JP4127595B2 - 磁気ディスク装置、情報書き込み装置及びロード・アンロード半径位置検出方法 - Google Patents
磁気ディスク装置、情報書き込み装置及びロード・アンロード半径位置検出方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプロード機構を備えた磁気ディスク装置、情報書き込み装置及びロード・アンロード半径位置検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、外部記録装置として磁気ディスク装置や光ディスク装置などの記録再生装置が広く用いられている。ところで、このような記録再生装置のうち、磁気ディスク装置では、CSS(Contact Start Stop)方式とロード/アンロード方式がある。ロード/アンロード方式の一つには、図4に示すように、磁気ディスク31の外周側に設けられたランプロード機構35により磁気ヘッド33を磁気ディスク31の表面から離間した状態に保持するランプロード方式がある。ランプロード方式を用いた磁気ディスク装置では、非動作時に磁気ディスク表面から磁気ヘッド33が離間し退避しているため、磁気ディスク装置外部からの衝撃に強いなどのメリットがあるが、ロード/アンロード時に磁気ディスク31のロード/アンロードエリアに磁気ヘッド33のスライダが接触しロード/アンロードエリアが傷つく危険がある。このため、従来より、磁気ディスク31においては、そのロード/アンロードエリアをデータエリアとして利用しないなどの対策をとっている。
【0003】
一方、磁気ヘッド33のロード/アンロードを行なう磁気ディスク31上の半径位置は、サスペンション32先端のタブ34と磁気ディスク31及びランプロード機構35のランプ(ランプにおけるタブ34の接触位置)の高さ関係などによって決まる。このため、磁気ディスク装置の量産時の部品の組み立てによりより生じるばらつきによって、これらの高さ関係が変動すると、ロード/アンロードを行なう磁気ディスク31上の半径位置がばらついてしまう。
【0004】
例えば、ランプ高さが設計上よりも低めに設定されてしまった場合、サスペンション32の磁気ディスク31の内周側から外周側への移動に伴いタブ34が磁気ディスク31上を移動するが、このとき、タブ34は、本来ロード/アンロードすべき位置として設計上決められている磁気ディスク31上の所定の半径位置(以下、標準半径位置という)に達してもランプロード機構35のランプと接触することができず、さらに外周方向へ移動してようやくランプと接触して磁気ヘッド33の引き上げ動作が始まることになる。このため、標準半径位置を超えた磁気ディスク31の外周側でロード/アンロードが行なわれることになる。
【0005】
ここで、ランプ高さとは、磁気ディスク31(或いは、サスペンション32のタブ34)に対するランプロード機構35のランプの接触位置の高さである。ランプ高さが設計上よりも低めに設定されてしまう場合としては、例えば、磁気ディスク31に対してランプロード機構35のランプの設置位置が設計上予定していた設計位置よりも外周側になってしまった場合や、設計位置よりも低い位置にランプが設置された場合がある。更には部品の寸法のばらつきによる場合で、例えば、ランプロード機構35のランプにおけるタブの接触位置が設計上の位置よりも低い場合や、サスペンション32のタブ34の位置が設計上の位置よりも高い場合である。
【0006】
一方、ランプ高さが設計上よりも高く設定されてしまった場合、タブ34は、標準半径位置に達する前にランプと接触し、標準半径位置よりも内周側でロード/アンロードが行なわれることとなる。ランプ高さが設計上よりも高めに設定されてしまう場合としては、例えば、磁気ディスク31に対してランプロード機構35のランプの設置位置が設計上予定していた設計位置よりも内周側になってしまった場合や、設計位置よりも高い位置にランプが設置された場合がある。更には、ランプロード機構35のランプにおけるタブの接触位置が設計上の位置よりも高い場合や、サスペンション32のタブ34の位置が設計上の位置よりも低い場合である。
【0007】
このように、磁気ディスク装置の量産時の部品の組み立てのばらつきや部品の寸法のばらつきにより生じるランプ高さのばらつきが原因となり、ロード/アンロードが行なわれる半径位置は、磁気ディスク装置毎にばらつきが生じることが避けられない。ロード/アンロードが行なわれる半径位置が内周側に変動すれば、本来データエリアとなるべき領域にデータを書き込めなくなりその分のデータエリアが無駄になり、更にはロード/アンロードによりデータエリアを傷つける可能性がある。ロード/アンロードが行なわれる半径位置が外周側に変動すれば、磁気ヘッド33が標準半径位置にてアンロードされず、磁気ディスク31の最外周部の表面上が管理されていないエリアにまで磁気ヘッド33が到達してしまい、磁気ヘッド33のスライダ浮上面を傷つけてしまうという問題がある。
【0008】
また、磁気ディスク31上を一定の浮上量で走行する磁気ヘッド33のスライダは、近年、浮上量変動を低減しやすい負圧を利用したタイプが多く、これらの負圧利用スライダは、アンロード時にサスペンション32先端のタブ34がランプロード機構35のランプに乗り上げて磁気ヘッド33のスライダへのばね荷重が完全にアンロードされた後も、磁気ヘッド33のスライダ自身が発生している負圧によって磁気ディスク31上に吸着浮上走行し、磁気ヘッド33を磁気ディスク31からスムーズにアンロードする際の障害になることがある。この負圧吸着が発生した際も、アンロード位置が外周側に変動してしまい、前述と同様の問題が発生することになる。これらの負圧吸着の問題は、主にサスペンション32の荷重等のばらつきなどによって発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ランプロード方式の磁気ディスク装置においては、量産時の組み立てばらつきや部品の寸法のばらつきにより生じるランプ高さのばらつきや、サスペンションの荷重等のばらつきが原因となり、磁気ヘッドのロード/アンロードが行なわれる半径位置が内周側或いは外周側に変動してしまう。その結果、内周側に変動した場合は磁気ディスクのデータエリアが傷ついたり、本来データを書き込むべきデータエリアの領域が無駄になり、一方、外周側に変動した場合は磁気ヘッドのスライダ浮上面が傷つくなどの課題があった。
【0010】
このため、ランプロード方式の磁気ディスク装置においては、ランプ高さのばらつきやサスペンションの荷重等のばらつきにより生じるの磁気ヘッドのロード/アンロードの半径位置の変動を検出し、管理し把握することが非常に重要になっている。
【0011】
そこで、本発明では、上述した磁気ディスク装置のロード/アンロードにおける半径位置の変動を検出可能なランプロード機構を備えた磁気ディスク装置においてそのロード・アンロード半径位置を検出可能な磁気ディスク装置、情報書き込み装置及びロード・アンロード半径位置検出方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備え、
前記磁気ディスクは、前記ランプロード機構を用いた前記磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置における内周側限界半径位置と外周側限界半径位置とを示す磁気信号をそれぞれ記録していることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備え、前記磁気ディスクは、前記磁気ヘッドによりデータの記録再生が行われるデータエリアの最外周半径位置から前記磁気ヘッドが前記磁気ディスク上にて浮上走行可能な浮上限界半径位置までの範囲に所定の間隔毎にその半径位置を示す磁気信号をそれぞれ記録していることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置を検出するための磁気信号を磁気ディスク装置の磁気ヘッドにて読み込み、この読み込まれた磁気信号に基づいて磁気ディスク装置のロード半径位置又はアンロード半径位置を検出することにより、磁気ディスク装置のロード又はアンロードが正常なロード半径位置又はアンロード半径位置で行なわれているか否かが検出可能であり、よって、磁気ディスク装置毎の装置ばらつきを正確に把握することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(磁気ディスク)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
先ず、図1に示す本発明の磁気ディスクについて説明する。図1において、磁気ディスク上の半径位置がそれぞれ記号のA乃至Fで示されている。本発明の磁気ディスクでは、そのうちC、D、E、Fで示される半径位置について、これらの半径位置を示す磁気信号を磁気ディスク上に記録し、磁気ヘッドで読み取ることができるようにしている。磁気ディスクに記録された半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号は、その磁気ディスクが磁気ディスク装置に組み込まれた後に、磁気ヘッドのロード或いはアンロードが行なわれる時に磁気ヘッドにて読み込まれ、読み込まれた磁気信号が磁気ヘッドのロード或いはアンロード半径位置の検出に利用される。
【0017】
ここで、本発明は、単板サーボライト時や、パターンメディアなどのように、磁気ディスク装置内の磁気ヘッドを用いないで磁気ディスクにサーボライトする方式に適用されるものであり、サーボライトを行なう際に上記した半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を書き込むようにする。これは、アンロード限界半径位置が、組み立て後の磁気ディスク装置の磁気ヘッドにおいてはその装置ばらつきによってデータを記録再生できないエリアであることが殆どであることから、磁気ディスク装置を組立て前に別の装置によって事前に磁気信号を記録しておく必要があるからである。
【0018】
次に、磁気ディスクにおける半径位置A乃至Fの意味について、以下に説明する。半径位置Aから半径位置B迄の領域はデータエリアであり、半径位置Aはデータエリアの最内周の半径位置、半径位置Bはデータエリアの最外周の半径位置を示している。半径位置Cから半径位置E迄の領域は装置ばらつきの公差を考慮したロード/アンロードエリアである。すなわち、半径位置Cは、ロード/アンロードが行なわれる半径位置が最も内周側に変動した場合の内周側限界半径位置であり、半径位置Eはロード/アンロードが行なわれる半径位置が最も外周側に変動した場合の外周側限界半径位置である。半径位置Dは、本来ロード/アンロードすべき位置として設計上決められている半径位置、すなわち標準半径位置である。半径位置Fは、磁気ディスクの外周部の表面性などを考慮した磁気ヘッドのスライダ浮上限界半径位置を示している。すなわち、半径位置Fよりも内周側では、磁気ヘッドは磁気ディスク上を正常浮上走行することが可能であるが、この半径位置Fを超えた外周側の半径位置では、磁気ヘッドは正常に浮上走行できず、磁気ヘッドのスライダ浮上面が磁気ディスクに接触してしまい磁気ディスクの外周部の表面により磁気ヘッドのスライダの浮上面が傷つけられる可能性がある。
【0019】
ここで、半径位置A乃至半径位置Fが示しているそれぞれの位置は、磁気ヘッドのスライダに搭載されている記録再生素子が位置すべき半径位置を示しており、図1では、磁気ヘッドのスライダの幅方向の中心に記録再生素子が搭載されている場合の半径位置を示している。
【0020】
磁気ヘッドの内周側でのロード/アンロードによる磁気メディアへの傷つきを考慮する場合は、半径位置Bと半径位置Cとの間を磁気ヘッドのスライダの幅以上もしくは磁気ヘッドのスライダの幅の1/2以上離した位置にそれぞれの半径位置を設定する必要がある。ここで、データエリアの最外周を磁気ヘッドのスライダが走行するエリアと、ロード/アンロードにより傷がつく可能性のあるエリアとが重ならないようにするためには、半径位置Bと半径位置Cとの間を磁気ヘッドのスライダの幅以上に設定する。また、データエリアの最外周の磁気ヘッドのスライダ走行時において当該磁気ヘッドのスライダの記録再生素子がデータを直接読み書きするエリアと、ロード/アンロードにより傷がつく可能性のあるエリアとが重ならないようにするためには、半径位置Bと半径位置Cとの間を磁気ヘッドのスライダの幅の1/2以上に設定する。いずれの場合も、ヨー角の影響による磁気ヘッドのスライダの走行エリアを考慮し、半径位置Bと半径位置Cの間隔を設定する必要がある。ロード/アンロードによる磁気ディスクへの傷つきを考慮しない場合は、半径位置Bと半径位置Cとの間は磁気ヘッドのスライダの幅の1/2以下であっても良い。
【0021】
図1のように、ロード/アンロードの外周側限界半径位置である半径位置Eと、磁気ヘッドのスライダ浮上限界半径位置である半径位置Fとの間は通常ある程度の間隔をとるよう設定するが、間隔をとらずに同一としても良い。
【0022】
(磁気ディスク装置)
次に、上述した半径位置C、D、E、Fをそれぞれ示す磁気信号が書き込まれた磁気ディスクを磁気記録媒体として用いた磁気ディスク装置の構成について説明する。
【0023】
図2に示されるように、本発明の磁気ディスク装置は、上面の開口した矩形箱上のケース11と、複数のねじによりケース11にねじ止めされるケースの上端開口を閉塞する図示しないトップカバーとを有している。ケース11内には、上述した半径位置C乃至Fを示す磁気信号が書き込まれた磁気ディスク12、この磁気ディスク12を支持および回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ13、磁気ディスク12に対してデータの書き込み及び読出しを行なう磁気ヘッド(図示せず)を搭載したサスペンション14とアーム16とを有し且つ磁気ヘッドを磁気ディスク12に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ15、ヘッドアクチュエータ15を回転自在に支持する回転軸17、回転軸17を介してヘッドアクチュエータ15を回動および位置決めするボイスコイルモータ18、磁気ヘッドが磁気ディスク12の最外周に移動した際、磁気ヘッドを磁気ディスク12から離間した退避位置に保持するランプロード機構19、ヘッドIC等を有する基板ユニット20が収納されている。
【0024】
また、ケース11の底壁外面には、基板ユニット20を介してスピンドルモータ13、ボイスコイルモータ18、および磁気ヘッドの動作を制御する図示しないプリント回路基板がねじ止めされている。磁気ディスク12は、直径65mm(2.5インチ)に形成され上面および下面に磁気記録層を有している。また、図示しない磁気ヘッドには、ほぼ矩形状のスライダとこのスライダに形成された記録再生用の記録再生素子とを有している。
【0025】
このような構成を有する磁気ディスク装置を組み上げた後に、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を利用して磁気ヘッドのロード/アンロード半径位置を検出する際の方法について次に説明する。
【0026】
磁気ヘッドをランプロード機構19から磁気ディスク12上にロードする際に、磁気ヘッドにより半径位置Cから半径位置Fを示す磁気信号のうちどの半径位置を示す磁気信号が読み取られたかを検出することにより、磁気ディスク12上のどの半径位置で磁気ヘッドのロードが行なわれているかを検出することができる。
【0027】
すなわち、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号がいずれも磁気ヘッドにより読取れなかった場合は、半径位置C(すなわち、内周側限界半径位置)よりも内周側でロードが行なわれていることになり、その状態を検出することができる。また、磁気ヘッドにより半径位置Cを示す磁気信号のみ読み取られる場合は半径位置Cと半径位置Dとの間で磁気ヘッドのロードが行なわれていることになる。半径位置C及びDを示す磁気信号が読み取られる場合は、半径位置Dと半径位置Eとの間で磁気ヘッドのロードが行なわれていることになる。半径位置C、D及びEを示す磁気信号が読み取られる場合は、半径位置Eと半径位置Fとの間で磁気ヘッドのロードが行なわれていることになる。さらに、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号が全て読み取られる場合は、半径位置F(すなわち、外周側限界半径位置)よりも外周側で磁気ヘッドのロード行がなわれていることになる。
【0028】
一方、磁気ヘッドを磁気ディスク12からランプロード機構19へアンロードする際に、磁気ヘッドにより半径位置Cから半径位置Fを示す磁気信号のうちどの半径位置を示す磁気信号が読み取られたかを検出することにより、磁気ディスク12上のどの半径位置で磁気ヘッドのアンロードが行なわれているかを検出することができる。
【0029】
すなわち、上述した磁気ヘッドのロード半径位置の検出と同じように、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号がいずれも磁気ヘッドにより読取れなかった場合は、半径位置C(すなわち、内周側限界半径位置)よりも内周側でアンロードが行なわれていることになる。磁気ヘッドにより半径位置Cを示す磁気信号のみ読み取られる場合は半径位置Cと半径位置Dとの間で磁気ヘッドのアンロードが行なわれていることになる。半径位置C及びDを示す磁気信号が読み取られる場合は、半径位置Dと半径位置Eとの間で磁気ヘッドのアンロードが行なわれていることになる。半径位置C、D及びEを示す磁気信号が読み取られる場合は、半径位置Eと半径位置Fとの間で磁気ヘッドのアンロードが行なわれていることになる。さらに、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号が全て読み取られる場合は、半径位置F(すなわち、外周側限界半径位置)よりも外周側で磁気ヘッドのアンロード行がなわれていることになる。
【0030】
このように磁気ヘッドのロード又はアンロード時の磁気信号の検出を行った結果、磁気ヘッドのロード時において半径位置Cを示す磁気信号が検出され、且つ、半径位置Eを示す磁気信号が検出されなければ、当該磁気ヘッドのロードが正常な半径位置で行なわれていると判断できる。また、同様に、磁気ヘッドのアンロード時において半径位置Cを示す磁気信号が検出され、且つ、半径位置Eを示す磁気信号が検出されなければ、当該磁気ヘッドのアンロードが正常な半径位置で行なわれていると判断できる。
【0031】
なお、磁気ディスク上において、さらに半径位置Bから半径位置Fまでの間に、所定の間隔でその半径位置を示す磁気信号をそれぞれ記録しておき、磁気ヘッドのロード又はアンロードを行なった際にどの半径位置の磁気信号を読み取ることができるかを検出することによって、磁気ヘッドの正確なロード半径位置又はアンロード半径位置を検出することも可能である。
【0032】
このように、磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置を検出するための磁気信号を磁気ディスク上に記録しておき、その磁気ディスクを磁気ディスク装置に組み上げた後にその磁気信号を磁気ヘッドにて検出することにより、磁気ディスクのロード又はアンロードが、設計上の範囲内の正常なロード半径位置又はアンロード半径位置で行なわれているか否かを検出することが可能となるため、磁気ディスク装置毎の装置ばらつきを正確に検出することができる。
【0033】
(情報書き込み装置)
次に、磁気ディスク上に半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を書き込む本発明の情報書き込み装置について説明する。
【0034】
図3に示されるように、本発明の情報書き込み装置は、固定のベース21上に設けられたスピンドルモータ22と、磁気ディスク23の枚数に対応した数の磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッド積層アッセンブリ24と、この積層アッセンブリ24を着脱自在に支持したロータリポジショナ25とを備えている。また、スピンドルモータ22のスピンドル軸に対して脱着自在に装着されていると共に多数枚の磁気ディスク23を所定の間隔を置いて同軸的に取り付けるための図示せぬディスク装填ハブを備えている。更に、ディスク装填ハブには、上述した半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号が予め書き込まれた基準用磁気ディスク26が装着されている。また、ヘッド積層アッセンブリ24に搭載された磁気ヘッドをロード及びアンロードするためのランプロード機構27を備えている。このランプロード機構27は、ヘッド積層アッセンブリ24に搭載された磁気ヘッドに対応する数だけ、垂直方向に所定の間隔を置いて複数のランプが積層されている。そして、このランプロード機構27のランプは、ヘッド積層アッセンブリ24の磁気ヘッドにて磁気ディスク23上に半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を書き込めるように、そのランプ高さ、或いは、設置位置が設定されている。これはすなわち、ヘッド積層アッセンブリ24の磁気ヘッドにて、磁気ディスク23上の、磁気ディスク23を最終的に組み込んだ磁気ディスク装置の磁気ヘッドがデータ書き込みを行なえる半径位置よりも更に外周側の半径位置のエリアに磁気信号を書き込めるようにするためである。
【0035】
このような構成を有する情報書き込み装置によって磁気ディスク23に、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を書き込む場合、スピンドルモータ22によりディスク装填ハブを介して、複数枚の磁気ディスク23と基準用磁気ディスク26とを所定の回転数にて回転し、基準用磁気ディスク26に書き込まれている磁気信号に基づいて、磁気ヘッドにて複数枚の磁気ディスク23のそれぞれに半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を書き込こむようにしている。
【0036】
なお、磁気ディスク23には、半径位置C、D、E、Fを示す磁気信号を記録する代わりに、半径位置Bから半径位置Fまでの間に所定の間隔でその半径位置を示す磁気信号をそれぞれ記録するようにしても良い。この場合は、基準用磁気ディスク26にその半径位置を示す磁気信号がそれぞれ記録されており、この基準用磁気ディスク26に記録された磁気信号に基づいて、ヘッド積層アッセンブリ24の磁気ヘッドが磁気ディスク23へそれらの磁気信号を記録する。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置を検出するための磁気信号を磁気ディスク上に記録し、その磁気信号を磁気ディスク装置の磁気ヘッドにて読み込み、この読み込まれた磁気信号に基づいて磁気ディスク装置のロード半径位置又はアンロード半径位置を検出することにより、磁気ディスク装置のロード又はアンロードが正常なロード半径位置又はアンロード半径位置で行なわれているか否かが検出可能であり、よって、磁気ディスク装置毎の装置ばらつきを正確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる磁気ディスクのロード/アンロード半径位置の検出用の磁気信号の例を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係わる磁気ディスク装置の構成を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係わる情報書き込み装置の構成を示す図。
【図4】従来の磁気ディスク装置のランプロード機構によるロード/アンロード半径位置の変動を説明するための図。
【符号の説明】
11…ケース
12…磁気ディスク
13…スピンドルモータ
14…サスペンション
15…ヘッドアクチュエータ
16…アーム
17…回転軸
18…ボイスコイルモータ
19…ランプロード機構
20…基板ユニット
21…ベース
22…スピンドルモータ
23…磁気ディスク
24…ヘッド積層アッセンブリ
25…ロータリポジショナ
26…基準用磁気ディスク
27…ランプロード機構
31…磁気ディスク
32…サスペンション
33…磁気ヘッド
34…タブ
35…ランプロード機構
Claims (8)
- 磁気ディスクと、
前記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、
前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、
前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備え、
前記磁気ディスクは、前記ランプロード機構を用いた前記磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置における内周側限界半径位置と外周側限界半径位置とを示す磁気信号をそれぞれ記録していることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 磁気ディスクと、
前記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、
前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、
前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備え、
前記磁気ディスクは、前記磁気ヘッドによりデータの記録再生が行われるデータエリアの最外周半径位置から前記磁気ヘッドが前記磁気ディスク上にて浮上走行可能な浮上限界半径位置までの範囲に所定の間隔毎にその半径位置を示す磁気信号をそれぞれ記録していることを特徴とする磁気ディスク装置。 - ランプロード機構を有する磁気ディスク装置に組み込まれる磁気ディスクに対して情報を書き込む情報書き込み装置において、
スピンドルモータと、
磁気ディスクを装填すると共に前記スピンドルモータによって駆動回転されるディスク装着ハブと、
前記ディスク装着ハブに装着された前記磁気ディスクに情報を書き込む磁気ヘッドとを備え、
前記磁気ヘッドが、前記磁気ディスクに対して、前記磁気ディスク装置における前記ランプロード機構を用いたロード半径位置又はアンロード半径位置における内周側限界半径位置と外周側限界半径位置とを示す磁気信号をそれぞれ書き込むことを特徴とする情報書き込み装置。 - ランプロード機構を有する磁気ディスク装置に組み込まれる磁気ディスクに対して情報を書き込む情報書き込み装置において、
スピンドルモータと、
磁気ディスクを装填すると共に前記スピンドルモータによって駆動回転されるディスク装着ハブと、
前記ディスク装着ハブに装着された前記磁気ディスクに情報を書き込む第1の磁気ヘッドとを備え、
前記第1の磁気ヘッドが、前記磁気ディスクに対して、前記磁気ディスク装置の第2の磁気ヘッドによりデータの記録再生が行われるデータエリアの最外周半径位置から前記第2の磁気ヘッドが前記磁気ディスク上にて浮上走行可能な浮上限界半径位置までの範囲において所定の間隔毎にその半径位置を示す磁気信号をそれぞれ書き込むことを特徴とする情報書き込み装置。 - 前記磁気ヘッドをロード及びアンロードするためのランプを有するランプロード機構を更に具備し、
前記ランプロード機構の前記ランプは、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクに対して前記外周側限界半径位置を示す磁気信号を書き込めるよう、そのランプ高さ、或いは、設置位置が設定されていることを特徴とする請求項3記載の情報書き込み装置。 - 前記第1の磁気ヘッドをロード及びアンロードするためのランプを有するランプロード機構を更に具備し、
前記ランプロード機構の前記ランプは、前記第1の磁気ヘッドが前記磁気ディスクに対して前記磁気ディスク装置の第2の磁気ヘッドにおけるデータの書き込み可能な半径位置よりも外周側に前記外周側限界半径位置を示す磁気信号を書き込めるよう、そのランプ高さ、或いは、設置位置が設定されていることを特徴とする請求項4記載の情報書き込み装置。 - 磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備えた磁気ディスク装置におけるロード・アンロード半径位置検出方法において、
前記磁気ヘッドのロード時又はアンロード時において、前記磁気ヘッドのロード半径位置又は前記磁気ヘッドのアンロード半径位置における内周側限界半径位置を示す磁気信号又は外周側限界半径位置を示す磁気信号が前記磁気ヘッドから読み出されたか否かを検出し、
前記磁気ヘッドにより前記内周側限界半径位置を示す磁気信号のみが読み出されたことを検出した際には、前記磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置が正常なロード半径位置又はアンロード半径位置であると判断し、
一方、前記磁気ヘッドにより前記内周側限界半径位置と前記外周側限界半径位置を示す磁気信号が両方とも読み出されたことを検出した際、又は、前記磁気ヘッドにより前記内周側限界半径位置と前記外周側限界半径位置を示す磁気信号が両方とも読み出されたことが検出されたなかった際は、前記磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置が正常なロード半径位置又はアンロード半径位置でないと判断することを特徴とするロード・アンロード半径位置検出方法。 - 磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクの外周部に移動した際、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構とを備えた磁気ディスク装置におけるロード・アンロード半径位置検出方法において、
前記磁気ディスクに記憶された前記磁気ヘッドによりデータの記録再生が行われるデータエリアの最外周半径位置から前記磁気ヘッドの浮上限界半径位置までの範囲に所定の間隔毎に記録されたそれぞれの半径位置を示す磁気信号のうち、前記磁気ヘッドのロード時又はアンロード時において前記磁気ヘッドから読み出された磁気信号を検出し、
この検出された磁気信号に基づいて前記磁気ディスクにおける前記磁気ヘッドのロード半径位置又はアンロード半径位置を検出することを特徴とするロード・アンロード半径位置検出方法。
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