JP4122868B2 - 気体分離膜ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素富化燃焼や酸素富化空気による健康機器、あるいは特定の気体を分離して使用する化学反応装置等で用いるために気体分離膜を介して特定の気体の濃度を変化させる気体分離膜ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
気体分離膜ユニットは、厚さが約150μmの不織布に0.1μm程度のポリシロキサンとスチレンの共重合体を主成分とする薄膜を形成した気体分離膜を用いるものが多い。この気体分離膜の両面に圧力差を設けることにより、大気側の酸素が膜表面に溶解し、膜内を拡散移動して、減圧側の膜表面から離脱するという原理で、酸素富化空気を得るものである。窒素も同じように移動するが、溶解と拡散の速度は酸素のほうが窒素に比べて2.5倍大きいために、結果として酸素富化空気が得られる。なお、この気体分離膜は、酸素と窒素の分離のみでなく、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)またはエチレン(C2H4)等についても大きな分離性能を有している。
【0003】
気体分離膜を介して酸素富化空気を取出すためには、気体分離膜の両面に圧力差を加えることが必要である。このために、酸素富化空気を取出すための気体分離膜ユニットは、通気孔を有する支持体に気体分離膜を貼着して、通気孔からポンプで吸引して酸素富化空気を取出す構成としている。例えば、図7に示す気体分離膜ユニットが知られている(特開昭63−141624号公報)。この気体透過膜モジュールは、通気性物質3の両面に小さい穴をあけた補強板2を固定し、この補強板2上に接着テープ5で気体分離膜1を貼着する。さらに、周囲を密封するとともに通気性物質3から気体を取出す流体吐出口6を設けた構成である。流体吐出口6より真空ポンプで減圧吸引することにより、気体分離膜1を通過して空気が流れ、酸素富化空気が得られる。また、隔壁7を介して気体透過膜モジュールを複数個積層することで、必要な酸素富化空気量を得る気体分離膜ユニットを構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では部品点数が多くなるため、組立作業に多くの時間を必要とする。また、通気性物質の気体のコンダクタンスはあまり大きくないため、多量の酸素富化空気を得ようとすると積層する気体透過膜モジュールの個数を増やす必要があり、全体として小型化することが困難である。さらに、気体透過膜モジュールの積層数を変更するときに比較的設計に時間がかかる。
【0005】
本発明は、気体分離膜ユニットの部品点数を削減し、小型軽量化を図るとともに、酸素富化空気の必要量に応じてモジュール数を自由に変更可能にし、組立作業を容易にする気体分離膜ユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の気体分離膜ユニットは、平板状の支持体の中央領域部の両面に気体分離膜が固定され、中央領域部は気体分離膜を介して流入した気体が支持体の平面方向に流動可能な空間領域を有し、この空間領域の気体が支持体に設けられた通気路を通して支持体の一方の角部に形成された吸気口に流入するようにモジュールが構成され、このモジュールを吸気口周辺に配設したシール部材を介して複数積層して、気体分離膜を通過した気体を吐出する吐出口を設けた構成を有する。
【0007】
この構成により、吐出口から取出す気体の必要量に応じてモジュールの積層数を任意に設定することが可能となり、種々の装置に対して迅速な対応ができる。また、組立工程も簡略となるだけでなく、気密性も改善することができる。さらに、気体分離膜を介して吐出口までの気体の流れる領域のコンダクタンスを大きくできるので、小型にしても充分な気体量を取出すことができる。
【0008】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、平板状の支持体の中央領域部の一方の面が支持体と同一材料でシールされ、他方の面には気体分離膜が固定されるとともに、中央領域部は気体分離膜を介して流入した気体が支持体の平面方向に流動可能な空間領域を有し、この空間領域の気体が支持体に設けられた通気路を通して吸気口に流入するように端部側モジュールが構成され、複数積層してなる気体分離膜ユニットの両端部の少なくとも一方をこの端部側モジュールとした構成を有する。
【0009】
この構成により、複数積層してなる気体分離膜ユニットの両端部のモジュールは支持体材料と同じ材料によりシールされるので、機械的な力を受けても損傷され難くなる。したがって、製造工程中やユーザが装置に組み込むとき等に損傷することがなくなり、信頼性に優れた気体分離膜ユニットが実現される。
【0010】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールには外周部に突起状の複数の隔壁が設けられている構成を有する。この構成により、モジュールを積層するときに必要なモジュール間の隙間が隔壁により精度よく、しかも容易に形成できる。
【0011】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールおよび端部側モジュールには外周部に突起状の複数の隔壁が設けられている構成を有する。この構成により、これらを積層するときに必要なモジュール間の隙間が隔壁により精度よく、しかも容易に形成できる。
【0012】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールには外周部に複数の貫通孔が設けられている構成を有する。この構成により、モジュールを積層するときに、貫通孔にネジを通して積層体を固定することや、ピンを通して固定することができるので、気体分離膜ユニットの製造工程が簡単となる。
【0013】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールおよび端部側モジュールには外周部に複数の貫通孔が設けられている構成を有する。この構成により、これらを積層するときに、貫通孔にネジを通して積層体を固定することや、ピンを通して固定することができるので、気体分離膜ユニットの製造工程が簡単となる。
【0014】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールの外周部に設けられた貫通孔にスプリングピンを挿入することで積層し固定する構成を有する。この構成により、モジュールの積層工程がモジュール同士を位置合わせして、スプリングピンを貫通孔に挿入するだけですむので、製造工程が非常に簡略となる。
【0015】
また、本発明の気体分離膜ユニットは、モジュールおよび端部側モジュールの外周部に設けられた貫通孔にスプリングピンを挿入する構成を有する。この構成により、積層工程がモジュール同士を位置合わせして、スプリングピンを貫通孔に挿入するだけですむので、製造工程が非常に簡略となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の気体分離膜ユニットの斜視図である。気体分離膜ユニットは、気体を分離する機能を有するモジュール100を積層し一体化して、1つの吐出口36から、例えば酸素富化空気を真空ポンプ(図示せず)により取出すことができる。モジュール100は略平板状の支持体11の両面に気体分離膜(図示せず)が固定されている。支持体11には、第1の隔壁12、第2の隔壁13および第3の隔壁14が形成されており、これらによりモジュール100を積層したときに所定の隙間が得られるようになっている。さらに、第1の隔壁12部分には吸気口21が設けてあり、この吸気口21の周囲にはシール部材23が固定されている。このシール部材23により、各モジュール100間の吸気口21同士を大気から密封した状態で接続していき、最終的に吐出口36に接続するように構成することができる。各モジュール100同士の固定は、モジュール100の所定の個所に開けた貫通孔にスプリングピン90を挿入することにより行う。
【0018】
図2は、モジュール100の概略平面図とA−A’線に沿った断面図である。支持体11の表面外周部には、隣接して配置するモジュール100と所定の間隔を保持するための第1の隔壁12、第2の隔壁13および第3の隔壁14が設けられている。また、支持体11の中央領域部15には図3に示すように、ストライプ状の桟16、17が一定のピッチで形成されており、これらは互いにほぼ直交する形状とされている。それぞれの桟16、17で囲まれた空間領域18により、中央領域部15では気体が支持体11の平面方向に自由に流れることができる。
【0019】
支持体11の中央領域部15を囲むように、その外周部には気体分離膜37を保持するための保持部19と、さらにその外周部に封止部20とが設けられている。保持部19は気体分離膜37の厚さとほぼ同じ厚さだけ封止部20より低く形成されており、気体分離膜37が固定されたときに、保持部20と気体分離膜37の表面とがほぼ同じ平面を形成するようになっている。気体分離膜37が中央領域部15の全面と保持部19とを覆うように配置されて、例えば接着テープ(図示せず)を保持部19上の気体分離膜37領域と封止部20との上に貼着して、気体分離膜37を固定するとともに、保持部19と気体分離膜37との間の気密性を確保する。
【0020】
支持体11の第1の隔壁12部分には、吸気口21、吸気口21の周囲に円環状のシール部材23を配設するための座繰り部22、および複数のモジュールを重ねて一体化するためのスプリングピン(図示せず)を通す貫通孔24が形成されている。なお、座繰り部22は第1の隔壁12の面よりやや低く形成し、複数のモジュールを積層して一体化するときにシール部材23が収縮して気密が充分確保できるようにしてある。さらに、支持体11の第2の隔壁13にも、複数のモジュールを積層して一体化するためのスプリングピンを通す貫通孔24が設けられている。
【0021】
次に、支持体11の上記した面に対して反対側の面の構成について、図4を用いて説明する。図4は、第1の隔壁12近傍部分で、上記の面とは反対側の面の構成を示す斜視図である。図4(a)に示すように、最外周部には隣接するモジュール100の第1の隔壁12と接触する受け面25があり、吸気口21近傍には吸気口21の半円形領域を含む切欠き部26が形成されている。切欠き部26には、図4(b)に示すような半円形凹部27aとコ字状の空洞部27bとを設けたカバー部材27を嵌合させることにより、トンネル状の通気路を形成する。図4に示すカバー部材27の嵌合は、コ字状の空洞部27bが切欠き部26に対向する向きにして、ピン29を位置決め穴30に嵌合して固定する。これにより、中央領域部15の空間領域18の気体が、このトンネル状の通気路を介して吸気口21に流れることができる。
【0022】
カバー部材27の他方の面は、カバー部材27を切欠き部26に嵌合させたときに、保持部19および桟17の表面と同じ高さになる面32と、封止部20と同じ高さになる面33との2段に構成されている。
【0023】
切欠き部26にカバー部材27を嵌合した後、保持部19、桟17およびカバー部材27の面32を覆うように気体分離膜37を配置して、保持部19上の気体分離膜37と封止部20との上に、例えば接着テープ(図示せず)を貼着して気体分離膜37を固定するとともに、保持部19と気体分離膜37との間を気密封止する。
【0024】
以上により、支持体11の両面に気体分離膜37、37が固定され、これらの気体分離膜37、37で囲まれた中央領域部15では、真空ポンプで減圧されたときに加わる圧力を桟16、17で支え、かつ、中央領域部15の気体が吸気口21のみから真空ポンプで吐出されるモジュール100が得られる。
【0025】
このモジュール100を必要枚数だけ重ね、貫通孔24に結合用のスプリングピン90を通すことで、図1に示すような全体が一体化した気体分離膜ユニットが得られる。この場合、各モジュール100間は、第1の隔壁12、第2の隔壁13および第3の隔壁14により所定の間隔が保持されて、この隙間から気体が気体分離膜37に流れ込むことができる。また、隣接するモジュール100の吸気口21部分については、それぞれの吸気口21の周囲に配設されたシール部材23により、吸気口21同士が直列に接続されながら密封されて、最終的に1つの吐出口36に接続される。なお、この吐出口36の反対面の吸気口21はシート等を接着して気密封止する。
【0026】
これにより、任意の複数のモジュール100を積層しても、各モジュール100からの吸気口21が1つの吐出口36に接続される。したがって、この吐出口36に真空ポンプを接続して吸引することにより、各モジュール100のそれぞれの気体分離膜37を通して空気が流れて、吐出口36からは、例えば酸素富化空気を得ることができる。
【0027】
以上のように本実施の形態によれば、各モジュールは中央領域部に桟を設けているので、減圧状態でも充分大気の圧力に対抗できる。一方、気体分離膜を通して流れ込んだ気体は中央領域部の空間領域から吸気口を経て、吐出口に容易に流れることができる。また、吸気口の周囲に設けたシール部材で各モジュール間の吸気口の周囲の気密封止を行い、かつ、モジュール間をスプリングピンで固定するのみで、気体分離膜ユニットが作製できる。したがって、使用するスプリングピンの長さのみを変更するだけで、必要な空気量に応じてモジュールの積層数を任意に可変できる。この結果、組立作業が簡単で、かつ、小型軽量の気体分離膜ユニットが実現できる。
【0028】
なお、本実施の形態の気体分離膜ユニットは、複数のモジュールの両端部のモジュールについても同じ構造のモジュールを用いた。しかしながら、この両端部のモジュールについては、モジュール同士が対向しない面には気体分離膜よりも機械的な強度が大きいシートや板を貼り付けてもよい。このような構成のモジュールについては、気体分離膜が片面のみとなるので気体分離能力が低減するが、製造途中や気体分離膜ユニットを装置に組み込むときに冶具等がこれらの面にあたっても、気体分離膜ユニットとしての機能が損なわれることが少なくなり、より信頼性に優れた気体分離膜ユニットが得られる。
【0029】
また、支持体としては、ポリフェニルサルファイド(PPS)樹脂や液晶ポリマー(LCP)等の比較的強度の大きな樹脂を用いて、成型により作製すればよい。さらに、アルミニウム等の金属材料を用いることもできるだけでなく、上述したような形状の加工が可能で、減圧したときに圧力に耐える材料であれば、特に制約はない。また、本実施の形態では、気体分離膜は保持部に固定して、接着テープで接着と気密封止を行ったが、これに限定されることはない。例えば、気体分離膜を保持部に接着剤により接着し、同時に気密封止する構成でもよいし、気密封止のみは接着テープで行う構成でもよい。
【0030】
さらに、本実施の形態では、支持体の中央領域部には桟を設けて減圧雰囲気により生じる大気の圧力に耐えるとともに、空間領域で自由に気体が流れる構造としたが、本発明はこの構造には限定されない。気体分離膜を介して気体が吸気口に自由に流れ、大気の圧力に耐える構造であればよく、その形状については限定されない。
【0031】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の気体分離膜ユニットは、積層する複数のモジュールのうち両端部に配設する端部側モジュールの構造が、第1の実施の形態の気体分離膜ユニットと異なる構造としたことが特徴である。すなわち、端部側モジュールである前面モジュールと背面モジュールについては、支持体の片面のみに気体分離膜を設けて、外部に露出する面側は支持体と一体成形で作製したシール面を設けている。これにより、外力が加わっても損傷が生じ難く、信頼性に優れる構造を実現している。
【0032】
最初に、真空ポンプと接続する前面モジュール110の構造について、図5により説明する。図5(a)は、前面モジュール110の吸気口21近傍の斜視図で、同図のB−B’線に沿った断面形状を図5(b)に示す。第1の実施の形態では、モジュール100の中央領域部にはほぼ直交する形状の桟を設けて、それにより形成される空間領域では、支持体の表裏どちらの気体分離膜から拡散してきた気体も自由に吸気口に向かって流れるように構成した。これに対して本実施の形態では、支持体51の中央領域部150には片面部のみに略矩形状の複数個の凸部34を設け、他方の面は支持体51を構成する材料により全面がシールドされたシール面35とし、さらに吸気口21には真空ポンプ(図示せず)に接続する吐出口360が一体で成形された構造であることが異なる点である。
【0033】
なお、吸気口21を半円形状に切欠き、中央領域部150の空間領域180と接続するように設けた切欠き部26と、これに嵌合するカバー部材27の構造は、第1の実施の形態のモジュール100と同じ構造である(図5(c)に示す)。さらに、気体分離膜37を中央領域部150、保持部19およびカバー部材27面上に配置して、保持部19上の気体分離膜37と封止部20の上に接着テープを貼着し固定する方法についても、第1の実施の形態のモジュール100と同じである。したがって、この前面モジュール110は、片面のみに設けられた気体分離膜37を通して、空間領域180と吸気口21を経て吐出口360より吐出する。また、反対側の面は、支持体51と同じ材料でシール面35が形成されているので、機械的に強固な構成となっている。
【0034】
次に、背面モジュール120の構成を図6により説明する。図6(a)は背面モジュール120の吸気口21近傍の斜視図で、図6(b)はC−C’線に沿った断面図である。背面モジュール120についても、前面モジュール110と同様に、支持体52の中央領域部160には片面部のみに略矩形状の複数個の凸部340を設けており、他方は支持体52を構成する材料により全面がシールされたシール面41となっており、これらが一体で成形されている。
【0035】
凸部340の高さは保持部19の高さと同一に構成し、気体分離膜37を凸部340と保持部19上に配置して、封止部20と気体分離膜37の一部にかかるよう接着テープ40を貼着して、接着と気密封止を行う。その後、座繰り部22にシール部材23を配設する。
【0036】
また、背面モジュール120の反対側の面の吸気口21の近傍には切欠き部260が形成されており、この切欠き部260には図6(c)に示すように吸気口21をシールする突起部38aとコ字状の空洞部38bとが設けられた背面カバー部材38が嵌合する。これにより、気体分離膜37が貼着された面とは反対側の面の吸気口21部分が密閉されると同時に、中央領域部150の空間領域190と吸気口21との間が、切欠き部260と背面カバー部材38とで形成されるトンネル上の通気路を介して接続されるので、空間領域190の気体が吸気口21に自由に流れ込むことができる。
【0037】
本実施の形態の気体分離膜ユニットは、第1の実施の形態のモジュール100を上述した前面モジュール110と背面モジュール120とでサンドイッチするように積層するが、その積層構成については第1の実施の形態の気体分離膜ユニットと同じ方法で行うことができる。このような構成とすることにより、気体分離膜ユニットの前面および背面は、支持体と同じ材料で全面が保護されるので機械的な外力に対しても損傷することが少なくなり、信頼性に優れた気体分離膜ユニットを実現することができる。
【0038】
(実施例1)
第1の実施の形態で述べたモジュール100を5枚、第2の実施の形態の前面モジュール110および背面モジュール120それぞれ1枚づつを積層して気体分離膜ユニットを作製した。モジュール100の流量は0.5リットル/分、前面モジュール110と背面モジュール120との流量は0.25リットル/分に設計した。この気体分離膜ユニットに真空ポンプを接続し、真空度460mmHgにて吸気した。真空ポンプの吐出側で酸素濃度と流量を測定した結果、酸素濃度は30.1%、流量は3.3リットル/分となり設計値を充分確保できる結果を得ることができた。また、気体分離膜ユニットの真空漏れもなく気密性も充分であることが確認できた。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の気体分離膜ユニットは、平板状の支持体の中央領域部に気体分離膜が固定され、中央領域部は気体分離膜を介して流入した気体が支持体の平面方向に流動可能な空間領域を有し、この空間領域の気体が支持体に設けられた通気路を通して支持体の一方の角部に形成された吸気口に流入するようにモジュールが構成され、このモジュールを吸気口周辺に配設したシール部材を介して複数積層して、気体分離膜を通過した気体を吐出する吐出口を設けた構成を有する。
【0040】
このような構成により、吐出口から取出す気体の必要量に応じてモジュールの積層数を任意に設定することが可能となり、種々の装置に対して迅速な対応ができる。また、組立工程も簡略となるだけでなく、気密性も改善することができる。さらに、気体分離膜を介して吐出口までの気体の流れる領域のコンダクタンスを大きくできるので、小型にしても充分な気体量を取出すことができるという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の気体分離膜ユニットの斜視図
【図2】(a)同実施の形態のモジュールの概略平面図
(b)同モジュールのA−A’線に沿った断面図
【図3】同モジュールにおける支持体の中央領域部を示す斜視図
【図4】(a)同モジュールにおける支持体の第1の隔壁近傍部分で反対側の面の構成を示す斜視図
(b)同モジュールにおけるカバー部材の構造を示す図
【図5】(a)本発明の第2の実施の形態における前面モジュールの吸気口近傍の斜視図
(b)同前面モジュールのB−B’線に沿った断面図
(c)同前面モジュールにおけるカバー部材の構造を示す図
【図6】(a)同実施の形態における背面モジュールの吸気口近傍の斜視図
(b)同背面モジュールのC−C’線に沿った断面図
(c)同背面モジュールにおけるカバー部材の構造を示す図
【図7】従来の気体透過膜モジュールの構成を示す図
【符号の説明】
1,37 気体分離膜
2 補強板
3 通気性物質
5,40 接着テープ
6 流体吐出口
7 隔壁
11,51,52 支持体
12 第1の隔壁
13 第2の隔壁
14 第3の隔壁
15,150,160 中央領域部
16,17 桟
18,180,190 空間領域
19 保持部
20 封止部
21 吸気口
22 座繰り部
23 シール部材
24 貫通孔
25 受け面
26,260 切欠き部
27 カバー部材
27a 半円形凹部
27b,38b 空洞部
29 ピン
30 位置決め穴
32,33 面
34,340 凸部
35,41 シール面
36,360 吐出口
38 背面カバー部材
38a 突起部
90 スプリングピン
100 モジュール
110 前面モジュール
120 背面モジュール
Claims (4)
- 平板状の支持体の中央領域部の表面に気体分離膜が固定され、前記中央領域部は前記気体分離膜を介して流入した気体が前記支持体の平面方向に流動可能な空間領域を有し、前記空間領域の気体が前記支持体に設けられた通気路を通して前記支持体の一方の角部に形成された吸気口に流入するようにモジュールが構成され、前記モジュールを前記吸気口周辺に配設したシール部材を介して複数積層して、前記気体分離膜を通過した気体を吐出する吐出口を設けた気体分離膜ユニットにおいて、該気体分離膜ユニットを構成する複数の前記モジュールの内、両端部の少なくとも一方のモジュールを、平板状の前記支持体の前記中央領域部の一方の面が前記支持体と同一材料でシールされ、他方の面には前記気体分離膜が固定された端部側モジュールとし、該端部側モジュール以外のモジュールは、平板状の前記支持体の前記中央領域部の両面に前記気体分離膜が固定されていることを特徴とする気体分離膜ユニット。
- 前記モジュールおよび端部側モジュールには、外周部に突起状の複数の隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気体分離膜ユニット。
- 前記モジュールおよび端部側モジュールには、外周部に複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気体分離膜ユニット。
- 複数積層された前記モジュールおよび端部側モジュールの外周部に設けられた貫通孔にスプリングピンが挿入されてなることを特徴とする請求項3に記載の気体分離膜ユニット。
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