JP4127625B2 - 封止構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紫外線検出用放電管(UVチューブ)を、そのカバー体の内部に気密に嵌め込むに好適な封止構造体に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
紫外線検出用放電管(UVチューブ)は、紫外線を受けて放電を生起する一対の放電電極を円筒形のガラス管内に封入したもので、例えばガスバーナの燃焼状態をモニタする火炎検出器として用いられる。このようなUVチューブの取り扱いを容易化するべく、該UVチューブを筒状のカバー体に収納してユニット化することが考えられる。
【0003】
例えば図1にその概略構成を示すように、先端を紫外線受光窓1aとして開口した円錐状の内周面を持つ筒体からなるカバー体1の内部に前記UVチューブ2を嵌め込んで固定し、上記カバー体1の後端を閉塞する蓋部3に該UVチューブ2の端子部4を設けることでUVチューブ2を内蔵した火炎検出ユニットを実現することが考えられる。この際、カバー体1の内周面とUVチューブ2との間を気密に封止するべく、一般的にはOリング5が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらOリング5を用いてカバー体1の内周面とUVチューブ2との間を気密に封止する構造にあっては、予めカバー体2の内周面にOリング5を保持する為のリング溝1bを設けておくことが必要である。しかもリング溝1bを設けるには、カバー体1の肉厚tを或る程度厚くしておく必要がある。更にはリング溝1bの径(溝の直径)AとUVチューブ2の外径(管径)Bとのバラツキが大きいと、Oリング5による密閉性が損なわれることがある等の種々の問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、円錐状の内周面を持つ筒体(例えばカバー体)と円柱状の外周面を持つ棒状体(例えばUVチューブ)との間を、その寸法のバラツキに拘わることなく確実に気密に封止することのできる簡易な構造の封止構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る封止構造体は、例えば紫外線検出用放電管(UVチューブ)からなる円柱状の外周面を持つ棒状体を、例えばカバー体からなる円錐状の内周面を持つ筒体の内部に収納して該筒体と棒状体との間を気密に封止するに好適なものであって、
筒部とこの筒部の一端部に内側に向けて張り出して設けられたフランジ部と上記筒部の外周面にその全周に亘って突設された肉厚のリブ部とを具備したキャップ状の弾性部材からなるパッキング体を用い、
このパッキング体を前記棒状体の先端部に装着し、このパッキング体と共に前記棒状体を前記筒体の内部に嵌め込むことで、前記リブ部のみにより前記筒体の内周面と前記棒状体の外周面との間を気密に封止することを特徴としている。
【0007】
即ち、本発明は、前記筒体の内周面と前記棒状体の外周面とを気密に封止する部品(パーツ)として、前述した筒部、フランジ部、および肉厚のリブ部を備えた弾性部材からなるパッキング体を用い、このパッキング体を前記棒状体の先端部に装着して前記筒体の内側の所定位置に嵌め込むことで、前記筒体の内径と前記棒状体の外径とのバラツキに拘わることなく、前記リブ部だけによって前記筒体と棒状体との間を確実に気密封止することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る封止構造体について説明する。
この封止構造体は、図2にその概略構成を示すように、例えば紫外線検出用放電管(UVチューブ)からなる円柱状の外周面を持つ棒状体2を、そのカバー体としての円錐状の内周面を持つ筒体1の内部に嵌め込み、前記棒状体(UVチューブ)2の外周面と筒体(カバー体)1の内周面との間を気密に封止するものであって、特に棒状体2の先端部に装着したパッキング体7を用いて上記気密封止を実現したものである。
【0009】
このパッキング体7は、シリコーンゴム等の弾性部材からなるものであって、棒状体2の外周に嵌め込まれる筒部7aと、この筒部7aの一端部に内側に向けて張り出して設けられたフランジ部7bと、前記筒部7aの外周面にその全周に亘って突設された肉厚のリブ部7cとからなる。前記筒部7aは、棒状体2の外径(UVチューブの管径)よりも僅かに小さい内径を有し、弾性的に拡径させながら棒状体(UVチューブ)2の外周面に嵌め込まれる部位からなる。また前記フランジ部7bは、上記筒部7aを棒状体2に外周に嵌め込んだとき、該棒状体2の先端部に当接することで棒状体2に対する筒部7aの嵌め込み位置を規制する役割を担う。換言すれば前記筒部7aは、前記フランジ部7bが棒状体2の先端部に当接する位置まで前記棒状体2に嵌め込まれる。
【0010】
一方、筒部7aの外周面に突設された肉厚のリブ部7cは、前記筒体(カバー体)1の内周面との接触部をなすもので、筒体(カバー体)1との接触により弾性的に撓みながら該筒体(カバー体)1の内周面に密着してその接触部位を気密に封止する役割を担う。このリブ部7cの肉厚は、前記筒体(カバー体)1内への棒状体(UVチューブ)2の組み込み位置における筒体(カバー体)1の内径と棒状体(UVチューブ)2の外径(UVチューブの管径)とのバラツキを見込んで、上記内径と外径との最大寸法差の1/2よりも若干大きく設定される。つまり筒体(カバー体)1の内周と棒状体(UVチューブ)2の外周との隙間を、その全周に亘って確実に埋めることができるように前記リブ部7cの肉厚が設定されている。
【0011】
このような形状(構造)のパッキング体7は、図3に封止構造体の分解構造を示すように、予め棒状体(UVチューブ)2の先端部に装着される。そしてその先端にパッキング体7を装着した棒状体(UVチューブ)2を、その先端部側から筒体(カバー体)1の内部に挿入して所定の位置に嵌め込むことで、図2に示すように組み立てられる。すると前記リブ部7aが筒体(カバー体)1の内周面に当接し、弾性的に撓んで筒体(カバー体)1の内周面に密着して棒状体(UVチューブ)2の外周面との間を気密に封止することになる。
【0012】
この際、筒体(カバー体)1に挿入した棒状体(UVチューブ)2が、前記リブ部7aが筒体(カバー体)1の内周面に軽く当接する位置から更に所定の組み込み位置まで若干奥深く押し込められるようにしておけば、前記リブ部7cが上記筒体(カバー体)1との当接位置にてそれ以上の移動が阻止されるので、前記パッキング体7の筒部7aがその軸方向に伸びを生じる。特にパッキング体7のフランジ部7bを設けた先端部とリブ部7cとの間の筒部7aにおいて伸びを生じる。
【0013】
すると筒体(カバー体)1の内径と棒状体(UVチューブ)2の外径(UVチューブの管径)とのバラツキによって、例えばその径差が小さい場合には、前記筒部7aに大きな伸びが生じる。また上記径差が大きい場合には、前記筒部7aの伸びが小さく抑えられる。そして筒部7aの伸びに伴って前記リブ部7cの厚みが適度に圧縮される。この結果、上述した筒体(カバー体)1の内径と棒状体(UVチューブ)2の外径(UVチューブの管径)とのバラツキに拘わることなく、前記リブ部7cによる筒体(カバー体)1の内周面とを確実に気密封止し、その密閉性を確保することが可能となる。
【0014】
またこのようなパッキング体7を用いれば、従来のOリングを用いて密封構造を実現するものとは異なり、カバー体1の内周面にOリングを保持する為のリング溝を設ける必要がない。従って、例えば射出成形によって形成されるカバー体の構造の簡易化とその製作の容易化を図ることができることのみならず、カバー体1の厚みを薄くすることも可能である等の効果が奏せられる。
【0015】
尚、上述した実施形態においてはパッキング体7の形状(構造)として、その先端にフランジ部7aの内周縁に囲まれた大径の開口部7dを形成し、この開口部7dをUVチューブの紫外線受光窓としたものを例示した。しかし図4(a)に示すように上記蓋体7dに小径の複数の孔7eを開口した構造としても良い。また棒状体がUVチューブではなく、窓部を必要としないものであれば、図4(b)に示すように前記フランジ部7aをパッキング体7の一端を閉塞する蓋体7fとして形成することも可能である。また開口部7dの径や、孔7eの数を変えることで、筒部7aの弾性力を調整することも勿論可能であり、更にはパッキング体7をなす弾性部材の素材自体を代えることで、その弾性率を調整することも勿論可能である。更にはパッキング体7の各部の寸法等は、その仕様に応じて設定すれば良いことは言うまでもない。
【0016】
ここで上述した封止構造体を適用して実現される火炎検出ユニットについて簡単に説明する。この火炎検出ユニットは、図5にその分解構造を示す火炎検出装置における火炎センサ10として用いられるものである。ちなみに火炎検出装置は、ガスバーナ等の覗き窓(図示せず)に装着されるフランジユニット20と、このフランジユニット20に取り付けられるセンサホルダ30、このセンサホルダ30の下部に組み込まれるシャッタユニット40とを備え、前記火炎センサ10は上記センサホルダ30に装着して用いられる。尚、図中50は、上述したセンサホルダ30やシャッタユニット40のカバーである。
【0017】
火炎検出ユニット(火炎センサ10)は、図6にその外観形状を示し、また図7にその内部構造を示すように、カバー体1としての円錐形状の細長いケーシング11の内部に、チューブホルダ12に保持された紫外線検出用放電管(UVチューブ)13を組み込み、上記チューブホルダ12の後部に前記UVチューブ13の外部接続端子14を設けて構成される。尚、チューブホルダ12には前記UVチューブ13のリード端子と前記外部接続端子14との間に介挿される抵抗体15が設けられる。そしてチューブホルダ12に保持されたUVチューブ13は、その先端部に前述したパッキング体7を装着してケーシング11の内部に嵌め込まれて該ケーシング11に一体化され、これによってパッケージ化された火炎センサ10を構築している。
【0018】
ちなみにこのような構造の火炎検出ユニット(火炎センサ10)は、図8にその分解構造を示すように、先ずUVチューブ13をそのリード端子側からチューブホルダ12に装着し、UVチューブ13のリード端子と外部接続端子14との間に抵抗体15を接続した後、前記UVチューブ13の先端部にパッキング体7を装着し、この状態で前記UVチューブ13の先端側からケーシング11の内部に嵌め込むことにより組み立てられる。
【0019】
かくしてこのような構造の火炎検出ユニット(火炎センサ10)によれば、パッキング体7によってUVチューブ13の外周面とケーシング11の内周面との間を確実に密封することができる。しかもUVチューブ13やケーシング11の製作寸法誤差に拘わることなく、その間を確実に密封した簡易で取り扱い性の良い火炎検出ユニット(火炎センサ10)としてパッケージ化することが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、円柱状の外周面を持つ棒状体、例えばUVチューブを、円錐状の内周面を持つ筒体(ケーシング)の内部に組み込むに際し、Oリングを用いることなしにその間を確実に密封することができる。しかも棒状体と筒体の製作寸法誤差に拘わることなく、簡易にして確実な密封構造を実現することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】UVチューブを筒状のカバー体に収納してユニット化される火炎検出器の例を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る封止構造体の概略構成を示す図。
【図3】図2に示す封止構造体の組み立て構造を示す分解図。
【図4】図2に示す封止構造体に用いられるパッキング体の変形例を示す図。
【図5】火炎検出装置の概略構成を分解して示す図。
【図6】図5に示す火炎検出装置に組み込まれる火炎センサの外観を示す図。
【図7】図6に示す火炎センサの内部構造を示す図。
【図8】図6に示す火炎センサの組み立て構造を示す分解図。
【符号の説明】
1 カバー体(筒体)
2 棒状体(UVチューブ)
7 パッキング体
7a 筒部
7b フランジ部
7c リブ部
Claims (1)
- 円錐状の内周面を持つ筒体( 1 )の内部の所定位置に、円柱状の外周面を持つ棒状体( 2 )を気密に嵌合する封止構造体において、
筒部( 7a ) とこの筒部の一端部に内側に向けて張り出して設けられたフランジ部( 7b ) と前記筒部の外周面にその全周に亘って突設された肉厚のリブ部( 7c )とを具備したキャップ状の弾性部材からなるパッキング体( 7 )を備え、
このパッキング体を前記棒状体の先端部に装着し、このパッキング体と共に前記棒状体を前記筒体の内部に嵌め込み、前記リブ部のみにより前記筒体の内周面と前記棒状体の外周面との間を気密に封止したことを特徴とする封止構造体。
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