JP4126706B2 - データバックアップのための装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
第1の手法として、バックアップを短時間に終了させることの可能な差分バックアップがある。即ち、毎回のバックアップジョブでは、バックアップ対象のデータのうち前回のバックアップジョブ以降に変更された部分を抽出し、その部分をテープ等の記録媒体にコピーする、というものである。より具体的には、以下のような手順で行われる。
1) 初回のバックアップジョブでは、バックアップ対象のデータの全部のバックアップ(全バックアップ)を作成する。
2) 2回目以降のバックアップジョブでは、その時点におけるデータと、前回のバックアップジョブを実行した時点におけるデータとの差分を抽出し、差分バックアップを作成する。ここで、差分は、ファイルのタイムスタンプ、ファイルシステムやディスク装置がディスクブロックに割り当てて管理しているデータのバージョンナンバー等に基づいて抽出することが可能である。
そこで、かかる作業負担やリスクを軽減するため、何回かに1回のバックアップジョブで全バックアップを作成する手法(第2の手法)を採用するのが一般的である。例えば、1週間に1回、全バックアップを作成し、その他の日は、差分バックアップを作成する、といったものである。
そして、データの復元は、まず毎月のバックアップで最近の月の状態まで戻し、次にその状態からの差分を毎週のバックアップで戻し、最後に毎日のバックアップで1日単位の精度で戻す、といった手法で行う。
この粒度の異なるバックアップを組み合わせる手法によれば、復元に要するバックアップメディアの数をやや減らすことができる。
このうち、特許文献1には、バックアップ対象データの重要度及びそのデータを保持する記憶装置の信頼度を基に、バックアップスケジュール表を作成及び/又は編集し、このバックアップスケジュール表に記録されたスケジュールに従ってバックアップ処理を実行することが記載されている。
また、特許文献2には、重要度の高いデータはバックアップ頻度を多くし、重要度の低いデータはバックアップ頻度を少なくするように、バックアップ周期或いはデータ蓄積件数の下限をパラメータとして、バックアップタイミングを制御することが記載されている。
このような社会の要請に対し、第1乃至第3の手法は、満足できる解決策を与えるものではなかった。いずれの手法においても、全バックアップを行う日が存在するからである。即ち、差分バックアップを行う日は、短時間でバックアップが終了するものの、全バックアップを行う日は、バックアップに要する時間が非常に長くなってしまう。そして、この全バックアップにかかる時間が、システムのバックアップを設計する上でのボトルネックとなっているのが現状である。
例えば、有効期限を7日とすると、必ず最新7日分のバックアップメディアに全データが分散して格納されることになる。即ち、全バックアップの場合は1日に現れていたピークを、7日間に分散することができるのである。実際、全データに対しランダムに書き込みが行われる場合は、毎日のバックアップに要する時間は均一になることが期待される。
また、ランダムではなく規則性がある場合、例えば、書き込みが殆どなされないデータがある場合であっても、次のように対処できる。即ち、書き込みが殆どなされない部分を予め分割し、初回に日をずらしてバックアップしておくことにより、以降のバックアップを分散したまま行うことができる。
また、この装置は、データの部分と、その部分を媒体にコピーしたバックアップジョブの識別情報との対応関係を示す管理情報を記憶する記憶部を更に備えてもよい。
更に、この装置は、データの部分の更新に応じて、管理情報でその部分に対応付けられた識別情報を消去する消去部を更に備え、決定部は、識別情報が消去されている場合に、部分を媒体にコピーすることを決定するものであってもよい。
図1〜3は、本発明の実施の形態によるバックアップの概要を説明するための図である。
このうち、図1は、データセット#1〜#12が14日間に変更されていく様子を視覚化したものである。ここでは、網掛けによる濃度の違いでデータセットの世代(書き換えの有無)を表している。即ち、白塗りのデータセットが更新されて細い斜線のデータセットになり、これが更新されて太い斜線のデータセットになり、それが更新されて黒塗りのデータセットになっている。例えば、データセット#1は、5日目と10日目と11日目に書き換えられており、データセット#2は、1日目と6日目に書き換えられている。一方、データセット#9、#11、#12は、この14日間で1回も書き換えられていない。
尚、本明細書において、「データセット」とは、例えば、データブロックやファイルを指すが、一まとまりの何らかのデータの単位であれば、如何なるものであってもよい。
この手法では、図から明らかなように、0日目、7日目、14日目に全てのデータセットがバックアップされている。そして、その他の日においては、その日に更新されたデータセットのみがバックアップされている。例えば、データセット#1は、5日目と10日目と11日目に書き換えられているので、0日目、7日目、14日目に加え、これらの日にもバックアップされている。また、データセット#2は、1日目と6日目に書き換えられているので、0日目、7日目、14日目に加え、これらの日にもバックアップされている。
例えば、データセット#1は、5日目と10日目と11日目に書き換えられているので、これらの日にバックアップされている。但し、データセット#1は、有効期限である7日が経過する前に常に書き換えられているので、有効期限切れによるバックアップは行われていない。
また、データセット#2は、1日目と6日目に書き換えられているので、これらの日にバックアップされている。そして、6日目に書き換えられた後、有効期限である7日が経過しても書き換えられていないので、13日目に有効期限切れによるバックアップが行われている。
そして、図2と図3を比較すると明らかなように、本実施の形態の手法を用いることにより、従来の手法では全バックアップを行っていた7日目や14日目に、全バックアップを行う必要がなくなっている。即ち、毎日のバックアップに要する時間の短縮及び均一化が図れている。
図4は、本実施の形態におけるシステムの構成を示したブロック図である。
図示するように、本実施の形態におけるシステムは、データ記憶部11と、アプリケーションプログラム(以下、「AP」という)12と、第1アクセス部13と、第2アクセス部14と、バックアップメディア15とを含む。
尚、第1アクセス部13及び第2アクセス部14は、データ記憶部11からバックアップメディア15へデータを転送するという観点から、「転送部」として捉えることも可能である。
このうち、情報記憶部16は、バックアップすべき部分を決定するのに用いられる管理情報を記憶する部分であり、例えば、磁気ディスク装置により実現される。また、取得部17は、この情報記憶部16から管理情報を取得し、決定部18は、この管理情報に基づいてバックアップすべきデータを決定する。更に、更新部19は、必要に応じて管理情報を更新する。この管理情報の更新には、バックアップジョブのバージョン番号の消去や書き換えがあるが、特に前者だけに着目した場合、この更新部19を「消去部」と捉えることも可能である。
図5は、管理情報のうち、本実施の形態に直接関係する部分のみを抜き出して示したものである。即ち、管理情報には、ファイルシステムのメタデータ、磁気ディスク装置のブロック情報管理テーブル等があるが、そのような情報において、図5に示すような対応関係を管理する。即ち、データセットごとに、その番号と、そのデータセットの前回のバックアップを実行したバックアップジョブの実行回数を表す番号(以下、「バージョン番号」という)とを記録している。
尚、管理情報には、後述する有効期限Eや前回のバックアップジョブのバージョン番号等の情報を含めてもよい。
図6は、このときの動作の流れを示したフローチャートである。
バックアップジョブの開始が指示されると、取得部17は、バージョン番号Mを取得する(ステップ101)。ここで、バージョン番号は、バックアップジョブの実行ごとに1ずつ増加する値である。そして、システムの構築時に初期値(例えばゼロ)に設定され、かつ、十分に大きな整数の値が最大値となっていることで、システムの使用期間内に使い切ることのない値の範囲を提供できるものであることが好ましい。尚、バージョン番号の取得方法としては、例えば、前回のバックアップジョブの終了時に、そのバックアップジョブのバージョン番号を予め決められた記憶領域に保存しておき、その記憶領域に保存されたバージョン番号に1を加算したものを今回のバックアップジョブのバージョン番号として用いることが考えられる。
尚、これらの情報は、決定部18によるバックアップすべきかどうかの決定に用いられるものであるので、決定部18に受け渡されるものとする。
即ち、取得部17は、情報記憶部16から、着目するデータセットの管理情報のうち、前回のバックアップを実行したバックアップジョブのバージョン番号Dを取得する(ステップ103)。そして、この情報も、決定部18に受け渡す。
これにより、決定部18は、ステップ103でバージョン番号Dが取得できたかどうかを判定する(ステップ104)。そのデータセットがまだ一度もバックアップされていない場合は、バージョン番号Dは存在しない。また、後述するように、前回のバックアップ後に更新されたデータセットについては、バージョン番号は消去されている。そこで、ステップ104では、これらのいずれかに該当していないかを判定する。
ここで、バージョン番号Dがバージョン番号N以下であれば、前回バックアップされたデータがもはや古くなっているので、新たにバックアップを行う必要がある。そこで、着目するデータセットをデータ記憶部11から読み出してバックアップメディア15にコピーする(ステップ106)。具体的には、第1アクセス部13がデータ記憶部11から着目するデータセットを読み出して第2アクセス部14に転送する。そして、第2アクセス部14がそのデータセットをバックアップメディア15に書き込む。また、その際、更新部19は、情報記憶部16に記憶された管理情報において、着目するデータセットに対して記憶されていたバージョン番号を、今回のバックアップジョブのバージョン番号Mに書き換える(ステップ107)。
図7は、このときの動作の流れを示したフローチャートである。
AP12からの指示により、第1アクセス部13がデータ記憶部11に記憶されたあるデータセットを更新することにより、この動作が開始する。
まず、更新部19は、第1アクセス部13から更新されたデータセットを特定する情報を受け取る(ステップ111)。
そして、更新部19は、情報記憶部16に記憶された管理情報において、該当するデータセットに対して記憶されていたバージョン番号を消去する(ステップ112)。
図8は、このときの動作の流れを示したフローチャートである。
まず、取得部17は、復元したい日に対応するバックアップジョブのバージョン番号Jを取得する(ステップ121)。例えば、先に述べたバージョン番号を保存する記憶領域から最新のバージョン番号を取り出し、これをバージョン番号Jとすることができる。
次に、取得部17は、バックアップされたデータの有効期限Eを取得し、これをバージョン番号Jから減算してバージョン番号(J−E)を求める。そして、バージョン番号(J−E)のバックアップジョブからバージョン番号Jのバックアップジョブまでに使用したバックアップメディア15の用意を促す(ステップ122)。
即ち、第2アクセス部14は、バージョン番号Lのバックアップジョブにてバックアップしたデータセットを用いて、データを復元する(ステップ124)。具体的には、第2アクセス部14がインデックスLに対応するバックアップメディア15からデータセットを読み出して第1アクセス部13に転送する。そして、第1アクセス部13がそのデータセットをデータ記憶部11に書き込む。
次いで、バージョン番号Lに1を加算し(ステップ126)、バージョン番号Lがバージョン番号J以下かどうかを判定する(ステップ127)。
ここで、バージョン番号Lがバージョン番号J以下であれば、ステップ124に戻り、バージョン番号Jを超えれば、処理を終了する。
尚、本実施の形態では、前回のバックアップから有効期限が経過しているかどうかをバックアップジョブの実行回数で判断することとし、この実行回数の判断には、バージョン番号を用いることとした。しかしながら、個々のバックアップジョブを識別可能な情報であれば、バージョン番号以外の情報を用いることとしてもよい。また、バックアップジョブの実行回数で判断するのではなく、文字通り、日付情報を用いて有効期限の経過を判断するようにしてもよい。
即ち、従来技術として述べた第1の手法の場合、2回目以降のバックアップジョブにおいては、バックアップ時間の短縮及び均一化はある程度可能であるが、バックアップメディアの数を所定数以内に抑えたいという要求に応えることはできない。また、第2及び第3の手法の場合、バックアップメディアの数はある程度抑えられるが、バックアップ時間の均一化の要求には応えられない。これに対し、本実施の形態の手法は、これら全ての要求に応えられるものである。
図9は、本実施の形態におけるシステムの構成を示したブロック図である。
図示するように、本実施の形態におけるシステムは、データ記憶部11と、AP12と、第1アクセス部13と、第2アクセス部14と、バックアップメディア15とを含む。尚、これらの構成は、第1の実施の形態で述べたものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
このうち、情報記憶部16は、バックアップすべき部分を決定するのに用いられる管理情報を記憶する部分であり、例えば、磁気ディスク装置により実現される。また、取得部17は、この情報記憶部16から管理情報を取得し、決定部18は、この管理情報に基づいてバックアップすべきデータを決定する。更に、更新部19は、必要に応じて管理情報を更新する。
図10は、管理情報のうち、本実施の形態に直接関係する部分のみを抜き出して示したものである。即ち、管理情報には、ファイルシステムのメタデータ、磁気ディスク装置のブロック情報管理テーブル等があるが、そのような情報において、図5に示すような対応関係を管理する。即ち、データセットごとに、その番号と、そのデータセットの前回のバックアップを実行したバックアップジョブの実行回数を表す番号(以下、「バージョン番号」という)と、前回のバックアップの日時を示すタイムスタンプとを記録している。
尚、管理情報には、後述する有効期限Eや前回のバックアップジョブのバージョン番号等の情報を含めてもよい。
図11は、このときの動作の流れを示したフローチャートである。
バックアップジョブの開始が指示されると、取得部17は、バージョン番号Mを取得する(ステップ131)。また、バックアップされたデータの有効期限Eを取得し、今回のバックアップジョブにて有効期限切れとなるデータをバックアップしたバックアップジョブのバージョン番号Nを算出する(ステップ132)。尚、バージョン番号Mやバージョン番号Nの取得方法は、第1の実施の形態と同様である。
尚、これらの情報は、決定部18によるバックアップすべきかどうかの決定に用いられるものであるので、決定部18に受け渡されるものとする。
即ち、取得部17は、情報記憶部16から、着目するデータセットの管理情報のうち、前回のバックアップを実行したバックアップジョブのバージョン番号Dと、前回のバックアップの日時を示すタイムスタンプとを取得する(ステップ134)。そして、この情報も、決定部18に受け渡す。
これにより、決定部18は、ステップ133で取得したタイムスタンプとステップ134で取得したタイムスタンプとが等しいかどうかを判定する(ステップ135)。そのデータセットがまだ一度もバックアップされていない場合や、そのデータセットが前回のバックアップ後に更新された場合は、ステップ133で取得したタイムスタンプの方が新しくなっているはずである。そこで、ステップ135では、このような状態になっていないかを判定する。尚、第1の実施の形態と異なり、データセットの更新の有無等をタイムスタンプで判定しているのは、本実施の形態のような構成では、第1アクセス部13によるデータ記憶部11内のデータセットの更新を情報記憶部16に即座に反映させることができないからである。
ここで、バージョン番号Dがバージョン番号N以下であれば、前回バックアップされたデータがもはや古くなっているので、新たにバックアップを行う必要がある。そこで、着目するデータセットをデータ記憶部11から読み出してバックアップメディア15にコピーする(ステップ137)。具体的には、第1アクセス部13がデータ記憶部11から着目するデータセットを読み出して第2アクセス部14に転送する。そして、第2アクセス部14がそのデータセットをバックアップメディア15に書き込む。また、その際、更新部19は、情報記憶部16に記憶された管理情報において、着目するデータセットに対して記憶されていたバージョン番号及びタイムスタンプを、それぞれ、今回のバックアップジョブのバージョン番号M及び今回のバックアップにおけるタイムスタンプに書き換える(ステップ138)。
図12は、このときの動作の流れを示したフローチャートである。
まず、取得部17は、復元したい日に対応するバックアップジョブのバージョン番号Jを取得する(ステップ141)。次に、バージョン番号(J−E)のバックアップジョブからバージョン番号Jのバックアップジョブまでに使用したバックアップメディア15の用意を促す(ステップ142)。尚、バージョン番号Jやバージョン番号(J−E)の取得方法は、第1の実施の形態と同様である。
即ち、第2アクセス部14は、バージョン番号Lのバックアップジョブにてバックアップしたデータセットを用いて、データを復元する(ステップ144)。具体的には、第2アクセス部14がインデックスLに対応するバックアップメディア15からデータセットを読み出して第1アクセス部13に転送する。そして、第1アクセス部13がそのデータセットをデータ記憶部11に書き込む。
次いで、バージョン番号Lに1を加算し(ステップ146)、バージョン番号Lがバージョン番号J以下かどうかを判定する(ステップ147)。
ここで、バージョン番号Lがバージョン番号J以下であれば、ステップ144に戻り、バージョン番号Jを超えれば、処理を終了する。
尚、本実施の形態では、前回のバックアップから有効期限が経過しているかどうかをバックアップジョブの実行回数で判断することとし、この実行回数の判断には、バージョン番号を用いることとした。しかしながら、個々のバックアップジョブを識別可能な情報であれば、バージョン番号以外の情報を用いることとしてもよい。また、バックアップジョブの実行回数で判断するのではなく、文字通り、日付情報を用いて有効期限の経過を判断するようにしてもよい。
即ち、従来技術として述べた第1の手法の場合、2回目以降のバックアップジョブにおいては、バックアップ時間の短縮及び均一化はある程度可能であるが、バックアップメディアの数を所定数以内に抑えたいという要求に応えることはできない。また、第2及び第3の手法の場合、バックアップメディアの数はある程度抑えられるが、バックアップ時間の均一化の要求には応えられない。これに対し、本実施の形態の手法は、これら全ての要求に応えられるものである。
図13は、データセット#1〜#12が図1に示したように更新される場合におけるデータセット番号とバージョン番号との対応関係の変遷を示した図である。図中、「DS−NO」がデータセット番号を示し、「V−NO」がバージョン番号を示している。また、ここでも、有効期限は7日とする。
まず、図13(a)には、0日目のバックアップジョブを実行する前、つまり初期状態におけるデータセット番号とバージョン番号との対応関係を示している。このように、初期状態では、全てのデータセットについて、バージョン番号が存在せず、図6のステップ104での判定が「No」となるため、全バックアップが行われる。そして、図6のステップ107で、各データセットに対し、バージョン番号「0」が記憶される。尚、図11では、タイムスタンプの比較により全バックアップを行うことが決定されるが、同図のステップ138で、各データセットに対し、バージョン番号「0」が記憶される。
データセット#1、#3、#5、#7は、それぞれ、5日目、4日目、2日目、3日目のバックアップジョブでバックアップされているので、バージョン番号としては、それぞれ、「5」、「4」、「2」、「3」が記憶されている。
データセット#2、#4、#6は、6日目に更新されているので、バージョン番号は消去されている。
データセット#8〜#12は、0日目のバックアップジョブでバックアップされたままなので、バージョン番号は「0」のままになっている。
また、全てのデータセットについて、図6のステップ105や図11のステップ136での判定は「No」となる。N=M−E=6−7=−1となり、全てのデータセットに対して記憶されたバージョン番号はこの値以下とはならないからである。
データセット#1、#2、#3は、それぞれ、5日目、6日目、4日目のバックアップジョブでバックアップされているので、バージョン番号としては、それぞれ、「5」、「6」、「4」が記憶されている。
データセット#4は、7日目に更新されているので、バージョン番号は消去されている。
データセット#5、#6、#7は、それぞれ、2日目、6日目、3日目のバックアップジョブでバックアップされているので、バージョン番号としては、それぞれ、「2」、「6」、「3」が記憶されている。
データセット#8〜#12は、0日目のバックアップジョブでバックアップされたままなので、バージョン番号は「0」のままになっている。
また、データセット#8〜#12について、図6のステップ105や図11のステップ136での判定が「Yes」となる。N=M−E=7−7=0となり、データセット#8〜#12に対して記憶されたバージョン番号がこの値以下となるからである。従って、データセット#8〜#12については、バックアップが行われる。そして、図6のステップ107や図11のステップ138で、これらのデータセットに対し、バージョン番号「7」が記憶される。
データセット#1、#2、#3、#4、#5、#6は、それぞれ、5日目、6日目、4日目、8日目、2日目、6日目のバックアップジョブでバックアップされているので、バージョン番号としては、それぞれ、「5」、「6」、「4」、「8」、「2」、「6」が記憶されている。
データセット#7、#10は、9日目に更新されているので、バージョン番号は消去されている。
データセット#8、#9、#11、#12は、いずれも、7日目のバックアップジョブでバックアップされているので、バージョン番号としては、「7」が記憶されている。
また、データセット#5について、図6のステップ105や図11のステップ136での判定が「Yes」となる。N=M−E=9−7=2となり、データセット#5に対して記憶されたバージョン番号がこの値以下となるからである。従って、データセット#5については、バックアップが行われる。そして、図6のステップ107や図11のステップ138で、データセット#5に対し、バージョン番号「9」が記憶される。
図14は、このようなコンピュータのハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
図14に示すコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)10aと、M/B(マザーボード)チップセット10b及びCPUバスを介してCPU10aに接続されたメインメモリ10cと、同じくM/Bチップセット10b及びAGP(Accelerated Graphics Port)を介してCPU10aに接続されたビデオカード10dとを備える。また、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してM/Bチップセット10bに接続された磁気ディスク装置(HDD)10e及びネットワークインタフェース10gを備える。更に、PCIバスとブリッジ回路10fと低速なバスとを介してM/Bチップセット10bに接続されたフレキシブルディスクドライブ10h及びキーボード/マウス10iを備える。
また、本発明は、コンピュータ、データ処理システム、コンピュータプログラムとして実現することができる。このコンピュータプログラムは、コンピュータにより読取り可能な媒体に記憶され、提供され得る。ここで、媒体としては、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線又は半導体システム(装置又は機器)、或いは、伝搬媒体が考えられる。また、コンピュータにより読取り可能な媒体としては、半導体、ソリッドステート記憶装置、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、及び光ディスクが例示される。現時点における光ディスクの例には、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)及びDVDが含まれる。
Claims (13)
- バックアップ対象のデータの全部又は一部を媒体にコピーするバックアップジョブを実行するシステムにおける装置であって、
前記データの部分と、当該部分を前記媒体にコピーしたときのバックアップジョブの識別情報との対応関係を有する管理情報を記憶する記憶部と、
前記バックアップジョブの識別情報を取得する取得部と、
前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定する決定部と
を備えた、装置。 - 前記識別情報には、前記システムが前記データの全部又は一部に対して既に実行したバックアップジョブの実行回数の累積を表す番号であるバージョン番号が含まれており、
前記決定部は、前記予め決められた期間と前記バックアップジョブのバージョン番号に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定する、請求項1の装置。 - 前記決定部は、前回のバックアップジョブのバージョン番号に1を加算して得た今回のバックアップジョブのバージョン番号と、前記データの部分を前記媒体にコピーしたときのバックアップジョブのバージョン番号との差に基づいて当該データの部分を前記媒体にコピーするかどうかを決定する、請求項2の装置。
- 前記データの部分の更新に応じて、前記管理情報で当該部分に対応付けられた前記識別情報を消去する消去部を更に備え、
前記決定部は、前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間前記媒体にコピーされていない前記データの部分に加えて、前回のバックアップジョブ後に更新された当該データの部分も特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定するものであり、当該識別情報が消去されている場合に、当該識別情報に対応付けられた当該データの部分を当該媒体にコピーすることを決定する、請求項1の装置。 - 前記データの部分の更新に応じて、前記管理情報で当該部分に対応付けられた前記識別情報を所定の情報に変更する更新部を更に備え、
前記決定部は、前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間前記媒体にコピーされていない前記データの部分に加えて、前回のバックアップジョブ後に更新された当該データの部分も特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定するものであり、当該識別情報が前記所定の情報に変更されている場合に、当該識別情報に対応付けられた当該データの部分を当該媒体にコピーすることを決定する、請求項1の装置。 - 前記決定部は、予め決められた期間前記媒体にコピーされていない前記データの部分に加えて、更新された時刻が当該媒体にコピーされた時刻よりも新しい当該データの部分を特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定する、請求項1の装置。
- 前記媒体にコピーすることが決定された前記部分を、当該媒体に転送する転送部を更に備えた、請求項1の装置。
- コンピュータがバックアップ対象のデータの全部又は一部を媒体にコピーするバックアップジョブを実行するための方法であって、
前記コンピュータが、前記データの部分と、当該部分を前記媒体にコピーしたときのバックアップジョブの識別情報との対応関係を有する管理情報を記憶するステップと、
前記コンピュータが、前記バックアップジョブの識別情報を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定するステップと、
を含む、方法。 - 前記識別情報には、前記コンピュータが前記データの全部又は一部に対して既に実行したバックアップジョブの実行回数の累積を表す番号であるバージョン番号が含まれており、
前記決定するステップでは、前記予め決められた期間と前記バックアップジョブのバージョン番号に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定する、請求項8の方法。 - 前記コンピュータが、前記データの部分が前回のバックアップジョブ以降に更新されたかどうかを判定するステップを更に含み、
前記決定するステップでは、前記データの部分が更新されたと判定された場合にも、当該データの部分を前記媒体にコピーすることを決定する、請求項8の方法。 - バックアップ対象のデータの全部又は一部を媒体にコピーするバックアップジョブを実行するシステムにおいて用いられるプログラムであって、
前記システムを構成するコンピュータに対し、
前記データの部分と、当該部分を前記媒体にコピーしたときのバックアップジョブの識別情報との対応関係を有する管理情報を記憶する機能と、
前記バックアップジョブの識別情報を取得する機能と、
前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定する機能と
を実現させる、プログラム。 - 前記識別情報には、前記システムが前記データの全部又は一部に対して既に実行したバックアップジョブの実行回数の累積を表す番号であるバージョン番号が含まれており、
前記決定する機能では、前記予め決められた期間と前記バックアップジョブのバージョン番号に基づいて、予め決められた期間、前記媒体にコピーされていない前記データの部分を特定する、請求項11のプログラム。 - 前記データの部分の更新に応じて、前記管理情報で当該部分に対応付けられた前記識別情報を消去する機能を更に実現させ、
前記決定する機能では、前記バックアップジョブの識別情報に基づいて、予め決められた期間前記媒体にコピーされていない前記データの部分に加えて、前回のバックアップジョブ後に更新された当該データの部分も特定し、当該部分を当該媒体にコピーすることを決定するものであり、当該識別情報が消去されている場合に、当該識別情報に対応付けられた当該データの部分を当該媒体にコピーすることを決定する、請求項11のプログラム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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