JP4120416B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱物を電極で誘電加熱する高周波加熱装置に関するもので、特に、冷凍物の解凍加熱制御に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波加熱装置の代表である電子レンジは、被加熱物を直接的に加熱できるのでなべ釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。また、この電子レンジの加熱の特徴は、加熱エネルギーを食品内部にまで供給できることであり、この特徴を冷凍食品の解凍に利用するということで冷凍食品が大量に流通してきた。
【0003】
電子レンジは、被加熱物を収納する加熱室の大きさが大概、幅寸法および奥行き寸法がそれぞれ30〜40cm、高さ寸法が20cm前後である。一方使用している周波数の波長は約12cmであり、加熱室内には強弱の電界分布が必ず生じ、さらには被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて局所加熱が発生することがある。冷凍食品の解凍においては、氷が解けて水になった領域に加熱エネルギーが集中するので局所加熱現象が顕
著に現れ、部分煮えと未解凍とが共存してしまう問題を有している。
【0004】
一方、波長の長い高周波を利用し、加熱用の電極を用いて被加熱物を誘電加熱する方法は歴史が古く、いまでも工業用としてバッチ方式やベルトコンベア方式が用いられている。これらは大型の冷凍品の処理や冷凍品の多量処理のために大型の装置構成であり、かつ装置の操作も熟練者が行っている。
【0005】
一方、この加熱用の電極を用いた装置の家庭用装置への展開も古くから検討されてきたが、生活上の利便性、あるいは使用上の利便性の価値をユーザに提供できるまでには至っていない。従来のこの種高周波加熱装置としては、図8に示すような装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、図に示すように、高圧電源1および高周波電源2によって、加熱室3内の上部電極板4と下部電極板5の間に高周波の高電圧を供給し、両電極板4、5の間に高周波電界を生じさせることによって、両電極板4、5間に挟んだ被加熱物6を誘電加熱するものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−255682号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成の高周波加熱装置では、被加熱物である冷凍物の形状を検知するためのセンサ類は備えられているものの、被加熱物の加熱の終了を適切に検知できる構成はなく、適切な仕上がり状態を得ることが難しく、加熱し過ぎた場合には煮えが発生すると同時に電力のムダ使いも起こり、逆に加熱不十分の場合は再度加熱を追加するなどの不具合を生じる課題を有していた。また、被加熱物の仕上がりを検知する方法としては、例えば表面温度を赤外線センサで検出する方法などがあるが、被加熱物の内部温度を検知することはできず、仕上がりを確実に検知することは難しかった。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、被加熱物の仕上がりタイミングを確実に判定する高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を含む電極のインピーダンス変化を利用するもので、制御部が加熱初期に被加熱物を含む電極と高周波電源との整合状態を調整するとともに、加熱時間経過に伴って電力検知部が検知する反射電力が規定値を超過した後、直列接続した整合素子のインピーダンス値を減少させることで、反射電力の値が増加傾向と判定したことを受けて加熱終了時間を決定するように制御することとしたものである。
【0011】
これによって、被加熱物の加熱進行に伴って変化する被加熱物を含む電極部のインピーダンスの挙動判定を単純化し、仕上がりタイミングに到達する時点での被加熱物の物理変化に伴う電極部のインピーダンス変化の挙動を確実に捕らえることができ、加熱動作を自動的に停止させることによって、仕上がり状態が良く、電力のムダな消費も防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を誘電加熱する電極と、前記電極に給電する高周波を発生する高周波電源と、前記高周波電源と電極との間に設け電極に対して直列接続した整合素子を含む整合回路と、前記高周波電源と整合回路との間に設けた電力検知部と、前記電力検知部の検知信号に基づいて前記整合回路の整合素子の値を可変する制御部とを備え、前記制御部は前記高周波電源を最大出力動作させる前の加熱初期に被加熱物を含む電極と高周波電源との整合状態を規定値以下に調整するとともに、前記高周波電源を最大出力動作させて被加熱物を加熱中に加熱時間経過に伴って電力検知部が検知する反射電力が前記規定値を超過すると、直列接続した整合素子のインピーダンス値を所定の閾値だけ減少させる過程において、反射電力の値が増加傾向と判定したことを受けて加熱終了時間を決定するように制御することとした高周波加熱装置としたことにより、被加熱物の加熱進行に伴って変化する被加熱物を含む電極部のインピーダンスの挙動判定を単純化し、仕上がりタイミングに到達する時点での被加熱物の物理変化に伴う電極部のインピーダンス変化の挙動を確実に捕らえることができ、加熱動作を自動的に停止させることによって、仕上がり状態が良く、電力のムダな消費も防ぐことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、規定値は、電力検知部が検知した入射電力に対する反射電力の比率を4%から20%の間の特定値とした請求項1に記載の高周波加熱装置としたことにより、4%未満では検知精度を確保するには高価な回路構成が要求されるが実用上の利便性はほとんど変わらないので無用の制御を解消できるし、20%超では、被加熱物に供給する電力量の減少が大きくなることで仕上がりまでの加熱時間が使用者の感覚として長くなってしまうことを解消させ、被加熱物の種類、大きさ、また加熱開始における被加熱物の温度などの条件が異なっても、精度の高い仕上がり検知が行える実用的な利便性をもった装置を提供できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、直列接続した整合素子は、誘導性インピーダンス素子とした請求項1に記載の高周波加熱装置としたことにより、被加熱物を含む電極部が容量性インピーダンスをとることに対してインピーダンスを対峙させる上で簡単であり、被加熱物の種類や大きさが異なった場合でも制御部の制御内容を感覚的かつ一義的に行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における高周波加熱装置を示すものである。
【0017】
図において、10は冷凍物である被加熱物、11は被加熱物10を載置する絶縁材料からなる載置板、12、13は被加熱物10を挟んで位置する電極である。電極12は載置板11の下方直下に載置板11と略平行に設けた高圧側電極であり、電極13は被加熱物10の上方に配した2枚の電極板13a、13bよりなるアース側電極であり、電極板13a、13bは矢印のように可動構成とし、使用しない時には左右の壁面側に回転移動する。電極板13a、13bを使用状態にした時、電極13と載置板11との隙間は、略60mmとしている。14は電極12、13を収納配置した加熱空間であり、電極13と同電位としている。また、被加熱物10をこの加熱空間14に出し入れする扉(図示していない)が設けられている。
【0018】
15は電極12、13に給電する高周波電源であり、13.56MHz帯あるいは27.12MHz帯の高周波を発生する。16は高周波電源15と電極12、13との間に設けた整合回路であり、誘導性インピーダンス素子よりなる整合素子17と容量性インピーダンス素子よりなる整合素子18とで構成し、整合素子17は電極12に直列接続とし、整合素子18は電極12に直列接続した整合素子17と電極13との間に接続配置している。
【0019】
また、電極12に直列接続した整合素子17は、一部に誘導性インピーダンスを可変さ
せる構成としている。この可変構成としては、例えば、コイルを伸縮させる構成やコイル内部に挿入するフェライトコア材の挿入長を変化させる構成などを用いる。また、並列接続の整合素子18は、容量可変コンデンサを用いたり、複数のコンデンサを接続したり切り離したりして容量を離散的に変化させる構成などを用いる。
【0020】
19は整合回路16と高周波電源15との間に設けた電力検知部であり、CM型SWR回路を用いて構成している。この電力検知部19は、高周波電源15から整合回路16を経て電極12、13側に給電される入射電力および電極12、13側から高周波電源15に戻ってくる反射電力を検出するものである。
【0021】
20は高周波電源15を構成する各回路に供給する電力を発生する駆動電源である。21は電力検知部19が検出する入射電力および反射電力の検知信号に基づいて整合回路16の各電極12に直列接続した整合素子17、18のインピーダンスを可変させる制御部で、駆動電源20の出力も制御する。
【0022】
この制御部21は、電力検知部19が検知した反射電力が規定値を超過するまでは電極12に直列接続した整合素子17の制御を行わないものである。これにより、加熱初期の適切な整合状態形成の下で高周波電源の出力電力の被加熱物10への供給を最大化し、被加熱物10の内部の加熱を促進させ加熱時間の短縮化を図ることができる。
【0023】
また制御部21は、電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を減少させる方向にのみ制御することとしている。これにより、被加熱物10が加熱進行されることに伴う電極部のインピーダンス変化の挙動判定をさらに単純化することができる。
【0024】
そして、制御部21におけるインピーダンス値の減少程度の閾値は、反射電力が増加傾向と判定するまでを最大とするか、電圧定在波比が一度低下した後、規定値を超過するまでとした。
【0025】
そして、反射電力が増加傾向と判定するまでを最大とする制御を実行することで、電極部側のインピーダンスを容量性インピーダンス領域に限定し、加熱進行に伴う反射電力の変化を増大方向のみに限定させることで、仕上がり検知の精度を高めることができる。
【0026】
また、制御部21におけるインピーダンス値の減少程度の閾値を、電圧定在波比が一度低下した後、規定値を超過するまでとする制御を実行することは、入射電力と反射電力の両者の検知信号に基づき整合素子のインピーダンスの減少幅閾値を決めることであり、被加熱物10へ供給する高周波電力の最大化をより確実に行うことができる。
【0027】
さらに、制御部21は、電力検知部19が検知する反射電力が規定値を超過した後、電極12に直列接続した整合素子17のインダクタンス値を減少させることで、反射電力の値が増加傾向と判定したことを受けて加熱終了時間を決定するものである。すなわち、直列接続した整合素子17のインピーダンス値を減少させたときに反射電力が増大するといういままでとは異なる変化に基づき、被加熱物10の状態が仕上がり状態に近づいたと判定し、このタイミングに基づき最適な仕上がりを実現させることができる。
【0028】
また、前記した規定値は、電力検知部19が検知した入射電力に対する反射電力の比率を4%から20%の間の特定値としたものである。入力電力に対する反射電力の比率が4%未満ではこの比率の検知精度を確保するには高価な回路構成が要求されるが実用上の利便性はほとんど変わらないので無用の制御を解消できるし、比率が20%超では、被加熱物10に供給する電力量の減少が大きくなることで仕上がりまでの加熱時間が使用者の感覚として長くなってしまうことを解消させ、被加熱物の種類、大きさ、また加熱開始における被加熱物の温度などの条件が異なっても、精度の高い仕上がり検知が行える実用的な利便性をもった装置を提供できる。
【0029】
次に上記構成の動作と作用について図2を用いて説明する。
【0030】
図は、整合回路16の動作と作用をスミスチャート上に示したものである。被加熱物10を載置板11の上に載置し、電極13を可動させて電極12と略平行な状態に電極13を設定した時の電極部のインピーダンスは、一例として2.0−j250Ωである(図2の中でこのインピーダンス点は点22である)。この電極部のインピーダンスを高周波電源15の出力インピーダンスである50Ωに変換する作用を行うものが整合回路16である。この整合回路16の動作の理想的な一例を図2に示している。すなわち、直列接続した整合素子17を適切なインピーダンス値にすることで、電極部のインピーダンス(点22)は、点23に移動し、さらに整合素子18を適切なインピーダンス値にすることで点23を点24(すなわち50Ω)に変換する。
【0031】
電極部のインピーダンスは、被加熱物10の形状や種類に応じて変化するが、基本的には容量性インピーダンス値であり、誘導性インピーダンスからなる整合素子17を直列に介在させることによりインピーダンスを対峙させ、整合の制御状態のイメージを視覚的かつ直感的に判断でき、整合回路16の制御の単純化に一役を担わせることができる。
【0032】
次に図3を用いて実際の被加熱物10の加熱進行に伴ってインピーダンスがどのように変化するかについて説明する。図は整合回路16の入力位置25(図1参照)から電極12、13側を見たときのインピーダンスの変化を示すものである。26〜28の破線の円は、VSWR(電圧定在波比)がそれぞれ、1.5、2.0、2.5を示す。これらのVSWR値は、電力検知部19が検知した入射電力に対する反射電力の比率の特定値として選択している。なお、それぞれのVSWRの値に対応する反射電力の入射電力に対する比率は、それぞれ、4.0%、11.1%、18.3%である。
【0033】
被加熱物10として、冷凍マグロ(−18度、340g)を用い、初期に整合回路16を調整して整合回路16の入力位置25から電極12、13側を見たときのインピーダンスを50Ω(図3の点29)に設定した後、冷凍マグロを自然解凍(約3時間)した時のインピーダンス変化を示している。インピーダンス変化の最終ポイント(図3の点30)において、被加熱物10である冷凍マグロの状態は、少し力を入れると形が撓る状態であり、ドリップは無かった。図の特性から、冷凍物の解凍が進むことで冷凍物の比誘電率が増大し、電極部のコンデンサ容量分が増大していくことと、解凍が進み氷結帯を通った後は、身縮みなどによりインピーダンス変化がいままでとは異なる挙動を示すことが認められる。この現象は、被加熱物10の形状を変えても同様であった。
【0034】
本実施例は、上述したとおり、解凍が進むことで生じるインピーダンス変化の現象に基づくものであり、この現象を利用して解凍の終了判定を実用化するものである。
【0035】
本実施例が提供する被加熱物である冷凍物の解凍方法と、その解凍終了検知の具体的な制御内容を図4および図5を用いて説明する。
【0036】
図4は加熱制御のフローチャートであり、図5は図4の加熱制御に係わる負荷インピーダンスの変化特性を示す。
【0037】
被加熱物10である冷凍物を載置し、開閉扉を閉じた後、装置の加熱開始キーが使用者によって押されると、制御部21が加熱開始信号を受けてスタートS100からの処理が始まる。まずS101にて初期整合調整を行う。この調整にあたり、制御部21は駆動電源20の出力を制御し、高周波電源15の高周波出力を100W未満に設定して動作させる。そして、電力検知部19から得られる入射電力と反射電力の検知信号に基づいて反射電力が極小(理想的にはゼロ)になるように整合回路16の整合素子17、18のインピーダンス値を変化させる。S101における整合調整度合いの一つの目安としては、例えばVSWR値が1.5以下として調整を行う。なお、この初期整合調整(S101)は調整時間に限度を持たせ、最長で30秒としている。
【0038】
初期整合調整(S101)が完了すると、S102にて駆動電源20を制御し、高周波電源15の出力を最大(例えば、300W)に設定し、S103に進む。
【0039】
S103では、最大出力の下で、電力検知部19から得られる入射電力Pfと反射電力Prを検知し、これら二つの電力値に基づいて、(数1)に基づいてVSWR値を求める。
【0040】
【数1】
【0041】
S104では、S103で求めたVSWR値を規定値、すなわち選択した特定値(2.0)と比較し、この特定値以下の場合はS103に戻る。すなわち、加熱開始後、VSWR値が2.0を越えるまでは整合回路16の制御は行わない。この間、被加熱物10には最大出力が供給され、内部の昇温が促進される。
【0042】
S104でVSWR値が2.0を越えると、S105に進みフラグ1を立てて、S106に進む。S106では、現在の反射電力Prを基準の反射電力Pr0に代入し、S107の整合素子調整のステップに進む。このS107では、整合回路16の構成要素の一つである電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を規定値だけ減少させる。整合素子17のインピーダンスを減少させる方法としては、コイルを伸張させる方法やコイル内部に挿入するフェライトコア材の挿入長を短くする方法などを用いる。そして、この制御には、ステッピングモータによる回転駆動制御を使用し、ステッピングモータのステップ数を規定し規定の回転角度だけモータ出力軸を回転させることとしている。
【0043】
その後、S108に進み、電力検知部19から現在の反射電力Prを検知し、基準の反射電力Pr0と比較する。現在の反射電力Prが基準の反射電力Pr0より小さい場合は、S109に進みフラグ1を引っ込めてS106に戻る。S108で現在の反射電力Prが基準の反射電力Pr0以上の場合、S110に進み、現在の反射電力Prを基準の反射電力Pr0に代入し、S111の整合素子調整のステップに進む。このS111は前述したS107と同様に、整合回路16の構成要素の一つである電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値をさらに規定値だけ減少させる制御を行う。その後、S112に進み、再びS108と同様の判定をする。すなわち、現在の反射電力Prが基準の反射電力Pr0より小さい場合は、S109に進みフラグ1を引っ込めてS106に戻る。
【0044】
S112で現在の反射電力Prが基準の反射電力Pr0以上の場合、S113に進み、フラグ1が立っているかどうかを判定し、立っていない場合はS103に戻り、立っている場合は、S114に進む。このS113では、整合回路16の電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を減少させる制御を2回繰返した時に、それぞれの時点での反射電力Prが基準の反射電力Pr0よりも大きい場合にのみS114に進む。すなわち、この状態において、インピーダンス値を減少させることは反射電力を増大させることと認識し、被加熱物10の解凍が仕上り状態にあると判定させている。この後、S114では、適当な時間だけ高周波電源15の動作を継続させ、S115に進み、高周波電源15の出力を停止させる。そして、加熱が終了したことを使用者に報知させる。
【0045】
このS114における時間は、加熱開始からこのS114のステップに到達するまでの総時間に予め規定した定数を乗じて得られる時間としたり、規定時間、例えば15秒、としたりする方法を採っている。
【0046】
なお、上記説明ではインピーダンス値を連続減少させる工程は2回としたが、これに限定されるものではない。
【0047】
以上に説明した制御内容に基づく電極側を見た時のインピーダンス変化の一例を図5に示す。図5中の3つの破線円は図3と同様のVSWR値を示す。S101の調整後のインピーダンスが点100、S105に進んだ時点のインピーダンスが点101(黒色四角)、再びS103に戻った時点のインピーダンスが点102、そして再びS105に進んだ時点のインピーダンスが点103、さらに再びS103に戻った時点のインピーダンスが点104、さらに再びS105に進んだ時点のインピーダンスが点105である。その後、S108の判定がYes(インピーダンス点106)、S112の判定がYes(インピーダンス点107)となり、S113でYesとなってS114に進む。この後、15秒加熱を継続しインピーダンス点108で加熱を終了させている。以上の動作により、適切な時点で解凍動作を終了させることができた。
【0048】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2における高周波加熱装置について、図6および図7を用いて説明する。実施例1と基本構成は同一であるので説明を省略し、相違する制御内容についてのみ説明する。
【0049】
図6は加熱制御のフローチャートであり、図7は図6の加熱制御に係わる負荷インピーダンスの変化特性を示す。
【0050】
被加熱物10である冷凍物を載置し、開閉扉を閉じた後、装置の加熱開始キーが使用者によって押されると、制御部21が加熱開始信号を受けてスタートS200からの処理が始まる。まずS201にて初期整合調整を行う。この調整内容は実施例1と同様であり説明は省略する。
【0051】
初期整合調整(S201)が完了すると、S202にて駆動電源20を制御し、高周波電源15の出力を最大(例えば、300W)に設定し、S203に進む。
【0052】
S203では、最大出力の下で、電力検知部19から得られる入射電力Pfと反射電力Prを検知し、これら二つの電力値に基づいて、(数1)によりVSWR値を求める。
【0053】
S204では、S203で求めたVSWR値を第一の規定値、すなわち選択した第一の特定値(2.0)と比較し、第一の特定値以下の場合はS203に戻る。すなわち、加熱開始後、VSWR値が2.0を越えるまでは整合回路16の制御は行わない。この間、被加熱物10は最大出力が供給され、内部の昇温が促進される。
【0054】
S204でVSWR値が2.0を越えると、S205に進みフラグ1を立てて、S206に進む。S206は整合素子調整のステップであり、整合回路16の構成要素の一つである電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を規定値だけ減少させる。整合素子17のインピーダンスを減少させる方法も、実施例1と同様であり説明を省略する。
【0055】
その後、S207に進み、電力検知部19から得られる入射電力Pfと反射電力Prを検知し、これら二つの電力値に基づいて、(数1)によりVSWR値を求め、S208に進む。S208では現在のVSWRの値を第二の規定値、すなわち選択した第二の特定値(1.8)と比較する。現在のVSWR値が第二の特定値より小さい場合は、S209に進みフラグ1を引っ込めてS206に戻る。S208で現在のVSWR値が第二の特定値以上の場合、S210の整合素子調整のステップに進む。このS210は前述したS206と同様に整合回路16の構成要素の一つである電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値をさらに規定値だけ減少させる制御を行う。その後、S211に進み、再び電力検知部19から得られる入射電力Pfと反射電力Prを検知し、これら二つの電力値に基づいて、(数1)によりVSWR値を求め、S212に進む。
【0056】
S212では、現在のVSWR値を第三の規定値、すなわち選択した第三の特定値(1.5)と比較し、S208と同様の判定をする。すなわち、現在のVSWR値が第三の特定値より小さい場合は、S209に進みフラグ1を引っ込めてS206に戻る。S212で現在のVSWR値が第三の特定値以上の場合、S213に進み、フラグ1が立っているかどうかを判定し、立っていない場合はS203に戻り、立っている場合は、S214に進む。
【0057】
このS213では、整合回路16の電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を減少させる制御を2回繰返した時に、それぞれの時点でのVSWR値がそれぞれの時点での規定値(すなわち選択した特定値)よりも大きい場合にのみS214に進む。すなわち、この状態において、電極12に直列接続した整合素子17のインピーダンス値を減少させることは反射電力を増大させることと認識し、被加熱物10の解凍が仕上り状態にあると判定させている。この後、S214では、適当な時間だけ高周波電源15の動作を継続させてS215に進んで高周波電源15の出力を停止させる。そして、加熱が終了したことを使用者に報知させる。
【0058】
このS214における時間についても実施例1と同様であり説明は省略する。なお、上記説明ではインピーダンス値を連続減少させる工程は2回としたが、これに限定されるものではない。
【0059】
以上に説明した実施例2の制御内容に基づく電極側を見た時のインピーダンス変化の一例を図7に示す。図7中の3つの破線円は図3と同様のVSWR値を示す。S201の調整後のインピーダンスが点200、S205に進んだ時点のインピーダンスが点201(黒色四角)、再びS203に戻った時点のインピーダンスが点202、そして再びS205に進んだ時点のインピーダンスが点203、さらに再びS203に戻った時点のインピーダンスが点204、さらに再びS205に進んだ時点のインピーダンスが点205である。その後、S208の判定がYes(インピーダンス点206)、S212の判定がYes(インピーダンス点207)となり、S213でYesとなってS214に進む。この後、15秒加熱を継続しインピーダンス点208で加熱を終了させている。以上の動作により、適切な時点で解凍動作を終了させることができた。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を含む電極のインピーダンス変化を利用するもので、制御部が高周波電源を最大出力動作させる前の加熱初期に被加熱物を含む電極と高周波電源との整合状態を規定値以下に調整するとともに、前記高周波電源を最大出力動作させて被加熱物を加熱中に加熱時間経過に伴って電力検知部が検知する反射電力が前記規定値を超過すると、電極に対して直列接続の整合素子のみを制御することにより、被加熱物の加熱進行に伴って変化する被加熱物を含む電極部のインピーダンスの挙動判定を単純化し、仕上がりタイミングに到達する時点での被加熱物の物理変化に伴う電極部のインピーダンス変化の挙動を確実に捕らえることができ、加熱動作を自動的に停止させることによって、仕上がり状態が良く、電力のムダな消費も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における高周波加熱装置の構成図
【図2】同高周波加熱装置の整合回路の作用を示すスミスチャート
【図3】 同高周波加熱装置における冷凍物の解凍に伴うインピーダンス変化特性を示すスミスチャート
【図4】 同高周波加熱装置における制御部のフローチャート
【図5】 同高周波加熱装置における制御部のフローチャートに基づくインピーダンス変化特性を示すスミスチャート
【図6】 本発明の実施例2における高周波加熱装置の制御部のフローチャート
【図7】 同高周波加熱装置における制御部のフローチャートに基づくインピーダンス変化特性を示すスミスチャート
【図8】 従来の高周波加熱装置の構成図
【符号の説明】
10 被加熱物
12、13 電極
15 高周波電源
16 整合回路
17 直列接続した整合素子
18 整合素子
19 電力検知部
21 制御部

Claims (3)

  1. 被加熱物を誘電加熱する電極と、前記電極に給電する高周波を発生する高周波電源と、前記高周波電源と電極との間に設け電極に対して直列接続した整合素子を含む整合回路と、前記高周波電源と整合回路との間に設けた電力検知部と、前記電力検知部の検知信号に基づいて前記整合回路の整合素子の値を可変する制御部とを備え、前記制御部は前記高周波電源を最大出力動作させる前の加熱初期に被加熱物を含む電極と高周波電源との整合状態を規定値以下に調整するとともに、前記高周波電源を最大出力動作させて被加熱物を加熱中に加熱時間経過に伴って電力検知部が検知する反射電力が前記規定値を超過すると、直列接続した整合素子のインピーダンス値を所定の閾値だけ減少させる過程において、反射電力の値が増加傾向と判定したことを受けて加熱終了時間を決定するように制御することとした高周波加熱装置。
  2. 規定値は、電力検知部が検知した入射電力に対する反射電力の比率を4%から20%の間の特定値とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 直列接続した整合素子は、誘導性インピーダンス素子とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
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