負荷を軽減するとともに、安定した超音波振動を伝達することができる。また、シール材4dとして、シリコーンまたはゴム等の各種樹脂によって構成されるOリング等を用いることができる。
図3は、プローブ3の開口部3aに配置された記憶部3bの配置状態を例示する縦断面模式図である。図3において、記憶部3bは、プローブ3の外壁に接触するシール材4dの内周側に位置する開口部3aに配置され、緩衝材3cを介して、プローブ3の内壁に固定される。すなわち、記憶部3bが配置される部分は、プローブ3に発生する定在波の節に対応する。
ここで、超音波振動が伝達されたプローブ3は、プローブ3に発生する定在波の節の位置において、超音波振動による変位量が最小であり、かつ、超音波振動による応力が最も集中する。緩衝材3cは、ゴム等の弾性体またはビニル系やウレタン系等の各種樹脂を単独または組み合わせて実現され、上述したようにプローブ3の内壁に記憶部3bを固定するとともに、記憶部3bにかかる超音波振動による応力の集中を緩和する。また、記憶部3bとハンドピース2とを電気的に接続する配線(図示せず)は、緩衝材3c上に設けることが望ましく、これによって、この配線にかかる応力を軽減し、断線等の不具合を防止することができる。さらに、この配線または記憶部3bが、樹脂テープ等によって構成されるフレキシブル基板を用いて実現された場合、この配線または記憶部3bにかかる応力の更なる緩和を図ることができる。また、記憶部3bは、プローブ3の横断面の中心軸を含む平面上に配置されることが望ましく、これによって、超音波振動に起因するプローブ3の曲がりまたはぶれ等の現象を抑制し、プローブ3にかかる負荷を軽減することができる。
つぎに、この発明の実施の形態1である超音波手術システムの基本的なシステム構成について詳細に説明する。図4は、超音波手術システム10の基本的なシステム構成を例示するブロック図である。図4において、超音波手術システム10は、上述したように、制御装置本体1と、制御装置本体1にケーブル6を介して電気的に接続されるフットスイッチ5と、プラグ8とコネクタ1bとを接続した場合に制御装置本体1とケーブル7を介して電気的に接続されるハンドピース2と、締結部2cによって超音波振動子2aと螺子締結されるプローブ3とを有する。
制御装置本体1は、上述したように、電源スイッチ1a、テストスイッチ1c、表示部1d、アップスイッチ1e、およびダウンスイッチ1fを有し、さらに、スイッチ検知部11、情報送受信部13、出力制御部14、計時部15、制御部16、音源回路17a、増幅回路17b、スピーカ17c、および表示回路18を有する。スイッチ検知部11には、ペダル5a,5b、電源スイッチ1a、テストスイッチ1c、アップスイッチ1e、およびダウンスイッチ1fが電気的に接続される。制御部16は、情報送受信部13、出力制御部14、音源回路17a、増幅回路17b、および表示回路18を制御し、スイッチ検知部11が電気的に接続される。情報送受信部13は、記憶部2b,3bと電気的に接続される。出力制御部14は、超音波振動子2aと電気的に接続される。ただし、出力制御部14と超音波振動子2aとの電気的接続は、超音波手術システム10の制御電位と患者電位とを絶縁するように、出力制御部14の並列コイル(図示せず)を介して実現される。音源回路17aは増幅回路17bと電気的に接続され、増幅回路17bはスピーカ17cと電気的に接続される。表示回路18は、表示部1dと電気的に接続される。
スイッチ検知部11は、電源スイッチ1aから入力されるスイッチオンまたはスイッチオフの各情報を常時読み取るように設定され、電源スイッチ1aによるスイッチオンの情報を受信した場合に、ペダル5a,5b、テストスイッチ1c、アップスイッチ1e、またはダウンスイッチ1fから入力されるスイッチオンまたはスイッチオフの各情報を常時読み取るように設定される。スイッチ検知部11は、電源スイッチ1aからスイッチオンの情報が入力された場合、すなわち、電源スイッチ1aの操作によって制御装置本体1に電源投入がなされた場合、電源スイッチ1aがオン状態であることを検知し、その後、記憶部2b,3bに記憶された出力制御情報および判定基準情報を読み取る指示信号(情報読取指示信号)を制御部16に送出する。また、スイッチ検知部11は、ペダル5a,5bからスイッチオンの情報が入力された場合、この情報に対応する所定の制御開始を指示する信号を制御部16に送出し、ペダル5a,5bからスイッチオフの情報が入力された場合、この情報に対応する所定の制御停止を指示する信号を制御部16に送出する。たとえば、ペダル5aから入力されるスイッチオンの情報が、プローブ3を接続した超音波振動子2aの共振周波数の検出と駆動電流値および駆動電圧値の設定とを行う出力設定制御に対応し、ペダル5bから入力されるスイッチオンの情報が、検出した共振周波数と設定した駆動電流値および駆動電圧値とによる超音波振動子2aの駆動制御(振動子駆動制御)に対応する場合、スイッチ検知部11は、ペダル5aから入力されたスイッチオンの情報をもとに、出力設定制御を開始する指示信号(設定開始指示信号)を制御部16に送出し、ペダル5aから入力されたスイッチオフの情報をもとに、出力設定制御を停止する指示信号(設定停止指示信号)を制御部16に送出する。また、スイッチ検知部11は、ペダル5bから入力されたスイッチオンの情報をもとに、振動子駆動制御を開始する指示信号(駆動開始指示信号)を制御部16に送出し、ペダル5bから入力されたスイッチオフの情報をもとに、振動子駆動制御を停止する指示信号(駆動停止指示信号)を制御部16に送出する。
また、スイッチ検知部11は、テストスイッチ1cからスイッチオンの情報が入力された場合、制御部16による制御モードを超音波手術システム10の異常有無を検査するテストモードに切り換える指示信号(テストモード切換信号)を制御部16に送出し、テストスイッチ1cからスイッチオフの情報が入力された場合、制御部16による制御モードを上述した出力設定制御または振動子駆動制御を行う駆動モードに切り換える指示信号(駆動モード切換信号)を制御部16に送出する。さらに、スイッチ検知部11は、アップスイッチ1eからスイッチオンの情報が入力された場合、駆動電流値または駆動電圧値等の出力設定値を所定数値増加させる指示信号(設定増指示信号)を制御部16に送出し、ダウンスイッチ1fからスイッチオンの情報が入力された場合、駆動電流値または駆動電圧値等の出力設定値を所定数値減少させる指示信号(設定減指示信号)を制御部16に送出する。また、スイッチ検知部11が、アップスイッチ1eによるスイッチオンの情報とダウンスイッチ1fによるスイッチオンの情報とを同時に受信した場合、スピーカ17cからの出力音の音量設定または音色設定を開始する指示信号(音設定開始信号)を送出する。
なお、スイッチ検知部11は、アップスイッチ1eおよびダウンスイッチ1fがともに、所定の規定時間(たとえば1秒程度)以上継続してスイッチオン状態であることを検知した場合に、アップスイッチ1eによるスイッチオンの情報とダウンスイッチ1fによるスイッチオンの情報とを同時に受信したと認識し、制御部16に音設定指示信号を送出するのが望ましく、これによって、上述した出力設定値の変更または出力音の設定のための各操作を明確に区別できるとともに各操作を確実に行うことができる。
情報送受信部13は、スイッチ検知部11が制御部16に情報読取指示信号を送出した場合に、制御部16の制御のもと、記憶部2b,3bから出力制御情報と判定基準情報とを読み取る。この場合、情報送受信部13は、記憶部3bに記憶されたプローブ出力制御情報および第1判定基準情報と記憶部2bに記憶された振動子出力制御情報および第2判定基準情報とを読み取る。情報送受信部13は、読み取ったプローブ出力制御情報、振動子出力制御情報、第1判定基準情報、および第2判定基準情報をそれぞれ所定のデジタルコードに変換し、その後、所定のデジタルコードに変換した各情報を制御部16に送出する。これによって、制御部16は、記憶部3bに記憶されたプローブ出力制御情報および第1判定基準情報と記憶部2bに記憶された振動子出力制御情報および第2判定基準情報とを読み取る情報読取処理を達成する。また、超音波手術システム10に発生した異常の履歴に関する異常履歴情報が、上述した第1判定基準情報として記憶部3bに記憶され、または、上述した第2判定基準情報として記憶部2bに記憶された場合、情報送受信部13は、制御部16の制御のもと、第1判定基準情報として記憶部3bから異常履歴情報を読み取り、または、第2判定基準情報として記憶部2bから異常履歴情報を読み取る。
ここで、上述した出力制御情報は、プローブ3による超音波出力特性に関するパラメータであるプローブ出力制御情報と超音波振動子2による超音波出力特性に関するパラメータである振動子出力制御情報とからなる。たとえば、プローブ出力制御情報は、プローブ3の駆動周波数、振幅拡大率、昇圧比、または定格電圧値等を含み、振動子出力制御情報は、超音波振動子2の駆動周波数、電流振幅比、昇圧比、または定格電圧値等を含む。また、駆動周波数は、共振周波数を検出するための周波数掃引処理を行う基準周波数に対応する周波数パラメータである。電流振幅比および振幅拡大率は、所望振幅の超音波振動を出力する駆動電流の値を設定する駆動電流パラメータを演算出力するための演算パラメータである。昇圧比は、プローブおよび超音波振動子のインピーダンス特性に依存する駆動電圧の値を設定する電圧制御パラメータである。定格電圧値は、超音波振動子の駆動制御を行う制御信号の最大出力電圧値を設定するパラメータである。
また、上述した判定基準情報は、プローブ3に起因する超音波手術システム10の異常が発生したか否かの判定基準である第1判定基準情報とハンドピース2に起因する超音波手術システム10の異常が発生したか否かの判定基準である第2判定基準情報とからなる。たとえば、第1判定基準情報は、第1累積出力時間、第1出力制限時間、上限周波数および下限周波数、公称周波数および周波数偏差制限値、駆動電圧上限値、または駆動電流上限値および駆動電流下限値等を含み、第2判定基準情報は、第2累積出力時間、第2出力制限時間、上限周波数および下限周波数、公称周波数および周波数偏差制限値、駆動電圧上限値、駆動電流上限値および駆動電流下限値、または静電容量制限値等を含む。また、上限周波数および下限周波数は、上述した周波数掃引処理を行う駆動周波数の掃引範囲を制限する値である。公称周波数は、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数に対応し、周波数偏差制限値は、上述した周波数掃引処理によって検出された共振周波数と公称周波数との偏差の絶対値を制限する値である。駆動電圧上限値は、駆動電圧値の上限を設定し、プローブ3またはハンドピース2の過負荷に起因する異常に関する判定基準値である。駆動電流上限値は、駆動電流値の上限を設定し、プローブ3またはハンドピース2の過出力に起因する異常に関する判定基準値である。駆動電流下限値は、駆動電流値の下限を設定し、プローブ3またはハンドピース2の過負荷に起因する異常に関する判定基準値である。静電容量制限値は、ハンドピース2の温度変化に依存するハンドピース2の静電容量を制限する値である。第1累積出力時間は、プローブ3に超音波振動を出力した累積時間であり、第1出力制限時間は、第1累積出力時間の制限値である。第2累積出力時間は、ハンドピース2の超音波振動子2aが超音波振動を出力した累積時間であり、第2出力制限時間は、第2累積出力時間の制限値である。
また、情報送受信部13は、制御部16が送出した異常履歴情報、第1累積出力時間に対応する第1累積時間情報、または第2累積出力時間に対応する第2累積時間情報を受信した場合、制御部16の制御のもと、受信した異常履歴情報を第1判定基準情報として記憶部3bに記憶させ、受信した異常履歴情報を第2判定基準情報として記憶部2bに記憶させ、受信した第1累積時間情報を第1判定基準情報として記憶部3bに記憶させ、あるいは、受信した第2累積時間情報を第2判定基準情報として記憶部2bに記憶させる。これによって、制御部16は、上述したように、異常履歴情報を記憶部2bまたは記憶部3bに記憶し、第1累積時間情報を記憶部3に記憶し、あるいは第2累積時間情報を記憶部2bに記憶することができ、さらに、既に記憶部2bまたは記憶部3bに記憶された異常履歴情報、既に記憶部3に記憶された第1累積時間情報、あるいは既に記憶部2に記憶された第2累積時間情報を更新することができる。この場合、制御部16は、情報送受信部13を介して、超音波手術システム10に異常がないことを示す異常履歴情報を記憶部2bまたは記憶部3bに送出した場合、記憶部2bまたは記憶部3bに記憶された異常履歴情報を消去することができる。
なお、記憶部2b,3bとして、EPROMまたはEEPROM等の再書き込み処理が可能な不揮発性メモリを用いることができる。また、記憶部2b,3bと情報送受信部13との各種情報の送受信は、シリアル通信によって行われることが望ましく、これによって、記憶部2b,3bと情報送受信部13との情報通信の配線数量が増大することを抑制できる。
出力制御部14は、DDS(Direct Digital Synthesizer)等を有するデジタル方式による位相同期回路等を用いて実現される。出力制御部14は、制御部16が送出した基準周波数信号S1をもとに周波数掃引処理を行って、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数を検出し、超音波振動子2aが該共振周波数またはその近傍の周波数による超音波振動をプローブ3に出力するようにPLL制御を行うとともに、制御部16が送出した電流電圧設定信号S2をもとに駆動電流値および駆動電圧値を設定し、超音波振動子2aに電気エネルギーを供給する駆動信号の電流値が所望の駆動電流値になるように定電流制御を行う。この場合、出力制御部14は、設定した駆動電流値および駆動電圧値を有し、検出した共振周波数またはその近傍の周波数にて発振した駆動信号S5を超音波振動子2aに送出する。これによって、出力制御部14は、所望振幅の超音波振動を共振周波数にて出力するように、超音波振動子2aの駆動制御を行うことができる。
また、出力制御部14は、周波数掃引処理によって得られた出力周波数を検出し、該出力周波数に対応する検出周波数信号S3を制御部16に送出し、電流電圧設定信号S2をもとに設定した駆動電流値および駆動電圧値を検出し、検出した駆動電流値および駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4を制御部16に送出する。ただし、ここでいう出力周波数は、出力制御部14が駆動周波数を基準周波数として周波数掃引処理を行った場合に、共振周波数を検出または追尾するために該駆動周波数を上昇または下降させて得られた周波数である。したがって、出力周波数は、出力制御部14がPLL制御を行う場合、超音波振動子2aの共振周波数またはその近傍の周波数になる。
計時部15は、超音波振動子2aがプローブ3に超音波振動を出力した出力時間を計時するタイマー機能を備えて実現される。計時部15は、制御部16が出力制御部14に対して上述した出力設定制御または振動子駆動制御を行った場合に超音波振動子2aによってプローブ3に超音波振動が出力された出力時間を計時する。たとえば、計時部15は、制御部16がスイッチ検知部11から設定開始指示信号または駆動開始指示信号を受信した場合に出力時間の計時処理を開始し、制御部16がスイッチ検知部11から設定停止指示信号または駆動停止指示信号を受信した場合に、あるいは異常発生に起因して制御部16が超音波振動子2aの駆動を停止した場合に、出力時間の計時処理を停止する。その後、計時部15は、この計時処理の開始から停止までに計時された出力時間に対応する出力時間情報を制御部16に送出する。また、計時部15は、制御部16の制御のもと、上述したテストモードの場合に超音波振動子2aがプローブ3に超音波振動を出力した出力時間を計時し、計時した出力時間を出力時間情報として制御部16に送出してもよい。
制御部16は、処理プログラム等の各種データが記憶されたROM(Read Only Memory)および出力設定情報または判定基準情報等の各種情報を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)によって構成された記憶部16aと、ROMに記憶された処理プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等を用いて実現され、異常判定部16bおよび情報生成部16cを有する。なお、制御部16のCPUは、記憶部16aのROMに記憶された処理プログラムを読み出した後、該処理プログラムを実行することによって、後述する制御部16、異常判定部16b、または情報生成部16cによる各処理を達成し、超音波手術システム10の各機能を実現する。
制御部16は、スイッチ検知部11から情報読取指示信号を受信した場合、記憶部2b,3bから出力制御情報および判定基準情報を読み取るように情報送受信部13を制御する。制御部16が、上述したように、情報送受信部13を介して記憶部2b,3bから出力制御情報および判定基準情報を読み取った場合、情報生成部16cは、出力制御情報として読み取られたプローブ出力制御情報および振動子出力制御情報をもとに、駆動周波数、駆動電流パラメータ、または昇圧比等を演算出力し、制御部16は、得られた各パラメータを出力設定情報として記憶部16aに記憶する。また、制御部16は、読み取った判定基準情報を記憶部16aに記憶する。
なお、出力設定情報は、上述したように、超音波振動子2aから所望の超音波振動をプローブ3に出力するように駆動制御するための情報であり、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数を検出するための周波数掃引処理の基準周波数に対応する駆動周波数、超音波振動子2aから所望振幅の超音波振動を出力させるための駆動電流値を設定する駆動電流パラメータ、または、設定した駆動電流値を一定にする定電流制御を行うための駆動電圧値を設定する昇圧比等を含む。
また、制御部16は、スイッチ検知部11から設定開始信号を受信した場合、記憶部16aに記憶した出力設定情報をもとに出力制御部14を制御し、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数を検出する周波数掃引処理と駆動電流値および駆動電圧値の設定とを行う。この場合、制御部16は、記憶部16aに記憶した駆動周波数に対応する基準周波数信号S1と駆動電流パラメータおよび昇圧比に対応する電流電圧設定信号S2とを出力制御部14に送出する。その後、制御部16は、出力制御部14の周波数掃引処理によって得られた出力周波数に対応する検出周波数信号S3を受信し、受信した検出周波数信号S3に対応する周波数情報を出力設定情報として記憶部16aに記憶する。さらに、制御部16は、出力制御部14が設定した駆動電流値および駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4を受信し、受信した検出電流電圧信号S4に対応する駆動電流値または駆動電圧値に関する各情報を出力設定情報として記憶部16aに記憶する。この場合、制御部16は、この周波数情報と駆動電流値または駆動電圧値に関する各情報とを出力設定情報として用いることができる。その後、制御部16は、スイッチ検知部11から設定停止指示信号を受信した場合、上述した出力設定制御を停止する。この場合、制御部16は、出力制御部14によってPLL制御がなされるとともに駆動電流値および駆動電圧値が設定されていれば、駆動開始指示信号による振動子駆動制御の開始指示を受け付けることができる。
さらに、制御部16は、スイッチ検知部11から駆動開始信号を受信した場合、記憶部16aに記憶した出力設定情報をもとに、出力制御部14に対して振動子駆動制御を行う。これによって、超音波振動子2aは、所望振幅の超音波振動をプローブ3に出力するように駆動制御される。この場合、超音波振動子2aから出力された超音波振動は、締結部2cを介してプローブ3に伝達され、術者は、所望振幅の超音波振動が伝達されたプローブ3を用いて被処置体に対する切開等の医療処置を行うことができる。その後、制御部16は、スイッチ検知部11から駆動停止指示信号を受信した場合、超音波振動子2aの駆動を停止するように出力制御部14を制御する。なお、制御部16が駆動停止指示信号を受信して超音波振動子2aを駆動停止した場合、情報生成部16cは、記憶部16aに記憶した最新の出力設定情報に対応する出力制御情報を生成し、情報送受信部13を介して、生成した出力制御情報を記憶部2b,3bに送信してもよい。これによって、制御部16は、記憶部2b,3bに予め記憶した出力制御情報を更新することができる。
また、制御部16は、上述した出力設定制御または振動子駆動制御を行って、超音波振動子2aから超音波振動を出力させている場合に、出力音または出力表示を用いて、超音波振動子2aから超音波振動が出力されていることを術者に告知することができる。この場合、制御部16は、表示回路18に所定の表示指示信号を送出し、超音波振動子2aが超音波振動を出力していることを示す出力表示を表示部1dに出力してもよいし、音源回路17aに所定の音指示信号を送出し、超音波振動子2aが超音波振動を出力していることを示す出力音をスピーカ17cから出力してもよい。ここで、制御部16は、スイッチ検知部11から音設定開始信号を受信した場合、出力設定値を所定数増加または減少させる出力調整モードから出力音の音量設定または音色設定を行う音調整モードにモード切換を行う。音調整モードにおいて、制御部16は、設定増指示信号を受信した場合に、音色を変更する指示信号を音源回路17aに送出し、または、音量を増加する指示信号を増幅回路17bに送出する。同様に、制御部16は、設定減指示信号を受信した場合に、音色を変更する指示信号を音源回路17aに送出し、または、音量を減少する指示信号を増幅回路17bに送出する。これによって、音源回路17aは所望の音色を出力するように設定され、または、増幅回路17bは所望の音量の出力音を出力するように設定される。この場合、音源回路17aは、所望音色の音源に対応する音源信号を増幅回路17bに送出し、増幅回路17bは、制御部16から受信した音量に関する指示信号と音源回路17aから受信した音源信号とを混合または増幅し、所望音量および所望音色の出力音に対応する信号をスピーカ17cに送出する。スピーカ17cは、増幅回路17bから受信した信号をもとに、所望音量および所望音色の出力音を出力する。一方、制御部16は、スピーカ17cから出力される出力音の音色または音量に関する設定情報を表示部1dに表示するように表示回路18を制御してもよい。
その後、スイッチ検知部11が、アップスイッチ1eによるスイッチオンの情報とダウンスイッチ1fによるスイッチオンの情報とを再度同時に検知した場合、あるいは、アップスイッチ1eによるスイッチオンの情報またはダウンスイッチ1fによるスイッチオンの情報を所定の規定時間(たとえば10秒程度)以上検知しなかった場合、制御部16は、音調整モードから出力調整モードにモード切換を行う。出力調整モードにおいて、制御部16は、設定増指示信号を受信した場合に、上述した出力設定値を増加させるとともに、増加させた出力設定値に対応する情報を表示部1dに表示するように表示回路18を制御する。同様に、制御部16は、設定減指示信号を受信した場合に、上述した出力設定値を減少させるとともに、減少させた出力設定値に対応する情報を表示部1dに表示するように表示回路18を制御する。なお、表示部1dは、文字、記号、または英数字等を単独または組合せた出力表示を出力してもよいし、音量を示すLEDを用いた出力表示を出力してもよい。
異常判定部16bは、上述した情報読取処理の結果等をもとに、超音波振動子2aを駆動する前に超音波手術システム10に発生する異常(駆動前異常)の有無を判定し、また、情報送受信部13を介して記憶部2b,3bから読み取られた判定基準情報等をもとに、制御部16が上述した出力設定制御を行っている場合に超音波手術システム10に発生する異常(駆動準備時異常)の有無を判定し、さらに、この判定基準情報等をもとに、制御部16が上述した振動子駆動制御を行っている場合に超音波手術システム10に発生する異常(駆動時異常)の有無を判定する。ここで、駆動前異常には、プローブ3と超音波振動子2aとの接続またはハンドピース2と制御装置本体1との接続が的確に行われていない接続異常、あるいは、ハンドピース2とプローブ3との組合せが適正ではない組合せ異常がある。駆動準備時異常には、ハンドピース2の電気配線の断線、プローブ3の破損、プローブ3に対する血液等の生体組織付着等に起因して超音波手術システム10の振動系に過負荷がかかるために発生する周波数異常がある。駆動時異常には、超音波振動子2aによる超音波振動の過出力またはハンドピース2の電気配線の断線やプローブ3の破損等に起因する過負荷によって発生する駆動電流異常、ハンドピース2の電気配線の断線やプローブ3の破損等に起因して駆動電圧値が飽和し、超音波振動子2aに対する電気エネルギー供給を困難にする駆動電圧異常、超音波振動子2aの累積出力時間またはプローブの累積出力時間が所定の制限時間以上である累積時間異常、ハンドピース2が過剰に温度上昇したハンドピース温度異常、プローブ3が過剰に温度上昇したプローブ温度異常、または上述した周波数異常がある。なお、駆動前異常として検知される組合せ異常は、ハンドピース2またはプローブ3に異常履歴情報がある場合、あるいは、超音波振動子2aの累積出力時間またはプローブの累積出力時間が所定の制限時間以上である場合も含む。
異常判定部16bが、超音波手術システム10に駆動前異常、駆動準備時異常、または駆動時異常が有ると判定した場合、制御部16は、超音波手術システム10に発生した駆動前異常、駆動準備時異常、または駆動時異常を検知する。この場合、制御部16は、超音波振動子2aの駆動を停止するとともに、スイッチ検知部11から受信した設定開始指示信号または駆動開始指示信号による指示の受付を禁止し、これによって、超音波振動子2aによる超音波振動の出力を禁止し、さらに、検知した異常に対応する出力音を出力指示する信号を音源回路17aまたは増幅回路17bに送出し、あるいは、検知した異常に対応する出力表示を出力指示する信号を表示回路18に送出し、超音波手術システム10に駆動前異常、駆動準備時異常、または駆動時異常が発生したことを術者に告知する(駆動禁止処理)。
情報生成部16cは、上述したように、出力制御情報として読み取られたプローブ出力制御情報および振動子出力制御情報をもとに、駆動周波数、駆動電流パラメータ、または昇圧比等の出力設定情報を演算出力する。また、情報生成部16cは、異常判定部16bが駆動準備時異常または駆動時異常を検知した場合、駆動準備時異常または駆動時異常が超音波手術システム10に発生したことに対応する異常履歴情報を生成する。制御部16は、情報送受信部13を介して、情報生成部16cが生成した異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶する。なお、制御部16は、異常の種類に応じて、情報生成部16cが生成した異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶する。たとえば、制御部16は、周波数異常、駆動電流異常、または駆動電圧異常に対応する異常履歴情報を記憶部2bおよび記憶部3bに記憶し、超音波振動子2aの累積時間異常またはハンドピース温度異常に対応する異常履歴情報を記憶部2bに記憶し、プローブ3の累積時間異常またはプローブ温度異常に対応する異常履歴情報を記憶部3bに記憶する。
また、情報生成部16cは、計時部15から受信した出力時間情報と記憶部3bから読み取られた第1判定基準情報の第1累積出力時間とをもとに、プローブ3に超音波振動が出力された累積時間を演算出力し、得られた累積時間に対応する第1累積時間情報を生成する。この場合、制御部16は、情報生成部16cが演算出力した累積時間を最新の第1累積出力時間として記憶部16aに記憶し、超音波振動子2aの駆動を停止した場合に、制御部16は、上述したように、情報送受信部13を介して、最新の第1累積出力時間に対応する第1累積時間情報を記憶部3bに送出するとともに記憶する。同様に、情報生成部16cは、計時部15から受信した出力時間情報と記憶部2bから読み取られた第2判定基準情報の第2累積出力時間とをもとに、超音波振動子2aが超音波振動を出力した累積時間を演算出力し、得られた累積時間に対応する第2累積時間情報を生成する。この場合、制御部16は、情報生成部16cが演算出力した累積時間を最新の第2累積出力時間として記憶部16aに記憶し、超音波振動子2aの駆動を停止した場合に、制御部16は、上述したように、情報送受信部13を介して、最新の第2累積出力時間に対応する第2累積時間情報を記憶部3bに送出するとともに記憶する。
つぎに、上述した出力制御部14の詳細な構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態1である超音波手術システムの出力制御部の基本構成を例示するブロック図である。図5において、出力制御部14は、DDS14a、増幅回路14b、検出回路14c、および位相差検出回路14dを有する。DDS14aは増幅回路14bと位相差検出回路14dとに接続され、検出回路14cは増幅回路14bと位相差検出回路14dとに接続され、これによって、DDS14a、増幅回路14b、検出回路14c、および位相差検出回路14dは、ループ回路を形成する。また、DDS14aおよび増幅回路14bは、制御部16に接続され、検出回路14cは、超音波振動子2aに接続される。
DDS14aは、超音波手術システム10が起動した直後である場合、制御部16から受信した基準周波数信号S1に対応する駆動周波数の信号を増幅回路14bに発振する。増幅回路14bは、制御部16から受信した電流電圧設定信号S2に対応する駆動電流パラメータを用いて駆動電流値を設定するとともに、電流電圧設定信号S2に対応する昇圧比を用いて駆動電圧値を設定する。なお、増幅回路14bは、駆動電圧値を設定する場合、上述した出力制御情報である定格電圧値が駆動電圧値の上限になるように昇圧比を選択し、駆動電圧値の設定を達成する。これによって、増幅回路14bは、超音波振動子2aに供給される駆動信号の電流値がこの駆動電流パラメータを用いて設定した駆動電流値になるように定電流制御を行うことができる。その後、増幅回路14bは、設定した駆動電流値および駆動電圧値を有し、DDS14aによって設定された周波数にて発振した信号を検出回路14cに送出する。
検出回路14cは、増幅回路14bから受信した信号の電流位相および電圧位相を検出し、該電流位相に対応する電流位相信号θIおよび該電圧位相に対応する電圧位相信号θVを生成する。検出回路14cは、生成した電流位相信号θIおよび電圧位相信号θVを位相差検出回路14dに送出するとともに、増幅回路14bから受信した信号として、駆動信号S5を超音波振動子2aに供給する。したがって、検出回路14cは、超音波振動子2aを駆動する駆動信号S5の電流位相および電圧位相を検出する。
位相差検出回路14dは、検出回路14cから受信した電流位相信号θIおよび電圧位相信号θVをもとに駆動信号S5の電流および電圧の位相差を検出する。つぎに、位相差検出回路14dは、検出した位相差をもとに、基準周波数信号S1に対応する駆動周波数の上昇または下降を制御する周波数制御信号を生成し、生成した周波数制御信号をDDS14aに送出する。この場合、DDS14aは、基準周波数信号S1に対応する駆動周波数を基準周波数とし、位相差検出回路14dから受信した周波数制御信号によって該駆動周波数を上昇または下降させる。これによって、DDS14aは、位相差検出回路14dが検出した位相差を零にするように駆動周波数を制御するとともに、この位相差が零になるように制御した駆動周波数にて信号を発振し、この駆動周波数にて発振した信号として、出力周波数信号を増幅回路14bに送出する。この場合、出力制御部14は、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数を検出する周波数掃引処理を達成するとともに、超音波振動子2aが該共振周波数またはその近傍の周波数による超音波振動をプローブ3に出力するPLL制御を達成する。これによって、出力制御部14は、設定した駆動電流値および駆動電圧値を有し、検出した共振周波数またはその近傍の周波数にて発振した駆動信号S5を超音波振動子2aに送出することができ、所望振幅の超音波振動を共振周波数にて出力するように、超音波振動子2aの駆動制御を行うことができる。
一方、DDS14aは、この周波数掃引処理によって得られた出力周波数を検出し、該出力周波数に対応する検出周波数信号S3を制御部16に送出する。また、増幅回路14bは、電流電圧設定信号S2をもとに設定した駆動電流値および駆動電圧値を検出し、検出した駆動電流値および駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4を制御部16に送出する。なお、DDS14aは、周波数掃引処理またはPLL制御を行っている場合に出力周波数を常時検出し、検出した出力周波数に対応する検出周波数信号S3を制御部16に常時送出する。また、増幅回路14bは、上述した定電流制御を行っている場合に駆動電流値および駆動電圧値を常時検出し、検出した駆動電流値および駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4を制御部16に常時送出する。これによって、制御部16は、出力制御部14から検出された最新の出力周波数、駆動電流値、または駆動電圧値を検出することができる。
なお、出力制御部14は、位相比較器、ローパスフィルタ、および電圧制御発振器等によって構成されるアナログ方式の位相同期回路を用いて実現してもよいが、上述したデジタル方式の位相同期回路を用いて実現することが望ましい。このことは、アナログ方式の位相同期回路を用いた場合に、該位相同期回路の周波数特性が、温度変化等によって変化することに起因する。
つぎに、制御部16が、超音波手術システム10に発生した異常を検知し、異常が発生した超音波手術システム10の駆動禁止処理を行うまでの各処理工程について詳細に説明する。図6は、制御部16が、超音波手術システム10に発生した異常を検知してから、異常が発生した超音波手術システム10の駆動禁止処理を行うまでの各処理工程を説明するフローチャートである。図6において、スイッチ検知部11は、電源スイッチ1aの操作によって制御装置本体1に電源投入がなされた場合、電源スイッチ1aがスイッチオン状態(電源オン状態)であることを検知し(ステップS101)、情報読取指示信号を制御部16に送出する。制御部16は、スイッチ検知部11から情報読取指示信号を受信した場合に情報読取処理を行い、異常判定部16bは、該情報読取処理の結果または該情報読取処理によって読み取られた判定基準情報をもとに、超音波手術システム10に駆動前異常が有るか否かを判定する。制御部16は、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動前異常が有ると判定した場合に該駆動前異常を検知する(ステップS102)。一方、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動前異常が無いと判定した場合、情報生成部16cは、情報読取処理によって読み取られた出力制御情報をもとに、駆動周波数、駆動電流パラメータ、または昇圧比等を演算出力し、制御部16は、得られたパラメータを出力設定情報として記憶部16aに記憶する。この場合、制御部16は、設定開始指示信号による出力設定制御の指示を受け付ける状態(指示受付状態)になる。
制御部16は、指示受付状態において(ステップS103,Yes)、スイッチ検知部11から設定開始指示信号を受信した場合、出力制御部14に対して出力設定制御を行い、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数を検出する周波数掃引処理を行う。異常判定部16bは、この周波数掃引処理によって検出された出力周波数と上述した情報読取処理によって読み取られた判定基準情報とをもとに、超音波手術システム10に駆動準備時異常が有るか否かを判定し、制御部16は、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動準備時異常が有ると判定した場合に該駆動準備時異常を検知する(ステップS104)。一方、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動準備時異常が無いと判定した場合、出力制御部14は、上述したように、周波数掃引処理を達成して共振周波数を検出するとともに該共振周波数またはその近傍の周波数にて超音波振動を発振するようにPLL制御を行い、さらに、駆動電流値および駆動電圧値を設定して所望振幅の超音波振動を出力するように定電流制御を行う。この場合、制御部16は、駆動開始指示信号による振動子駆動制御の指示を受け付ける状態(駆動待機状態)になる。
制御部16は、駆動待機状態において(ステップS105,Yes)、スイッチ検知部11から駆動開始指示信号を受信した場合、出力制御部14に対して振動子駆動制御を行い、所望振幅の超音波振動をプローブ3に出力するように超音波振動子2aを駆動させる。異常判定部16bは、出力制御部14によって検出された出力周波数、駆動電流値、または駆動電圧値と上述した情報読取処理によって読み取られた判定基準情報とをもとに、超音波手術システム10に駆動時異常が有るか否かを判定し、制御部16は、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動時異常が有ると判定した場合に該駆動時異常を検知する(ステップS106)。また、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動時異常が無いと判定した場合、超音波手術システム10は、駆動時異常が発生していない正常状態である(ステップS107,Yes)。この場合、制御部16は、スイッチ検知部11から受信した駆動開始指示信号による指示に基づき、出力制御部14に対して振動子駆動制御を行う。出力制御部14は、制御部16の制御のもと、所望振幅の超音波振動をプローブ3に出力するように超音波振動子2aを駆動制御する。これによって、超音波振動子2aから出力された超音波振動は、締結部2cを介してプローブ3に伝達され、術者は、所望振幅の超音波振動が伝達されたプローブ3を用いて被処置体に対する切開等の医療処置を行うことができる。その後、制御装置本体1に投入された電源をオフにする場合(ステップS108,Yes)、術者は電源スイッチ1aを操作し、電源スイッチ1aからスイッチオフの情報が入力される。この場合、スイッチ検知部11は、電源スイッチ1aがスイッチオフ状態(電源オフ状態)であることを検知し、制御部16に駆動停止指示信号を送出する。制御部16は、スイッチ検知部11から受信した駆動停止指示信号による指示に基づき、超音波振動子2aの駆動を停止するように出力制御部14を制御する。また、制御装置本体1に投入された電源をオフにしない場合(ステップS108,No)、制御部16は、上述したステップS106以降の各工程を繰り返す。
一方、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動前異常が有ると判定し、制御部16が、上述した指示受付状態ではない場合(ステップS103,No)、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動準備時異常が有ると判定し、制御部16が、上述した駆動待機状態ではない場合(ステップS105,No)、または、異常判定部16bが超音波手術システム10に駆動時異常が有ると判定し、制御部16が正常状態ではない場合(ステップS107,No)、制御部16は、上述した駆動禁止処理を行い、超音波振動子2aによる超音波振動の出力を禁止するとともに、検知した異常に対応する出力音または出力表示を出力制御し、超音波手術システム10に駆動前異常、駆動準備時異常、または駆動時異常が発生したことを術者に告知する(ステップS110)。その後、制御部16によって検知された異常が駆動前異常ではない場合(ステップS111,No)、情報生成部16cは、検知された異常に対応する異常履歴情報を生成し、制御部16は、上述したように、情報生成部16cが生成した異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶する(ステップS112)。なお、制御部16は、ステップS112による異常履歴情報記憶処理をステップS110の駆動禁止処理とともに行ってもよいし、該駆動禁止処理の前に行ってもよい。一方、制御部16によって検知された異常が駆動前異常である場合(ステップS111,Yes)、情報生成部16cは、駆動前異常に対応する異常履歴情報を生成しない。すなわち、制御部16は、駆動前異常に対応する異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶しない。
ここで、制御部16がステップS110による駆動禁止処理を行った場合、術者は、超音波手術システム10に異常が発生したことを認識でき、この超音波手術システム10に対して所定の異常処置を行うことができる。また、制御部16は、術者による異常処置が施された超音波手術システム10に対して後述する異常確認処理を行い、この超音波手術システム10に異常が無いことを確認した場合に、上述した駆動禁止処理によって駆動停止された超音波振動子2aの再駆動を許可することができる。
図7は、制御部16が、上述したステップS102を行って、超音波手術システム10に発生した駆動前異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。図7において、制御部16は、スイッチ検知部11から情報読取指示信号を受信した場合に情報読取処理を行い(ステップS201)、情報送受信部13を介して、記憶部2b,3bから出力制御情報および判定基準情報を読み取る。ここで、制御部16が、記憶部3bからプローブ出力制御情報または第1判定基準情報を読み取れず、あるいは、記憶部2bから振動子出力制御情報または第2判定基準情報を読み取れず、ステップS201の情報読取処理を正常に完了することができなった場合(ステップS202,No)、異常判定部16bは、超音波手術システム10に接続異常が有ると判定し(ステップS203)、制御部16は、超音波手術システム10に発生した接続異常を検知する。この場合、制御部16は、接続異常処理を行い、接続異常が発生したことに対応する出力音を出力指示する信号を音源回路17aまたは増幅回路17bに送出して、この出力音をスピーカ17cから出力し、あるいは、接続異常が発生したことに対応する出力表示を出力指示する信号を表示回路18に送出して、この出力表示を表示部1dに出力し、これによって、超音波手術システム10に接続異常が発生したことを術者に告知する(ステップS204)。その後、制御部16は、上述したステップS201以降の各工程を繰り返す。
一方、制御部16が、記憶部3bからプローブ出力制御情報および第1判定基準情報を読み取るとともに、記憶部2bから振動子出力制御情報および第2判定基準情報を読み取ることができ、ステップS201の情報読取処理を正常に完了することができた場合(ステップS202,Yes)、異常判定部16bは、第1判定基準情報の公称周波数等と第2判定基準情報の公称周波数等とを比較した結果をもとに、ハンドピース2とプローブ3との組合せが適正か否かを判定する(ステップS205)。たとえば、異常判定部16bは、第1判定基準情報の公称周波数と第2判定基準情報の公称周波数とが異なる場合、第1累積出力時間が第1出力制限時間以上である場合、第2累積出力時間が第2出力制限時間以上である場合、あるいは、第1判定基準情報または第2判定基準情報が上述した異常履歴情報を含む場合、ハンドピース2とプローブ3との組合せが適正ではないと判定し(ステップS206,No)、超音波手術システム10に組合せ異常が有ると判定する(ステップS208)。この場合、制御部16は、超音波手術システム10に発生した組合せ異常を検知する。
なお、異常判定部16bは、記憶部2bから読み取られた振動子出力制御情報と記憶部3bから読み取られたプローブ出力制御情報とを比較した結果をもとに、ハンドピース2とプローブ3との組合せが適正か否かを判定してもよい。この場合、振動子出力制御情報およびプローブ出力制御情報は、超音波手術システム10に組合せ異常が有るか無いかを判定するための判定基準情報として用いられ、たとえば、異常判定部16bは、振動子出力制御情報の駆動周波数とプローブ出力制御情報の駆動周波数とが異なる場合に、超音波手術システム10に組合せ異常が有ると判定する。
一方、異常判定部16bが、上述したステップS205を行って、ハンドピース2とプローブ3との組合せが適正であると判定した場合(ステップS206,Yes)、制御部16は、上述した指示受付状態になる(ステップS207)。この場合、超音波手術システム10は、接続異常および組合せ異常が無い正常状態である。
図8は、制御部16が、上述したステップS104を行って、超音波手術システム10に発生した駆動準備時異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。図8において、制御部16は、スイッチ検知部11から設定開始指示信号を受信した場合、出力制御部14に対して出力設定制御を行う。この場合、出力制御部14は、制御部16の制御のもと、上述したように、周波数掃引処理を行うとともに駆動電流値および駆動電圧値を設定し、この周波数掃引処理によって得られた出力周波数に対応する検出周波数信号S3と設定した駆動電流値および駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4とを制御部16に送出する。制御部16は、出力制御部14から受信した検出周波数信号S3をもとに出力周波数を検出する(ステップS301)。ただし、出力制御部14が、上述した周波数掃引処理によって、プローブ3が接続された超音波振動子2aの共振周波数Frを検出した場合、制御部16は、出力制御部14から受信した検出周波数信号S3をもとに、共振周波数Frに等しい出力周波数を検出する。
異常判定部16bは、上述した情報読取処理によって記憶部2b,3bから読み取られた第1判定基準情報または第2判定基準情報をもとに、制御部16が検出した出力周波数を常時監視する。すなわち、異常判定部16bは、共振周波数Frに等しい出力周波数が第1判定基準情報の上限周波数および下限周波数による周波数範囲内にあるか否か、または、共振周波数Frに等しい出力周波数が第2判定基準情報の上限周波数および下限周波数による周波数範囲内にあるか否かを判定する。ここで、制御部16が、共振周波数Frに等しい出力周波数を検出し、異常判定部16bによって、この出力周波数が第1判定基準情報または第2判定基準情報による周波数範囲内にあると判定された場合、出力制御部14によって検出された共振周波数Frは、この周波数範囲内の周波数であり、制御部16は、出力制御部14から受信した検出周波数信号S3をもとに、この周波数範囲内の共振周波数Frを検出できる。
制御部16は、この周波数範囲内の共振周波数Frを検出できた場合(ステップS302,Yes)、検出した共振周波数Frを出力設定情報の駆動周波数として記憶部16aに記憶する(ステップS303)。また、制御部16は、出力制御部14から受信した検出電流電圧信号S4をもとに、出力制御部14が設定した駆動電流値および駆動電圧値を検出し、検出した駆動電流値および駆動電圧値を出力設定情報として記憶部16aに記憶する。この場合、制御部16は、共振周波数Frにて所望振幅の超音波振動をプローブ3に出力するように超音波振動子2aを駆動するための駆動準備を達成し、上述した駆動待機状態になる(ステップS304)。
一方、共振周波数Frに等しい出力周波数が、異常判定部16bによって、上述した周波数範囲内にないと判定された場合、すなわち、出力制御部14が、上述した周波数範囲において、共振周波数Frを検出できなかった場合、検出周波数信号S3に対応する出力周波数は、上述した周波数範囲内において、共振周波数Frにならない。この場合、制御部16は、上述した周波数範囲内の共振周波数Frを検出できず(ステップS302,No)、異常判定部16bは、超音波手術システム10に周波数異常が有ると判定する(ステップS305)。これによって、制御部16は、超音波手術システム10に発生した周波数異常を検知する。
なお、異常判定部16bは、制御部16が検出した出力周波数と第1判定基準情報または第2判定基準情報の公称周波数との偏差の絶対値を求め、該偏差の絶対値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の周波数偏差制限値を超えるか否かを判定してもよい。この場合、異常判定部16bは、この偏差の絶対値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の周波数偏差制限値を超えた場合に、超音波手術システム10に周波数異常が有ると判定する。
図9は、制御部16が、上述したステップS106を行って、超音波手術システム10に発生した駆動時異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。図9において、制御部16は、スイッチ検知部11から駆動開始指示信号を受信した場合、出力制御部14に対して振動子駆動制御を行う。この場合、出力制御部14は、制御部16の制御のもと、上述したように超音波振動子2aを駆動制御し、超音波振動子2aは、出力制御部14の駆動制御のもと、所望振幅の超音波振動をプローブ3に出力する。また、出力制御部14は、超音波振動子2aに電気エネルギーを供給する駆動信号S5の出力周波数(すなわち共振周波数Fr)、駆動電流値、および駆動電圧値を検出し、該出力周波数に対応する検出周波数信号S3と該駆動電流値および該駆動電圧値に対応する検出電流電圧信号S4とを制御部16に送出する。制御部16は、出力制御部14から受信した検出周波数信号S3および検出電流電圧信号S4をもとに、超音波振動子2aが駆動した場合の出力周波数、駆動電流値、および駆動電圧値を検出する。また、情報生成部16cは、上述したように、プローブ3に超音波振動が出力された累積時間に対応する第1累積時間情報と超音波振動子2aが超音波振動を出力した累積時間に対応する第2累積時間情報とを生成する。さらに、情報生成部16cは、制御部16が検出した駆動電流値および駆動電圧値を用い、超音波振動子2aの静電容量を演算出力する。この場合、制御部16は、得られた出力周波数、駆動電流値、および駆動電圧値と、情報生成部16cが演算出力した静電容量と、情報生成部16cが生成した第1累積時間情報に対応する最新の第1累積出力時間および第2累積時間情報に対応する最新の第2累積出力時間とを超音波振動子2aの駆動情報として検出し(ステップS401)、検出した各駆動情報を記憶部16aに記憶する。
つぎに、異常判定部16bは、上述した情報読取処理によって記憶部2b,3bから読み取られた第1判定基準情報または第2判定基準情報による各判定基準を用い、記憶部16aに記憶された各駆動情報が各々の判定基準を満足するか否かを判定する(ステップS402)。たとえば、異常判定部16bは、出力周波数が第1判定基準情報または第2判定基準情報の上限周波数および下限周波数によって設定される周波数範囲内にあるか否かを判定し、駆動電圧値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の駆動電圧上限値を超えたか否かを判定し、駆動電流値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の駆動電流上限値および駆動電流下限値によって設定される電流値範囲内にあるか否かを判定する。また、異常判定部16bは、最新の第1累積出力時間が第1判定基準情報の第1出力制限時間を超えたか否かを判定し、最新の第2累積出力時間が第2判定基準情報の第2出力制限時間を超えたか否かを判定する。さらに、異常判定部16bは、静電容量が第2判定基準情報の静電容量制限値を超えたか否かを判定する。
異常判定部16bが上述したステップS402の処理を行った結果、駆動情報が該駆動情報の判定基準を満足しない場合(ステップS403,No)、異常判定部16bは、超音波手術システム10に上述した駆動時異常が有ると判定する(ステップS404)。たとえば、異常判定部16bは、出力周波数が第1判定基準情報または第2判定基準情報の上限周波数および下限周波数によって設定される周波数範囲内にない場合に超音波手術システム10に周波数異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生した周波数異常を検知する。また、異常判定部16bは、駆動電圧値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の駆動電圧上限値を超えた場合に超音波手術システム10に駆動電圧異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生した駆動電圧異常を検知する。さらに、異常判定部16bは、駆動電流値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の駆動電流上限値および駆動電流下限値によって設定される電流値範囲内にない場合に超音波手術システム10に駆動電流異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生した駆動電流異常を検知する。特に、異常判定部16bは、駆動電流値が駆動電流下限値未満である場合に、ハンドピース2またはプローブ3の過負荷に起因する駆動電流異常が超音波手術システム10に発生したと判定でき、駆動電流値が駆動電流上限値を超えた場合に、超音波振動の過出力に起因する駆動電流異常が超音波手術システム10に発生したと判定できる。また、異常判定部16bは、最新の第1累積出力時間が第1判定基準情報の第1出力制限時間を超えた場合に超音波手術システム10にプローブ3の累積時間異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生したプローブ3の累積時間異常を検知する。また、異常判定部16bは、最新の第2累積出力時間が第2判定基準情報の第2出力制限時間を超えた場合に超音波手術システム10にハンドピース2の累積時間異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生したハンドピース2の累積時間異常を検知する。さらに、異常判定部16bは、静電容量が第2判定基準情報の静電容量制限値を超えた場合に超音波手術システム10にハンドピース温度異常が有ると判定し、制御部16は、超音波手術システム10に発生したハンドピース温度異常を検知する。
また、異常判定部16bは、出力周波数が上述した周波数範囲外の周波数に変化するまでの周波数変化速度をもとに、超音波手術システム10にプローブ温度異常が有るか無いかを判定することができる。この場合、情報生成部16cは、上述した駆動情報として順次検出される出力周波数の変化量と計時部15から受信した出力時間情報とをもとに、この周波数変化速度を演算出力する。異常判定部16bは、得られた周波数変化速度が所定の周波数変化速度制限値未満である場合に超音波手術システム10にプローブ温度異常が有ると判定でき、制御部16は、超音波手術システム10に発生したプローブ温度異常を検知する。
さらに、異常判定部16bは、駆動情報の出力周波数と第1判定基準情報または第2判定基準情報の公称周波数との偏差の絶対値を求め、該偏差の絶対値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の周波数偏差制限値を超えるか否かを判定してもよい。この場合、異常判定部16bは、この偏差の絶対値が第1判定基準情報または第2判定基準情報の周波数偏差制限値を超えた場合に超音波手術システム10に周波数異常が有ると判定でき、制御部16は、超音波手術システム10に発生した周波数異常を検知する。また、情報生成部16cは、上述した駆動情報として順次検出される出力周波数および公称周波数と計時部15から受信した出力時間情報とをもとに、出力周波数と公称周波数との偏差が変化する速度(偏差変化速度)を演算出力してもよい。この場合、異常判定部16bは、得られた偏差変化速度が所定の偏差変化速度制限値未満である場合に超音波手術システム10にプローブ温度異常が有ると判定でき、制御部16は、超音波手術システム10に発生したプローブ温度異常を検知する。
一方、異常判定部16bが上述したステップS402の処理を行った結果、駆動情報が該駆動情報の判定基準を満足する場合(ステップS403,Yes)、異常判定部16bは、超音波手術システム10に上述した駆動時異常が無いと判定する。この場合、超音波手術システム10は、駆動時異常が発生していない正常状態である。
つぎに、制御部16が上述した駆動禁止処理によって駆動が停止された超音波手術システム10の再駆動を許可するまでの各処理工程について詳細に説明する。図10は、制御部16が、上述した駆動禁止処理によって超音波振動子2aの駆動が停止された超音波手術システム10に対して異常の有無を確認し、該超音波手術システム10の異常が検知されなかった場合に、停止された超音波振動子2aの再駆動を許可するまでの各処理工程を説明するフローチャートである。図10において、スイッチ検知部11は、テストスイッチ1cからスイッチオンの情報が入力された場合にテストスイッチ1cがオン状態であることを検知し(ステップS501)、制御部16に上述したテストモード切換信号を送出する。制御部16は、スイッチ検知部11からテストモード切換信号を受信した場合、上述した出力設定制御または振動子駆動制御を行う駆動モードから超音波手術システム10の異常有無を検査するテストモードに切り換えるモード切換処理を行う(ステップS502)。制御部16は、このモード切換処理によってテストモードになった場合、設定開始指示信号の受付禁止を解除し、出力設定制御を行える状態になる。
ここで、制御部16は、スイッチ検知部11から設定開始信号を受信した場合に出力制御部14に対して出力設定制御を行い、出力制御部14は、上述したように、駆動電流値および駆動電圧値を設定するとともに周波数掃引処理を行う。この場合、出力制御部14は、周波数掃引処理によって得られた出力周波数に対応する検出周波数信号S3と設定した駆動電流および駆動電圧に対応する検出電流電圧信号S4とを制御部16に送出し、制御部16は、出力制御部14から受信した検出周波数信号S3をもとに出力周波数を検出し、さらに、出力制御部14から受信した検出電流電圧信号S4をもとに駆動電流値および駆動電圧値を検出する。また、情報生成部16cは、上述したように、制御部16が検出した駆動電流値および駆動電圧値を用いて超音波振動子2aの静電容量を演算出力する。さらに、情報生成部16cは、制御部16が検出した出力周波数を用い、上述した周波数変化速度または偏差変化速度を演算出力する。
異常判定部16bは、得られた出力周波数、駆動電流値、駆動電圧値、および静電容量と、周波数変化速度または偏差変化速度とを用いて上述したステップS402と同様の判定処理による異常確認処理を行い、超音波手術システム10に対して、周波数異常、駆動電流異常、駆動電圧異常、ハンドピース温度異常、またはプローブ温度異常の有無を確認する(ステップS503)。
なお、制御部16は、テストモードの場合、出力制御部14がハンドピース2またはプローブ3の定格電流を用いて周波数掃引処理を行うように出力設定制御を行うことが望ましく、これによって、ハンドピース2またはプローブ3の劣化を意図的に促進し、超音波手術システム10の異常有無を容易に判定できるようになる。また、制御部16は、出力制御部14が共振周波数を検出してPLL制御を行った場合、所定時間(たとえば5秒程度)継続して、超音波振動子2aからプローブ3に超音波振動を強制出力するように、出力制御部14を制御することが望ましい。このことは、応力による機械破壊の発生率が該応力の印加時間の経過とともに指数関数的に減少することに起因し、ステップS503の異常確認処理によって異常が無いと判定された超音波手術システム10の信頼性を高めるからである。
異常判定部16bが、超音波手術システム10に周波数異常、駆動電流異常、駆動電圧異常、ハンドピース温度異常、およびプローブ温度異常が無いことを確認した場合(ステップS504,No)、制御部16は、駆動禁止解除処理を行い、駆動モードの場合の設定開始指示信号または駆動開始指示信号による指示の受付禁止を解除するとともに、記憶部2b,3bに記憶された異常履歴情報を消去する(ステップS505)。また、制御部16は、この駆動禁止解除処理が達成されたことを示す出力音を出力指示する信号を音源回路17aまたは増幅回路17bに送出し、あるいは、この駆動禁止解除処理が達成されたことを示す出力表示を出力指示する信号を表示回路18に送出し、超音波手術システム10に異常が無いことと駆動禁止解除処理が達成されたこととを術者に告知してもよい。
一方、異常判定部16bが、超音波手術システム10に周波数異常、駆動電流異常、駆動電圧異常、ハンドピース温度異常、またはプローブ温度異常が有ることを確認し、制御部16が、異常判定部16bによって確認された異常を検知した場合(ステップS504,Yes)、制御部16は、検知した異常に対応する出力音を出力指示する信号を音源回路17aまたは増幅回路17bに送出し、あるいは、検知した異常に対応する出力表示を出力指示する信号を表示回路18に送出し、超音波手術システム10に異常が有ることを術者に告知する(ステップS506)。
その後、制御部16のテストモードを継続する場合(ステップS507,No)、上述したステップS503以降の各処理工程を繰り返す。一方、制御部16のテストモードを駆動モードに切り換える場合(ステップS507,Yes)、術者は、テストスイッチ1cを操作し、テストスイッチ1cのスイッチオフの情報を入力する。スイッチ検知部11は、テストスイッチ1cからスイッチオフの情報が入力された場合にテストスイッチ1cがオフ状態であることを検知し(ステップS508)、制御部16に上述した駆動モード切換信号を送出する。制御部16は、スイッチ検知部11から駆動モード切換信号を受信した場合、テストモードから駆動モードに切り換えるモード切換処理を行う(ステップS509)。ここで、制御部16は、上述した駆動禁止解除処理を行った場合に、設定開始指示信号および駆動開始指示信号の受付禁止を解除し、受信した指示信号に基づき出力設定制御または振動子駆動制御を行える状態になる。これによって、制御部16は、超音波振動子2aによる超音波振動の出力禁止を解除するとともに該超音波振動子2aの再駆動を許可する。
なお、この実施の形態1では、超音波手術システムの一例として、生体組織等の被処置体を切開するシザース型の超音波手術システムに適用した場合を示したが、この発明は、これに限定されるものではなく、体腔内の結石等を破砕し吸引する砕石型の超音波手術システム、生体組織等の剥離または切除等を行うフック型の超音波手術システム、生体組織等を乳化吸引する吸引型の超音波手術システム、または超音波メス等の各種形態の超音波手術システムに適用してもよい。
また、この実施の形態1では、制御部16が、情報読取処理によって、記憶部2bに記憶された振動子出力制御情報および第2判定基準情報と記憶部3bに記憶されたプローブ出力制御情報および第1判定基準情報とを読み取るようにしていたが、この発明は、これに限定されるものではなく、制御部16が、情報読取処理によって、記憶部2bに記憶された第2判定基準情報と記憶部3bに記憶された第1判定基準情報とを読み取るようにし、制御装置本体1のアップスイッチ1eまたはダウンスイッチ1f等の操作によって、出力設定情報を設定するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態1では、超音波振動を用いて被処置体に所望の医療処置を行うプローブと該プローブが接続された超音波振動子を内蔵したハンドピースとにそれぞれ記憶部を配置し、プローブに配置された記憶部には、このプローブに起因するものを含む当該超音波手術システムの異常の判定基準情報が記憶され、また、ハンドピースに配置された記憶部には、このハンドピースに起因するものを含む当該超音波手術システムの異常の判定基準情報が記憶され、当該超音波手術システムに電源が投入された場合、プローブの記憶部に記憶された判定基準情報を読み取るとともにハンドピースの記憶部に記憶された判定基準情報を読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理によって判定基準情報を正常に読み取れたか否かを判定して、当該超音波手術システムに接続異常が発生したか否かを判定し、さらに、プローブの記憶部から読み取った判定基準情報とハンドピースの記憶部から読み取った判定基準情報とを比較した結果をもとに、当該超音波手術システムに組合せ異常が発生したか否かを判定している。また、超音波振動子の駆動制御を行い、該超音波振動子からプローブに超音波振動を出力した場合、プローブの記憶部から読み取った判定基準情報またはハンドピースの記憶部から読み取った判定基準情報と出力周波数、駆動電流値、または駆動電圧値等の超音波振動子の駆動制御に関する各情報とをもとに、当該超音波手術システムに駆動準備時異常または駆動時異常が発生したか否かを判定し、当該超音波手術システムの駆動準備時異常または駆動時異常が検知された場合に、超音波振動子の駆動を停止するとともに超音波振動子による超音波振動の出力を禁止している。したがって、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力する前に、超音波振動子とプローブとの接続状態またはハンドピースと制御装置本体との接続状態に起因する異常を検知でき、さらに、ハンドピースとプローブとの組合せに関する異常を検知できる。また、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力した場合に、当該超音波手術システムに発生した駆動準備時異常または駆動時異常を早期に検知でき、駆動準備時異常または駆動時異常が検知された当該超音波手術システムによる超音波振動の出力を禁止できる。これによって、プローブまたはハンドピースにかかる負荷を低減して該プローブまたは該ハンドピースの劣化を抑制することができ、システムの安全性を高めるとともに手術効率を高めた超音波手術システムを実現できる。この超音波手術システムを用いた場合、術者は、被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行うことができる。
また、この実施の形態1では、当該超音波手術システムに発生した駆動準備時異常または駆動時異常を検知した場合に、検知した駆動準備時異常または駆動時異常の発生履歴である異常履歴情報を異常の判定基準情報としてプローブの記憶部またはハンドピースの記憶部に記憶するように構成しているので、プローブ毎またはハンドピース毎に駆動準備時異常または駆動時異常の異常履歴情報を追跡でき、さらに、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力する前に、この異常履歴情報を有するプローブまたはハンドピースが当該超音波手術システムに用いられていることを検知でき、プローブまたはハンドピースの劣化を促進することなく、プローブに起因する異常またはハンドピースに起因する異常を確実に検知できる。
さらに、この実施の形態1では、当該超音波手術システムの制御部が、被処置体に医療処置を行うために超音波振動子を駆動制御する駆動モードとプローブまたはハンドピースに起因する異常の有無を確認するテストモードとをモード切換できるようにし、テストモードの場合に、制御部が当該超音波手術システムに異常が無いことを確認できれば、プローブの記憶部およびハンドピースの記憶部の少なくとも一方に記憶された異常履歴情報を消去するとともに、駆動禁止処理による超音波振動の出力禁止を解除するように構成したので、当該超音波手術システムに発生した異常を解決した場合に、駆動禁止処理によって駆動停止した超音波振動子を迅速かつ効率よく再駆動できる。
また、この実施の形態1では、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力した累積出力時間をプローブおよびハンドピースについてそれぞれ計時し、異常の判定基準情報として、プローブの累積出力時間をプローブの記憶部に記憶するとともにハンドピースの累積出力時間をハンドピースの記憶部に記憶するように構成しているので、プローブ毎またはハンドピース毎に累積出力時間を追跡できるとともに、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力する前に、累積出力時間が所定の規定時間を超えたプローブまたはハンドピースが用いられたことを検知でき、さらに、超音波振動子がプローブに超音波振動を出力し、プローブの累積出力時間またはハンドピースの累積出力時間が所定の規定時間を超えた場合に、駆動禁止処理を行い、当該超音波手術システムによる超音波振動の出力を禁止でき、これによって、プローブまたはハンドピースの劣化を促進することなく、所定の規定時間を超えたプローブまたはハンドピースを用いた超音波振動の出力を確実に禁止でき、安全性を一層高めた超音波手術システムを実現できる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、プローブの記憶部に記憶された判定基準情報またはハンドピースに記憶された判定基準情報を用いて、プローブまたはハンドピースの劣化または破損等に起因する異常を検知していたが、この実施の形態2では、ジョーとプローブとを接触させた場合の電気的導通を検知する短絡検知部を設けて、ジョーの劣化に起因する異常を検知するようにしている。
図11は、この発明の実施の形態2である超音波手術システムの基本的なシステム構成を例示するブロック図である。この超音波手術システム20の制御装置本体21は、実施の形態1である超音波手術システム10の制御装置本体1に、シース4のジョー4aとプローブ3との電気的導通を検知する短絡検知部22を設けている。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
短絡検知部22は、プローブ3およびシース4が接続されたハンドピース2のプラグ8が制御装置本体1のコネクタ1bに接続された場合、ケーブル7およびハンドピース2を介してプローブ3と電気的に接続されるとともに、ケーブル7とハンドピース2とシース4とを介してジョー4aと電気的に接続される。また、短絡検知部22は、制御部16の制御のもと、プローブ3とジョー4aと短絡検知部22とによって閉回路が形成された場合に該閉回路の導通抵抗値を検出し、該導通抵抗値をもとに、プローブ3とジョー4aとの電気的導通を検知する短絡検知処理を行うように機能する。
図12は、シース4のグリップ4bの操作等によって、ジョー4aが、プローブ3に対して閉じた状態である場合を例示する模式図である。図12において、ジョー4aは、ステンレス鋼等の金属部材を用いて構成された金属押さえ部4a−1とテフロン(登録商標)等の樹脂部材を用いて構成されたティッシュパッド4a−2とを有する。金属押さえ部4a−1には、軸4cが設けられ、グリップ4bの操作に連動してシース4の軸方向に前後動作するリンク棒4eが接続される。ティッシュパッド4a−2は、金属押さえ部4a−1におけるプローブ3との接触側に設けられる。この場合、金属押さえ部4a−1は、リンク棒4eがグリップ4bの操作に連動して前後動作することによって、軸4cを支点として、ティッシュパッド4a−2をプローブ3に押圧するようにプローブ3に対する開閉動作を行う。これによって、ジョー4aは、プローブ3に対して開閉動作することができる。
この場合、短絡検知部22は、上述したように、ケーブル7およびハンドピース2を介してプローブ3と電気的に接続されるとともに、ケーブル7とハンドピース2とシース4のリンク棒4eとを介してジョー4aの金属押さえ部4a−1と電気的に接続される。さらに、ジョー4aがプローブ3に対して閉じた状態である場合は、ティッシュパッド4a−2を介して、プローブ3とジョー4aの金属押さえ部4a−1と短絡検知部22とによる閉回路が形成される。この場合、ティッシュパッド4a−2は、この閉回路の電気抵抗体として機能する。
また、プローブ3に超音波振動が出力された場合、ティッシュパッド4a−2は、プローブ3または被処置体との摩擦によって摩耗し、該摩耗の進行によって、被処置体またはプローブ3に対して金属押さえ部4a−1を露出するようになる。この場合、ティッシュパッド4a−2は、この摩耗の進行にともない、上述した閉回路の電気抵抗体としての機能を低下する。すなわち、ティッシュパッド4a−2による閉回路の導通抵抗値は、この摩耗の進行にともない減少し、プローブ3がティッシュパッド4a−2から露出した金属押さえ部4a−1と接触した場合、この導通抵抗値は急激に減少する。
一方、プローブ3に被処置体を押圧する押圧手段として、上述したジョー4aの代わりに、金属押さえ部4a−1とティッシュパッド4a−2との間に導電性緩衝材の層を設けたジョー4aaを用いることができる。図13は、シース4のグリップ4bの操作等によって、ジョー4aの変形例であるジョー4aaが、プローブ3に対して閉じた状態である場合を例示する模式図である。図13において、ジョー4aaは、ジョー4aの金属押さえ部4a−1とティッシュパッド4a−2との間に導電性緩衝材4a−3が設けられた構造を有する。
導電性緩衝材4a−3は、シリコーン系またはカーボン系等の導電性樹脂によって実現され、金属押さえ部4a−1と電気的に接続された導通体として機能するとともに、プローブ3と金属押さえ部4a−1との接触を阻害して、プローブ3との接触による衝撃を緩和する緩衝材として機能する。また、導電性緩衝材4a−3の導通抵抗値は、含有されたカーボン等の導電材の含有量を調整して、所望の値にすることができる。
この場合、短絡検知部22は、上述したジョー4aを用いた場合と同様にプローブ3と電気的に接続されるとともに、ケーブル7とハンドピース2とシース4のリンク棒4eとジョー4aの金属押さえ部4a−1とを介して、導電性緩衝材4a−3と電気的に接続される。さらに、ジョー4aがプローブ3に対して閉じた状態である場合は、ティッシュパッド4a−2を介して、プローブ3とジョー4aの導電性緩衝材4a−3と短絡検知部22とによる閉回路が形成される。この場合、ティッシュパッド4a−2は、この閉回路の電気抵抗体として機能する。
また、プローブ3に超音波振動が出力された場合、ティッシュパッド4a−2は、プローブ3または被処置体との摩擦によって摩耗し、該摩耗の進行によって、被処置体またはプローブ3に対して導電性緩衝材4a−3を露出するようになる。この場合、ティッシュパッド4a−2によるこの閉回路の導通抵抗値は、この摩耗の進行にともない減少し、プローブ3がティッシュパッド4a−2から露出した導電性緩衝材4a−3と接触した場合、この導通抵抗値は急激に減少する。
ここで、プローブ3と導電性緩衝材4a−3とが接触した場合、導電性緩衝材4a−3は、金属押さえ部4a−1またはプローブ3に電気信号を導通するとともに、プローブ3との接触による衝撃を緩和する。しかし、導電性緩衝材4a−3は、プローブ3との接触による衝撃を緩和する場合に、プローブ3との摩擦によって摩耗する。この摩耗が金属押さえ部4a−1を露出するまで進行した場合、プローブ3は、金属押さえ部4a−1と接触し、導電性緩衝材4a−3は、上述した緩衝材としての機能を失う。したがって、導電性緩衝材4a−3の厚さは、プローブ3が導電性緩衝材4a−3と接触してからプローブ3に対する超音波振動の出力が禁止されるまでの間に、プローブ3との摩擦によって摩耗する樹脂の厚さ以上であればよく、たとえば、1[mm]程度である。これによって、導電性緩衝材4a−3は、プローブ3と金属押さえ部4a−1との接触を確実に阻害し、ジョー4aaまたはプローブ3の破損を防止することができる。
つぎに、制御部16が、ジョー4aまたはジョー4aaの摩耗に起因する摩耗異常を検知して、プローブ3に対する超音波振動の出力を禁止する動作について説明する。なお、以下では、ジョー4aを用いた場合の制御部16の動作を説明するが、ジョー4aaを用いた場合も、制御部16は、ジョー4aの場合と同様に動作する。図14は、短絡検知部22がプローブ3とジョー4aとの電気的導通を検知した場合に、制御部16が、摩耗異常を検知するとともにプローブ3に対する超音波振動の出力を禁止する各処理工程を説明するフローチャートである。図14において、スイッチ検知部11は、電源スイッチ1aの操作によって制御装置本体21に電源投入がなされた場合に電源スイッチ1aがオン状態であることを検知し、その後、上述した情報読取指示信号を制御部16に送出するとともに、短絡検知部22による短絡検知処理を開始する指示信号(短絡検知指示信号)を制御部16に送出する。制御部16は、スイッチ検知部11から情報読取指示信号を受信した場合、上述したように、記憶部2b,3bから判定基準情報を少なくとも読み取る。この場合、制御部16は、記憶部2b,3bから読み取った判定基準情報として、プローブ3とジョー4aとの間を電気信号が導通したか否かの判定基準である導通抵抗制限値を読み取る。また、スイッチ検知部11から短絡検知指示信号を受信した場合、記憶部2b,3bから読み取った導通抵抗制限値に対応する導通判定基準情報を短絡検知部22に送出するとともに、上述した短絡検知処理を行うように、短絡検知部22を制御する。短絡検知部22は、制御部16の制御のもと、プローブ3またはジョー4aに対して微弱な電気信号を常時送出して、プローブ3とジョー4aと短絡検知部22とによって形成され、該電気信号を導通する閉回路の導通抵抗値を常時検出し、該導通抵抗値と制御部16から受信した導通判定基準情報とを比較した結果をもとに、プローブ3とジョー4aとの電気的導通を検知する(ステップS601)。この場合、短絡検知部22は、この電気信号の電流値および電圧値をもとにこの閉回路の導通抵抗値を検出し、この導通判定基準情報に対応する導通抵抗制限値と検出した導通抵抗値とを比較し、該導通抵抗値が該導通抵抗制限値未満である場合に、プローブ3とジョー4aとの電気的導通、すなわち、ティッシュパッド4a−2の摩耗に起因するプローブ3とジョー4aとの短絡を検知する。なお、制御部16は、ジョー4aがプローブ3に対して閉じた状態である場合に、短絡検知部22対して、プローブ3とジョー4aとの電気的導通を検知する制御を行ってもよい。
短絡検知部22は、プローブ3とジョー4aとの短絡を検知した場合(ステップS602,Yes)、この短絡を検知したことを示す短絡検知信号を制御部16に送出する。制御部16が短絡検知部22から短絡検知信号を受信した場合、異常判定部16bは、この短絡検知信号に基づき、超音波手術システム20に摩耗異常が有ると判定し(ステップS603)、これによって、制御部16は、超音波手術システム20に発生した摩耗異常を検知する。
なお、ここでいう摩耗異常は、プローブ3または被処置体との摩擦によってティッシュパッド4a−2が摩耗したことに起因して、ジョー4aの金属押さえ部4a−1またはジョー4aaの導電性緩衝材4a−3が露出し、これによって、被処置体に対する医療処置の効率を低下するとともに、プローブ3の破損を招来する異常である。
制御部16は、この摩耗異常を検知した場合、上述したステップS110と同様に、超音波振動子2aによる超音波振動の出力を禁止するとともに、検知した摩耗異常に対応する出力音または出力表示を出力制御し、超音波手術システム20に摩耗異常が発生したことを術者に告知する(ステップS604)。その後、情報生成部16cは、検知した摩耗異常に対応する異常履歴情報を生成し、制御部16は、情報生成部16cが生成した異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶する(ステップS605)。なお、制御部16は、ステップS605の異常履歴情報記憶処理をステップS604の駆動禁止処理とともに行ってもよいし、該駆動禁止処理の前に行ってもよい。また、制御部16は、ステップS605の異常履歴情報記憶処理を省略してもよく、この場合、情報生成部16cは、摩耗異常に対応する異常履歴情報を生成せず、制御部16は、摩耗異常に対応する異常履歴情報を記憶部2b,3bに記憶しない。
術者は、ステップS604による摩耗異常の告知によって、超音波手術システム20に摩耗異常が発生したことを認識でき、プローブ3の破損またはハンドピース2の故障等を招来することなく、故障したジョー4aを有するシース4を交換できる。また、術者は、シース4の交換を完了した後にテストスイッチ1c等を操作し、超音波手術システム20に対して上述した異常確認処理を行うことができる。この場合、制御部16は、超音波手術システム20に摩耗異常が無いことを確認した場合に、摩耗異常に起因する駆動禁止処理によって駆動停止された超音波振動子2aの再駆動を許可することができる。
なお、この実施の形態2では、短絡検知部22が、プローブ3とジョー4aと短絡検知部22とによって形成される閉回路の導通抵抗値を検出し、該導通抵抗値と導通判定基準である導通抵抗制限値とを比較した結果をもとに、プローブ3とジョー4aとの短絡を検知しているが、この発明は、これに限定されるものではなく、短絡検知部22が、プローブ3とジョー4aと短絡検知部22とによって形成される閉回路を導通する電気信号の電流値を検出し、該電流値と導通判定基準である電流制限値とを比較した結果をもとに、プローブ3とジョー4aとの短絡を検知してもよい。
また、この実施の形態2では、短絡検知部22は、制御部16の別体として、制御装置本体21に設けられているが、この発明は、これに限定されるものではなく、短絡検知部22は、制御部16内に設けてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態2では、当該超音波手術システムに電源が投入された場合にプローブまたはジョーに対して電気信号を常時送出し、該プローブおよび該ジョーを含む閉回路が形成された場合に、この閉回路を導通する電気信号の電流値および電圧値をもとに該閉回路の導通抵抗値を検出し、検出した導通抵抗値をもとに、プローブとジョーとの短絡を検知しているので、超音波振動を出力する前に、ティッシュパッドが摩耗したジョーとプローブとの接触を検知でき、あるいは、超音波振動を出力した場合、ティッシュパッドが摩耗したジョーとプローブとの接触を早期に検知するとともに、この超音波振動の出力を禁止できる。これによって、プローブまたはハンドピースにかかる負荷を低減して該プローブまたは該ハンドピースの劣化を抑制できるとともに、ティッシュパッドの摩耗等によって劣化したジョーを効率よく交換することができ、被処置体に対する医療処置を効率よく、かつ安全に行える超音波手術システムを実現できる。
また、ティッシュパッドと金属押さえ部との間に導電性緩衝材の層を設けたジョーを用いれば、ティッシュパッドが摩耗した場合であっても、この導電性緩衝材が、プローブの接触による衝撃を緩和するとともにプローブとの電気的導通を実現するので、プローブと金属押さえ部との接触を阻害するとともに、ティッシュパッドが摩耗したことを検知することができ、これによって、特に、手術中におけるプローブの破損を防止し、手術効率を高めるとともに手術の安全性をさらに高めることができる。
この発明の実施の形態1である超音波手術システムの概略構成を例示する模式図である。 ハンドピース、プローブ、およびシースの接続状態を例示する模式図である。 プローブに配置された記憶部の配置状態を例示する縦断面模式図である。 この発明の実施の形態1である超音波手術システムの基本的なシステム構成を例示するブロック図である。 出力制御部の基本構成を例示するブロック図である。 超音波手術システムに発生した異常を検知してから、この超音波手術システムの駆動禁止処理を行うまでの各処理工程を説明するフローチャートである。 超音波手術システムに発生した駆動前異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。 超音波手術システムに発生した駆動準備時異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。 超音波手術システムに発生した駆動時異常を検知するまでの各処理工程を詳細に説明するフローチャートである。 テストモードの異常確認処理を行って、停止した超音波振動子の再駆動を許可するまでの各処理工程を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態2である超音波手術システムの基本的なシステム構成を例示するブロック図である。 ジョーがプローブに対して閉じた状態を例示する模式図である。 変形例のジョーがプローブに対して閉じた状態を例示する模式図である。 プローブとジョーとの短絡を検知した場合に、プローブに対する超音波振動の出力を禁止する各処理工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
1,21 制御装置本体
1a 電源スイッチ
1b コネクタ
1c テストスイッチ
1d 表示部
1e アップスイッチ
1f ダウンスイッチ
2 ハンドピース
2a 超音波振動子
2b,3b,16a 記憶部
2c 締結部
3 プローブ
3a 開口部
3c 緩衝材
4 シース
4a,4aa ジョー
4a−1 金属押さえ部
4a−2 ティッシュパッド
4a−3 導電性緩衝材
4b グリップ
4c 軸
4d シール材
4e リンク棒
5 フットスイッチ
5a,5b ペダル
6,7 ケーブル
8 プラグ
10,20 超音波手術システム
11 スイッチ検知部
13 情報送受信部
14 出力制御部
14a DDS
14c 検出回路
14d 位相差検出回路
15 計時部
16 制御部
16b 異常判定部
16c 情報生成部
17a 音源回路
14b,17b 増幅回路
18 表示回路
22 短絡検知部
S1 基準周波数信号
S2 電流電圧設定信号
S3 検出周波数信号
S4 検出電流電圧信号
S5 駆動信号
S6 出力周波数信号
θI 電流位相信号
θV 電圧位相信号

Claims (11)

  1. 超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を被処置体に伝達し、該被処置体に対する医療処置を行う超音波手術システムにおいて、
    当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第1判定基準情報を記憶する第1記憶手段を有し、前記超音波振動子に接続され、該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブと、
    当該超音波手術システムに異常が発生したか否かの判定基準である第2判定基準情報を記憶する第2記憶手段と前記超音波振動子とを有するハンドピースと、
    前記第1記憶手段から前記第1判定基準情報を読み取るとともに前記第2記憶手段から前記第2判定基準情報を読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムの接続異常を判定し、該接続異常が無い場合、前記超音波振動子の駆動前に前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報との比較処理を行い、該比較処理の結果をもとに前記プローブと前記ハンドピースとの組合せ異常を判定し、さらに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とをもとに当該超音波手術システムの駆動に関する異常を判定し、前記組合せ異常または前記駆動に関する異常が発生した場合に前記超音波振動子の駆動を停止する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波手術システム。
  2. 前記制御手段は、当該超音波手術システムに発生した異常の履歴情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記履歴情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波手術システム。
  3. 前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードと、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認するテストモードとを切り換える切換手段を備え、
    前記制御手段は、前記テストモードの場合、前記プローブまたは前記ハンドピースに起因する異常の有無を確認し、前記プローブに起因する異常および前記ハンドピースに起因する異常が無いことを確認した場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記履歴情報を消去するとともに、駆動停止した前記超音波振動子の再駆動を許可することを特徴とする請求項2に記載の超音波手術システム。
  4. 前記超音波振動子が前記プローブに超音波振動を出力した出力時間を計時する計時手段を備え、
    前記制御手段は、前記計時手段から受信した前記出力時間に対応する出力時間情報をもとに前記プローブの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第1累積時間情報を前記第1判定基準情報として前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記出力時間情報をもとに前記ハンドピースの累積出力時間を演算し、該累積出力時間に対応する第2累積時間情報を前記第2判定基準情報として前記第2記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の超音波手術システム。
  5. 前記被処置体を前記プローブに押圧し、該被処置体に医療処置を行う押圧手段と、
    前記押圧手段と前記プローブとが接触した場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報をもとに前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知する導通検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記押圧手段と前記プローブとの電気的導通を検知したこと示す検知情報を前記導通検知手段から受信した場合に、当該超音波手術システムに異常が発生したと判定し、前記超音波振動子の駆動を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の超音波手術システム。
  6. 超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を用いた超音波手術システムに発生する異常を検知する異常検知方法おいて、
    前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子からの超音波振動を伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とを読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムの接続異常を検知する接続異常検知ステップと、
    前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報との比較処理を行い、該比較処理の結果をもとに前記プローブと前記ハンドピースとの組合せ異常を検知する組合せ異常検知ステップと、
    前記組合せ異常検知ステップによって組合せ異常が検知されなかった場合に、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知する駆動準備時異常検知ステップと、
    前記駆動準備異常検知ステップによって異常が検知されなかった場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動時異常検知ステップと、
    前記組合せ異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記超音波振動子の駆動を停止させる駆動禁止ステップと、
    を含んだことを特徴とする異常検知方法。
  7. 前記組合せ異常検知ステップ、前記駆動準備時異常検知ステップ、または前記駆動時異常検知ステップによって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させる異常履歴情報記憶ステップを含んだことを特徴とする請求項6に記載の異常検知方法。
  8. 前記駆動禁止ステップによって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶ステップによって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換える第1モード切換ステップと、
    前記テストモードの場合に、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認する異常確認ステップと、
    前記異常確認ステップによって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止ステップによって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可する駆動禁止解除ステップと、
    前記テストモードから前記駆動モードに切り換える第2モード切換ステップと、
    を含んだことを特徴とする請求項7に記載の異常検知方法。
  9. 超音波振動子をその共振点にて超音波出力するように駆動制御し、前記超音波振動子から適宜出力される超音波振動を被処置体に伝達し、該被処置体に対する医療処置を行う超音波手術システムに発生する異常を検知する異常検知プログラムおいて、
    前記超音波振動子に接続された場合に該超音波振動子から出力された超音波振動を前記被処置体に伝達するプローブが有する第1記憶手段に記憶された第1判定基準情報と、前記超音波振動子を備えたハンドピースが有する第2記憶手段に記憶された第2判定基準情報とを読み取る情報読取処理を行い、該情報読取処理の結果をもとに当該超音波手術システムの接続異常を検知する接続異常検知手順と、
    前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報との比較処理を行いし、該比較処理の結果をもとに前記プローブと前記ハンドピースとの組合せ異常を検知する組合せ異常検知手順と、
    前記組合せ異常検知手順によって組合せ異常が検知されなかった場合に、前記共振点が前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報によって設定される周波数制限範囲にて検出されたか否かを判定し、前記共振点が前記周波数制限範囲にて検出されなかった場合に当該超音波手術システムに異常が発生したことを検知する駆動準備時異常検知手順と、
    前記駆動準備異常検知手順によって異常が検知されなかった場合に、前記第1判定基準情報または前記第2判定基準情報と前記超音波振動子の駆動中に検出される駆動情報とをもとに当該超音波手術システムに異常が発生したか否かを判定する駆動時異常検知手順と、
    前記組合せ異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記超音波振動子の駆動を停止させる駆動禁止手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする異常検知プログラム。
  10. 前記組合せ異常検知手順、前記駆動準備時異常検知手順、または前記駆動時異常検知手順によって、当該超音波手術システムに発生した異常が検知された場合に、前記第1判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第1記憶手段に記憶させ、または、前記第2判定基準情報として前記異常の履歴情報を前記第2記憶手段に記憶させる異常履歴情報記憶手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載の異常検知プログラム。
  11. 前記駆動禁止手順によって前記超音波振動子の駆動が停止されるとともに、前記異常履歴情報記憶手順によって前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に前記異常の履歴情報が記憶された後に、前記制御手段によって前記超音波振動子が駆動制御される駆動モードから、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認するテストモードに切り換える第1モード切換手順と、
    前記テストモードの場合に、前記プローブまたは前記ハンドピースに対する異常の有無を確認する異常確認手順と、
    前記異常確認手順によって前記プローブおよび前記ハンドピースに異常が無いことが確認された場合に、前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段の少なくとも一方に記憶された前記異常の履歴情報を消去するとともに、前記駆動禁止手順によって駆動停止された前記超音波振動子の再駆動を許可する駆動禁止解除手順と、
    前記テストモードから前記駆動モードに切り換える第2モード切換手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載の異常検知プログラム。
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