JP4127811B2 - 鉄鋼構造物の補強工法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄鋼構造物の補強工法に関するものである。
従来の構造物の補強工法としては、次のような工法が知られている。この補強工法は、エポキシ樹脂を繊維強化材に含浸させた補強体を、長柱の応力集中部の上下に渡る部位に貼り付けて固着させる方法である(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−155754号公報(第2頁、第3段落)。
この従来例の補強工法においては、エポキシ樹脂を繊維強化材に含浸させた補強体を、応力集中部に貼り付けるだけの工程なので、例えば、鋼材同士が直交して接続する接続部位を当該工法で補強した場合には、接続部位に剥離力が集中する結果、補強体が剥離するおそれがある。その場合、充分な補強強度が保てないという問題点を有している。
また、補強体が長柱に完全に密着せずに、浮き等が生じている場合には、外部からの応力に対して耐剪断力及び耐衝撃力が不足して、補強強度が低下するという欠点も有している。
従って、従来例における補強工法においては、鋼材同士の接続部位を強固に補強すると共に、補強体を構造物に密着させて耐剪断力及び耐衝撃力を増強し、補強強度を向上させることに解決しなければならない課題を有している。
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、所要長さの一方の鋼材に対して、直交方向又は所定角度にクロスする方向に所要長さの他方の鋼材が接続している鉄鋼構造物の、前記接続部位の補強工法であって、前記鋼材同士の接続部位を所要範囲に渡って前処理し、該前処理した接続部位に1段目の炭素繊維シートを貼着し、該1段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、該樹脂材を含浸させた炭素繊維シートに対して、前記接続部位に対応した補強板を取り付け、該補強板に対して、2段目の炭素繊維シートを貼着し、該2段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、硬化させることを特徴とする鉄鋼構造物の補強工法を提供するものである。
また、前記前処理は、汚れや油分等の除去工程、鋼材表面のサンディング仕上げ工程、プライマーの塗布工程、含浸レジンの塗布工程、のいずれか一つ又は複数の組み合わせであることとしたものであり、そして、前記樹脂材は、エポキシ樹脂であることとしたものであり、更に、前記補強板は、取付面に複数の孔部が設けられていることとしたものであり、また、前記1段目に貼着する炭素繊維シートと2段目に貼着する炭素繊維シートとは、それぞれ繊維の方向を異ならせて貼着することとしたものである。
本発明に係る鉄鋼構造物の補強工法は、所要長さの一方の鋼材に対して、直交方向又は所定角度にクロスする方向に所要長さの他方の鋼材が接続している鉄鋼構造物の、前記接続部位の補強工法であって、前記鋼材同士の接続部位を所要範囲に渡って前処理し、該前処理した接続部位に1段目の炭素繊維シートを貼着し、該1段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、該樹脂材を含浸させた炭素繊維シートに対して、前記接続部位に対応した補強板を取り付け、該補強板に対して、2段目の炭素繊維シートを貼着し、該2段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、硬化させることによって、炭素繊維シートが樹脂材と共に硬化して接続部位に強固に貼着することとなり、補強強度が向上する。また、補強板を接続部位に取り付けるので、炭素繊維シートと鋼材とが密着して、耐剪断力及び耐衝撃力が増すこととなり、接続器部位の補強強度が向上する。更に、炭素繊維シートの貼着を、補強板を介在させて2段に行うので、補強強度が一層向上するという種々の優れた効果を奏する。
また、前処理は、汚れや油分等の除去工程、鋼材表面のサンディング仕上げ工程、プライマーの塗布工程、含浸レジンの塗布工程、のいずれか一つ又は複数の組み合わせであることによって、これらの前処理工程を行うことにより、炭素繊維シートと鋼材とが強固に貼着することとなるという優れた効果を奏する。
そして、樹脂材は、エポキシ樹脂であることによって、炭素繊維シートがエポキシ樹脂と共に硬化して鋼材に強固に貼着することとなり、接続部位の強度が向上するという優れた効果を奏する。
更に、補強板は、取付面に複数の孔部が設けられていることによって、孔部から炭素繊維シート等に残留する気泡を排出することができると共に、孔部にエポキシパテが侵入することとなり、補強板の付着力を強化することができるという優れた効果を奏する。
また、1段目に貼着する炭素繊維シートと2段目に貼着する炭素繊維シートとは、それぞれ繊維の方向を異ならせて貼着することによって、炭素繊維シートは引張強度が高いという特性を充分に発揮できることとなり、接続部位の強度が向上するという優れた効果を奏する。
鋼材同士の接続部位を強固に補強するという目的を、1段目の炭素繊維シートを接続部位に貼着して樹脂材を含浸させ、この炭素繊維シートに補強板を密着状態で取り付け、更に、補強板に2段目の炭素繊維シートを貼着して樹脂材を含浸させ硬化させることにより実現した。
次に、本発明の実施の形態について、第1実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の補強工法によって補強する鉄鋼構造物の斜視図であって、一方のL型鋼(鋼材)11に対して、直交方向に他方のL型鋼(鋼材)12が接続している。
まず、L型鋼11とL型鋼12との接続部位13の近傍、即ち、後工程で炭素繊維シートを貼着する部位の汚れ、油分又は塗装等を、布や刷毛等の所定の治具を用いて除去する(図1参照)。次に、サンダー等を使用してサンディング仕上げを施し、鋼材の表面に細かい傷をつける。これによって、鋼材と炭素繊維シートとを強固に接着できることとなる。
次に、前記の工程でサンディング仕上げを施した部位14、15に、エポキシ樹脂のプライマーを塗布して指触硬化を待つ(図2(イ)(ロ)参照)。プライマーの標準的な使用量は、一例を上げれば0.20〜0.25kg/mである。なお、プライマーは、一例を上げれば、三菱化学産資株式会社製の「エポサームプライマー」(商品名)等を使用することが望ましい。
なお、仮に鋼材の一部に凹凸が生じている場合には、プライマーの硬化後に、凹凸部分にエポキシパテを塗布してなだらかに修正する。
次に、前記の工程でプライマーを塗布した部位16、17に、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する(図3(イ)(ロ)参照)。
前記の工程で含浸レジンを塗布した部位に、1段目の炭素繊維シート18、19を貼着する(図4(イ)(ロ)参照)。この場合、炭素繊維シート18、19の繊維の方向が、L型鋼11とL型鋼12とを亘る方向に繊維が連続するように配設する。要するに、図4(イ)に示すように、L型鋼11の長手方向に沿って炭素繊維シート18の繊維が連続するように配設し、また、図4(ロ)に示すように、L型鋼12の長手方向に沿って炭素繊維シート19の繊維が連続するように配設する。
なお、炭素繊維シート19の下端部19aは、L型鋼11の内側に折り曲げて貼着する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート18、19に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート18、19に充分に含浸させて指触硬化を待つ(図5(イ)(ロ)参照)。含浸レジンの標準的な使用量は、前記の工程で塗布した含浸レジンの量と合わせて、例えば0.6〜1.2kg/mであり、この範囲において、炭素繊維シートの目付量により異ならせて使用する。更に具体的に述べれば、炭素繊維の目付量が200g/mの場合には、含浸レジンを0.6kg/m使用し、炭素繊維の目付量が300g/mの場合には、含浸レジンを0.8kg/m使用し、炭素繊維の目付量が400g/mの場合には、含浸レジンを1.0kg/m使用し、炭素繊維の目付量が600g/mの場合には、含浸レジンを1.2kg/m使用することを目処とする。なお、含浸レジンは、一例を上げれば、三菱化学産資株式会社製の「エポサームレジン」(商品名)等を使用することが望ましい。
次に、補強板の取付工程を行う。補強板は、所要厚さの鉄板又は鋼鈑であって、図6(イ)に示す角部には、L型の補強板20aを取り付ける(図7(イ)参照)。また、図6(ロ)(ハ)に示す角部には、三角柱状の補強板20bを取り付ける(図7(ロ)参照)。更に、補強板20a、20bの取付面には、複数の孔部21が設けられている。
このような形状の補強板20a、20bの取付面を、エポキシパテ22を介して炭素繊維シート18、19の角部に押圧して、エポキシパテ22の指触硬化を待つ(図6(イ)(ロ)(ハ)参照)。このとき、補強板20a、20bの孔部21から炭素繊維シート18、19等に残留する気泡を排出することができると共に、孔部21にエポキシパテが侵入することとなり、補強板20a、20bの付着力を強化することができるのである。
なお、エポキシパテ22の標準的な使用量は、一例を上げれば1.5kg/m程度である。更に、エポキシパテ22は、一例を上げれば、三菱化学産資株式会社製の「エポサームパテ」(商品名)等を使用することが望ましい。
更に、補強板20aの両方の端部にできた段差を修正すべく、エポキシパテ22aを用いて段差の部分に塗布し、テーパー状になだらかに修正して、指触硬化を待つ(図8参照)。
次に、補強板20a、20b及びエポキシパテ22aの塗布部位に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する(図9参照)。
前記の工程で含浸レジンを塗布した補強板20a、20b及びエポキシパテ22aに対して、2段目の炭素繊維シート23、24を貼着する(図10(イ)(ロ)参照)。この場合、炭素繊維シート23、24の繊維の方向が、1段目の炭素繊維シート18、19と直交する方向(図10(ロ)の矢印方向)に繊維が連続するように配設する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート23、24に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート23、24に充分に含浸させて硬化させる(図11参照)。含浸レジンの標準的な使用量は、前記の工程で補強板20a、20b等に塗布した含浸レジンの量と合わせて、例えば0.6〜1.2kg/mであり、この範囲において、炭素繊維シートの目付量により異ならせて使用する。更に具体的に述べれば、炭素繊維の目付量が200g/mの場合には、含浸レジンを0.6kg/m使用し、炭素繊維の目付量が300g/mの場合には、含浸レジンを0.8kg/m使用し、炭素繊維の目付量が400g/mの場合には、含浸レジンを1.0kg/m使用し、炭素繊維の目付量が600g/mの場合には、含浸レジンを1.2kg/m使用することを目処とする。なお、含浸レジンの商品名は、前述の通りである。
次に、図12から図15に本発明の第2実施例に係る鉄鋼構造物の補強工法について説明する。この第2実施例においては、一方の角パイプ(鋼材)31に対して、直交方向に他方の角パイプ(鋼材)32が接続している。
まず、角パイプ31と角パイプ32との接続部位の近傍、即ち、後工程で炭素繊維シートを貼り付ける部位の汚れ、油分又は塗装を、布や刷毛等の所定の治具を用いて落とす。次に、サンダー等を使用してサンディング仕上げを施し、鋼材の表面に細かい傷を付ける。
次に、前記の工程でサンディング仕上げを施した部位に、エポキシ樹脂のプライマーを塗布して指触硬化を待つ。プライマーの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、前記の工程でプライマーを塗布した部位に、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した部位に、1段目の炭素繊維シート33、34を貼着する(図12参照)。この場合、炭素繊維シート33、34の繊維の方向が、角パイプ31と角パイプ32とを亘る方向に繊維が連続するように配設する。要するに、図12に示すように、角パイプ32の長手方向に沿って炭素繊維シート33、34の繊維が連続するように配設する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート33、34に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート33、34に充分に含浸させて指触硬化を待つ。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、補強板の取付工程を行う。補強板35は、所要厚さの鉄板又は鋼鈑であって、図13に示す角部に、L型の補強板35を取り付ける(図14参照)。補強板35の取付面には、複数の孔部36が設けられている。
このような形状の補強板35の取付面を、エポキシパテを介して炭素繊維シート33の角部に押圧して、エポキシパテの指触硬化を待つ(図13参照)。このとき、補強板35の孔部36から炭素繊維シート33、34等に残留する気泡を排出することができると共に、孔部36にエポキシパテが侵入することとなり、補強板35の付着力を強化することができるのである。
なお、エポキシパテの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
更に、補強板35の両方の端部35a、35aにできた段差を修正すべく、エポキシパテを用いて段差の部分に塗布して滑らかに修正し、指触硬化を待つ。
次に、補強板35及び段差を修正したエポキシパテの塗布部位に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した補強板35及びエポキシパテに対して、2段目の炭素繊維シート37、38を貼着する(図15参照)。この場合、炭素繊維シート37、38の繊維の方向が、1段目の炭素繊維シート33、34と直交する方向(図15の矢印方向)に繊維が連続するように配設する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート37、38に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート37、38に充分に含浸させて硬化させる。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、図16から図22に本発明の第3実施例に係る鉄鋼構造物の補強工法について説明する。この第3実施例においては、図16に示すように、鋼管(鋼材)41に対して、直交方向に枝管(鋼材)42が接続している。
まず、鋼管41と枝管42との接続部位43の近傍、即ち、後工程で炭素繊維シートを貼り付ける部位の汚れ、油分又は塗装を、布や刷毛等の所定の治具を用いて落とす。次に、サンダー等を使用してサンディング仕上げを施し、鋼材の表面に細かい傷を付ける。
次に、前記の工程でサンディング仕上げを施した部位に、エポキシ樹脂のプライマーを塗布して指触硬化を待つ。プライマーの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、前記の工程でプライマーを塗布した部位に、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した部位に、1段目の炭素繊維シート44を貼着する(図17参照)。この場合、炭素繊維シート44の繊維の方向が、鋼管41と枝管42とを亘る方向に繊維が連続するように配設する。要するに、図17に示すように、枝管42の長手方向に沿って炭素繊維シート44の繊維が連続するように配設する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート44に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート44に充分に含浸させて指触硬化を待つ。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、補強板の取付工程を行う。補強板45は、所要厚さの鉄板又は鋼鈑であって、図18及び図19に示すように、鋼管41と枝管42との接続部位43の周囲に沿うように湾曲した形状であって、二つ割りに形成されている。そして、この補強板45を構成する半体部45a、45a同士を連結させるようにして接続部位43の周囲に沿わすのである。また、補強板45の取付面には、複数の孔部46が設けられている。
このような形状の補強板45は、各半体部45a、45aの取付面を、エポキシパテを介して炭素繊維シート44の角部に押圧して、エポキシパテの指触硬化を待つ(図19参照)。このとき、補強板45の孔部46から炭素繊維シート44等に残留する気泡を排出することができると共に、孔部46にエポキシパテが侵入することとなり、補強板45の付着力を強化することができるのである。
なお、エポキシパテの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
更に、補強板45の端部45b、45bにできた段差を修正すべく、エポキシパテを用いて段差の部分に塗布して滑らかに修正し、指触硬化を待つ。
次に、補強板45及び段差を修正したエポキシパテの塗布部位に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した補強板45及びエポキシパテに対して、2段目の炭素繊維シート47、48、49を貼着する(図20、図21参照)。
この場合、炭素繊維シート47を鋼管41に巻回するように(図20の矢印方向)配設すると共に、枝管42の基部の周面にその長さ方向に沿って炭素繊維シート48を貼着する(図20参照)。次に、炭素繊維シート49を枝管42の基部に巻回するように(図21の矢印方向)配設する(図21参照)。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート47、48、49に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート47、48、49に充分に含浸させて硬化させる(図22参照)。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、図23から図27に本発明の第4実施例に係る鉄鋼構造物の補強工法について説明する。この第4実施例においては、一方の角パイプ(鋼材)51に対して、所定の角度をもってクロスする方向に他方の角パイプ(鋼材)52が接続している。
まず、角パイプ51と角パイプ52との接続部位の近傍、即ち、後工程で炭素繊維シートを貼り付ける部位の汚れ、油分又は塗装を、布や刷毛等の所定の治具を用いて落とす。次に、サンダー等を使用してサンディング仕上げを施し、鋼材の表面に細かい傷を付ける。
次に、前記の工程でサンディング仕上げを施した部位に、エポキシ樹脂のプライマーを塗布して指触硬化を待つ。プライマーの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、前記の工程でプライマーを塗布した部位に、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した部位に、1段目の炭素繊維シート53a、53b、54を貼着する(図23参照)。この場合、炭素繊維シート53a、53b、54の繊維の方向が、角パイプ51と角パイプ52とを亘る方向に繊維が連続するように配設する。要するに、図23(イ)(ロ)に示すように、角パイプ52の長手方向に沿って炭素繊維シート53a、53b、54の繊維が連続するように配設する。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート53a、53b、54に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート53a、53b、54に充分に含浸させて指触硬化を待つ。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
次に、補強板の取付工程を行う。補強板55a、55bは、所要厚さの鉄板又は鋼鈑であって、図24(イ)に示す挟角の角部には、挟角に開いた補強板55aを取り付ける(図25(イ)参照)。また、広角の角部には、広角に開いた補強板55bを取り付ける(図25(ロ)参照)。補強板55a、55bの取付面には、複数の孔部56が設けられている。
このような形状の補強板55a、55bの取付面を、エポキシパテを介して炭素繊維シート53a、53bの角部に押圧して、エポキシパテの指触硬化を待つ(図24参照)。このとき、補強板55a、55bの孔部56から炭素繊維シート53a、53b、54等に残留する気泡を排出することができると共に、孔部56にエポキシパテが侵入することとなり、補強板55a、55bの付着力を強化することができるのである。
なお、エポキシパテの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
更に、補強板55a、55bの端部55c、55cにできた段差を修正すべく、エポキシパテを用いて段差の部分に塗布して滑らかに修正し、指触硬化を待つ。
次に、補強板55a、55b及び段差を修正したエポキシパテの塗布部位に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを所定量、塗布する。
前記の工程で含浸レジンを塗布した補強板55a、55b及びエポキシパテに対して、2段目の炭素繊維シート57a、57b、58、59を貼着する(図26、図27(イ)(ロ)参照)。
この場合、炭素繊維シート57a、57bの繊維の方向が、1段目の炭素繊維シート54と直交する方向(図26の矢印方向)に繊維が連続するように配設する。次に、炭素繊維シート58、59を角パイプ51に巻回するように(図27(イ)(ロ)の矢印方向)配設する(図27(イ)(ロ)参照)。
前記の工程で貼着した炭素繊維シート57a、57b、58、59に対して、エポキシ樹脂の含浸レジンを塗布し、炭素繊維シート57a、57b、58、59に充分に含浸させて硬化させる。含浸レジンの標準的な使用量は、前記第1実施例の場合と同様である。
本発明の鉄鋼構造物の補強工法は、L型鋼、角パイプ、鋼管、及び型鋼等の鋼材のみならず、コンクリート構造物や木材の構造物等の種々な材質の構造物に応用することが可能である。
補強前のL型鋼の斜視図である。 (イ)は、プライマーを塗布したL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)は、含浸レジンを塗布したL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)は、1段目の炭素繊維シートを貼着したL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)は、炭素繊維シートに対して含浸レジンを塗布したL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)は、補強板を取り付けたL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の側面図である。(ハ)は、(イ)の正面図である。 (イ)は、補強板20aの斜視図である。(ロ)は、補強板20bの斜視図である。 補強板20aの端部にポキシパテ22を塗布したL型鋼の斜視図である。 補強板に含浸レジンを塗布したL型鋼の斜視図である。 (イ)は、2段目の炭素繊維シート23、24を貼着したL型鋼の斜視図である。(ロ)は、(イ)の正面図である。 炭素繊維シート23、24に対して含浸レジンを塗布したL型鋼の斜視図である。 1段目の炭素繊維シート33、34を貼着した角パイプの斜視図である。 補強板35を取り付けた角パイプの斜視図である。 補強板35の斜視図である。 2段目の炭素繊維シート37、38を貼着した角パイプの斜視図である。 補強前の鋼管の斜視図である。 1段目の炭素繊維シート44を貼着した鋼管の斜視図である。 補強板45の斜視図である。 補強板45を取り付けた鋼管の斜視図である。 2段目の炭素繊維シート47、48を貼着した鋼管の斜視図である。 枝管の基部に炭素繊維シート49を貼着した鋼管の斜視図である。 補強後の鋼管の斜視図である。 (イ)1段目の炭素繊維シート53a、53b、54を貼着した角パイプの斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)補強板55a、55bを取り付けた角パイプの斜視図である。(ロ)は、(イ)の裏側の斜視図である。 (イ)は、補強板55aの斜視図である。(ロ)は、補強板55bの斜視図である。 2段目の炭素繊維シート57a、57bを貼着した角パイプの斜視図である。 (イ)2段目の炭素繊維シート58、59を貼着した角パイプの斜視図である。(ロ)は、(イ)の側面図である。
符号の説明
11、12 L型鋼(鋼材)
13 接続部位
14、15 サンディング仕上部位
16、17 プライマー塗布部位
18、19 炭素繊維シート
19a 下端部
20a、20b 補強板
21 孔部
22、22a エポキシパテ
23、24 炭素繊維シート
31、32 角パイプ(鋼材)
33、34 炭素繊維シート
35 補強板
35a 端部
36 孔部
37、38 炭素繊維シート
41 鋼管(鋼材)
42 枝管(鋼材)
43 接続部位
44 炭素繊維シート
45 補強板
45a 半体部
45b 端部
46 孔部
47、48、49 炭素繊維シート
51、52 角パイプ(鋼材)
53a、53b、54 炭素繊維シート
55a、55b 補強板
55c 端部
55 孔部
57a、57b、58、59 炭素繊維シート

Claims (5)

  1. 所要長さの一方の鋼材に対して、直交方向又は所定角度にクロスする方向に所要長さの他方の鋼材が接続している鉄鋼構造物の、前記接続部位の補強工法であって、
    前記鋼材同士の接続部位を所要範囲に渡って前処理し、
    該前処理した接続部位に1段目の炭素繊維シートを貼着し、
    該1段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、
    該樹脂材を含浸させた炭素繊維シートに対して、前記接続部位に対応した補強板を取り付け、
    該補強板に対して、2段目の炭素繊維シートを貼着し、
    該2段目の炭素繊維シートに樹脂材を塗布して含浸させ、硬化させること
    を特徴とする鉄鋼構造物の補強工法。
  2. 前記前処理は、汚れや油分等の除去工程、鋼材表面のサンディング仕上げ工程、プライマーの塗布工程、含浸レジンの塗布工程、のいずれか一つ又は複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼構造物の補強工法。
  3. 前記樹脂材は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼構造物の補強工法。
  4. 前記補強板は、取付面に複数の孔部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼構造物の補強工法。
  5. 1段目に貼着する炭素繊維シートと2段目に貼着する炭素繊維シートとは、それぞれ繊維の方向を異ならせて貼着することを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼構造物の補強工法。
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