JP4121372B2 - 生分解性ポリマー型薬物放出システム - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、生分解性ポリマー型薬物放出システムに関し、より詳しくは、特定の生分解性ポリマーを用いた、医薬又は農薬等の制御された放出を達成するためのためのシステムに関する。
背景技術
生物学的活性物質の制御された放出を可能にするシステムとして、例えば、生物学的活性物質を、ポリ乳酸やポリグリコール酸等のような適当な生分解性高分子基材に含有させたものが知られている。そのようなシステムを製造するためには、それらの生分解性高分子基材と生物学的活性物質とを混合し、得られた混合物を棒状、平板状、球状その他それぞれの使用方法に適した所定の形状に成形する必要がある。混合物をこれらの形状に成形するためには、混合物を加熱溶融し、鋳型に流し込んで冷却固化させるか、又は溶媒に溶解させ、型に流し込んだ後に溶媒を蒸発させるという操作が一般に行われている。しかしながら、DL−ポリ乳酸やポリ乳酸ポリグリコール酸の加熱溶融には140〜175℃、D−又はL−ポリ乳酸の加熱溶融には190〜220℃という高温が必要であり、多くの生物学的活性物質はこのような高温に耐えることができない。このため、ポリ乳酸やポリグリコール酸等と生理活性物質の混合物の加熱溶融工程を含む方法は、薬物放出システムの一般的製造方法としては不適当である。また、溶媒にポリ乳酸やポリ乳酸ポリグリコール酸を溶解させた上で成形する工程を含む方法は、成形物から溶媒を完全に除去することが必要となるが、これは通常非常に困難であり、やはり薬物放出システムの一般的製造方法としては不都合である。
一方、特開昭61−172813号には、生理活性物質と分子量1000〜5000のDL−ポリ乳酸又は分子量1000のL−若しくはD−ポリ乳酸を機械的に混合し、200kgf/cm(=1.96×10N/cm)の圧力下、30〜50℃の温度において加圧軟化させて得られる複合体が記載されている。また特開昭62−207227号は、ポリ(DL−乳酸)(Mn=15000)を50kgf/cm(=4.9×10N/cm)の圧力下で40℃にて10秒間加熱処理して得られる放出システムを開示している。
しかしながら、これらの公報に記載の薬物放出システムの製造方法に関し、加熱せずに成形できることが実施例の記載により確認できるのは主としてDL−ポリ乳酸であり、光学異性体の一方であるD−又はL−ポリ乳酸を用いた例は極めて低分子量(1000)のものしか記載されていない。上記のように、ポリ乳酸の融点は、ポリ乳酸がDL体であるか、又はD若しくはL体であるかによって大きく異なっており、必然的にそれらの間で軟化点も異なる。また分子量の大小によって融点及び軟化点も変化し、分子量が増大する程、軟化・溶融しにくくなる。例えば、重量平均分子量3000以上のL−ポリ乳酸をそのまま粉砕して得た粉末を用いて本発明者が行った試験では、常温にて加圧しても粒子の融合は見られず、成形体を得ることはできなかった。
このような背景において、本発明は、ポリ乳酸と生物学的活性物質を含んだ薬物放出システムの製造方法であって、生物学的活性物質とポリ乳酸との混合物の成形に際して加熱も溶媒も必要としない方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者は、ポリ乳酸を予め所定温度範囲で加熱溶融した上で、常温又は低温にて放冷固化させたものを常温にて粉砕することにより得られる粉末が、ポリ乳酸を、予め所定温度で加熱溶融するという操作を経ることなしに直ちに粉砕して得た粉末とは、加圧に対する挙動において異なることを見出した。すなわち、L−ポリ乳酸を単に粉砕して得た粉末は、常温で加圧しても粉末の形態を維持し、成形できなかったのに対し、予め加熱溶融し常温又は低温にて放冷固化させたものを粉砕して用いた場合、ポリ乳酸粒子同志が融合し易く、緩やかな加圧でポリ乳酸粉末が簡単に溶融して一体化し透明な成形体を与えることを見出した。また、そのように予め加熱溶融したポリ乳酸から製した粉末に他の成分、例えば生物学的活性物質を混合して得た混合物についても、同様に緩やかな圧力でポリ乳酸粉末が溶融して一体化し、生物学的活性物質を分散した形で含んだ成形体を与えることを見出した。また、そのようにして製造した成形体からは、生物学的活性物質が、殆ど初期バーストなしに、そして通常の加熱しつつ圧縮する製法で得られる成形体に見られる2相性の放出と異なり実質的に一定な速度(0次)で、持続的に放出されることも見出した。本発明は、これらの発見に基づき、更に種々の適用についての検討を加えて完成させたものである。
すなわち本発明は、ポリ乳酸粉末を用いた圧縮溶融成形体の製造方法であって、
1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
4)該粉末を又はこれを担体として他の成分を添加して得られた混合粉末を、常温にて型内で圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて所定形状の成形体とするステップと、
を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
該製造方法は、上記ステップを経てある長さに成形された該成形体を、より短い長さに切断することにより1個以上の小型の成形体を製造するステップを更に含んでいてもよい。
本発明は更に、生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を、140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
4)該粉末を生物学的活性物質の粉末と混合し、得られた混合粉末を常温にて型内で圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて所定形状の成形体とするステップと、
を含むことを特徴とする製造方法をも提供する。
該製造方法は、上記ステップを経てある長さに成形された薬物放出システムを、より短い長さに切断して1個以上の小型の薬物放出システムを製造するステップを更に含んでいてもよい。
本発明において、DL−ポリ乳酸及びD−又はL−ポリ乳酸の何れをも用いることができる。本発明においてポリ乳酸粒子同志の融合性の向上が特に顕著に得られる分子量範囲は、DL−ポリ乳酸については8000〜30000であり、D−又はL−ポリ乳酸については3000〜30000である。
本発明において、圧縮は通常、ポリ乳酸粉末が数秒〜数十秒間のうちに溶融して一体化するような圧力で行えばよい。
本発明において、ポリ乳酸と他の成分又は生物学的活性物質との混合物におけるポリ乳酸の圧縮による溶融一体化を確実にするためには、ポリ乳酸に対する他の成分又は生物学的活性物質の重量比率は、通常2/5以下であり、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下である。ポリ乳酸に添加する他の成分又は生物学的活性物質の量は、この重量比率以下であれば、目的に応じて適宜設定すればよい。
成形において用いる型は、筒状の内面を有するものであることが好ましく、ポリ乳酸と生物学的活性物質との混合粉末の圧縮は型の軸方向に行われるものであることが好ましい。ここに、筒状の内面は円形断面のものである必要はなく、楕円形又は多角形その他の断面形状のものであってよい。
本発明は更に、生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
4)該粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を、型の軸方向に沿って柱状の中子が脱着可能に備えられた型内で常温にて圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて柱状の中空領域を有する成形体とするステップと、
5)該中子を除去し、該中空領域内に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させこれを常温にて粉砕して得た粉末とこれに対し重量比で2/5以下、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を加え又はこれを常温にて圧縮して成形した成形体を挿入するステップと、
6)この混合粉末又は成形体を該中空領域内で常温にて圧縮して該混合粉末中のポリ乳酸を溶融させて該混合粉末を該中空領域の内壁に密着させて成形することにより一体の成形体を得るステップと、
を含むことを特徴とする製造方法をも提供する。
なお該中空領域内に、ポリ乳酸と生理学的活性物質とを混合して得られた混合粉末を加え又はこれを常温にて圧縮して成形した成形体を挿入するステップは、適宜な任意の方法で行なえばよく、例えば、薬剤学、Vol.49(No.2):p.116−126(1989)に記載の方法など、それ自体公知の方法又はこれに準じた方法で行なうことができる。
該製造方法によれば、薬物とポリ乳酸との混合物の成形物よりなるコアの周囲を、ポリ乳酸のみ又はポリ乳酸と生物学的活性物質の混合物よりなる成形物の外皮で取り囲んだ形の生分解性ポリマー型薬物放出システムを得ることができる。また、該製造方法は、上記ステップを経てある長さに成形された薬物放出システムを、より短い長さに切断して小型の薬物放出システムを製造する工程を更に含んでいてもよい。該製造方法において、生物学的活性物質を外皮に含有させる場合は、外皮及びコアのそれぞれにおけるポリ乳酸に対する生物学的活性物質の重量比率は、目的とする放出パターンに応じて、上記範囲から適宜選択することができる。また外皮及びコアに含有させる生物学的活性物質は、同一のものであってもよいが、異なったものであってもよい。
更に本発明は、上記コアと外皮とからなる生分解性ポリマー型薬物放出システムにおいて更に、
1)上記ステップ1〜6により得られた成形体の該中空領域の露出している端面に、型内において更に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させこれを常温にて粉砕して得たポリ乳酸粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を加えるステップと、
2)該粉末又は該混合粉末を該型の軸方向に常温にて圧縮して該ポリ乳酸を溶融させて該ポリ乳酸粉末又は該混合粉末を成形することにより、上記ステップ1〜6により得られた成形体と一体の成形体を得るステップと、
を更に含むことを特徴とする製造方法をも提供する。
該製造方法によれば、該露出した中空領域(その内部の全部又は一部は、ポリ乳酸と生物学的活性物質との混合物よりなる成形体により満たされている)も外皮により覆われた形の、生分解性ポリマー型薬物放出システムを得ることができる。該製造方法において、該露出した中空領域の被覆をポリ乳酸と生物学的活性物質との混合物で行う場合には、該混合物中におけるポリ乳酸に対する生物学的活性物質の重量比は通常2/5以下であり、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下である。この重量比は、通常は、先に形成してある外皮部分における生物学的活性物質の比率に合致させればよいが、必ずしもそれに限定される必要はない。また外皮及びコアに含有させる生物学的活性物質は、同一のものであってもよいが、異なったものであってもよい。
更に本発明は、生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
4)該粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を、型の軸方向に沿って柱状の中子が脱着可能に備えられた型内で常温にて圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて柱状の中空領域を有する成形体とするステップと、
5)該中子を除去し、該中空領域内に生物学的活性物質又はこれを含んでなる組成物を加えるステップと、
6)該中空領域の露出している該成形体の端面に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させ常温にて粉砕して得た粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下、好ましくは3/10以下、特に好ましくは1/9以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を加えるステップと、
7)該粉末又は該混合粉末を該型の軸方向に常温にて圧縮して該ポリ乳酸を溶融させて該ポリ乳酸粉末又は該混合粉末を成形することにより、密閉された中空領域内に生物学的活性物質又はその組成物を収容した一体の成形体を得るステップと、
を含むことを特徴とする製造方法をも提供する。
該製造方法によれば、生物学的活性物質又はその組成物を、ポリ乳酸により又はポリ乳酸と生物学的活性物質との混合物よりなる外皮で覆った形の生分解性ポリマー型薬物放出システムを得ることができる。該製造方法で得られる生分解性ポリマー型薬物放出システムは、内部に生物学的活性物質を純粋な形で又は高濃度に収容しておくことができる。また外皮に含有させる生物学的活性物質と内部に収容させる生物学的活性物質は、同一のものであってもよいが、異なったものであってもよい。
上記の外皮及びコアよりなる構造の生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法においても、DL−ポリ乳酸及びD−又はL−ポリ乳酸の何れをも用いることができる。該製造方法においてポリ乳酸粒子の溶融性の向上により特に顕著な利益が得られる分子量範囲は、DL−ポリ乳酸については8000〜30000であり、D−又はL−ポリ乳酸については3000〜30000である。
また上記の外皮及びコアよりなる構造の生分解性ポリマー型薬物放出システムにおいても、圧縮は通常、ポリ乳酸粉末が溶融して一体化するような圧力で行えばよい。
上記のポリ乳酸圧縮溶融成形体及び各タイプの生分解性ポリマー型薬物放出システムの何れにおいても、他の成分又は生物学的活性物質として任意の物質を用いることができる。そのような物質の例として、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、血管新生抑制剤、抗緑内障剤、抗白内障剤、制癌剤、ワクチン抗原及び生理活性ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は更に、上記何れかの製造方法によって製造することのできるポリ乳酸圧縮溶融成形体及び生分解性ポリマー型薬物放出システムをも提供する。該システムは、目的に応じ身体の種々の部位、例えば、皮下、眼球内、脳内その他に埋め込んで用いられる。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、「常温」とは、20〜30℃をいう。また、「低温」とはこれより低い温度をいう。
生物学的活性物質とポリ乳酸粉末との混合は通常は常温で行うが、生物学的活性物質が常温で液体の場合は、混合にあたりこれを凝固させるために低温で行ってもよい。
本発明は、ポリ乳酸の粉砕に先立ち、ポリ乳酸の加熱溶融及び放冷固化というステップを予め加えかつ、ポリ乳酸の粉砕を低温でなく常温で行うことにより、僅かな加圧で容易にポリ乳酸粒子を完全に溶融一体化させることを可能にしている。そのため成形に際して加熱する必要が全くないことから、熱に対して不安定な生物学的活性物質を用いた生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造に好都合である。また、本発明では、ポリ乳酸粒子を溶融させるのに加える圧力が僅かですむことから、加圧に対して不安定となる生物学的活性物質の場合も、同様に好都合である。更に本発明は、ポリ乳酸の成形にあたり溶媒を使用する必要が全くないため、溶媒除去の工程が不要であり、製品の安全性も、溶媒を用いて製造する場合に較べて高くなるという利点がある。
本発明によって得られる生分解性ポリマー型薬物放出システムのうち、単一構造のものは、長期間にわたり、生物学的活性物質の放出を持続的にほぼ一定の速度で行わせることができる。
また、本発明によって得られる生分解性ポリマー型薬物放出システムのうち、コア及び外皮からなるものは、コア及び外皮の相対的寸法、コア及び外皮に含有させる生物学的活性物質の重量比率を種々に設定することにより、また、コアの端面を露出させるか又はポリ乳酸よりなる若しくはこれを含んでなる外皮で被覆するか否かに応じて、種々の放出形態で生物学的活性物質を放出させることができる。例えば、ポリ乳酸のみで外皮を形成し端面に露出するコア部分もこれで被覆したものでは、一定期間が経過するまで生物学的活性物質が放出されず、該期間の経過後に生物学的活性物質が一定速度で持続的に放出されるようにすることができ、例えばワクチン接種等の医療用用途や、農業(例えば養鶏業)等の分野で有用である。また、外皮にも生物学的活性物質を含有させた場合には、一定期間が経過するまではある一定速度で生物学的活性物質が放出され、該期間の経過後は別の一定速度で生物学的活性物質が放出させるようにすることができる。また本発明をコア及び/又は外皮を多層構造とすることにより、パルス型のパターンで生物学的活性物質を放出するシステムを容易に製造することができる。コア及び/又は外皮を多層構造とするには、例えば、本発明におけるコア部分を成形するステップにおいて、コアより小径の第2の中子を用いることによりコア中に小径の中空領域を形成し、この中空領域にポリ乳酸及び生物学的活性物質の混合物を加えて圧縮溶融して一体に成形するステップを付加することにより行うことができるが、そのような方法に限定されない。
また、外皮とコアとにおいて異なった生物学的活性物質を用いれば、一定期間が経過するまでは外皮に含有された薬物を一定速度で持続的に放出し、該時間の経過後はコアに含有された薬物を一定速度で持続的に放出するタイプの生分解性ポリマー型薬物放出システムを得ることができる。また、端面にコア部分が露出するタイプの生分解性ポリマー型薬物放出システムの場合、例えば、外皮とコアとで異なる生物学的活性物質を含有させることにより、両生物学的活性物質の直接的接触を回避しつつそれらを同時に一定速度で持続的に放出するタイプの薬物放出システムを得ることができる。この方法は、両生物学的活性物質が直接的な接触により化学的に不安定化する場合等に、特に有効である。
また、生物学的活性物質又はその組成物を、ポリ乳酸より又はポリ乳酸と生物学的活性物質との混合物よりなる外皮で覆った形の生分解性ポリマー型薬物放出システムの場合、一定期間の経過までは生物学的活性物質を放出させず、該期間の経過後に一気に生物学的活性物質を放出させることができる。このタイプのシステムの場合は更に、生物学的活性物質それ自体を又はこれを高濃度に含んだ組成物を含有させておくことができるため、生物学的活性物質の含有量を簡単に高めることができる。
本発明において、ポリ乳酸圧縮溶融成形体及び生分解性ポリマー型薬物放出システムの形状は任意であり、棒状、平板状、球状等、使用目的に応じて種々の形状であってよく、目的とする形状に合わせて型の形状及び構造を適宜決定すればよい。また例えば貫通穴や湾入部を棒状又は球状等の形状の成形体に形作る等の方法により、本発明のシステムを、他の支持体、例えば眼内レンズの支持部等に取り付けることができるようにしてもよい。
以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がそれら実施例に限定されることは意図しない。
〔実施例1〕
重量平均分子量5000のL−ポリ乳酸を150℃に加熱溶融し、放置して冷却固化後、常温にて乳鉢で粉砕した。内径約1mmのテフロンチューブに粉砕したL−ポリ乳酸粉末を加えて、常温にてチューブ両端から直径約1mmのステンレス棒を挿入し、ポリ乳酸粉末を緩やかに数秒〜数十秒間室温にて圧迫したところポリ乳酸粉末が溶融一体化して透明なL−ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)が得られた。
〔実施例2〕
内径2mmのテフロンチューブの中心軸に沿って直径1mm、長さ2cmのテフロン棒を挿入し、該テフロンチューブの両端から突出している該テフロン棒を中に通しつつ該テフロンチューブの両端に、内径1mm、外径2mmのスペーサーチューブ(テフロン製)をはめることにより、該テフロン棒を内径2mmのテフロンチューブの中心軸に沿って固定できるようにした。片方のスペーサーを取り外し、該テフロンチューブと該テフロン棒との間の空隙に実施例1で用いたのと同じポリ乳酸粉末を加え、取り外していたスペーサーを再び取り付けて、両側のスペーサーによりポリ乳酸粉末を両側から緩やかに数秒から数十秒間室温にて圧迫してポリ乳酸粉末を溶融一体化させ、貫通した中空領域を有する透明なL−ポリ乳酸成形体を得た。次いで、中子として用いたテフロン棒をのみを取り外し、実施例1で用いたポリ乳酸粉末とインドメタシンとの混合粉末(ポリ乳酸:インドメタシン=9:1(重量比))を該ポリ乳酸成形体の中空領域に加え、直径1mmのステンレス棒で両端から緩やかに数秒〜数十秒間室温にて圧迫することにより該内腔内で該混合粉末を固化させた。ポリ乳酸及び薬物よりなるコアとこれを取り巻くポリ乳酸よりなる構造の成形物を取り出して、長さ3mmにカットした。
〔実施例3〕
実施例2で製造した外径2mm、長さ3mmの成形体を内径2mmのテフロンチューブ内に挿入し、その成形体の両側に実施例1で用いたのと同じポリ乳酸粉末を加えて、両側から直径2mmのステンレス棒で緩やかに数秒〜数十秒間室温にて圧迫することにより、ポリ乳酸粉末を溶融一体化させて成形体を得た。
〔実施例4〕
内径2mmのテフロンチューブの中心軸に沿って直径1mm、長さ2cmのテフロン棒を挿入し、該テフロンチューブの両端から突出している該テフロン棒を中に通しつつ該テフロンチューブの両端に、内径1mm、外径2mmのスペーサーチューブ(テフロン製)をはめることにより、該テフロン棒を内径2mmのテフロンチューブの中心軸に沿って固定した。片方のスペーサーを取り外し、該テフロンチューブと該テフロン棒との間の空隙に実施例1で用いたのと同じポリ乳酸粉末を加え、取り外していたスペーサーを再び取り付けて、これらのスペーサーによりポリ乳酸粉末を緩やかに数秒から数十秒間室温にて圧迫してポリ乳酸粉末を溶融一体化させることにより、貫通した中空領域を有する透明なL−ポリ乳酸成形体を得た。次いで、中子として用いたテフロン棒のみを取り外し、インドメタシン粉末を該ポリ乳酸成形体の中空領域に加えた後、成形体の両側に実施例1で用いたのと同じポリ乳酸粉末を加えて、両側から直径2mmのステンレス棒で緩やかに数秒〜数十秒間室温にて圧迫することにより、ポリ乳酸粉末を溶融させて、中空領域にインドメタシン粉末を包み込んだ一体の成形体を得た。
〔実施例5〕
重量平均分子量5000のL−ポリ乳酸900mgを180℃に加熱溶融し、1分間放置して冷却固化後、常温にて乳鉢で5分間粉砕した。得られたポリ乳酸粉末とインドメタシンとを重量比9:1で混合し、内径約1mmのテフロンチューブに混合粉末を約1cmの高さになるように加えて、チューブ両端から直径約1mmのステンレス棒を挿入し、ポリ乳酸粉末を緩やかに数秒〜数十秒間常温にて圧迫してポリ乳酸粉末を溶融一体化させてインドメタシン含有ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)を製造した。これを5mLのリン酸緩衝液(pH7)中に入れ、温度37℃にて180cpmで36日間振動撹拌した。撹拌中、経時的に全液を交換し、液中のインドメタシン濃度をHPLCにより測定して、液中に放出されたインドメタシン量を算出した。結果を、インドメタシンの累積放出量として図1に示す。図1に見られるように、インドメタシンは初期バーストもほとんどなく、ほぼ放出され切るまでの20日間にわたり実質的に一定速度(0次)で放出されていることがわかる。
〔実施例6〕
重量平均分子量5000のL−ポリ乳酸900mgを180℃に加熱溶融し、1分間放置して冷却固化後、常温にて乳鉢で5分間粉砕した。得られたポリ乳酸粉末とインドメタシンとを重量比10:3で混合し、内径約1mmのテフロンチューブに混合粉末を約1cmの高さになるように加えて、チューブ両端から直径約1mmのステンレス棒を挿入し、ポリ乳酸粉末を緩やかに数秒〜数十秒間常温にて圧迫してポリ乳酸粉末を溶融一体化させてインドメタシン含有ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)を製造した。
〔実施例7〕
重量平均分子量5000のL−ポリ乳酸900mgを180℃に加熱溶融し、1分間放置して冷却固化後、常温にて乳鉢で5分間粉砕した。得られたポリ乳酸粉末とインドメタシンとを重量比5:2で混合し、内径約1mmのテフロンチューブに混合粉末を約1cmの高さになるように加えて、チューブ両端から直径約1mmのステンレス棒を挿入し、ポリ乳酸粉末を緩やかに数秒〜数十秒間常温にて圧迫してポリ乳酸粉末を溶融一体化させてインドメタシン含有ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)を製造した。
〔比較例1〕
重量平均分子量5000のL−ポリ乳酸900mgを常温にて乳鉢で5分間粉砕した。得られたポリ乳酸粉末とインドメタシンとを重量比9:1で混合した後、シャーレに移し170〜180℃で完全に溶解した。冷却固化後、常温にて乳鉢で5分間粉砕した。混合粉末を内径約1mmのテフロンチューブに約1cmの高さになるように加えて、チューブ両端から直径約1mmのステンレス棒を挿入し、混合粉末を常温で圧縮成形してインドメタシン含有ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)を製造した。これを5mLのリン酸緩衝液(pH7)中に入れ、温度37℃にて180cpmで36日間振動撹拌した。撹拌中、経時的に全液を交換し、液中のインドメタシン濃度をHPLCにより測定して、液中に放出されたインドメタシン量を算出した。結果を、インドメタシンの累積放出量として図1に示す。図1に見られるように、この比較例のロッドでは、インドメタシンの放出に初期バーストのあることが分かる。
〔比較例2〕
平均分子量5000のL−ポリ乳酸900mgを常温にて乳鉢で5分間粉砕した。得られたポリ乳酸粉末とインドメタシンとを重量比9:1で混合し、内径約1mmのテフロンチューブに約1cmの高さになるように加えて、チューブ両端から直径1mmのステンレス棒を挿入し、80〜100℃に加熱して軟化させつつ圧縮成形してインドメタシン含有ポリ乳酸ロッド(直径1mm、長さ3mm)を製造した。これを5mLのリン酸緩衝液(pH7)中に入れ、温度37℃にて180cpmで25日間振動撹拌した。撹拌中、経時的に全液を交換し、液中のインドメタシン濃度をHPLCにより測定して、液中に放出されたインドメタシン量を算出した。結果を、インドメタシンの累積放出量として図1に示す。図1に見られるように、この比較例のロッドでは、インドメタシンの放出は、初期バースト及び後期バーストを伴った、典型的な2相性の放出パターンを示すことが分かる。
〔埋め込み試験例〕 眼内埋込み型生分解性ポリマーロッドの家兎硝子体内放出特性
試験製剤: 実施例5並びに比較例1及び2のインドメタシン含有ポリ乳酸ロッドを用いた。
試験動物: 日本白色家兎(体重1.8〜2kg)を3群に分けて用いた。
試験操作: 家兎に全身麻酔を施し、角膜輪部より3mm離れた強膜側から内径1mmの注射針を用いて、試験製剤の何れかを硝子体中心部に移植した。移植後、1、3、7、14、21、28、35日経過時点で家兎を順次屠殺し、眼球を摘出して−80℃で凍結し、埋め込まれた製剤を分離して、製剤内の薬物含量をHPLCにより測定した。
結果: 結果を図2にグラフで示す。実施例5の製剤中のインドメタシン含量は、埋め込み後約20日で大半が失われるまで、徐々に減少し、この間製剤から持続的に放出されていることが判る。一方、比較例2の製剤では、インドメタシン含量は製剤の埋め込み後速やかに減少するが、埋め込みの1日後から3日迄の間は実質的に変化しておらず、その後に減少を再開している。従って、比較例2の製剤からのインドメタシン放出は、埋め込み直後の急速な放出の後、一旦停止し、再度放出を開始するという、典型的な2相性の放出パターンを示していることが分かる。また、比較例1の製剤では、埋め込み後14日でインドメタシンが実質的に放出され切っており、実施例5の製剤に比し、放出が速い傾向が見られた。これは、本比較例につき、前記リン酸緩衝液中での放出試験において見られた初期バーストが、硝子体内埋め込みの場合にも生じる傾向のあることを示している。
産業上の利用可能性
本発明は、僅かな加圧で容易にポリ乳酸粒子を完全に溶融一体化させることを可能にし、そのため成形に際して加熱する必要が全くないことから、熱や圧力に対して不安定な生物学的活性物質を用いた生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造に特に適している。また本発明は、ポリ乳酸の成形にあたり溶媒を使用しないため、最終製品に溶媒が残留するおそれを除くことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例5並びに比較例1及び2の各薬物放出システムからのインドメタシンの経時的放出量を示すグラフである。
図2は、家兎硝子体中心部に埋め込んだ実施例5並びに比較例1及び2の各薬物放出システムからのインドメタシンの経時的放出量を示すグラフである。

Claims (15)

  1. ポリ乳酸粉末を用いた圧縮溶融成形体の製造方法であって、
    1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
    2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
    3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
    4)該粉末を又はこれを担体として他の成分を添加して得られた混合粉末を常温にて型内で圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて所定形状の成形体とするステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  2. 生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
    1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を、140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
    2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
    3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
    4)該粉末を生物学的活性物質の粉末と混合し、得られた混合粉末を常温にて型内で圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて所定形状の成形体とするステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  3. 該ポリ乳酸が、DL−ポリ乳酸、D−ポリ乳酸又はL−ポリ乳酸である、請求項1又は2の製造方法。
  4. 該ポリ乳酸がDL−ポリ乳酸であり、該ポリ乳酸の重量平均分子量が8000〜30000である、請求項1又は2の製造方法。
  5. ポリ乳酸がD−ポリ乳酸又はL−ポリ乳酸であり、該ポリ乳酸の重量平均分子量が3000〜30000である、請求項1又は2の製造方法。
  6. 該混合粉末におけるポリ乳酸に対する他の成分又は生物学的活性物質の重量比が2/5以下である、請求項1ないし5の何れかの製造方法。
  7. 該型が筒状の内面を有しており、該混合粉末が該型の軸方向に圧縮されるものである、請求項1ないし6の何れかの製造方法。
  8. 生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
    1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
    2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
    3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
    4)該粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を、型の軸方向に沿って柱状の中子が脱着可能に備えられた型内で常温にて圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて柱状の中空領域を有する成形体とするステップと、
    5)該中子を除去し、該中空領域内に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させこれを常温にて粉砕して得た粉末とこれに対し重量比で2/5以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末又はこれを常温にて圧縮して成形した成形体を挿入するを加えるステップと、
    6)この混合粉末又は成形体を該中空領域内で常温にて圧縮して該混合粉末中のポリ乳酸を溶融させて該混合粉末を該中空領域の内壁に密着させて成形することにより一体の成形体を得るステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  9. 請求項8の生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
    1)請求項8により得られた成形体の該中空領域の露出している端面に、型内において更に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させこれを常温にて粉砕して得たポリ乳酸粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を加えるステップと、
    2)該粉末又は該混合粉末を該型の軸方向に常温にて圧縮して該ポリ乳酸を溶融させて該ポリ乳酸粉末又は該混合粉末を成形することにより、請求項8により得られた成形体と一体の成形体を得るステップと、
    を更に含むこと特徴とする製造方法。
  10. 生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法であって、
    1)重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させるステップと、
    2)溶融した該ポリ乳酸を常温又は低温にて放冷固化させるステップと、
    3)固化した該ポリ乳酸を常温にて粉砕して粉末とするステップと、
    4)該粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を、型の軸方向に沿って柱状の中子が脱着可能に備えられた型内で常温にて圧縮することにより該ポリ乳酸を溶融させて柱状の中空領域を有する成形体とするステップと、
    5)該中子を除去し、該中空領域内に生物学的活性物質又はこれを含んでなる組成物を加えるステップと、
    6)該中空領域の露出している該成形体の端面に、重量平均分子量3000〜40000を有するポリ乳酸を140〜220℃に加熱して溶融させた後常温又は低温にて放冷固化させ常温にて粉砕して得た粉末を又は該粉末とこれに対し重量比で2/5以下の量の生物学的活性物質の粉末とを混合して得られた混合粉末を加えるステップと、
    7)該粉末又は該混合粉末を該型の軸方向に常温にて圧縮して該ポリ乳酸を溶融させて該ポリ乳酸粉末又は該混合粉末を成形することにより、密閉された中空領域内に生物学的活性物質又はその組成物を収容した一体の成形体を得るステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  11. 該ポリ乳酸が、重量平均分子量8000〜30000のDL−ポリ乳酸及び重量平均分子量が3000〜30000のD−又はL−ポリ乳酸よりなる群より選ばれるものである、請求項8〜10の何れかの製造方法。
  12. 得られる生分解性ポリマー型薬物放出システムにおいて、ポリ乳酸成形体のかさ密度が700〜4000mg/cmである、請求項8ないし11の何れかの生分解性ポリマー型薬物放出システムの製造方法。
  13. 該他の成分又は該生物学的活性物質が、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、血管新生抑制剤、抗緑内障剤、抗白内障剤、制癌剤及びワクチン抗原よりなる群より選ばれるものである、請求項1ないし12の何れかの製造方法。
  14. 請求項1の製造方法によって得ることのできるポリ乳酸成形体。
  15. 請求項2ないし13の何れかの製造方法によって得ることのできる生分解性ポリマー型薬物放出システム。
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