JP4123701B2 - 車両の減速エネルギ回生方法及び装置 - Google Patents

車両の減速エネルギ回生方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の減速エネルギの回生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の減速時にもつ慣性エネルギを回生するための装置として、実開平5−1455号公報や、特開平10−250402号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者は車両の制動時にオイルポンプ/モータを介して畜圧器に油圧エネルギを蓄え、発進時にオイルモータを駆動し、ギヤボックスを経由して車両の駆動力を補助しているため、畜圧器に蓄えたエネルギの使用が限定されていた。
【0004】
また、後者は、減速時に畜圧器に蓄えた油圧エネルギを自動変速機の油圧源としたり、車両の駆動力の補助に利用しているため、やはり同じような問題があり、また、オイルを畜圧器に圧力エネルギとしてのみ貯めるには、エネルギ回生効率、利用効率に限界があるという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するために提案されたもので、車両の減速エネルギを効率よく回生し、かつ効率よく利用することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車両の減速時に駆動される油圧ポンプからのオイルを、圧力応動部材で仕切られたオイル室とガス室をもつ畜圧容器のオイル室に圧送してガス室の冷媒ガスを圧縮し、この圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給することでエアコンコンプレッサの負荷を減らしてエアコン機能を補助し、畜圧容器の内部圧力が規定値以下のときに畜圧容器のオイル室のオイルを油圧ポンプモータを経由して解放し、かつエアコン冷媒回路からの冷媒ガスをガス室に導入して畜圧容器の初期化を行うことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、冷媒ガスが流れるエアコン冷媒回路と接続し、その冷媒ガスを吸入圧縮するエアコンコンプレッサと、車両の駆動軸に選択的に連動する油圧ポンプモータと、圧力応動部材で仕切られたオイル室とガス室をもつ畜圧容器と、オイル室と油圧ポンプモータとを接続する通路と、ガス室とエアコン冷媒回路とを接続する通路とを備え、車両減速時に駆動される油圧ポンプモータによりオイル室にオイルを供給し、そのオイル供給により前記ガス室の容積を減らすことで冷媒ガスを圧縮し、この圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給することでエアコンコンプレッサの負荷を減らすエアコン機能補助手段と、畜圧容器の内部圧力が規定値以下のときに畜圧容器のオイル室のオイルを油圧ポンプモータを経由して解放し、かつエアコン冷媒回路からの冷媒ガスをガス室に導入して畜圧容器の初期化を行う蓄圧容器初期化手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、車両が停止中のエアコン作動時に畜圧容器の圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給してエアコン機能を補助する。
【0009】
第4の発明は、第3の発明において、前記冷媒ガスが供給されるときは、エアコンコンプレッサの作動が停止される。
【0010】
第5の発明は、第2〜第4の発明において、車両の発進加速時に畜圧容器の加圧オイルを油圧ポンプモータに供給してモータ駆動し、車両の駆動力を補助する。
【0011】
第6の発明は、第2〜第5の発明において、前記油圧ポンプモータはクラッチを介して車両駆動軸と選択的に連動し、クラッチは車両の減速時に接続し、かつ畜圧容器の内部圧力が上限値に達したときに接続が解除される。
【0013】
の発明は、第2〜第の発明において、前記エアコン冷媒回路への冷媒ガスの供給は畜圧容器の内部圧力が規定値以上のときに実行される。
【0014】
の発明は、第2〜第の発明において、前記油圧ポンプモータへの加圧オイルの供給は畜圧容器の内部圧力が規定値以上のときに実行される。
【0015】
第1あるいは第2の発明において、車両の減速時に走行慣性エネルギにより油圧ポンプが駆動され、この吐出オイルによりエアコンの冷媒ガスが圧縮され、圧縮された冷媒ガスは、必要に応じてエアコン冷媒回路に供給されることにより、エアコン機能を補助する。これにより冷媒を圧縮するエアコンコンプレッサの負荷を減らし、燃費の改善が図れる。とくに圧縮率の大きい冷媒ガスに回生エネルギを蓄え、これにより冷房機能を補うので、エネルギの回生効率と、その利用効率がよい。
また、畜圧容器の内部圧力が規定値以下となったときには、いったんオイル室のオイルが排出され、ガス室が最大化してから圧縮をするので、次のエネルギ回生が十分に行われ、かつ回生エネルギの放出も十分に効果的に実行できる。
【0016】
第3、第4の発明では、車両の停車中に冷媒をエアコン冷媒回路に供給することで、停止時のエアコン駆動負荷を減らし、あるいはエアコンコンプレッサを停止することにより、エンジンの停止も可能とし、アイドルストップによる燃費や騒音の低減も可能となる。
【0017】
第5の発明によれば、車両の発進加速時に加圧オイルを油圧モータに供給し、車両の駆動力をアシストすることで、車両の加速特性を高め、かつ燃費の改善も図れる。
【0018】
第6の発明では、車両の減速時に畜圧容器に蓄えたオイルにより、内部圧力が上限値に達したならば、それ以上の加圧は行われない。したがって畜圧容器の内部圧力が必要以上に高くならず、その耐久性が確保される。
【0020】
第8、第9の発明によれば、畜圧容器の内部圧力が規定値以上のときにのみ冷媒やオイルの供給が行われ、常に適正な冷房機能や動力補助機能を得ることができる。
【0021】
【実施の形態】
図1、図2に本発明の実施の形態を示す。
【0022】
この実施の形態において、車両の駆動システムは、車両の補機駆動と車両の発進、加速などをアシストする副エンジン1と、車両の走行用の駆動力を供給する主エンジン2と、これら副エンジン1の動力と主エンジン2の動力を接続できる主副クラッチ機構3とから構成される。
【0023】
そして、この駆動システムにおいて、車両の減速時などに車両のもつ走行慣性エネルギを回生し、これをエアコンの冷房機能と車両の発進機能の補助に利用するエネルギ回生機構4が備えられる。
【0024】
前記副エンジン1は単気筒エンジンであり、クランクプーリとベルトを介して、オルタネータ11、タンデム油圧ポンプ(パワステ、自動変速機用ポンプ)12、エアコンコンプレッサ13等の補機を駆動し、またその始動はスタータ14によって行われる。
【0025】
主エンジン2は3気筒エンジンであり、補機の駆動は行わず、その動力はもっぱら車両走行のための駆動力として自動変速機5を介して車両の駆動軸6に伝達される。
【0026】
副エンジン1は車両の始動操作に伴い運転を開始され、補機駆動に必要な駆動力を供給できかつ燃費の良い一定の出力に制御される。ただし、オルタネータ11によるバッテリの充電が十分なとき、エアコン冷媒のガス圧が規定値以上のときなど定められた条件が成立したときに運転が停止される。
【0027】
これに対して主エンジン2は、図示しないアクセルペダルの操作量に応じてその出力が可変的に制御されるが、通常の走行中であっても、所定のエンジン停止条件が成立、例えば、車両がアイドル運転状態で一時停止したとき(アイドルストップ)、あるいは自動変速機がロックアップ状態での減速燃料カット時などにに燃料カットを行う。ただし、運転を停止した主エンジン2の始動は、副エンジン1が作動しているときは主副クラッチ機構3を接続して副エンジン1の動力でクランキングし、また副エンジン1が非作動のときは主副クラッチ機構3を接続した状態でスタータ14により同時に始動する。なお、主エンジン2が始動したら主副クラッチ機構3は遮断される。
【0028】
また、主エンジン2が燃料カットできる減速時には、主副クラッチ機構3を接続した状態で副エンジン1についても燃料カットし、車速が低下して燃料カット条件が解消されたら燃料カットリカバーし、主副クラッチ機構3を遮断する。
【0029】
副エンジン1は、主エンジン2が停止している状態で車両を発進あるいは再加速するときに主エンジン2を始動させ、また主エンジン2が動力を発生するまでの空白時間に車両を加速する動力を補填する。
【0030】
このため、主副クラッチ機構3は、通常は副エンジン1を主エンジン2から切り離しているが、副エンジン1の動力を主エンジン2側に伝達する必要のあるときは接続され、副エンジン1の動力により主エンジン2を始動したり、副エンジン1の動力を自動変速機5を経由して駆動軸側に伝達する。なお、動力の接続、遮断は電磁クラッチあるいはボークリングを電磁的に動かしドグギアを繋ぐ機構などにより行う。
【0031】
前記エネルギ回生機構4の一部を構成するために、駆動軸6にクラッチ21(及び変速ギヤ)を介して連動する吐出量可変式の油圧ポンプ兼用モータ(油圧ポンプモータ)23が備えられる。この油圧ポンプ兼用モータ23は、例えば容積式のポンプと軸流式のタービンを持った構成となっていて、車両の減速時に駆動軸6からの回転で駆動される油圧ポンプとして機能し、このとき蓄えた油圧により車両の発進時などにタービンを回転させることで、駆動軸6に動力を供給し、発進駆動力を補助したりする。
【0032】
この油圧ポンプ兼用モータ23からのオイルを貯めておくために畜圧容器25が備えられ、その内部は、図3にも示すように、フリーピストン(ダイアフラムなども含む圧力応動部材)26でオイル室27とエアコン冷媒を一時的に蓄えるガス室28に仕切られる。なお、38は内部圧力を検出する圧力センサ、39はフリーピストン26の限界位置を検出するための位置センサである。
【0033】
オイル室27には油圧ポンプ兼用モータ23のポンプ吐出側に一方向弁29aを介して接続するオイル供給通路29と、同じくモータ導入側に畜圧容器側からの一方向かつ遮断機能をもつ弁30aを介して接続するオイル排出通路30が接続する。なお、油圧ポンプ兼用モータ23のポンプ吸込側とモータ排出側はオイルのリザーバタンク31に接続され、ポンプ作用時にはリザーバタンク31のオイルを畜圧容器25のオイル室27に送り込んで畜圧し、モータ作用時にはオイル室27からの高圧オイルでモータを回転させた後にリザーバタンク31へ排出する。
【0034】
また、油圧ポンプ兼用モータ23のガス室28には、エアコンコンプレッサ13のエアコン冷媒回路の入口側に一方向弁33aを介して接続する低圧通路33と、同じくその出口側に畜圧容器側からの一方向かつ遮断機能をもつ弁34aを介して接続する高圧通路34が接続する。
【0035】
車両の減速時に畜圧容器25に蓄えられたオイルにより圧縮、高圧化されたガス室28の冷媒ガスを、エアコン作動時にはエアコン冷媒回路に送り込むことにより、エアコンコンプレッサ13の機能を補い、冷媒供給能力を高めたり、あるいはエアコンコンプレッサ13の作動停止時(副エンジン停止時を含む)にも冷房機能を維持可能とする。
【0036】
この減速エネルギ回生機構4を構成する各部位の動作については、マイクロプロセッサなどで構成されるコントローラ40によって制御されるが、この制御内容について、図4から図6のフローチャートにしたがってさらに詳しく説明することにする。
【0037】
図4は畜圧容器に対するオイル充填動作の制御ルーチンである。
ステップS11で車両が減速状態にあるかどうか判断し、減速状態のときはステップS12に進んで畜圧容器25の内部圧力が上限値以下かどうか判断する。なお、畜圧容器25の内部圧力は圧力センサ38により検出される。
【0038】
上限値以下のときは、ステップS13で畜圧容器25のエアコン側の高圧通路34の弁34aを閉じ、エアコン側にガス圧が流出しないようする。
【0039】
次いで、ステップS14でブレーキペダルの踏力などから要求制動力を検知し、これに応じて油圧ポンプ兼用モータ23のポンプ吐出量を設定する。この場合、ポンプ吐出量を大きくするほど制動力は大きくなる。
【0040】
ステップS15でモータ側の排出通路30の弁30aを閉じ、ステップS16で油圧ポンプ兼用モータ23を駆動軸6側に連動させるためのクラッチ21をオンにして接続する。これにより、油圧ポンプ兼用モータ23が油圧ポンプとして減速時の車両のもつ慣性エネルギにより回転駆動され、オイルを供給通路29を経由して畜圧容器25のオイル室27に送り込む。
【0041】
以下ステップS11に戻り、減速運転中は、このようにして畜圧容器25にオイルを貯め込んでいき、ステップS12で畜圧容器25の圧力が上限値に達したならば、オイルの充填動作を終了するために、ステップS17以降に進む。
【0042】
ステップS17ではクラッチ21をオフにして油圧ポンプ兼用モータ23に対する回転の伝達を遮断し、油圧ポンプの駆動を停止し、オイルの充填動作を終了する。なお、ステップS11で減速状態にないと判断された場合も、クラッチ21をオフにしてオイルの充填動作は行わなず、減速時以外は、車両走行の負荷抵抗が増すことのないようにする。
【0043】
次に、図5により畜圧容器からのオイル、冷媒ガスの放出動作の制御ルーチンを説明する。
【0044】
ステップS21で畜圧容器25の圧力が前記上限値よりは低い所定の規定値以上かどうか判断し、規定値に達していないときは、ステップS37に進んで畜圧容器25からのオイルの放出を許可せず、回生エネルギの放出は実行しない。
【0045】
これに対して規定値以上のときは、まずステップS22で車両が停車中かどうかの判断を行い、もしも停車中ならばステップS23に進み、エアコンの作動中かどうかを判断する。
【0046】
エアコン作動中ならば、ステップS24でエアコンコンプレッサ13のクラッチをオフにして副エンジン1による駆動状態を遮断する。そして、ステップS25でエアコン冷媒回路の圧力レギュレータ弁の圧力調整を行い、ステップS26で畜圧容器25からの高圧通路34の弁34aを開弁する。さらにステップS27でエアコン配管の冷媒圧力が規定値以上であることが確認されれば、ステップS21に戻り、以上のサイクルを継続する。
【0047】
このようにして、畜圧容器25の冷媒ガス圧力が十分に高い状態にあれば、エアコンコンプレッサ13が駆動されなくても冷媒ガスを供給してエアコンを作動させることができるので、クラッチを遮断し、これにより副エンジン1の負荷を軽減する。なお、この状態で副エンジン1に対する負荷要求が低いとき、例えばバッテリ充電量や自動変速機5の油圧が十分なときなど、副エンジン1の作動も停止することが可能となる。
【0048】
ステップS27でエアコン配管圧力が規定値以下に低下したことを検出したときには、ステップS28、29に進んで、前記高圧通路34の弁34aを閉じ、畜圧容器25からの冷媒ガスの放出を停止し、ステップS29でエアコンコンプレッサ13のクラッチをオンに戻す。このようにエアコン配管圧力が低下し、冷媒の供給が不十分になるときは、畜圧容器25からの冷媒供給を停止し、回生エネルギの放出を止めると共に、エアコンコンプレッサ13を作動させて通常のエアコン制御に復帰させる。
【0049】
次に、前記ステップ22で車両が停止中でないと判断されたとき、及びステップS23でエアコンが作動中でないときは、ステップS30に移行し、ここでは車両が発進加速状態にあるかどうか判断する。
【0050】
発進加速状態でなければ、ステップS37に進んで前記のとおり回生エネルギの放出は許可しないが、発進加速状態のときは、ステップS31で畜圧容器25の油圧モータ導入側の圧力レギュレータ弁の圧力を調整し、ステップS32で油圧ポンプ兼用モータ23のクラッチ21を接続し、駆動軸6に駆動力が伝達可能な状態にすると共に、ステップS33で排出通路30の弁30aを開き、畜圧容器25のオイル室27に蓄えた高圧オイルを油圧ポンプ兼用モータ23の油圧モータに供給する。
【0051】
これにより、油圧ポンプ兼用モータ23は油圧モータとして作動し、発進加速状態にある車両の駆動軸6には、油圧モータによる駆動力が付加され、回生エネルギを利用して発進加速がアシストされる。
【0052】
ステップS34では畜圧容器25の圧力が規定値以上かどうかの確認が行われ、規定値以上のときステップS30に戻り、上記のサイクルが継続される。
【0053】
圧力が規定値よりも低下すると、ステップS35に移り、油圧モータのクラッチ21をオフにして駆動軸6への動力の伝達を遮断し、ステップS36で排出通路30の弁34aを閉弁し、畜圧容器25からのオイル放出を終了する。
【0054】
このようにして、畜圧容器25に蓄えられた回生エネルギが十分にあるときは、車両の発進加速駆動力をアシストする。
【0055】
次に図6に従って畜圧容器を初期化する制御ルーチンについて説明する。
【0056】
この畜圧容器25の初期化は、畜圧容器25の圧力が下がったときに冷媒ガスを初期状態(最大量)まで導入する動作であり、ステップS41で畜圧容器25の圧力が規定値以下かどうか判断し、規定値以下ならば、ステップS42でエアコン作動状態かどうかの判断を行う。
【0057】
この場合、もし、上記圧力が規定値以上またはエアコンが作動状態でないときは、いずれもステップS46で初期化を行わない。
【0058】
これに対して、ステップS42でエアコン作動状態のときは、ステップS43で畜圧容器25の油圧モータ側の排出通路30の弁34aを開弁し、オイル室27からのオイルの排出を可能な状態にする。
【0059】
これにより畜圧容器25の圧力が解放され、ガス室28には低圧通路33の一方向弁33aを介してエアコン冷媒回路の低圧(約0.3Mpa〜0.6Mpa)の冷媒ガスが自動的に充填される。なお、オイル室27のオイルは油圧モータを経由してリザーバタンク31に還流される。
【0060】
そして、ステップS44で畜圧容器25のフリーピストン26の位置がガス室28のを最大にする限界位置に到達したかどうか判断し、ガス室28が最大になるまで冷媒ガスの充填動作を継続する。ガス室28が最大になったことをフリーピストン位置により確認したら、ステップS45で前記排出通路30の弁30aを閉じ、畜圧容器25の初期化動作を終了する。
【0061】
したがって、畜圧容器25は内部の圧力が規定値以下になったときには、いったんオイル室27のオイルが低圧側のリザーバタンク31に排出され、ガス室28に最大容積となるまで冷媒ガスが充填される。そして、次の減速時に油圧ポンプ兼用モータ23によりオイル室27にオイルの圧送が行われることにより、ガス室28を圧縮しながら内部圧力が上昇していき、やがて上限値まで上昇する。
【0062】
このようにして畜圧容器25の初期化では、ガス室28に最大限まで冷媒ガスを導入し、これを再度圧縮するので、次の減速時のエネルギ回生が十分に行われ、かつ回生エネルギの放出時にも、途中で冷媒ガスあるいはオイルが不足したりするおそれが少ないため、効果的なエネルギ放出が実行できる。
【0063】
全体的なエネルギ回生動作について説明する。
【0064】
油圧ポンプ兼用モータ23が非作動の状態で、畜圧容器25の内部圧力が低いときは、畜圧容器25の初期化が行われ、オイル室27が解放された状態で、エアコン冷媒回路からの低圧冷媒ガスがガス室28に所定量だけ充填される。
【0065】
車両の減速時にエネルギ回生動作が行われ、油圧ポンプ兼用モータ23が油圧ポンプとして駆動され、オイル室27にオイルが送り込まれると、フリーピストン26を押しながらガス室28が圧縮されていく。このとき冷媒側の高圧通路34は弁34aが閉じ、また低圧通路33は一方向弁33aにより逆流が阻止されるため、ガス室27の冷媒が流出することはなく、内部の圧力が上昇していく。
【0066】
減速状態が終了したり、畜圧容器25の内部圧力が上限値に達したときは、クラッチ21が遮断され、油圧ポンプ機能が消失し、それ以上のエネルギは蓄積しない。
【0067】
このようしてエネルギが規定値以上に十分に回生されている状態で、車両の発進加速を感知すると、排出通路30の弁30aが開き、畜圧容器25に蓄えられた高圧のオイルが、油圧ポンプ兼用モータ23に送り込まれ、これが油圧モータとして機能し、クラッチ21を介して駆動軸6に動力を伝達し、車両の発進加速をアシストする。この場合、車両がアイドルストップ状態から発進するときには、主エンジン2を始動してから動力供給が開始されるまでの間の動力不足を補うこともできる。
【0068】
また、車両の停止中にエアコン作動を感知したときは、エアコン側の高圧通路34の弁34aが開き、畜圧容器25の高圧の冷媒ガスが、圧力調整(約0.9Mpa以上)された状態でエアコン冷媒回路に供給され、これによりエアコンを作動させ、冷房機能を維持することできる。この場合、エアコンコンプレッサ13をバイパスする回路のバイパス弁をオンにすることで、エアコンコンプレッサ13を作動させなくても冷媒ガスを供給でき、車両のアイドルストップ状態のときなどを含む停車時に、副エンジン1の作動を停止することも可能とし、燃費の改善や騒音の低減が可能となる。
【0069】
なお、このように回生エネルギの放出にあたっては、油圧ポンプ兼用モータ23から動力が補助される車両の走行時と、エアコン冷媒ガスの供給を行う停車時とに分離したので、両方が同時に行われることで互いの動作が干渉し、エネルギ放出が効果的に行われなくなることを避けられる。
【0070】
本発明では、減速エネルギの回生に関して、畜圧容器25に蓄えるオイルと、同時に加圧される冷媒ガスとが用いられ、とくに圧縮率の大きい冷媒ガスに回生エネルギを蓄え、これらにより車両の駆動力を補ったり冷房機能を補ったりするので、エネルギの回生効率とその利用効率にすぐれている。
【0071】
上記の説明において、車両の駆動システムとして、副エンジン1と主エンジン2を備えるものについて本発明を適用した例を示したが、これに限られるものではなく、通常の単一のエンジンにより車両を駆動するものであっても、また電動モータとエンジンのハイブリッド駆動システムついても、同じように適用することができる。
【0072】
本発明は上記した実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同じくそのエネルギ回生機構の拡大図である。
【図3】同じくその畜圧容器の拡大図である。
【図4】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【図5】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【図6】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 副エンジン
2 主エンジン
3 主副クラッチ機構
4 エネルギ回生機構
5 自動変速機
6 駆動軸
21 クラッチ
23 油圧ポンプ兼用モータ
25 畜圧容器
26 フリーピストン
29 供給通路
30 排出通路
33 低圧通路
34 高圧通路

Claims (8)

  1. 車両の減速時に駆動される油圧ポンプモータからのオイルを、圧力応動部材で仕切られたオイル室とガス室をもつ畜圧容器のオイル室に圧送してガス室の冷媒ガスを圧縮し、この圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給することでエアコンコンプレッサの負荷を減らしてエアコン機能を補助し、
    前記畜圧容器の内部圧力が規定値以下のときにその畜圧容器のオイル室のオイルを前記油圧ポンプモータを経由して解放し、かつ前記エアコン冷媒回路からの冷媒ガスを前記ガス室に導入してその畜圧容器の初期化を行う
    ことを特徴とする車両のエネルギ回生方法。
  2. 冷媒ガスが流れるエアコン冷媒回路と接続し、その冷媒ガスを吸入圧縮するエアコンコンプレッサと、
    車両の駆動軸に選択的に連動する油圧ポンプモータと、
    圧力応動部材で仕切られたオイル室とガス室をもつ畜圧容器と、
    オイル室と油圧ポンプモータとを接続する通路と、
    ガス室とエアコン冷媒回路とを接続する通路とを備え、
    車両減速時に駆動される油圧ポンプモータによりオイル室にオイルを供給し、そのオイル供給により前記ガス室の容積を減らすことで冷媒ガスを圧縮し、この圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給することでエアコンコンプレッサの負荷を減らすエアコン機能補助手段と、
    前記畜圧容器の内部圧力が規定値以下のときに畜圧容器のオイル室のオイルを油圧ポンプモータを経由して解放し、かつエアコン冷媒回路からの冷媒ガスをガス室に導入して畜圧容器の初期化を行う蓄圧容器初期化手段と、
    を備えることを特徴とする車両の減速エネルギ回生装置。
  3. 車両が停止中のエアコン作動時に畜圧容器の圧縮冷媒ガスをエアコン冷媒回路に供給してエアコン機能を補助する請求項2に記載の車両の減速エネルギ回生装置。
  4. 前記冷媒ガスが供給されるときは、エアコンコンプレッサの作動が停止される請求項3に記載の車両の減速エネルギ回生装置。
  5. 車両の発進加速時に畜圧容器の加圧オイルを油圧ポンプモータに供給してモータ駆動し、車両の駆動力を補助する請求項2〜4のいずれか一つに記載の車両の減速エネルギ回生装置。
  6. 前記油圧ポンプモータはクラッチを介して車両駆動軸と選択的に連動し、クラッチは車両の減速時に接続し、かつ畜圧容器の内部圧力が上限値に達したときに接続が解除される請求項2〜5のいずれか一つに記載の車両の減速エネルギ回生装置。
  7. 前記エアコン冷媒回路への冷媒ガスの供給は畜圧容器の内部圧力が規定値以上のときに実行される請求項2〜6のいずれか一つに記載の車両の減速エネルギ回生装置。
  8. 前記油圧ポンプモータへの加圧オイルの供給は畜圧容器の内部圧力が規定値以上のときに実行される請求項2〜7のいずれか一つに記載の車両の減速エネルギ回生装置。
JP2000302174A 2000-10-02 2000-10-02 車両の減速エネルギ回生方法及び装置 Expired - Fee Related JP4123701B2 (ja)

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