JP4122780B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式による画像形成装置に関し、特に、記録材の分離不良が発生した際の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的な電子写真方式による画像形成工程は、周知のように感光体等の像担持体に、帯電、露光及び現像によりトナー像を形成し、像担持体上に形成されたトナー像を記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を定着処理する工程からなる。また、他の電子写真方式による画像形成工程は、感光体等の像形成体に帯電、露光及び現像によりトナー像を形成し、像形成体上に形成されたトナー像を中間転写体等の像担持体に転写した後に、中間転写体から記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を定着処理する工程からなる。
【0003】
このような電子写真工程により画像を形成する画像形成装置は、ジャム等の記録材の搬送不良が発生する可能性があることから、ジャム解除機構を備えているのが一般的である。
【0004】
ジャム解除機構は一般に、ジャム検知手段と該ジャム検知手段がジャムを検知した場合に、装置を停止させる制御手段及びジャムの解除を可能とする記録材搬送路の開放機構で構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
記録材が感光体や中間転写体等の像担持体から分離されない分離不良ジャムは転写・分離位置の下流に設けられた検知手段により検知されるが、装置を小型・コンパクト化する場合に、記録材検知手段を配置するスペースを確保することが困難になるという問題がある。特に、小型化・コンパクト化のために転写・分離位置と定着位置とを接近させた配置では、像担持体からの反射光を受光して像担持体に張り付いた記録材を検知する検知手段は定着手段からの熱により影響を受けるという問題がある。
【0006】
本発明は、画像形成装置を小型・コンパクト化する場合における、分離不良を検知する検知手段の配置の問題に関連した前記の問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は下記の発明により達成される。
【0008】
1.トナー像を担持する像担持体、該像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段、トナー像が転写された記録材を前記像担持体から分離する分離手段、転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段及び、分離不良を検知する検知手段を有する画像形成装置において、前記検知手段を、前記定着手段の記録材搬送方向下流に配置され、分離後の記録材搬送路を走行する記録材を検知する第1記録材センサ及び画像濃度を検知するための画像濃度センサ又はカラートナー像の位置ずれを補正するためのレジストセンサからなり、分離後の前記像担持体の移動路の記録材を検知するものであって、分離位置から前記第1記録材センサよりも遠い位置で記録材を検知する第2記録材センサで構成したことを特徴とする画像形成装置。
2.転写後の前記像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有し、前記第2記録材センサは、前記クリーニング手段の像担持体移動方向上流に設けられたことを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
3.前記第1記録材センサにより分離不良が検知されたときに、記録材の搬送及び前記像担持体の駆動を停止する制御手段を有することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
4.前記第2記録材センサにより分離不良が検知されたときに、前記像担持体の駆動を停止する制御手段を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
5.前記制御手段は、ジャム解除後において、前記像担持体を駆動して画像形成装置の作動可能な状態に回復する回復制御において、複数ある前記像担持体の駆動速度の内の最高速度でない速度で前記像担持体を駆動する制御を行うことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
6.複数の画像形成部を有し、カラー画像を形成することができることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、画像形成装置本体GHと、画像読取装置YSとから構成された本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体構成を示す図である。
【0018】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙部と定着手段24とから成る。
【0019】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを有し、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを有し、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを有し、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C及び帯電手段2Kと露光装置3Kとは、潜像形成手段を構成する。
【0020】
像担持体としての中間転写体6は、駆動ローラ9A及び従動ローラ9B〜9Eに張架され、画像形成時に矢印で示すように循環移動する。
【0021】
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kにより形成された各単色画像は、中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。中間転写体6上にカラー画像を形成する画像形成部10Y、10M、10C、10K及び転写手段7Y、7M、7C、7Kは像形成手段を構成する。
【0022】
記録材Pを収納する収納部としての複数の給紙カセット20a、20b、20c内に収容された記録材Pは、繰り出しローラ及び捌き部材からなる給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ102等を経て、電源7Bにより転写電圧が印加された転写手段としての転写ローラ7Aに搬送され、記録材P上にカラー画像が転写される(2次転写)。
【0023】
カラー画像が形成された記録材Pは、分離手段としての駆動ローラ9Aにより中間転写体6から分離される。分離手段は小ローラで構成された駆動ローラ9Aからなり、中間転写体6を駆動ローラ9Aにより小さな曲率半径で強度に屈曲させることにより、紙の直進性を利用して記録材Pを中間転写体6から分離する。
【0024】
給紙カセット20b及び20cには符号を省略しているが、それぞれ給紙手段21及び搬送ローラ22Aが設けられている。給紙カセット20a、20b、20c、手差し給紙台20d又は両面画像形成用の反転搬送部からの記録材搬送路はループ形成ローラ101の上流で合流し、ループ形成ローラ101には単一の記録材搬送路から記録材Pが送り込まれる。カラー画像が転写された記録材Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。定着手段24は、それぞれ内側にヒータ24D、24Eが配置された上下ローラ24A、24B、クリーニングローラ24C等で構成される。定着手段24には、上下ローラ24D、24Eのニップにより形成される定着位置の下流に記録材センサS1が配置される。
【0025】
一方、転写ローラ7Aにより記録材Pにカラー画像を転写した後、記録材Pを分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aによりクリーニングされる。
【0026】
5Y、5M、5C、5Kは、現像手段4Y、4M、4C、4Kにそれぞれ新規トナーを補給するトナー補給手段である。
【0027】
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dはレジスト搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
【0028】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段3Y、3M、3C、3Kに入力する。
【0029】
自動原稿送り装置201は両面原稿搬送手段を備えている。自動原稿送り装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの画像を、連続して読み取り、記憶手段に蓄積する事が可能であるから(電子RDH機能)、複写機能により多数枚の原稿内容を複写することが可能であり、また、ファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信することが可能である。
【0030】
S1は、定着手段24による定着位置の下流に設けられた第1記録材センサとしての記録材センサであり、アクチュエータと該アクチュエータの作動を検知する光電素子からなるホトインタラプタ型のセンサからなる。記録材センサS1は定着手段24内の記録材Pの滞留及び後に説明する分離不良を検知する。
【0031】
S2は第2記録材センサとしてのレジストセンサであり、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の各単色画像間の位置合わせに用いられる。図2(a)に示すように、中間転写体6上にレジストマークRMが形成されるが、このようなレジストマークRMは各単色画像について形成され、レジストセンサS2により各レジストマークRMの位置が検知される。検知された各レジストマークRMの位置の情報に基づいて、露光手段3Y、3M、3C、3Kの書込タイミングが制御されて各単色画像の位置合わせが行われ、カラートナー像の位置ずれが補正される。このような位置合わせは周知の方法により実施される。
【0032】
S3は画像濃度制御に用いられる第2記録材センサとしての画像濃度センサである。イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の図2(b)に示すような基準画像(パッチ画像)PTが形成され、画像濃度センサS3により各基準画像PTの濃度が検知される。検知された濃度に基づいて、現像手段4Y、4M、4C、4K及び各現像手段にトナーを補給するトナー補給手段が制御されて、画像濃度を一定に維持する制御が行われる。このような基準画像PTを用いた画像濃度制御は周知の方法に従って行われる。
【0033】
本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、画像形成速度を異にする複数のモードで画像形成を行うことができる。
【0034】
即ち、通常の画像形成モードに対して、画像形成速度を落とした画像形成モードで画像を形成することができる。このような低速の画像形成モードは、光沢モード或いはOHTモードと呼ばれており、通常の画像形成モードに対して、記録材の搬送速度を二分の一乃至数分の一に落として画像形成が実行される。記録材Pの搬送速度をこのように落とすことにより、定着手段24においてトナーを高度に溶融した定着が行われ、平滑性に富み光沢性のある画像や透明度の高い画像が形成される。
【0035】
図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるジャム解除制御を行う制御部のブロック図である。
【0036】
制御手段CRは第1記録材センサとしての記録材センサS1、第2記録材センサとしてのレジストセンサS2の検知信号に基づいて、レジストローラ102を駆動するモータM1、中間転写体6を駆動するモータM2及び定着手段24の加熱ローラ24Aを駆動するモータM3を制御する。
【0037】
記録材センサS1は定着手段24の定着位置下流に配置され、レジストローラ102の起動から所定時間経過した時点で記録材Pを検知する。該所定時間は制御手段CRにより設定され、レジストローラ102の起動からの時間はモータM2の起動と同時に起動する制御手段CR内のタイマTによりカウントされる。設定された前記所定時間経過時に記録材Pが検知されないとき制御手段CRは搬送不良と判断してモータM1〜M3を停止し、表示部DPにジャム表示をする。
【0038】
搬送不良には、記録材Pが中間転写体6に張り付く分離不良や定着手段24内に滞留する定着ジャムがある。周知のように搬送不良を起こした記録材Pは、装置の前面扉を開き、レジストローラ102から定着手段24を含む記録材搬送路を開放することにより除去される。
【0039】
除去された後に制御手段CRはモータM1〜M3を所定時間駆動して、装置を作動可能な状態に整える。この段階でレジストセンサS2により記録材Pが検知された場合には、制御手段CRはモータM1〜M3を停止して表示部DPにジャム表示をする。
【0040】
このような回復動作においては、中間転写体6及び定着手段24を前記した複数ある駆動速度中の最高でない速度、望ましくは、最も低い速度で駆動する制御が行われる。これにより回復動作中における各部品の損傷等が防止される。
【0041】
前記のように、記録材センサS1は、タイマTを用いた予測制御に基づいた間接検知により分離不良を検知する。また、レジストセンサS2は中間転写体6の反射光を受光することにより記録材Pを直接検知して記録材Pの中間転写体6への張り付きを検知する。定常の搬送不良検知は記録材センサS1により行われる。レジストセンサS2は、搬送不良を起こした記録材Pをオペレータが除去し忘れた場合に、記録材Pを検知する安全手段として機能する。
【0042】
制御手段CRは記録材Pの搬送不良が発生した場合に、記録材Pがクリーニング手段8Aに到達する前に作動停止する制御を行う。このために、レジストセンサS2はクリーニング手段8Aの中間転写体移動方向上流に配置される。また、搬送不良の定常的な検知を記録材センサS1により行う構成であるので、図4(分離位置及び定着手段24を含む記録材搬送路の拡大図)の分離位置SPから記録材センサS1までの距離L1が分離位置SPからレジストセンサS2までの距離L2よりも短く設定される。距離L1、L2は図5に示すように分離位置SPを起点とした距離であり、距離L1はほぼ直線状の記録材搬送路上の距離であり、距離L2は駆動ローラ9Aの一部を周回する中間転写体6の移動路上の距離である。
【0043】
前記に説明した分離不良を検知する検知手段は第1記録材センサとしての記録材センサS1と第2記録材センサとしてのレジストセンサS2により構成されるが、第2記録材センサとして画像濃度センサS3を用いることもできる。また、第2記録材センサとして専用のセンサを設けることもできるが、コスト低減のためには、レジストセンサS2又は画像濃度センサS3を第2記録材センサに兼用することが望ましい。記録材センサS1は前記のように熱に強いホトインタラプタ型のセンサを用いているので、分離位置SPに近づけるために定着手段24近傍に設けることができるとともに、光検知型のセンサであるレジストセンサS2又は画像濃度センサS3を第2記録材センサとして用いる構成でも、第2記録材センサは前記したように分離不良検知においては補助的な機能を果たすので、分離位置、言い換えると、定着手段24から離して配置することができる。
【0044】
以上、中間転写体を像担持体とする画像形成装置に本発明を適用した実施の形態について説明したが、感光体を像担持体とし、帯電、露光及び現像により感光体上にトナー像を形成し、感光体から記録材にトナー像を転写し定着する画像形成装置に本発明を適用することができることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
請求項1、3又は4の発明により、装置を小型・コンパクト化する場合に、分離位置近傍のスペースが狭くなり、分離不良を検知する検知手段を配置する余裕がない場合であっても分離不良を確実に検知することが可能になり、信頼性が高く、小型化された画像形成装置が実現される。
また、分離位置に近い位置に定着手段を配置することが可能になり、一層小型化された画像形成装置が実現される。
請求項2の発明により、分離不良を解除する際にオペレータが滞留記録材を除去し忘れた場合であっても、残留記録材によりクリーニング装置が損傷を受けることがなく、未熟練のオペレータにとっても信頼性の高い画像形成装置が実現される。
請求項5の発明により、装置を作動可能に回復させる回復作動において、像担持体やクリーニング装置が損傷を受ける等の不慮の事故が防止される。
請求項6の発明により、小型化されたカラー画像が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体構成を示す図である。
【図2】レジストセンサ及び画像濃度センサを示す図である。
【図3】ジャム解除制御を行い制御部のブロック図である。
【図4】分離位置から定着手段に至る記録材搬送路を示す拡大図である。
【図5】分離位置の拡大図である。
【符号の説明】
6 中間転写体
7A 転写ローラ
24 定着手段
S1 記録材センサ
S2 レジストセンサ
S3 画像濃度センサ
CR 制御手段
Claims (6)
- トナー像を担持する像担持体、該像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段、トナー像が転写された記録材を前記像担持体から分離する分離手段、転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段及び、分離不良を検知する検知手段を有する画像形成装置において、前記検知手段を、前記定着手段の記録材搬送方向下流に配置され、分離後の記録材搬送路を走行する記録材を検知する第1記録材センサ及び画像濃度を検知するための画像濃度センサ又はカラートナー像の位置ずれを補正するためのレジストセンサからなり、分離後の前記像担持体の移動路の記録材を検知するものであって、分離位置から前記第1記録材センサよりも遠い位置で記録材を検知する第2記録材センサで構成したことを特徴とする画像形成装置。
- 転写後の前記像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有し、前記第2記録材センサは、前記クリーニング手段の像担持体移動方向上流に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1記録材センサにより分離不良が検知されたときに、記録材の搬送及び前記像担持体の駆動を停止する制御手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第2記録材センサにより分離不良が検知されたときに、前記像担持体の駆動を停止する制御手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、ジャム解除後において、前記像担持体を駆動して画像形成装置の作動可能な状態に回復する回復制御において、複数ある前記像担持体の駆動速度の内の最高速度でない速度で前記像担持体を駆動する制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 複数の画像形成部を有し、カラー画像を形成することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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