JP4126186B2 - 研磨用組成物、砥粒、それらの製造方法、研磨方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、砥粒、それらの製造方法、研磨方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は、特にGaAs半導体ウエハの研磨に好適な研磨方法と、該研磨方法に用いる砥粒、研磨用組成物及び研磨液と、該砥粒及び研磨用組成物の製造方法と、上記研磨方法を用いる半導体素子の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体は、シリコン半導体に比べて高速動作、受発光機能、耐高温性、耐放射性等の特徴がある。このため、近年ではシリコン半導体を凌ぐほど化合物半導体の需要が高まっている。半導体素子に用いられる化合物半導体として代表的なGaAs結晶は、二元系せん亜鉛鉱型結晶構造を有し、面に強い劈開性を備え、Ga面、As面の性質が異なることによる加工異方性が存在する。このため、GaAs結晶の加工には、シリコン結晶の加工技術を基本としつつも、さらなるGaAs結晶固有の加工技術が要求される。
【0003】
GaAs結晶の加工プロセスの中でも研磨プロセスは、形状、方位以外の加工特性を調整し作り込む機能を担っているため最も重要な工程であり、今日ではシリコン結晶と同様、化学機械研磨が適用されている。そこで、この化学機械研磨における研磨特性を左右する重要な因子の一つである研磨剤に関する研究開発が急速に進められている。
【0004】
例えば、特公昭53−20379号公報では、主としてシリコンウエハを対象とした研磨剤として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びシリカ砥粒からなる研磨剤が提案されており、この研磨剤は後の化合物半導体用研磨剤の基礎となっている。
また、特公平7−67666号公報には、GaAs等第III〜V族化合物半導体ウエハ用の研磨剤として、塩素化イソシアヌル酸塩と、アルカリ金属のリン酸塩と、アルカリ金属の硫酸塩とからなる研磨剤が提案されている。
更には、特許第3147168号公報記載の技術では、この研磨剤に塩基性化合物である炭酸ナトリウムを加えて研磨剤水溶液をアルカリ性にすることにより、速やかな酸化反応の進行を促進して研磨速度を向上させている。
また、特許第3077665号公報では、研磨剤水溶液中に容易に均一分散しうるコロイダルシリカを砥粒として用いた研磨剤により、研磨速度を向上させるとともに、研磨面の平坦性も確保する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公開技術において、以下の問題を抱えていた。即ち、特公昭53−20379号公報では、塩基性化合物である炭酸ナトリウムの濃度を調整することにより研磨速度を制御することができ、比較的高速な研磨を実現することができる。しかし、この研磨剤はシリコンウエハを対象としているため、化合物半導体の研磨においては十分な特性を得ることができず、この研磨剤を用いてGaAsウエハを研磨すると、研磨面にくもり等の研磨ムラが発生してしまい、また平坦度を確保する事も困難であった。
【0006】
これに対して、特公平7−67666号公報では、アルカリ金属リン酸塩の効果によってくもり等の研磨ムラは抑制されたものの、実用上十分な研磨速度が得られないという問題があった。
【0007】
また、特許第3147168号公報記載の技術では、この組成の研磨剤に砥粒としてシリカを配合して研磨を行ったところ、研磨面に研磨方向に沿った筋状の研磨痕が強く見られた。また、ウエハ形状によるバラツキが大きく、安定した研磨特性を確保できなかった。さらに、この研磨剤には、研磨速度向上に相反して平坦度、表面状態等の研磨特性が低下するという問題があった。
【0008】
更に、また、特許第3077665号公報では、コロイダルシリカは、研磨装置を一旦乾燥させると非晶質の硬い塊となる。このため、シリカが装置内に僅かでも付着していると、次の研磨に際してこれが剥離して、研磨キズを生じる原因となる。さらに、コロイダルシリカは、多くの場合、原料に鉄分が混入しているという問題もある。汎用品では数100ppmの酸化鉄が含有されていることから、このようなコロイダルシリカを用いた研磨には、半導体の金属汚染が懸念される。なお、このような混入金属による汚染を回避することのできる高純度のコロイダルシリカは、非常に高価であって、実用的ではない。
【0009】
上述のように、半導体の化学機械研磨に用いられる従来の研磨剤では、一つの研磨特性を得るために他の特性を犠牲にしなくてはならず、所望の研磨速度を達成しつつ、研磨面の表面粗さ、平坦度、形状の全てにおいて良好な研磨特性を実現することはできなかった。しかし、ウエハ加工技術は半導体の性能が年々向上するのに伴って高精度化が求められおり、研磨プロセスにおいても、さらなる精度が要求されてきている。
【0010】
そこで本発明は、化合物半導体ウエハの研磨に用いることができ、高速研磨が可能であって、表面粗さ、平坦度、形状安定性等の点で良好な研磨特性を確保することのできる砥粒、研磨用組成物及び研磨液と、それらを用いる研磨方法及び半導体素子の製造方法と、当該砥粒及び研磨用組成物の製造方法とを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、平均粒径0.005μm以上5μm以下の一次粒子が凝集した、平均粒径0.05μm以上20μm以下の凝集体からなる砥粒と、該砥粒を含む研磨用組成物とが提供される。さらに本発明では、砥粒を分散媒中に分散させる分散工程を備え、この分散工程において、砥粒の一次粒子を凝集させて平均粒径0.05μm以上20μm以下の凝集体にする研磨用組成物の製造方法が提供される。
【0012】
また本発明では、少なくとも一部は表面が潤滑剤により覆われている一次粒子の凝集体からなる砥粒と、該砥粒を含む研磨用組成物とが提供される。さらに本発明では、砥粒の一次粒子の表面を潤滑剤により覆う工程と、該一次粒子を凝集させて凝集体とする工程とを備える砥粒の製造方法が提供される。
【0013】
また本発明では、上述の本発明の研磨用組成物を用いて被研磨物表面(特に化合物半導体)を研磨することを特徴とする研磨方法と、この本発明の研磨方法を用いて半導体ウエハ表面の第III〜V族化合物を研磨する研磨工程を備える半導体素子の製造方法とが提供される。なお、本発明は、シリコンに比べて機械的強度が弱く強い劈開性を有する化合物半導体ウエハの研磨に特に適する。
【0014】
【発明の実施の形態】
半導体ウエハの化学機械研磨においては、加工ひずみ層の低減を担う化学的要素と、平坦性及び表面品質を担う機械的要素とのバランスが保たれていることが重要であり、これは研磨剤の研磨特性に大きく依存する。 化合物半導体ウエハ及びシリコンウエハに用いられる研磨は、表面に酸化膜を形成する第1の工程と、酸化膜を砥粒で削り取る第2の工程と、削り取った酸化物を溶解させて研磨速度を高める第3の工程との三段階で進行する。
【0015】
一般に、第1及び第3の工程は化学的要素に、第2の工程は機械的要素にそれぞれ影響すると考えられている。しかし、砥粒で酸化膜を削り取る第2の工程は、ウエハの表面状態、形状、平坦度に大きく影響してウエハの品質を決定する工程であり、砥粒形態がどの様な形態をとるかによって研磨速度のみならず、すべての研磨特性に影響を与える。すなわち、研磨剤組成の中でウエハの品質に関わる最も重要な成分は砥粒であるといえる。
【0016】
そこで本発明者らは、上述の目的を達成するため、砥粒について鋭意検討した結果、砥粒として一次粒子の凝集体を用いることにより、高速研磨を実現しつつ、良好な研磨特性を得ることができることを見出し、本発明に至った。凝集せずに分散した一次粒子5bを用いる従来の砥粒では、研磨パッド3による研磨に際して、図1(b)に示すように、ごく狭い面積のみがウエハ1に接触するため、研磨速度の向上は期待できない。
これに対して、一次粒子5aからなる凝集体2による研磨では、図1(a)に示すように、一次粒子5aの凝集体2は、同じサイズの一次粒子5bに比べて比表面積が大きく、研磨パッド3による研磨に際してウエハ1との接触面積が大きいため、高速の研磨を可能にすることができる。
【0017】
本発明では、凝集体からなる砥粒を含有する研磨液を用いて研磨することによって、砥粒とウエハとの接触面に生じる摩擦抵抗を低減して研磨痕、研磨キズ等の発生を回避しつつ、砥粒とウエハとの接触面積を大きくして、速やかに酸化膜を削り取ることができる。
【0018】
本発明における凝集体の粒子間における凝集力は弱く、研磨による摩擦熱、研磨圧等により容易に凝集体が解離し、より微細な粒径0.1〜1μmの凝集体となる。本発明では、この凝集体の解離により、砥粒とウエハとの接触面積が大きくなり研磨速度が得られるとともに研磨痕、研磨キズが抑制できるのである。またこれにより、平坦度も改良され、表面粗さが低減する。
【0019】
特に、BET法(気体吸着法)により測定した表面積から換算して平均粒径0.005μm以上5μm以下の一次粒子が凝集した平均粒径0.05μm以上20μm以下の凝集体は、半導体ウエハの研磨に際して用いるのに適している。なお、本発明では、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、セリア(酸化セリウム)等のいずれを砥粒として用いてもよいが、シリカが最も好ましい。特に、塩化シリコンの気相熱分解によって合成した球状のヒュームドシリカが本発明に好適である。
【0020】
上述したように、砥粒の一次粒子の平均粒径は、0.005μm〜5μmであり、0.01〜1.0μmであることが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.005μm未満では、取扱いに際して非常に扱いづらく、作業性の点で問題がある。また、一次粒子の平均粒径が5μmを超えると、凝集が起き難く、一次粒子の大部分が凝集することなく分散媒中に分散することになるため、十分な研磨速度を実現することができず、また、被研磨物表面に深い研磨痕が生ずる。なお、一次粒子の形状は、研磨痕、研磨キズを抑制するために球状が好ましい。
【0021】
凝集体の平均粒径は、0.05〜20μmであることが好ましく、0.1〜15μmであることがより好ましい。凝集体の平均粒径が20μmを超えると、かえって研磨傷の原因となる場合がある。また、凝集体の平均粒径が0.05μm未満では、凝集させた効果が十分に発揮されない場合がある。
【0022】
さらに、本発明では、少なくとも一部が潤滑剤により被覆された一次粒子の凝集体を含む砥粒と、該砥粒を含有する研磨用組成物及び研磨液とが提供される。潤滑剤を砥粒の一次粒子の表面に吸着させることによって、この潤滑剤分子を媒体として一次粒子どうしを凝集させ、安定した凝集体を形成することができる。潤滑剤分子が一次粒子間に介在することによって、該潤滑剤分子が粘着剤の役割を果たし、一次粒子間どうしが凝集して凝集体となるを促進するためである。この場合も、一次粒子の形状は、研磨痕、研磨キズを抑制するために球状が好ましい。
【0023】
このように、一次粒子の少なくとも一部の表面を潤滑剤により被覆しておけば、容易に好適なサイズの凝集体を得ることができ、分散媒中で凝集体が崩壊するのを回避できる上に、研磨に際して印加される研磨圧により容易に崩壊して被研磨対象との被接触面積をさらに広げることができる。
【0024】
また、従来の研磨液では、砥粒の量を増やすと、機械的要素が強くなるために研磨痕、研磨キズ等が発生し平坦度が低下するが、この本発明の潤滑剤により被覆された一次粒子の凝集体からなる砥粒を使用することにより、砥粒の量を増やしても、機械的要素の及ぼす悪影響が軽減され、化学的要素と機械的要素のバランスが良好に保持される。
このため、優れた表面粗さ及び平坦度を維持したまま、砥粒の増量により高速化を図ることができる。これは、砥粒表面に吸着した潤滑剤が砥粒とウエハとの間にかかる圧力を吸収するか、又は、砥粒に平滑性が付加されたことによって摩擦抵抗が低下するためであると考えられる。
【0025】
この一次粒子表面を潤滑剤により被覆する砥粒における一次粒子の平均粒径は、0.01〜5μmであることが好ましく、0.02〜1.0μmであることがより好ましい。一次粒子の平均粒径が0.01μm未満では、静電気が発生してしまい、また、空気中に飛散しやすく取扱い性が悪い。さらに、潤滑剤を粒子表面に均一に吸着させることが困難であり、凝集体の粒径範囲を一定に制御することが難しい場合がある。一方、一次粒子の平均粒径が5μm以上であは、凝集体が大きくなりすぎるため、研磨傷の原因となる場合がある。
【0026】
また、この場合の凝集体の平均粒径は、1.0〜20μmであることが好ましく、3.0〜15μmであることがより好ましい。平均粒径1.0μm未満の凝集体は、粒径の制御が困難であり、均質な砥粒を得ることができない場合がある。また、平均粒径が20μmを超えると、機械的要素が大きくなるため、研磨傷等の原因となる場合がある。
【0027】
なお、潤滑剤により被覆された一次粒子の凝集体を砥粒とする場合は、被覆されていない一次粒子の凝集体を砥粒として用いる場合に比べて、粒径が大きくとも良好な研磨特性を得ることができる。これは、図2に示すように、潤滑剤8に被覆された一次粒子5の凝集体4は、粒径が大きくても、研磨時の研磨圧や摩擦熱によって容易に崩壊して粒径の小さな凝集体10となるため、研磨傷の原因になることが少ないからである。
【0028】
潤滑剤としては、各種界面活性剤などの有機化合物を適宜用いることができ、例えば、脂肪酸アルキルエステル、脂肪族アルコール、直鎖状オルガノポリシロキサンなどを用いることができる。これらのうち1種類の化合物を用いてもよく、2種類以上の化合物を併用しても構わない。
【0029】
脂肪酸アルキルエステルは、下記一般式(化1)により表される有機化合物である。
【0030】
【化1】
Figure 0004126186
【0031】
式(化1)において、R1及びR2はアルキル基である。本発明で用いられる脂肪酸アルキルエステルは、炭素総数が5以上25以下であることが好ましく、10以上20以下であることが特に好ましい。
【0032】
このような脂肪酸アルキルエステルの具体例としては、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等のメチルエステル、エチルエステル、セチルエステル、ドデシルエステルなどが挙げられる。これらのうち、パルミチン酸及びステアリン酸のメチルエステル又はエチルエステルが特に好ましい。また、脂肪酸アルキルエステルの前駆体である脂肪酸を主成分として含む牛脂、綿実油等の天然物をエステル化して用いてもよい。
【0033】
脂肪族アルコールは、下記一般式(化2)により表される有機化合物である。
【0034】
【化2】
Figure 0004126186
【0035】
ここで、R3はアルキル基である。本発明で用いられる脂肪族アルコールの場合、アルキル基R3の炭素数は5以上25以下であることが好ましく、8以上20以下であることが特に好ましい。このような脂肪族アルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどが挙げられる。これらのうち、オクタノール、ドデカノール、テトラドデカノールが特に望ましい。
【0036】
なお、脂肪酸エステル及び脂肪族アルコールは、常温(25℃)において液体又は固体であり、凝固点60℃以下(望ましくは40℃以下)のものが好ましい。
潤滑剤は、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類に0.1〜5%(好ましくは0.5〜2.5%)の濃度で溶解させて溶液とするか、又は、溶解しない場合はエマルジョンとした後、砥粒の一次粒子表面に噴霧することにより、吸着させることができる。しかし、凝固点が60℃以上の潤滑剤は分子量が大きいため、アルコール類に溶解し難く、エマルジョン状態にもなり難いため、シリカ表面に均一に吸着させることが難しい。さらに、60℃以上の凝固点を有する潤滑剤を用いると、研磨時にウエハ表面に付着して研磨不良の原因となる場合がある。
【0037】
脂肪酸エステル又は脂肪族アルコールの炭素数は、5以上25以下であることが望ましい。炭素数が5未満だと潤滑剤としての効果が乏しく、平坦度、表面粗さ等が十分でない場合がある。また、炭素数が25より大きいと、アルコール溶媒に溶け難いため粒子表面に均一に吸着されず、また、研磨不良の原因となる場合がある。
【0038】
直鎖状オルガノポリシロキサンは、下記一般式(化3)により表される繰り返し単位を有する有機化合物である。
【0039】
【化3】
Figure 0004126186
【0040】
ここで、R4及びR5はそれぞれアルキル基である。アルキル基R4及びR5の炭素数は、それぞれ1〜5であることが好ましく、特に炭素数が1又は2であるメチル基、エチル基が好ましい。R4及びR5の炭素数が5を越えると溶媒に溶解し難くなり、粒子表面に均一となるよう吸着できない場合がある。なお、R4及びR5は同一の基であってもよく、互いに異なっていてもよい。また、nは5以上20以下の数であり、8以上15以下であることが好ましい。
【0041】
この直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、同じ繰り返し単位(化3)を有しnが5以下(好ましくは2〜3)である化合物を溶媒として、0.1〜5%好ましくは0.5〜2.5%の濃度の溶液を調製し、これを一次粒子表面に吸着させることにより、一次粒子表面を被覆することができる。
【0042】
また、一次粒子表面を潤滑剤によって被覆する以外に、水あるいは親水性物質を一次粒子の粒子間に介在させる事によって凝集体を形成しても良い。上記凝集体は、潤滑剤を粒子表面に被覆した凝集形態とは異なり、粒子表面に存在するシラノール基と水分子あるいは親水性物質における分子骨格中の水酸基同士がとが会合し、水素結合によって形成される凝集体である。
【0043】
上記凝集体を含む研磨用組成物で研磨した場合、潤滑剤を被覆した砥粒と比較した場合、摩擦抵抗の低減効果は若干減少するが、目的とする研磨面が準鏡面であれば問題は無く、同等の研磨速度及び平坦度が得られ、かつ空気中に飛散し易い砥粒の取り扱い上の問題点が改善される。
【0044】
本発明における研磨用組成物の分散媒が水であることから、上記凝集体を形成させるための物質は、水あるいは親水性物質が適する。親水性物質としては、1分子中に1以上3個以下のアルコール性水酸基と炭素数が1以上5以下のアルキル基を有する脂肪族アルコールであることが最も好ましく、さらには、1分子中に1個のアルコール性水酸基と炭素数1以上3以下の一級アルコールが好ましい。
分子骨格中に水酸基が3個以上含む多価アルコールは、粘性が著しく増加し、均一な凝集体を形成できない。また他の溶媒に希釈し噴霧することによって用いることもできるが、上記記載の一級アルコール以上の効果は期待できない。
【0045】
また、炭素数4及び5のアルキル鎖を有する一級アルコールは、これらのアルコールを使用する事によって凝集体を形成させることは可能であるが臭気が強く取り扱い難い。炭素数5を越えると粘性が高くなり、また親油性の傾向が強くなるため水との相溶性が低下する。この結果、粒子間に介在する溶媒が研磨用組成物の水溶液中に流出し研磨面に付着する場合があり研磨不良を招く。
【0046】
本発明に適した親水性物質は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が上げられる。またより優れた状態の凝集体を形成させるためには、水及び上記記載の親水性物質において2種類以上の混合体を用いても良い。
【0047】
上記凝集体を形成するために適したシリカは、ヒュームドシリカが最も好ましく、ベット法から換算した一次粒子径は、0.005μm以上1μm以下が好ましく、さらには0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.005μm未満の場合、静電気が発生し易く、また、空気中に飛散し取扱い性が悪い。一方、1μm以上の場合、比表面積が小さくなるため粒子表面のシラノール基が減少するため、シラノール基と水もしくはアルコール性水酸基が会合することによって凝集体を形成することが難くなる。このため、翼式撹拌と超音波を併用して研磨液を調製した場合、一次粒子体として分散する。
【0048】
上記凝集体を形成するために必要な親水性溶媒の量は、砥粒の比表面積によってそれぞれ異なり、比表面積が大きくなるにつれ、すなわち粒子径が小さくなるにつれて多くなる。しかし粒度分布によっても変化するため、必ずしも比表面積、平均粒子径によって親水性溶媒の量が設定できるとは限らない。砥粒100重量部に対して5重量部以上150重量部以下であることが好ましく、さらに10重量部以上100重量部以下であることが好ましい。
【0049】
5重量部未満の場合、均一に凝集体を形成せず部分的に凝集体を形成するのみで研磨キズ等の原因となり研磨特性が低下する。また150重量部以上である場合、砥粒の形態が異なり、極めて濃厚なエマルジョンとなり、保存安定性が無く、この状態で長時間放置した場合、この凝集体は強固な凝集力による凝集体となり、この砥粒を用いて研磨を行うと、研磨キズが著しく増加し研磨特性が低下する問題がある。
【0050】
本発明の研磨用組成物は、砥粒に加えて、さらに、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、塩基性化合物及び分散媒のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0051】
ウエハ表面に酸化膜を形成するための酸化剤は、研磨液の安定性及び取扱い性を考慮すると、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが最も好ましい。酸化剤の濃度は、所望の研磨速度を得るためには、固形分全量を100重量部とするとき25重量部以上50重量部以下にすることが望ましく、30重量部以上40重量部以下とすることがより望ましい。分散媒を含む研磨用組成物全量に対して、1.2重量%以上2.5重量%以下(より好ましくは1.4重量%以上2.0重量%以下)とすることが望ましい。25重量部未満では研磨速度が非常に変動しやすくバラツキが大きくなって安定しない場合があり、50重量部を越えると平坦度、表面粗さが極端に低下する場合がある。
【0052】
本発明に好適な酸化剤としてはジクロロイソシアヌル酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらのうち、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが特に好ましい。
【0053】
また、酸化物の溶解を促進するための酸化物溶解促進剤は、研磨を効率的に進行させるため有効である。この酸化物溶解剤の濃度は、固形分全量を100重量部とするとき10重量部以上30重量部以下であることが好ましく、15重量部以上25重量部以下がより好ましい。分散媒を含む研磨用組成物全量に対しては、0.5重量%以上2.0重量%以下とすることが好ましく、0.7重量%以上1.5重量%以下とすることがより好ましい。10重量部未満では、十分な速度で酸化物の溶解反応が進行せず、研磨速度が低下するとともに、被研磨面にくもりが発生したり、また、反応が均一に進まず局所的に反応が起こって被研磨物表面に異常をきたしたりする場合がある。また、30重量部を超えても、研磨速度が低下するとともに、被研磨面にくもりが発生する場合がある。
【0054】
本発明に好適な酸化物溶解剤としては、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸アンモニウムなどトリポリリン酸塩が挙げられる。これらのうち、トリポリリン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0055】
砥粒分散剤は、砥粒を安定して均一に分散させるための添加物である。この砥粒分散剤の濃度は、固形分全量を100重量部とするとき5重量部以上30重量部以下であることが好ましく、10重量部以上20重量部以下であることがより好ましい。分散媒を含む研磨用組成物全量に対しては、0.1重量%以上1.5重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以上1.0重量%以下とすることがより好ましい。5重量部以下又は30重量部以上では、砥粒の分散性が著しく低下するとともに、研磨速度が低下し、被研磨面の平坦性も低下する。
【0056】
本発明に好適な砥粒分散剤としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、硫酸ナトリウムが特に好ましい。
【0057】
塩基性化合物(pH調整剤)は、研磨剤組成物及び研磨液のpHを調整することにより、酸化剤の酸化力を安定して維持するため(すなわち、酸化剤としてジクロロイソシアヌル酸塩を用いる場合は、酸化反応に関わる次亜塩素酸イオンの発生を促進するため)の添加剤である。
【0058】
塩基性化合物の濃度は、固形分全量を100重量部とするとき1重量部以上10重量部以下であることが好ましく、3重量部以上8重量部以下であることがより好ましい。分散媒を含む研磨用組成物全量に対しては、0.05重量%以上0.6重量%以下とすることが好ましく、0.1重量%以上0.4重量%以下とすることがより好ましい。1重量部未満では、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからの次亜塩素酸イオンの発生速度が遅く、研磨速度が低下する。また10重量部を超えても研磨速度は変化せず、かえって表面粗さの低下を招く。
【0059】
本発明に好適な塩基性化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩が挙げられる。これらのうち炭酸ナトリウムが特に好ましい。
【0060】
分散媒としては、通常、水を用いるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明の研磨剤組成物における砥粒の分散量は、固形分全量を100重量部とするとき10重量部以上40重量部以下であることが好ましく、15重量部以上30重量部以下であることがより好ましい。分散媒を含む研磨用組成物全量に対しては、0.5重量%以上2重量%以下とすることが好ましく、0.7重量%以上1.5重量%以下とすることがより好ましい。砥粒量が10重量部未満では、十分な研磨速度が得られない場合がある。また、40重量部を超えると、機械的要因が強くなりすぎて、研磨傷等の原因となる場合がある。
【0061】
なお、本発明では、砥粒の一次粒子を凝集させる工程は、砥粒の製造工程であってもよく、砥粒を分散媒中に分散させる分散工程であってもよい。砥粒の製造工程において凝集させる場合は、例えば、湿式法により合成した砥粒化合物を加熱乾燥すればよい。分散工程において凝集させる場合は、例えば、砥粒を添加した分散媒に超音波を照射しつつ翼式撹拌を行えばよい。
【0062】
本発明では、これらの工程のうち特に分散工程において凝集させて、平均粒径0.1μm以上20μm以下の凝集体にすることが好ましい。高速な研磨の実現のためには、凝集体の平均粒径を0.1以上1.5μm以下とすることが特に望ましいが、分散工程において凝集させれば、容易にこのような粒径の凝集体を得ることができる。また、砥粒製造工程と分散工程との両方で凝集を行うようにしてもよい。
【0063】
このような凝集は、一次粒子表面を潤滑剤で被覆しなくても行うことができる。この場合の砥粒は、図3に示すように、一次粒子表面の水酸基が粒子間で脱水反応により結合した化学的な凝集であり、潤滑剤を吸着させた場合より、粒子間の凝集力は強く、研磨時に解離し難い。このため、潤滑剤で被覆した一次粒子の凝集体からなる砥粒を用いたほうが高速で研磨特性に優れた研磨を行うことができる。
【0064】
しかし、潤滑剤を用いない場合であっても、図4に示すように、砥粒の凝集体2は研磨圧によって被研磨物1の表面に倣うために、一次粒子が凝集せずに分散媒中に分散している場合に比べれば被研磨物との接触面積が大きいため、研磨速度が得られ易く、平坦度、表面粗さ等も良好である。なお、凝集体の平均粒径が0.05μm以上5μm以下であれば、一次粒子表面を潤滑剤で被覆することなく、また、特殊な装置を用いることなく、分散工程のみで容易に得ることができる。
【0065】
また、本発明では、上述した本発明の研磨用組成物を用いて被研磨物の表面を研磨する研磨方法が提供される。この本発明の研磨方法では、研磨圧(研磨時に、研磨パッドと被研磨物との間に印加する圧力)は、容易に凝集体が解離して粒径0.1〜1μmの凝集体となるように、2kPa〜10kPaとすることが好ましく、3kPa〜7kPaとすることがより好ましい。研磨圧が2kPaより低いと、凝集体の解離が不十分な場合があり、またウエハにかかる研磨圧が低すぎるため研磨能力が低下する。一方、研磨圧が10kPaより高いと、強い劈開性を有する化合物半導体ウエハを研磨する場合には、圧力が高すぎてウエハが割れ易くなる。
【0066】
本発明の研磨方法は、シリコンウエハや、その他の化合物からなる基板の研磨に適用することもでき、研磨対象は限定されるものではないが、特にGaAs、GaP、GaSb、AlAs、InAs、GaAlAs、GaAsP等の第III族〜第V族元素の化合物を備える半導体ウエハの研磨に好適である。そこで本発明では、上述した本発明の研磨方法を用いて半導体ウエハ表面の第III〜V族化合物を研磨する研磨工程を備える半導体素子の製造方法が提供される。
【0067】
本発明の半導体素子の製造方法における研磨工程以外の工程は、特に限定されるものではない。本発明の半導体素子の製造方法は、例えば、(1)化合物半導体からなる基板の表面を本発明の研磨剤組成物により研磨する研磨工程と、(2)基板表面の研磨損傷層をエッチング除去する工程と、(3)接合及びオーミックコンタクトを形成する工程と、(4)不純物の拡散及びイオンの注入を行う工程と、(5)表面保護膜を形成する工程と、(6)基板を裁断する工程とを設けることができる。
【0068】
<実施例1>
本実施例では、砥粒としてつぎの表1に示すシリカを用いて研磨用組成物を調製し、その研磨速度及び研磨特性を調べた。
【0069】
【表1】
Figure 0004126186
【0070】
なお、No.1は一次粒子径が40nmのヒュームドシリカ表面に潤滑剤(パルミチン酸メチルとステアリン酸メチルとの1:1の混合物)を吸着させた砥粒であり、No.2はNo.1と同じヒュームドシリカの表面にジメチルポリシロキサンの重合体を吸着させた砥粒であり、No.3〜5は潤滑剤表面処理を行っていないヒュームドシリカの凝集体からなる砥粒であり、No.6〜7はメタケイ酸ナトリウムから湿式法によって合成したシリカの製造工程中の乾燥工程(120〜150℃)において、シリカ表面の水酸基どうしの脱水縮合により凝集させた砥粒である。各シリカにおける凝集体の平均粒子径は、マイクロトラックにて測定した。
【0071】
本実施例では、これら7種類のシリカをそれぞれ用い、表2に示す組成の研磨剤(第1の研磨用組成物)を7種類調製した後、これを約20倍の純水で希釈し、15分間翼式撹拌を行うと同時に周波数40Wの超音波を照射して研磨液(第2の研磨用組成物)を調製した。これにより、各研磨液中には砥粒が一次粒子の凝集体の形で分散した。
【0072】
【表2】
Figure 0004126186
【0073】
なお、分散工程の処理時間(翼式撹拌及び超音波照射の時間)を15分以上にすると、研磨液の温度が上昇して酸化剤の分解速度が速くなり、研磨特性に問題が生じる場合があった。また、15分以下にすると、砥粒の分散性が十分でない場合があった。
【0074】
得られた研磨液を用い、約10cm(4インチ)のGaAs化合物半導体ウエハを、表3に示す条件に従い研磨した。結果を表4に示す。
【0075】
【表3】
Figure 0004126186
【0076】
【表4】
Figure 0004126186
【0077】
なお、研磨速度は、研磨前後ウエハ厚は接触式レーザ変位計により中心部を測定することによって算出した。TTVは、ウエハの裏面を基準としウエハ厚が最も高い箇所と最も低い箇所の差を測定した値で、ウエハ面の厚さバラツキすなわち平坦度を示す。また、表面粗さPvは、表面の凹凸の最も高い箇所と最も低い箇所の差を測定した値である。また概観は、研磨傷や研磨痕がほとんどないものを○、若干見られたものを△、多量に見られたものを×で表した。
【0078】
No.1、No.2及びNo.3の砥粒を用いて研磨を行ったウエハ表面の電子顕微鏡像を、それぞれ図5(a)〜(c)に示す。
【0079】
<比較例1>
本比較例では、砥粒としてつぎの表5に示すシリカを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製した。
【0080】
【表5】
Figure 0004126186
【0081】
なお、No.8〜10はメタルシリコンを酸化させることによって合成したシリカであり、No.11〜12は汎用タイプの合成砥粒シリカであり、No.13は天然溶融シリカである。本比較例において使用したシリカは、全て凝集していない一次粒子(すなわち、単独の粒子がそのまま水溶液中で分散してなる砥粒の粒子)からなる球状シリカである。一次粒子の平均粒子径は、マイクロトラックにて測定した。
No.8〜13のシリカを翼式撹拌と超音波を併用して調製した場合、研磨剤液中で一次粒子として分散しているシリカである。
【0082】
得られた研磨液を用い、実施例1と同様にして行った研磨実験の結果を、表6に示す。
【0083】
【表6】
Figure 0004126186
【0084】
No.8及びNo.13の砥粒を用いて研磨を行ったウエハ表面の電子顕微鏡像を、それぞれ図6(a)〜(b)に示す。
【0085】
実施例1及び比較例1の研磨実験の結果における研磨速度と粒子径との関係を、図7に示す。なお、図7では、実施例1におけるNo.1のシリカ凝集体を用いた結果を点21で示し、No.2のシリカ凝集体を用いた結果を点22で示し、No.6のシリカ凝集体を用いた結果を点23で示し、No.7のシリカ凝集体を用いた結果を点26で示し、No.3〜5のシリカ凝集体を用いた結果を点27で示し、これらの関連を曲線24で示した。曲線25は比較例1の実験結果における粒子径と研磨速度との関係を示す。
【0086】
実施例1及び比較例1の結果から、実施例1の凝集体の状態で砥粒が分散している研磨液は、比較例1(凝集していない一次粒子の状態で分散している場合)に比べて研磨速度が高く、その研磨速度は粒径ではなく比表面積に依存し、ウエハとの接触面積が大きいほど研磨速度が高くなるということがわかった。
【0087】
特に、一次粒子表面を潤滑剤で処理したNo.1又はNo.2の砥粒を用いた研磨の結果では、凝集体における一次粒子間の凝集力が弱く、研磨時の摩擦熱、研磨圧等により容易に凝集体が分裂するため、砥粒とウエハとの接触面積が大きくなり、高い研磨速度が得られた。また、研磨後のウエハ表面を電子顕微鏡で観察したところ、研磨キズが無く良好な表面であった。さらに、TTV及び表面粗さの測定結果から、表面粗さ、平坦度ともに優れたウエハを形成できたことが確認できた。
【0088】
また、潤滑剤で表面処理せず、シリカ表面の水酸基どうしの脱水結合により凝集したNo.6の砥粒を使用した研磨の結果、粒子間の凝集力は強く研磨時は解離し難いため、上述のNo.1又はNo.2の場合より僅かに研磨速度は低減するが、研磨時の荷重によって砥粒がウエハ面に対して追随するため、比較例に比べて高い研磨速度が得られた。また、研磨後のウエハ表面を電子顕微鏡で観察したところ、No.1又はNo.2の砥粒による研磨結果と同様、研磨キズが無く良好な表面であった。さらに、TTV及び表面粗さの測定結果から、表面粗さ、平坦度ともに優れたウエハを形成できたことが確認できた。
【0089】
これに対し比較例1では、研磨速度は粒径の大きさに依存し、粒径が大きいほど研磨速度が速くなるが、実施例1の結果を凌ぐ研磨速度を得ることはできなかった。また、研磨後のウエハ表面を電子顕微鏡で観察したところ、例えば、No.8の砥粒(平均粒径0.9μm)又はNo.13の砥粒(平均粒径52.2μm)では、実施例1の結果に比べて表面粗さが荒く、研磨キズが認められた。
【0090】
さらに、表面粗さ及び平坦度(TTV)の測定結果から、比較例1ではいずれの砥粒を用いた場合でも、表面粗さ及びTTV値が大きく、削り取る作用すなわち機械的要素が化学的要素より勝ってしまい、十分な平坦度及び表面粗さを得ることはできなかった。
【0091】
また、No.8の砥粒(平均粒径0.9μm)を用いた研磨液では、凝集していない一次粒子が研磨液中に分散している。このNo.8の砥粒を用いた研磨液は、同等の粒径を有する砥粒No.5を用いた実施例1の結果に比べて研磨速度が遅く、十分な表面粗さ及び平坦度(TTV)を得ることができず、実施例1より品質の劣るウエハしか得られなかった。
なお、比較例1で用いた範囲より大きい粒径の砥粒を用いれば、研磨速度を速くすることができると考えられるが、平坦度及び表面粗さがさらに悪化することが予想される。
【0092】
さらに、比較例1のシリカは、単位体積当たりの重量が大きいため(すなわち嵩比重が大きいため)、沈降速度が速く分散状態が不安定であり、研磨液を研磨パッド及びウエハに供給する際、容易に配管内に砥粒が沈降する。このため、比較例1の砥粒は扱い難く、供給系の配管等に工夫が必要であった。これに対して実施例1の砥粒は、取扱い性の点でも優れており、配管等を工夫することなく、汎用の研磨装置をそのまま使用することができた。
【0093】
<実施例2>
本実施例では、砥粒として実施例1のNo.1のシリカを用い、表7に示すNo.14〜21の配合量で、それぞれ実施例1と同様にして研磨液を調製した。
【0094】
【表7】
Figure 0004126186
【0095】
得られた研磨液を用い、実施例1と同様にして研磨実験を行ったところ、表8に示すように、いずれの研磨液でも良好な結果が得られた。
【0096】
【表8】
Figure 0004126186
【0097】
<比較例2>
本比較例では、比較例1のNo.9のシリカを使用し、表7に示すNo.14〜21の配合量で、それぞれ実施例1と同様にして研磨液を調製した。得られた研磨液を用い、実施例1と同様にして研磨実験を行ったところ、表9に示すように、いずれの研磨液でも十分な結果は得られなかった。
【0098】
【表9】
Figure 0004126186
【0099】
潤滑剤を吸着させたNo.1の砥粒を用いた実施例2において、砥粒濃度を順次高くしたNo.14〜17の組成の研磨剤による研磨結果から、砥粒濃度を高くすることにより、表面粗さ及び平坦度を損なうことなく研磨速度を速くすることができることがわかった。また、化学的要素である酸化剤及びトリポリリン酸についても、これらの濃度を高くしたNo.18〜21の組成の研磨剤による研磨結果から、これらの濃度を高くすることにより、やはり表面粗さ及び平坦度を損なうことなく研磨速度を速くできることがわかった。
【0100】
これに対して、凝集していないNo.9のシリカを使用した比較例2の場合は、砥粒濃度を順次高くしたNo.14〜17の組成の研磨剤による研磨結果から、砥粒濃度を高くすることによって研磨速度を速くすることができるものの、表面粗さ及び平坦度は悪化してしまうことがわかった。また、No.18〜21の組成の研磨剤による研磨結果から、酸化剤及びトリポリリン酸の濃度を高くすることのよって研磨速度は速くできるものの、やはり表面粗さ及び平坦度が悪化してしまうことがわかった。
【0101】
<実施例3>
本実施例では、砥粒として次の表10に示すシリカを用いて研磨用組成物を調製し研磨速度及び研磨特性を調べた。ここに示すそれぞれのシリカは、比表面積に応じて砥粒表面に表10に示す所定量の純水を高圧スプレー方式によって噴霧する処理を行った。凝集体の平均粒径は、研磨用組成物を調整後、粒度分布計によって測定した数値である。
【0102】
【表10】
Figure 0004126186
【0103】
本実施例では、これら7種類のシリカをそれぞれ用い、表2に示す組成の研磨剤(第一の研磨用組成物)を7種類調製した後、それぞれ実施例1と同様にして研磨液を調製した。
【0104】
得られた研磨液を用い、実施例1と同様にして研磨実験を行ったところ、表11に示すように、いずれの研磨液でも良好な結果が得られた。
【0105】
【表11】
Figure 0004126186
【0106】
<実施例4>
本実施例では、砥粒として次の表12に示すシリカを用いて研磨用組成物を調製し研磨速度及び研磨特性を調べた。ここに示すそれぞれのシリカは、比表面積に応じて砥粒表面に表12に示す炭素数1〜3の脂肪族アルコールを所定量高圧スプレー方式によって噴霧する処理を行った。凝集体の平均粒径は、研磨用組成物を調整後、粒度分布計によって測定した数値である。
【0107】
【表12】
Figure 0004126186
【0108】
本実施例では、これら6種類のシリカをそれぞれ用い、表2に示す組成の研磨剤(第一の研磨用組成物)を6種類調製した後、それぞれ実施例1と同様にして研磨液を調製した。ここで得られた研磨液を用い、実施例1と同様にして研磨実験を行ったところ、表13に示すように、いずれの研磨液でも良好な結果が得られた。
【0109】
【表13】
Figure 0004126186
【0110】
No.22〜No.28の砥粒表面に純水を噴霧させ凝集体を形成し易くした実施例3の研磨用組成物とNo.29〜No.34の砥粒表面に脂肪族アルコールを噴霧させ凝集体を形成し易くした実施例4の研磨実験の結果は、実施例1の砥粒と同等であり良好な結果であった。この様に砥粒表面に上記記載の処理を施すことによって、空気中に飛散することなく取り扱いが容易となり、また表面粗さ及び平坦度を損なうことなく、研磨速度が得られることがわかった。
【0111】
さらに、実施例3及び実施例4においてシリカの表面処理は、実施例1に比べて簡単な処理であるにもかかわらず、研磨キズ等が低減され研磨特性が向上した。さらにプロセスの低コスト化に繋がることがわかった。
【0112】
<実施例5>
本実施例では、半導体素子の一例として、GaAs基板上に設けたMQW(multi-quantum well)構造のレーザ素子を作製した。なお、本発明により製造される半導体素子の形態は、本実施例の構造に限定されるものではない。
【0113】
まず、(100)GaAs基板の表面を実施例1の表2に示す研磨剤を用いて研磨し平坦化した。研磨条件は表3に示したものとほぼ同様であり、研磨圧力は3.5kPa、定盤回転数は約74r/分、研磨剤スラリ供給量は15ml/分、研磨時間は約30分とした。
【0114】
その後、必要に応じてH3PO4:H2O系のエッチング液を用いてGaAs基板表面の研磨加工痕を除去した後、MBE(molecular beam epitaxy)法又はMOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法などを用いて、第1のGaAlAsクラッド層(膜厚:約0.5μm)、MQW層(膜厚:約50nm)、第2のGaAlAsクラッド層(膜厚:約0.2μm)及びGaAs電流制限層(膜厚:3〜5μm)を連続的に形成した。なお、MQW層は、GaAs層(膜厚:3nm)とGaAlAs層(膜厚:5nm)とを交互に連続積層した構造を有している。続いて、電流制限層に、所定の幅(3〜5μm)の開口部を(110)方向に設けた後、GaAs基板の裏面側及び上記電流制限層を含めて、第2のクラッド層に電極層を設けた後、ダイシングしてレーザ素子を得た。
【0115】
得られたレーザ素子の特性を調べたところ、GaAs基板の平坦化研磨処理を実施しない場合に比べて、発振動作後の電流−光特性の直線性が改善され、また発振閾電流値等のレーザ素子として重要な特性のばらつきが改善されたことがわかった。
【0116】
なお、上述の例では、第1のクラッド層の膜厚を0.5μmとしたが、0.1〜0.2μm程度であっても上述の例と同様の結果を示した。このことは、本発明の研磨剤を用いてGaAs基板表面の平坦化処理を施すことによって、GaAs基板表面の凹凸による、レーザ素子として極めて重要なMQW層への影響が軽減された結果であると推測される。
【0117】
【発明の効果】
従来技術では、酸化剤及び砥粒の含有率を高くして研磨速度を向上させると、これに相反して平坦度が悪化するとともに研磨キズの発生率が高くなり、ウエハ品質の低下を招いた。これに対し、本発明によれば、表面粗さ、平坦度、形状等の特性が確保しつつ、高速研磨を実現することができる。すなわち、本発明によれば、化合物半導体及びシリコンウエハの研磨において、研磨痕が浅く、また表面粗さ及び平坦度を損なうことなく、研磨速度を向上させることができ、さらに研磨剤起因によるキズ等の発生率を抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】研磨時の砥粒の状態を示す説明図である。
【図2】潤滑剤により被覆された一次粒子の凝集体からなる砥粒の、研磨時の状態を示す説明図である。
【図3】砥粒の一次粒子が脱水反応により凝集する過程を示す説明図である。
【図4】脱水反応により凝集した砥粒の研磨時における挙動を示した説明図である。
【図5】図5(a)はNo.1の砥粒を、図5(b)はNo.2の砥粒を、図5(c)はNo.6の砥粒を、それぞれ使用して研磨したGaAsウエハ表面の電子顕微鏡像である。
【図6】図6(a)はNo.7の砥粒を、図6(b)はNo.13の砥粒を、それぞれ使用して研磨したGaAsウエハ表面の電子顕微鏡像である。
【図7】実施例1及び比較例1における砥粒の粒径と研磨速度との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…ウエハ、2…砥粒一次粒子の凝集体、3…研磨パッド、4…潤滑剤により被覆された砥粒一次粒子の凝集体、5,5a,5b…砥粒の一次粒子、8…潤滑剤、10…崩壊して小型化した凝集体、21…No.1のシリカ凝集体、22…No.2のシリカ凝集体、23…No.6のシリカ凝集体、24…実施例1の実験結果(粒子径と研磨速度の関係)、25…比較例1の実験結果(粒子径と研磨速度の関係)、26…No.7のシリカ凝集体、27…N0.3〜5のシリカ凝集体。

Claims (6)

  1. 少なくとも砥粒と分散媒とを含み、該分散媒が水であり、前記砥粒は凝固点60℃以下のアルキル基を有する脂肪酸エステルまたは脂肪族アルコール、もしくは直鎖状オルガノポリシロキサンから選ばれた潤滑剤を用いて表面が覆われた一次粒子を複数凝集させた凝集体であることを特徴とする化合物半導体用研磨組成物。
  2. 前記一次粒子がシリカ、アルミナ、セリアのいずれかであって、その平均粒径0.005μm以上5μm以下であり、前記砥粒の平均粒径0.05μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体用研磨組成物。
  3. 前記一次粒子が球状のヒュームドシリカであることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体用研磨組成物。
  4. 更に酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、または塩基性化合物の少なくとも一種を含む化合物半導体用研磨組成物であって、夫々がジクロロイソシアヌル酸塩、トリポリリン酸塩、硫酸塩、炭酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体用研磨組成物。
  5. 凝固点60℃以下のアルキル基を有する脂肪酸エステルまたは脂肪族アルコール、もしくは直鎖状オルガノポリシロキサンから選ばれた潤滑剤を有機溶媒に溶解させた溶液を一次粒子に噴霧して該一次粒子の表面を覆う前記潤滑剤を介在させて前記一次粒子の凝集体からなる砥粒を形成した後、該砥粒を水からなる分散媒に分散させることを特徴とする化合物半導体用研磨組成物の製造方法。
  6. 前記砥粒を形成する工程は、平均粒径0.005μm以上5μm以下なる一次粒子を、該一次粒子の表面を覆う潤滑剤を介して平均粒径0.05μm以上20μm以下なる凝集体を形成することを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体用研磨組成物の製造方法。
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