JP4118581B2 - 新規トリイソシアネート及びポリウレタン塗料 - Google Patents

新規トリイソシアネート及びポリウレタン塗料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無臭で毒性が低く、低粘度で作業性に優れ、かつ貯蔵安定性に優れた、新規なトリイソシアネートに関する。また、この新規なトリイソシアネートを用いた、光沢、耐酸性、耐温水性、耐溶剤性、柔軟性、耐候性、耐黄変性、付着性、及び耐汚染性に優れた、ポリウレタン塗料及びポリウレタン樹脂塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来汎用のヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート誘導体である脂肪族ポリイソシアネートは、原料ジイソシアネートの蒸気圧が高いためオリゴマー化されて用いられるが、これら汎用ポリイソシアネートは高分子量物を多く含み、その粘度が著しく高くなり高固形分塗料への使用には限界があるという欠点を有している。そこで、無臭で毒性が低く、低粘度のトリイソシアネートとしてリジンエステルトリイソシアネートが提案されている(特公昭60−26775号公報)。
【0003】
一方、貯蔵安定性に優れた高活性ポリイソシアネート化合物を得るため、ポリイソシアネート化合物に有機金属系ウレタン化触媒とアシルクロライド化合物を添加する方法が提案されている(特開平5−255469号公報)。しかし、触媒等の化合物を添加することなしに、無臭で毒性が低く、低粘度で、かつ貯蔵安定性に優れたトリイソシアネートは未だ提案されていない。
また、ポリオールとポリイソシアネートとからなるポリウレタン塗料において、上記のリジンエステルトリイソシアネートを用いると、光沢等の塗膜外観、耐酸性、耐水性等に優れたポリウレタン塗料が得られるとされている(特公昭57−20343号公報)。
【0004】
一方、特開平5−32759号公報には、ヘキサメチレンジイソシアネートから得られるポリイソシアネート化合物とポリオールとを含有する、耐候性、柔軟性等に優れたポリウレタン塗料が提案されている。しかし、高光沢、耐酸性、耐温水性、耐溶剤性、柔軟性、耐候性、耐黄変性、付着性、及び耐汚染性を兼ね備えた、ポリウレタン塗料は、未だ提案されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無臭で毒性が低く、低粘度で作業性に優れ、かつ貯蔵安定性に優れた、トリイソシアネートを提供することを目的とするものである。また、高光沢、耐酸性、耐温水性、耐溶剤性、柔軟性、耐候性、耐黄変性、付着性、及び耐汚染性に優れた、ポリウレタン塗料及びポリウレタン樹脂塗膜を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を持つトリイソシアネートが、その目的に適合し得ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
即ち、本発明の第1は、式(1)で示される新規トリイソシアネートである。
【0007】
【化2】
Figure 0004118581
【0008】
〔R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されている炭素数5〜20のシクロアルキレン基を表す。また、そのアルキレン基及びシクロアルキレン基中に酸素、又はイオウを含んだものや、フェニル基、アリール基、ニトロ基、ハロゲン基を含むものであってもよい。上記のアルキル基、アルキレン基、及びアルコキシ基のアルキル部は、直鎖状でもよいし、分枝状でもよい。p,r,sは0〜9の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}〕
【0009】
本発明の第2は、p+q+r+s=3である、本発明第1のトリイソシアネートである。
本発明の第3は、p=1、q=2、r=s=0である、本発明第1のトリイソシアネートである。
本発明の第4は、R1、R2、R3がともに−CH2CH2−である、本発明第1〜3のいずれかのトリイソシアネートである。
本発明の第5は、ポリオールとポリイソシアネートとからなるポリウレタン塗料において、ポリイソシアネートの少なくとも1つとして本発明第1〜4のいずれかのトリイソシアネートを用いるポリウレタン塗料である。
本発明の第6は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂からなる塗膜において、ポリイソシアネートの少なくとも1つとして本発明第1〜4のいずれかのトリイソシアネートを用いるポリウレタン樹脂塗膜である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の新規トリイソシアネートは、式(1)で示される。
【0011】
【化3】
Figure 0004118581
【0012】
分子内に3つのイソシアネート基を有するために3次元架橋が可能であり、2官能性イソシアネートに比べて、架橋密度を高くすることができる。このため、式(1)で示されるトリイソシアネートをポリオールの架橋剤として用いた場合、得られるポリウレタン樹脂塗膜の耐温水性を飛躍的に高めることができる。
式(1)のp,r,sは0〜9の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}である。即ち、式(1)で示されるトリイソシアネートは、直鎖脂肪族トリカルボン酸のトリエステル誘導体とみることもできるが、脂肪族直鎖に結合する置換基3つが全て隣接する炭素原子に結合するということはないため立体障害が低く、3つのイソシアネート基の反応性の差が小さいため、架橋反応が容易に進行し充分な架橋効果が得られる。
【0013】
更に、芳香族ジイソシアネートのオリゴマー化により得られる芳香族ポリイソシアネートに比べ、構造上分子の自由度が大きいために、立体障害が低く充分な架橋効果が得られ、かつ脂肪族直鎖と3つのイソシアネート基がそれぞれエステル結合を介して結合していることにより、一層分子のフレキシビリティが大きく、ポリオールとの反応によって得られるポリウレタン樹脂塗膜の柔軟性も極めて高いという利点がある。
【0014】
p+q+r+sの値は、9以下でポリオールとの反応によって得られるポリウレタン樹脂塗膜の耐酸性が発現し、1〜5であることが好ましく、3であることがより好ましい。また、ポリオールとの反応によって得られるポリウレタン樹脂塗膜の柔軟性の観点から、p=1、q=2、r=s=0であることが更に好ましい。
1,R2,R3はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されている炭素数5〜20のシクロアルキレン基を表す。上記のアルキル基、アルキレン基、及びアルコキシ基のアルキル部は、直鎖状でもよいし、分枝状でもよい。
【0015】
直鎖状アルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、イコサメチレン等、分枝状アルキレン基としては、プロピレン、1,1−ジメチルエチレン、エチルエチレン、2,2−ジメチルトリメチレン等、シクロアルキレン基としては、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン等が挙げられる。
【0016】
また、そのアルキレン基及びシクロアルキレン基中に酸素、又はイオウを含んだものや、フェニル基、アリール基、ニトロ基、ハロゲン基を含むものであってもよい。酸素を含む例としては、エーテル、エステル、ラクトン、イオウを含む例としては、チオエーテル等を挙げることができる。これらの具体例としては、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −、−CH2 CH2 SCH2 CH2 −、−CH2 CHClCH2 −等が挙げられる。更に、上記の基の2つ以上を混合して用いることもできる。これらの中で、合成の容易さ及びポリオールとの反応によって得られるポリウレタン樹脂塗膜の柔軟性の観点から直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基が更に好ましい。
【0017】
本発明のトリイソシアネートとしては、1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−イソシアナトプロピル)エステル、1,6,9−デカントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、2,5,10−ドデカントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトブチル)エステル等が挙げられるが、上記の理由により、1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル、1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−イソシアナトプロピル)エステル等が好ましく、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステルが特に好ましい。
【0018】
本発明のトリイソシアネートは、公知の方法で得られる。その製造方法は限定されることなく、例えば、直鎖脂肪族トリカルボン酸を原料として、(a)アミノアルコールによるトリエステル化、続いて(b)ホスゲン化することにより得られる。(a)のエステル化工程については、例えば、特公昭45−14771号公報、特公昭46−35246号公報、特開平5−65253号公報等に、また、(b)のホスゲン化工程については、例えば、特開昭57−77656号公報、特開平3−204851号公報、特開平6−234723号公報等に記載されている。
【0019】
本発明のポリウレタン塗料は、式(1)で示されるトリイソシアネートを必須成分とする1種以上のポリイソシアネートとポリオールとから得られる。
ポリイソシアネートとしては、式(1)で示されるトリイソシアネート1種を必ず含み、更に式(1)で示される他のトリイソシアネートや、式(1)で示されないその他のポリイソシアネートを含んでもよい。
【0020】
その他のポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式のポリイソシアネート及びそれらのオリゴマー、カルボジイミド変性物、ポリオール変性物、アロファネート変性物等の1種あるいは2種以上が使われる。具体例として、脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等、脂環式ポリイソシアネートとしては、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等、芳香族ポリイソシアネートとしては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、メチントリス(4−フェニルイソシアネート)、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、チオリン酸トリス(4−イソシアナトフェニルエステル)、3−イソプロペニル−α’,α’−ジメチルベンジルイソシアネート及びこれらのオリゴマー混合物、あるいはこれらのポリイソシアネート化合物のカルボジイミド、ポリオール及びアロファネート等の変性物が挙げられる。
【0021】
ポリイソシアネートのオリゴマーは、例えばジイソシアネートを、ビュレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレタン結合、アロファネート結合、ウレトジオン結合等を形成させてオリゴマー化させることにより得られる。
上記のその他のポリイソシアネートは、本発明で期待される効果の発現の容易さから全ポリイソシアネートの0〜99%(質量比)の範囲で使用され、好ましくは0〜90%(質量比)の範囲で使用される。ポリオールとの反応によって得られるポリウレタン樹脂塗膜の硬度と柔軟性のバランスの観点からは、脂肪族ポリイソシアネートのオリゴマー等のポリイソシアネートを5〜20%使用することが好ましい。
【0022】
本発明で使用されるポリオールとは、1分子当り2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物或いは重合体を包含するものである。
例えば、ジオール、トリオール、テトラオール、ペンチトール、ヘキシトール、並びに1分子当り2個以上のヒドロキシル基を含有する飽和または不飽和ポリエステル(以下ポリエステルポリオールという)、ポリエーテル(以下ポリエーテルポリオールという)、アクリル系重合体(以下ポリアクリルポリオールという)、ポリカプロラクトン、飽和または不飽和の油変性または脂肪酸変性アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロースアセテートブチラート樹脂、含フッ素樹脂等のポリマーポリオール等である。
【0023】
具体的には、ジオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、β、β’−ジヒドロキシジエチルエーテル(ジエチレングリコール)、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレン−ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等、トリオールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等、テトラオールとして、ペンタエリスリトール、2−メチルグルコサイド等、ヘキシトールとしてソルビトール等が挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオールは、アジピン酸、ダイマー酸、無水フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のジオールまたはトリオールとの縮合反応によって得られる。
また、ポリエーテルポリオールには、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールにプロピレンオキサイドやエチレンオキサイド等を付加させたものや、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドに、エチレンジアミン、エタノールアミン等の多官能化合物を反応させたヒドロキシル基に富んだもの等が含まれる。
【0025】
更に、ポリアクリルポリオールは、1分子中に1個以上の水酸基を有する重合性アクリルモノマーと、これに共重合可能な他のモノマーを共重合することによって得られる。1分子中に1個以上の水酸基を有する重合性アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル、グリセリンの(メタ)アクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンの(メタ)アクリル酸モノエステル、および(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル等、あるいは上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類とε−カプロラクロン、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合付加物等が挙げられる。
【0026】
上記のヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、または(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、またはα−メチルスチレン、β−クロロスチレン等のスチレン誘導体類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、または(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類が挙げられる。また、アクリル酸やメタクリル酸とモノエポキシ化合物或いはエポキシ樹脂との付加反応によって得られた重合性付加物等も用いることができる。
【0027】
上記モノマーを共重合させたポリマーポリオールの製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の重合方法によって行うことができる。
これらのポリオールは、2種以上を混合して用いてもよい。一般にはポリエステルポリオールまたはポリアクリルポリオールを使用することが好ましい。
ポリオールの水酸基価は、1〜1000mgKOH/gが好ましく、10〜500mgKOH/gが更に好ましい。水酸基価が1mgKOH/g以上でポリウレタン樹脂塗膜が強靭となるため好ましく、水酸基価が1000mgKOH/g以下でポリウレタン樹脂塗膜の表面の平滑性と柔軟性が良くなるため好ましい。
【0028】
ポリオールの数平均分子量は、300〜20000程度が好ましく、500〜12000程度が更に好ましい。300以上で、硬化した塗膜の機械的物性が高く好ましい。また20000以下で、ポリオールの粘度が低く、塗装するに適当な塗料粘度に調整するために要する希釈溶剤の不要であるか、その量が少なく、好ましい。
後述する低VOC(揮発性有機物)濃度の塗料を達成するためには、ポリオールの数平均分子量は500〜5000程度が好ましく用いられる。
【0029】
本発明のポリウレタン塗料のNCO/OH(イソシアネート基/水酸基)比率(モル比)は、0.1〜5.0が好ましく、0.3〜3.0が更に好ましい。0.1未満ではポリウレタン樹脂塗膜が脆弱となる場合があり好ましくなく、5.0を超えると架橋に関与しないポリイソシアネートが多量に存在するためポリウレタン樹脂塗膜の機械的物性に悪影響を及ぼす場合があり、好ましくない。
本発明のポリウレタン塗料は、二液型や一液型等で通常用いられているいずれの手法にも適応される。塗料の種類を例示すると次のようである。
【0030】
(1)二液型ポリオール硬化型
イソシアネート基とポリオールのヒドロキシル基との付加反応によってウレタン結合が生成し、塗膜が形成される。ポリオールと必要により加えられる顔料との混練液(A液)と、必要により溶剤によって希釈されたポリイソシアネート混合物(B液)とから構成される。使用に際してA液とB液とが混合されて、必要によりシンナーで粘度調整が行われる。2液の混合には2液吐出ガンを用いることもできる。
【0031】
必要により使用されるB液の溶剤及びシンナーは同一のものでも異なるものでもよいが、相溶性のあることが必要である。
ポリオール成分としては、多塩基酸とヒドロキシル化合物からなるポリエステルポリオール、ジオールまたはトリオール型のプロピレンオキサイド重合物からなるポリエーテルポリオール、ヒドロキシル基を有するアクリルモノマーの共重合物からなるポリアクリルポリオール等が優れている。
この型は、金属、非鉄金属、プラスチック、ゴム、皮革、コンクリート等の被塗物に優れた密着性を有し、建材、自動車、機械、設備機器、航空機、鉄道車両、船舶、木工品等の広範な用途に応用される。
【0032】
(2)一液型加熱硬化型
イソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤で封鎖し、室温では安定で加熱することによってブロック剤を解離させてイソシアネート基を再生させ、ヒドロキシル基との反応で塗膜を形成させるものである。
【0033】
ブロック剤としては、フェノール、m−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、カテコール、ジアルキルマロネート、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテート、クレゾール、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、ブチルメルカプタン、メタノール、エタノール、エチレンクロロヒドリン等の通常用いられているものを使用できる。
ポリオールとしては、主としてポリエステルポリオール及びアクリルポリオールが優れている。
この方法は、自動車のライン塗装等、室温での長蔵安定性が必要な用途に好適である。
【0034】
(3)二液型触媒硬化型
ひまし油やポリオール変性ひまし油等とポリイソシアネートの付加物(フリーのイソシアネート基が残る)にアミン類、ナフテン酸金属塩類等の触媒を添加し、湿気の作用で硬化させる。
(4)一液型湿気硬化型
各種ポリオールとポリイソシアネートによって得られたプレポリマーよりなる塗料。空気中の湿気が末端のイソシアネート基と反応して架橋する。
(5)一液型油変性型
ポリオールの脂肪酸部分エステルとポリイソシアネートとの反応により作られる。酸素により硬化する。
(6)ウレタンラッカー
溶媒の揮発のみにより塗膜を形成する。ポリオールとジイソシアネート、更にジアミンを反応させた熱可塑性ウレタンをエステル、ケトン等の溶媒に溶解させたものを用いる。
【0035】
本発明のポリウレタン塗料は、上記(1)〜(6)のいずれにも適応できる。ポリウレタン塗料には必要により溶剤及びシンナーを使用しても良い。使用できる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、芳香族ナフサ等の炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ、酢酸ヘキシル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサンノン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの2種以上を混合して使用してもよい。特に、炭化水素系溶剤をポリオール成分或いはイソシアネート化合物の溶剤として使用し、不均一または不透明な溶液になる場合には、他の溶剤と混合し均一な溶液とすることが好ましい。
【0036】
ポリウレタン塗料は塗装した後、それぞれの塗料に適した条件で架橋反応を進行させ(ウレタンラッカー以外)、また溶剤やシンナーを揮発させることにより、ポリウレタン樹脂塗膜を形成させる。
本発明のウレタン塗料には、一般に使用されている酸化防止剤、顔料、可塑剤、表面活性剤、或いは塗料化や塗装の際に加えられる少量の添加剤や補助剤もその慣用量の範囲で使用することができる。また、乾燥、硬化を促進するために、触媒も使用できる。例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン等の第3級アミンや、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫塩が使用できる。
【0037】
本発明のウレタン塗料組成物中のポリオールとポリイソシアネートの合計質量割合である樹脂分濃度は60質量%以上が可能であり、多くの場合65質量%以上の達成も可能である。
この様に調整された組成物は接着剤等にも使用できるが、特に塗料としてロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装等により、鋼板、表面処理鋼板等の金属、プラスチック、及びセメント、ケイ酸カルシウム、石膏等の無機材料等の素材に適用できる。これらの中でも特に、プラスチック、防錆鋼板を含むプレコートメタル、及びカチオン電着やアニオン電着等の処理をされた素材の上塗り及び中塗りとして、更には自動車塗装等に美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性等を付与するために有用である。
【0038】
また、本発明のポリウレタン塗料は低VOC濃度を達成可能であると共に、形成されるポリウレタン樹脂塗膜はウレタン結合を有し、耐薬品性が良好であり、更に有機塗膜への密着性、塗膜外観に優れているために、自動車塗装において、顔料を含む非水性ベースコート層、及び好ましくは水性ベースコート層上に塗装されるトップクリアコートとして有用である。また、上記自動車塗装において、ベースコートとトップクリヤコートを同時に硬化させるいわゆる2コート/1ベーク方式への適用も可能である。
【0039】
以下、本発明を実施例、比較例及び製造例に基づいて説明する。まず、トリイソシアネートの実施例及び比較例を示す。
トリイソシアネートの評価は以下の方法により行った。
(1)粘度 :B型粘度計((株)トキメック製、モデルBM)を用い、6rpmで測定した。
(2)貯蔵安定性:空気中に暴露した時の幕張り時間(hr)で表す。
【0040】
【実施例1】
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル
攪拌器、温度計、ガス導入管、滴下ロート、およびト字管を介してのリービッヒ凝縮器付きの五つ口丸底フラスコにエタノールアミン183.3g(3.0モル)を投入した。塩化水素ガスをガス導入管中に通過させてエタノールアミン全部をその塩酸塩に転換してから、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸 109.1g(0.5モル)を添加した。
【0041】
塩化水素ガスを毎分300ml(常温常圧換算)の割合で通過させ、反応混合物を120℃に加熱し、水流ポンプを用いて20.0kPa(絶対)まで徐々に減圧した。留出した水はリービッヒ凝縮器で凝縮した。
10時間反応後、塩化水素の供給を止め、窒素を用いて常圧に戻した後、60℃まで冷却した。これにメタノール1080gおよびo−ジクロロベンゼン720gの混合液を加えて溶解した後、少量の種晶を加えて晶析した。結晶をろ別し、晶析時と同一組成のメタノール/o−ジクロロベンゼン混合液を用いて結晶を洗浄し、ろ別した。
【0042】
この湿結晶を減圧乾燥器を用いて、665Pa、100℃で8時間乾燥した。淡黄白色の固体169.1gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、目的の1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩の含有量は98.6%であった。晶析を含めた収率は73%であった。(元素分析値)C152936・3HClに対する計算値:C39.44%、H7.06%、N9.20%、実測値:C39.72%、H7.84%、N13.03%。
【0043】
続いて、攪拌機、温度計、ホスゲン吹き込み管、及び還流冷却器を備えた内容量1Lの反応フラスコに、キシレン780g、上記の1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩139.0g(0.30モル換算)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド4.73gを加えて、攪拌しながら133℃まで加熱昇温し、ホスゲンを19.8g/hrの速度で吹き込み、133〜138℃を保ちながら15時間反応を続けた。反応終了後、窒素ガスをブローして未反応のホスゲン及び塩酸をパージした後、不溶物質をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去して、油状の純度98%の 1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル121.0g(純度換算収率92.9%)を得た。NCO含量29.5%(計算値29.6%)評価結果を表1に示す。
【0044】
【実施例2】
1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の代わりに1,2,4−ブタントリカルボン酸95.1g(0.5モル)を使用して、実施例1と同様にして、1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩151.2gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、含有量は97.8%であった。晶析を含めた収率は69%であった。(元素分析値)C132536・3HClに対する計算値:C36.42%、H6.58%、N9.80%、実測値:C36.72%、H6.44%、N9.93%。
【0045】
続いて、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩の代わりに上記1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩131.5g(0.30モル換算)を使用して、実施例1と同様にして、油状の純度97%の 1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル117.9g(純度換算収率92.4%)を得た。NCO含量31.5%(計算値31.7%)評価結果を表1に示す。
【0046】
【実施例3】
1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−イソシアナトプロピル)エステル
エタノールアミンの代わりに3−アミノ−1−プロパノール225.3g(3.0モル)を、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の代わりに1,4,8−オクタントリカルボン酸123.1g(0.5モル)を使用して、実施例1と同様にして、1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−アミノプロピル)エステル・三塩酸塩165.0gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、含有量は98.3%であった。晶析を含めた収率は71%であった。(元素分析値)C203936・3HClに対する計算値:C45.59%、H8.03%、N7.98%、実測値:C45.71%、H7.92%、N8.05%。
【0047】
続いて、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩の代わりに上記1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−アミノプロピル)エステル・三塩酸塩139.4g(0.30モル換算)を使用して、実施例1と同様にして、油状の純度96%の 1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−イソシアナトプロピル)エステル148.7g(純度換算収率92.5%)を得た。NCO含量25.1%(計算値25.4%)評価結果を表1に示す。
【0048】
【比較例1】
2,6,2’−トリイソシアナトエチルヘキサノエート(リジンエステルトリイソシアネート)
攪拌器、温度計、ガス導入管、滴下ロート、およびト字管を介してのリービッヒ凝縮器付きの五つ口丸底フラスコにエタノールアミン61.1g(1.0モル)を投入した。塩化水素ガスをガス導入管中に通過させてエタノールアミン全部をその塩酸塩に転換してから、リジン1塩酸塩91.3g(0.5モル)を添加した。
【0049】
80〜120℃の温度で塩化水素ガスをガス導入管中に通過させてリジン3塩酸塩に転換させた。さらに、塩化水素ガスを毎分300ml(常温常圧換算)の割合で通過させ、反応混合物を120℃に加熱し、水流ポンプを用いて20.0kPa(絶対)まで徐々に減圧した。留出した水はリービッヒ凝縮器で凝縮した。
10時間反応後、塩化水素の供給を止め、窒素を用いて常圧に戻した後、60℃まで冷却した。これにメタノール360gおよびo−ジクロロベンゼン240gの混合液を加えて溶解した後、少量の種晶を加えて晶析した。結晶をろ別し、晶析時と同一組成のメタノール/o−ジクロロベンゼン混合液を用いて結晶を洗浄し、ろ別した。
【0050】
この湿結晶を減圧乾燥器を用いて、665Pa、100℃で8時間乾燥した。淡黄白色の固体98.4gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、目的の2,6,2’−トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩の含有量は97.1%であった。晶析を含めた収率は64%であった。(元素分析値)C81932・3HClに対する計算値:C32.18%、H7.43%、N14.07%、実測値:C32.38%、H7.43%、N14.22%。
【0051】
続いて、攪拌機、温度計、ホスゲン吹き込み管、及び還流冷却器を備えた内容量1Lの反応フラスコに、キシレン780g、上記2,6,2’−トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩92.3g(0.30モル換算)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド4.73gを加えて、攪拌しながら133℃まで加熱昇温し、ホスゲンを19.8g/hrの速度で吹き込み、133〜138℃を保ちながら15時間反応を続けた。反応終了後、窒素ガスをブローして未反応のホスゲン及び塩酸をパージした後、不溶物質をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去して、油状の純度88%の 2,6,2’−トリイソシアナトエチルヘキサノエート85.9g(純度換算収率90.9%)を得た。NCO含量47.1%(計算値47.2%)評価結果を表1に示す。
【0052】
【比較例2】
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の代わりに1,2,3−プロパントリカルボン酸88.1g(0.5モル)を使用して、実施例1と同様にして、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩152.3gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、含有量は98.0であった。晶析を含めた収率は72%であった。(元素分析値)C122336・3HClに対する計算値:C34.75%、H6.32%、N10.13%、実測値:C34.83%、H6.30%、N10.22%。
【0053】
続いて、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩の代わりに上記1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩127.0g(0.30モル換算)を使用して、実施例1と同様にして、油状の純度96%の 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル114.2g(純度換算収率91.9%)を得た。NCO含量32.8%(計算値32.9%)評価結果を表1に示す。
【0054】
【比較例3】
1,3,12−トリデカントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の代わりに1,3,12−トリデカントリカルボン酸158.2g(0.5モル)を使用して、実施例1と同様にして、1,3,12−トリデカントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩195.6gを得た。液体クロマトグラフィーを用いた分析により、含有量は97.9%であった。晶析を含めた収率は69%であった。(元素分析値)C224336・3HClに対する計算値:C47.61%、H8.35%、N7.57%、実測値:C47.80%、H8.30%、N7.82%。
【0055】
続いて、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩の代わりに上記1,3,12−トリデカントリカルボン酸トリス(2’−アミノエチル)エステル・三塩酸塩170.1g(0.30モル換算)を使用して、実施例1と同様にして、油状の純度94%の 1,3,12−トリデカントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル160.9g(純度換算収率92.8%)を得た。NCO含量24.1%(計算値24.1%)評価結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004118581
【0057】
実施例1〜3のポリイソシアネートは、臭気がなく、粘度が低く、かつ貯蔵安定性に優れている。
次に、ポリウレタン塗料及びポリウレタン樹脂塗膜の実施例及び比較例を示す。ポリウレタン樹脂塗膜(乾燥膜厚40〜50μm)は、実施例4〜8及び比較例4〜7で得られたポリウレタン塗料を、トリクロロエチレンで脱脂した鋼板に塗装し、20℃65%の環境下で1週間放置することにより作製した。但し、実施例4〜7及び比較例4〜6の鏡面光沢度、耐候性、及び耐黄変性の評価用塗膜は、予め脱脂し、白エナメル塗料を塗装し乾燥させた鋼板に塗装し、20℃65%の環境下で1週間放置することにより作製した。これらの塗料及び塗膜の評価は、以下の方法により行った。
【0058】
(1)塗装固形分:105℃3時間での不揮発分(質量%)を測定した。
(2)鉛筆硬度 :JISK5400の鉛筆引っかき値の試験機法に準じて行った。
(3)鏡面光沢度:光沢計GM−268(ミノルタ(株)製)を使用して、60度−60度鏡面反射率(%)を測定した。
(4)耐酸性 :55℃の40vol%硫酸中に5時間浸漬し、塗膜の外観変化を目視で観察した。
○:変化なし、△:やや劣化がみられる、×:著しい劣化がみられる
【0059】
(5)耐温水性 :50℃の温水中に24時間浸漬し、塗膜の外観変化を目視で観察した。
○:変化なし、△:やや不良、×:不良
(6)耐溶剤性 :キシロールを含ませたガーゼを指で押さえ、塗面を往復30回強く擦り、皮膜の外観を目視にて以下の判定基準に従って評価した。
○:塗面の溶け、キズや膨潤がない。△:塗面の溶け、キズや膨潤がやや認められる。×:著しい塗面の溶け、キズや膨潤が認められる。
(7)エリクセン値:JISK5400のエリクセン値の破断距離法に準じて行った。単位mm
(8)耐屈曲性 :JISK5400に準じて合否判定した。
(9)耐おもり落下性:おもり落下装置と1kgの落下おもりを用い、最初に割れが観察された高さ(mm)で表した。
【0060】
(10)耐候性 :サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)にて、ブラックパネル温度=63±3℃、噴霧時間=18分間/120分で、JISK5400に準じて2000時間後の光沢保持率(%)、変色度(ΔE)を測定した。
(11)耐黄変性 :UVランプ(東芝殺菌灯GL15(15W、波長254nm))に200時間照射(距離20cm、放射強度600μW/cm2)前後のb値を色差計(日本電色工業社製SZΣ80型)で測定した。
(12)付着性 :JIS5400の碁盤目テープ法に準じて行った。
(13)耐汚染性 :JIS5400に準じて、皮膜の外観を目視にて以下の判定基準に従って評価した。
○:変化なし、△:軽微な変化、×:著しい変化
【0061】
【製造例1】
アクリルポリオールA
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた反応容器に、窒素シール後、キシロール53.9部、酢酸ブチル53.9部を仕込み、90〜95℃に昇温した。スチレン68.0部、アクリル酸n−ブチル76.4部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル46.4部、アクリル酸0.8部、及びアゾビスイソブチロニトリル2.8部からなる混合物を3時間にわたって、反応容器中に連続滴下し、重合反応を行った。モノマー混合物滴下終了後、1時間加熱攪拌を行い、その後、アゾビスイソブチロニトリル1.4部を30分ごとに合計4回添加し、さらに1時間攪拌して反応を終了した。こうして作製した樹脂溶液(アクリルポリオールA)は、樹脂水酸基価100mgKOH/g、固形分65%、数平均分子量12000であった。
【0062】
【実施例4】
アクリルポリオールB(日立化成工業(株)製ヒタロイド3083−70B:樹脂水酸基価=100mgKOH/g、固形分=70%、数平均分子量3300)706.2部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、トルエン/酢酸エチル/酢酸ブチル/酢酸セロソルブアセテート=25/25/25/25(wt%)の混合溶剤(以下、 4種混合溶剤と略称する。)109.6部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して実施例1で製造した1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル67.7部を加え(NCO/OHモル比1.1)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は66%であった。評価結果を表2に示す。
【0063】
【実施例5】
製造例1で製造したアクリルポリオールA755.9部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤55.8部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して実施例2の1,2,4−ブタントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル57.6部を加え(NCO/OHモル比1.0)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は66%であった。評価結果を表2に示す。
【0064】
【実施例6】
実施例4で使用したアクリルポリオールB688.2部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤126.1部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して実施例3で製造した1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(3’−イソシアナトプロピル)エステル84.7部を加え(NCO/OHモル比1.2)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は66%であった。評価結果を表2に示す。
【0065】
【実施例7】
製造例1で製造したアクリルポリオールA773.0部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤54.7部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して実施例1の1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステルとデュラネート24A−100(旭化成(株)製ポリイソシアネート、NCO含量23.5%)との90/10(質量比)混合物69.2部を加え(NCO/OHモル比1.1)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は67%であった。評価結果を表2に示す。
【0066】
【実施例8】
実施例4で使用したアクリルポリオールB404.1部に、チタン白246.0部(最終塗料組成物のPWC(顔料の質量割合)=40%)を加え、次いで最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤164.2部を加え、さらに所定量のガラスビーズを加え、振とう機にかけて顔料分散を行ない、ガラスビーズを除去した。得られた分散液400.0部に対して実施例1で製造した1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル42.3部を加え(NCO/OHモル比1.2)エナメル塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は68%であった。評価結果を表2に示す。
【0067】
【比較例4】
実施例4で使用したアクリルポリオールB628.2部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤187.2部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して比較例1で製造した2,6,2’−トリイソシアナトエチルヘキサノエート37.7部を加え(NCO/OHモル比1.1)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は58%であった。評価結果を表3に示す。
【0068】
【比較例5】
実施例1で製造したアクリルポリオールA660.5部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤158.6部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して比較例2の1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル47.9部を加え(NCO/OHモル比1.0)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は58%であった。評価結果を表3に示す。
【0069】
【比較例6】
実施例4で使用したアクリルポリオールB604.8部に、最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤227.5部を加え、攪拌混合した。得られた溶液400.0部に対して比較例3で製造した1,3,12−トリデカントリカルボン酸トリス(2’−イソシアナトエチル)エステル75.9部を加え(NCO/OHモル比1.2)クリア塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は59%であった。評価結果を表3に示す。
【0070】
【比較例7】
実施例4で使用したアクリルポリオールB359.3部に、チタン白199.6部(最終塗料組成物のPWC=40%) を加え、次いで最終塗料組成物の20℃における塗装粘度がフォードカップNo.4で25秒になるように、4種混合溶剤273.4部を加え、さらに所定量のガラスビーズを加え、振とう機にかけて顔料分散を行ない、ガラスビーズを除去した。得られた分散液400.0部に対して比較例1で製造した2,6,2’−トリイソシアナトエチルヘキサノエート23.1部を加え(NCO/OHモル比1.2)エナメル塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗装固形分は57%であった。評価結果を表3に示す。
【0071】
【表2】
Figure 0004118581
【0072】
【表3】
Figure 0004118581
【0073】
実施例4〜8のポリウレタン樹脂塗膜は、光沢、耐酸性、耐温水性、耐溶剤性、柔軟性、耐候性、耐黄変性、付着性、及び耐汚染性に優れている。
【0074】
【発明の効果】
本発明のトリイソシアネートは、蒸気圧の高いジイソシアネートを含まず、刺激臭がなく、人体に対する毒性が低い。また、高分子量物を含まないため粘度が低く、作業性に優れており、塗料のハイソリッド化が可能である。更に、貯蔵安定性に優れている。
また、光沢、耐酸性、耐温水性、耐溶剤性、柔軟性、耐候性、耐黄変性、付着性、及び耐汚染性に優れた、ポリウレタン塗料及びポリウレタン樹脂塗膜が提供される。

Claims (6)

  1. 式(1)で示される新規トリイソシアネート。
    Figure 0004118581
    〔R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されている炭素数5〜20のシクロアルキレン基を表す。また、そのアルキレン基及びシクロアルキレン基中に酸素、又はイオウを含んだものや、フェニル基、アリール基、ニトロ基、ハロゲン基を含むものであってもよい。上記のアルキル基、アルキレン基、及びアルコキシ基のアルキル部は、直鎖状でもよいし、分枝状でもよい。p,r,sは0〜9の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}〕
  2. p+q+r+s=3である請求項1に記載のトリイソシアネート。
  3. p=1、q=2、r=s=0である請求項1に記載のトリイソシアネート。
  4. 1 、R2 、R3 がともに−CH2 CH2 −である請求項1〜3のいずれか一項記載のトリイソシアネート。
  5. ポリオールとポリイソシアネートとからなるポリウレタン塗料において、ポリイソシアネートの少なくとも1つとして請求項1〜4のいずれか一項記載のトリイソシアネートを用いることを特徴とするポリウレタン塗料。
  6. ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂からなる塗膜において、ポリイソシアネートの少なくとも1つとして請求項1〜4のいずれか一項記載のトリイソシアネートを用いることを特徴とするポリウレタン樹脂塗膜。
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