JP4119233B2 - 微細気泡樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

微細気泡樹脂発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一な微細気泡を有する樹脂発泡体、特に独立気泡を有する樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応硬化性樹脂の発泡体の製造方法としては、加熱により分解して窒素等のガスを発生する発泡剤を樹脂原料と混合し、該樹脂原料組成物を加熱して発泡させると同時硬化させて発泡体とする製造方法、それ自体は化学反応をしないが加熱によりガス化する発泡剤を樹脂原料と混合し、該樹脂原料組成物を加熱して発泡させると同時硬化させて発泡体とする製造方法等が公知である。
【0003】
発泡体を構成する反応硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が通常、最も多く使用される。
【0004】
具体的な例として、ポリウレタン発泡体の製造方法としては、ポリウレタン重合体を構成するポリオール化合物、イソシアネート化合物等の成分に発泡剤を添加し、混合して発泡硬化させる方法が公知である。係る発泡剤としては、水、低沸点ハロゲン化炭化水素が公知である(例えば非特許文献1)。
【0005】
ポリウレタン発泡体の別の製造方法として、2液の反応によりポリウレタンを形成する成分の1方の成分に界面活性剤を添加して機械撹拌し、気泡分散液を形成してこの気泡分散液に残りの反応成分を混合してポリウレタンフォームとする技術が公知である。この製造方法によれば、発泡剤を使用した場合よりも微細で均一な気泡径を有するポリウレタンフォームが得られる(特許文献1)。
【0006】
【非特許文献1】
岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社、昭和62年9月25日、p125
【特許文献1】
特開2000−178374号公報
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に開示されている発泡剤を使用する製造方法によれば、発泡体の密度は、添加する発泡剤の量により、調整することが可能であった。発泡体を形成する際に、金型を使用してその成形空間内で発泡、硬化させてポリウレタンフォームモールド成形品を製造する場合には、発泡剤量と共にいわゆるパック率(発泡を自由に行わせた場合と金型キャビティーの容積との比率)の調整によっても密度の調整が可能であった。ところが、得られる発泡体の気泡径は100μmを超えるものとなり、微細気泡の発泡体を製造することができなかった。
【0007】
一方、特許文献1に記載の製造方法によれば、気泡径が100μm未満の微細気泡の発泡体を製造することが可能であるが、フォーム密度の調整が難しく、樹脂原料の特性、特に粘度のばらつきの影響を受けやすいという問題がある。フォーム密度は、撹拌時間の調整によってもある程度は調整可能であるが、正確にフォーム密度を調整することはできず、安定したフォーム密度を有する発泡体を製造することができなかった。
【0008】
本発明の目的は、反応して硬化する樹脂原料を使用し、安定した密度を有する微細気泡樹脂発泡体を製造することができる樹脂発泡体の製造方法を提供することにある。本発明の発泡体の製造方法は、特に微細気泡ポリウレタン発泡体の製造方法に適したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応して硬化する樹脂原料を使用した微細気泡樹脂発泡体の製造方法であって、
撹拌機と混合容器と液面検出装置とを備えた撹拌装置を使用し、
特定の原料使用量における、機械撹拌して得られる気泡分散液の液面高さと、得られる微細気泡樹脂発泡体の発泡体密度との関係を予め測定により求める工程、
前記樹脂原料に界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液を製造する気泡分散液製造工程、及び前記気泡分散液を反応硬化させて微細気泡樹脂発泡体とする硬化工程を有することを特徴とする。
【0010】
係る構成により、容易かつ簡便に、平均気泡径が100μm以下であり、バラツキが小さく安定した密度を有する微細気泡を有する反応硬化型樹脂の発泡体を製造することができた。
【0011】
即ち、使用する撹拌容器に応じて原料使用量、機械撹拌して得られる気泡分散液の液面高さ、及び得られる発泡体の密度の関係を予め測定しておくと、原料使用量を特定すると、気泡分散液の液面高さの検出により、目的とする密度の発泡体を容易にかつ密度のバラツキを小さく製造することができる。
【0012】
上述の発明においては、撹拌機における撹拌翼の回転数や形状、界面活性剤の種類などを適宜選択することにより、気泡の大きさも併せて調整することが可能である。
【0013】
硬化工程における硬化方法は、気泡分散液を構成する成分と反応して重合体を形成する反応性成分を添加、混合して硬化させる方法、重合触媒を添加、混合して硬化させる方法、電子線や紫外線等のエネルギー線を照射して硬化させる方法等が使用可能である。
【0014】
上記の微細気泡樹脂発泡体の製造方法においては、前記微細気泡樹脂発泡体が微細気泡ポリウレタン発泡体であり、
前記樹脂原料はイソシアネート基含有化合物を含む第1成分と活性水素基含有化合物を含む第2成分とからなり、
前記第1成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを使用し、
気泡分散液製造工程は、前記イソシアネート基含有プレポリマーに水酸基を有しないシリコン系ノニオン界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液1を製造するものであり、前記気泡分散液1に前記第2成分を混合して硬化性気泡分散液とする混合工程を有し、前記硬化工程は、前記硬化性気泡分散液を硬化させて微細気泡ポリウレタン発泡体とするものであることが好ましい。
【0015】
また前記微細気泡樹脂発泡体の製造方法においては、前記微細気泡樹脂発泡体が微細気泡ポリウレタン発泡体であり、
前記樹脂原料はイソシアネート基含有化合物を含む第1成分と活性水素基含有化合物を含む第2成分とからなり、
前記第2成分としてポリオール化合物を含有するポリオール組成物を使用し、
前記気泡分散液製造工程は、前記ポリオール組成物にシリコン系ノニオン界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液2を製造するものであり、前記気泡分散液2に前記第1成分を混合して硬化性気泡分散液とする混合工程を有し、前記硬化工程は、前記硬化性気泡分散液を硬化させて微細気泡ポリウレタン発泡体とするものであることが好ましい。
【0016】
係る構成により、いずれの発明においても2液の反応によりポリウレタンを形成する成分の1方の成分に界面活性剤を添加して機械撹拌して気泡分散液とし、この気泡分散液に残りの反応成分を混合してポリウレタンフォームとするポリウレタンフォームの製造において、得られるポリウレタンフォーム密度をより正確に調整することが可能となった。
【0017】
前記液面検出装置は、電磁波もしくは超音波の反射により液面高さを測定する液面検出装置であることが好ましい。
【0018】
係る液面検出装置の使用により、非接触でかつ高精度にて液面高さを測定することができる。電磁波としては、γ線、紫外線、可視光、マイクロ波、レーザー等が例示される。電磁波もしくは超音波の反射により液面高さを測定する液面検出装置は、一般に、電磁波もしくは超音波を測定対象に向けて放射する放射部と測定対象からの反射を受容する受信部とから構成されている。エネルギー線にて反応硬化する樹脂原料を使用する場合には、重合を引き起こさないエネルギー線を使用する。
【0019】
本発明の製造方法により得られる微細気泡樹脂発泡体は、気泡径が20〜100μm、密度が0.1〜1.1g/cm3 、好ましくは0.5〜1.1g/cm3 である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する発泡体の樹脂原料としては、硬化前の原料の粘度が比較的低く、機械撹拌により気泡を巻き込んで気泡分散液を形成する反応硬化型樹脂は、特に限定することなく使用可能であり、いわゆる熱硬化型樹脂がこれに該当する。具体的には、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が例示される。
【0021】
硬質の樹脂を形成する樹脂原料、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬質ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の原料を使用した場合、得られる微細気泡発泡体も硬質で、高耐熱性の樹脂発泡体となり、弾性を有する樹脂、例えばゴム弾性を有するポリウレタン樹脂等の原料を使用した場合には、得られる微細気泡発泡体は弾性を有する発泡体となる。また本発明の製造方法により得られる微細気泡樹脂発泡体は、独立気泡率が高い発泡体となる。
【0022】
例えば、ポリウレタン樹脂を原料として使用した場合、硬度がショアAにて60〜95の発泡体は各種クッション材として好ましく、硬度がショアDにて40〜65の発泡体は、例えば半導体デバイスの製造工程における研磨パッドの研磨層材料等として好適に使用可能である。
【0023】
上述の樹脂材料の中でも、ソフトで弾性に優れた発泡体から高硬度の発泡体までが材料選択により任意に製造できるポリウレタン樹脂の使用が好適である。
【0024】
本発明のポリウレタン発泡体原料としては、公知のポリウレタン形成原料が使用可能である。請求項2に記載の発明においては、イソシアネート基末端プレポリマーを気泡分散液形成材料として使用し、請求項3に記載の発明においては、ポリオール組成物を気泡分散液形成材料とする。
【0025】
イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネートプレポリマーとも称する。)は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とをイソシアネート基(NCO)と活性水素基(H* )の当量比NCO/H* が1.6〜2.6、好ましくは1.8〜2.2の範囲で加熱反応して製造されるNCO基末端のオリゴマーである。市販品のイソシアネートプレポリマーの使用も好適である。
【0026】
またポリオール組成物は、ポリオール化合物を主成分として含有する組成物である。ポリオール化合物としては、一般的なポリオール化合物の他に、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とをH* /NCO当量比が1.6〜2.6、好ましくは1.8〜2.2の範囲で加熱反応して製造される活性水素基末端のオリゴマー(OHプレポリマーとも称する。)を使用することも可能である。
【0027】
ポリウレタン樹脂原料としては、ポリウレタンの技術分野において公知の化合物が限定なく使用できる。具体的には非特許文献1に例示されている。
【0028】
活性水素基含有化合物は、少なくとも2以上の活性水素原子を有する有機化合物であり、ポリウレタンの技術分野において通常ポリオール化合物、鎖延長剤と称される化合物である。
【0029】
ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、アクリロニトリルやスチレン等の重合体をビニル付加ないし分散せしめたポリマーポリオール、ウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等が本発明のポリオールとして使用することが可能である。
【0030】
また、上記に例示のポリオール化合物をp−アミノ安息香酸と縮合し、活性水素基を芳香族アミノ基としたポリオール化合物も使用可能である。
【0031】
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、樹脂原料と反応しない気体は、特に限定なく使用できる。具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガス、n−ペンタンやシクロペンタン等の低沸点炭化水素、HFC化合物やこれらの混合気体が例示される。とりわけ、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0032】
本発明において使用する界面活性剤としては、各樹脂原料に応じて、微細気泡の気泡分散液を形成可能な界面活性剤を選択する。界面活性剤としては、公知の界面活性剤、特に市販の界面活性剤を使用する。樹脂原料としてポリウレタンを使用する場合には、シリコン系ノニオン界面活性剤の使用が好適である。シリコン系ノニオン界面活性剤としては、上述の第1成分、第2成分もしくはこれらの混合物を非反応性の気体の存在下に撹拌した場合に、微細な気泡を安定的に形成するものは限定なく使用可能である。
【0033】
特に、ポリオール化合物やイソシアネートプレポリマーとの相溶性が良い点でポリウレタンの技術分野において整泡剤として使用されている界面活性剤を使用する。
【0034】
イソシアネートプレポリマーを気泡分散液1とする際には、水酸基等の活性水素基を有しない界面活性剤を使用する。イソシアネート基と反応する水酸基等の活性水素基を有しないもの具体的には、シリコン整泡剤SH−190、SH−192(東レダウコーニングシリコン(株)製)、L−5340(日本ユニカー(株))等が例示される。
【0035】
ポリオール組成物を気泡分散液2とする際に使用する界面活性剤は、水酸基などを有していてもよい。
【0036】
上述の界面活性剤の添加量は、樹脂原料と使用する界面活性剤、不活性気体との特性などを考慮して適宜設定されるが、通常は、気泡分散液を形成する樹脂原料に対して0.5〜10重量部であることが好ましい。
【0037】
本発明に使用する装置の好適な例について、図面に基づき説明する。
図1は、撹拌装置の概略を示した側面図である。撹拌装置10は、モーター12により駆動、回転される1対の撹拌翼14A,14Bを備えた撹拌機20、及び撹拌容器16を有し、撹拌機20は支柱18に設けられた昇降装置24により上下可能に装着されている。図2には、撹拌容器16内に配置された撹拌翼14A,14Bの配置を上面図にて示した。撹拌翼は回転軸に直交して2本設けられており、2本の回転軸に装着された回転翼14A,14Bは、それぞれ反対方向(矢印)に回転して相互に干渉しないように構成されている。
【0038】
支柱18には、アーム30が設けられており、アーム30に液面検出装置32が装着されている。
【0039】
撹拌容器16の底部には、気泡分散液又は気泡分散液に他の成分を混合した硬化性気泡分散液を排出するバルブ34が設けられている。硬化性気泡分散液の排出を迅速に行うために、撹拌容器を密閉して空気加圧可能に構成することは好適な態様である。また撹拌容器16は、ジャケット等を設けて温度調節可能に構成することも好適な態様である。
【0040】
図1に示した液面検出装置は、液面の上方に1箇所設置されているが、2箇所以上に設置してもよく、その場合には2以上の液面検出信号を処理して液面高さの平均値を求める演算装置を設けてもよい。撹拌により液面にはうねりが生じるが、撹拌容器16における撹拌機20の設置位置と液面検出装置32の設置位置の位置関係を一定に設定すれば、うねりの存在にかかわらずに液面高さの検出により、所定密度の発泡体を得ることができる。
【0041】
撹拌容器16と使用して、図1に例示したような上部が円筒状等の筒状の容器を使用した場合には、原料使用量を確定すると、液面高さと発泡体密度は、一定の関係を形成するため、液面高さの選択により、任意の密度の発泡体を製造することも可能である。
【0042】
図3には、撹拌容器16の側面に透明な測定窓42を設け、液面検出装置40にて側面から液面高さLを測定する例を示した。
【0043】
本発明において、非反応性気体を微細気泡状にして樹脂原料の気泡分散液を形成する撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的には、ホモジナイザー、ホーバルトミキサー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。ただし、撹拌により強い温度上昇を起こす撹拌装置は、気泡分散液の温度が上昇するために好ましくない。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、図1に示したようなホイッパー型の撹拌翼の使用が微細気泡が得られ、好ましい。
【0044】
本発明においては、気泡分散液を作成する撹拌と、残りの成分を添加して混合し、硬化性気泡分散液とする撹拌を行う場合、後段の撹拌は、特に気泡を形成する撹拌でなくてもよく、同一の撹拌装置を使用して大きな気泡を巻き込まないように撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することが好適である。
【0045】
気泡分散液を製造する条件は、微細な気泡が形成され、所定形状の硬化物が得られる限り特に限定されるものではないが、温度は、樹脂原料の融点以上であり、硬化反応が急速に進行しない温度以下であることが必要である。
【0046】
ポリウレタン発泡体を製造する場合においては、好ましくは0℃〜140℃、より好ましくは、10〜120℃である。なお、イソシアネート基と活性水素基の硬化反応は発熱反応であり、選択するイソシアネート化合物と活性水素化合物の種類、組合せ等により発熱の程度は異なる。反応熱による系の温度上昇が大きいと、気泡分散液中の気泡が膨張するため好ましくなく、反応熱の小さな反応系を採用するか、もしくは反応熱の大きな反応系を使用した場合は、十分な温度調節を行うことが好ましい。
【0047】
本発明の微細気泡樹脂発泡体の製造方法においては、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアーすることは、発泡体の物理的特性を向上する効果があり、極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアーを行う条件としてもよく、そのような条件下でも直ぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
【0048】
本発明においては、樹脂原料に加えて他の成分を添加してもよい。具体的には、微小樹脂中空球体、樹脂微粉末や無機物質の微粉末等の充填材、硬化反応速度を調整するための遅延剤、色素や顔料等の着色剤、可塑剤等が例示される。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例をポリウレタン発泡体を製造する例に基づいて説明する。
(実施例)
図1に示した撹拌装置を使用し、イソシアネートプレポリマーとしてポリエーテルポリオールを原料としたコロネートC−6912(日本ポリウレタン)を、第2成分として4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製キュアミンMT)を使用して微細気泡ポリウレタン発泡体を製造した。撹拌装置には、液面検出装置としてレーザー変位計(キーエンス社)を装着した。撹拌装置、撹拌容器、レーザー変位計の位置関係は固定されたものである。
100重量部のコロネートC−6912にシリコン界面活性剤SH−192(東レダウコーニングシリコン社)5重量部を添加し、80℃に温度調整した。この第1成分を、25.2kg(撹拌容器容量の約50vol%)を撹拌容器に入れ、撹拌翼の回転速度900rpmにて撹拌し、発泡体密度が0.9となる液面高さをレーザー変位計にて検知し、撹拌翼の回転速度を600rpmに低下させると共に120℃に調整、溶融した第2成分をイソシアネートプレポリマー100重量部に対して22.6重量部となるように添加して撹拌し、硬化性気泡分散液とした後に矩形の金型に流し込んだ。金型内の硬化性気泡分散液の流動性がなくなった時点で120℃のオーブンに入れ、5時間加熱してポストキュアを行い、発泡体ブロックを得た。
【0050】
原料の使用量とレーザー変位計にて検知する液面高さを一定にして10回の繰り返し実験を行い、得られた微細気泡ポリウレタン発泡体の比重と硬度のバラツキを測定した。発泡体の平均気泡径は、いずれも50〜55μmの微細気泡であった。
【0051】
実験は、コロネートC−6912の3種のNCO基濃度と粘度が異なるロットを使用して行い、粘度のバラツキによる影響も検討した。
【0052】
(比較例)
発泡体密度が0.9となるように、撹拌時間を一定にした以外は実施例と同様に、3種のNCO基濃度と粘度が異なるロットを使用し、それぞれのロットについて微細気泡ポリウレタン発泡体を10回繰り返して作製し、得られた微細気泡ポリウレタン発泡体の密度(データとしては比重)と硬度のバラツキを測定した。得られた発泡体の平均気泡径は、いずれも50〜55μmの微細気泡であった。
【0053】
<評価方法>
(フォーム比重の測定)
JIS Z 8807−1976に準じて密度に代えて比重を測定した。発泡体ブロックから幅4cm,長さ8.5cm(厚さ任意)の短冊状のサンプルを切り出し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下に16時間静置した後に比重計(ザルトリウス社製)を使用して比重を測定した。
【0054】
(硬度測定方法)
JIS K 6253−1997に準拠して測定した。発泡体ブロックから切り出したサンプルを、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下に16時間静置した後にアスカーA硬度計(高分子計器社)を使用してショアA硬度を測定した。
【0055】
評価結果を表1に示した。
【表1】
Figure 0004119233
上記の結果より、本発明の製造方法によれば、樹脂原料であるイソシアネート基末端プレポリマーのロットが変動して溶融粘度が変動した場合でも、密度(比重)、硬度のバラツキの小さな微細気泡ポリウレタン発泡体が安定して得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微細気泡ポリウレタン発泡体の製造に好適な撹拌装置を例示した概略側面図
【図2】撹拌容器内の撹拌翼の位置の例を示した上面図
【図3】撹拌容器に設けた測定窓を通して液面高さを検出する例を示した側面図
【符号の説明】
10 撹拌装置
20 撹拌機
32 液面検出装置

Claims (4)

  1. 反応して硬化する樹脂原料を使用した微細気泡樹脂発泡体の製造方法であって、
    撹拌機と混合容器と液面検出装置とを備えた撹拌装置を使用し、
    特定の原料使用量における、機械撹拌して得られる気泡分散液の液面高さと、得られる微細気泡樹脂発泡体の発泡体密度との関係を予め測定により求める工程、
    前記樹脂原料に界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液を製造する気泡分散液製造工程、及び前記気泡分散液を反応硬化させて微細気泡樹脂発泡体とする硬化工程を有することを特徴とする微細気泡樹脂発泡体の製造方法。
  2. 前記微細気泡樹脂発泡体が微細気泡ポリウレタン発泡体であり、
    前記樹脂原料はイソシアネート基含有化合物を含む第1成分と活性水素基含有化合物を含む第2成分とからなり、
    前記第1成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを使用し、
    気泡分散液製造工程は、前記イソシアネート基含有プレポリマーに水酸基を有しないシリコン系ノニオン界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液1を製造するものであり、前記気泡分散液1に前記第2成分を混合して硬化性気泡分散液とする混合工程を有し、前記硬化工程は、前記硬化性気泡分散液を硬化させて微細気泡ポリウレタン発泡体とするものである請求項1に記載の微細気泡樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記微細気泡樹脂発泡体が微細気泡ポリウレタン発泡体であり、
    前記樹脂原料はイソシアネート基含有化合物を含む第1成分と活性水素基含有化合物を含む第2成分とからなり、
    前記第2成分としてポリオール化合物を含有するポリオール組成物を使用し、
    前記気泡分散液製造工程は、前記ポリオール組成物にシリコン系ノニオン界面活性剤を添加して前記撹拌装置により非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させながら、前記撹拌装置に備えた液面検出装置により目的とする発泡体密度となる液面高さを前記工程で求めた液面高さと発泡体密度との関係に基づいて検知することにより密度調整を行いつつ気泡分散液2を製造するものであり、前記気泡分散液2に前記第1成分を混合して硬化性気泡分散液とする混合工程を有し、前記硬化工程は、前記硬化性気泡分散液を硬化させて微細気泡ポリウレタン発泡体とするものである請求項1に記載の微細気泡樹脂発泡体の製造方法。
  4. 前記液面検出装置は、電磁波もしくは超音波の反射により液面高さを測定する液面検出装置である請求項1〜3のいずれかに記載の微細気泡樹脂発泡体の製造方法。
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