JP4123614B2 - 信号処理装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンプリングによって生じるエイリアシングを除去して信号を広帯域化する信号処理装置およびその方法に関し、特に、テレビジョン信号などのように、一定の周期で発生する高い相関を有する擬似周期信号(擬似静止画)、または同一の信号に対して、所定の位相差を有する複数のサンプリングを行い、より解像度の高い信号(静止画)を得る場合に用いて好適な信号処理装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、時間的に連続なアナログ信号をサンプリング周波数fsでサンプリングしてデジタル信号を生成した場合、サンプリング定理により、この連続信号のナイキスト周波数(fs/2)以上の周波数成分は低域側に変換されてしまい、いわゆる折り返し歪み(またはエイリアシング)が生じる。そこで、この歪みを避けるために、通常はサンプリングを行う前に低域通過フィルタ処理を行い、fs/2以上の周波数成分を除去する。
しかしながら、この低域通過フィルタ処理の特性は決して理想的ではなく、fs/2以上の周波数成分も若干残ってしまい、その結果、サンプリングによるエイリアシングが発生する。当該エイリアシングは、例えば、画像であれば、本来斜めの線がガタガタの階段状に見えるといった現象を引き起こす。
【0003】
また、例えば、画素数の多いCCDが高価であるために、画素数の少ないCCDを用いる場合には、サンプリング間隔が大きくなり、サンプリング周波数は低くなる。また、この場合でも、エイリアシングを抑制するめにfs/2以上の周波数成分をカットするので、非常に低い周波数成分しか残らず、ボケた画像しか得られない。すなわち、この場合は、斜めの線は階段状にはならないが、鋭い線であったものがエッジのぼやけた帯になってしまう。
【0004】
以上のようなサンプリング周波数の低い信号からサンプリング周波数の高い高解像度の信号を得るために、以下に示すような手法が提案されている。
インタ−ポレ−ション法
この手法は、単純にサンプリング周波数を上げる手法である。すなわち、原信号の隣接する標本点の間に、新たな標本点を作りだす。簡単なものでは、一つ前の値をそのまま繰り返す0次ホールドと呼ばれる手法、一つ前と一つ後の値の線形補間値を利用する線形補間法、その他、Bスプラインやキュービックコンボリューションと呼ばれる手法などがよく知られている。これらの手法は、標本点の数を増やすことができるために、例えば画像の拡大表示などに向いている。
【0005】
予測を用いた手法
この手法は、単なる補間処理ではなく、サンプリング周波数を上げると同時に、高周波成分を含む本来のアナログ信号がどのようなものであったかを推定することによって高域を再現する。
画像であれば、例えば、補間処理をした後に、自然画像の画素値は本来滑らかに変化するという仮定の元に画素値を変化させ、これを何度か繰り返すことにより高周波成分を復元する方法がある。
また、ハイビジョン信号におけるある画素と、NTSC信号における対応画素やその近傍の数画素との対応関係をあらかじめ学習しておくことによって、NTSC信号が入力されたときにハイビジョン信号を出力する手法もある。
また、音声信号においても同じようにあらかじめ学習しておくことにより、狭帯域信号が入力されたときに、対応する広帯域信号を出力する手法もある。
【0006】
サブナイキスト・サンプリング法
図14(A)〜(D)は、サブナイキスト・サンプリング法を説明するための図である。
図14(A)は、被サンプリング信号のスペクトラムを表している。縦軸は信号レベルを示し、横軸は信号の周波数を示している。
一般に、図14(A)に示したスペクトラムを有する被サンプリング信号をサンプリング周波数fsでサンプリングすると、図14(B)に示すようなスペクトラムを有する信号が得られる。図中、斜線で示した部分は、被サンプリング信号の周波数fs/2以上の成分が低域に変換されて生じる、いわゆるエイリアシングを表している。
【0007】
このエイリアシングを抑制するために、先ず、図14(A)に示したスペクトラムを有する被サンプリング信号に対して、互いに180度の相対位相差を有する2系列のサンプリングを行う。
その結果、図14(C),(D)に示すようなスペクトラムを有する信号が得られる。
ここで、図14(D)に示した信号のスペクトラムの奇数次の変調成分は、図14(C)に示した信号のスペクトラムの奇数次の変調成分に対しての逆相となる。
【0008】
従って、図14(C)に示したスペクトラムを有する信号と、図14(D)に示すスペクトラムを有する信号とを加算することにより、図14(E)に示すようなスペクトラムを有する信号が得られる。
すなわち、図14(C)に示したスペクトラムを有する信号に含まれる1次の変調成分と、図14(D)に示したスペクトラムを有する信号に含まれる1次の変調成分とを相殺することができ、エイリアシングを除去できる。その結果、信号帯域を2倍にできる。
【0009】
このような、サブナイキスト・サンプリング法において、2系列のサンプリングの位相差が互いに180度である場合、エイリアシングを除去し、信号帯域を2倍にできる。また、隣接するサンプリングの位相差が360/n度のn系列のサンプリングを行う場合も、同様にして、各サンプリングで生じるエイリアシングを除去でき、信号帯域をn倍にできる。
【0010】
特開平8−336046号に開示された手法
前述したサブナイキスト・サンプリング法では、2系列のサンプリングの位相差が互いに180度であることを条件にエイリアシングを除去したが、本手法では、当該サンプリングの位相差が180度以外の場合にも、エイリアシングを除去できる。
【0011】
この手法では、エイリアシングとして観察される信号が、サンプリングによって生じるM個のイメージング(高調波)成分によるものであること着目し、そのM個のイメージングを、(M+1)枚の画像を用意することによって連立一次方程式を立て、これを解して消去する。
例えば、ナイキスト周波数の2倍までの周波数成分を持つ信号をサンプリングし、エイリアシングを含んだデジタル画像を3枚用意すれば、元のナイキスト周波数の2倍までの成分が復元される。
イメージング成分が、サンプリング周波数が低いために基本スペクトルと重なってしまい、これが分解不可能であるためにエイリアシングとなることから、基本スペクトルが求まればエイリアシングは消去されたことになる。
【0012】
具体系には、先ず、3枚の画像のデジタル信号E0、E1、E2は、図15(A)〜(C)に示すように、それぞれ基本波F(ω)と、1次のイメージングF(ω−ωs )と、−1次のイメージングF(ω+ωs )とを合成したものである。
ただし、サンプリング位相差により、各項にexpの項がかかる。これは以下の式(23)のように表現できる。
【0013】
【数23】
【0014】
上記式(23)において、α1、α2 はそれぞれ、デジタル信号E0との位相差(rad)であり、既存の検出法によって検出がなされ、既知となっているものとする。また、ωS はサンプリング周波数を示している。
上記式(23)を用いて、イメージングF(ω−ωs )およびF(ω+ωs s)を消去し、基本波F(ω)のみを残すことができれば、エイリアシングがキャンセルできる。
ここで、上記式(23)に示す各式に重み係数w0 ,w1 ,w2 をそれぞれ乗ずると、下記式(24a)に示すようになる。
【0015】
【数24】
【0016】
ここで、上記式(24b)なる関係を満たすように、重み係数w0 ,w1 ,w2 を決定することで、連立方程式を解いて、イメージングの項を全て打ち消し、基本波F(ω)の項のみを残すことができ、下記式(25)から図15(D)に示す基本波F(ω)を求めることができる。これにより、エイリアシングを除去して広帯域化を図れる。ここで、wL は実数値である。
【0017】
【数25】
【0018】
位相シフト法
当該手法は、本出願人による特開平7−245592号に開示されたものであり、主にナイキスト周波数の2倍までの周波数成分を含む2つの入力信号(入力画像)からエイリアシングをキャンセルし、ナイキスト周波数の2倍までの周波数成分を復元する。
当該手法も、前述した特開平8−336046号に開示された手法と同様に、イメージング成分をキャンセルするものであるが、入力画像をゲイン調整するだけでなく位相シフトも行う。
【0019】
ここで、位相シフトとは、例えばヒルベルト変換のように、全帯域を通過させながら位相特性を変化させる処理であり、スペクトルを複素平面上で見た場合、ゲイン調整がベクトルの絶対値の増減操作を意味するのに対し、位相シフトはベクトルの回転操作を意味する。
ベクトルの加算の法則から明らかなように、ゲイン調整のみでイメージングを示すベクトルをキャンセルするためには、ベクトル同士のなす角が180度以外である場合、2本のベクトルでは不可能であり、最低3本のベクトルが必要となる。
【0020】
これに対して、ゲイン調整に加えて位相シフトを行えば、図16(A)〜(C)に示すように、デジタル信号E0,E1のベクトル相互間の角度がいかなる角度であっても、回転によって当該角度を180度にすることができ、2本のベクトルでイメージングベクトルをキャンセルできる。すなわち、画像信号であれば、入力画像は2枚で済む。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したインターポレーション法では、連続信号からのサンプリングで一度失われたfs/2以上の高周波数成分は復元できず、ぼけた画像、もしくは歪んだ画像しか得られないという問題がある。
【0022】
また、上述した予測による手法では、正確な予測を行える確率が未だ低いという問題がある。
【0023】
また、上述したサブナイキスト・サンプリング法では、2系列のサンプリングの位相差が互いに180度である場合にしかエイリアシングを除去できないという問題がある。
【0024】
また、上述した特開平8−336046号に開示された手法では、信号の数が1次元の信号で少なくとも3枚の画像が必要であるために、これだけの画像を用意できない場合には再現が不可能である。また、当該手法を2次元の信号に応用した特開平9−69755号に開示された手法では、2次元上で縦横方向のそれぞれについてナイキスト周波数の2倍まで再現を行うには、9系統の信号が必要とされる。そのため、例えば、高次のイメージング成分によるエイリアシングを除去しようとすると、必要な画像が非常に多くなってしまい、それだけの画像を用意することが困難になる。
【0025】
また、上述した特開平7−245592号に開示された位相シフト法では、必要とする画像の数を少なくすることは記載されているが、高次のイメージング成分を具体的にどのようにして除去するかまでは開示されていない。さらに、当該公報には、サンプリングの位相差が2次元である場合についても開示されてない。
【0026】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされ、サンプリングによって得られたデジタル信号に含まれるエイリアシングの要因となる高次までのイメージング成分を適切に除去して、エイリアシングが除去さた広帯域の信号を再現できる信号処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の第1の観点の信号処理装置は、1次元または2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号から前記イメージング成分を除去して前記基本スペクトル成分に応じた信号を生成する信号処理装置であって、前記複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の相互間で位相を合わせた複数の第2の信号を、前記複数の離散信号の相互間での前記サンプリング位相の位相差に基づいて得られた複素数を用いて、前記イメージング成分の一部あるいは全部を除去するように複素数処理して前記基本スペクトル成分に応じた第3の信号を生成する。
【0028】
また、本発明の第2の観点の信号処理装置は、1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を前記複数の離散信号のサンプリング位相の1次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づく第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成するシフト回路と、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する信号算出回路とを有する。
【0029】
また、本発明の第3の観点の信号処理装置は、2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成するシフト回路と、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他のの象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する信号算出回路とを有する。
【0030】
また、本発明の第4の観点の信号処理装置は、1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号の位相差を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成するシフト回路と、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する信号算出回路とを有する。
【0031】
また、本発明の第5の観点の信号処理装置は、2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて位相を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成するシフト回路と、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他のの象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する信号算出回路とを有する。
【0032】
また、本発明の第1の観点の信号処理方法は、1次元または2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号から前記イメージング成分を除去して前記基本スペクトル成分に応じた信号を生成する信号処理方法であって、前記複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の相互間で位相を合わせた複数の第2の信号を、前記複数の離散信号の相互間での前記サンプリング位相の位相差に基づいて得られた複素数を用いて、前記イメージング成分の一部あるいは全部を除去するように複素数処理して前記基本スペクトル成分に応じた第3の信号を生成する。
【0033】
また、本発明の第2の観点の信号処理方法は、1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を前記複数の離散信号のサンプリング位相の1次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づく第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成し、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する。
【0034】
また、本発明の第3の観点の信号処理方法は、2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成し、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他の象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する。
【0035】
本発明の第4の観点の信号処理方法は、1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号の位相差を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成し、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する。
【0036】
また、本発明の第5の観点の信号処理方法は、2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて位相を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成し、前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他の象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の信号処理方が採用する信号広帯域化手法の裏付けとなる原理について説明する。
1次元方向のずれを用いた広帯域化手法
ここでは、サンプリング位置が1次元方向にのみずれた複数の離散信号(デジタル信号)を用いてデジタル信号を広帯域化する手法について説明する。
以下、変数を下記(26)のように定義する。
【0038】
【数26】
【0039】
ところで、原信号である連続信号x(t)を1次元フーリエ変換すると周波数領域での表現X(ω)が得られるが、連続信号x(t)をサンプリングにより離散信号x(n)とし、これを1次元フーリエ変換すると、サンプリング周波数ωs 毎に、X(ω)と同じ形をしたスペクトル成分が無限に生じる。
そこで、元々存在していたω=0を中心とする成分を基本スペクトル成分と呼び、他をイメージング(高調波)成分と呼ぶことにする。
ここで、i次のイメージングは、X(ω−i・ωs )と表すことができる。但し、i=0のときは、基本スペクトルを表す。よって、当該離散信号x(n)を1次元フーリエ変換したY(ω)は、下記式(27)に示すようになる。
【0040】
【数27】
【0041】
基本スペクトル成分の帯域に比べてサンプリング周波数ωs が2倍以上であれば、イメージング成分同士が重なり合わないのは図1から明らかである。この場合、離散信号から元の連続信号を再現することが可能である。
なお、図1において、図1(A)は連続信号x(t)の時間軸上での波形およびその周波数スペクトルを示し、図1(B)は基本スペクトル成分の帯域に比べてサンプリング周波数ωs が2倍以上である場合での離散信号(xnT)の時間軸上での波形およびその周波数スペクトルを示している。
一方、図1(C)に示すように、基本スペクトル成分の帯域に比べてサンプリング周波数ωs が十分に大きくないために、イメージング成分同士が重なってしまう場合には、その重なり部分がエイリアシングとなり、本来の信号には存在しない成分が入り込むことになり、そのままでは元の連続信号を再現することはできない。このことは、一般にサンプリング定理と呼ばれている。
なお、図1(C)は、基本スペクトル成分の帯域に比べてサンプリング周波数ωs が2倍未満である場合での離散信号(xnT’)の時間軸上での波形およびその周波数スペクトルを示している。
【0042】
また、同じ連続信号をサンプリング位置(サンプリング位相)を微小に変えて第1の離散信号(デジタル信号)と第2の離散信号とを得た場合を考える。
ここで、第2の離散信号のサンプリング位置が、第1の離散信号のサンプリング位置から、サンプリング周期に対してα/(2π)だけ、すなわちサンプリング周期を2πとしたときにα(rad)だけサンプリング位相を遅らせたものである場合に、第1の離散信号を1次元フーリエ変換したものは前記式(27)に示すようになり、図2(A)で図示される。また、第2の離散信号を1次元フーリエ変換したものは下記式(28)に示すようになり、図2(B)で図示される。
【0043】
【数28】
【0044】
次に、サンプリング位相差のある複数の入力信号を、そのサンプリング位相差に応じて空間シフトを行う必要がある。
空間シフトとは、サンプリング位相差に基づき、本来そのサンプルがある位置に各サンプルを置くことを言う。
入力した離散信号はサンプリング位相差がどのような値であっても、nを整数とする離散信号x(n)としてしか入力されないが、例えば、前述した第2の離散信号のサンプリング位置は、第1の離散信号の隣接する2個のサンプリング位置の間に位置するものである。
そこで、入力した離散信号を十分に細かいサンプリング間隔に補間し、その後にサンプリング位相差に基づいて、空間シスト処理を行い、しかるべき位置にずらす。
【0045】
離散信号x(n)を空間シフトすると、1次元フーリエ変換の性質から、下記式(29)のようになる。これを図示すると、図3に示すようになる。但し、図3では、周波数帯域を4倍以上に拡張する場合を示し、図3(A)がサンプリング位相差α=π/2である場合の図、図3(B)がα=π/4である場合の図である。
【0046】
【数29】
【0047】
また、上述した空間シフト処理は周波数領域でも行える。
すなわち、exp(jωα/(2π))を乗じれば良く、これで空間シフトと全く同等のことが行える。
各信号を空間シフトしたものが得られたら、それらを使用して、複素連立方程式を作成する。
ここで、簡単のためにi次のイメージング成分をXi 、L系統の離散信号を入力した場合における空間シフト処理後のL系統目の信号をYL 、αL をL系統目の離散信号のサンプリング位相差とすると、YL は、i次のイメージング成分の総和であるから、下記式(30)で示される。
【0048】
【数30】
【0049】
ここで、イメージング成分の個数をSとすれば、離散信号をS系統用意すれば、上記式(30)に基づいて生成されたS個の複素連立1次方程式から、未知の変数であるXiがS個に対して方程式がS個であるため、この方程式は解くことができ、求めたい基本スペクトル成分X0 を下記式(31)のようにして求めることができる。下位式(31)において、wL は、上記式(30)を解いて求められた、αによって決まる複素数である。
【0050】
【数31】
【0051】
ここで、入力した離散信号のナイキスト周波数ωN のM倍までの連続信号の周波数帯域を再現するためには、当該周波数帯域に入り込む基本スペクトル以外のイメージング成分を除去しなくてはならない。逆に、本来イメージング成分は無限に発生するが、当該周波数帯域に入り込むイメージングのみを消去できれば、M・ωN の周波数帯域内は基本スペクトルのみとなり、本来の連続信号の当該周波数帯域が再現できる。
【0052】
すなわち、0<=ω<=M・ωN で示される周波数帯域に入り込むイメージング成分の数を考えた場合に、基本スペクトル成分の周波数帯域がナイキスト周波数ωN のN倍までであったとすると、当該周波数帯域に入り込むイメージング成分の数はP+Qとなり、基本スペクトルを含めた数はP+Q+1になる。
ここで、P=FLoor((N−1)/2)、
Q=FLoor((N+M−1)/2)
である。
また、FLoor(n)はnを越えない最大の整数を示し、Pは次数が負のイメージング成分の数を示し、Qは次数が正のイメージング成分の数を示す。
従って、必要な離散信号の数Sは、S=P+Q+1となり従来に比べて数を少なくできる。
図4にN=M=3の場合の例を示す。
図4に示すように、ナイキスト周波数ωN の3倍の周波数である3ωN までの正の周波数内には、−1次、1次および2次のイメージング成分が存在し、これらがエイリアシングを生じさせている。
なお、キャンセルできるエイリアシングはN次までであるから、N<Mとしても無意味である。
【0053】
一般に、周波数は負の値も取るが、1次元のデジタル信号の場合、正負は共役であるため、正の周波数のみ再現できれば、負の周波数は、当該再現した正の周波数の共役値を求めることで得られる。従って、上述したS個の複素連立方程式を用いて正の周波数を求めればよい。
【0054】
上述したように、S系統の離散信号およびこれらのサンプリング位相差に基づいて基本スペクトル成分を得ることができ、そのためにはS系統の離散信号を空間シフトして得られたYL に対し複素数wL を乗じる。
【0055】
以下、複素数wL を乗じる処理について説明する。
当該処理を周波数領域で行うならば、そのままwL を乗じれば良い。
また、当該処理を空間領域(時間領域)で行うならば、例えば以下に示すようにすれば良い。
先ず、YL の空間領域表現であるyL にヒルベルト変換を施し、得られた信号をyL ’とする。これによりyL ’はyL に対して位相がπ/2進んだものになる。これは、周波数領域においてYL をj倍したものにほかならない。ここでjは虚数単位である。従って、YL に複素数wL を乗じるということは、yL とyL ’の線形和を取れば良いことになる。
そして、最終的に基本スペクトル成分X0 を得るためには、S系統の離散信号の全てについてwL ・YL を求め、これらを加算すれば良い。
以上により、サンプリング位置が1次元方向にのみずれた複数の離散信号を用いて離散信号(デジタル信号)を広帯域化する手法の原理が説明された。
【0056】
第1実施形態
サンプリング位置が1次元方向にのみずれた複数のデジタル信号(離散信号)を用いてデジタル信号を広帯域化する手法を採用した画像システムについて説明する。
図5は、本実施形態の画像システム1の構成図である。
図5に示すように、画像システム1は、CCDカメラ2、A/D変換器3、フィールドメモリ40 〜4s-1 、位相差検出器5および広帯域化器6、ディスプレイ7およびプリンタ8を有する。
【0057】
CCDカメラ2は、水平方向に移動しながら、連続的に得られた複数の静止画像を撮像信号S2としてA/D変換器3に出力する。
A/D変換器3は、撮像信号S2に含まれる静止画像信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、当該デジタル信号S3をフィールドメモリ40 〜4s-1 に出力する。
このとき、撮像信号S2には、A/D変換器3におけるサンプリングのナイキスト周波数のN倍までの周波数帯域を含んでいるものとする。
また、A/D変換器3は、撮像信号S2に含まれるS個の静止画像の静止画像信号をそれぞれ個別にA/D変換してS個のデジタル信号を得、これらをそれぞれフィールドメモリ40 〜4s-1 に記憶する。
なお、本実施形態では、S個のデジタル信号のサンプリング位置は、相互に1次元方向にのみずれている。
【0058】
フィールドメモリ40 〜4s-1 は、S個の静止画像から得られたS個のデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 を記憶する。
【0059】
位相差検出器5は、例えば、例えば勾配法やブロックマッチング法などを用いて、フィールドメモリ40 から読み出したデジタル信号y_org0 を基準として、当該デジタル信号y_org0 に対してのデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 の位相差を検出し、当該位相差α0 〜αs-1 を広帯域化器6に出力する。
【0060】
広帯域化器6は、フィールドメモリ40 〜4s-1 から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 と、位相差検出器5から入力した位相差α0 〜αs-1 とを用いて、高次までのイメージング成分によるエイリアシング除去し、解像度の高いデジタル信号S6を生成する。
【0061】
図6は、広帯域化器6の構成図である。
図6に示すように、広帯域化器6は、補間回路10、フーリエ変換回路11(本発明の直交変換回路)、空間シフト回路12(本発明のシフト回路)、基本スペクトル算出回路13(本発明の複素数算出回路および信号算出回路)およびフーリエ逆変換回路14を有する。
補間回路10は、フィールドメモリ41 〜4s から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 の各サンプリング位置の間にゼロ値を挿入してデジタル信号S100 〜S10s-1 を生成し、これらをフーリエ変換回路11に出力する。
ここで、M倍の周波数帯域を再現するためには、図7に示すように、各サンプル間にM−1個のゼロを挿入する。なお、図7は、M=4の場合の例であり、図中白丸がサンプリング位置のレベルを示し、黒丸が挿入されたゼロレベルを示している。
【0062】
フーリエ変換回路11は、補間回路10から入力したデジタル信号S100 〜S10s-1 を1次元フーリエ変換して得た周波数領域表現のY_org0 〜Y_orgs-1 (本発明の第1の信号)を空間シフト回路12に出力する。
【0063】
空間シフト回路12は、フーリエ変換回路11から入力したY_org0 〜Y_orgs-1 に対して、位相差検出器5から入力した位相差α0 〜αs-1 を用いて、空間シフトを行い、それぞれY0 〜YS-1 (本発明の第2の信号)を生成する。
すなわち、Y_org0 〜Y_orgs-1 に対してそれぞexp(jωα0 /(2π))〜exp(jωαs-1 /(2π))を乗ずる。
但し、MωN <ω<MωS においては、それぞれexp(j(ω−ωs )α0 /(2π))〜exp(j(ω−ωs )αs-1 /(2π))を乗じなくてはならない。これは、本来この部分は負の周波数であるためで、負の周波数に関しては、フーリエ変換の性質から、正の周波数と共役の値である必要があるためである。
【0064】
ただし、演算量を減少させるために、実際には乗算を行わず、低域側(正の周波数)と共役の値を求めても良い。また、共役という性質は常に保存されるべきものであるので、本実施形態では、一連の処理が終わり、最終結果を得るまでの間は0<=ω<=MωN についてのみ行い、MωN <ω<MωS については、最終結果における低域側(すなわち正の周波数)の共役値を求める。
ここで、前述した式(30)から下記式(32)が成り立つ。
【0065】
【数32】
【0066】
基本スペクトル算出回路13は、Y0 〜YS-1 に、上記式(32)を解いて求められた複素数w0 〜ws-1 をそれぞれ乗じて、これらの乗算結果を加算することで、前述した式(31)から下記式(33)を得て、基本スペクトル成分X0 (本発明の第3の信号)を求め、これをフーリエ逆変換回路14に出力する。
このとき、Xi を変数とし、YL ,exp(−j・i・αL )(本発明の第1の複素数)を定数として、上記式(32)を解いて複素数w0 〜ws-1 (本発明の第2の複素数)を算出する。
【0067】
【数33】
【0068】
なお、基本スペクトル算出回路13は、負の周波数で共役値を最後に得る場合には、ここで共役値を求める。すなわち、正の周波数について上記式(33)のwL ・YL を求め、この共役を求めることで、負の周波数についての上記式(33)のwL ・YL を求め、正の周波数のwL ・YL と、負の周波数のwL ・YL とを加算して基本スペクトル成分X0 を求める。
これにより、M次までのエイリアシングがキャンセルされたことになる。
【0069】
フーリエ逆変換回路14は、基本スペクトル算出回路13から入力した基本スペクトル成分X0 を1次元フーリエ逆変換し、広帯域化されたデジタル信号S6を得る。
【0070】
次に、広帯域化器6の作用について説明する。
先ず、補間回路10において、フィールドメモリ41 〜4s から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 の各サンプリング位置の間にゼロ値が挿入されてデジタル信号S100 〜S10s-1 が生成される。
次に、デジタル信号S100 〜S10s-1 が、フーリエ変換回路11において、1次元フーリエ変換され、周波数領域表現のY_org0 〜Y_orgs-1 が空間シフト回路12に出力される。
【0071】
次に、Y_org0 〜Y_orgs-1 が、空間シフト回路12において、1次元空間シフトされて、Y0 〜YS-1 が生成される。
次に、基本スペクトル算出回路13において、Y0 〜YS-1 にそれぞれ複素数w0 〜ws-1 が乗じられ、これらを加算することで基本スペクトル成分X0 が求められ、これがフーリエ逆変換回路14に出力される。
【0072】
そして、基本スペクトル成分X0 が、フーリエ逆変換回路14において、フーリエ逆変換され、広帯域化されたデジタル信号S6が得られる。
【0073】
以上説明したように、画像システム1によれば、CCDカメラ2の撮像信号S2からS個のデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 を得、さらに、空間シフト回路12において位相差α0 〜αs-1 を得て、図6に示す広帯域化器6において前述した処理を行うことで、従来に比べて少ない数のデジタル信号を用いてエイリアシングの要因となるイメージング成分を除去し、ナイキスト周波数ωN のM倍の周波数帯域の信号を再現できる。
【0074】
第2実施形態
上述した第1実施形態では、図6に示すように、周波数領域において、空間シフト処理および基本スペクトルの算出処理を行う場合を例示したが、本実施形態では、空間領域(時間領域)において、これらの処理を行う場合について説明する。
【0075】
本実施形態の画像システムは、図5および図6に示す広帯域化器の構成を除いて、前述した第1実施形態の画像システム1と同じである。
以下、本実施形態の画像システムの広帯域化器について説明する。
図8は、本実施形態の広帯域化器26の構成図である。
図8に示すように、広帯域化器26は、補間回路20、空間シフト回路21(本発明のシフト回路)および広帯域信号生成回路22(本発明の複素数算出回路および信号算出回路)を有する。
補間回路20は、図5に示す位相差検出器5から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 のサンプリング位置間を補間してデジタル信号S200 〜S20S-1 を生成する。
【0076】
空間シフト回路21は、補間回路20から入力したデジタル信号S200 〜S20S-1 を、位相差α0 〜αS-1 を用いて、デジタル信号S200 との間の位相差分だけずらして信号y0 〜yS-1 を生成する。
具体的にはサンプル数の増えたデジタル信号S200 〜S20S-1 の先頭の数サンプルを除去したり、あるいは先頭に適当な値を数サンプル加えて信号y0 〜yS-1 を生成する。
【0077】
広帯域信号生成回路22は、空間シフト回路21から入力した信号y0 〜yS-1 に対してヒルベルト変換を行い、y0 ’〜yS-1 ’を生成する。
そして、信号y0 〜yS-1 に対して、前述した式(32)と同様の複素連立方程式を解いて得られた複素数w0 〜wS-1 をそれぞれ乗じ、これらの乗算結果を加算することで、M次までのエイリアシングがキャンセルされたデジタル信号S26を生成する。
このとき、信号y0 〜yS-1 に対しての複素数w0 〜wS-1 の乗算は、0≦L≦s−1とした場合に、「yL ・Re(wL )+y’L ・Im(wL )」を求めることで行われる。
【0078】
2次元方向のずれを用いた広帯域化手法
以下、サンプリング位置が2次元方向にずれた複数の離散信号を用いてデジタル信号を広帯域化する手法について説明する。
以下、変数を下記(34)のように定義する。
【0079】
【数34】
【0080】
基本的な考え方は、前述したサンプリング位置が1次元方向にのみずれた離散信号を用いてデジタル信号を広帯域化する手法と同じである。
但し、サンプリング位置が2次元方向にずれた場合には、サンプリングによる基本スペクトル成分およびイメージング成分は、それぞれ図9(A),(B)に示すように2次元的に現れる。
図9(B)において、円同士が重なり合っている部分がエイリアシングである。
複数の離散信号を2次元空間シフトしたものに、複素連立1次方程式の解として得られる複素数を乗じ、当該乗算の結果を加算することによってエイリアシングをキャンセルする。
また、サンプリング位置が2次元方向にずれた場合には、基準となる離散信号に対してサンプリング位相がx方向にαx 、y方向にαy だけずれている信号は、基準となる離散信号を下記式(35)で示した場合には、下記式(36)で示される。
【0081】
【数35】
【0082】
【数36】
【0083】
ここで、2次元空間シフト処理は、空間領域であれば前述した1次元の場合と同様に、補間の後のしかるべき位置にシフトする。
また、周波数領域であれば、「exp(−j(ωx ・αx +ωy ・αy )/(2π))」を乗ずれば良い。
【0084】
次に、基本スペクトル成分を再現するための、S個の離散信号に乗ずる複素数wL を得る複素連立方程式について考える。
1次元の場合には、前述したように、基本スペクトル成分を再現したい周波数帯域に入り込むイメージング成分の数は(P+Q+1)個であった。
このとき、フーリエ変換の性質から、周波数が正と負とでスペクトルが対象になることを利用し、正の周波数のみを考え、正の帯域に入り込むイメージング成分の数を考えた。
【0085】
これに対して、2次元の場合には、フーリエ変換の性質から、共役であるのは原点を中心とした場合であって、ωx 軸あるいはωy 軸を中心とした場合ではない。つまり、ωx −ωy 平面において、第1象限と第3象限とが共役、第2象限と第4象限とが共役である。すなわち、隣り合う2つの象限、例えば第1象限と第2象限とは独立である。従って、2つの象限について、例えば第1象限と第2象限とについて各々入り込むイメージング成分を考える必要がある。なお、残りの2つの象限は、共役の関係を使って求めることができる。
【0086】
そのため、第1象限および第2象限について考えることにし、先ず、第1象限について考える。この第1象限についての複素連立方程式の解を得るのに必要な離散信号の数であるSは、図9から明らかなように、x方向に必要な離散信号の数と、y方向に必要な離散信号の数との積となり、S=(Px +Qx +1)・(Py +Qy +1)となる。
ここで、Px =FLoor((Nx −1)/2)、
Qx =FLoor((Nx +Mx −1)/2)、
Py =FLoor((Ny −1)/2)、
Qy =FLoor((Ny +My −1)/2)
である。
なお、本実施形態では、Ny およびMy が2の場合にSは4となり、4系統の連続信号を得れば、イメージング成分を除去してナイキスト周波数の2倍までの信号を得ることができる。これに対して従来の手法では、同じ信号を得るのに、9系統の連続信号が必要になる。
【0087】
従って、複素連立方程式は、式の数および未知数である基本スペクトル成分X0,0 およびイメージング成分Xi,k の数をSとして、空間シフト後の第1および第3象限の離散信号をY13L とした場合に、下記式(37)のように示され、下記式(37)を解いて複素数wL を求めることで、下記式(38)に示すように第1および第3象限の基本スペクトル成分X130,0 が求められる。なお、下記式(38)のwL は複素数を示している。
【0088】
【数37】
【0089】
【数38】
【0090】
次に、第2象限について考えると、第2象限では、ωx は負であり、x方向のイメージング成分も負の次数となる。従って、複素連立方程式は、式の数および未知数である基本スペクトル成分X0,0 およびイメージング成分Xi,k の数をSとして、空間シフト後の第2および第4象限の離散信号をY24L とした場合に、下記式(39)のように示され、下記式(39)を解いて複素数wL ’を求めることで、下記式(40)に示すように基本スペクトル成分X240,0 が求められる。なお、下記式(40)のwL ’はwL とは異なる複素数を示している。
【0091】
【数39】
【0092】
【数40】
【0093】
以上により得られた複素数wL は、第1象限および第3象限のイメージング成分を除去するために用いられ、複素数wL ’は第2象限および第4象限のイメージング成分を除去するために用いられる。
ここで、第1象限および第3象限におけるイメージング成分の除去の処理と、第2象限および第4象限におけるイメージング成分の除去の処理とは独立であるため、信号を2系統に分ける。
当該2系統に分ける処理は、周波数領域であれば、第2象限および第4象限の値を0で置き換えた信号と、第1象限および第3象限の値を0で置き換えた信号とを生成する。一方、空間領域であれば、第2象限および第4象限の周波数成分を抽出するフィルタ処理を行った信号と、第1象限および第3象限の周波数成分を抽出するフィルタ処理を行った信号とを生成する。
【0094】
そして、これらの2系統の信号に対して、前述した1次元の場合の処理と同様に、複素数wL およびwL ’をそれぞれ乗ずれば、イメージング成分が除去された第1および第3象限の基本スペクトルX13L と、イメージング成分が除去された第2および第4象限の基本スペクトルX24L とが得られる。
そして、最後に、イメージング成分が除去された基本スペクトルX13L と基本スペクトルX24L とを加算すれば、目的である広帯域化された信号が得られる。
【0095】
第3実施形態
本実施形態では、上述したサンプリング位置が2次元方向にずれた複数の離散信号を用いてデジタル信号を広帯域化する手法を用いた画像システムを説明する。
図10、本実施形態の画像システム41の構成図である。
図10に示すように、画像システム41は、CCDカメラ42、A/D変換器43、フィールドメモリ440 〜44s-1 、位相差検出器45および広帯域化器46、ディスプレイ7およびプリンタ8を有する。
【0096】
CCDカメラ42は、水平および垂直方向に移動しながら、連続的に得られた複数の静止画像を撮像信号S2としてA/D変換器43に出力する。
A/D変換器43は、撮像信号S42に含まれる静止画像信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、当該デジタル信号S43をフィールドメモリ440 〜44s-1 に出力する。
このとき、撮像信号S42には、x方向およびy方向に、それぞれA/D変換器3におけるサンプリングのナイキスト周波数のNx 倍およびNy 倍までの周波数帯域を含んでいるものとする。
また、A/D変換器43は、撮像信号S42に含まれるS個の静止画像の静止画像信号をそれぞれ個別にA/D変換して、エイリアシングを含むS個のデジタル信号を得、これらをそれぞれフィールドメモリ440 〜44s-1 に記憶する。
なお、本実施形態では、S個のデジタル信号のサンプリング位置は、相互にx方向およびy方向にずれている。
【0097】
フィールドメモリ440 〜44s-1 は、S個の静止画像から得られたS個のデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 を記憶する。
【0098】
位相差検出器45は、例えば、勾配法やブロックマッチング法などを用いて、フィールドメモリ440 から読み出したデジタル信号y_org0 を基準として、当該デジタル信号y_org0 に対してのデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 のx方向の位相差αx0〜αx(s-1)と、y方向の位相差αy0〜αy(s-1)とを検出し、これらを広帯域化器6に出力する。
【0099】
広帯域化器6は、フィールドメモリ440 〜44s-1 から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 と、位相差検出器45から入力した位相差αx0〜αx(s-1),αy0〜αy(s-1)とを用いて、高次のイメージング成分によるエイリアシング除去し、解像度の高いデジタル信号S46を生成する。
【0100】
図11は、広帯域化器46の構成図である。
図11に示すように、広帯域化器46は、補間回路50、フーリエ変換回路51(直交変換回路)、空間シフト回路52(位相シフト回路)、基本スペクトル算出回路53(複素数算出回路および信号算出回路)およびフーリエ逆変換回路54を有する。
補間回路50は、図12に示すように、フィールドメモリ541 〜54s から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 のそれぞれについて、x方向の各サンプリング位置の間に(MX −1)個の0を挿入し、y方向の各サンプリング位置の間に(My −1)個の0を挿入してデジタル信号S500 〜S50s-1 を生成し、これらをフーリエ変換回路51に出力する。
なお、図12は、MX =My =4の場合の例であり、白丸が実際にサンプリングされた部分を示し、黒丸が補間された部分を示してる。
【0101】
フーリエ変換回路51は、補間回路50から入力したデジタル信号S500 〜S50s-1 を2次元フーリエ変換して得た周波数領域表現のY_org0 〜Y_orgs-1 を空間シフト回路52に出力する。
【0102】
空間シフト回路52は、フーリエ変換回路51から入力したY_org0 〜Y_orgs-1 に対して2次元空間シフトを行い、それぞれY0 〜YS-1 を生成する。
すなわち、Y_org0 〜Y_orgs-1 に対してそれぞexp(−j(ωx αx0+ωy αy0)/(2π))〜exp(−j(ωx αx(S-1)+ωy αy(S-1))/(2π))を乗ずる。
但し、この場合に、x方向およびy方向共にナイキスト周波数以上の部分は負の周波数を示しており、この部分に関しては、ωx もしくはωy は、(ωx −ωsx) もしくは(ωy −ωsy)とする必要がある。
【0103】
基本スペクトル算出回路53は、第1象限についての複素連立方程式である前記式(37)に基づいて、Xi,k を変数とし、YL およびexp(−j(iαxl+kαyl))を定数として、当該式(37)を解くことで、前記式(38)で示される複素数w0 〜ws-1 を生成する。
また、基本スペクトル算出回路53は、同様に、第2象限についての複素連立方程式である前記式(39)に基づいて、当該式(39)を解くことで、前記式(40)で示される複素数w0 ’〜ws-1 ’を生成する。
【0104】
また、基本スペクトル算出回路53は、空間シフト回路52から入力したY0 〜YS-1 のそれぞれを、第1象限および第3象限と、第2象限およに第4象限とに分ける。
具体的には、Y0 〜YS-1 に対して「ωx >MX ・ωNXかつωy ≦My ・ωNy」と、「ωx ≦MX ・ωNXかつωy >My ・ωNy」の周波数の値を0にして、第1象限および第3象限の信号Y130 〜Y13S-1 を生成する。
また、Y0 〜YS-1 に対して「ωx ≦MX ・ωNXかつωy ≦My ・ωNy」と、「ωx >MX ・ωNXかつωy >My ・ωNy」の周波数の値を0にして、第2象限および第4象限の信号Y240 〜Y24S-1 を生成する。
【0105】
基本スペクトル算出回路53は、Y130 〜Y13S-1 にそれぞれ複素数w0 〜ws-1 を乗じて2次元の基本スペクトルX130,0 を算出し、Y240 〜Y24S-1 にそれぞれ複素数w0 ’〜ws-1 ’を乗じて2次元の基本スペクトルX240,0 を算出し、これらを加算することで、2次元の基本スペクトル成分X00を求め、これをフーリエ逆変換回路54に出力する。なお、この場合にも、共役の関係を保存させる。すなわちωy >MωNyについては、乗算の際には共役値を乗ずるか、もしくは、最終結果に対して共役値を求める。これにより、基本スペクトル成分X0,0 が得られる。
【0106】
フーリエ逆変換回路54は、基本スペクトル算出回路53から入力した2次元の基本スペクトル成分X00をフーリエ逆変換し、広帯域化されたデジタル信号S46を得る。
【0107】
次に、広帯域化器46の作用について説明する。
先ず、補間回路50において、フィールドメモリ541 〜54s から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 のそれぞれについて、x方向の各サンプリング位置の間に(MX −1)個の0が挿入され、y方向の各サンプリング位置の間に(My −1)個の0が挿入され、デジタル信号S500 〜S50s-1 が生成される。
【0108】
次に、デジタル信号S500 〜S50s-1 が、フーリエ変換回路51において、2次元フーリエ変換され、それによって得られた周波数領域表現のY_org0 〜Y_orgs-1 が空間シフト回路52に出力される。
【0109】
次に、空間シフト回路52において、Y_org0 〜Y_orgs-1 に対して2次元空間シフトが行われ、それぞれY0 〜YS-1 が生成される。
【0110】
次に、基本スペクトル算出回路53において、第1象限についての複素連立方程式である前記式(37)に基づいて、当該式(37)を解くことで、複素数w0 〜ws-1 が生成される。
また、基本スペクトル算出回路53において、第2象限についての複素連立方程式である前記式(39)に基づいて、当該式(39)を解くことで、複素数w0 ’〜ws-1 ’が生成される。
【0111】
また、基本スペクトル算出回路53において、入力したY0 〜YS-1 のそれぞれが、第1象限および第3象限と、第2象限およに第4象限とに分けられ、第1象限および第3象限の信号Y130 〜Y13S-1 と、第2象限および第4象限の信号Y240 〜Y24S-1 とが生成される。
【0112】
次に、基本スペクトル算出回路53において、Y130 〜Y13S-1 にそれぞれ複素数w0 〜ws-1 が乗じられ、Y240 〜Y24S-1 にそれぞれ複素数w0 ’〜ws-1 ’が乗じられ、これらの乗算結果が加算されて2次元の基本スペクトル成分X00が求められる。
【0113】
次に、フーリエ逆変換回路54において、2次元の基本スペクトル成分X00がフーリエ逆変換され、広帯域化されたデジタル信号S46が得られる。
【0114】
以上説明したように、画像システム41によれば、CCDカメラ42の撮像信号S2からS個のデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 を得、さらに、空間シフト回路42において位相差αx0〜αx(s-1),αy0〜αy(s-1)を得て、図11に示す広帯域化器46において前述した処理を行うことで、従来に比べて少ない数のデジタル信号を用いてエイリアシングの要因となるイメージング成分を除去し、x方向およびy方向にそれぞれナイキスト周波数ωN のMx 倍およびMy 倍の周波数帯域の信号を再現できる。
【0115】
第4実施形態
上述した第3実施形態では、図11に示すように、周波数領域において、2次元空間シフト処理および2次元基本スペクトルの算出処理を行う場合を例示したが、本実施形態では、空間領域(時間領域)において、これらの処理を行う場合について説明する。
【0116】
本実施形態の画像システムは、図10および図11に示す広帯域化器の構成を除いて、前述した第3実施形態の画像システム41と同じである。
以下、本実施形態の画像システムの広帯域化器について説明する。
図13は、本実施形態の広帯域化器66の構成図である。
図13に示すように、広帯域化器66は、補間回路70、空間シフト回路71(位相シフト回路)および広帯域信号生成回路72(複素数算出回路および信号算出回路)を有する。
補間回路20は、図5に示す位相差検出器5から入力したデジタル信号y_org0 〜y_orgs-1 のx方向およびy方向のサンプリング位置間を補間してデジタル信号S700 〜S70S-1 を生成する。
【0117】
空間シフト回路71は、補間回路70から入力したデジタル信号S700 〜S70S-1 を、デジタル信号S700 との間の位相差分だけx方向およびy方向にずらして信号y0 〜yS-1 を生成する。
具体的にはサンプル数の増えたデジタル信号S700 〜S70S-1 の先頭の数サンプルを除去したり、あるいは先頭に適当な値を数サンプル加えて信号y0 〜yS-1 を生成する。
【0118】
広帯域信号生成回路72は、空間シフト回路71から入力した信号y0 〜yS-1 を用いて、前述した式(37)に対応する複素連立方程式と、式(39)に対応した複素連立方程式とが得られるため、これらを解いて、複素数wL およびw’L を求める。
そして、広帯域信号生成回路72は、信号y0 〜yS-1 を、x,yとも正の周波数を持つ成分と、x,yが互いに正負となる周波数を持つ成分に分ける。すなわち、x,yとも正の周波数を取り出す2次元フィルタと、x,yが互いに正負となる周波数を取り出す2次元フィルタをかける。これらにより得られた信号をそれぞれy13L 、y24L とする。
【0119】
そして、広帯域信号生成回路72は、信号y13L 、y24L に2次元ヒルベルト変換を施す。すなわち、π/2(rad)移相し、これらにより得られた信号をそれぞれy13L ’、y24L ’とする。
そして、広帯域信号生成回路72は、y13L についてwL ・y13L を求める。すなわち、Re(wL )・y13L +Im(wL )・y13L ’を求める。また同様に、y24L について、w’L ・y24L を求める。すなわち、Re(w’L )・y24L +Im(w’L )・y24L ’を求める。
そして、広帯域信号生成回路72は、wL ・y13L およびw’L ・y24L を加算することにより、M次までのエイリアシングがキャンセルされ、広帯域化されたデジタル信号S76を得る。
【0120】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、上述した処理において、処理の順序は説明した順序に限るものではない。
また、説明を簡単にするために上記のような順序で書いたが、これを入れ替えることにより、冗長となり不要とすることができる処理もある。
また、特開平7−245592号の第3実施例(図13)のように、予め入力信号について演算しておくことなどにより処理を効率化してもよい。
また、周波数処理と空間処理とをモジュール単位で入れ替えてもよい。
また、入力したデジタル信号の特性を利用して、本来高域成分が少なく高次のエイリアシングが少ないようなものであれば、本来N次までのエイリアシングを持つ場合であっても、M次(N>M)として処理を行っても良い。その場合若干誤差が入り込むが、処理が軽くなるし、また、入力するデジタル信号の数(系統数)を少なくできるというメリットがある。
また、本発明は2次元までの信号に限定されるものではなく、n次元の信号にも適用可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の信号処理装置およびその方法によれば、少ない系統の信号を用いて、高次までのイメージング成分を除去して広帯域化された信号を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、サンプリング周波数ωs とエイリアシングとの関係を説明するための図である。
【図2】図2は、位相ずれのある離散信号をフーリエ変換した場合のスペクトルを説明するための図である。
【図3】離散信号を空間シフトした場合のスペクトルを説明するための図である。
【図4】図4は、ナイキスト周波数ωN の3倍の周波数である3ωN までの正の周波数内に存在するイメージング成分を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態の画像システムの構成図である。
【図6】図6は、図5に示す広帯域化器の構成図である。
【図7】図7は、図6に示す補間回路の処理を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係わる画像システムの広帯域化器の構成図である。
【図9】図9は、サンプリング位置が2次元方向にずれた場合の基本スペクトル成分およびイメージング成分を説明するための図である。
【図10】図10は、本発明の第3実施形態の画像システムの構成図である。
【図11】図11は、図10に示す広帯域化器の構成図である。
【図12】図12は、図11に示す補間回路の処理を説明するための図である。
【図13】図13は、本発明の第4実施形態に係わる画像システムの広帯域化器の構成図である。
【図14】図14は、従来のナイキスト・サンプリング法を説明するための図である。
【図15】図15は、従来の特開平336046号に開示された手法を説明するための図である。
【図16】図16は、従来の位相シフト法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…画像システム、2,42…CCDカメラ、3,43…A/D変換器、41 〜4S ,441 〜44S …フィールドメモリ、5,45…位相差検出器、6,46…広帯域化器、7…ディスプレイ、8…プリンタ、10,20,50,70…補間回路、11,21,51…フーリエ変換回路、12,,2152,71…空間シフト回路、13,53…基本スペクトル算出回路、14,54…フーリエ逆変換回路、22,72…広帯域信号生成回路
Claims (10)
- 1次元または2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号から前記イメージング成分を除去して前記基本スペクトル成分に応じた信号を生成する信号処理装置において、
前記複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の相互間で位相を合わせた複数の第2の信号を、前記複数の離散信号の相互間での前記サンプリング位相の位相差に基づいて得られた複素数を用いて、前記イメージング成分の一部あるいは全部を除去するように複素数処理して前記基本スペクトル成分に応じた第3の信号を生成する
信号処理装置。 - 1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を前記複数の離散信号のサンプリング位相の1次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づく第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成するシフト回路と、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、
前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する信号算出回路と
を有する信号処理装置。 - 2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成するシフト回路と、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他のの象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、
前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する信号算出回路と
を有する信号処理装置。 - 1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号の位相差を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成するシフト回路と、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、
前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する信号算出回路と
を有する信号処理装置。 - 2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて位相を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成するシフト回路と、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他のの象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出する複素数算出回路と、
前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する信号算出回路と
を有する信号処理装置。 - 1次元または2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号から前記イメージング成分を除去して前記基本スペクトル成分に応じた信号を生成する信号処理方法において、
前記複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の相互間で位相を合わせた複数の第2の信号を、前記複数の離散信号の相互間での前記サンプリング位相の位相差に基づいて得られた複素数を用いて、前記イメージング成分の一部あるいは全部を除去するように複素数処理して前記基本スペクトル成分に応じた第3の信号を生成する
信号処理方法。 - 1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を前記複数の離散信号のサンプリング位相の1次元方向の位相差に基づいて合わせ、
前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づく第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成し、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、
前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する
信号処理方法。 - 2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を周波数領域で表現した複数の第1の信号の位相を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて合わせ、
前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第2の信号を生成し、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第2の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第2の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他の象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第3の信号を求めるために、前記複数の第2の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、
前記複数の第2の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算し、当該乗算の結果を加算して前記第3の信号を算出する
信号処理方法。 - 1次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号の位相差を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成し、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記複数の複素方程式からなる複素連立方程式を解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、
前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する
信号処理方法。 - 2次元方向において異なるサンプリング位相を用いて同一または略同一の連続信号をサンプリングして得られ、前記連続信号に含まれる基本スペクトル成分と、当該基本スペクトル成分以外のイメージング成分とを含む複数の離散信号を、2次元の周波数領域における相互に共役の関係に無い2個の象限において、前記複数の離散信号のサンプリング位相の2次元方向の位相差に基づいて位相を合わせ、前記基本スペクトル成分と、前記イメージング成分と、前記位相差に基づいて得られる第1の複素数とを用いて表現される複数の第1の信号を生成し、
前記基本スペクトル成分および前記イメージング成分を変数とし、前記第1の信号および前記第1の複素数を定数として、前記複数の第1の信号の前記表現からそれぞれ導き出される複数の複素方程式を規定した場合に、前記2個の象限のうち一の象限についての前記複数の複素方程式からなる第1の複素連立方程式と、前記2個の象限のうち他のの象限についての前記複数の複素方程式からなる第2の複素連立方程式とを各々解いて前記イメージング成分の全てあるいは一部の影響が除去された第2の信号を求めるために、前記複数の第1の信号に乗ずべき第2の複素数をそれぞれ算出し、
前記複数の第1の信号のそれぞれに、前記算出した対応する第2の複素数を乗算する複素演算に相当する実数演算を行い、当該乗算の結果を加算して前記第2の信号を算出する
信号処理方法。
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