JP4117954B2 - 4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザに触覚又は力覚を瞬間的に知覚させる機能であるフォースフィードバックを3軸の回転運動及び1軸の直線運動の合計4軸に関して有する力覚インタフェース装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械、特にその制御部又はコンピュータと人間とを結ぶインタフェース手段は操作性及び情報伝達性の上で非常に重要である。人間とコンピュータの情報及び操作に関する対話の方法は、コンピュータからの出力であるモニター上の画像を見ながらマウス、ジョイスティック、キーボード等の入力装置を使用して入力することが代表的である。しかしながら、現実の生活において人間が環境に対する意志表示(出力)を行ったり、環境からの知覚情報(入力)を得る手段としてはしばしば手、すなわち力覚又は触覚が使用される。このように手からの触覚又は力覚といった情報を模擬して人間の感覚を刺激する装置は「力覚(ハプティック)インタフェース手段又は装置」と呼ばれる。本明細書においては、このようなユーザに触覚又は力覚を瞬時的に知覚させる機能を「フォースフィードバック」と呼称する。
【0003】
このような装置は、機械が何かに接触した感覚を瞬時的に操作者へ伝達する機能、すなわち、フォースフィードバックによって、遠隔から機械を精密且つ正確に制御することを可能にする。また、近年発達してきたバーチャルリアリティ(仮想現実)の分野においては、仮想現実空間において仮想物体に触れ、仮想物体の例えば形状や硬さ等の幾何学的物理的情報入力を体験するために、このような力覚インタフェース装置が不可欠なものとなっている。
【0004】
内視鏡、腹腔鏡、カテーテルなどを使用する低侵襲手術用の訓練シミュレータにおいては、回転3軸と直動1軸の計4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置が使用されるが、このような装置としては、米国特許第5623582号において開示されている装置が公知となっている。この力覚インタフェース装置は、2軸の回転運動を可能とさせるジンバル機構上に1軸の直線運動と1軸の回転運動を可能とさせる機構が具備されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の力覚インタフェース装置は、後者の2軸を駆動するための駆動装置及びセンサがユーザと接続するための操作機器の運動と共に動く部分に装備されており、その質量が操作部分に付加されるために、操作に伴う操作部分の慣性力を増加させる。この操作部分の質量及び慣性力の増加は、長時間操作による疲労の増大を招き、且つ、操作性を悪化させる。
【0006】
本発明の目的は、表示装置とコンピュータとによって作りだされる3次元の仮想現実空間において仮想物体に触れ、仮想物体の例えば形状や硬さ等の幾何学的物理的情報入力を体験するための力覚インタフェース装置に関して、操作性を改善し、且つ長時間操作による疲労を軽減させ得る、3軸の回転運動及び1軸の直線運動の合計4軸に関してフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベースと、同ベースに複数のリンクセットにより取り付けられた第一可動部と、同第一可動部に取り付けられ且つ該第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能である第二可動部と、制御部とを備える、4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置を提供する。
【0008】
各リンクセットは、第二軸線のまわりで回転可能にベースに取り付けられたシャフトと、同シャフトに取り付けられた第一リンク部材と、その一方の端部で同第一リンク部材に第三軸線のまわりで回転可能に枢着され且つその他方の端部で上記第一可動部に第四軸線のまわりで回転可能に取り付けられた第二リンク部材と、上記シャフトに力を供給する第一力供給手段と、上記シャフトの回転角度を検出するための第一センサとを備え、第二軸線、第三軸線及び第四軸線が一点で交わるように構成されている。さらに、上記第二可動部は、可動部材と、同可動部材に力を供給する第二力供給手段と、該可動部材の上記第一可動部に対する第一軸線方向の量を検出するための第二センサと、該可動部材に取り付けられるユーザが操作するための操作機器とを備える。また、制御部は第一センサ及び第二センサからの信号に基づいて第一力供給手段及び第二力供給手段によって供給される力を独立に制御する。
【0009】
このように第一可動部を独立した複数のリンクセットによって並列に支持する構成は、「パラレル機構」と称される。また、本願において使用される用語「フォースフィードバック」は、ユーザに触覚又は力覚を瞬時に知覚させる機能を意味する。
本発明においては、第一可動部には好適には三つのリンクセットが取り付けられる。第二軸線、第三軸線、及び第四軸線が全て一点で交差するように構成することによって、第一可動部はその交差する点を中心とする3軸(直交座標系におけるx、y、及びz軸)に関する回転運動をするようになる。このような機構は「球殻機構」と称され、第一可動部のx、y、及びz軸に関する回転位置、すなわち、姿勢が、限定された運動範囲においては、同第一可動部を支持している三つのリンクセットのそれぞれの第一リンク部材の回転角度、すなわち姿勢情報によって確定される。本発明においては、これらの回転に関する3自由度を与える三つのリンクセットの各シャフトに加えられる力がそれぞれ独立して制御されることによって、ユーザに3軸のフォースフィードバックが呈示伝達され、第二可動部を第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能とさせる直線運動機構によってさらに1軸の直線運動に関するフォースフィードバックが呈示伝達されて、操作機器を介してユーザに対して合計4軸のフォースフィードバックが呈示伝達される。
【0010】
さらに、本発明は、第一力供給手段が、回転アクチュエータと、リンクセットのシャフトに取り付けられているプーリと、回転アクチュエータとプーリとの間で回転及び力を相互に伝達するためのワイヤとを備える、4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置を提供する。
上記のような本発明によれば、リンクセットのシャフトに接続される第一力供給手段がベースに支持されることにより、第一力供給手段の質量が、操作機器と第一可動部とリンクセットとからなる可動の操作部分に付加されることを回避することができるので、同操作部分の軽量化を図ることができ、したがって操作部分の慣性力が低減され、ユーザが長時間操作を行ったときの疲労が軽減される。さらに、上記のプーリとワイヤを使用し、特に最近開発されたケブラー(商標)繊維のようなアラミド繊維等の非伸長性のワイヤ素材を用いたワイヤを備えた伝動機構を採用することにより、位置センサ及び回転アクチュエータの分解能と伝動効率とを向上させることができる。
【0011】
本発明はさらに、ベースと、同ベースに複数のリンクセットにより取り付けられた第一可動部と、同第一可動部に取り付けられ且つ該第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能である第二可動部とを備え、各リンクセットは、第二軸線のまわりで回転可能にベースに取り付けられたシャフトと、同シャフトに取り付けられた第一リンク部材と、その一方の端部で同第一リンク部材に第三軸線のまわりで回転可能に枢着され且つその他方の端部で上記第一可動部に第四軸線のまわりで回転可能に取り付けられた第二リンク部材と、上記シャフトの回転角度を検出するための第一センサとを備え、第二軸線、第三軸線及び第四軸線が一点で交わり、上記第二可動部は、可動部材と、同可動部材の上記第一可動部に対する第一軸線方向の移動量を検出するための第二センサと、該可動部材に取り付けられるユーザが操作するための操作機器とを備えることを特徴とする所望の4軸操作入力を印加するための入力装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置10の一つの実施形態を示す。本発明のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置10は、ベース12と、ベース12に複数のリンクセット14により取り付けられている第一可動部16と、第一可動部16に取り付けられている第二可動部18と、制御部100とからなる。第二可動部18は第一可動部16に対して第一軸線20方向に移動可能な部分を備えている。
【0013】
図1に示されるように、ベース12は、環状支持部材22と、ベース12の環状支持部材22から半径方向に延びる複数の支持板24とを備える。ベース12がさらに環状支持部材22から下方に延びる脚26を備え、この脚26を支持台28に回転可能に支持してもよい。このようにベース12を支持台28に回転可能に支持することによって、本発明の力覚インタフェース装置10はユーザに対して直立、倒立、横置き等の所望の姿勢をとることが可能となる。支持台28は別の装置に取り付けられてもよく、他の装置と一体に形成されたものであってもよい。また、制御部100が支持台28と一体化されていてもよい。
【0014】
図2に示されるように、各リンクセット14は、第二軸線30のまわりで回転可能にベース12に取り付けられたシャフト32と、同シャフト32に取り付けられた第一リンク部材34と、第二リンク部材36と、シャフト32に力を供給する第一力供給手段38とを備える。第二リンク部材36は、その一方の端部で第三軸線42のまわりで回転可能に第一リンク部材34に枢着され、その他方の端部で第四軸線44のまわりで回転可能に第一可動部16に取り付けられる。第二軸線30、第三軸線42及び第四軸線44が一点で交わるように構成されている。このように構成されることによって、第一可動部16が、その交差する点を中心とする3軸、すなわち直交座標系のx、y、及びz軸に関する回転運動をするようになる。
【0015】
第一リンク部材34と第二リンク部材36の接続、及び、第二リンク部材36と第一可動部16との接続は、公知の回転可能な接続方法によってなされる。例えば、図1に示される如く、第一リンク部材34及び第二リンク部材36の両端部に円形貫通孔を設け、第一リンク部材34の一方の円形貫通孔と第二リンク部材36の一方の円形貫通孔とを一本の円形シャフトによって枢着し、同様に第二リンク部材36の他方の円形貫通孔と第一可動部16に穿設された円形穴とを円形シャフトによって枢着する。
【0016】
各リンクセット14の第一リンク部材34及び第二リンク部材36は円弧状に湾曲している。このように湾曲している第一リンク部材34及び第二リンク部材36を図1に示されるように枢着することで、第一リンク部材34及び第二リンク部材36は、第二軸線30及び第三軸線42のまわりで回転するときに、互いと干渉しないようになり、さらに、環状支持部材22とも干渉しないようにすることができる。しかしながら、第一リンク部材34と第二リンク部材36、さらには環状支持部材22とが互いに干渉しないように構成されているのであれば、第一リンク部材34及び第二リンク部材36は必ずしも湾曲している必要はない。
【0017】
第一可動部16は複数のリンクセット14によって支持されており、好適には図1に示されるように3つのリンクセット14によって支持される。しかしながら、第一可動部16が4つ以上のリンクセット14によって支持されてもよい。また、第一可動部16は円形状であり、第一リンク部材34及び第二リンク部材36と干渉しないようにされている。
【0018】
第一可動部16が図1に示されるように3つのリンクセット14によって支持される場合には、好適には、各リンクセット14は、各リンクセット14に取り付けられたシャフト32の第二軸線30が互いに120°の角度をなすように配置される。また、図1に示されるように、好適には、各リンクセット14の第一リンク部材34同士の長さは等しく、第二リンク部材36同士の長さもまた等しい。上記のように、各リンクセット14に関して、配置及び構成を対称的にすることによって、制御部100が第一可動部16の姿勢(回転位置)を計算するときの計算アルゴリズムが単純化され、計算の負担が軽減される。
【0019】
独立して動作する複数のリンクセット14によって第一可動部16を支持する構成は、「パラレル機構」と称される。第一可動部16が前記のように構成された3つのリンクセット14によって支持される場合には、限定された範囲内においては、第一可動部16の姿勢がシャフト32の回転角度によって定められるようになる。このように構成することにより、機構が簡単化され、インタフェース装置を小型化することが可能となると共に、第一可動部16を含む操作部分の動きを滑らかにし、操作時に必要となる力を軽減することが可能となる。
【0020】
第一力供給手段38はベース12の環状支持部材22から半径方向に延びる複数の支持板24上に設置される。シャフト32の回転軸線、すなわち、第二軸線30は、図1に示されるように、環状支持部材22を含む平面に対して角度をなしている。第一力供給手段38は好適には回転アクチュエータ40を備える。回転アクチュエータ40としては、好適には回転モータが使用され、より好適にはDCサーボモータが使用される。第一力供給手段は回転アクチュエータ40の代わりに摩擦式又は電磁式の制動装置のような他の形式の力を供給する装置を備えてもよい。また、第一力供給手段38は伝動又は減速歯車等の歯車を備えて、歯車(不図示)を介してシャフト32に接続されてもよく、図1に示されるように、直接シャフト32に接続されてもよい。
【0021】
各リンクセット14はさらにシャフト32の回転角度を検出するための第一センサ46を備える。第一センサ46からの信号は任意の公知の信号伝達手段によって制御部100に伝達される。第一センサ46が、シャフト32又は(第一力供給手段38が回転アクチュエータ40を備える場合には)回転アクチュエータ40のシャフト48に取り付けられる。第一センサ46としては、好適には光学式エンコーダを使用するが、電気的エンコーダや磁気センサのような他の形式のセンサを使用してもよい。
【0022】
第一センサ46が具備されている図1のような場合には、制御部100は各第一センサ46から制御部100へ送られる信号から第一可動部16の回転位置を計算し、各第一力供給手段38によって各リンクセット14を介してその位置において適切な力を第一可動部16へ伝達させる。
このように第一力供給手段38及び第一センサ46がベース12に支持されることにより、第一力供給手段38及び第一センサ46の質量が第一可動部16に付加されることが回避されるので、第一可動部16を含む操作部分が軽量化され、操作部分の慣性力が低減されて、ユーザが長時間操作を行ったときの疲労が軽減される。さらに、操作部分の操作性が向上する。
【0023】
第二可動部18は、可動部材50と、同可動部材50に力を供給する第二力供給手段52と、前記可動部材50に取り付けられるユーザが操作するための操作機器56とを備える。図2に示されるように、第二可動部18が第一可動部16に対して着脱可能に取り付けられる。
第二力供給手段52は好適には回転アクチュエータ54を備える。回転アクチュエータ54としては、好適には回転モータが使用され、より好適にはDCサーボモータが使用される。第二力供給手段は回転アクチュエータ54の代わりに摩擦式又は電磁式の制動装置のような他の力を供給する装置を備えてもよい。第二力供給手段52は力を公知の任意の直動機構によって直線方向の力又は運動に変換して可動部材50に伝達する。例えば、第二力供給手段52が回転アクチュエータ54を備える図1に示される場合には、第二力供給手段52は、回転アクチュエータ54のシャフト58に取り付けられる歯車60をさらに備え、この歯車60が第一軸線20に沿って可動部材50に設けられた歯に係合して、可動部材50を第一軸線20方向に移動させる又は可動部材50に力を伝達する。
【0024】
第二可動部18はさらに可動部材50の第一軸線20方向への移動量を検出するための第二センサ62を備える。第二センサ62からの信号は公知の任意の信号伝達手段によって制御部100に伝達される。第二力供給手段52が回転アクチュエータ54を備える図1に示される場合には、回転アクチュエータ54のシャフト58に同シャフト58の回転角度を検出する第二センサ62が取り付けられる。第二センサ62としては、好適には光学式エンコーダを使用するが、電気的エンコーダや磁気センサのような他の形式のセンサを使用してもよい。
【0025】
第二センサ62が具備されている図1のような場合には、制御部100は第二センサ62から制御部100へ送られる信号から第二可動部18の可動部材50の位置を計算し、各第二力供給手段52によってその位置において適切な力を可動部材50へ伝達させる。
図1においては、操作機器56は腹腔鏡の操作ハンドル部を模擬したものであるが、内視鏡、カテーテルなどの他の装置の操作部を模擬したものであってもよい。操作機器56は、図2に示されるように、第二可動部18の可動部材50に着脱可能に取り付けられる。
【0026】
図3は、図1と異なる第一力供給手段38からシャフト32への伝動機構を採用している、本発明による4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置10の一つの実施形態を示しており、図4は図3に示されている伝動機構をより詳細に説明する図である。
手からの触覚又は力覚といった情報を模擬し、人間の感覚を刺激するために使用される力覚インタフェース装置10は物体からの反力などを正確に再現することを必要とするため、力供給手段からの力及び回転を伝える伝動機構においては、摩擦を最小限に抑えることが求められる。伝動機構として一般に使用される歯車は、ガタ及び摩擦が大きいため力覚インタフェース装置10としては好ましくないことがある。
【0027】
この問題を解決するための方法の一つが、第一力供給手段38からリンクセット14のシャフト32へ力を伝達する機構として、図4に詳細に示されるプーリ/ワイヤ伝動機構を採用することである。プーリ/ワイヤ伝動機構は、回転アクチュエータ等の力及び回転をワイヤを介してプーリに伝える機構であり、伝動効率がよく、摩擦及びガタが少ないという特徴を有する。しかしながら、伝動機構として歯車機構を採用することも可能である。
【0028】
図3において、第一力供給手段38は、制御部からの信号に応じて力を発生させる回転アクチュエータ40と、回転アクチュエータ40のシャフト48と、第一リンク部材34のシャフト32と連動するように取り付けられているプーリ64と、回転アクチュエータ40のシャフト48とプーリ64の間で相互に回転及び力を伝達するためのワイヤ66とを備える。第一力供給手段38は回転アクチュエータ40のシャフト48に取り付けられる小型プーリ68をさらに備えてもよい。
【0029】
プーリ64は図3及び図4に示されるように概略半円形であってもよく、円形であってもよい。さらに、第一リンク部材34の可動範囲に応じた中心角を有する扇形状であってもよい。また、軽量化のために扇形状の側面部に開口が設けられてもよい。
ワイヤ66は、図4に示されるように、その両端がプーリ64に固定されて、プーリ64の外周に沿って延在し、その中間では回転アクチュエータ40のシャフト48に巻き付けられている。ワイヤ66はある程度の張力がかかるようにプーリ64に取り付けられる。ワイヤ66には好適にはケブラー(商標)繊維のような高強度高弾性を有するアラミド繊維が使用される。
【0030】
回転アクチュエータ40は上述と同様に好適には回転モータであり、さらに好適にはDCサーボモータである。回転アクチュエータ40のシャフト48又は(シャフト48に小型プーリ68が取り付けられているなら)小型プーリ68がプーリ64の外周に隣接して且つ第一リンク部材34に取り付けられたシャフト32の第二軸線30と平行になるように配置される。
【0031】
各第一センサ46、例えば、光学式エンコーダの回転子が、好適には、シャフト32ではなく、回転アクチュエータのシャフト48に装着される。こうすることにより、例えば光学式エンコーダである第一センサ46の分解能が向上されて回転角度信号の精度が向上される。さらに、シャフト32の回転摩擦力が低減され得る。
【0032】
第一力供給手段38にプーリ/ワイヤ伝動方式を採用することにより、高い伝動効率、少ないバックラッシュ、低摩擦の伝動機構が達成される。さらに、プーリ/ワイヤ伝動機構により、回転アクチュエータ40の発生トルクを増幅させ、例えば、光学式エンコーダである第一センサ46の分解能を向上させることができる。しかしながら、図1に示されるように、第一リンク部材34に取り付けられたシャフト32が回転アクチュエータ40のシャフト48に直接又は伝動又は減速歯車等の歯車を介して接続されてもよい。
【0033】
上述した4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置は主として人と機械の制御部との間に介在して人間の力覚を同時的に知得、認識させ得るものであるから、同装置から、第一力供給手段及び第二力供給手段を省除した装置、すなわち、ベースと、同ベースに複数のリンクセットにより取り付けられた第一可動部と、同第一可動部に取り付けられ且つ第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能である第二可動部とを備え、各リンクセットは、第二軸線のまわりで回転可能にベースに取り付けられたシャフトと、同シャフトに取り付けられた第一リンク部材と、その一方の端部で同第一リンク部材に第三軸線のまわりで回転可能に枢着され且つその他方の端部で上記第一可動部に第四軸線のまわりで回転可能に取り付けられた第二リンク部材と、上記シャフトの回転角度を検出するための第一センサとを備え、第二軸線、第三軸線及び第四軸線が一点で交わり、上記第二可動部は、可動部材と、同可動部材の上記第一可動部に対する第一軸線方向の移動量を検出するための第二センサと、該可動部材に取り付けられるユーザが操作するための操作機器とを備える装置は、所望の4軸操作入力を印加するための入力装置として使用することができる。このように構成することにより機構が簡単化され、入力装置を小型化することが可能となると共に、操作部分の動きを滑らかにし、操作時に必要となる力を軽減することが可能となる。さらに、第一センサがベースに支持されることにより、第一センサの質量が第一可動部に付加されることが回避されるので操作部分が軽量化され、操作部分の慣性力が低減されて、ユーザが長時間操作を行ったときの疲労が軽減される。
【0034】
図5は、本発明の力覚インタフェース装置10を利用したシステム構成の実施例を示しており、このシステムは、本発明の力覚インタフェース装置10と、それに接続されている外部のホストコンピュータ102と、画像表示部104とからなる。力覚インタフェース装置10は、ベース12とリンクセット14と第一可動部16と第二可動部18とを含む操作部106と制御部100とを備える。制御部100は、3つの各リンクセット14それぞれに一つずつ備えられた3つの第一センサ46から第一可動部16の姿勢を検出するための信号と、第二可動18に備えられた一つの第二センサ62からの可動部材50の第一可動部16に対する移動量を検出するための信号とを受け取り、これらの姿勢情報信号を処理して、外部に接続されているホストコンピュータ102に信号を伝達する。ホストコンピュータ102はこの姿勢情報信号から、操作機器56の位置及び姿勢と、必要であればその位置及び姿勢における反力とを計算する。ホストコンピュータ102からの信号により、操作機器56の位置又はその位置における仮想現実空間が画像表示部104に表示される。反力を指示する命令信号がホストコンピュータ102から制御部100に伝達され、制御部100はこの命令信号に応じて本発明のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置10の3つの第一力供給手段38と一つの第二力供給手段52を独立して駆動させ、第二可動部18に取り付けられた操作機器56を通じてユーザへ力覚又は触覚を瞬時的に伝達する。従って、ユーザは画像表示される操作の過程で力覚又は触覚を認識し、このような認識を介して実機の操作感覚を得ることができるのである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パラレル機構を使用することで、3軸の回転に関してフォースフィードバックを与えるためのセンサ及びアクチュエータといった付加的な部材を操作部分ではなく、支持部分に設け、操作部分には1軸の直線運動に関してフォースフィードバックを与えるためのセンサ及びアクチュエータのみを設けることが可能となり、操作部分の質量を軽減させ、操作性の向上及び長時間操作時のユーザの疲労の軽減が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置の斜視図である。
【図2】本発明による4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置の分解斜視図である。
【図3】プーリ/ワイヤ伝動機構を使用した、図1と類似の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置の斜視図である。
【図4】図3の装置で使用されるプーリ/ワイヤ伝動機構の詳細斜視図である。
【図5】本発明による4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置を使用したシステム構成を示す線図である。
【符号の説明】
10…力覚インタフェース装置
12…ベース
14…リンクセット
16…第一可動部
18…第二可動部
20…第一軸線
30…第二軸線
32…シャフト
34…第一リンク部材
36…第二リンク部材
38…第一力供給手段
42…第三軸線
44…第四軸線
46…第一センサ
50…可動部材
52…第二力供給手段
56…操作機器
62…第二センサ
Claims (7)
- ベースと、
前記ベースに複数のリンクセットにより取り付けられた第一可動部と、
前記第一可動部に取り付けられ且つ前記第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能である第二可動部と、
制御部とを備え、
各リンクセットは、第二軸線のまわりで回転可能にベースに取り付けられたシャフトと、該シャフトに取り付けられた第一リンク部材と、その一方の端部で該第一リンク部材に第三軸線のまわりで回転可能に枢着され且つその他方の端部で前記第一可動部に第四軸線のまわりで回転可能に取り付けられた第二リンク部材と、前記シャフトに力を供給する第一力供給手段と、前記シャフトの回転角度を検出するための第一センサとを備え、第二軸線、第三軸線及び第四軸線が一点で交わり、
前記第二可動部は、可動部材と、該可動部材に力を供給する第二力供給手段と、前記可動部材の前記第一可動部に対する第一軸線方向の移動量を検出するための第二センサと、前記可動部材に取り付けられるユーザが操作するための操作機器とを備え、
前記制御部は前記第一センサ及び第二センサからの信号に基づいて前記第一力供給手段及び前記第二力供給手段によって供給される力を独立的に制御することを特徴とする、4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。 - 前記第一及び第二力供給手段はシャフトを備える回転アクチュエータを備え、前記第一センサ及び第二センサはそれぞれ前記第一及び第二力供給手段の前記シャフトに取り付けられる、請求項1に記載の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。
- 前記各リンクセットを構成する前記第一リンク部材同士及び第二リンク部材同士の長さがそれぞれ等しい、請求項1に記載の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。
- 前記ベースに取り付けられているリンクセットの数は三つである、請求項1に記載の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。
- 前記各リンクセットの前記第二軸線は互いに120度の角度を成すようになっている、請求項4に記載の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。
- 前記第一力供給手段は、回転アクチュエータと、前記リンクセットの前記シャフトに取り付けられているプーリと、前記回転アクチュエータと前記プーリとの間で回転及び力を相互に伝達するためのワイヤとを備える、請求項1に記載の4軸のフォースフィードバックを有する力覚インタフェース装置。
- ベースと、
前記ベースに複数のリンクセットにより取り付けられた第一可動部と、
前記第一可動部に取り付けられ且つ前記第一可動部に対して第一軸線方向に移動可能である第二可動部とを備え、
各リンクセットは、第二軸線のまわりで回転可能にベースに取り付けられたシャフトと、該シャフトに取り付けられた第一リンク部材と、その一方の端部で該第一リンク部材に第三軸線のまわりで回転可能に枢着され且つその他方の端部で前記第一可動部に第四軸線のまわりで回転可能に取り付けられた第二リンク部材と、前記シャフトの回転角度を検出するための第一センサとを備え、第二軸線、第三軸線及び第四軸線が一点で交わり、
前記第二可動部は、可動部材と、該可動部材の前記第一可動部に対する第一軸線方向の移動量を検出するための第二センサと、前記可動部材に取り付けられるユーザが操作するための操作機器とを備えることを特徴とする、所望の4軸操作入力を印加するための入力装置。
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