JP4118882B2 - 増幅器のプリディストータ - Google Patents

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Description

本発明は、移動体通信などに用いる増幅器のプリディストータに関する。このプリディストータは広帯域信号を扱う高周波電力増幅器に適用して特に有用である。
移動体通信では、隣接するチャネルに妨害を与えないように隣接チャネル漏洩電力(ACP)の低い電力増幅器が要求される。この要求を満たすために、従来は、増幅器の出力電力を隣接チャネル漏洩電力が少なくなる程度まで抑える出力バックオフ法を用いたり、増幅器の入出力特性の逆特性で送信信号を予め変形して増幅器に入力するプリディストーション法(例えば特許文献1を参照)を用いるなどして、送信信号を線形化する手法がとられている。
前者の出力バックオフ法では、増幅器は出力が大きいほど効率が高いものであるのに出力バックオフ法はその動作出力を小さくするものであるため、効率の高い動作ができないという問題があるので、後者のプリディストーション法の採用が望まれる。
図14には、この後者のプリディストーション法を行うプリディストータが示される。図14において、入力したベースバンド信号はプリディストータ21において変形され、その変形された入力信号はD/A変換器22を介して送信機23に入力される。この送信機23は入力信号電力を送信電力まで増幅するための電力増幅器を内蔵するものであり、この電力増幅器は一般に非線形特性f(x) を有している。プリディストータ21はこの非線形特性f(x) の逆特性f(x)-1で入力信号を変形する回路であり、よってこの変形された入力信号は送信機23における増幅器の非線形特性f(x) で変形されることで、元の線形な入力信号の形に線形化されることになる。
図15にはこのプリディストータ21の従来例が示される。この従来例はベーバンド信号として直交変調されたIチャネル信号とQチャネル信号が入力される場合のものである。図15において、振幅値演算部1はベースバンド帯の入力信号I、Qの振幅値をI2 +Q2 の演算により求める。逆特性付加部2は後段の増幅器(図示しない)の入力対出力特性f(x) の逆特性f(x)-1で振幅値(I2 +Q2 )をあらかじめ変形させる。乗算部5,6は、入力したベースバンド信号I,Q に逆特性付加部2で逆特性を付加した信号をそれぞれ乗じて最終的なプリディストーション信号Ipd、Qpdとする。
特願平09−297297号公報「歪補償回路」
このように、従来の高周波電力増幅器では、増幅器の入力対出力特性の非線形性に基づいて歪が発生することが知られているが、さらに、送信信号が広帯域信号となる場合には、増幅器のバイアス回路の周波数特性、増幅器の周波数偏差、増幅器の高調波負荷特性偏差などの、上記入力対出力特性の非線形性以外の要因によっても歪が大きくなる。このため、狭帯域と同じ隣接チャネル漏洩電力特性を得るには、増幅器の出力を下げなければならず、結果として効率が劣化するという問題がある。
図9と図10は狭帯域信号と広帯域信号の隣接チャネル漏洩電力(ACP)を比較するための図であり、図9には狭帯域信号の隣接チャネル漏洩電力のスペクトラムの例が示され、図10には広帯域信号の隣接チャネル漏洩電力のスペクトラムの例が示される。これらの図から明らかなように、この例では、狭帯域の場合(図9)に比較して広帯域の場合(図10)では、同じ隣接チャネル漏洩電力特性を得るのに約−6dBの出力バックオフが必要である。
しかしながら、従来の線形化手法だけでは、このような広帯城化に起因した隣接チャネル漏洩電力を低減することができなかった。
また、線形補償をする場合に、送信機の出力電力や周波数や温度などが変化すると隣接チャネル漏洩電力の低減効果が安定して得られなかったり、元々線形な領域では増幅器の効率が向上しないという問題もあった。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、広帯域化に起因する隣接チャネル漏洩電力の低減を目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明においては、増幅器に入力される入力信号を増幅器の入力対出力の逆特性により変形し、該変形されたプリディストーション信号として該増幅器に入力するプリディストータにおいて、入力信号に対して前記増幅器の振幅の特性関数と位相の特性関数を付与する入出力特性演算部と、該入力信号を微分演算する微分演算部と、該入力信号を積分演算する積分演算部と、該微分演算部から出力された微分信号に対応して係数αを決定する係数α決定部と、該積分演算部から出力された積分信号に対応して係数βを決定する係数β決定部と、該入出力特性演算部の出力信号と、該係数α決定部の出力信号及び、該係数β決定部の出力信号を乗算する乗算部と、該乗算部の出力信号を周波数成分に変換するFFTと、該周波数成分と予め測定された入力対2波IMD特性との差分を求める減算部とを備え、該係数α決定部及び該係数β決定部は、該差分が最小となるように、係数α及び係数βを決定し、該決定された係数α及び係数βを該入力信号に乗じることで、最終的なプリディストーション信号とすることで、広帯域化に起因した隣接チャネル漏洩電力を低減することができる。
上述のプリディストータは、入力信号の微分値にかえて、入力信号の時系列における前回値と今回値との差信号に基づいて補正係数を決定するように構成できる。このように構成することで、メモリの節減や処理時間の高速化に対応したより現実的な装置を実現できる。
本発明では、増幅器の非線形性に起因した隣接チャネル漏洩電力を低減するにあたって、信号が広帯域化することによって起こる隣接チャネル漏洩電力も低滅することができる。
また、周波数や温度などの変化による増幅器の特性が変化しても隣接チャネル漏洩電力を低減することができ、電流値を下げることによって増幅器の効率も向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1には本発明の一実施例としてのプリディストータの構成が示される。
このプリディストータは、IチャネルとQチャネルの直交変調を行う送信機に適用されるものであり、送信するIチャネルとQチャネルのIQ信号(I信号とQ信号)を、あらかじめ増幅器の入力対出力特性の逆特性で変形して、その変形されたプリディストーション信号を増幅器に入力するものであるが、本発明では、このプリディストーション信号をさらに広帯域化の影響を補償するための補正係数で変形して最終的なプリディストーション信号(Ipd, Qpd)とするものである。
図1において、振幅値演算部1はベースバンド帯の入力信号I、Qの振幅値をI2 +Q2 の演算により求めるものである。逆特性付加部2は後段の増幅器(図示しない)の入力対出力特性f(x) の逆特性f(x)-1で振幅値(I2 +Q2 )をあらかじめ変形させるものであり、ここでは逆特性f(x)-1を振幅値(I2 +Q2 )に乗算する処理を行うものとする。
微分積分演算部3は逆特性付加部2で逆特性f(x)-1でプリディストーションされた信号を微分して微分信号aとして出力し、また積分して積分信号bとして出力するものである。
係数発生部4は微分積分演算部3からの微分信号aの値に応じて係数αを、また積分信号bの値に応じて係数βをそれぞれ発生するものであり、この係数発生部4は係数α,βを微分信号a,積分信号bにそれぞれ対応させて予め記憶したメモリテーブルの形態で実現される。
5、6は、入力したベースバンド信号I,Q に逆特性付加部2において逆特性f(x)-1でプリディストーションした信号をそれぞれ乗じるとともに、係数発生部4で発生した係数αとβも乗じる乗算部であり、この乗算部5,6の出力信号がそれぞれ最終的なプリディストーション信号Ipd、Qpdとなって後段の増幅器に入力される。
かかる構成とすることで、ベースバンド入力信号I,Qを,増幅器の逆特性f(x)-1でプリディストーションすることで増幅器の非線形性に起因する歪を補償するとともに、補正係数αおよびβによってもプリディストーションすることで送信信号の広帯域化に起因する歪を補償して、これらの歪を除去するものである。
この実施例の動作原理を以下に説明する。増幅器の整合回路やバイアス回路は周波数特性を持つ。例えば、図2の様な非常に簡単化したバイアス回路を考える。図2中、E0 は電圧原、Lはバイアス回路のインダクタンス、R(t) は増幅素子に相当する抵抗である。通常、増幅素子は電流源と見なすが、ここでは、入力電力によって変化する抵抗R(t) と見なすと、原理が分かりやすい。
バイアス回路のインダクタンスLにより、増幅素子にかかる電圧V(t) は
V(t) =R(t) ・I(t) =E0 −L・(dI(t) /dt) (第1式)
電流値I(t) はこの微分方程式を解いて得られる。変調周波数が低い場合は2項目における電流値I(t) の微分係数(dI(t) /dt) は非常に小さいので、0とみなすことができる。一方、広帯域信号の場合、変調周波数が高いので、インダクタンスLの影響がでてくる。
すなわち、前出の第1式を抵抗R(t) で除算すると、
I(t) =E0 /R(t) −〔 (L/R(t))・(dI(t) /dt) 〕 (第2式)
となる。ここで、
I=I0 +ΔI (第3式)
0 =E0 /R(t) (第4式)
(ただし、I0 はインダクタンスLの影響がないとした場合の電流)として、ΔIが小さいとすると、
I=I0 〔1+( L/R(t)2 ) ・(dR(t) /dt) 〕 (第5式)
となる。抵抗R(t) は入力電力Pi の関数として測定されるので、
I=I0 〔1+(L/R(t)2 ) ・(dR(t) / dPi ) ・(dPi /dt) 〕 (第6式)
となる。
つまり、広帯域信号でインダクタンスLの影響があるときに増幅素子を流れる電流は、インダクタンスLの影響のない場合の電流値I0 を係数倍することで求められる。その係数は第6式の括弧の中のようになる。ここで、電流値Iの変化の割合は利得の変化の割合とほぼ等しいので、第6式によって広帯域信号に関する増幅器の利得特性を知ることができ、この利得特性に基づいて増幅器の出力から歪を除去できるよう増幅器の入力信号をその歪と逆特性で変形することで、最終的な増幅器出力から広帯域化に起因した歪を除去することができる。
つまり、あらかじめ搬送波CWの入出力特性から抵抗Rとその入力電力Pi に対する微分係数(dR(t) / dPi ) を求めておけば、この微分係数に対応した第6式の括弧内の値(L/R(t)2 ) ・(dR(t) / dPi ) の逆数を補正値として予めメモリに蓄えておき、入力電力Pi の微分値(dPi /dt) をそのメモリにアドレスとして入力することで、それに対応する補正値が求まる。それによって歪を補正できる。
なお、実際の増幅素子とそのバイアス回路は、図3にその等価回路を示すように、キャパシタCを含む高周波の負荷回路などが影響したりするので、
Ic +(1/C)・∫Ic dt =I・R (第7式)
のように積分が必要になったりする。このため、図1の実施例では、入力信号I2 +Q2 を微分するだけでなく積分もして、その微分積分結果に対して補正値(係数α,β)を発生している。
このように、実際の回路は、入力信号の微分だけでなく積分が必要になったり、あるいは第3式のような近似ができなくなったりするので、補正値を解析的に求めるのは非常に困難である。
そこで、かかる解析的手法による係数の決定法にかえて、図4に示すような係数決定法が有用である。この係数決定法は、入力信号として数MHz離れた2波のCWを入力した場合の増幅器の出力のIMD(相互変調歪)特性を予め測定してメモリに蓄えておき、その測定したIMD特性と合うように係数を決定するものである。
図4において、入力信号x(t) としては、ベースバンド信号I,Qの振幅(I2 +Q2 )が入力される。入出力特性演算部10はこの入力信号x(t) に対して、後段増幅器の振幅の特性関数f(x) と位相の特性関数g(x) とを付与して乗算部15に入力する。
また、入力信号x() は微分演算部11に入力され、その微分結果である微分信号aは係数α決定部13に入力される。同様に、入力信号x() は積分演算部12に入力され、その積分結果である積分信号bは係数β決定部14に入力される。
係数α決定部13は、入力された微分信号aに対応して係数α
α=A+Ba+Ca2 +Da3 +Ea4 +・・・
の各定数A,B,C,D・・・を後述の方法で決定し、その結果求められる係数αを乗算部15に入力して入出力特性演算部10の出力信号に乗じる。
同様に、係数β決定部14は、入力された積分信号bに対応して係数β
β=A´+B´b+C´b2 +D´b3 +E´b4 +・・・
の各定数A´,B´,C´,D´・・・を後述の方法で決定し、その結果求められる係数βを乗算部15に入力して入出力特性演算部10の出力信号に乗じる。
FFT部16は乗算部15の出力信号に対して高速フーリエ変換(FFT)を施して周波数成分に変換する回路であり、その出力信号を減算部17に入力する。
減算部17には他方の入力信号として前述した入力対2波IMD特性が入力されており、減算部17はFFT部16の出力信号とこの入力対2波IMD特性との差分を求める。この差分信号は前述の係数α決定部13と係数β決定部14とに最適化のための信号として入力される。係数α決定部13と係数β決定部14とは、この差分信号が「0」若しくは最小値化されるように、それぞれの定数A,B,C,D・・・と定数A´,B´,C´,D´・・・の値を適宜変えてそれらの値を決定するものである。
FFTの結果、不要な帯域外スプリアス成分が現れる。これは歪によって現れるスプリアス周波数成分である。そのスプリアス周波数成分を「0」とするように、例えば2分法などで係数を決定していく。このようにして、それぞれの定数A,B,C,D・・・と定数A´,B´,C´,D´・・・の値を適宜変えてそれらの値を決定される。
図5には、微分値を単位時間前の信号との差Δとすることによって、メモリの節約や処理時間の高速化に対応したより現実的な実施例が示される。図5において、振幅値演算部1、逆特性付加部2、乗算部5,6は前述の図1の実施例と同じ機能のものである。この実施例では、逆特性付加部2からの出力信号は乗算部5,6に入力されるとともに、遅延部8と減算部7に入力される。遅延部8は入力信号を単位時間遅延させる回路である。減算部7は逆特性付加部2の出力信号から遅延部8の出力信号を減算する回路であり、その差信号Δは係数発生器9に入力される。この係数発生器9は、入力した差信号Δに応じて係数h(Δ)を発生し、それを乗算部5,6にそれぞれ入力してベースバンド入力信号I,Qに乗じる。これによりベースバンド信号I,Qに対して、増幅器の非線形性に基づく歪と送信信号の広帯域化に基づく歪の補正が行われる。
図6には、前述の図4の係数決定回路と同様にして、係数h(Δ)を決定するための回路が示される。図6において、入出力特性演算部10、乗算部15、FFT部16、減算部17の構成は図4のものと同じである。相違点として、入力信号x(t)(=I2 +Q2 )は、信号を単位時間遅延させる遅延部18と減算部19に入力され、減算部19でその差信号Δが求められ、その差信号Δは係数決定部20に入力される。係数決定部20は、係数h(Δ)
h(Δ)=A+BΔ+CΔ2 +DΔ3 +EΔ4 +・・・
の各定数A,B,C,D,E・・・を、減算部17の出力信号が「0」若しくは最小値化されるように決定する。
図7と図8はこの図5の実施例により広帯域信号の補正を考慮したプリディストーションを行った場合と行わない場合の隣接チャネル漏洩電力を比較する図である。図7は上記補正を考慮していないプリディストーションの結果を示すもので、図中の(I)は逆特性f(x)-1による補償も行わないプリディストーション無しの場合の特性、(II)は逆特性f(x)-1による補償だけで差分Δに応じた係数による補償を行っていないプリディストーションの場合の特性である。図8は上記補正を考慮したプリディストーションの結果を示すもので、図中の(I)は逆特性f(x)-1による補償も行わないプリディストーション無しの場合の特性、(II)は逆特性f(x)-1による補償だけでなく差分Δに応じた係数による補償も含めたプリディストーションの場合の特性である。
これらの図からも明らかなように、本発明の手法を用いることによって、広帯域信号についての補正を考慮していない図7の特性では、隣接チャネル漏洩電力の低減効果が現れないが、この補正を考慮した図8の特性では隣接チャネル漏洩電力の低滅効果が現れる。
図13にはこの図5のプリディストータの考え方を更に発展させたプリディストータの構成例が示される。図5の差分を用いる方法では、差分の取りうる値だけ係数発生器9のメモリ量が必要だが、差分の取りうる値を正の数と負の数、つまり信号が増加するときと滅少するときのふたつに大別して、その二種類の場合に対応する逆特性f1(x)-1 ,f2(x)-1 を記憶したメモリを持つ事によっても、ある程度の隣接チャネル漏洩電力の低減が期待できる。
図13中、振幅値演算部1、乗算部5,6は前述のものと同じである。遅延部41は信号を1単位時間遅延させるもの、比較器40は振幅値演算部1からの信号と遅延部41からの信号とを比較してその正負を判定してその正負結果を振幅(I2 +Q2 )とともに出力するもの、逆特性付加部37は比較器40の比較結果が正の時の逆特性f1 (x)-1を振幅値(I2 +Q2 )に付加するもの、逆特性付加部38は比較器40の比較結果が負の時の逆特性f2 (x)-1を振幅値(I2+Q2 )に付加するもの、セレクタ39は比較器40の比較結果が正の時には逆特性付加部37の出力信号を、負の時には逆特性付加部38の出力信号を選択してそれぞれ乗算部5,6に送出するものである。
次に、上述のプリディストータを用いて、送信機の出力電力や周波数や温度などの変化に対しても安定した隣接チャネル漏洩電力の低減効果が得られるような構成を付加した実施例について説明する。
図11には送信機の出力電力の変化を補償できるようにした実施例が示される。送信機23の出力電力を可変する場合は、通常、送信機23に入力されるIQ信号(I信号とQ信号)の振幅を小さくするものであるが、しかし、そうすると信号のダイナミックレンジがとれなくなり、信号雑音比が劣化する。これを避けるためにIQ信号は一定の強度としておき、送信機23内で、電力増幅器の前段に置かれた減衰器や可変利得増幅器で出力電力を可変する。このような減衰器や可変利得増幅器を用いた結果、電力増幅器に入力する電力が小さくなると、この電力増幅器の歪は通常小さくなる。そのため、入力されたIQ信号にプリデイストーションが施されたままだと、かえって隣接チャネル漏洩電力が大きくなってしまう。
これを避けるために、送信機23の目標出力値に対して、その減衰器や可変利得増幅器のゲイン(減衰量や増幅度)を記憶した減衰量メモリ24を設けておいて、その出力で送信機23の減衰器や可変利得増幅器のゲインを制御するとともに、その減衰量メモリ24の出力値に応じてプリディストータ50に入力されるベースバンド入力信号の振幅値を調整するようにしている。
すなわち、送信機23の出力電力を小さくする場合は、プリデイストーションを計算するプリディストータ50に目標とする出力値を係数メモリ25を介して入力し、出力が小さい場合には、その出力が小さくなる分に応じて入力信号の振幅値を小さくするような係数を係数メモリ25にテーブルとして持ち、その値をIQ信号の振幅値を計算する振幅値演算部1の入力側の信号に乗じたうえで、プリディストーションの係数を求めることによって、この問題を解決することができる。
図12には上述の送信電力の変化に加えて、増幅器の温度や周波数による変化も補償できるようにした実施例が示される。
この実施例では、増幅器の温度や周波数による変化に対応するために、送信機23の出力の一部をモニタし、送信帯域f0 と隣接チャネル帯域f0 ±facp をフイルタ26〜28で分離して各電力を検出器29〜31で検出する。そしてそれらの電力をOR回路32と減算器33で比較する。送信帯域の信号を、隣接チャネル漏洩電力が既定の値(許容値を超えない範囲の値)になるだけ減衰させる。送信帯域の電力が隣接チャネル帯域の電力よりも小さければ、目標の出力に対応した係数を求めるメモリ25の値を変更し、計算上の目標とする出力値を最適化するようにIQ信号に乗ずる係数テーブルを変更する。
本発明の一実施例としてのプリディストータの構成例を示す図である。 簡素化した増幅素子とバイアス回路の等価回路を示す図である。 増幅素子とバイアス回路のより実際に近い等価回路を示す図である。 実施例のプリディストータの係数決定手法の例を示す図である。 本発明の他の実施例としてのプリディストータの構成例を示す図である。 他の実施例のプリディストータの係数決定手法の例を示す図である。 本発明による隣接チャネル漏洩電力の低減効果を従来法と比較するための図であって、従来法によるプリディストーションの結果を示す図である。 本発明による隣接チャネル漏洩電力の低減効果を従来法と比較するための図であって、本発明によるプリディストーションの結果を示す図である。 狭帯城信号と広帯域信号の隣接チャネル漏洩電力の比較を行うための図であって、狭帯域信号の隣接チャネル漏洩電力のスペクトラムの例である。 狭帯城信号と広帯域信号の隣接チャネル漏洩電力の比較を行うための図であって、広帯域信号の隣接チャネル漏洩電力のスペクトラムの例である。 送信機の送信電力の変化を補償して隣接チャネル漏洩電力低減を行う構成の例を示す図である。 送信機の送信電力や、増幅器の温度や周波数による変化等を補償して隣接チャネル漏洩電力低減を行う構成の例を示す図である。 本発明のプリディストータの考えかたを更に発展させたプリディストータの構成例を示す図である。 従来のプリディストーション法を説明するための図である。 従来のプリディストータの構成例を示す図である。
符号の説明
1 振幅値演算部
2 逆特性付加部
3 微分積分演算部
4 係数発生部
5,6 乗算部
7 減算部
8 遅延部
9 係数h(Δ)発生部
10 入出力特性演算部
11 微分演算部
12 積分演算部
13 係数α決定部
14 係数β決定部
15 乗算部
16 FFT(高速フーリエ変換)部
17 減算部
18 遅延部
19 減算部
20 係数h(Δ)決定部
21,50 プリディストータ
22 D/A変換器
23 送信機
24 減衰量メモリ
25,35 係数メモリ
26〜28 フィルタ
29〜31 電力検出器
32 OR回路
33 減算器

Claims (2)

  1. 増幅器に入力される入力信号を増幅器の入力対出力の逆特性により変形し、該変形されたプリディストーション信号として該増幅器に入力するプリディストータにおいて、
    入力信号に対して前記増幅器の振幅の特性関数と位相の特性関数を付与する入出力特性演算部と、
    該入力信号を微分演算する微分演算部と、
    該入力信号を積分演算する積分演算部と、
    該微分演算部から出力された微分信号に対応して係数αを決定する係数α決定部と、
    該積分演算部から出力された積分信号に対応して係数βを決定する係数β決定部と、
    該入出力特性演算部の出力信号と、該係数α決定部の出力信号及び、該係数β決定部の出力信号を乗算する乗算部と、
    該乗算部の出力信号を周波数成分に変換するFFTと、
    該周波数成分と予め測定された入力対2波IMD特性との差分を求める減算部とを備え、
    該係数α決定部及び該係数β決定部は、該差分が最小となるように、係数α及び係数βを決定し、
    該決定された係数α及び係数βを該入力信号に乗じることで、最終的なプリディストーション信号とするように構成されたプリディストータ。
  2. 増幅器に入力される入力信号を増幅器の入力対出力の逆特性により変形し、該変形されたプリディストーション信号として該増幅器に入力するプリディストータにおいて、
    入力信号に対して前記増幅器の振幅の特性関数と位相の特性関数を付与する入出力特性演算部と、
    該入力信号を単位時間遅延させる遅延部と、
    該入力信号から該遅延部からの出力信号を減算して差信号を出力する減算部と、
    該差信号が入力される係数決定部と、
    該入出力特性演算部の出力信号と、該係数決定部の出力信号を乗算する乗算部と、
    該乗算部の出力信号を周波数成分に変換するFFTと、
    該周波数成分と予め測定された入力対2波IMD特性との差分を求める減算部とを備え、
    該係数決定部は、該差分が最小となるように、係数hを決定し、
    該決定された係数hを該入力信号に乗じることで、最終的なプリディストーション信号とするように構成されたプリディストータ。
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