JP4121654B2 - 板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置並びに板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材の曲げ加工用のCAD/CAMなどにおいて加工用の金型の長さ及びその配置を自動的に決定するための板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置並びに板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に板金等の板材の曲げ加工においては、パンチとダイをセットとした金型をベンダー又はプレスブレーキに取り付けて、被加工物をパンチとダイとで挟んで加圧し塑性変形させることにより曲げ加工を行っている。
【0003】
図13は、このような曲げ加工に用いられる曲げワークステーションの全体構成を簡単に示す斜視図である。図示の曲げワークステーション50は、BM100アマダ・ワークステーションである。図13に示すように、曲げワークステーション50には、4個の重要な機械的構成要素が含まれる。即ち、曲げワーク56用のプレスブレーキ69、プレスブレーキ69内でワーク56を取り扱うと共に位置決定を行う5自由度ロボット・アーム(以下、ロボットと略す)52、ロボット52が掴める場所に未完成ワークをロードすると共に位置決定をし、また完成ワークをアンロードする材料ローダ・アンローダ70、ロボット52がワーク56の掴み位置を変更する間、ワーク56を保持するための再位置決定グリッパ72である。
【0004】
図14は、プレスブレーキ69を示す部分側面図である。図14には、ワーク56を掴むロボット・アーム・グリッパ54を有するロボット52、パンチホルダ60により保持されるパンチ58、ダイレール62上に保持されるダイ59が含まれる。
【0005】
図15は、プレスブレーキ69を示す部分正面図である。図15において、プレスブレーキ69には、ダイ・レール62上に保持される少なくとも1つのダイ59、及びダイ59に対応してパンチ工具ホルダ60に保持される少なくとも1つのパンチ58が含まれる。プレスブレーキ69には、更にワーク56の位置決めに使用されるバックゲージ機構64も含まれる。
【0006】
次に、図13ないし図15を参照して、ワークステーション50によるワークの加工動作を説明する。まず、材料ローダ・アンローダ70は、図示しない容器から未完成ワーク56を吸引カップ71により持ち上げ、ロボット52のグリッパ54により掴まれる位置に上げて移動する。次に、ロボット52は、曲げワークステーション50内に位置する特定曲げステージに対応する位置に自身操縦移動する。図13及び図14において、ステージAはプレスブレーキ69の極左部のステージより構成され、ステージBはダイ・レール62に沿ってステージAの右側に位置する。
【0007】
ステージAで最初の曲げが行われる場合、ロボット52はワーク56をステージAに移動し、図14に示すように、バックゲージ機構64に到達し接触するまで、ワーク56をプレスブレーキ69内においてパンチ58とダイ59間の場所で操作移動させる。ワーク56の位置は、バックゲージ機構64に設けられた図示しない接触センサに支援され、ロボット52により調整される。
【0008】
次いで、ステージAでワーク56に対して曲げ操作が行われる。曲げ操作中、ダイ・レール62は、図14の矢印Aが示すD軸に沿って上方に移動する。パンチ58とダイ59とが同時にワーク56に当接するとき、グリッパ54はワーク56に対するその掴みを開放し、ロボット52はグリッパ54をワーク56から遊離させて、ワーク56にはパンチ58とダイ59による曲げ力のみが作用するようになる。次いで、プレスブレーキ69は、適切な曲げ形状が形成されるまでダイ59を上方移動させ、ワーク56の曲げを終了させる。
【0009】
ワーク56をその曲げ状態に保持しつつダイ59をパンチ58に対して一旦係合した後、プレスブレーキ69を下げてダイ59の係合を解く前に、ロボット52は、ワーク56を保持するために、グリッパ54を再び位置決めする。グリッパ54がワーク56を保持すると、ダイ59はD軸に沿って下方に移動し、係合が解かれる。
【0010】
ロボット52は、次いで、ワーク56用にプログラムされた特定曲げシーケンス中の次の曲げを実行するため、ワーク56を操作移動し、その位置を再決定する。曲げシーケンス内の次の曲げは、実行される曲げ形態、プレスブレーキ69内に設けられた道具立てに応じ、最初の曲げが行われたステージAと同ステージ、又はステージB等の異なるステージのいずれにおいても行われ得る。
【0011】
実行される次の曲げやワーク56の構成に応じ、グリッパ54がワーク56を掴む位置も再決定される必要がある。図13に示すように、この目的のため再位置決定グリッパ32が設置される。グリッパ54の再位置決定が必要である次の曲げの実行前に、ワーク56はロボット52により再位置決定グリッパ72まで移動される。次いで、再位置決定グリッパ72は、ワーク56を一時的に掴み、これにより、グリッパ54が次の曲げ、或いは一連の曲げに適切な場所でワーク56を掴み換えることができる。
【0012】
上記のような曲げワークステーション50におけるワーク(被加工物)の加工に先立って、板材の材質、厚さ、曲げ条件等を考慮して曲げ線を含む被加工物の展開図が作成され、この展開図に基づいて板材の板取り、NCT/レーザ加工機等により切断が行われ、曲げ加工前の被加工物が成形される。また展開図に基づいて、曲げ順や曲げ金型の長さ及びその配置が決定される。
【0013】
被加工物が複数の曲げを含む場合、加工性の良い曲げ順を選択する必要があるが、このような曲げ順を自動的に決定する方法は、本願出願人によるPCT/JP95/02291、特願平8−515914号等がある。これは、種々の拘束条件を満たしながら最も低コストの曲げ順を自動的に選択するシステムであり、一直線上に配列された複数の曲げを同時に行う平行曲げ(Colinear Bending)にも対応している。
【0014】
ところで、板材の曲げに利用される金型は、通常10mm以上、5mm単位で各種の長さのものが供給されている。従来の板材の曲げ加工においては、曲げ線を含む展開図を参照して、熟練した作業者が材質、板厚、曲げ伸び値、曲げ順等を考慮して経験により金型長を判断したり、既に曲げられたフランジや曲げの対象とならない板材の領域等の障害を判断して金型長及び平行曲げにおける複数金型間の間隔を決めていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、曲げ作業の熟練作業者でも、一つの被加工物に多数の曲げがある場合に、展開図を参照して全ての曲げの金型の長さ及び配置を決定することは難しく、正確な金型長さ及び配置を決定するまでに長時間を要し、また金型長さ及び配置の正当性のチェックにも長時間を要するという問題点があった。
【0016】
また、作業者毎に経験や判断基準が異なるので、多数の部品からなる板金製品を複数の作業者で分担して金型長や金型配置を決定しようとすると、同一曲げ条件の異なる曲げの仕上がりが不揃いとなるという問題点があった。
【0017】
また、曲げ作業の初心者では、金型長や金型配置を決定することができないという問題点があった。
【0018】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、作業者の熟練の程度に関わらず、自動的に標準化された方法で金型長及び金型配置を決めることができる板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置並びに板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定方法であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得する工程と、
前記展開図データ上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出する工程と、
前記曲げ線の長さ及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する工程と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する工程とを含み、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する工程で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する工程で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算する板材曲げ加工用金型自動決定方法である。
請求項2に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定方法であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得する工程と、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げを同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定する工程と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出する工程と、
前記曲げ線の長さ及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する工程と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する工程とを含み、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する工程で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する工程で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを所定の金型単位長の倍数に丸める工程と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する工程とを備えた板材曲げ加工用金型自動決定方法である。
請求項3に係る発明は、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸める工程は、
金型単位長の自然数倍の第1の値と、第1の値に金型単位長を加えた第2の値との中央値未満の前記金型長TLは切り捨て、前記中央値以上は切り上げるいわゆるR丸めを用いる請求項2記載の板材曲げ加工用金型自動決定方法である。
請求項4に係る発明は、前記フランジを検出する工程は、金型のパンチに対するフランジと金型のダイに対するフランジとをそれぞれ個別に検出し、
前記金型長はパンチの長さとし、障害がない限りダイの長さはこのパンチの長さより所定長分だけ長く設定若しくは一本物のダイを使用するように設定する請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の板材曲げ加工用金型自動決定方法である。
請求項5に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定装置であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された展開図データから板厚t、曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bevを抽出する数値抽出手段と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出するフランジ検出手段と、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する内寸法計算手段と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する金型長計算手段とを備え、
前記フランジ検出手段で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法計算手段で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸める丸め手段と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する金型間隔計算手段とを備えた板材曲げ加工用金型自動決定装置である。
請求項6に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定装置であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された展開図データから板厚t、曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bevを抽出する数値抽出手段と、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げ線を同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定する曲げ順序決定手段と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出するフランジ検出手段と、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する内寸法計算手段と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する金型長計算手段とを備え、
前記フランジ検出手段で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータ hを求め、
前記内寸法計算手段で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の単位に丸める丸め手段と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する金型間隔計算手段とを備えた板材曲げ加工用金型自動決定装置である。
請求項7に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得し、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出し、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算し、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算し、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する際は、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する際は、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸め、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体である。
請求項8に係る発明は、板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得し、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げ線を同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定し、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出し、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算し、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算し、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する際は、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する際は、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸め、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体である。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定装置の実施形態の構成を示す概略構成図である。本実施形態においては、従来技術の項で図13ないし図15を用いて説明したように、ロボットを使用して曲げ作業を自動化した曲げワークスステーションにおける板材曲げ加工用金型自動決定装置及び方法について説明するが、これは本発明を限定するものではなく、従来の汎用機による手曲げ用の金型についても本発明を適用できることは明らかである。
【0026】
図1において、板材曲げ加工用金型自動決定装置1は、図外の板金CADシステムから図形データとしての展開図データを入力する入力部2と、曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを記憶する記憶部3と、展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げ線に対する平行曲げを含む曲げ線に対する曲げ順序決定する曲げ順序決定部4と、記憶部3に記憶された展開図データから板厚t、曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bevを抽出する数値抽出部5と、展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対する障害形態を検出する障害検出部6と、曲げ線の長さBL及び前記障害形態及び板厚tに基づいて選択された曲げの内寸法ILを計算する内寸法計算部7と、板厚tを判別してtの所定範囲毎に定められた係数kを出力する板厚判別部8と、内寸法IL、定数ST、係数k、及び板厚tから、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する金型長計算部9と、金型長TLを金型単位長の単位に丸める金型長丸め部10と、曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する金型間隔計算部11と、金型長及び金型間隔を板金加工用データとして外部へ出力する出力部12と、を備えている。
【0027】
次に、この板材曲げ加工用金型自動決定装置1の動作を説明する。まず、図外の板金CADシステムにおいて、展開図データが生成される。この展開図データ生成方法には、被加工物の3次元CADデータから生成する方法、3面図を主とする2次元図面データから生成する方法、人手入力による方法等があるが特に限定されることはない。
【0028】
展開図データには、板材の板厚t、各曲げ線の長さBL、及び曲げの片伸び値Bevが組み込まれているか若しくは添付されているものとする。展開図データは、図外の板金CADシステムから入力部2を介してハードディスク、半導体メモリなどで構成した記憶部3に入力され一時記憶される。
【0029】
曲げ順序決定部4は、展開図データに含まれる各曲げ線について、曲げ順序を決定し、この曲げ順序を各曲げ線の属性データに付加するとともに、独立した曲げ順情報を作成する。このとき、曲げ順序決定部4は、同一直線上に配列された複数の曲げ線を同時に曲げる平行曲げが実行できるか否かについても判定し、平行曲げが実行できる場合には、一組の平行曲げとなる複数の曲げ線に同一の曲げ順序を付与する。
【0030】
入力される全ての展開図データに、予め各曲げ線の曲げ順序が付与されていれば、曲げ順序決定部4を設ける必要ないが、曲げ順序決定部4が備えられている場合には、曲げ順序の正当性をチェックする手段として用いても良い。
【0031】
数値抽出部5は、記憶部3に記憶された展開図データから板厚t、各曲げ線の線長BL、曲げの片伸び値Bevを抽出し、後述する板厚判別部8、金型長計算部9に与えるものである。
【0032】
障害検出部6は、各曲げ線毎に、それぞれの端部に曲げの障害があるか否かを判定し、その障害の状況によって0、1、2のいずれかの値を取るパラメータhを設定するとともに、各曲げ線端から障害までの延長線の長さC1、C2を計算する。パラメータhは、曲げ線の両端部に曲げの障害となるフランジがある場合h=2、片端部に曲げの障害となるフランジがある場合h=1、両端部共に障害となるフランジがない場合h=0となる。C1、C2は曲げ線のそれぞれの端から障害までの距離となるものである。
【0033】
例えば、図4(b)に示す曲げ線21を曲げる場合、先行する曲げにより各曲げ線31、32、33、34、35によって、斜線で示した各フランジ41、42、43、44、45が曲げられていたとする。
【0034】
この場合、処理対象の曲げ線21の左端部に曲げの障害となるフランジ41、42があり、曲げ線21の右端部に曲げの障害となるフランジ43、44があるので、曲げ線の両端部に障害となるフランジが有る場合となり、h=2となる。
【0035】
また、曲げ線の左端から障害となるフランジ41、42の曲げ線31、32までの曲げ線21の延長線の長さC1は2〔mm〕であり、曲げ線の右端から障害となるフランジ43、44の曲げ線33、34までの曲げ線21の延長線の長さC2は2〔mm〕である。
【0036】
内寸法計算部7は、数値抽出部5から与えられる板厚t、曲げ線長BL、曲げ伸び値Bevと、障害検出部6から与えられるパラメータh、曲げ線の両端から障害までの距離を示すC1、C2とに基づいて、次に示す式(1)により内寸法ILを計算する。
【0037】
【数1】
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t) …(1)
板厚判別部8は、数値抽出部5が抽出した板厚tを判別し、この判別結果に応じて板厚係数kを出力するものである。即ち、予め一定の板厚範囲毎にkの値を定義しておき、板厚tがいずれの板厚範囲に属するかを判定し、この判定に応じて対応するkの値を出力するものである。
【0038】
例えば、板厚範囲を区切る値を1.5〔mm〕と、2.3〔mm〕とすると、
【数2】
k=2 ( 0<t≦1.5)
k=1 (1.5<t≦2.3)
k=0.8(2.3<t)
というようにkを定義しておく。この板厚係数kと板厚tとを乗じたktは、曲げの内半径IRを反映する値となるように、板厚係数kを定義することが好ましい。
【0039】
金型長計算部9は、内寸法計算部7から与えられる内寸法IL、板厚判定部8から与えられる板厚係数k、板厚tを用いて次の式(2)を用いて金型長TLを計算する。
【0040】
【数3】
TL=IL−ST−kt …(2)
ここで、STは、ステージ・トレランス(stage tolerance )と呼ばれる定数であり、本実施の形態では、4〔mm〕を採用している。例えば図13に示した様なロボット52を使用してワーク56の位置決めを行う場合、ロボット52は、グリッパ54で掴んだワークを小さく振ってバックゲージ64に当接させることによりx軸方向、y軸方向の位置決めを行っている。このため、この振幅を左右それぞれ最大2〔mm〕として、ST=2+2=4とする。金型長TLを計算する際、内寸法ILからST分だけ減じることにより、ロボットによるワークの位置決め時に金型が当接して位置決めを妨げることがなくなる。
【0041】
さらに板厚係数kと板厚tとの積ktは、曲げの内半径IRを反映する値であり、例えば、図4(a)に示すように、障害となるフランジの曲げ内半径を反映した数値であるktを内寸法ILから減じることにより、金型がIR部に掛からないようにすることができる。
【0042】
金型長丸め部10は、金型製作が任意の長さではなく、例えば、10〔mm〕以上、5〔mm〕毎の長さというように、所定の単位長の倍数単位で製作される場合、この規定に合致するように金型長の丸めを行うものである。この金型長丸め部10が用いる丸め方法は、最もよく利用されているR丸めを用いる。
【0043】
即ち、ある金型長TLを丸める場合、金型単位長の自然数倍の第1の値と、第1の値に金型単位長を加えた第2の値との中央値未満の金型長TLは切り捨て、前記中央値以上は切り上げる。
【0044】
具体的には、丸め前の金型長をTL、丸め後の金型長をR(TL)とすれば、
【数4】
5×N−2.5≦TL<5×N+2.5 …(3)
R(TL)=5×N …(4)
式(3)を満たす自然数N(又は2以上の整数)を用いて、式(4)により求めることができる。
【0045】
金型間隔計算部11は、曲げが平行曲げの場合、各曲げ線を曲げる金型と金型との間隔である金型間隔CLを計算する。この金型間隔の計算の詳細は、後述する図8の計算例で説明する。
【0046】
出力部12は、計算され丸められた金型長R(TL)と、平行曲げの場合の金型間隔とを板金加工用データとしてに出力し、この板金加工用データはCAMデータとして例えば図13に示したような曲げワークステーションに与えられる。
【0047】
図2及び図3は、本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法を説明するフローチャートであり、汎用のエンジニアリングワークステーションやパーソナルコンピュータ上で実行されるソフトウェア(プログラム)の動作フローとして記述されている。これらのプログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク等の記録媒体に記録して頒布されることができる。
【0048】
これらのフローチャートの動作の概要は、以下の通りである。まず展開図データを取得し、曲げ順序を決定する。次いで、板厚tを判定し、kを設定する。次いで、曲げ線を選択し、この選択された曲げ線の両端部に曲げの障害があるかどうか、またその障害の状況を判定し、障害状況パラメータh、一端部の障害までの距離C1,他端部から障害までの距離C2を求める。
【0049】
次いで、内寸法ILを計算し、ILを用いて金型長TLを計算し、TLの丸め処理を行い、平行曲げの場合、金型間隔CLを計算し、TL、CLを加工用データファイルへ出力する。
【0050】
以下に、図2、図3を参照してフローチャの詳細な動作を説明する。
まず最初に、曲げ線情報を含む展開図データが取得される(ステップS100)。この展開図データの取得には、通信回線を介して他のCADシステムで作成された展開図データを取得したり、フロッピーディスクや光磁気ディスク(MO)等の交換可能な記憶媒体に格納された展開図データを読み取ってもよいし、展開図作成用ソフトウェアにより2次元3面図や3次元CADデータから展開図データを作成してもよい。
【0051】
次いで、展開図データに含まれる各曲げ線に対して、曲げ順序を決定する(ステップS110)。この曲げ順序決定方法は、本願出願人によるPCT/JP95/02291、特願平8−515914号がある。これは、種々の拘束条件を満たしながらロボット及びプレスブレーキ装置の作業時間が最も短くなる(即ちコストが最も低い)曲げ順を自動的に決定するシステムであり、曲げ順プランナーと呼ばれている。
【0052】
この曲げ順に関する拘束条件には、例えば、切り起こしは最初に曲げる、長辺より短辺を先に曲げる、外フランジより先に曲げる、平行曲げ線から先に曲げる、低いフランジから先に曲げる等がある。曲げ順プランナーは、A* アルゴリズムを使用して曲げ順を探索する状態空間のサーチツリーを出発節点から目標節点まで探索する。このとき、出発節点からある節点までのコストと、その節点から目標節点までのコストの推定値との和を評価値として用いる。
【0053】
次いで、展開図データより、板厚t、曲げ伸び値Bevを抽出する(ステップS120)。次いで、板厚tが1.5以下かどうかを調べ(ステップS130)、1.5以下ならば、k=2に設定し(ステップS140)、1.5を超えていれば、k=1に設定する(ステップS150)。尚、kの区分は2段階としたが、3段階以上でもよい。
【0054】
次いで、展開図データ上のある曲げを選択し(ステップS160)、この選択された曲げの曲げ線長BLを抽出する(ステップS170)。
次いで、パラメータhを0に初期設定し(ステップS180)、曲げ線の一端部に曲げの障害があるか否かを展開図データを参照して判定する(ステップS190)。これには、例えば、曲げ線をその端から延長した延長線と、先行する曲げ処理が行われる曲げ線又はその延長線とが交差するか否か、或いは曲げ線の延長方向に曲げの対象とならない領域があるか否かにより判定する。
【0055】
ステップS190で曲げ線の一端部に障害があると判定したとき、選択された曲げ線から障害までの垂線の長さを求め、その値をC1に設定し(ステップS200)、障害が曲げ線に直交するフランジによるものか否かを判定し(ステップS220)、障害が直交するフランジであれば、パラメータhを1だけ増加させて(ステップS230)、他端部の障害状況を判定するステップS240へ移る。障害が直交するフランジでなければ、パラメータhの値はそのままにして、ステップS240へ移る。
【0056】
ステップS190の判定で障害がなければ、C1に−1を設定し(ステップS210)、ステップS240へ移る。
ステップS240では、ステップS190と同様に、曲げ線の他端部に曲げの障害があるか否かを展開図データを参照して判定する。これには、例えば、曲げ線をその端から延長した延長線と、先行する曲げ処理が行われる曲げ線又はその延長線とが交差するか否か、或いは曲げ線の延長方向に曲げの対象とならない領域があるか否かにより判定する。
【0057】
ステップS240で曲げ線の他端部に障害があると判定したとき、選択された曲げ線から障害までの垂線の長さを求め、その値をC2に設定し(ステップS250)、障害が曲げ線に直交するフランジによるものか否かを判定し(ステップS270)、障害が直交するフランジであれば、パラメータhを1だけ増加させて(ステップS280)、ステップS290へ移る。障害が直交するフランジでなければ、パラメータhの値はそのままにして、ステップS290へ移る。
【0058】
ステップS240の判定で障害がなければ、C2に−1を設定し(ステップS260)、ステップS290へ移る。
ステップS290では、C1<0、C2<0、C1>5、C2>5のいずれか成立するか否かを判定する。これらの条件の内一つでも成立すると、曲げ線のいずれかの端部に障害がないか、あるいは障害までの距離が5〔mm〕を超えているので、曲げはSASHタイプであるとして、金型長TL=BLとし(ステップS330)、TLの切り上げ処理を行い(ステップS340)、ステップS350へ移る。
【0059】
ステップS290の判定で条件が一つも成立しない場合には、次の式(5)に従って内寸法ILを計算し(ステップS300)、式(6)に従って金型長TLを計算する(ステップS310)。
【0060】
【数5】
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t) …(5)
TL=IL−ST−kt …(6)
次いで、金型長TLの丸め処理を行う(ステップS320)。具体的には、丸め前の金型長をTL、丸め後の金型長をR(TL)とすれば、
【数6】
5×N−2.5≦TL<5×N+2.5 …(7)
R(TL)=5×N …(8)
式(7)を満たす自然数N(又は2以上の整数)を用いて、式(8)により求めることができる。
【0061】
次いで、ステップS350では、曲げが平行曲げか否かを判定し、平行曲げでなければ、計算結果としてTL、R(TL)を加工用データファイルへ出力し(ステップS370)、平行曲げであれば、金型間隔CLを計算し(ステップS360)、TL、R(TL)に金型間隔CLを加えた計算結果が加工用データファイルへ出力される。
【0062】
次いで、未処理の曲げが有るか否かが判定され(ステップS380)、未処理の曲げが有ると、新たな処理対象の曲げを選択するため、ステップS160へ移る。未処理の曲げが残っていなければ、処理を終了する。
【0063】
図4ないし図12は、種々のワーク20に対して金型長TL及び丸め金型長R(TL)を求めた計算例を説明する図である。
これらの図において、展開図データ上の選択された曲げ線を21、22、23、…、選択された曲げに対する先行する曲げの曲げ線を31、32、33、34、…、とし、先行する曲げにより形成されるフランジを41、42、43、44、45、…、として斜線部で示す。
【0064】
図4は、第1計算例を示すパンチ及びワークの正面図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。図4において、曲げ線21に対する金型長TL及び丸め金型長R(TL)を求める。曲げ線長BL=130、板厚t=2.3(1.5<t)、片伸び値Bev=2、ステージ・トレランスST=4である。単位はそれぞれ〔mm〕であるが説明を簡略化するため、以後単位は省略する。板厚t=2.3からk=1となる。
【0065】
曲げ線21の左端部には、先行する曲げの曲げ線31、32があり、これらによって形成されるフランジ41、42が有るので、左端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の左端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線31、32の延長線との交点までの距離であるC1=2となる。
【0066】
曲げ線21の右端部には、先行する曲げの曲げ線33、34があり、これらによって形成されるフランジ43、44が有るので、右端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の右端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線33、34の延長線との交点までの距離であるC2=2となる。
【0067】
従って、曲げ線の両端部にフランジによる障害があるのでh=2となり、C1=2、C2=2となる。
【0068】
よって式(5)より、内寸法ILは、
となる。
【0069】
金型長TLは、式(6)より、
また(7)式にTLの値を代入すると、
5×N−2.5≦127.1<5×N+2.5
となり、これを満たす自然数Nは、N=25である。よって、
丸め金型長R(TL)は、
R(TL)=5×N=125となる。
【0070】
図5は、第2計算例を示すパンチ及びワークの正面図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。図5において、曲げ線21に対する金型長TL及び丸め金型長R(TL)を求める。
【0071】
曲げ線長BL=31、板厚t=2.3(1.5<t)、片伸び値Bev=2、ステージ・トレランスST=4である。板厚t=2.3からk=1となる。
【0072】
曲げ線21の左端部には、先行する曲げの曲げ線31があり、これによって形成されるフランジ41が有るので、左端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の左端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線31の延長線との交点までの距離であるC1=2.62となる。
【0073】
曲げ線21の右端部には、先行する曲げの曲げ線32があり、これによって形成されるフランジ42が有るので、右端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の右端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線32の延長線との交点までの距離であるC2=2.62となる。
【0074】
従って、曲げ線の両端部にフランジによる障害があるのでh=2となり、C1=2.62、C2=2.62となる。
【0075】
よって、式(5)より、内寸法ILは、
となる。
【0076】
金型長TLは、式(6)より、
となる。
【0077】
丸め金型長R(TL)は、R(TL)=30となる。
【0078】
図6は、第3計算例を示すパンチ及びワークの正面図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。図6において、曲げ線21に対する金型長TL及び丸め金型長R(TL)を求める。曲げ線長BL=185.2、板厚t=1.0(0<t≦1.5)、片伸び値Bev=0.87、ステージ・トレランスST=4である。板厚t=1.0からk=2となる。
【0079】
曲げ線21の左端部には、先行する曲げの曲げ線31、32があり、これらによって形成されるフランジ41、42が有るので、左端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の左端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線31の延長線との交点までの距離であるC1=0.98となる。
【0080】
曲げ線21の右端部には、先行する曲げの曲げ線33、34があり、これらによって形成されるフランジ43、44が有るので、右端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の右端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線33の延長線との交点までの距離であるC2=0.98となる。
【0081】
従って、曲げ線の両端部にフランジによる障害があるのでh=2となり、C1=0.98、C2=0.98となる。
【0082】
よって式(5)より、内寸法ILは、
となる。
【0083】
金型長TLは、式(6)より、
丸め金型長R(TL)は、R(TL)=180となる。
【0084】
図7は、第4計算例を示すパンチ及びワークの正面図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。図7において、曲げ線21に対する金型長TL及び丸め金型長R(TL)を求める。曲げ線長BL=255、板厚t=1.0(0<t≦1.5)、片伸び値Bev=0.87、ステージ・トレランスST=4である。板厚t=1.0からk=2となる。
【0085】
曲げ線21の左端部には、先行する曲げの曲げ線31、これによって形成されるフランジ41が有るので、左端部にフランジによる障害がある。この障害までの距離は、曲げ線21の左端から、曲げ線を延長した延長線と先行する曲げの曲げ線31の延長線との交点までの距離であるC1=0.78となる。
【0086】
曲げ線21の右端部には、先行する曲げの曲げ線32があり、これによって形成されるフランジ43が有るが、曲げ線32は、曲げ線21に交わる曲げ線ではなく、曲げ線21と平行な曲げ線である。このため、曲げ線の右端部の障害形態は、障害があるものの、曲げ線に直交するフランジによる障害とはしない。また障害までの距離は、C2=2.11である。
【0087】
従って、曲げ線の一端部にフランジによる障害があるのでh=1となり、C1=0.78、C2=2.11となる。
【0088】
よって式(5)より、内寸法ILは、
となる。
【0089】
金型長TLは、式(6)より、
丸め金型長R(TL)は、R(TL)=250となる。
【0090】
図8は、第5計算例を示すパンチの正面図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。図8において、一直線上に配置された2つの曲げ線21、22は平行曲げの対象である。そして、これらの曲げ線に対する金型長TL1、TL2及び金型間隔CLを求める。曲げ線長BL1=BL2=12、板厚t=1.6(1.5<t)、ステージ・トレランスST=4である。
【0091】
曲げ線21の左端部には、曲げの障害がない。従って曲げ線21に対する処理で左端の障害状況よりC1=−1が設定され、右端から障害までの距離C2=CA=1.6となる。また両端部ともに障害となるフランジが無いので、h=0である。
【0092】
さて、C1が−1に設定されるので、SASHタイプとなり、金型長TL1はBL1を切り上げ処理した長さ、或いはそれ以上の長さでもよい。
【0093】
曲げ線22の右端部には、曲げ線21の左端部と同様に曲げの障害がない。従って曲げ線22に対する処理で右端の障害状況よりC2=−1が設定され、左端から障害までの距離C2=CB=1.6となる。また両端部ともに障害となるフランジが無いので、h=0である。
【0094】
こうして、C2が−1に設定されるので、金型長TL2はBL2を切り上げ処理した長さ、或いはそれ以上の長さでもよい。
【0095】
曲げ線21の右端と曲げ線22の左端との距離である曲げ線間隔INTは、72.4である。曲げ線21を曲げるパンチAと、曲げ線22を曲げるパンチBとの間隔である金型間隔CLは、
となる。
【0096】
また金型間隔CLの計算において、板厚tを除き、
としてもよい。
【0097】
図9は、第6計算例を示すパンチの正面図(a)、及びワークの展開図(b)であり、SASHタイプの曲げの例である。すなわちSASHタイプの曲げは、曲げ線のいずれか一方または両方に曲げの障害となるものがないか、或いは曲げ線の端から障害までの距離が5以上である場合である。図9では、長辺長さ1207.2のワーク20が長辺と平行な曲げ線21、22により曲げられるものとする。よって曲げ線21、22の曲げ線長は、それぞれBL=1207.2となり、これよりTL=1207.2となる。このTLを切り上げにより丸めると、R(TL)=1210となる。
【0098】
図10(a)、(b)、は、第7の計算例を示すワークの展開図(部分)であり、切り起こしの例である。
【0099】
図10(a)において、曲げ線21の曲げ線長BL=10、板厚t=1.0、k=2である。
【0100】
曲げ線21の左側の障害までの距離C1=2、右側の障害までの距離C2=2、また曲げ線21の左右の障害は、共に曲げの対象とならない領域であり、先行する曲げによるフランジではないので、h=0となる。
【0101】
従って、内寸法ILは、
金型長TLは、
丸め金型長R(TL)は、
R(TL)=10となる。
【0102】
図10(b)において、曲げ線21の曲げ線長BL=10、板厚t=1.0、k=2である。
【0103】
曲げ線21の左側の障害までの距離C1=4、右側の障害までの距離C2=4、また曲げ線21の左右の障害は、共に曲げの対象とならない領域であり、先行する曲げによるフランジではないので、h=0となる。
【0104】
従って、内寸法ILは、
金型長TLは、
丸め金型長R(TL)は、
R(TL)=10となる。
【0105】
図11は、第8の計算例を示す金型配置図(a)、(b)及びワークの展開図(部分)(c)である。図11(c)の展開図中に示された5本の曲げ線21、22、23、24、25のうち、曲げ線21及び22が同一直線上の曲げ線であり、また曲げ線23、24、25が同一直線上の曲げ線である。
【0106】
これにより、金型ステージ1で曲げ線21、22が同時に曲げられる平行曲げとなり、金型ステージ2で曲げ線23、24、25が同時に曲げられる平行曲げとなる。ここで板厚t=1.6、k=1、片伸び値Bev=1.4とする。
【0107】
さて、各曲げ線21、22、23、24、25に対応する曲げ線長をそれぞれBL1、BL2、BL3、BL4、BL5とし、対応する内寸法をそれぞれIL1、IL2、IL3、IL4、IL5とし、対応する金型長をそれぞれTL1、TL2、TL3、TL4、TL5とする。
【0108】
曲げ線21の場合、BL1=26、左端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C1=CB=4、右端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C2=CC=4、両端部の障害状況が共にフランジではないので、h=0となる。
【0109】
従って内寸法IL1は、
金型長TL1は、
丸め金型長R(TL1)は、R(TL1)=30となる。
【0110】
曲げ線22の場合、BL2=26、左端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C1=CD=4、右端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C2=CE=4、両端部の障害状況が共にフランジではないので、h=0となる。
【0111】
従って内寸法IL2は、
金型長TL2は、
丸め金型長R(TL2)は、R(TL2)=30となる。
【0112】
曲げ線23の場合、BL3=123、左端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C1=CA=37.4>5、右端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C2=CB=4、両端部の障害状況が共にフランジではないので、h=0となる。C1>5なので、SASHタイプの金型長計算となり、
金型長TL3は、
TL3=BL3=123
丸め金型長R(TL3)は、R(TL3)=125となる。
【0113】
曲げ線24の場合、BL4=123、左端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C1=CC=4、右端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C2=CD=4、両端部の障害状況が共にフランジではないので、h=0となる。
【0114】
従って内寸法IL4は、
金型長TL4は、
丸め金型長R(TL4)は、R(TL4)=125となる。
【0115】
曲げ線25の場合、BL5=20、左端から曲げの対象とならない領域である障害までの距離C1=CE=4、右端から障害となるフランジまでの距離C2=CF=9.28であるので、h=1となる。
【0116】
従って内寸法IL5は、
金型長TL5は、
丸め金型長R(TL5)は、R(TL5)=25となる。
【0117】
次に、金型間隔CLの計算を説明する。
【0118】
図11において、パンチ1とパンチ2との金型間隔CL1は、
として求められる。
【0119】
パンチ3の左端とフランジ41との間隔CL2は、
パンチ3とパンチ4との金型間隔CL3は、
同様にパンチ4とパンチ5との金型間隔CL4は、
パンチ5の右端とフランジ42との間隔CL5は、
ここで、CL6=(ST+t)/2=(4+1.6)/2=2.8
図12は、第9の計算例を示す金型配置図(a)、及びワークの展開図(部分)(b)である。
【0120】
図12において、曲げ線21、22、23は、同一直線上の曲げ線であり、平行曲げの対象となっている。各曲げ線21、22、23の曲げ線長をBL1、BL2、BL3、内寸法をIL1、IL2、IL3、金型長をTL1、TL2、TL3とする。板厚t=1.0、k=2、片伸び値Bev=0.87である。
【0121】
曲げ線21について、左端部に障害となるフランジがあり、h=1、C1=CA=1.6、C2=CB=4である。
【0122】
内寸法IL1は、
金型長TL1は、
丸め金型長は、R(TL1)=45となる。
【0123】
曲げ線22について、両端部の障害は共にフランジではないのでh=0、C1=CC=4、C2=CD=2である。
【0124】
内寸法IL2は、
金型長TL2は、
丸め金型長は、R(TL2)=35となる。
【0125】
曲げ線23について、右端部に障害となるフランジがあり、h=1、C1=CE=4、C2=CF=1.6である。
【0126】
内寸法IL3は、
金型長TL3は、
丸め金型長は、R(TL3)=125となる。
【0127】
尚、フランジ41からパンチ1の左端までの距離CL1、パンチ1とパンチ2との金型間隔CL2、パンチ2とパンチ3との金型間隔CL3、パンチ3の右端からフランジ42までの距離CL4は、それぞれ、
となる。
【0128】
以上好ましい実施の形態について説明したが、これは本発明を限定するものではない。例えば実施の形態においては、ロボットを使用して曲げ作業を自動化した曲げワークスステーションにおける板材曲げ加工用金型自動決定装置及び方法について説明したが、従来の汎用機による手曲げ用の金型についても本発明を適用できることは明らかである。
【0129】
尚、汎用機における金型長を計算する場合、金型長の計算式TL=IL−ST−ktにおけるステージ・トレランスSTの値は、自動化した曲げワークステーションの場合より小さな値または0が好ましい。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、展開図データに基づいて曲げの障害形態を検出し、金型長を自動的に計算することができるので、曲げ作業の熟練作業者でなくても短時間に容易に正確な金型長さ及び配置を決定することができる。
【0131】
また、経験や判断基準が異なる作業者が操作しても、同一条件の曲げに対しては同一の金型長さ及び金型配置が得られるので、多数の部品からなる板金製品の各曲げの仕上がり具合か均一化され製品の見栄えを向上させることができる。
【0132】
また、曲げ作業の初心者でも展開図データから正確な金型長や金型配置を迅速に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定装置の実施形態の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法を説明するフローチャート(前半)である。
【図3】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法を説明するフローチャート(後半)である。
【図4】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第1計算例を説明する図である。
【図5】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第2計算例を説明する図である。
【図6】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第3計算例を説明する図である。
【図7】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第4計算例を説明する図である。
【図8】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第5計算例を説明する図である。
【図9】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第6計算例を説明する図である。
【図10】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第7計算例を説明する図である。
【図11】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第8計算例を説明する図である。
【図12】本発明に係る板材曲げ加工用金型自動決定方法及びその装置による第9計算例を説明する図である。
【図13】金型を用いて板材の曲げ加工を行う曲げワークステーションの外観斜視図である。
【図14】曲げワークステーションの構成要素であるプレスブレーキ装置の要部側面図である。
【図15】曲げワークステーションの構成要素であるプレスブレーキ装置の要部正面図である。
【符号の説明】
1 板材曲げ加工用金型自動決定装置
2 入力部
3 記憶部
4 曲げ順序決定部
5 数値抽出部
6 障害検出部
7 内寸法計算部
8 板厚判別部
9 金型長計算部
10 金型長丸め部
11 金型間隔計算部
12 出力部
Claims (8)
- 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定方法であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得する工程と、
前記展開図データ上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出する工程と、
前記曲げ線の長さ及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する工程と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する工程とを含み、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する工程で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する工程で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算すること、
を特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定方法。 - 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定方法であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得する工程と、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げを同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定する工程と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出する工程と、
前記曲げ線の長さ及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する工程と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する工程とを含み、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する工程で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する工程で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを所定の金型単位長の倍数に丸める工程と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する工程と、
を備えたことを特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定方法。 - 前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸める工程は、
金型単位長の自然数倍の第1の値と、第1の値に金型単位長を加えた第2の値との中央値未満の前記金型長TLは切り捨て、前記中央値以上は切り上げるいわゆるR丸めを用いることを特徴とする請求項2記載の板材曲げ加工用金型自動決定方法。 - 前記フランジを検出する工程は、金型のパンチに対するフランジと金型のダイに対するフランジとをそれぞれ個別に検出し、
前記金型長はパンチの長さとし、障害がない限りダイの長さはこのパンチの長さより所定長分だけ長く設定若しくは一本物のダイを使用するように設定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の板材曲げ加工用金型自動決定方法。 - 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定装置であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された展開図データから板厚t、曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bevを抽出する数値抽出手段と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出するフランジ検出手段と、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する内寸法計算手段と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する金型長計算手段とを備え、
前記フランジ検出手段で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法計算手段で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸める丸め手段と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する金型間隔計算手段と、
を備えたことを特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定装置。 - 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定装置であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された展開図データから板厚t、曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bevを抽出する数値抽出手段と、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げ線を同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定する曲げ順序決定手段と、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出するフランジ検出手段と、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算する内寸法計算手段と、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算する金型長計算手段とを備え、
前記フランジ検出手段で、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障 害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法計算手段で、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の単位に丸める丸め手段と、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する金型間隔計算手段と、
を備えたことを特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定装置。 - 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体であって、
予め曲げ順序が決定された曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得し、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出し、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算し、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算し、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する際は、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部にのみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する際は、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸め、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する
ことを特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体。 - 板材曲げ加工機にパンチ又はダイとして取り付けられる金型の長さを自動的に決定する板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体であって、
曲げ線の位置及び長さ及び板材の板厚tを含む展開図データを取得し、
前記展開図データに基づいて、該展開図上で同一直線上に配列された複数の曲げ線を同時に行う平行曲げを含む前記曲げ線に対する曲げ順序決定し、
前記展開図上のある選択された曲げに対する先行する曲げと該選択された曲げの対象でない領域とによる該選択された曲げに対するフランジを検出し、
前記曲げ線の長さBL及び前記フランジ及び前記板厚tに基づいて前記選択された曲げの内寸法ILを計算し、
前記板厚tの所定範囲毎に定められた係数をkとして、前記内寸法IL、板材の振幅に係る定数ST、前記フランジの曲げの内半径を反映するkとtの積ktを用いて、TL=IL−ST−ktの式に従って金型長TLを計算し、
前記選択された曲げに対するフランジを検出する際は、前記展開図データ上の曲げ線の一端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC1と、前記展開図データ上の曲げ線の他端から該曲げの障害となるフランジの曲げ線までの長さC2とを求めるとともに、前記曲げ線の両端部に障害となるフランジがある場合に2、該曲げ線の一方の端部に のみ障害となるフランジがある場合に1、該曲げ線の両端部共に障害となるフランジがない場合に0となるパラメータhを求め、
前記内寸法ILを計算する際は、前記展開図上の曲げ線の長さBL、曲げの片伸び値Bev、前記板厚t、前記C1、前記C2、前記hを用いて、
IL=BL+C1+C2+h(Bev−t)の式に従って前記内寸法ILを計算し、
さらに、前記金型長TLを前記金型単位長の倍数に丸め、
前記選択された曲げが同一直線上の複数の曲げを同時に行う平行曲げの場合、金型間の距離を計算する
ことを特徴とする板材曲げ加工用金型自動決定プログラムを記憶した記憶媒体。
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