JP4127764B2 - 電動湾曲内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部を構成する湾曲部の湾曲操作を、湾曲部から延出するアングルワイヤを電動モータで牽引、弛緩させて行う電動湾曲内視鏡に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部を構成する湾曲部の湾曲操作を、湾曲部から延出するアングルワイヤを電動モータで牽引、弛緩させて行う電動湾曲内視鏡に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、湾曲部を有し、内視鏡の挿入部先端部を上下、左右方向に移動させて視野方向を変換させられる内視鏡が広く知られている。この内視鏡では前記湾曲部の湾曲動作を、この湾曲部から延出するアングルワイヤを牽引、弛緩させて行なっていた。
【0004】
例えば特開2001−61763号公報の内視鏡システムには前記湾曲部を湾曲動作させる具体的な構造が開示されている。この内視鏡システムの湾曲機構では、アングルワイヤの両端部が接続されているチェーンをスプロケットに噛合し、このスプロケットを回動させてチェーンとともにアングルワイヤを牽引、弛緩させて湾曲状態を変化させられる。
【0005】
前記湾曲機構で例えば上方向に湾曲させる場合には、スプロケットでチェーンを巻き上げ、上方向用のアングルワイヤを牽引する。このことによって、湾曲部が上方向に湾曲する。このとき、上方向に対して一対である下方向用のアングルワイヤは、前記チェーンとともに弛緩した状態になる。
【0006】
この状態から、逆方向である、つまり下方向に湾曲させる場合には、弛緩状態であった下方向用のアングルワイヤを牽引するとともに、牽引状態であった上方向用のアングルワイヤを弛緩させる。このとき、弛緩状態のチェーンを巻き上げた後に、下方向用のアングルワイヤに牽引力が伝達される。
【0007】
すなわち、湾曲方向が反転される場合、弛緩状態のチェーンが巻き上げられた後にアングルワイヤに対して牽引力がかかる。したがって、弛緩状態から牽引状態になるまでにはある程度の時間が必要になる。
【0008】
つまり、一方向に湾曲させた状態で、さらに同方向に湾曲させる場合にはこの一方向用のアングルワイヤに牽引状態の張力が残存しているので、再度張力が加わって牽引状態になるまで余り時間を必要としない。これに対して、前述したように反転動作の場合には湾曲応答性が低下するという不具合がある。
【0009】
この不具合に対応する方法として、例えば特開平6−22904号公報の電動内視鏡装置がある。この電動内視鏡装置では、アングルワイヤ等からなる牽引部材の弛緩状態を検出する検出手段を設け、その検出手段の検出結果に応じて駆動装置を制御するようにしていた。
【0010】
なお、この電動内視鏡装置においては、前記検出手段として、アングルワイヤの中途及び手元側の移動量の差分を取るもの、或いはモータの駆動電流値の検出や、湾曲部の牽引部材の張力を検出するもの等が示されており、アングルワイヤの弛緩状態を検出した後、モータの回転速度を高速に切り替えて弛緩状態を解除し、この弛緩状態を解除した後にモータの回転速度を通常速度に切り替える制御を行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平6−22904号公報の電動内視鏡装置ではアングルワイヤの移動量を検出する手段や、牽引部材の張力を測定する手段等のメカ機構を設けることによって、電動湾曲装置や、挿入部、湾曲部が大型化するという問題があった。
【0012】
また、モータの電流値を検知してモータに掛かる負荷を測定し、牽引部材の弛緩状態を確認するものでは、電流値がばらつき易いので、電流値をモニタリングして検知するために高精度な電流値測定機器が必要になるとともに、常時、モニタリングするためにソフト的にも確かな性能が要求され、コストアップという不具合が発生する。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、湾曲部の湾曲方向を反転動作させる際の湾曲応答性及び操作性に優れた電動湾曲内視鏡を提供することを目的にしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動湾曲内視鏡は、挿入部を構成する湾曲部に端部が固定されたアングルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段と、この牽引力伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記湾曲部の湾曲方向を指示する手元側に位置する湾曲指示装置と、この湾曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき前記駆動源に供給する駆動電圧を制御する制御部とを具備する電動湾曲内視鏡において、
前記制御部に、
前記湾曲部の湾曲状態を変化させる情報を基に、湾曲動作を反転されるか否かを判定する判定部と、
この判定部が湾曲方向が反転されると判定したとき、前記駆動電源に供給する通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付加部と、
を設けたことを特徴とする電動湾曲内視鏡。
【0015】
そして、前記判定部で判定する情報は、前記湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号、前記駆動源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値の正負、前記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号である。
【0016】
これらの構成によれば、判定部に入力される、湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号、又は、前記駆動源の回転方向を示す電圧値の正負、又は、前記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号によって、湾曲部の湾曲状態が反転すると判定すると、付加部から駆動源に供給される通常の駆動電圧に対して一定時間だけ所定電圧を付加して、一定時間の間だけ、駆動源は高速に動作する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図18は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する斜視図、図2は内視鏡装置の構成を説明するブロック図、図3はリモコンを説明する図、図4はリモコンのジョイスティックを説明する図、図5は挿入部の構成を説明する図、図6はドラム部内の構成を説明する図、図7はドラム部内の電動湾曲装置の構成を説明する図、図8は連結部材近傍を説明する図、図9は方向変換部近傍を説明する拡大図、図10はモータユニットの構成を説明する図、図11は誘導面を備えるチェーン収納部の構成を説明する図、図12はスプロケット近傍を説明する図、図13はモニタへの表示例を説明する図、図14は非湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図、図15は湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図、図16スプロケットを逆転状態にしたときの湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図、図17は湾曲部の湾曲動作を説明するフローチャート、図18は通常の駆動電圧と付加部によって付加される電圧とを説明する図である。
【0018】
なお、図3(a)はリモコンの斜視図、図3(b)はジョイスティックの可変抵抗器を説明する図、図3(c)は可変抵抗器の抵抗値を示す図、図3(d)はトリマで調整した可変抵抗器の抵抗値を示す図、図4(a)はジョイスティックを説明する断面図、図4(b)はジョイスティックの傾倒状態と直立状態とを示す図、図4(c)はジョイスティックの傾倒状態と直立状態とにおけるゴムカバーを示す図、図5(a)は挿入部の長手方向断面図、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図、図7(a)はドラム部の内部上面図、図7(b)は図7(a)のC‐C線断面図、図8(a)は連結部材近傍を説明する拡大図、図8(b)は連結部材を説明する図、図9(a)は方向変換部の平面図、図9(b)は図9(a)の側面断面図、図10(a)はモータユニットの平面図、図10(b)はモータユニットの側面図、図11(a)は上層側、下層側の断面構成を説明する図、図11(b)は図12のB‐B線断面図、図12(a)は図11(a)のE‐E線断面図、図12(b)は図11(a)のD‐D線断面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、柔軟性を有する細長の挿入部2aを備えた例えば工業用の電動湾曲内視鏡(以下、内視鏡と略記する)2と、この内視鏡2の前記挿入部2aを外周面部3aに巻き取るドラム部3と、このドラム部3を回動自在な状態で保持するフレーム部4と、このフレーム部4の上端に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類や給排気用ダクトを配置したフロントパネル5と、このフロントパネル5にケーブル6cを介して着脱自在に接続される湾曲指示装置であるリモートコントローラ(以下リモコン)6と、伸縮式のポール7aに回動自在に支持されたモニタ7と、収納される機器に加わる衝撃力を抑える緩衝材等を備えた収納ケース8と、前記フロントパネル5に接続され、商用電源を供給可能なACケーブル5aとで主に構成されている。前記収納ケース8は、ケース本体を形成する箱体8aと蓋体8bとで構成されている。
【0020】
前記内視鏡2の挿入部2aは、前記フロントパネル5から座屈防止用のゴム部材5bを介して延出している。この挿入部2aは、先端側から順に硬性の先端部本体11、この先端部本体11を所望の方向に向ける湾曲自在な湾曲部12、細長で柔軟性を有する可撓管部13を連設して構成されている。
【0021】
前記ドラム部3の内部空間内には、前記内視鏡2の照明伝送手段であるライトガイド(後述する符号21)に照明光を供給する光源部14と、前記内視鏡挿入部2aの先端部本体11に設けた後述する撮像素子に対する信号処理を行うCCU15と、前記内視鏡挿入部2aの湾曲部12を電動で湾曲駆動させる駆動機構を備えた駆動源である電動湾曲装置16と、前記リモコン6からの湾曲指示信号に基づき、前記電動湾曲装置16を駆動制御して前記湾曲部12の湾曲動作を制御する後述する電動湾曲制御部17等が収納されている。なお、前記ドラム部3の外周面部3aには、前記挿入部2aを前記電動湾曲装置16に導く開口(図6の符号3b参照)が形成してある。
【0022】
なお、前記内視鏡挿入部2aの先端部本体11には、視野方向、視野角などの光学特性を変換する各種光学アダプタ18が着脱自在に取付け可能である。
【0023】
図3(a)に示すように前記リモコン6には前記湾曲部12の湾曲方向を指示するジョイスティック6aが設けられている。このジョイスティック6a自体はバネ性を有し、ジョイスティック6aを傾倒操作した状態で手を離すと直立状態に自立復帰するようになっている。このジョイスティック6a近傍には後述する上下方向用及び左右方向用の抵抗器の抵抗値をそれぞれ調整するトリマ6u、6d、6l、6rが設けてある。なお、符号6bは、電源ONスイッチである。
【0024】
前記リモコン6内には図3(b)に示す、前記ジョイスティック6aの傾き角に応じて抵抗値が変化する構成の上下用可変抵抗器68及び左右用可変抵抗器69が設けられている。例えば上下方向の最大湾曲角度は、図3(c)、(d)に示すように上下用可変抵抗器68の抵抗値によって決定されるようになっており、前記トリマ6u、6dを適宜調整して、図3(c)、(d)に示すように上下用可変抵抗器68の抵抗値を変化させることにより、上方向最大湾曲角度及び下方向最大湾曲角度を変化させることができるようになっている。
【0025】
そして、図3(d)の設定状態の上下用可変抵抗器68による湾曲角度と、図3(c)の設定状態の上下用可変抵抗器68による湾曲角度とを比較すると、図3(d)の設定状態における湾曲角度が、図3(c)の設定状態における湾曲角度より、上方向及び下方向でそれぞれ大きくなっている。
【0026】
図4(a)に示すように前記ジョイスティック6aには、リモコン6全体及びジョイスティック6a内部の防滴を確保するためにゴムカバー6gが配置されている。このため、このゴムカバー6gの弾性力が前記ジョイスティック6aの自立復帰に悪影響を及ぼすおそれがある。つまり、前記ジョイスティック6aを傾倒操作した状態で手を離したとき、このゴムカバー6gの弾性力が抵抗になって、ジョイスティック6aが直立状態に復帰できずに、湾曲指示信号を出力する傾倒状態になるおそれがある。
【0027】
そこで、本実施形態においては図4(b)に示すようにジョイスティック6aを傾倒状態から直立状態に自立復帰させるばね定数をKjに設定し、図4(c)に示すように前記ゴムカバー6gの弾性復元力である弾性係数(ばね定数に対応)をKgに設定し、前記Kjと前記Kgとの間に、
Kj>Kg
の関係を設定している。このことによって、前記ゴムカバー6gの弾性復元力によって、ジョイスティック6aの直立状態への自立復帰が阻まれることを防止している。
【0028】
図5(a)に示すように、前記光学アダプタ18は、アダプタ本体18aにアダプタ側光学系19aと、照明光学系19bとを配置している。
【0029】
前記内視鏡挿入部2a内には、照明光を伝送するライトガイド21が挿通されており、このライトガイド21の基端は前記光源部14に固定されている。このライトガイド21は、光源部14から供給される照明光を伝送し、前記先端部本体11を構成する先端部材22の照明窓に固定された先端面から、さらにその直前に配置された照明レンズ23を経て、前記照明光学系19bを通してプラント内部の被写体に照射される。
【0030】
前記先端部本体11には照明窓に隣接して観察窓(撮像窓)が設けられ、この観察窓には対物光学系24が取り付けられている。この対物光学系24の結像位置には固体撮像素子として例えば電荷結合素子(CCDと略記)25が配置されている。
【0031】
前記CCD25から延出する信号線26は、前記ドラム部3内の前記CCU15に接続されている。前記CCU15は、前記CCD25で光電変換された信号から標準的な映像信号を生成してモニタ7に出力する。このことによって、モニタ7の画面上には被写体像である内視鏡画像が表示される。
【0032】
前記湾曲部12は、環状に形成した複数の節輪27を光軸方向に回動自在に連接したものに、網管28、及びチューブ体29を被覆して構成されている。前記湾曲部12の内部には、前記ライトガイド21及び前記信号線26が湾曲上下方向に対して縦列又は若干左右方向にずれる程度で配置されている。
【0033】
図5(b)に示すように前記節輪27の円環部の円周を略4等分する内周面の上下、左右に対応する位置には孔部31aを有するパイプ形状のワイヤ受け31が固設されている。これらワイヤ受け31の孔部31a内には、アングルワイヤである湾曲操作ワイヤ32の挿入部側ワイヤ32aが摺動可能に挿通されている。
【0034】
これら挿入部側ワイヤ32aの先端部は、前記先端部材22の後端部の上下、左右方向に対応する位置にそれぞれ固定されている。このため、上下左右の各方向に対応する挿入部側ワイヤ32aが牽引弛緩されることによって、湾曲部12が所望方向に湾曲して、前記先端部本体11が所望の方向に向くようになっている。
【0035】
前記挿入部側ワイヤ32aは、主にステンレス等の金属製の案内管33にて、前記挿入部2aの基端側まで案内されている。
なお、前記挿入部側ワイヤ32aは、前記ドラム部3内で湾曲操作ワイヤ32である電動湾曲装置側ワイヤ32bに連結している(図7(a)参照)。
【0036】
図6及び図7(a)、(b)に示すように前記ドラム部3は、前記挿入部2aを外周面に巻回する管状部材41と、この管状部材41の両端開口を閉鎖する1組の円板部材42とで構成されている。なお、図中上面開口を塞ぐ円板部材42を上面板43とし、下面側開口を塞ぐ円板部材42を下面板44とする。
【0037】
前記管状部材41と、前記上面板43及び下面板44とで構成されたドラム部3の内部空間には、内蔵物として前記電動湾曲装置16、前記電動湾曲制御部17、前記CCU15、前記光源部14、電源ユニット(図2の符号20参照)等の周辺機器が配置されている。
【0038】
前記挿入部2aの基端部は、前記開口3b及び口金45を介して前記電動湾曲装置16に配置されている。この電動湾曲装置16と前記電動湾曲制御部17とは図示しない駆動ケーブルによって接続されている。
【0039】
また、前記挿入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出する信号線26は前記CCU15に接続されている。また、前記信号線26同様、前記挿入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出してきたライトガイド21は前記光源部14に接続されている。
【0040】
前記CCU15は、前記信号線26によって前記CCD25から伝送された画像信号を映像信号である例えばTV信号に変換処理し、このTV信号をモニタ7に送信するようになっている。
【0041】
前記電動湾曲制御部17は、リモコン6のジョイスティック6aから伝送される湾曲指示信号から前記電動湾曲装置16に例えばCDギヤードモータ等のモータ部71を備えた後述するモータユニット47を駆動制御して前記湾曲部12を所望の方向へ湾曲させるようになっている。
前記光源部14は、ランプ部14aと点灯装置14bとで構成され、前記ライトガイド21の基端面に照明光を供給するようになっている。
【0042】
なお、これら電動湾曲装置16、電動湾曲制御部17、光源部14は、図1で説明したように前記ドラム部3内に配設され、このドラム部3は前記収納ケース8に対し回動自在になっている。
【0043】
次に、電動湾曲装置16について説明する。
図7(a)に示すように前記挿入部2aの基端部は、アルミやステンレスの板材で形成されたベース本体46に固設された電動湾曲装置16に配置されている。前記ベース本体46の一端部には電動湾曲装置16を構成するモータユニット47が取り付けられている。このモータユニット47は、前記湾曲部12の湾曲動作方向に対応するように2つ設けてある。つまり、一方は上下湾曲用モータユニット47aであり、他方は左右湾曲用モータユニット47bである。
【0044】
これらモータユニット47a、47bの回動自在な出力軸48a、48bには、このモータユニット47a、47bの動作に連動し回動するギア部である牽引力伝達手段を構成するスプロケット49a、49bが設置されている(図11参照)。これらスプロケット49a、49bには、牽引弛緩動作を行う前記湾曲操作ワイヤ32の基端部を構成する電動湾曲装置側ワイヤ32bを端部に連結固定した牽引力伝達手段を構成するチェーン50が噛合している(図12参照)。
【0045】
前記図7(a)に示すように前記挿入部側ワイヤ32aを、前記挿入部2aの基端側までガイドしている前記案内管33は、前記ベース本体46に設けた支持部51により固定されている。前記挿入部側ワイヤ32aと電動湾曲装置側ワイヤ32bとは、前記ベース本体上で連結部材52を介して一体的に連結されている。
【0046】
図8(a)に示すように前記電動湾曲装置側ワイヤ32bは、前記挿入部側ワイヤ32aに比べ太いワイヤを使用している。つまり、電動湾曲装置側ワイヤ32bは繰り返し曲げ耐性の高い、太くしなやかなワイヤである。
【0047】
具体的に、本実施形態の挿入部側ワイヤ32aとして、径寸法0.2〜0.5程度までの1×3、1×7本撚りのワイヤを使用し、電動湾曲装置側ワイヤ32bとしては前記挿入部側ワイヤ32aよりも太径の、7×7本撚り、3×7本撚り、7×19本撚りなどのワイヤを使用している。
【0048】
前記連結部材52は、前記挿入部側ワイヤ32a側の雄ネジ52aと、前記電動湾曲装置側ワイヤ32b側の雌ネジ52bとで主に構成されている。前記雌ネジ52bは、前記電動湾曲装置側ワイヤ32b端に設けた口金52cによりネジ部を回動自在に支持されている。なお、これら雄ネジ52a、雌ネジ52bは、ネジロック等の化学的な緩み防止手段を設けて構成しているが、図*8(b)に示すようにこれら雄ネジ52a及び雌ネジ52bを被覆する熱収縮チューブ53を設けるようにしてもよい。
【0049】
次いで、方向変換部60について説明する。
図9(a)に示すように前記方向変換部60は、主にワイヤ保持部60aとワイヤ外れ防止部60bとで構成されている。前記ワイヤ保持部60aは、前記ベース本体46に固定設置される支持板61と、この支持板61に固設される2本の軸体62と、この軸体62に積層配置されて前記電動湾曲装置側ワイヤ32bを回動自在に支持するローラ部63とで構成されている。
【0050】
一方、前記ワイヤ外れ防止部60bは、前記電動湾曲装置側ワイヤ32bが外れることを防止するパイプ材65であり、前記支持板61にビス66によって固定されている。
【0051】
図9(b)に示すように前記ローラ部63は、上下左右の前記電動湾曲装置側ワイヤ32bにそれぞれ対応するように1つの軸体62に、それぞれ2個積層配置されて、回動自在に軸支されている。積層される上方側のローラ部63は、上下方向湾曲の電動湾曲装置側ワイヤ32bを支持し、下方側のローラ部63は左右方向湾曲の電動湾曲装置側ワイヤ32bを支持している。
【0052】
なお、前記軸体62は、前記支持板61にビス64によって一体的に固定されている。また、前記ローラ部63は主にボールベアリングにて形成されている。次に、モータユニット47について説明する。
前記図7で説明したように前記モータユニット47は上下用及び左右用に対応するように2個設けてある。これらモータユニット47は、図10(a)、(b)に示すように駆動力を発生させる駆動源となるモータ部71と、このモータ部71の駆動力を前記出力軸48まで伝達する平歯車等の歯車列で構成された減速ギヤ部72と、前記出力軸48の回転量を検出するポテンショメータ73とで構成されている。前記ポテンショメータ73は、前記減速ギヤ部72を介して前記モータ部71に対して並列に配置されている。
【0053】
前記減速ギヤ部72を介して回動する前記出力軸48は両軸タイプである。この出力軸48の一端側に前記スプロケット49を設置し、他端側に前記ポテンショメータ73を配置している。なお、前記ポテンショメータ73は、多回転型回転角検知のポテンショメータであり、本実施形態では3回転ないし5回転型である。
【0054】
前記図11(a)及び図11(b)に示すようにそれぞれのモータユニット47a、47bの出力軸48a、48bには上下方向湾曲用及び左右湾曲用のスプロケット49a、49bが設置されている。そして、上下方向湾曲用スプロケット49aを前記ベース本体46の上層54a側に、左右方向湾曲用のスプロケット49bを下層54b側に配置している。
【0055】
前記図11(b)に示すように前記上層54aと前記下層54bとの間には両層を分離するとともに、前記チェーン50等の案内の役目を果たす仕切部材55が設けてある。つまり、下層54bは、仕切部材55とベース本体46とで構成され、上層54aは、上下方向湾曲用スプロケット49aやチェーン50を保護するために配置された蓋部材104とで構成される。
【0056】
前記図12(a),(b)に示すように前記スプロケット49a、49bには前記チェーン50の噛合が外れることを防止するためのギヤカバー部材56がそれぞれ設けてある。また、前記チェーン50が侵入することによって、誤噛合を防止するためのブロック100が設けてある。さらに、前記チェーン50の走行を横方向で規制する一対のガード57が前記チェーン50に沿って外側に設けてある。又、前記チェーン50の端部近傍の走行位置には横方向の位置規制を行うように、チェーン50の内側に配置したガイド58及びこのチェーン50の外側に配置した一対の抑え部材101とを設けている。加えて、前記ガイド58の出力軸48側の端部には前記チェーン50のガイド58側への移動を促すカバー102が設けてある。
【0057】
そして、前記下層54bにおいては、前記ベース本体46、仕切り部材55、ブロック100、ガード57、カバー102によってチェーン50の収納部となるチェーン収納部103を形成している。また、前記上層54aにおいては、前記仕切り部材55、蓋部材104、ブロック100、ガード57、カバー102によってチェーン収納部103を形成している。さらに、ベース本体46、仕切り部材55、蓋部材104、ガイド58、抑え部材101によってチェーン整列部105を形成している。前記チェーン収納部103とチェーン整列部105との境界部のチェーン50が進退する部分が挿通口107になっている。
【0058】
次に、前記図2を参照して電動湾曲制御部17の構成を説明する。
図に示すリモコン6には、ジョイスティック6aの傾き方向及び角度に応じた可変抵抗器の抵抗値から電圧変換されるアナログの電圧値をA/D変換するリモコン用A/D変換部81が設けられている。このリモコン用A/D変換部81は、前記電動湾曲制御部17と通信ケーブル82によって電気的に接続されており、前記リモコン用A/D変換部81でデジタル化された湾曲指示信号が通信ケーブル82によって電動湾曲制御部17に送信される。
【0059】
前記電動湾曲制御部17には、前記湾曲指示信号に対応するデジタルの駆動信号を生成するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)90と、このマイコン90から出力されるデジタルの駆動信号をアナログの駆動信号に変換するD/Aコンバータ91と、このD/Aコンバータ91で変換されたアナログの駆動信号を増幅処理するアンプ92と、前記ポテンショメータ73の回転位置を示す抵抗値をA/D変換するポテンショメータ用AD変換部93とが設けられている。
【0060】
前記マイコン90は、CPU、プログラムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、前記リモコン用A/D変換部81から伝送されるデジタルの湾曲指示信号を時系列的に記憶する記憶部94及びこの記憶部94に記憶されている所定の湾曲指示信号を比較演算するとともに、この演算結果から湾曲方向を反転させる指示であるか否かを判別する指示信号判別部95を備えた判定部である湾曲方向判定部96と、前記ポテンショメータ73で検知したスプロケット49の回転量と前記湾曲指示信号との差分を取ってフィードバック制御を行う差分演算部97と、前記湾曲方向判定部96からの反転確認信号を受けて前記差分演算部97から出力される通常の駆動電圧に対して一定時間だけ所定電圧を付加する作用を行う付加部98とを有している。
【0061】
上述のように構成した内視鏡装置1の作用を説明する。
内視鏡装置1は、保管時、あるいは輸送時等、使用時以外の状態では、挿入部2aがドラム部3の外周に巻回されている。したがって、使用するに当たって、まず、収納ケース8の蓋体8bを開け、ACケーブル5aをコンセントに接続する。そして、リモコン6を取り出し、挿入部2aの先端部11近傍を把持して、ゆっくりと挿入部2aを引っ張り出していく。すると、引っ張り力によってドラム部3が回転して、挿入部2aが引き出され、すべての挿入部2aが引き出された時点で、挿入部2aの準備が完了となる。
【0062】
次に、操作者は、検査に必要な光学アダプタ18を選択し、その光学アダプタ18を先端部本体11に取り付ける。そして、前記リモコン6に設けた電源スイッチ6bをON状態にする。このことによって、内視鏡検査可能な状態になる。
【0063】
ここで、リモコン6の操作と湾曲部12の湾曲動作との関係を説明する。
前記リモコン6のジョイスティック6aを上下、左右の所望する方向に傾倒操作すると、このジョイスティック6aの傾き角度に応じた湾曲指示信号が通信ケーブル82を介して電動湾曲制御部17に出力される。
【0064】
すると、この電動湾曲制御部17では、前記湾曲指示信号に相応するスプロケット49の回転量を演算処理にて算出する一方、その演算結果に対応する駆動信号をモータ部71に送信する。すると、モータ部71が回転を開始する。このモータ部71の回転は、減速ギヤ部72を介して出力軸48に伝達されて、この出力軸48を回転させる。このときの出力軸48の回転位置は、ポテンショメータ73により検出される。
【0065】
つまり、前記モータ部71は、出力軸48の回転位置を常時ポテンショメータ73でモニタリングされた状態で動作している。そして、前記電動湾曲制御部17では、電動湾曲制御部17で演算処理して算出した算出値と、ポテンショメータ73が検出する出力軸48の回転位置とが一致したとき、前記モータ部71の動作を停止させる制御を行っている。
【0066】
このように、前記ジョイスティック6aを適宜操作することによって、その操作量に対応するように前記湾曲部12が湾曲動作して、先端部本体11を所望の方向に向けて対象物の観察を行える。
【0067】
なお、本実施形態においては前記モータ部71が駆動しているとき、図13に示すようにモニタ7の画面7aの一部にモータ部71が動作中であることを使用者に告知する指標7bとして例えば、「モータ動作中」等の文字が表示されるようになっている。
【0068】
また、前記内視鏡2では必要に応じて、前記湾曲部12を最大湾曲角度に湾曲させる場合があるため、前記ポテンショメータ73として前述した多回転型のポテンショメータを使用している。したがって、前記湾曲操作ワイヤ32を多くの量、牽引操作する場合には、電動湾曲制御部17の制御によりモータ部71は出力軸48、すなわちスプロケット49を複数回、回転させて、チェーン50を移動させていく。このとき、本実施形態のポテンショメータ73が3回転型若しくは5回転型であるので、湾曲片側について、1回転半若しくは2回転半回転することになる。
【0069】
次に、湾曲部12の湾曲動作と、チェーン50及び湾曲操作ワイヤ32との関係を説明する。
前記リモコン6のジョイスティック6aが自立状態である直立状態のとき、図14に示すように前記湾曲部12は湾曲角度が0度の非湾曲状態になる。このとき、前記チェーン50は牽引された状態でも弛緩した状態でもない。
【0070】
この非湾曲状態から、例えば前記湾曲部12を左湾曲させるように前記ジョイスティック6aを傾倒操作すると、図15に示すように前記スプロケット49が矢印Aに示すように反時計方向に回転して、左方向に対応する湾曲操作ワイヤ32Lを構成する電動湾曲装置側ワイヤ32bの一端が連結されているチェーン一端部50aが牽引状態になる。このことによって、左方向湾曲操作ワイヤ32Lに対して牽引力が伝達される。
【0071】
このとき、前記挿入部2a内を挿通する案内管33と挿入部側ワイヤ32aとの間に発生する抵抗によって前記牽引力がある程度損失するとともに、湾曲操作ワイヤ32の弾性伸びによって牽引量がある程度吸収されるが、これら損失分及び吸収分を相殺した分だけ、チェーン一端部50aの移動量を予め上乗せ設定して、このチェーン一端部50aに連結された左方向湾曲操作ワイヤ32Lを矢印Bに示すように所定量牽引する。このことによって、前記湾曲部12が矢印Cに示すように左湾曲する。このとき、前記チェーン50の他端部側及びこのチェーン他端部50bに連結された右方向湾曲操作ワイヤ32Rに弛みが発生して弛緩状態になる。
【0072】
次いで、この左方向湾曲状態から湾曲方向を反転動作させて、右方向に湾曲させる場合について説明する。
湾曲方向を反転させるため、前記ジョイスティック6aを右湾曲させるように傾倒操作する。すると、図16に示すように、スプロケット49が矢印Dに示すように時計方向に逆転して、まず、前記左方向湾曲操作ワイヤ32Lにかかっていた牽引力が解除され、その後、右方向湾曲操作ワイヤ32Rを牽引操作するようにチェーン他端部50bに牽引力が働く。
【0073】
なお、前記前記左方向湾曲操作ワイヤ32Lにかかっていた牽引力が解除されることによって、湾曲部12の湾曲状態が僅かに逆方向である右方向に戻っていくが、積極的に湾曲させるにはこれでは不十分である。つまり、十分に右方向に湾曲されるためには、図に示す弛んだチェーン50を巻き取った後でないと、チェーン他端部50bから右方向湾曲操作ワイヤ32Rに牽引力が働くことはない。
【0074】
すなわち、ジョイスティック6aの操作方向を反転させても、チェーン50の弛みがなくなるまでの間、湾曲状態を反転動作させることができない。また、前記スプロケット49が回動を開始しても、湾曲部12は湾曲しないという時間が生じ、この時間が湾曲部12の応答性の悪さになっていた。
【0075】
ここで、本発明における内視鏡2の湾曲部12の湾曲動作を図17のフローチャートにしたがって説明する。
なお、本実施形態においてはジョイスティック6aの傾き方向及び角度を湾曲指示信号としてとらえる湾曲制御について述べる。このため、前記リモコン6からはジョイスティック6aの傾き方向及び角度に応じて、上下方向及び左右方向に対してそれぞれ、例えば1024階調のデジタル信号が出力されるようになっている。
【0076】
そして、前記1024階調のデジタル信号において、湾曲部中心位置を512とし、この中心位置より上側及び左側湾曲指示位置を0ないし511、下側及び右側湾曲指示位置を513ないし1023に割り付けている。なお、本説明においては左右方向に関する処理についてのみ記載して、同様に処理される上下方向に関する説明は省略する。
【0077】
まず、ステップS1に示すようにリモコン6のジョイスティック6aを所望の方向に所望の角度だけ傾倒操作する。すると、このジョイスティック6aの傾倒操作に相応した湾曲指示信号値が通信ライン82を介して電動湾曲制御部17に伝達される。
【0078】
次に、ステップS2に示すように電動湾曲制御部17の記憶部94に、前記ジョイスティック6aから出力された湾曲指示信号RLが記憶されてステップS3に移行する。
【0079】
なお、前記記憶部94には、少なくとも前記ジョイスティック6aから出力された、最新の湾曲指示信号値と、この最新の湾曲指示信号値より1つ前の湾曲指示信号値である前回の湾曲指示信号値と、前記最新の湾曲指示信号値より2つ前の湾曲指示信号値である前々回の湾曲指示信号値とが記憶されている。
【0080】
そして、最新の湾曲指示信号値を出力値RL_newと定義し、前回の湾曲指示信号値を出力値RL_old1と定義し、前々回の湾曲指示信号値を出力値RL_old2と定義する。このことによって、記憶部94内には出力値RL_new、出力値RL_old1、出力値RL_old2が少なくとも記憶されることになる。
【0081】
次いで、ステップS3、ステップS4、ステップS5に示すように、指示信号判別部95で、前記記憶部94に記憶されている出力値RL_new、出力値RL_old1、出力値RL_old2の比較判定を行う。
【0082】
ステップS3では、前記記憶部94内に湾曲指示信号値が存在するか否かの確認を行う。ここで、出力値RL_oldが存在した場合にはステップ4に移行して記憶部94から対応する湾曲指示信号値である出力値RL_old1と、出力値RL_old2を呼び出し、ステップS5に移行する。
【0083】
このステップS5では、湾曲指示方向が反転されているか否かを判定するために、前回の湾曲指示方向の確認と、最新の湾曲指示方向の確認とを行う。そのために、出力値RL_old1と出力値RL_old2との差分演算を行って前回の湾曲指示方向を得る一方、出力値RL_newと出力値RL_old1との差分演算を行って最新の湾曲指示方向を得る。そして、前回の湾曲指示方向と、最新の湾曲指示方向とを確認にして、湾曲方向を反転させる湾曲指示信号であるか否かを判定する。
【0084】
このステップS5で最新の湾曲指示信号が湾曲方向を反転させる指示であると判定した場合には、ステップS6に移行して、付加部98に対して所定の電圧を一定時間付加する指示を出力してステップS7に移行し、モータ部71を通常の駆動電圧に対して所定の電圧を一定時間付加した電圧で駆動する。
【0085】
このことによって、モータ部71が高速に回転してチェーン50の弛みを素早くなくし、湾曲部12の湾曲状態が変化していく。そして、ステップS8に示すように変化した湾曲部12の湾曲状態を確認し、湾曲状態が所望の状態であったなら湾曲処理を終了し、湾曲状態が所望の状態でなかった場合には、再度湾曲角度を調節するためにステップS1に移行して、ジョイスティック6aを傾倒操作して新たな湾曲指示を出力する。
【0086】
一方、前記ステップS5で湾曲方向を反転させる指示ではなく、同方向に湾曲させる指示であると判定した場合には、ステップS9に移行してジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテンショメータ73からの検出値との差分演算を行う。そして、差分がある場合にはステップS7に移行してモータ部71を通常の駆動電圧で駆動させて湾曲状態を変化させてステップS8に移行する。また、前記ステップS9で差分が無しの場合にはステップS8に移行する。
これらのことによって、ジョイスティック6aの傾倒操作に素早く応答させて湾曲制御を行える。
【0087】
したがって、ジョイスティック6aを傾倒操作して挿入部2aを対象物に挿入することにより、湾曲部12を所望の状態に湾曲させて、対象物の観察、検査を行える。そして、検査終了後には、挿入部2aをドラム部3に巻き取り、使用したリモコン6をケース本体内に収納し、電源スイッチ6bをOFFにすることにより使用状態が終了する。さらに、収納ケース8は、ケース本体の蓋体8bを閉めることで検査が完了するとともに、保管状態になる。
【0088】
ここで、ジョイスティック6aの操作と湾曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。
前記図14に示す湾曲部12に湾曲がかっかていない状態のとき、ジョイスティック6aからは湾曲指示信号として出力値RL=512が出力される。
【0089】
この状態から前記図15に示すように左湾曲を最大にかけるようにジョイスティック6aを左方向に傾倒操作すると、このジョイスティック6aから出力値RL=0という湾曲指示信号が出力される。
【0090】
そして、左最大湾曲させた後、右方向に湾曲させる指示として例えば右湾曲を最大にかけるようにジョイスティック6aを右方向に傾倒操作すると、このジョイスティック6aから出力値RL=1023という湾曲指示が出力される。
【0091】
上述の操作をしたとき、前記記憶部94には、出力値RL_newとして1023が、出力値RL_old1として0、出力値RL_old2として512という湾曲指示信号値が記憶される。
【0092】
前記ジョイスティック6aから最新の湾曲指示信号である出力値RL_new=1023が入力されたとき、指示信号判別部95では、前記ステップS5に示したように湾曲方向を反転させる指示であるか否かの判定を行う。
【0093】
具体的には、上述した以下の2つの演算を行い、その演算結果の正負が異なるか否かで反転指示であるか否かを判定する。
【0094】
今回の場合、
(出力値RL_old1)−(出力値RL_old2)=0−512=−512<0であり、
(出力値RL_new)−(出力値RL_old1)=1023−0=1023>0である。
【0095】
今回の場合、2つの演算結果の正負が異なっている。すなわち、ステップS5において、ジョイスティック6aから出力された最新の湾曲指示信号は、湾曲状態を反転させる指示であると判定する。
【0096】
そして、前記ステップS5で反転させる指示であると判定されると、ステップS6では図18(a)、(b)に示すように通常の駆動電圧に対して、所定電圧を一定時間αだけ付加する。すると、前記スプロケット49が時間αの間、高速に回動して、前記図16で示した弛みを解消するためにチェーン50をスプロケット49に素早く巻き取っていく。このことによって、チェーン他端部50bが右方向湾曲操作ワイヤ32Rを牽引する力が瞬時に発生して湾曲状態が左方向から右方向に変化していく。
【0097】
これに対して、例えば以下に示すようにジョイスティック6aが傾倒操作されると、ステップS5では湾曲方向を反転させる指示がジョイスティック6aから出力されていないと判定する。例えば、前記図14の湾曲のかかっていない状態から、所定量左方向に湾曲させ、その後、さらに同方向である左方向に湾曲させた場合である。
【0098】
この場合、湾曲をかけていない状態ではジョイスティック6aから出力値RL=512が出力され、所定量左方向に湾曲させるためにジョイスティック6aを左方向に傾倒操作して、例えば出力値RL=256が出力され、その後、さらに同方に湾曲させるためにジョイスティック6aを左方向に傾倒操作すると例えば出力値RL=0が出力される。
このとき、前記記憶部94には、出力値RL_new=0、出力値RL_old1=256、出力値RL_old2=512が記憶される。
【0099】
したがって、最新の湾曲指示信号である出力値RL_new=0がジョイスティック6aから出力されたとき、前記指示信号判別部95ではステップS5に示す以下の2つの演算を行って、演算結果の正負によって反転指示であるか否かを判定する。
【0100】
つまり、今回の場合では、
(出力値RL_old1)−(出力値RL_old2)=256−512=−256<0と、
(出力値RL_new)−(出力値RL_old1)=0−256=−256<0とを得る。
【0101】
今回の場合には2つの演算結果の正負が同様であり、ステップS5ではジョイスティック6aからの最新の湾曲指示信号は、湾曲状態を反転させる指示ではないと判定する。したがって、今回の場合には、付加部98から電圧を付加することなく、つまり、前記図18(a)、(b)に示した一定時間αの電圧付加を行うことなく、スプロケット49を通常の駆動電圧で駆動する。
【0102】
このように、ジョイスティックを傾倒操作したときに出力される湾曲指示信号を時系列的に記憶する一方、ジョイスティックから湾曲指示信号が出力されるたびに所定の差分処理を行って、そのときジョイスティックから出力された湾曲指示信号が湾曲動作を反転させる指示であるかを判定し、湾曲状態を反転させる指示であると判定したときにだけ、通常の駆動電圧にある所定電圧を一定時間、付加することによって、一定時間の間、スプロケットを素早く回動させて、チェーン及び湾曲操作ワイヤの弛緩状態を素早く解除して牽引を開始して、湾曲部を逆方向に素早く湾曲動作させることができる。
【0103】
このことによって、電動湾曲装置や、挿入部、湾曲部を大型化することなく、反転側の湾曲操作ワイヤが牽引状態になるまでの時間が短縮されて湾曲反転時の応答性が向上する。
【0104】
また、ジョイスティック近傍にトリマを設けたことによって、湾曲角度の調整を容易に行うことができるので、例えば制御部にPC等を接続して湾曲角パラメータを修正する等の手間を省ける。なお、抵抗値を変更する構成の代わりにジョイスティックの傾倒角度を増減させて最大湾曲角度を調整するようにしてもよい。
【0105】
なお、本実施形態においては、ジョイスティックを傾倒操作したとき出力される湾曲指示信号を差分演算した結果を基に、湾曲状態が反転したか否かを判定し、その判定結果によってモータ部を通常の駆動電圧で駆動させたり、通常の駆動電圧に対して一定時間、所定電圧を付加する構成を説明したが、以下に示す情報を基にして湾曲状態が反転したか否かを判定してモータ部を通常の駆動電圧で駆動させたり、通常の駆動電圧に対して一定時間、所定電圧を付加するようにしてもよい。
【0106】
図19及び図20は本発明の第2実施形態にかかり、図19は電動湾曲制御部を他の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図、図20は電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャートである。
本実施形態においてはジョイスティック6aから出力される湾曲指示信号をON/OFF信号としてもとらえている。そして、ON信号時のみ定速で湾曲動作を行う湾曲制御方法としている。
【0107】
図19に示すように本実施形態の電動湾曲制御部17Aは、発振器99を用いてパルス駆動電圧の出力を指示するマイコン90Aと、この指示信号の増幅処理を行うアンプ92Aとを有している。
【0108】
前記マイコン90AはCPU、プログラムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、前記リモコン用A/D変換部81から伝送される湾曲指示信号値を湾曲方向として時系列的に記憶する記憶部94と、この記憶部94に記憶されている湾曲指示信号を比較して反転したか否かを確認する指示信号判別部95を備えた湾曲方向判定部96と、この湾曲方向判定部96の判定結果によってパルス駆動電圧信号に所定電圧を一定時間付加する付加部98Aとを有している。
なお、本実施形態においてもジョイスティック6aの傾倒操作に応じて上下・左右方向にそれぞれ1024階調のデジタル信号が湾曲指示信号値として出力されるが、出力値512をOFF、出力値0ないし511及び513ないし1023をON信号としている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0109】
上述のように構成した電動湾曲制御部17Aの作用を図20のフローチャートにしたがって説明する。
まず、ステップS11に示すようにジョイスティック6aを操作する。すると、このジョイスティック6aの傾倒操作に対応する湾曲指示信号値が通信ライン82を介して電動湾曲制御部17に伝達される。このとき、ステップS12に示すように電動湾曲制御部17Aの記憶部94にジョイスティック6aから出力された最新の湾曲指示信号値が記憶されてステップS13に移行して、記憶部94内に湾曲指示信号値が存在するか否かの確認を行う。ここで、出力値RL_oldが存在した場合にはステップS14に移行して記憶部94から対応する湾曲指示信号値である出力値RL_old1、出力値RL_old2を呼び出し、ステップS15に移行する。
【0110】
そして、このステップS15では最新の湾曲指示信号が湾曲方向を反転させる指示であるか否かの判定を行う。本実施形態においては、出力値RL_oldとして記憶されている前回のON方向を確認する一方、出力値RL_newにて今回のON方向を確認して、湾曲方向を反転させる指示であるか否かを判定する。
【0111】
具体的には、ある方向に対してON指示が出されいた後に、その方向とは逆方向に対するON指示を出す場合、ジョイスティック6aは必ず、一旦OFF位置を通過し、その後に逆方向の湾曲指示信号を出力する。つまり、OFF信号を確認するとともに、このOFF位置前後での操作方向を比較することによって反転操作であるか否かを判定している。
【0112】
そして、前記ステップS15で湾曲状態を反転させる指示であると判定した場合にはステップS16に移行して、付加部98Aにて対して所定のパルス駆動電圧を付加する指示を出力してステップS17にしめすようにモータ部71を通常のパルス駆動電圧に所定のパルス駆動電圧を加えた電圧で駆動する。
【0113】
次いで、ステップS18に示すように湾曲部12の湾曲状態の変化を確認して、湾曲状態が所望の状態であるなら湾曲処理を終了し、湾曲状態が所望の状態でなかった場合には、再度湾曲角度を調節するためにステップS11に移行して、ジョイスティック6aを傾倒操作して新たな湾曲指示を出力する。
【0114】
なお、前記ステップS15で湾曲方向を反転させる指示ではなく、同方向に湾曲させる指示であると判定した場合には、ステップの記載は省略するが前記図17のステップS9と同様にジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテンショメータ73からの検出値との差分演算を行う。そして、差分がある場合にはモータ部71を通常のパルス駆動電圧で駆動させて湾曲状態を変化させて湾曲状態の確認を行い、差分無しの場合には直接、湾曲状態の確認を行う。
【0115】
ここで、ジョイスティック6aの操作と湾曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。
湾曲部12に湾曲のかっかていない状態のとき、ジョイスティック6aからは出力値RL=512という湾曲指示信号が出力される。この状態から例えば左湾曲をかけるようにジョイスティック6aを操作する。このとき、このジョイスティック6aから出力値RLとして0ないし511の湾曲指示信号を出力する。その後、右方向に湾曲をかけるようにジョイスティック6aを操作する。すると、湾曲方向を左方向から右方向に切り換えるたことにより、リモコン6からは一度だけ、出力値として512(OFF信号)が出力された後に、ジョイスティック6aから出力値RLとして513ないし1023の湾曲指示信号が出力される。
【0116】
したがって、上述のようにジョイスティック6aを操作した場合には、記憶部94には、左湾曲ONのときの例えば出力値RL_new=0と、湾曲OFFである出力値RL_old1=512と、右湾曲ONのときの例えば出力値RL_old2=1023が記憶されている。
【0117】
したがって、ステップS15では、
出力値RL_old1=512のOFF信号を有するとともに、
出力値RL_new−出力値RL_old1=0−512<0と、
出力値RL_old2−出力値RL_old1=1023−512>0と
の結果を得る。
【0118】
このことによって、出力値RL_old1(OFF信号)の前後で演算結果の正負が異なっていることにより、ジョイスティック6aの傾倒操作が湾曲動作を反転される指示であると判定する。
【0119】
なお、ステップS16では、図21(a)に示すように一定時間α、高いパルス駆動電圧が加わるように通常のパルス駆動電圧に所定電圧を付加する。この結果、時間αの間だけ前記スプロケット49が高速に回動してチェーン50の弛みを解消させて、右方向湾曲操作ワイヤ32Rを牽引する力が瞬時に発生して湾曲状態が逆方向に変化する。
【0120】
一方、ステップS15でジョイスティックから湾曲方向を反転させる指示が出力されていないと判定されるのは例えばジョイスティック6aを湾曲なしの状態から、まず左方向に湾曲させ、次に、一端、ジョイスティック6aを自立状態にして、再び左方向に湾曲させる場合等である。
【0121】
このとき、最初、湾曲がかかっていない状態であるのでジョイスティック6aから出力値RL=512の湾曲指示信号が出力される。その後、左方向へ湾曲させることにより、このジョイスティック6aから出力値RLとして0ないし511が出力される(ここでは、仮に出力値RLを0とする)。
【0122】
次に、その動作を続けず、ジョイスティック6aを一度中央(出力値RL=512を出力)に戻し、その後、再び、前回と同じ方向に湾曲させるとジョイスティック6aから出力値RLとして0ないし511が出力される(ここでは、仮に出力値RLを0とする)。
【0123】
このとき、記憶部94には、出力値RL_new=0、出力値RL_old1=512、出力値RL_old2=0が記憶されているので、ステップS15では、
出力値RL_old1=512、
出力値RL_new−出力値RL_old1=0−512=−512<0、
出力値RL_old2−出力値RL_old1=0−512=−512<0
との結果を得る。
【0124】
このことによって、出力値RL_old1(OFF信号) の前後で演算結果の正負が同じであるので、ジョイスティック6aの傾倒操作によって湾曲方向を反転される指示でないと判定する。このため、付加部98Aで電圧を付加することなく、通常のパルス駆動電圧でモータ部71は駆動される。
【0125】
このように、ジョイスティックがOFF位置である中央を通過したとき、記憶部にOFF位置を示す湾曲指示信号値を記憶することによって、ジョイスティックの操作によって、回転方向を反転させる指示が出力されたか否かの判定をより確実に行うことができる。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0126】
なお、パルス駆動電圧にパルス信号を付加する場合、パルス信号の付加は頂部に限定されるものではなく、図21(b)に示すようにパルス信号の底部であってもよい。
【0127】
また、OFF位置である中央を出力値512の1つだけに限定することなく、出力値512±αと設定することによって、ジョイスティック6aに遊びを持たせて操作性を向上させることができる。つまり、OFF位置を出力値512と設定した場合には、ジョイスティック6aを僅かに移動させただけでON指示となる。つまり、敏感に反応するが、OFF位置を出力値512±αと設定することにより、OFF領域が広がる。前記αの値としては、例えば10ないし80程度に設定する。このことによって、ジョイスティック6aに触れただけで動作することがなくなる。
【0128】
図22及び図23は本発明の第3実施形態にかかり、図22は電動湾曲制御部を別の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図、図23は電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャートである。
本実施形態においては、モータ部71へ供給される電圧の正負によって湾曲状態が反転したか否かを判定してモータ部を通常の駆動電圧で駆動させたり、通常の駆動電圧に対して一定時間、所定電圧を付加するようにしている。
【0129】
図22に示すように本実施形態の電動湾曲制御部17Bには、通信ライン82を介してリモコン6のジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテンショメータAD変換部93の回転位置信号値とを差分演算し、その差分量に対応するデジタルの駆動信号を生成するマイコン90Bを有している。
【0130】
このマイコン90Bは、CPU、プログラムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、ポテンショメータAD変換部93を介してポテンショメータ73で検知したスプロケット49を回転させる出力軸48の回転位置信号値と前記湾曲指示信号値との差分を一定時間間隔で取得してフィードバック制御を行う差分演算部97Aと、この差分演算部97Aから出力されるデジタル出力値を記憶する記憶部94B及びこの記憶部94Bに記憶されているデジタル出力値と、今回出力された最新のデジタル出力値とで湾曲方向が反転されているか否かの判別を行う判別部95Bを備えた湾曲方向判定部96Bと、この湾曲方向判定部96Bで湾曲方向が反転されるという結果を得てモータユニット47へ出力する駆動電圧に一定電圧を付加する付加部98Bとを有している。
【0131】
なお、前記リモコン6からの湾曲指示信号及びポテンショメータAD変換部93から出力される回転位置信号値は、共に1024階調のデジタル信号として扱われる。そして、それぞれ、出力値512を中央値としている。
【0132】
また、前記アンプ部92Bから出力される電圧値は、プラス又はマイナスの電圧値である。そして、前記モータ部71を正転させる際にはプラス電圧であり、前記モータ部71を逆転させる際にはマイナス電圧である。具体的な電圧値としては、−15Vから+15Vの範囲であり、上方向及び左方向の湾曲指示の場合には出力電圧値は負の値を示し、下方向及び右方向の湾曲指示の場合には出力電圧値は正の値を示す。その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0133】
図23のフローチャートにしたがって、本発明における内視鏡2の湾曲部12の湾曲動作を説明する。
ステップS21に示すようにリモコン6のジョイスティック6aを操作する。すると、ジョイスティック6aの傾き方向及び角度に応じた湾曲指示信号としてJS出力値RLが通信ライン82を介して電動湾曲制御部17Bに伝達される。
【0134】
そして、この電動湾曲制御部17Bに前記JS出力値RLが入力された時点でステップS22に示すように、このJS出力値RLと、ポテンショメータ73からの回転位置信号値であるPM出力値RLとの差分を演算し、その差分の有無を確認する。ここで、差分があった場合にはステップS23に移行する。
【0135】
ステップS23では、その差分結果値を出力値△RLとして記憶部94Bに記憶する。このことにより、この記憶部94Bには、少なくとも今回の出力値△RLと前回の出力値△RLとが記憶されており、最新の出力値を出力値△RL_new、前回の出力値を出力値△RL_old1と定義する。
【0136】
次いで、ステップS24、ステップS25、ステップS26に示すように判別部95Bで前記出力値の比較判定を行う。その際、ステップS24に示すように出力値△RL_old1が記憶されているか否かを確認し、出力値△RL_old1が記憶されているときにはステップS25に移行して記憶されている出力値△RL_old1を呼び出してステップS26に移行する。
【0137】
このステップS26では前回の出力値△RL_old1と、今回の出力値△RL_newとの比較判別を行う。
ここで、出力値△RL_old1<0かつ出力値△RL_new>0の結果を得た場合、
又は、 出力値△RL_old1>0かつ出力値△RL_new<0の結果を得た場合、ステップS26では回転方向が反転されると判定する。この場合には、ステップS27に移行して付加部98Bより通常の駆動電圧に一定電圧を付加し、ステップS28に示すように一定電圧を負荷した駆動電圧でモータ部71を駆動させる。
【0138】
なお、前記差分演算部97Aでは、一定時間間隔で出力値△RLを生成している。つまり、前記モータ部71が動作しているとき、前記出力値△RLはそのたびに、新しい値に更新される。そして、出力値△RL=0を得たとき、モータユニット47への駆動電圧の出力を停止する。
【0139】
また、前記差分演算部97Aでは、同様にJS出力値RLの差分演算処理を一定時間間隔で行っている。したがって、一定時間内での過度に速くジョイスティックが操作されたか否かの確認をし、過度に速くジョイスティックが操作されたことを検出した際にはそのジョイスティックの操作によって出力された値を無視するようにしている。
【0140】
ここで、ジョイスティック6aの操作と湾曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。
例えば、ジョイスティック6aから右方向に最大湾曲させるというJS出力値RL=1023を出力するとき、実際のポテンショメータからのPM出力値RL=512、すなわち、湾曲角度0の非湾曲状態であったとする。
【0141】
この場合、JS出力値RLとPM出力値RLとの値が一対一の対応であるとすると、出力値△RL=(JS出力値RL−PM出力値RL=1023−512=511の結果を得る。そして、この結果から、右方向への湾曲動作を開始して、最終的に湾曲部12が右最大湾曲状態になったときに、出力値△RL=0になる。
【0142】
次に、この状態から湾曲角度0を指示するJS出力値RL=512が入力されると、出力値△RL=512−1023=−511の結果を得、この結果から左方向への湾曲動作を開始する。このとき、記憶部94Bには、前回の出力値△RL_old1=511と、最新の出力値△RL_ne=−511とが記憶されるので、ステップS26では
出力値△RL_old1=511>0かつ出力値△RL_new=−511<0の結果から湾曲方向を反転させると判定する。
【0143】
このため、付加部98ではこの判定を受け、通常では、モータユニット47へはVmot=k*出力値△RL_new(k:任意の係数)の電圧値が出力して湾曲動作させるところを、湾曲部12が左方向へ湾曲するので出力値△RLは負側への動作であり、かつ付加電圧(δ)を仮にδ=−2.00として、
Vmot_add=k*(出力値△RL_new+δpot)
Vmot_add=k*(出力値△RL_new−2.00)となり、
通常より絶対値の大きな電圧値で湾曲動作させることになる。
【0144】
具体的に、k=0.01(単位V)、出力値△RL_new=−512の場合には
Vmot=k*出力値△RL_new=−5.12V、
Vmot_add=k*(出力値△RL_new−200)=−7.12Vとなり、Vmot_addが2V多い供給電圧で動作する。なお、前記Vmot_addは上述した実施形態と同様に一定時間のみ付加される。
【0145】
なお、前記出力値△RLの更新期間が例えば0.2秒毎である場合には、次の出力値△RLつまり出力値△RLが更新されるまでの間の0.2秒間、Vmot_addが一時的に付加され、その後は、反転動作がない限り、通常の駆動電圧であるVmotがモータユニット47に供給される。
【0146】
また、前記アンプ部92Bからの電圧は、前記図18、前記図21のどちらの形態での出力でもよく、一定時間αは前述した更新時間、例えば0.2秒間の付加となる。
【0147】
さらに、付加電圧を付加するのではなく、Vmotの係数kを一時的に大きな値k1に変化させるようにしてもよい。つまり、
Vmot_add=k1*出力値△RL_new
として、一定時間Vmot_addを出力するようにしてもよい。
【0148】
このように、モータ部に供給される電圧の正負によって動作方向の反転を確認し、通常の駆動電圧に所定の電圧を付加してモータ部に供給するので湾曲反転時のレスポンスを適切に確保することができる。このことによって、湾曲操作性が損なわれることが防止される。
【0149】
また、ジョイスティックの動作を所定時間間隔で差分演算処理する一方、過度に速くジョイスティックが操作されたことを検知した際には、ジョイスティックからの出力値を無視させることによって、動作に過敏に反応して無理な動作をさせることをなくすことができ、観察性、挿入性が向上する。
【0150】
図24及び図25は本発明の第4実施形態にかかり、図24は電動湾曲制御部をまた他の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図、図25は電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャートである。
【0151】
図24に示すように本実施形態の電動湾曲制御部17Cには、通信ライン82を介してリモコン6のジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテンショメータAD変換部93の回転位置信号値とを差分演算し、その差分量に対応するデジタルの駆動信号を生成するマイコン90Cを有している。
【0152】
このマイコン90Cは、CPU、プログラムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、ポテンショメータAD変換部93を介してポテンショメータ73で検知したスプロケット49を回転させる出力軸48の回転位置信号値と前記湾曲指示信号値との差分を一定時間間隔で取得してフィードバック制御を行う差分演算部97Aと、ポテンショメータAD変換部93から出力された回転位置信号値を記憶する記憶部94Cと、この記憶部94Cに記憶されている回転位置信号値と、今回の回転位置信号値とで湾曲方向が反転したか否かを判別する判別部95Cを備えた湾曲方向判定部96Cと、この湾曲方向判定部96Cからの湾曲方向が反転されるという結果を得てモータユニット47へ出力する駆動電圧に一定電圧を付加する付加部98Bとを有している。その他の構成は前記第3実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0153】
ここで、本発明における内視鏡2の湾曲部12の湾曲動作を図25のフローチャートにしたがって説明する。
本実施形態においては、ステップS31に示すようにジョイスティック6aを操作すると、ジョイスティック6aの傾き方向及び角度に応じた湾曲指示信号としてJS出力値RLが通信ライン82を介して電動湾曲制御部17Bに入力され、その時点で、ステップS32に示すようにJS出力値RLと、ポテンショメータ73の回転位置信号値であるPM出力値RLとの差分を演算して差分の有無を確認する。
【0154】
ここで、差分があった場合にはステップS23に移行して、ポテンショメータ73からの回転位置信号値であるPM出力値RLを記憶部94Cに記憶する。このとき、この記憶部94Cに、少なくとも今回のPM出力値RLと、前回のPM出力値RLと、前々回のPM出力値RLとが記憶されていれば、最新の出力値をPM出力値RL_new、前回の出力値をPM出力値RL_old1、前々回の出力値をPM出力値RL_old2と定義する。
【0155】
次いで、ステップS34、ステップS35、ステップS36に示すように判別部95Cで比較判定を行う。その際、まず、ステップS34に示すようにPM出力値RLが記憶されているか否かを確認し、記憶されているときにはステップS35に移行して記憶されているPM出力値RL_old1及びPM出力値RL_old2を呼び出してステップS36に移行する。
【0156】
このステップS36では、
PM出力値RL_old1−PM出力値RL_old2 が正か負かの判定
を行って前回までの湾曲方向を確認する一方、さらに、
PM出力値RL_new−PM出力値RL_old1 の正負の判定を行って
最新の湾曲方向を確認する。そして、湾曲方向が反転したか否かを判定する。
【0157】
ここで、反転していると判定した場合には、ステップS37に移行して付加部98Bより一定電圧をつう状電圧に対して一定時間だけ付加し、ステップS38に示すように負荷した駆動電圧でモータ部71を駆動する。
【0158】
ここで、ジョイスティック6aの操作と湾曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。
例えば、最初、湾曲がかかっていない、PM出力値RL=512の状態で湾曲が停止していた状態とする。ここで、ジョイスティック6aにより右方向に最大湾曲をかけ、JS出力値RL=1023が出されて、右方向への湾曲が開始されたとする。
【0159】
このとき、差分である出力値RL=1023−512>0である。この後、一定時間間隔でPM出力値RLがサンプリングされていく。そして、湾曲部12が右方向に最大湾曲すると、出力値RL=0になる。したがって、それまでの間のPM出力値RLは、一定時間間隔に検出されているため、仮に1024階調を1刻みずつサンプリングできたとすると、
PM出力値RL_new=1022、PM出力値RL_old1=1021、PM出力値RL_old2=1020になり、
PM出力値RL_old1−PM出力値RL_old2>0、及び
PM出力値RL_new−PM出力値RL_old1>0と
なって回転方向が反転していないと判定される。このとき、PM出力値RL=1023になっている。
【0160】
その後、ジョイスティック6aより非湾曲状態に戻る指示が出されると、JS出力値RL=512が出力され、その瞬間、ステップS32では差分有りとの判断を下すが、モータユニット47に必要な起動電圧に達するまでモータ部71は動作できないので、前記JS出力値RL=512が出力された直後はPM出力値RLは1023のままになる。
【0161】
その後、湾曲動作していくとき、同様に1024階調を1刻みでサンプリングできた場合、PM出力値RL_new=1022、PM出力値RL_old1=1023、PM出力値RL_old2=1022となる。その後は、PM出力値RL_new=1021、1020、1019…順次変化していく。
【0162】
そして、前記PM出力値RL_new=1022、PM出力値RL_old1=1023、PM出力値RL_old2=1022となったとき、
PM出力値RL_old1−PM出力値RL_old2=1>0、及び
PM出力値RL_new−PM出力値RL_old1=−1<0と
なって回転方向が反転したと判定する。すると、付加部98Bによって前記図18に示したように通常の駆動電圧に所定電圧が一定時間だけ付加されてモータ部71を起動する。
【0163】
このように、ポテンショメータから出力される回転位置信号値を一定時間間隔で検知することによって、実際の湾曲部の反転動作を確認した後、瞬時に高速動作を行うことができる。このことによりって、反転時の湾曲レスポンスがさらに改善する。
【0164】
なお、本実施形態においては前記第2実施形態と同様にON/OFF入力にしてPM出力値RLを省略するようにしてもよい。
【0165】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0166】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0167】
(1)挿入部を構成する湾曲部に端部が固定されたアングルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段と、この牽引力伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記湾曲部の湾曲方向を指示する手元側に位置する湾曲指示装置と、この湾曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき前記駆動源に供給する駆動電圧を制御する制御部とを具備する電動湾曲内視鏡において、
前記制御部に、
前記湾曲部の湾曲状態を変化させる情報を基に、湾曲動作を反転されるか否かを判定する判定部と、
この判定部が湾曲方向が反転されると判定したとき、前記駆動電源に供給する通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付加部と、
を設けた電動湾曲内視鏡。
【0168】
(2)前記判定部で判定する情報は、前記湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号である付記1記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0169】
(3)前記判定部は、
前記湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号を時系列的に記憶する記憶部と、
この記憶部に記憶されている所定の湾曲指示信号を差分演算して湾曲方向が反転されるか否かを判定する指示信号判別部と、
を有する付記2記載の電動湾曲内視鏡。
【0170】
(4)前記指示信号判別部は、前記記憶部に記憶されている少なくとも最新の湾曲指示信号値、前回の湾曲指示信号値、前々回の湾曲指示信号値を基に、前回値と前々回値との差分演算及び最新値と前回値との差分演算を行い、それぞれの結果から湾曲方向が反転されるか否かを判定する付記3に記載の電動湾曲内視鏡。
【0171】
(5)前記湾曲指示装置は、上下方向及び左右方向をそれぞれ1024階調の湾曲指示信号として前記制御部に出力する付記1に記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0172】
(6)前記湾曲指示装置から1024階調のデジタルの湾曲指示信号を出力するとき、湾曲部中心位置を示す湾曲指示信号を512、この湾曲部中心位置より上側及び左側湾曲位置を示す湾曲指示信号を0ないし511、下側及び右側湾曲位置を示す湾曲指示信号を513ないし1023と割り付けるとともに、
最新の湾曲指示信号を指示_new、これより1つ前の湾曲指示信号を指示_old1、これよりさらに1つ前の湾曲指示信号を指示_old2と定義し、
(指示_old1−指示_old2)<0かつ(指示_new−指示_old1)>0
又は、
(指示_old1−指示_old2)>0かつ(指示_new−指示_old1)<0
の関係が成り立つとき、
前記付加部は前記駆動源に通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付記4又は付記5に記載の電動湾曲内視鏡。
【0173】
(7)前記湾曲指示装置から1024階調のデジタルの湾曲指示信号を出力するとき、湾曲OFF状態を示す湾曲指示信号を512±α、上側湾曲指示及び左側湾曲指示を示す湾曲指示信号を0ないし511−α、下側湾曲指示及び右側湾曲指示を示す湾曲指示信号を513+αないし1023と割り付けるとともに、
最新の湾曲指示信号を指示_new、これより1つ前の湾曲指示信号を指示_old1、これよりさらに1つ前の湾曲指示信号を指示_old2と定義し、
指示_old1=512±αかつ 指示_old2−指示_old1>0かつ 指示_new−指示_old1<0
又は、
指示_old1=512±αかつ 指示_old2−指示_old1<0かつ 指示_new−指示_old1>0
の関係が成り立つとき、
前記付加部は前記駆動源に通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付記4又は付記5に記載の電動湾曲内視鏡。
【0174】
(8)前記αの値は、10ないし80のデジタル値である付記7記載の電動湾曲内視鏡。
【0175】
(9)前記判定部で判定する情報は、前記駆動源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値の正負である付記1記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0176】
(10)前記判定部は、前記駆動源に出力された電圧値の正負を時系列的に記憶する記憶部と、
この記憶部に記憶されている電圧値の正負を比較して湾曲方向が反転されるか否かを判定する回転方向判別部と、
を有する付記9記載の電動湾曲内視鏡。
【0177】
(11)前記回転方向判別部は、前記記憶部に記憶されている最新の電圧値と前回の電圧値とを比較し、その結果から湾曲方向が反転されるか否かを判定する付記10に記載の電動湾曲内視鏡。
【0178】
(12)前記制御部は、前記湾曲指示装置から伝送されるON/OFF指示信号を基に、ON制御時の回転方向がOFF制御されるごとに数値割り付けを行い、その数値を差分演算する付記4記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0179】
(13)前記駆動源へ出力する最大電圧値を、±15Vに設定した付記9記載の電動湾曲内視鏡。
【0180】
(14)前記判定部で判定する情報は、前記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号である付記1記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0181】
(15)前記判定部は、前記出力軸の回転位置信号を時系列的に記憶する記憶部と、
前記出力軸の回転位置信号を差分演算して、湾曲方向が反転されるか否かを判定する回転位置判別部と、
を有する付記14記載の電動湾曲内視鏡。
【0182】
(16)前記回転位置判別部は、少なくとも最新の回転位置信号値、前回の回転位置信号値、前々回の回転位置信号値を基に、前回値と前々回値との差分演算及び最新値と前回値との差分演算を行い、それぞれの結果から湾曲方向が反転されるか否かを判定する付記15に記載の電動湾曲内視鏡。
【0183】
(17)前記出力軸の回転位置信号値は、可変抵抗器から出力される電圧値を1024階調に変換したデジタル値である付記14記載の電動湾曲内視鏡。
【0184】
(18)前記出力軸の回転位置信号値は、可変抵抗器から出力されるアナログ電圧値である付記14記載の電動湾曲内視鏡。
【0185】
(19)前記駆動源は、CDギヤードモータである付記1記載の電動湾曲内視鏡。
【0186】
(20)前記付加部による一定電圧の付加を、パルス駆動電圧の頂部を増すことで行う付記1記載の電動湾曲内視鏡。
【0187】
(21)前記付加部による一定電圧の付加を、パルス駆動電圧の底部を増すことで行う付記1記載の電動湾曲内視鏡。
【0188】
(22)前記付加部による一定電圧の付加を、非パルス状の連続するリニア電圧に対して行う付記1記載の電動湾曲内視鏡。
【0189】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、湾曲部の湾曲方向を反転動作させる際の湾曲応答性及び操作性に優れた電動湾曲内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図18は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する斜視図
【図2】内視鏡装置の構成を説明するブロック図
【図3】リモコンを説明する図
【図4】リモコンのジョイスティックを説明する図
【図5】挿入部の構成を説明する図
【図6】ドラム部内の構成を説明する図
【図7】ドラム部内の電動湾曲装置の構成を説明する図
【図8】連結部材近傍を説明する図
【図9】方向変換部近傍を説明する拡大図
【図10】モータユニットの構成を説明する図
【図11】誘導面を備えるチェーン収納部の構成を説明する図
【図12】スプロケット近傍を説明する図
【図13】モニタへの表示例を説明する図
【図14】非湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図
【図15】湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図
【図16】スプロケットを逆転状態にしたときの湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図
【図17】湾曲部の湾曲動作を説明するフローチャート
【図18】通常の駆動電圧と付加部によって付加される電圧とを説明する図
【図19】図19及び図20は本発明の第2実施形態にかかり、図19は電動湾曲制御部を他の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図
【図20】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャート
【図21】通常の駆動電圧と付加部によって付加される電圧とを説明する図
【図22】図22及び図23は本発明の第3実施形態にかかり、図22は電動湾曲制御部を別の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図
【図23】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャート
【図24】図24及び図25は本発明の第4実施形態にかかり、図24は電動湾曲制御部をまた他の構成にした内視鏡装置を説明するブロック図
【図25】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフローチャート
【符号の説明】
6a…ジョイスティック
16…電動湾曲装置
17…電動湾曲制御部
90…マイコン
94…記憶部
95…指示信号判別部
96…湾曲方向判定部
98…付加部
Claims (4)
- 挿入部を構成する湾曲部に端部が固定されたアングルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段と、この牽引力伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記湾曲部の湾曲方向を指示する手元側に位置する湾曲指示装置と、この湾曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき前記駆動源に供給する駆動電圧を制御する制御部とを具備する電動湾曲内視鏡において、
前記制御部に、
前記湾曲部の湾曲状態を変化させる情報を基に、湾曲動作を反転されるか否かを判定する判定部と、
この判定部が湾曲方向が反転されると判定したとき、前記駆動電源に供給する通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付加部と、
を設けたことを特徴とする電動湾曲内視鏡。 - 前記判定部で判定する情報は、前記湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号であることを特徴とする請求項1記載の電動湾曲内視鏡装置。
- 前記判定部で判定する情報は、前記駆動源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値の正負であることを特徴とする請求項1記載の電動湾曲内視鏡装置。
- 前記判定部で判定する情報は、前記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号であることを特徴とする請求項1記載の電動湾曲内視鏡装置。
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