JP4119834B2 - シクロアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、該共重合体を含む硬化剤及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

シクロアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、該共重合体を含む硬化剤及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規なシクロアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びそれを含有するエポキシ樹脂用硬化剤、該硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物に関する。本発明の新規なシクロアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体は、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性等に優れるエポキシ樹脂硬化物を与えることができ、特にソルダーレジストや半導体封止剤など電子材料用途に有用である。
エポキシ樹脂の製造には、酸無水物系硬化剤 、アミン系硬化剤等の種々の硬化剤が使用でき、その硬化剤の選択により機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性等の硬化物特性が大きく変わるため、用途に応じて使い分けられている。その用途は、成形材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料等と多岐にわたるが、その良好な耐熱性と電気絶縁性から、特に電気・電子部品用材料として広く用いられている。近年、エポキシ樹脂の応用がプリント配線基盤、半導体封止剤のような電気・電子部品用材料の先端技術分野に広がるに従い、より高性能のものが要求されている。具体的には、集積回路の高集積化、実装法の高密度化に伴い、電気絶縁材料に対してより高い耐熱性が求められるようになってきている。
例えば、ソルダーレジストは、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだ付け部分以外にはんだが付着するのを防止すると同時に配線回路を保護する目的で被覆される材料である。そのため、高いはんだ耐熱性及び密着性が要求される。また、ソルダーレジストはメッキレジストとしてそのまま用いられることも多く、その場合には耐アルカリ性、耐酸性、耐メッキ性等が要求される。ソルダーレジストとしては、使用目的に応じ各種のレジストが知られているが、上記の特性が要求されるため、ほとんどのソルダーレジストにはエポキシ樹脂が必須成分として配合されている。しかし、一般的な硬化剤を使用して得られるエポキシ樹脂では、はんだ耐熱性や密着性、耐薬品性が必ずしも充分ではなかった。
また半導体封止剤の場合、実装方式が表面実装へと移行しており、表面実装では半導体装置全体がハンダの溶融温度近くの高温に曝されるため、封止剤用には一層高い耐熱性が求められている。この要求は、ハンダの鉛フリー化に伴う融点の上昇により、近年さらに高まっている。このため、従来のエポキシ樹脂用硬化剤では当該要求を満足できない。
一方、フォトレジストの分野では、無水マレイン酸とアルキルビニルエーテル等との共重合によって得られる共重合体(特許文献1等参照)、脂環式炭化水素構造を有するビニルエーテル化合物の共重合体(特許文献2等参照)が知られている。しかしながら、前者ではアルキルビニルエーテルが特定のものに限定されており、充分な耐熱性が得られない。また後者では、具体例の5−ビニルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンと無水マレイン酸の共重合体が酸解離性のアクリレート系モノマーを含むため、耐熱性や耐酸性が充分でない。
特開2001−200016号公報 特開2003−160612号公報
従って、本発明は、エポキシ樹脂系の硬化物に対して高度の耐熱性を付与できる酸無水物系エポキシ樹脂用硬化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、エポキシ樹脂系硬化物に高い耐熱性を付与できる硬化剤を得るべく鋭意検討した結果、無水マレイン酸と脂環式炭化水素構造を有するビニルエーテル化合物(シクロアルキルビニルエーテル)を共重合して得られる共重合体が、高いガラス転移点(Tg)を有し、これを硬化剤として使用して得られるエポキシ樹脂系硬化物が高い耐熱性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、少なくとも1種の式(1)で表されるシクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸とからなるラジカル共重合体であって、かつ式(2)で表される繰り返し単位を含む共重合体を提供する。
Figure 0004119834
Figure 0004119834
[式中、Aは式(3)〜(6)
Figure 0004119834
(式中、R〜Rは、各々独立に、メチル基、エチル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を表す。a、b、c及びdは0以上の整数を表し、a、b、c又はdが2以上の場合、R〜Rは同一であっても異なっていてもよい。p及びqは、それぞれ0〜2の整数、1又は2の整数を表す。)から選ばれるシクロアルキル基を示し;Rは水素原子又はメチル基を示し;nは0又は1の整数を表す。]
本発明はまた、上記の共重合体を含んでなるエポキシ樹脂硬化剤、及び該エポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の共重合体は、耐熱性に有利な脂環式炭化水素構造を持つことにより高いガラス転移点を示し、本発明の共重合体をエポキシ樹脂硬化剤として用いることにより、耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物を製造することができる。しかも、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を用いて硬化したエポキシ樹脂硬化物は、各種溶媒に対する化学的安定性、各種基体に対する密着性等にも優れている。
本発明の共重合体は、少なくとも1種の式(1)で表されるシクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸とをラジカル共重合することにより得られる共重合体であり、かつ式(2)で表される繰り返し単位を含む。
式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、水素原子が好ましい。式(3)〜(6)において、シクロアルキル基は置換基R〜Rによって置換されていてもよいが、無置換であることが好ましい。置換基としては、メチル基、エチル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基が挙げられる。
以下に、シクロアルキルビニルエーテルの具体例を挙げる。シクロアルキル基Aが式(3)で表される構造を有するシクロアルキルビニルエーテルとしては、シクロヘキシルビニルエーテル、1−メチルシクロヘキシルビニルエーテル、2−メチルシクロヘキシルビニルエーテル、3−メチルシクロヘキシルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルビニルエーテル、2,3−ジメチルシクロヘキシルビニルエーテル、2,6−ジメチルシクロヘキシルビニルエーテル、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルビニルエーテル、4−エチルシクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、3−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル等が挙げられ、これらの中でシクロヘキシルビニルエーテルが好ましい。
シクロアルキル基Aが式(4)で表される構造を有するシクロアルキルビニルエーテルとしては、1−ビニルオキシアダマンタン、2−ビニルオキシアダマンタン、2−メチル−2−ビニルオキシアダマンタン、2−エチル−2−ビニルオキシアダマンタン、3−ビニルオキシ−1−アダマンタノール、5−ビニルオキシ−1,3−アダマンタンジオール、7−ビニルオキシ−1,3,5−アダマンタントリオール、1,3−ジメチル−5−ビニルオキシアダマンタン、3,5−ジメチル−7−ビニルオキシ−1−アダマンタノール、1−(ビニルオキシメチル)アダマンタン等が挙げられ、これらの中で1−ビニルオキシアダマンタンが好ましい。
シクロアルキル基Aが式(5)で表される構造を有するシクロアルキルビニルエーテルとしては、2−ビニルオキシノルボルナン、2−(ビニルオキシメチル)ノルボルナン、3−ビニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−(ビニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−ヒドロキシ−4−ビニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−ヒドロキシ−8−ビニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−ヒドロキシ−9−ビニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−(ヒドロキシメチル)−4−(ビニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−(ヒドロキシメチル)−8−(ビニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、3−(ヒドロキシメチル)−9−(ビニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等が挙げられ、これらの中で2−ビニルオキシノルボルナンが好ましい。
シクロアルキル基Aが式(6)で表される構造を有するシクロアルキルビニルエーテルとしては、8−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−ヒドロキシ−3−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−ヒドロキシ−4−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−ヒドロキシ−5−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3−ヒドロキシ−8−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3−ヒドロキシ−9−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4−ヒドロキシ−8−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−(ヒドロキシメチル)−3−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−(ヒドロキシメチル)−4−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−(ヒドロキシメチル)−5−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3−(ヒドロキシメチル)−8−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3−(ヒドロキシメチル)−9−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4−(ヒドロキシメチル)−8−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−ヒドロキシ−10−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−ヒドロキシ−11−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−ヒドロキシ−12−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、10−ヒドロキシ−4−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、10−ヒドロキシ−5−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、11−ヒドロキシ−4−ビニルオキシペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−(ヒドロキシメチル)−10−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−(ヒドロキシメチル)−11−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、4−(ヒドロキシメチル)−12−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、10−(ヒドロキシメチル)−4−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、10−(ヒドロキシメチル)−5−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、11−(ヒドロキシメチル)−4−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等が挙げられ、これらの中で8−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンが好ましい。
本発明の共重合体において、共重合体全体に対して式(2)で表される繰り返し単位を
70重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。
また、本発明の共重合体は、式(1)で表されるシクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸との交互共重合体であることが好ましいが、本発明の共重合体には、シクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸以外に、必要に応じてエチレン性二重結合を有する重合性化合物を1種以上共重合させてもよい。エチレン性二重結合を有する重合性化合物としては、シクロアルキルビニルエーテルや無水マレイン酸とゲル化せずに共重合可能であり、酸無水物基と反応するエポキシ基、イソシアネート基、水酸基、アミノ基等の活性基を有しない重合性化合物であれば特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル等のビニルモノマー類;n−ブチルエーテル、iso−ブチルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等の直鎖又は分岐状のアルキル基を含有するビニルエーテル類等が挙げられる。また本発明の硬化性樹脂組成物の性能を阻害しない範囲で、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸を含んでいてもよい。
上記シクロアルキルビニルエーテル、無水マレイン酸及び必要に応じて添加される重合性化合物の組成比は特に制限されないが、シクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の組成比は、各々モル比で20〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましく、40〜60%が特に好ましい。必要に応じて添加される重合性化合物は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。また、本発明の共重合体の重量平均分子量は、高すぎると溶剤への溶解性が悪くなり、一方、低すぎると塗膜性が悪くなることから、5,000〜300,000の範囲が好ましく、10,000〜100,000の範囲がより好ましい。
本発明の共重合体を製造する際に、ラジカル重合反応に用いる重合開始剤としては、一般にラジカル発生剤として用いられているものであれば特に制限されないが、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中で2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が好ましい。これらの重合開始剤は、2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の使用量は、重合反応に用いる原料モノマーの種類や量、重合温度、重合溶媒等の重合条件により異なるので一概に決定することはできないが、一般に、原料モノマーの総量に対して0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜20モル%、更に好ましくは、1.0〜10モル%の範囲である。
本発明の共重合体を製造する際の重合方法としては溶液重合が好ましく、反応は無溶媒で実施することも可能であるが、原料モノマー及び重合開始剤を適当な重合溶媒に溶解した状態でラジカル共重合させることが好ましい。重合溶媒は、原料モノマー、得られた共重合体及び重合開始剤を安定して溶解しうる溶媒であって、共重合反応を阻害しないものであれば特に制限されない。重合溶媒の具体な例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等を挙げることができ、これらの中でテトラヒドロフランが好ましい。これらの重合溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。重合溶媒の使用量は、原料モノマーの総量100重量部に対して、通常20〜1000重量部の量で用いられる。
共重合の反応条件は特に制限されないが、一般に反応温度は40℃〜150℃の範囲が好ましく、40〜100℃程度がより好ましい。反応時間は重合温度に到達後3時間〜48時間程度が好ましい。また、重合反応は空気下で実施することも可能であるが、分子量、収率の面からアルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
上記反応により得られた共重合体は、重合反応液を貧溶媒に滴下して析出させ、減圧乾燥することにより、重合溶媒及び未反応モノマー、オリゴマー、重合開始剤及びこれらの反応残渣物等の不純物と分離することが可能である。貧溶媒は、得られた共重合体が溶解しない溶媒であれば特に制限されない。貧溶媒の具体的な例としては、水;メタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素類等を挙げることができる。
本発明の共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が140℃以上と高く、エポキシ樹脂との反応により容易に硬化して、耐熱性、耐薬品性、密着性等に優れた硬化物を与えることから、本発明の共重合体は、エポキシ樹脂硬化剤として有用であり、特に耐熱性が要求される用途における硬化性樹脂組成物用に好適に用いることができる。なお、本発明の共重合体は、共重合体中に含まれる酸無水物由来のカルボキシル基を、本発明の共重合体の特徴から逸脱しない範囲において、加水分解、アルコリシス等で開環させ、得られたジカルボン酸誘導体を脂肪族アミン等と反応させてポリアミドアミン誘導体としたり、あるいは低級グリコール等と反応させてポリエステルポリオール誘導体として使用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、エポキシ当量、分子量、分子構造などに制限がなく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、公知の種々のエポキシ樹脂を使用することができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリグリシジルエーテルトリフェニルメタン、テトラグリシジルエーテルテトラフェニルメタン等の3官能又は4官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びこれらのベンゼン核を水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらのエポキシ樹脂の中でも、本発明の硬化性樹脂組成物に適するエポキシ樹脂としては、前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びその水素化エポキシ樹脂が好ましく、具体的には、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び水素化ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を例示することができる。ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、商品名「エピコート#828」(油化シェルエポキシ製)、商品名「エピクロン850−S」(大日本インキ化学工業製)等が挙げられる。水素化ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、商品名「HBPA−DGE」(丸善石油化学製)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と本発明のエポキシ樹脂硬化剤との配合割合は、用いるエポキシ樹脂の性状によって異なるが、特に制限はない。例えば、上述のビスフェノールAジグリシジルエーテル型系エポキシ樹脂又は水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル型系エポキシ樹脂を使用する場合における本発明のエポキシ樹脂硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜200重量部、好ましくは90〜150重量部の範囲とすることができる。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤として作用するシクロアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体が固体粉末状であるため、溶剤を使用することが好ましい。用いる溶剤としては、エポキシ樹脂及びシクロアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体を溶解するものであれば特に制限されないが、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、ブタノール、ブチルセロソルブ等のアルコール類;メチルエチルケトン、イソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素溶剤等が挙げられる。溶剤の使用量は特に制限されないが、一般に、固形分100重量部に対して150〜1000重量部が好ましく、200〜500重量部がより好ましい。
なお、硬化性樹脂組成物の硬化温度は、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、シクロアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体が硬化剤として作用するため特に他の硬化剤を使用しなくてもよいが、必要に応じて、公知のエポキシ樹脂硬化剤をいずれも併用することができる。併用し得る硬化剤としては、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のポリアミン;N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のリン化合物;三級アミンの2−エチルヘキサン酸塩、フェノール塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等の三級アミン塩;テトラメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の四級アンモニウム塩;オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ナトリウムメトキシド、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロム等の金属アセチルアセトン錯塩等の有機金属塩類等が挙げられる。
更に、本発明における硬化性樹脂組成物中には、硬化物の諸性能を向上させるため、適宜、充填剤、添加剤等を併用してもよい。充填剤としては、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等の無機充填剤類が挙げられる。添加剤としては、沈降防止剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤等が挙げられる。併用する硬化剤、充填剤及び添加剤の種類や配合量については特に制限はなく、硬化性樹脂組成物の用途に応じて適宜決定することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、濃度を表す%は特にことわりのない限り質量%を示す。又、得られた共重合体の物性は、以下の方法により測定した。
(1)重量平均分子量Mw及び分散度Mw/Mn:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果より求めた。
(2)ガラス転移温度Tg:示差走査熱量法(DSC法)にて昇温速度20℃/minで昇温し測定した。
(3)酸価:JIS K 5902に準じて分析を行った。
製造例1
シクロヘキシルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(共重合体1)の合成:
アルゴン気流下にて、攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコにテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)71.1g(0.99mol)、シクロヘキシルビニルエーテル(以下、「CHVE」と記す。)20.0g(0.16mol)、無水マレイン酸15.6g(0.16mol)と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル (以下、「AIBN」と記す)2.61g(15.9mmol)を投入し、内容物を撹拌しながらオイルバスを用いて65℃まで昇温し、7時間加熱した。反終了後、重合液にTHF40gを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体1)35.4gを得た(収率92.7%)。得られた共重合体1の物性の測定結果を表1に示した。また、得られた共重合体1のIRのスペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):2935、2858、1860、1780
製造例2
共重合体1の加水分解樹脂(共重合体2)の合成:
攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコに、製造例1により得られた共重合体2.00gと、1,4−ジオキサン8mL、イオン交換水1.30gを投入し、内容物を撹拌しながらオイルバスを用いて100℃まで昇温し、24時間加熱した。反終了後、重合液に1,4−ジオキサン8mLを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体2)2.13gを得た(収率100%)。得られた共重合体2の物性の測定結果を表1に示す。また、得られた共重合体2のIR分析を行ったところ、カルボキシル基のC=Oによるピークがあらたに見られ、加水分解されていることが確認された。質量の増加分から計算される加水分解率は75%であった。スペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):2935、2858、1859、1780、1731
製造例3
トリシクロデカニルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(共重合体3)の合成:
アルゴン気流下にて、攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコにTHF62.0g(0.86mol)、8−ビニルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(別名トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、以下、「TCDVE」と記す。)20.0g(0.11mol)、無水マレイン酸11.0g(0.11mol)と、重合開始剤としてAIBN1.84g(11.2mmol)を投入し、製造例1と同様に反応させた。反終了後、重合液にTHF40gを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体3)30.4gを得た(収率92.7%)。得られた共重合体3の物性の測定結果を表1に示す。また、得られた共重合体3のIRのスペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):2947、2862、1860、1782
製造例4
共重合体3の加水分解樹脂(共重合体4)の合成:
攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコに、製造例3により得られた共重合体2.00gと、1,4−ジオキサン8mL、イオン交換水1.60gを投入し、製造例2と同様に反応させた。反終了後、重合液に1,4−ジオキサン8mLを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体4)2.16gを得た(収率100%)。得られた共重合体4の物性の測定結果を表1に示す。また、得られた共重合体4のIR分析を行ったところ、カルボキシル基のC=Oによるピークがあらたに見られ、加水分解されていることが確認された。質量の増加分から計算される加水分解率は100%であった。スペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):2947、2862、1857、1780、1720
製造例5
トリシクロデカニルモノメチロールビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(共重合体5)の合成:
アルゴン気流下にて、攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコにTHF30.2g(0.42mol)、8−(ビニルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(別名トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルモノメチロールビニルエーテル、以下、「TMMVE」と記す。)10.0g(52mmol)、無水マレイン酸5.10g(52mmol)と、重合開始剤としてAIBN 0.85g(5.2mmol)を投入し、製造例1と同様に反応させた。反終了後、重合液にTHF20gを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体5)12.9gを得た(収率80.8%)。得られた共重合体5の物性の測定結果を表1に示す。また、得られた共重合体5のIRのスペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):2947、2864、1860、1781
製造例6
ペンタシクロペンタデカニルモノメチロールビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(共重合体6)の合成:
アルゴン気流下にて、攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコにTHF27.6g(0.38mol)、4−(ビニルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン(別名ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン−4−イルモノメチロールビニルエーテル、以下、「PMMVE」と記す。)10.0g(39mmol)、無水マレイン酸3.79g(39mmol)と、重合開始剤としてAIBN0.64g(5.2mmol)を投入し、製造例1と同様に反応させた。反終了後、重合液にTHF40gを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体6)12.6gを得た(収率87.0%)。得られた共重合体6の物性の測定結果を表1に示す。また、得られた共重合体6のIRのスペクトルデータを以下に示す。
IR(ν cm-1):3040、2942、2877、1860、1782
比較例1
イソブチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(共重合体7)の合成:
アルゴン気流下にて、攪拌子、温度計、コンデンサを備えたガラスフラスコにTHF39.6g(0.55mol)、イソブチルビニルエーテル(以下、「IBVE」と記す。)10.0g(0.1mol)、無水マレイン酸9.79g(0.1mmol)と、重合開始剤としてAIBN1.64g(10mmol)を投入し、製造例1と同様に反応させた。反終了後、重合液にTHF90gを入れて希釈し、過剰量のヘキサン中に滴下して生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ別し、真空ポンプで減圧乾燥して白色のポリマー粉体(共重合体7)18.5gを得た(収率86.3%)。得られた共重合体7の物性の測定結果を表1に示した。
Figure 0004119834
実施例1〜4比較例2〜6
エポキシ樹脂組成物の製造及びその物性評価:
硬化剤成分として共重合体1、3、6又は酸無水物硬化剤を用い、表2又は3に示した配合割合により、エポキシ樹脂、シリコーン系表面調整剤(楠木化成製、商品名「ディスパロン1761」)及びメチルエチルケトンを配合し、均一になるまで室温下で混合して熱硬化性樹脂組成物を調製した。各実施例から得られた熱硬化性樹脂組成物について、硬化物の物性測定に適合する試験片を作成し、硬化物の物性評価を行った。
なお、エポキシ樹脂としては以下の2種類を、酸無水物硬化剤としては以下の3種類を使用した。
(エポキシ樹脂)
エピクロン850−S:大日本インキ化学工業製、ビスフェノールA型グリシジルエーテル(エポキシ当量200)
HBPA−DGE:丸善石油化学製、水素化ビスフェノールA型グリシジルエーテル(エポキシ当量200)
(酸無水物硬化剤)
MHHPA:メチルヘキサヒドロ無水フマル酸
MTHPA:メチルテトラヒドロ無水フタル酸
MNA:無水メチルナジン酸
また、硬化物の物性評価は、以下の5項目について行った。結果を表2及び3に示す。
(物性評価方法)
(1)熱分析
試験片の作成:アルミカップに熱硬化性樹脂組成物を入れ減圧乾燥機で脱溶媒を行った。脱溶媒後、150℃の熱風乾燥機にて24時間のポストキュアーを行い、試験片を作成した。
ガラス転移温度Tg:試験片の破片を用い、示差走査熱量法(DSC法)にて昇温速度30℃/minで昇温し測定した。
5%重量減少温度:試験片の破片を用い、熱重量分析法(TGA法)にて昇温速度10℃/minで昇温し測定した。
(2)塗膜性
試験片の作成:アプリケーター(YOSHIMITSU製、YA−2)を用い、熱硬化性樹脂組成物を軟鋼板(SPCC−SB、0.8×70×150mm)上に10μmの膜厚に塗布した。次いで180℃の熱風乾燥機中にて30分のポストキュアーを行い、硬化膜を調整した。
評価方法:乾燥後の塗膜表面を目視により観察した。
○…平坦になっている
×…平坦性に欠け、表面が柚子肌状になっている
(3)密着性
試験片の作成:塗膜性試験と同様の操作により試験片を作成した。
評価方法:JIS K 5400に準じて碁盤目剥離試験にて評価を行った。100マスに対して剥離せずに残ったマスの数を示した。
(4)耐薬品性
試験片の作成:塗膜性試験と同様の操作により試験片を作成した。
耐溶剤性:室温において1時間テトラヒドロフラン中に浸漬した。
耐アルカリ性:室温において1時間1%炭酸水素ナトリウム水溶液中に浸漬した。
耐酸性:室温において1時間10%硫酸水溶液中に浸漬した。
評価方法:浸漬後の塗膜外観を目視により観察した。
○…塗膜外観にふくれや剥離がなく、わずかな異常もみられない
×…塗膜に膨れや剥離がある
(5)耐屈曲性
試験片の作成:アプリケーター(YOSHIMITSU製、YA−2)を用い、熱硬化性樹脂組成物をアルミ板(日本テストパネル工業製、JIS H 4000(A1050P))上に10μmの膜厚に塗布した。次いで180℃の熱風乾燥機中にて30分のポストキュアーを行い、硬化膜を調整した。
評価方法:JIS K 5400に準じて、心棒の直径は2mmとして耐屈曲性試験を行い、クラック発生の有無を観察した。
○…クラック無し
×…クラック多数発生
Figure 0004119834
Figure 0004119834
本発明のシクロアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体は、エポキシ樹脂用硬化剤として有用であり、特に、電気・電子部品の保護材、電気絶縁材、半導体封止材として用いられるエポキシ樹脂の硬化剤として極めて好適に使用することができるほか、接着剤、塗料、熱硬化性膜、硬化膜、プリプレグ、硬化成形品、繊維強化樹脂用マトリックス樹脂等に使用されるエポキシ樹脂の硬化剤としても有用である。

Claims (4)

  1. 少なくとも1種の式(1)で表されるシクロアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸とを各々モル比で40〜60%の比率でラジカル重合して得られるラジカル共重合体であって、かつ式(2)で表される交互共重合体を含むエポキシ樹脂硬化剤
    Figure 0004119834
    Figure 0004119834
    [式中、Aは式(3)又は(6)
    Figure 0004119834
    (式中、R2 及び5は、各々独立に、メチル基、エチル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を表す。a及びdは0以上の整数を表し、a又はdが2以上の場合、R2 及び5は同一であっても異なっていてもよい。qは1又は2の整数を表す。)から選ばれるシクロアルキル基を示し;R1は水素原子又はメチル基を示し;nは0又は1の整数を表す。]
  2. 前記共重合体のガラス転移温度(Tg)が140℃以上である請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤
  3. 前記共重合体の重量平均分子量が5,000〜300,000である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂硬化剤
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物。
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