JP4124064B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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本発明は、原稿画像とともに媒体上に形成され、複写によって現出するコピー牽制画像を生成する画像処理装置の改良に関する。
昨今のコンピュータ技術の進展により、例えば企業などでは、各従業員がいつでも容易にドキュメントを印刷できるようになってきている。また、複写機による複写画質の向上に伴い、原本と識別困難な複写物も容易に作成できるようになってきている。このため、一方では、原本と識別困難な複写物が漏洩し、原本と誤認されて扱われることによる不都合の発生も懸念されている。
そこで、特許文献1には、一般的なプリンタ装置で、普通紙に対して、複写時に現出するコピー牽制画像を形成させる技術が開示されている。
図9には、特許文献1において形成されたコピー牽制画像の例が示される。図9(a)において、コピー牽制画像として「COPY」という潜像が形成されているが、これは背景画像と略同一の濃度となるように階調補正され、出力線数より荒い線数で網点処理された網点ドットを背景画像に埋め込んで形成されている。この様子が図9(b)に示される。図9(b)において、「COPY」が形成された領域は、出力線数が50線の網点ドットで形成され、斜線で示された背景部分に埋め込まれている。この網点ドットで形成された潜像部分は、背景部分と略同一濃度であり、用紙上で見た目にはわからないように構成されている。
特開2001−197297号公報
しかし、上記従来の特許文献1に開示された技術では、文書に潜像を付加して印刷する場合、KYMC(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の4色のうちの一色で潜像を形成することを前提としている。もし、基本色であるKYMC以外の、すなわち基本色を合成した色で潜像を形成する場合には、潜像の色をKYMCに分解し、それぞれの色の潜像画像を作成してから、図10(a)に示されるように、印刷時に一色ずつ重畳する必要がある。このため、印刷速度が遅くなるとともに、図10(b)に示されるように、色ずれによる面内ムラが発生する可能性があるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、KYMCの単色以外の合成色で潜像を形成する場合にも印刷速度が低下せず、面内ムラが生じない画像処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、原稿画像とともに媒体上に形成され、複写によって現出されるコピー牽制画像を付加する画像処理装置であって、前記コピー牽制画像が印字装置が用いる基本色を合成した色で指定される場合に、前記コピー牽制画像を基本色に分解する色分解手段と、前記コピー牽制画像を構成する潜像のパターンを、前記色分解手段から出力された少なくとも1つの基本色で表現した画像を生成する潜像生成手段と、潜像以外のパターンを、前記色分解手段から出力された前記潜像とは異なる少なくとも1つの基本色で表現した地紋画像を生成する地紋生成手段と、前記潜像と地紋画像とを重畳して前記コピー牽制画像を構成する画像重畳手段と、を含むことを特徴とする。
また、上記画像処理装置が、さらに前記色分解手段から出力された基本色の明度を判定する明度判定手段を備え、前記色分解手段から出力された基本色のうち、前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現されるようにしてもよい。
また、上記画像処理装置が、KYMC(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)で構成される印字装置に出力する場合、前記明度判定手段がKの明度が一定値または他の基本色の明度より高いと判定したときに、前記色分解手段がKを除いたYMCに前記コピー牽制画像を再色分解し、これらのうち前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現されるようにしてもよい。
また、上記画像処理装置が、3色を超える基本色で構成される印字装置に出力する場合、前記色分解手段が前記コピー牽制画像を各色を最大に使用するように個別に色分解し、前記色分解手段から出力された色のうち前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現され、前記コピー牽制画像の残りの色を前記色分解手段により再色分解して出力された基本色により前記地紋生成手段が地紋画像を生成するようにしてもよい。
また、原稿画像とともに媒体上に形成され、複写によって現出されるコピー牽制画像を付加するようにコンピュータを制御するプログラムであって、コンピュータに、前記コピー牽制画像が印字装置が用いる基本色を合成した色で指定される場合に、前記コピー牽制画像を基本色に分解する動作と、前記コピー牽制画像を構成する潜像のパターンを、前記色分解手段から出力された少なくとも1つの基本色で表現した画像を生成する動作と、潜像以外のパターンを、前記色分解手段から出力された前記潜像とは異なる少なくとも1つの基本色で表現した地紋画像を生成する動作と、前記潜像と地紋画像とを重畳して前記コピー牽制画像を構成する動作と、を実行させることを特徴とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
実施形態1.
図1には、本発明にかかる画像処理装置の実施形態1の構成のブロック図が示される。図1において、コピー牽制画像入力部10は、コピー牽制画像を構成する潜像の入力を受け付ける。コピー牽制画像入力部10で受け付けられた潜像の色は、色分解部12でKYMCの基本色に色分解され、その結果が出力される。潜像生成部14では、潜像のパターンを、色分解部12から出力された基本色のうちの少なくとも1つの基本色を使用して表現した画像が生成される。また、地紋生成部16では、色分解部12から出力され、潜像とは異なる少なくとも1つの基本色で表現された地紋画像が生成される。この地紋画像は、原稿が印刷される媒体の背景画像を構成するものであり、均一濃度画像、パターンの繰り返し画像、グラデーションパターン画像、指定デザインパターン画像等を使用することができる。これにより、コピー牽制画像のデザインの自由度を向上できる。なお、上記均一濃度画像は、無模様且つ単一色の画像をいう。また、指定デザインパターン画像は、所定画像の繰り返し模様などをいう。
上記潜像生成部14で生成された潜像と、上記地紋生成部16で生成された地紋画像とは、画像重畳部18で重畳され、所定の色のコピー牽制画像が生成される。このコピー牽制画像は、原稿画像入力部20から入力された原稿画像と画像合成部22で合成され、コピー牽制画像が付加された原稿画像が生成される。この様子が図2に示される。図2において、例えばシアン(C)の色で表現された潜像「禁複写」が潜像生成部14で生成され、イエロー(Y)の色で表現された地紋画像が地紋生成部16で生成される。
図2に示された潜像は、背景部分も「禁複写」の部分もシアンで形成されているが、背景部分は比較的小さなドットを比較的密に配置して構成され、「禁複写」の部分は比較的大きなドットを比較的粗に配置して構成されている。この潜像を複写機で複写すると、潜像「禁複写」の部分のドットは複写機で解像できる大きさと濃度を有しているので忠実に複写される。しかし、背景部分のドットは複写機で解像できない大きさであるので、複写されない。このため、複写物には潜像が現出しコピー牽制画像を形成することができる。なお、背景部分のドットを大きくし、「禁複写」の部分のドットを小さくすると潜像を白抜きで表現することができる。また、上記地紋画像は、斜線で表現された部分がイエローの均一濃度画像となっている。これらの潜像と地紋画像とが画像重畳部18で重畳されると、グリーンの潜像「禁複写」が生成される。この場合、地紋画像が均一濃度画像なので、潜像「禁複写」を構成する各ドットとの間で色ずれが生じることがなく、面内ムラの発生を防止できる。
以上のようにして構成されたグリーンの潜像「禁複写」を含む画像は、図1の画像合成部22によりabcd等と記載された原稿画像と合成され、グリーンの潜像「禁複写」が付加された原稿画像が構成される。この潜像が付加された原稿画像は、プリンタ等で構成される画像形成部24により媒体上に印刷される。このように、本実施形態では、潜像を均一濃度画像の地紋画像と重畳するので、潜像を構成する各ドットに複数の基本色を重畳させる必要がなく、印刷速度の低下を抑制できる。
図3には、本実施形態の変形例が示される。図3において、潜像は図2と同様にシアンで表現され、地紋画像はグラデーションパターン画像となっている。このグラデーションパターン画像は、横線の密度の粗の部分から密の部分に向けて、例えばイエローからマゼンタに徐々に色が変化する画像である。これにより、潜像と重畳されると、潜像の色も原稿上の位置に応じて変化したものになる。
図4には、本実施形態の他の変形例が示される。図4においても、潜像は図2と同様にシアンで表現され、地紋画像はパターンの繰り返し画像となっている。このパターンの繰り返しは、最小単位のパターンを生成し、これを繰り返すことで形成できる。図4の例では、イエローの格子模様が表現されている。これにより、潜像と重畳されると、格子と重なる潜像の部分はグリーンとなり、格子と重ならない潜像の部分はシアンのままとなる。
なお、上述した図1の各ブロックの動作は、コンピュータにより実行される。また、コンピュータに各ブロックの動作を実行させるためのプログラムは、コンピュータが備える媒体上に格納されている。
実施形態2.
図5には、本発明にかかる画像処理装置の実施形態2の構成のブロック図が示され、図1と同一要素には同一符号が付されている。図5において、色分解部12の出力は、明度判定部26に入力され、分解された各基本色の明度が判定される。明度判定部26では、色分解部12から入力された各基本色のうち最も明度の低い色を潜像生成部14に送る。これにより、明度判定部26により最も明度が低いと判定された基本色により潜像が表現される。図6にはこの様子が示される。図6において、グリーンの潜像が色分解部12でシアンとイエローとに色分解されており、色分解結果を示す正方形領域にそれぞれ密度の異なる斜線を記載して色分解された基本色を示している。なお、マゼンタ及びブラックは、色分解部12により分解された基本色に含まれておらず、色分解結果を示す正方形領域には斜線を記載していない。これらの基本色の明度が明度判定部26で判定される。図6において、明度は色分解結果の隣の正方形領域に記載された格子模様の粗密で表現されており、格子模様が密なほど明度が低くなっている。図6ではシアンの明度がイエローの明度より低いので明度判定部26はシアンを潜像生成部14に入力し、シアンにより潜像「禁複写」が形成される。この潜像は、図2に示されたものと同様であり、背景部分は比較的小さなドットを比較的密に配置して構成され、「禁複写」の部分は比較的大きなドットを比較的粗に配置して構成されている。また、明度の高いイエローにより地紋生成部16が均一濃度画像を生成する。その後、画像重畳部18で潜像と地紋画像とが重畳され、画像合成部22、画像形成部24を経てグリーンの潜像が付与された原稿が印刷される。
図7には、本実施形態の変形例が示される。本変形例は、KYMCで構成される印字装置にコピー牽制画像が付加された原稿画像を出力する場合の例である。この場合、色分解部12では、潜像がKYMCの4つの基本色のいずれかに色分解される。図7において、潜像がダークマゼンタで表現されている場合、この潜像を色分解部12でマゼンタとブラックに色分解し(正方形領域に斜線を記載して示す)、通常はブラックにより潜像を形成する。しかし、ブラックの明度を明度判定部26により判定した結果、ブラックの明度が一定値または他の基本色(本変形例ではマゼンタ)の明度より高いと判定された場合、この色で潜像を形成し、これにマゼンタの地紋画像を重畳しても、複写時にコピー牽制画像が現出し難くなる。このため、本実施形態では、ブラックの明度が一定値または他の基本色の明度より高いと判定された場合、色分解部12がブラックを除いたイエロー、マゼンタ、シアンに潜像を再色分解し、これらのうち明度判定部26が最も明度が低いと判定した基本色(本変形例ではマゼンタ)により潜像生成部14が潜像「禁複写」を形成する。この潜像も、図2に示されたものと同様に構成する。また、地紋生成部16では、色分解部12により再色分解されたシアンとイエローにより地紋画像として均一濃度画像を形成する。これらの地紋画像と潜像とを画像重畳部18で重畳すると、ダークマゼンタの潜像が生成される。
図8には、本実施形態の他の変形例が示される。本変形例は、7色(シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、ダークイエロー、ブラック)で構成される印字装置にコピー牽制画像が付加された原稿画像を出力する場合の例である。この場合、色分解部12では、コピー牽制画像が上記7つの基本色のいずれかに色分解される。図8において、潜像はダークマゼンタで表現されている。この潜像を色分解部12で7つの基本色が各々最大に使用されるように個別に色分解する。色分解部12から出力された7つの基本色のうち、明度判定部26により最も明度が低いと判定された基本色(本変形例ではマゼンタ)により潜像生成部14が潜像「禁複写」を形成する。この潜像も、図2に示されたものと同様に構成する。また、明度判定部26で最も明度が低いと判定された基本色を除いた残りの潜像の色を色分解部12で再度色分解する。本変形例では、ライトシアンとイエローに再色分解される(正方形領域に斜線を記載して示す)。地紋生成部16では、色分解部12により再色分解された基本色のうちマゼンタを除いたライトシアンとイエローを使用して地紋画像として均一濃度画像を形成する。これらの地紋画像と潜像とを画像重畳部18で重畳すると、ダークマゼンタの潜像が生成される。
なお、上述した図5の各ブロックの動作は、コンピュータにより実行される。また、コンピュータに各ブロックの動作を実行させるためのプログラムは、コンピュータが備える媒体上に格納されている。
以上に説明した各実施形態では、原稿の色とコピー牽制画像の色とが混同しない場合の処理を述べている。仮に、原稿とコピー牽制画像との色の濃度差が所定のしきい値未満であり、両者の間で混同が生じる場合には、従来の方法により原稿と混同しない色を使用して潜像を形成する。
本発明にかかる画像処理装置の実施形態1の構成のブロック図である。 本発明の実施形態1におけるコピー牽制画像が付加された原稿画像の生成工程の説明図である。 コピー牽制画像が付加された原稿画像の生成工程の変形例の説明図である。 コピー牽制画像が付加された原稿画像の生成工程の他の変形例の説明図である。 本発明にかかる画像処理装置の実施形態2の構成のブロック図である。 本発明の実施形態2における潜像の形成工程の説明図である。 潜像の形成工程の変形例の説明図である。 潜像の形成工程の他の変形例の説明図である。 従来のコピー牽制画像の例の説明図である。 従来の技術を使用して基本色を合成した色で潜像を形成する場合の説明図である。
符号の説明
1 コピー牽制画像入力部、12 色分解部、14 潜像生成部、16 地紋生成部、18 画像重畳部、20 原稿画像入力部、22 画像合成部、24 画像形成部、
26 明度判定部。

Claims (5)

  1. 原稿画像とともに媒体上に形成され、複写によって現出されるコピー牽制画像を付加する画像処理装置であって、
    前記コピー牽制画像が印字装置が用いる基本色を合成した色で指定される場合に、前記コピー牽制画像を基本色に分解する色分解手段と、
    前記コピー牽制画像を構成する潜像のパターンを、前記色分解手段から出力された少なくとも1つの基本色で表現した画像を生成する潜像生成手段と、
    潜像以外のパターンを、前記色分解手段から出力された前記潜像とは異なる少なくとも1つの基本色で表現した地紋画像を生成する地紋生成手段と、
    前記潜像と地紋画像とを重畳して前記コピー牽制画像を構成する画像重畳手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置が、さらに前記色分解手段から出力された基本色の明度を判定する明度判定手段を備え、前記色分解手段から出力された基本色のうち、前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現されることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置において、KYMC(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)で構成される印字装置に出力する場合、前記明度判定手段がKの明度が一定値または他の基本色の明度より高いと判定したときに、前記色分解手段がKを除いたYMCに前記コピー牽制画像を再色分解し、これらのうち前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現されることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2記載の画像処理装置において、3色を超える基本色で構成される印字装置に出力する場合、前記色分解手段が前記コピー牽制画像を各色を最大に使用するように個別に色分解し、前記色分解手段から出力された色のうち前記明度判定手段が最も明度が低いと判定した基本色により前記潜像が表現され、前記コピー牽制画像の残りの色を前記色分解手段により再色分解して出力された基本色により前記地紋生成手段が地紋画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
  5. 原稿画像とともに媒体上に形成され、複写によって現出されるコピー牽制画像を付加するようにコンピュータを制御するプログラムであって、コンピュータに、
    前記コピー牽制画像が印字装置が用いる基本色を合成した色で指定される場合に、前記コピー牽制画像を基本色に分解する動作と、
    前記コピー牽制画像を構成する潜像のパターンを、前記色分解手段から出力された少なくとも1つの基本色で表現した画像を生成する動作と、
    潜像以外のパターンを、前記色分解手段から出力された前記潜像とは異なる少なくとも1つの基本色で表現した地紋画像を生成する動作と、
    前記潜像と地紋画像とを重畳して前記コピー牽制画像を構成する動作と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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