JP4129172B2 - 携帯端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、携帯電話端末には、いわゆるハンズフリーモードを実現するためにスピーカが設けられているのが通常である。筐体の小型化、軽量化に伴い、スピーカの小型化、軽量化が求められる。
【0003】
スピーカの小型化の要請に応えるためには、口径が小さく、振動版のストロークの短いスピーカを使用する必要があるが、この場合には、振動板前面の空気が振動する容積が減少して、音量が低下するのが通常である。
【0004】
スピーカの良好な音響効果を確保するために、アンテナを備える携帯無線端末装置において、携帯無線端末装置の内部に音響ホーン通音構造を形成する技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−44199号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示される技術は、高度な音響効果を実現することを意図しており、中空の音響ホーンを携帯無線端末装置の内部に形成する等、特殊な構造が必要である。よって、携帯端末のさらなる小型化、軽量化、低価格化を進展させる場合には、不都合が生じることもあり得る。
【0007】
本発明の目的は、携帯端末装置において、十分な音量のスピーカを無理なく内蔵すると共に、そのスピーカの効果的な利用を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の携帯端末装置は、表示部をもつ第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを連結する連結部とを有し、前記連結部を中心として前記第1筐体および第2筐体が相対的に回動する携帯端末装置であって、ユーザーが前記表示部を見ることができる状態のときに前記表示部の前方に音を発することができるスピーカを、前記連結部の内部に設けたことを特徴とする。
【0009】
中空の連結部の内部にスピーカを設けることで、デッドスペースを利用して大きな容量のスピーカを無理なく設けることができる。また、ユーザーが表示部を見る場合には、ユーザーの顔が、表示部の前に位置することになるから、この状態で、スピーカから表示部の前方の方向に音声(あるいは着信音等の報知音)を発することにより、ユーザーは、明瞭な音声等を聞くことができる。
【0010】
また、本発明の携帯端末装置の一態様は、表面に表示部が設けられた第1筐体と、表面に操作部が設けられた第2筐体とが連結部により回動自在に連結され、前記いずれかの筐体が前記第1筐体の裏面の一部と前記第2筐体の一部との重なりを保ちつつ回動し、これによって、前記第1筐体と前記第2筐体とが重なって前記第1筐体の裏面が前記第2筐体の前記表面を覆っている閉状態から、前記第1筐体の裏面が前記第2筐体とが略直角となって前記第2筐体の前記操作部が露出された状態である第1の開状態となり、さらに、前記第1筐体と第2筐体とが略直線状となって第2の開状態に至る開閉型の携帯端末装置であって、前記連結部に、前記表示部の前方に音を発することができるスピーカを設けたことを特徴とする。
【0011】
これにより、開閉型の携帯端末装置に、無理なくスピーカを無理なく設けることができる。開閉型の携帯端末装置の場合、その構造上、連結部の長手方向が第1筐体と第2筐体の厚み方向と一致するため、各筐体の肉厚を合算した長さの空間を無理なく確保することができる。また、連結部の端部は、第1筐体の表面(および第2筐体の裏面)に露出することから、音声等を筐体正面の前方(あるいは後方)に出力するのに適している。さらに、開閉型の携帯端末装置がどのような状態であっても、表示部およびスピーカは、第1筐体の表面(第1筐体の正面の前方)に露出しており、常に、画像表示および音声等の出力が可能である。また、連結部は、閉じた状態における第1筐体(および第2筐体)の横幅のほぼ中央に位置しているため、ユーザーが表示部を見ている状態で、スピーカが前方に音を発すると、ユーザーの左右の耳にバランスよく届くという効果もある。
【0012】
また、本発明の携帯端末装置の一態様では、前記連結部に、前記第2筐体の裏面の前方を撮像することが可能な撮像部を、さらに設けた構造を有する。
【0013】
これにより、連結部の長手方向のデッドスペースを、さらに有効に利用することができる。撮像部の光学系として肉厚のレンズを使用することができ、高画質の画像撮影が可能となり、また、撮像部(の光学系)が第2筐体の裏面に常に露出しており、携帯端末装置の状態にかかわりなく撮像が可能となる。
【0014】
また、本発明の(開閉型の)携帯端末装置の一態様では、前記第1の筐体の表面の、前記連結部とは反対側に位置する端部付近にレシーバを設けると共に、前記第1の開状態では、前記スピーカを介して音声を出力し、前記第2の開状態では、前記レシーバを介して音声を出力する構成とする。
【0015】
開閉型の携帯端末装置は、第2の開状態(第1筐体と第2筐体とが略直線状になる状態)のときに通常の棒状の携帯端末に近い形状になる。この状態が、耳と口を携帯端末装置に近づけて音声通信(会話)をするのに最も適した形態であり、この点を考慮して、第2の開状態では、通信相手の音声をスピーカからではなくレシーバ(受話部)から出力するようにし、快適な音声通信を行えるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の開閉型の携帯端末装置におけるスピーカの設置形態を説明するための正面図および側面図(連結部については断面構造をも示している)であり、図1(b)は、折り畳み型の携帯端末装置におけるスピーカの設置形態を説明するための斜視図である。
【0018】
図1(a)の開閉型の携帯端末装置は、連結部300を中心として、第1筐体101aが(第2筐体101bに対して)、例えば、時計方向に回動可能であり、図1(a)では、第1および第2の筐体が略直線状になっている。
【0019】
スピーカ107は、中空の連結部300内に埋め込まれて設置されている。これにより、開閉型の携帯端末装置に、無理なく大容量のスピーカを設けることができる。開閉型の携帯端末装置の場合、その構造上、連結部の長手方向が第1筐体と第2筐体の厚み方向と一致するため、各筐体の肉厚を合算した長さの空間を無理なく確保することができる。
【0020】
また、第1筐体101aの表面には表示部112aが設けられている。これにより、各筐体がどのような状態であっても、ユーザーは、表示部112aの表示を見ることができる。
【0021】
また、同様に、連結部300内に内蔵されたスピーカは第1筐体101aの表面に露出しているため、常に、表示部112aの前方に音声等を出力することが可能である。
【0022】
ユーザーが表示部112aを見る場合には、ユーザーの顔が、表示部の前に位置することになるから、この状態で、スピーカから表示部112aの前方の方向に音声(あるいは着信音等の報知音)を発することにより、ユーザーは、明瞭な音声等を聞くことができる。
【0023】
また、連結部300は、閉じた状態における第1筐体101a(および第2筐体101b)の横幅のほぼ中央に位置しているため、ユーザーが表示部112aを見ている状態〈顔が表示部正面の前方にある状態〉で、スピーカ107が前方に音を発すると、ユーザーの左右の耳にバランスよく届くという効果もある。
【0024】
また、図1(b)に示される折り畳み型の携帯端末装置は、第2筐体400bに対して第1筐体400aが、連結部302の中心軸AXを中心として前後に回動可能であり、中空の連結部302の中央部に、スピーカ500が埋め込まれている。
【0025】
折り畳み型の携帯端末装置では、折り畳まれた状態では、表示を見ることができず、スピーカ500から前方に音声等を〈直接に〉出力することはできないが、図1(b)のような開いた状態では、図1(a)の開閉型の携帯端末と同様の効果を得ることができる。
【0026】
つまり、中空の連結部302の内部にスピーカを設けることで、デッドスペースを利用して大きな容量のスピーカを無理なく設けることができる。また、ユーザーが表示部600を見る場合には、ユーザーの顔が、表示部の前に位置することになるから、この状態で、スピーカから表示部600の前方に音声(あるいは着信音等の報知音)を発することにより、ユーザーは、明瞭な音声等を聞くことができる。
【0027】
また、スピーカ500が、第1および第2の筐体400a,400bの横幅のほぼ中央に位置しているため、ユーザーが表示部600を見ている状態〈顔が表示部正面の前方にある状態〉で、スピーカ500が前方に音を発すると、ユーザーの左右の耳にバランスよく届くという効果もある。
【0028】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の閉じた状態を示す平面図(正面図)である。図3は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の第1の開状態を示す平面図である。図4は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の第2開状態を示す平面図である。図5は、図4の状態における携帯端末装置の横断面図である。図6は、図4に示される携帯端末装置の背面図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0029】
図2〜図7に示すように、本実施の形態の開閉型の携帯端末装置は、筐体101と、回動軸部102と、アンテナ103と、バイブレータ部104と、操作部105と、受話部(レシーバ)106と、スピーカ107と、送話部(マイクロフォン)108と、カメラ部109と、第1ホール素子110と、第2ホール素子111と、表示部112と、永久磁石113と、プリント基板114とを備えて構成されている。
【0030】
なお、プリント基板114は、図7に示される、送受信部115、データ変換部116、音声処理部117、画像処理部118、情報記録部119および制御部120を有している。
【0031】
以下、本実施形態の通信端末が有する各構成要素について説明する。
【0032】
まず、筐体101について説明する。筐体101は、第1の筐体部材101aおよび第2の筐体部材101bから構成されている。
【0033】
第2の筐体部材101bには第1の筐体部材101aを回動可能に支持する回動軸部102が形成され、第1と第2の筐体部材101a、101bが重畳した状態から第1の筐体部材101aが回動軸部102の軸心を中心にS方向へ(或いは第2の筐体部材101bがS方向とは反対方向へ)略180度回動可能になっている。
【0034】
以下の説明では、図1に示すように、第2の筐体部材101bに対して第1の筐体部材101aが重畳している状態を「閉状態」といい、第1の筐体部材101aが重畳した状態を、図5では2点鎖線で示す。
【0035】
また、閉状態から、第2の筐体部材101bに対して第1の筐体部材101aがS方向に回動した状態を「開状態」といい、図3に示すように、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの角度が略90度の状態を「第1の開状態」という。
【0036】
また、図4に示すように、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの角度が略180度の状態(或いは直線状に開かれた状態)を「第2の開状態」という。
【0037】
通常、携帯端末装置の携帯時は閉状態、使用時は開状態で用いられる。
【0038】
また、本実施の形態では、閉状態のときに第1の筐体部材101aと当接する第2の筐体部材101bの表面に突起121が形成されている。このため、閉状態のときに、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの間にはクリアランス121aが形成される。
【0039】
図7に示すように、送受信部115は、アンテナ103に接続されており、このアンテナ103で受信したデータを処理してデータ変換部116に伝達するものである。
【0040】
データ変換部116は、受信データを音声データに変換して音声処理部117に伝達するものである。音声処理部117は、音声データを復号化して音声信号を生成した後、レシーバ106やスピーカ107に伝達するものである。
【0041】
レシーバ106やスピーカ107では、音声処理部117から伝達された音声信号に対応する音声を出力するものである。
【0042】
また、音声処理部117は、マイクロフォン108が受けた音声を符号化して音声データを生成した後、データ変換部116に伝達する。
【0043】
データ変換部116は、伝達された音声データを通信データに変換した後、送受信部115に送出する。送受信部115は、受け取った通信データを処理し、アンテナ103から無線信号の電波として送信する。
【0044】
また、図7に示すように、カメラ部109、表示部112は、画像処理部118に接続されている。
【0045】
また、レシーバ106、スピーカ107およびマイクロフォン108は音声処理部117に接続されており、音声処理部117はデータ変換部116に接続されている。
【0046】
また、制御部120は、バイブレータ部104、操作部105、第1ホール素子110、第2ホール素子111、送受信部115、データ変換部116および情報記録部119に接続され、これらの構成要素の制御を行う。また、制御部120は電池122に接続され、電池122から電力が供給される。
【0047】
第1の筐体部材101aには、レシーバ106と、スピーカ107と、表示部112と、永久磁石113とが収容されている。
【0048】
第2の筐体部材101bには、アンテナ103と、バイブレータ部104と、操作部105と、カメラ部109と、送話部(マイクロフォン)108と、第1ホール素子110と、第2ホール素子111と、プリント基板114とが収容されている。
【0049】
アンテナ103は、第2の筐体部材101bの回動軸部102近傍に配設されている。バイブレータ部104は、着信時に起振することにより着信を振動で報知するものである。
【0050】
また、操作部105は、第1操作部105a、第2操作部105b、第3操作部105cを有している。
【0051】
第1操作部105aは、閉状態の際に第1の筐体部材101aと対向する第2の筐体部材101bの対向側面101c(第2の筐体部材の主面)に設けられ、第2操作部105bは第1の筐体部材101aの正面101d(第2の筐体部材と対向する対向面の背面)に設けられ、第3操作部105cは第2の筐体部材の右側面101e(第2の筐体部材の右側面)に設けられている。
【0052】
使用者は、第1操作部105aを操作して、受話や終話の操作、レシーバ106やスピーカ107から出力される音量の調節、文字や記号、数字の入力を行うことができる。第2操作部105bを操作して方向キーとして用いる。
【0053】
方向キーとは、文字を入力する時に表示されるカーソルを任意の方向に移動させたり、例えば、GPS機能を用いて表示部112に地図を表示させ、表示される地図を任意の方向に移動させる時に、移動方向を指示するものである。
【0054】
例えば、図3において、第1の表示部112aにカーソル112cが表示されている時、第2の操作部105bの操作ボタン105dを押圧操作するとカーソル112cは矢印A方向に移動し、また、操作ボタン105eを押圧操作するとカーソル112cは矢印B方向に移動するなど、スピーカ107を中心(図3の状態)にして右側の操作ボタン105dを押圧操作するとカーソル112cも同方向(右側)へ、下側の操作ボタン105eを押圧操作するとカーソル112cも同方向(下側)へ移動するようになっている。
【0055】
この機能は、文字を編集したりダウンロードしたゲームで遊戯するときなどに活用される。
【0056】
第3操作部105cを操作して、カメラ部109を操作(静止画の撮影、動画の撮影開始及び終了)することができる。
【0057】
カメラ部109は回動軸部102内に設けられ、第2の筐体部材101bの主面101cとは反対側の側面方向が撮像可能になっている。
【0058】
カメラ部109が捉えた被写体からの入射光は、レンズ群109aを通過してCCD(電荷結合素子)などの光電変換素子109bにて光信号から電気信号に変換され、画像情報が生成される。
【0059】
当該画像情報は、画像処理部118にて処理された後、第1や第2表示部112a、112bで表示される。
【0060】
また、カメラ部109は、複数枚のレンズを使用することにより、収差が少ない良好な画像が得られるようになっている。被写体を光電変換素子に結像させる縮小レンズ系は、単レンズに比べ複数枚の凹凸レンズをくみ合わせることにより歪曲収差(distortion)やコマ収差(coma)、非点収差(astigmatism)など、いろいろな収差を小さくできる。
【0061】
また、開口径が大きい(Fナンバーが小さい)ほど、或いは焦点距離fが小さいほど、レンズが作る像を明るくすることができる。反面、レンズ系全体の厚みが増し、カメラ部109の長厚化を招く。
【0062】
そこで、本実施の形態のように筐体101が開閉何れの態様であっても第1と第2の筐体部材101a、101bが重畳する回動軸部102にカメラ部109を設けることにより、各々の筐体部材101a、101bの厚型化を回避しながら高画質が得られるカメラ部109を配置している。
【0063】
なお、図5において、カメラ部109は3枚のレンズからなる光学系として図示してある。
【0064】
設計においては、結像される画素の大きさ、収差の除去程度などによって条件が決定され、何枚かの正負レンズの組合せで光学系を決定するものであり、ここではカメラ部の概念図として示してある。
【0065】
特に、像面湾曲(curvature of field)を除去するには低屈折率の負レンズを用いたほうが良く、そのためにはレンズの複数枚化が必須である。
【0066】
なお、回動軸部102以外にカメラ部109を収容しようとした場合、収容される何れか一方の筐体部材が厚くなるため、持ち運ぶ時に好適となる閉状態でも厚くなるため、携帯性に不適となる。
【0067】
カメラ部109が撮影した画像情報は、所定の操作をすると情報記録部119に記録される。情報記録部119は、他にも、電話番号情報や音声情報、撮像した画像の画像情報以外の画像情報(受信した画像情報等)、作成中または送受信したメール等の文字情報を記録することができる。
【0068】
スピーカ107は第2操作部105bの内側で第1の筐体部材101aの回動中心近傍に設けられ、第1の筐体部材101aの主面101dから音声が出力される。
【0069】
このスピーカ107は、着信時に着信音を出力することによって、使用者に着信を報知したり、ハンズフリー時に、レシーバ106よりも音量の大きい音声を出力するものである。
【0070】
本実施形態では、1KHzにおいて約20dB(A)の音圧レベル差を有する部品を選択している。
【0071】
表示部112は、第1の表示部112aと第2表示部112bとからなり、液晶表示器等により構成することが可能であり、文字や記号、数字、画像、地図等を表示するものである。
【0072】
第1の表示部112aは第1の筐体部材101aの正面101d側に設けられている。
【0073】
第2の表示部112bは第1表示部112aの背面に設けられている。第1の開状態において、第1の操作部105aを操作するとカメラ部109が撮像した撮影画像が第1の表示部112aに表示される。
【0074】
使用者が使用者自身を撮影したい時にはカメラ部109を使用者に向けるとよく、この場合、第1の操作部105aを操作し第2の表示部112bに撮影画像を生成するようにすればよく、第2の表示部112bに表示される表示画像を見ることによって写り具合が確認できる。なお、このとき第1の表示部112aには撮影画像は表示されない。
【0075】
レシーバ106は第1の筐体部材101aの正面101dであって表示部112に隣接して設けられており、本実施形態の携帯端末装置を通常の携帯電話として使用する際に音声を出力するものである。
【0076】
レシーバ106から出力される音声は、スピーカ107とともに表示部112の前方に向けて出力される向きに設けられている。
【0077】
使用者は、音声通信を受話した時には筐体101を第2の開状態とし、所定の受話操作後、レシーバ106に耳を当てて音声を聞き取る。
【0078】
また、ハンズフリーによる通話をする時は、第1の開状態として使用され、通信相手の音声はレシーバ106からは出力されず、スピーカ107からのみ出力される。マイクロフォン108は、第2の筐体部材の主面101cの回動軸部102から遠方側端部に設けられている。
【0079】
永久磁石113は、第1の筐体部材101aのカメラ部109近傍に設けられている。
【0080】
第1ホール素子110は、筐体101が閉状態のとき永久磁石113と対向するように、第2の筐体部材101bに設けられている。
【0081】
第2ホール素子111は、筐体101が第2の開状態のとき永久磁石113と対向するように、第2の筐体部材101bに設けられている。
【0082】
筐体101が閉状態では、永久磁石113が第1ホール素子110に近接するため、第1ホール素子110が永久磁石113を検出して制御部120に検出信号を与える。
【0083】
また、筐体101が閉状態でなければ、すなわち、開状態であれば永久磁石113が第1ホール素子110から離隔される。よって、第1ホール素子110は永久磁石113を検出できないため、第1ホール素子110は検出信号を生成しない。
【0084】
筐体101が第2の開状態では、永久磁石113が第2ホール素子111に近接するため、第2ホール素子111が永久磁石113を検出して制御部120に検出信号を送出する。
【0085】
即ち、第1ホール素子110が永久磁石113を検出すると筐体101は閉状態であり、検出できなければ開状態である。筐体101が開状態である時、さらに、第2ホール素子111が永久磁石113を検出すると第2の開状態であり、第2ホール素子111が永久磁石113を検出しなければ第1の開状態である。
したがって、制御部120は、第1、第2ホール素子110、111からの検出信号を受けるか否かによって、第1の筐体部材101aおよび第2の筐体部材101bの開閉状態を認識することができる。
【0086】
上述のように構成された本実施形態の携帯端末装置にあっては、第2の開状態では使用者がレシーバ106に耳を当てて使用する。
【0087】
第1の開状態では手に持ってハンズフリーで通話したり、メールを読んだり或いはメールを作成するために文字入力をする時に用いられる。
【0088】
したがって、閉状態では、筐体101の投影面積が最小となり携帯性に好適となる。第1の開状態では、第1の表示部112aが横長方向になるためVGAサイズの画像の表示に好適となる。このため、同じ大きさの表示部112aを縦長方向にした場合よりも、大きな画像で表示することができる。
【0089】
第2の開状態では、レシーバ106とマイクロフォン108との間隔が最大となるため、筐体101を手に持ちレシーバ106近傍を頭部に当てて通話すると口の近傍にマイクロフォン108が近づくので、明瞭な音声が聞くことができ、送話も確実となる。
【0090】
次に、図2〜図8を参照して、本実施形態の携帯端末装置の動作について説明する。
【0091】
図8は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置のモード別の機能を説明するための図である。また、図9は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【0092】
図2〜図8において、本実施形態の携帯端末装置に電源が投入された状態では、音声通信モードが開始され、操作部105を操作することでモード切替を実行し、非音声通信モードまたはカメラモードで各機能の操作が行えるように構成されている。
【0093】
図8に示すように、音声通信モードでは、音声および非音声通信の受信待受動作を開始し、着信動作や発信動作を行うことで通信相手と通話をすることができる。
【0094】
受信待受状態において、筐体101が開閉いずれの状態であっても第1の表示部112aに時刻等が表示され、着信した場合には時刻等の表示が消えて相手の発信番号が表示される。
【0095】
相手の発信番号が名前と共に予め電話帳に登録されているならば、相手の名前が表示される。
【0096】
音声のみの通信を着信した時は、スピーカ107から報知音が出力され、第1または第2の開状態にし受話動作を行うと着信音の出力が停止されなど、詳細の動作は後述する。
【0097】
非音声通信モードでは、受信待受状態を維持しながら、第1の開状態において、第1の操作部105aより入力した文字情報を第1の表示部112aに表示させ、かつ、送信機能を用いて相手に入力した文字情報や情報記録部119に保存されてある音声、非音声(画像等)情報を送信することができる。
【0098】
メールなどの非音声情報を着信した時には、筐体101が開閉何れの状態であっても第1の表示部112aに着信を報知するメッセージが表示される。
【0099】
開状態において、使用者による所定の操作によって、着信した文字情報や画像情報を第1の表示部112aに表示することができる。
【0100】
また、音声または非音声通信を行うときには、送信相手を確定するために電話帳機能を利用することができる。即ち、筐体101を開状態にし、第1の操作部105aを操作し電話帳機能を用いて相手名を第1の表示部112aに表示させ、選択して確定することができる。
【0101】
カメラモードにおいては、カメラ部109による撮影は閉状態及び第1の開状態で行える。
【0102】
閉状態及び第1の開状態において、カメラ部109によって被写体を撮影すると、第1の表示部112aに反鏡像が表示される。
【0103】
また、撮影した撮像画像は第3の操作部105cの操作により静止画または動画として情報記録部119に記録できる。
【0104】
情報記録部119に記録された動画や静止画像を再生するときには、所定の操作を行って、撮影した撮像画像を第1の表示部112aに表示させ、目視することができる。
【0105】
この撮影した撮像画像は、電話番号情報に関連付けて電話帳に記憶することができる。画像情報と関連付けられた電話番号から着信があった場合、第1の表示部112aに撮像画像の反鏡像が表示される。
【0106】
また、カメラ部109が撮像した撮像画像を通信相手に送信もできる。
【0107】
使用者自身を写した場合、第1の操作部105aを操作し、撮像画像が表示される表示部112を第2の表示部112bに切り替える。
【0108】
前述したように、カメラ部109は第2の表示部112bの前方を撮影するようになっているので、被写体である使用者は、第2の表示部112bに表示される撮像画像を見て、写り具合を確認することができる。
【0109】
次に、図9を用いて、本実施の形態の携帯端末装置におけるスピーカとレシーバの切り替え動作について説明する。
【0110】
図9において、本実施の形態の携帯端末装置に電源が投入されて受信待受状態(ステップ1と称し、以下、ステップをSTと記す)の時、着信があれば(ST2)、着信音がスピーカ107から出力される(ST3)。
【0111】
次に、受話動作を行う際、筐体が開いていなければ(ST4)筐体を開状態にする(ST5)。
【0112】
第1の操作部105aを操作し、受話すると(ST6)、筐体の開状態を判断し(ST7)、第1の開状態であればスピーカ107から音声が出力されて(ST8)ハンズフリーで行うことができる。
【0113】
第2の開状態ではレシーバ106から音声が出力される(ST9)。
【0114】
第2の開状態ではレシーバ106近傍に耳を当てて受話する。
【0115】
終話したい時(ST10)は、第1の操作部105aを所定操作したり閉状態にすると、終話し(ST11)、受信待受状態(ST12)に戻る。
【0116】
ST10において、通話を継続する時、筐体の態様を確認するためにST7に戻る。
【0117】
ここで、例えば、レシーバ106から音声が出力されている時、筐体を第1の開状態に変えると、音声出力はレシーバ106からスピーカ107に切替わるなど、通話中であっても筐体態様が変われば、音声出力源が変更されるようになっている。使用者は、ハンズフリーへの切替え、解除は、筐体態様を変えるだけで行える。
【0118】
図10に、閉状態、第1および第2の開状態の各々における、スピーカの使用態様をまとめて示す。
【0119】
図10の左側に示すように開状態では、スピーカ107は着信音のみを出力する。また、この状態では、ユーザーXは、図5に示されるカメラ(固体撮像素子)109bで風景等を撮像し、その画像を表示部112aに表示することができる。
【0120】
閉状態で着信すると、ユーザーXは、図10の中央に示すように、携帯端末装置を第1の開状態として、ハンズフリーモードで、通信相手と会話することができる。
【0121】
TV電話による通信を行う場合には、表示部112aに通信相手の顔が表示され、ユーザーXは、その表示を見ながら、会話をすることができる。
【0122】
このとき、通信相手の音声はスピーカ107から出力され、ユーザーXの発話音声はマイクロフォン108にて集音される。
【0123】
また、図10の右側に示すように、ユーザーXは、第2の開状態として、音声のみの通信を快適に行うこともできる。
【0124】
すなわち、第2の開状態では、第1および第2筐体が直線状になるため、第1筐体の端部に設けられたレシーバ106と、第2筐体の端部(スピーカの反対側の端部)に設けられているマイクロフォン108との間の間隔が最大となる。よって、ユーザーXの耳をレシ−バ106に近づけると、マイクロフォン108の位置もユーザーXの口と近くなり、音声のみの通話に最適な状態となる。
【0125】
このような点を考慮して、第2の開状態では、スピーカ107からの会話音声の出力を禁止し、代わりに、レシーバ106から会話音声を出力する。
【0126】
図11に、このような、スピーカとレシーバの切り替え制御を行うための構成を示す。
【0127】
図11において、制御部120には、切替回路650が設けられており、この切替回路650は、ホール素子110,111や操作部105からの信号に基づいて携帯端末装置の開閉状態や動作状態を判定し、スイッチSW1,SW2を制御する。これにより、図10の下側に示されるような、スピーカ,レシーバおよびマイクのオン/オフ制御が行われる。
【0128】
なお、音声処理部117は、音声再生回路700や、A/D変換器702、アンプ704を具備する。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、携帯端末装置において、十分な音量のスピーカを無理なく内蔵すると共に、そのスピーカの効果的な利用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1に係る開閉型の携帯端末装置におけるスピーカの設置形態を説明するための正面図および側面図
(b)本発明の実施の形態1に係る折り畳み型の携帯端末装置におけるスピーカの設置形態を説明するための斜視図
【図2】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の閉状態を示す平面図
【図3】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の第1の開状態を示す平面図
【図4】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の第2の開状態を示す平面図
【図5】図4の状態における携帯端末装置の横断面図
【図6】図4の状態における携帯端末装置の背面図
【図7】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の電気的構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置のモード別の機能を説明するための説明図
【図9】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の、閉状態、第1および第2の開状態の各々におけるスピーカの使用態様をまとめて示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置における、スピーカとレシーバの切り替え制御を行うための構成を示す図
【符号の説明】
101 筐体
101a 第1筐体部材
101b 第2筐体部材
101c 第2の筐体部材の主面
101d 第1の筐体部材の正面
101e 第2の筐体部材の右側面
102 回動軸部
103 アンテナ
104 バイブレータ部
105 操作部
105a 第1の操作部
105b 第2の操作部
105c 第3の操作部
105d、105e 操作ボタン
106 レシーバ
107 スピーカ
108 マイクロフォン
109 カメラ部
109a レンズ群
109b 光電変換素子
110 第1ホール素子
111 第2ホール素子
112 表示部
112a 第1の表示部
112b 第2表示部
112c カーソル
113 永久磁石
114 プリント基板
115 送受信部
116 データ変換部
117 音声処理部
118 画像処理部
119 情報記録部
120 制御部
121 突起
121a クリアランス
122 電池
300 連結部
400a 第1筐体
400b 第2筐体
302 連結部
500 スピーカ
600 表示部
601,602 操作部

Claims (1)

  1. 表面に表示部が設けられた第1筐体と、
    表面に操作部が設けられた第2筐体と、
    前記第1筐体と第2筐体とを回動自在に連結する連結部と、
    前記いずれかの筐体は、前記第1筐体の裏面の一部と前記第2筐体の一部との重なりを保ちつつ回動し、前記第1筐体と前記第2筐体とが重なって前記第1筐体の裏面が前記第2筐体の前記表面を覆っている閉状態から、前記第1筐体の裏面が前記第2筐体とが略直角となって前記第2筐体の前記操作部が露出された状態である第1の開状態となり、さらに、前記第1筐体と第2筐体とが略直線状となって第2の開状態に至る開閉型の携帯端末装置であって、
    前記連結部に、前記表示部の前方に音を発することができるスピーカと、前記第2筐体の裏面の前方を撮像する撮像部とを設けたことを特徴とする携帯端末装置。
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