JP4123808B2 - 振動アクチュエータの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのレンズ鏡筒等に使用される超音波モータ等の振動アクチュエータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カメラのレンズ鏡筒のオートフォーカス駆動機構等において、超音波モータが用いられている。
超音波モータは、圧電体を備えた固定子と、回転運動を行う移動子からなり、圧電体に20kHzを超える超音波域の周波数(以下、駆動周波数)を有する電圧を印加することにより、移動子が回転を行う。
超音波モータは、駆動周波数を下げるにしたがい回転数が指数関数的に増加する。超音波モータの回転数は、駆動周波数と一対一に対応するのが理想であるが、実際には、超音波モータ個々でばらつきを有しており、また、超音波モータが駆動する対象物の負荷が異なることによっても、回転数と駆動周波数の対応関係が変わる。
【0003】
また、駆動周波数を生成する電圧制御発振器(以下、VCO)自身が入力電圧に対して発生する発振周波数の関係にもばらつきがある。
上述のような各種のばらつきによって、同じ駆動指示を与えても、超音波モータ毎に回転数が異なる場合が多かった。
従来、超音波モータを使用するレンズ鏡筒では、製品個々において搭載している超音波モータに合わせて、VCOの発振周波数を調整するために、半固定抵抗を使って調整を行える回路構成となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、VCOの発振周波数を調整する必要があるため、製品組立時に半固定抵抗の調整を行えるように、機構部品を形成しなければならないので、設計上の制約が大きいという問題があった。
また、調整を行う前にその製品個体に搭載されている超音波モータの特性を計測する必要があり、人手と時間がかかり、製品の単価を安くすることができないという問題があった。
【0005】
さらに、工場出荷時に調整を行っても、その調整作業時点における最良の状態に調整するだけである。したがって、実際の使用時点においては、温度・湿度などの使用環境、姿勢差、その後の使用による劣化等により、実際の駆動特性が理想的な駆動特性と一致せずにずれる場合が多かった。
【0006】
従来、このずれは、調整誤差とされ、制御対象の外乱として扱うことで、制御によってこれらの誤差分を吸収していた。
しかし、外乱として扱うということは、上記のような誤差は、見かけ上制御対象である被駆動物の負荷変動と等価に扱うこととなる。
制御の本来の目的は、所定の許容範囲内にある被駆動物の負荷変動に対して、その影響を除去することであり、除去できる負荷変動の許容範囲は広いほどよい。ところが、従来は、上記のように超音波モータ個々の駆動信号−回転速度特性の個体差、超音波モータの駆動信号の調整誤差は、制御対象の外乱として扱っていたので、制御可能な被駆動物の負荷変動の許容範囲が狭くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、製品個々のばらつきの校正作業を必要とせずに、あらゆる環境において、最適な駆動特性として駆動することができ、負荷変動の許容範囲が広い振動アクチュエータの制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、振動アクチュエータ(7)の実駆動速度を検出する駆動状態検出器(8)と、目標速度,前記実駆動速度及び標準である標準振動アクチュエータの駆動信号の周波数と駆動速度との対応に基づく標準駆動特性に基づいて実際の振動アクチュエータを駆動する駆動量に相当する操作量を算出する操作量算出部(100)と、を備えた振動アクチュエータの制御装置であって、前記振動アクチュエータが実際に駆動されている実駆動中の所定のタイミングにおいて、前記駆動状態検出器から得られた複数の実駆動速度と前記操作量算出部で算出された複数の操作量とに基づいた実駆動特性と、前記標準駆動特性との差を校正する校正値を算出する校正値算出部(101)と、前記校正値に基づいて前記標準駆動特性の傾きの校正を行う校正実行部(102)と、を備える振動アクチュエータの制御装置である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記所定のタイミングにおいて前記校正値算出部(101)が校正値を算出する動作は、振動アクチュエータの駆動制御サイクルにおいて前記操作量算出部(100)が前記操作量を算出する周期よりも長い間隔をおいて行われること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値算出部(101)は、前記校正値によって校正された操作量に基づいて、前記校正値を算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値算出部は、実駆動の加速度と前記操作量の変化率とに基づいて実駆動特性を求めること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0011】
請求項の発明は、請求項4に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値算出部(101)は、前記実駆動の開始初期における所定の期間内での前記実駆動の加速度と前記操作量の変化率とに基づいて、前記校正値算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0012】
請求項の発明は、請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記所定の期間は、前記実駆動の加速度の算出においては、駆動開始から前記振動アクチュエータの応答遅れ時間をおいた後からの所定の期間であり、前記操作量の変化率の算出においては、前記駆動開始からの所定の期間であること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0013】
請求項の発明は、請求項又は請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記操作量算出部(100)は、前記実駆動開始時において、前記振動アクチュエータの駆動が追従することができる操作量を算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0014】
請求項の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値算出部(101)は、第1の実駆動速度に対応する第1の操作量と、前記第1の実駆動速度よりも高速側の第2の実駆動速度に対応する第2の操作量とに基づいて、前記校正値を算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0015】
請求項の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値算出部(101)は、所定速度以下の低速で所定量の実駆動を行ったときの実駆動時間と、前記標準駆動特性から予想される予想駆動時間とに基づいて、前記実駆動特性と前記標準駆動特性との差分に相当するずれを校正するオフセット校正値を算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0016】
請求項10の発明は、請求項又は請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記校正値及び/又は前記オフセット校正値の算出は、駆動開始から前記振動アクチュエータの応答遅れ時間を考慮して算出すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による振動アクチュエータの制御装置を有するレンズ20とカメラ21からなるカメラシステムを示す図である。
レンズ20は、カメラ21に装着され、被写体像は、カメラ21にある不図示のファインダを介して視認することができる。
レンズ20及びカメラ21は、カメラ21に装着される不図示のバッテリを駆動電源とし、カメラ21の上面に設けられたレリーズボタン22を半押し状態にすることにより、レンズ20が駆動を開始する。
【0018】
レンズ20及びカメラ21には、それぞれを制御するための不図示のMCUが内蔵されている。レンズ20とカメラ21との間には、これらMCU間のデータ通信を行う信号ラインを接続する不図示の通信接点と、レンズ20内の電気回路を駆動するための電源ラインを接続する不図示の電源接点を有する。
レリーズボタン22を半押し状態にすることによって、カメラ21内のMCUは、通信接点を介して接続されたレンズ20内のMCU1(図2参照)に対して、スキャン(合焦位置を検出するために一定速度での駆動指示)またはサーボ(合焦に至るまでの駆動量指示)等の駆動指示を発する。
レンズ20内のMCU1は、これらコマンドを受けて、超音波モータ7(図2参照)を駆動することによりフォーカシングレンズを駆動する。
【0019】
図2は、レンズ20内に設けられている超音波モータ7の駆動回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるレンズ20は、MCU1、電圧制御発振器2(以下、VCO2とする)、位相回路3、振動体励振回路4,5、高圧電源6、超音波モータ7、速度検出器8を備えている。
【0020】
MCU1は、DA出力手段を備えており、不図示の入力データである指示回転速度と回転方向とにしたがって超音波モータ7の制御、及び、レンズ内のその他のアクチュエータの制御等を行う制御部である。
MCU1が行う超音波モータ7の制御は、具体的には、不図示の入力データに応じて、超音波モータ7の目標回転速度を決定して、後述の速度検出器8からの出力である超音波モータ7の現在の回転速度と前記目標回転速度とから操作量を求め、この操作量に基づいてVCO2に対してDA出力を行う。DA出力の範囲は0V〜4Vであり、DA出力値を上げることで超音波モータ7の回転速度は高速になる。
【0021】
また、位相回路3に対しては、超音波モータ7の回転方向を指示するための方向信号と、駆動を許可するための許可信号を出力する。
なお、MCU1は、DA出力−回転速度の理想特性(以下、標準特性と呼ぶ)を内部に有しており、これに基づいて出力すべきDA値を決定してDA出力を行う。
図3は、MCU1内部で有する標準特性としてのDA出力−回転速度特性、及び、周波数−回転速度特性を示す図である。
ここで、標準特性とは、図3(a)に示した超音波モータ7の周波数−回転速度特性で平均的な一般化した特性であり、周波数部分を本駆動回路構成におけるDA出力値に置き換えると、図3(b)に示すような特性となる。
【0022】
VCO2は、超音波モータ7の駆動周波数の4倍の周波数を生成するためのものであり、MCU1のDA出力値に応じて、生成した周波数を変化させる。MCU1からのDA出力が0Vのとき生成される周波数は、高い周波数になり、DA出力が上がるにしたがって周波数は下がる。これらDA出力の範囲に対応した周波数の範囲は、超音波モータ7の周波数−回転速度特性によって、超音波モータ7の速度制御を行うのに十分な周波数範囲となるように設定されている。
【0023】
位相回路3は、前記VCO2で生成した周波数を元に超音波モータ7の駆動周波数に等しい周波数を有する駆動信号Sa,Sbの2つの駆動信号を生成する回路である。MCU1からの方向信号に応じて駆動信号Sbは、駆動信号Saに対して位相が90°又は270°異なっている。これら2つの駆動信号Sa,Sbは、それぞれ振動体励振回路4,5に入力される。なお、位相回路3は、MCU1からの許可信号を受けない限り駆動信号Sa,Sbの出力を行わない。
【0024】
振動体励振回路4,5は、位相回路3からの駆動信号Sa,Sbをそれぞれ超音波モータ7の駆動が可能な高圧周波電圧に増幅して超音波モータ7の入力電極7a,7bに加える回路である。
【0025】
高圧電源6は、DCDCコンバータであり、不図示の給電電圧を超音波モータ7の駆動に必要な高電圧に昇圧して、振動体励振回路4,5へ給電を行う。
【0026】
超音波モータ7は、電気機械変換素子である圧電体を備え、圧電体の振動を駆動力として利用する振動アクチュエータである。超音波モータ7は、圧電体へ高圧周波電圧を印加するための2つの入力電極7a,7bを有し、振動体励振回路4,5からの位相の異なる2つの高圧周波電圧が入力電極7a,7bに印加されることにより、圧電体が励振されて、不図示の移動子を駆動する。
【0027】
速度検出器8は、超音波モータ7の回転速度を検出して、検出結果をMCU1に対して出力する駆動状態検出器である。MCU1は、速度検出器8の出力を得ることで超音波モータ7の回転速度を得ることができる。
【0028】
図4は、超音波モータ7を含む駆動回路構成における駆動特性を示す図である。
超音波モータ7単体での周波数−回転速度特性は、図4(a)のようになっているが、これをMCU1側から考えたときには、周波数ではなくDA出力値に対する回転速度特性となる。この場合、このDA出力−回転速度特性は、超音波モータ7のみでは決定できない。なぜならDA出力は前記VCO2に入力され、ここで初めて周波数に変換されるからである。このときのDA出力−周波数特性を図4(c)に示す。このVCO2では、DA出力に対する周波数特性は、工場出荷時における調整によって合わせ込むことも可能だが、調整誤差が生じる。このために全く同一の超音波モータ7を使用していても、VCO2の調整によってDA出力−回転速度特性は異なる。VCO2の周波数調整によって、周波数範囲が全体的に高い方にずれていた場合、周波数範囲が全体的に低い方にずれていた場合、周波数範囲の幅が狭い場合、周波数範囲の幅が広い場合があり、それぞれの例を5(b)に示す。
【0029】
このような駆動特性のずれを校正するために、本実施形態におけるMCU1は、駆動特性を校正する機能を備えている。
図5は、駆動特性を校正する機能を校正する部分を説明するブロック図である。
操作量算出部100は、目標速度と後述の速度演算部104により演算された速度が入力され、これらから操作量を出力する部分である。
校正値算出部101は、操作量算出部100が算出した操作量と後述の速度演算部104により演算された速度が入力され、これらから校正値を算出する部分である。
【0030】
校正実行部102は、操作量算出部100が算出した操作量と校正値算出部101が算出した校正値が入力され、操作量に対して校正を実行し、校正後の操作量を出力する部分である。
操作量/DA値変換部103は、校正実行部102により出力された校正後の操作量をDA値に変換し、VCO2へ出力する部分である。
速度演算部104は、超音波モータ7の回転を検出した速度検出器8からエンコーダ出力を受け取り、超音波モータ7の速度の演算を行う部分である。
【0031】
図6は、MCU1が行う動作の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、無限ループとなっており、これらステップ(以下、Sとする)1からS8までの一連の処理は、所定時間毎に繰り返される。以下の説明では、この所定時間を制御サイクルと呼び、本実施形態では、制御サイクル=2msとする。また、超音波モータ7が停止している状態から駆動を開始した時を1回目としてこれらS1からS8の実行回数を制御サイクル回数と呼ぶ。
【0032】
S1では、MCU1への不図示の入力データにより、超音波モータ7の駆動指示を受けている場合はS2へ進み、駆動停止の指示を受けている場合はS9へ進む。
S2では、位相回路3に対して許可信号を出力する。
S3では、位相回路3に対して方向信号を出力する。
【0033】
S4では、MCU1への不図示の入力データにしたがって目標速度を設定する。目標速度の設定には、不図示の入力データである指示回転速度の他に、制御サイクル回数も使用する。ここの処理の目的は、指示回転速度を最終的に目標速度とするものであるが、駆動開始から急激に目標速度を上げるようなことが無いように、ゆっくりと十分に前記超音波モータ7の回転がついていけるように目標速度を上げていくことである。具体的には、以下に示すように目標速度を順次設定する。
制御サイクル回数1回目の場合:目標速度=1[rpm]
制御サイクル回数<指示回転速度の場合:目標速度=制御サイクル回数[rpm]
制御サイクル回数>指示回転速度の場合:目標速度=指示回転速度[rpm]
【0034】
S5では、S4における目標速度設定により求められた目標速度と、速度検出器8の出力から得られた超音波モータ7の回転速度に基づいて速度制御の演算を行う。詳しくは、次式で示されるPI(proportional plus integral)制御を行う。
操作量=目標速度+比例項+積分項 ・・・式(1)
比例項=比例係数×速度誤差 ・・・式(2)
積分項=積分係数×Σ速度誤差 ・・・式(3)
速度誤差=目標速度−超音波モータ7の回転速度 ・・・式(4)
ここで、比例係数と積分係数は、速度制御を行う制御対象を含めた制御系で決定される固定値である。また、速度検出器8で検出された超音波モータ7の回転速度の単位と目標速度の単位と操作量の単位はいずれも1分当たりの回転数[rpm]で統一する。
【0035】
S6では、本発明に係る処理を行う。このS6における処理の詳細は後述するが、ここでは、2つの処理に分けることができる。1つは、DA出力−回転数特性の傾きを校正するためのγ校正値(以下、単にγ校正値とする)の算出であり、もう1つはγ校正値を使用しての操作量の変換(以下、γ校正とする)である。 S5で求められた操作量を、本処理によって超音波モータ7を含む制御系に対して最適化することでγ校正後の操作量に変換される。
【0036】
S7では、操作量を周波数に変換し、出力するDA値を求める。
超音波モータ7の回転速度は、印加する駆動信号Sa、Sbの周波数によって決定される。また、超音波モータ7の周波数−回転速度特性は、図3(a)のように周波数を下げることで指数関数的に回転速度が増加する。したがって、単にγ校正後の操作量をそのままDA出力とすることができない。そこで、本処理により操作量−周波数変換を行う。具体的には、超音波モータ7の標準特性に基づいて回転速度に対応した周波数をテーブル参照で求めるが、実際に求めるものは、周波数ではなくてDA値として出力する電圧値である。
【0037】
S8では、S7で求めたDA出力値を出力する。その後S1に戻る。
S9では、S1で駆動停止の指示を受けている場合は本処理で許可信号の出力を停止することで超音波モータ7の駆動を停止する。その後S1に戻る。
【0038】
図7は、図6におけるS6の処理を詳細に示したフローチャートである。
S11では、制御サイクル回数が9回目の場合はS12へ進み、それ以外(1〜8回目)の場合はS15へ進む。
S12では、超音波モータ7の応答遅れ時間を考慮して、後述するS17において保存した、制御サイクル数で5回目から8回目までの超音波モータ7の制御サイクル間の回転速度の変化を求めて平均加速度を算出する。
本実施形態では、定格速度(最大速度)を設定したときに、駆動開始指示から定格速度の63.2%の速度に達するまでの時間を、応答遅れ時間として用いることにより、良好な校正結果を得ることができた。
本実施形態では、上述のように制御サイクル数で3サイクルを所定の期間として、この3サイクル中における実駆動の加速度と操作量の変化率とに基づいて校正値の算出を行う。
S12における平均加速度の計算は、次式により行う。
平均加速度=(8回目回転速度−5回目回転速度)/3 ・・・式(5)
【0039】
S13では、S17において保存した制御サイクル数で1回目から4回目までのγ校正後の操作量から、制御サイクル間のγ校正後の操作量の差分を求めて、これらからγ校正後の操作量の平均変化率を算出する。S13におけるγ校正後の操作量の平均変化率の計算は、次式により行う。
γ校正後の操作量の平均変化率=(4回目γ校正後の操作量−1回目γ校正後の操作量)/3 ・・・式(6)
【0040】
S14では、S12及びS13において求めた超音波モータ7の平均加速度とγ校正後の操作量の平均変化率からγ校正値を算出する。超音波モータ7の回転速度の単位とγ校正後の操作量の単位とは同じであることから、S12及びS13において求めた超音波モータ7の平均加速度とγ校正後の操作量の平均変化率も同一の単位である。
ここで、超音波モータ7の前記平均加速度とγ校正後の操作量の平均変化率との関係は、超音波モータ7を含む図2に示した駆動回路構成が標準特性を有する場合、両者は一致するはずである。これは、操作量に対して超音波モータ7が期待通りの応答を示すと言うことであり、それは操作量と同一の動きをするということである。
【0041】
一方、超音波モータ7を含む図2に示した駆動回路構成が標準特性でない場合は、次の2つの状態がある。
第1に、“超音波モータ7の平均加速度>γ校正後の操作量の平均変化率”となる場合である。これは、操作量の変化に対して超音波モータ7の変化が大きく、超音波モータ7を含む図2に示した駆動回路構成のDA出力−回転速度特性が標準特性に対して高回転側にずれている場合である。
【0042】
第2に、“超音波モータ7の平均加速度<γ校正後の操作量の平均変化率”となる場合である。これは、操作量の変化に対して超音波モータ7の変化が小さく、超音波モータ7を含む図2で示した駆動回路構成のDA出力−回転速度特性が標準特性に対して低回転側にずれている場合である。
【0043】
これらのずれに対して、本ステップにおける処理により超音波モータ7が標準特性と一致するようにγ校正値を次式によって求める。
γ校正値=γ校正後の操作量の平均変化率/超音波モータ7の平均加速度 ・・・式(7)
【0044】
S15では、S14において求めたγ校正値を使用して操作量のγ校正計算を、次式により行う。
γ校正後の操作量=γ校正値×操作量 ・・・式(8)
このようにγ校正を行うことにより、超音波モータ7の駆動特性が高回転側にずれている場合には、γ校正値が1未満の値となって、γ校正後の操作量は、超音波モータ7が良く回る分を見越して小さめの値となる。逆に、超音波モータ7の駆動特性が低回転側にずれている場合は、γ校正値が1を超えるものとなって、γ校正後の操作量は、超音波モータ7が回転しにくい分を見込んだ大きめの値となる。このように、操作量を校正することにより超音波モータ7の実際の回転速度を、最初に期待している回転速度とすることができる。
【0045】
S16では、制御サイクル数が9回目未満か否かを判断する。9回目未満の場合はS17へ進み、そうでない場合はS15へ進む。
S17では、S12,S13において使用するその制御サイクルにおける超音波モータ7の回転速度とγ校正後の操作量を保存する。本処理は、制御サイクル数で9回目未満のときにのみ実施するが、これは制御サイクル数で9回目に校正量の算出を行うため、この算出の時点までのデータが有ればよいからである。
【0046】
図8は、本実施形態における動作結果の一例を示す図である。
なお、図8は、概念図であるので、図示した操作量は、速度制御がなされていない場合について示している。
図8に示した例では、超音波モータ7を含む図2で示した回路構成において、DA出力−回転速度特性が標準特性に対して2割回転速度が高い場合を想定している。また、電源投入後の最初の駆動であることを前提とし、最初のγ校正値は1である。
【0047】
MCU1への不図示の入力データにより指示回転速度が20[rpm]だったとすると、制御サイクルで1回目から9回目までの目標速度(操作量)は、図8の実線で示した操作量の様に変化する。これに対して超音波モータ7の実際の回転速度は、図8の破線のように応答遅れ時間分遅れてから速度が上がって行くがその傾きは大きく、1.2倍となる。したがって、式(5)及び式(6)によって求められる超音波モータ7の平均加速度とγ校正後の操作量の平均変化率は、それぞれ次の値となる。
超音波モータ7の平均加速度={(4.8−3.6)+(3.6−2.4)+(2.4−1.2)}/3=1.2
γ校正後の操作量の平均変化率={(4−3)+(3−2)+(2−1)}/3=1
【0048】
以上の値から式(7)により以下のように、γ校正値を求める。
γ校正値=γ校正後の平均変化率/超音波モータ7の平均加速度=1/1.2=0.833
ここで求まったγ校正値を使用してγ校正後の操作量を求めると、例えばγ校正前の操作量が10(=10[rpm])の場合では、次のようになる。
γ校正後の操作量=γ校正値×操作量=0.833×10=8.33
ここに示した例では、超音波モータ7は、標準特性に対して2割高く回転するものとして考えたので、γ校正後の操作量による回転速度は、次のようになる。
γ校正後の操作量による回転速度8.33×1.2=10[rpm]
【0049】
なお、本実施形態では、γ校正値を式(7)により求めたが、次のようにしても良い。
γ校正値=1+Σ(ズレ量×係数)
ズレ量=操作量の平均変化率−超音波モータ7の平均加速度 ・・・式(9)
【0050】
ここで、ズレ量にかけている係数とは、γ校正値とズレ量の単位変換を行い、かつ、収束の度合いを決定するための係数である。この場合は、図7のS13において求めるものは、“γ校正後の操作量の平均変化率”ではなくて、“γ校正前の操作量の平均変化率”である。これは、式(9)において“操作量の平均変化率”を使用しているからであり、ここで“γ校正後の操作量の平均変化率”ではなくて“γ校正前の操作量の平均変化率”を使用しているのは、γ校正前の操作量と超音波モータの回転速度とを比較することにより、γ校正値を求めるようにしているためである。
【0051】
本実施形態によれば、工場出荷時に製品個々のばらつきの校正作業を必要とせずに、MCU1からは標準特性と一致したものと同等に扱えるようになり、これにより超音波モータ7の個々の駆動信号−回転速度特性の個体差、駆動信号の調整誤差を制御対象の外乱として扱う必要が無くなる。よって、あらゆる環境において、最適な駆動特性として駆動することができ、負荷変動の許容範囲を広くすることができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、駆動回路の構成及びDA出力から回転速度の関係については、第1実施形態と同一であるので、これらの重複する説明は省略する。
第1実施形態では、DA出力−回転数特性の傾きの校正のみであったが、第2実施形態では傾きの校正に加えてDA値の校正(以下、オフセット校正と呼ぶ)も行う。また傾きの校正値算出についても第1実施形態とは別の算出方法について説明する。
【0053】
図9は、第2実施形態におけるMCU1の動作の流れを示すフローチャートである。
第2実施形態におけるMCU1の動作が、1実施形態と異なる点は、S23のオフセット校正値算出とS22のオフセット校正の処理が追加されている点である。
S1からS9までは、第1実施形態と同内容の動作を行う。
S22では、S7で操作量−周波数変換で求めたDA出力値にオフセット校正値を加算して、オフセット校正を行う。
S23では、オフセット校正値の算出を行う。このS23における処理の詳細は後述する。
【0054】
図10は、本実施形態における傾きγの校正値算出方法について説明する図である。
駆動状態における操作量と実際の回転速度の関係は、図10(a)に示したように、応答遅れ分あとに操作量に対応する実際の回転速度となるため、この応答遅れ分を考慮して高速側と低速側の計測を行う。
本実施形態では、定格速度(最大速度)を設定したときに、駆動開始指示から定格速度の63.2%の速度に達するまでの時間を、応答遅れ時間として用いることにより、良好な校正結果を得ることができた。
操作量と実際の回転速度の対応関係は、図10(b)に示すように1対1に対応している。傾きγにズレを有する特性の場合には、図中に実線により示したように標準特性(破線)からズレており、高速側と低速側の操作量と実際の回転速度が分かれば傾きのズレを求めることができる。本実施形態におけるγ校正の算出式は次式による。
γ校正値=(操作量の2点間の差)/(実際の速度の2点間の差) ・・・式(10)
【0055】
図11は、第2実施形態におけるオフセット校正値の算出方法とオフセット校正方法について説明する図である。
図11(b)に示すようにオフセット校正は、DA出力−回転速度特性の周波数方向へのズレ分についての校正である。したがって、オフセット校正は、DA出力の前に操作量−周波数変換により求まったDA値に対してオフセット校正分のDA値を加算して、周波数方向へのズレを校正する。
オフセット校正値の算出は、この周波数方向のズレ分を検出してこのズレ分に応じてオフセット校正値を求めることとなる。
【0056】
DA出力−回転速度特性の周波数方向へのズレは、小さな移動量を指定された際の駆動において、駆動が完了するまでの時間の差となって現れる。小さな移動量を指定された際の駆動とは、不図示の位置制御用のエンコーダ上で例えば、数パルスから数十パルスといった微小な量の移動による位置制御を行うような場合の駆動を指す。このときの駆動は、わずかな量を動かすことになるので超音波モータ7の回転速度は低速で一定〔図11(b)内でDA値=DA(A)に対応する回転速度A〕となるため、周波数方向へのズレは、回転速度のズレ〔実際の回転速度は、図11(b)内の回転速度B〕となり、結果として駆動完了するまでの時間として計測することができる。
従って、図11(a)に示したように指定パルス数分の移動を指示されたときの、駆動完了までの実際の駆動時間と、この駆動完了までの目標速度から求まる予想駆動時間との差からオフセット校正値を求めることができる。
【0057】
図12は、図9におけるMCU1のS21の操作量校正処理についての詳細なフローチャートである。
S31では、高速側と低速側のデータ保存がともに完了しているか否かの判断を行う。高速側のデータ保存が完了し、かつ、低速側のデータ保存が完了している場合はS37へ進み、そうでない場合はS32へ進む。
S32では、今回の超音波モータ7の回転速度と、不図示の記憶部に記憶してある超音波モータ7の応答遅れ時間分過去の校正後の操作量をデータとして取得し一時的に保存する。
【0058】
S33では、高速側データとして有効か否かの判断を行い、高速側データとして使用可能な場合にはS34へ進み、そうでない場合にはS35へ進む。
S34では、高速側データとしてS32において取得したデータを保存する。
S35では、低速側データとして有効か否かの判断を行い、低速側データとして使用可能な場合にはS36へ進み、そうでない場合にはS38へ進む。
S36では、低速側データとしてS32において取得したデータを保存する。
【0059】
S37では、高速側と低速側のデータがそろったので、これらのデータから傾きの校正値の算出を行う。
S38では、操作量の校正計算を行う。
【0060】
図13は、図9におけるMCU1のS23のオフセット校正値算出についての詳細なフローチャートである。
S40では、 オフセット校正値の算出条件を満たしているか否かの判定を行う。ここで、算出条件とは、微小な量の移動させるための位置制御の駆動であるか否か、かつ、不図示の記憶部に保存してある今回の駆動中の目標速度全てが所定の回転速度以下であるか否か、である。算出条件を満たしている場合には、S41に進み、算出条件を満たさない場合には、そのままS8(図9参照)に進む。
【0061】
S41では、今回の駆動における目標速度の平均値を次式により算出する。
目標速度の平均値=Σ(駆動中の全ての制御サイクルにおける目標速度)/駆動中の制御サイクル数 ・・・式(11)
S42では、駆動指示パルス数と目標速度の平均値から予想駆動時間を以下の式により算出する。
予想駆動時間=(駆動指示パルス数/目標速度平均値)×算出係数1 ・・・式(12)
ここで、算出係数1は、予想駆動時間と駆動パルス数と目標速度のそれぞれで単位が異なるため、これらの単位を変換するための係数である。
【0062】
S43では、実際の駆動時間とS42で求めた予想駆動時間からオフセット校正値変化分を次式により算出する。
オフセット校正値変化分=(実際の駆動時間−予想駆動時間)×算出係数2 ・・・式(13)
ここで、算出係数2は、オフセット校正値の変化の割合を定めるためと、駆動時間とオフセット校正値の単位を変換するための、2つの役割を果たす係数である。
【0063】
S44では、前回のオフセット校正値とS43で求めたオフセット校正値変化分からオフセット校正値を次式により算出する。
オフセット校正値=前回のオフセット校正値+オフセット校正値変化分 ・・・式(14)
【0064】
本実施形態によれば、傾き校正に加えて、オフセット校正も行うので、標準特性により近い特性により駆動することができる。
【0065】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施形態において、操作量/DA値変換部103により、校正実行部102から出力された校正後の操作量をDA値に変換する例を示したが、これに限らず、例えば、校正実行部102によりDA値への変換も行うようにしてもよい。
【0066】
(2)各実施形態において、図7におけるS12とS13では、制御サイクルで9回未満のデータを使い、操作量の平均変化率は制御サイクルで1回目から4回目を使い、超音波モータ7の平均加速度は5回目から8回目を使い、それぞれ算出する例を示したが、これに限らず、これらは、実際に制御を行うそれぞれの制御系で最適となる回数及び制御サイクルでの値を使えばよい。
【0067】
(3)第2実施形態において、操作量と実際の回転速度の計測を1回のみ行う例を示したが、これは1回に限定されるものではなく、連続した複数回の平均値を使用しても良い。また、γ校正とオフセット校正の両方を同時に行うように示したが、オフセット校正のみ単独でも、効果は得られる。
【0068】
(4)第2実施形態において、オフセット校正値の算出を駆動時間と予想駆動時間から求めるようにする例を示したが、これは、操作量と実際の回転速度に対応するものなので、これに限らず、例えば、操作量と実際の回転速度からオフセット校正値を求めるようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)振動アクチュエータが実際に駆動されている実駆動中の所定のタイミングにおいて、速度検出器から得られた実駆動特性と、標準である標準振動アクチュエータの標準駆動特性との差を校正する校正値を算出する校正値算出部と、実駆動中に校正値を操作量に加味して、実駆動特性を標準駆動特性に近づけるように操作量の校正を行う校正実行部とを備えるので、製品個々のばらつきの校正作業を行わなくても、超音波モータの最適な動作点で動作させることができる。これによって、超音波モータ個々の駆動信号−回転速度特性の個体差、超音波モータの駆動周波数の調整誤差は制御対象の外乱として扱う必要がなくなり、本来制御の目的としてのメカ側の広い範囲の負荷変動に対してその影響を除去することができる。
【0070】
(2)所定のタイミングにおいて校正値算出部が校正値を算出する動作は、操作量算出部が操作量を算出する周期よりも長い間隔をおいて行われるので、速度制御に影響を与えることなく、校正を行うことができる。
【0071】
(3)校正値算出部が新たに算出した校正値を、それ以前の校正値にさらに反映して校正を行うので、より高精度の校正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による振動アクチュエータの制御装置を有するレンズ20とカメラ21からなるカメラシステムを示す図である。
【図2】レンズ20内に設けられている超音波モータ7の駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】MCU1内部で有する標準特性としてのDA出力−回転速度特性、及び、周波数−回転速度特性を示す図である。
【図4】超音波モータ7を含む駆動回路構成における駆動特性を示す図である。
【図5】駆動特性を校正する機能を校正する部分を説明するブロック図である。
【図6】MCU1が行う動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6におけるS6の処理を詳細に示したフローチャートである。
【図8】本実施形態における動作結果の一例を示す図である。
【図9】第2実施形態におけるMCU1の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態における傾きγの校正値算出方法について説明する図である。
【図11】第2実施形態におけるオフセット校正値の算出方法とオフセット校正方法について説明する図である。
【図12】図9におけるMCU1のS21の操作量校正処理についての詳細なフローチャートである。
【図13】図9におけるMCU1のS23のオフセット校正値算出についての詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1 MCU
2 VCO
3 位相回路
4,5 振動体励振回路
6 高圧電源
7 超音波モータ
8 速度検出器
20 レンズ
21 カメラ
22 レリーズボタン
100 操作量算出部
101 校正値算出部
102 校正実行部
103 操作量/DA値変換部
104 速度演算部

Claims (10)

  1. 振動アクチュエータの実駆動速度を検出する駆動状態検出器と、
    目標速度,前記実駆動速度及び標準である標準振動アクチュエータの駆動信号の周波数と駆動速度との対応に基づく標準駆動特性に基づいて実際の振動アクチュエータを駆動する駆動量に相当する操作量を算出する操作量算出部と、
    を備えた振動アクチュエータの制御装置であって、
    前記振動アクチュエータが実際に駆動されている実駆動中の所定のタイミングにおいて、前記駆動状態検出器から得られた複数の実駆動速度と前記操作量算出部で算出された複数の操作量とに基づいた実駆動特性と、前記標準駆動特性との差を校正する校正値を算出する校正値算出部と、
    前記校正値に基づいて前記標準駆動特性の傾きの校正を行う校正実行部と、
    を備える振動アクチュエータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記所定のタイミングにおいて前記校正値算出部が校正値を算出する動作は、振動アクチュエータの駆動制御サイクルにおいて前記操作量算出部が前記操作量を算出する周期よりも長い間隔をおいて行われること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値算出部は、前記校正値によって校正された操作量に基づいて、前記校正値を算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値算出部は、実駆動の加速度と前記操作量の変化率とに基づいて実駆動特性を求めること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  5. 請求項4に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値算出部は、前記実駆動の開始初期における所定の期間内での前記実駆動の加速度と前記操作量の変化率とに基づいて、前記校正値算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  6. 請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記所定の期間は、前記実駆動の加速度の算出においては、駆動開始から前記振動アクチュエータの応答遅れ時間をおいた後からの所定の期間であり、前記操作量の変化率の算出においては、前記駆動開始からの所定の期間であること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  7. 請求項又は請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記操作量算出部は、前記実駆動開始時において、前記振動アクチュエータの駆動が追従することができる操作量を算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  8. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値算出部は、第1の実駆動速度に対応する第1の操作量と、前記第1の実駆動速度よりも高速側の第2の実駆動速度に対応する第2の操作量とに基づいて、前記校正値を算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  9. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値算出部は、所定速度以下の低速で所定量の実駆動を行ったときの実駆動時間と、前記標準駆動特性から予想される予想駆動時間とに基づいて、前記実駆動特性と前記標準駆動特性との差分に相当するずれを校正するオフセット校正値を算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  10. 請求項又は請求項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、
    前記校正値及び/又は前記オフセット校正値の算出は、駆動開始から前記振動アクチュエータの応答遅れ時間を考慮して算出すること、
    を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
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