JP4117022B2 - Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 - Google Patents
Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4117022B2 JP4117022B2 JP2004061557A JP2004061557A JP4117022B2 JP 4117022 B2 JP4117022 B2 JP 4117022B2 JP 2004061557 A JP2004061557 A JP 2004061557A JP 2004061557 A JP2004061557 A JP 2004061557A JP 4117022 B2 JP4117022 B2 JP 4117022B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- granular thin
- producing
- plating bath
- cerium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Description
従来、Fe−Ce−OやCo−Ce−Oなどの金属―酸化物グラニュラ薄膜は、スパッタ法などのドライプロセスによって作製されてきた。(特許文献1参照)
したがって、本発明はこれらの従来技術の問題点を解消して、保磁力が小さく優れた軟磁気特性を有するFe−Ce−Oグラニュラ薄膜を、簡単な装置により低コストで製造することを目的とする。
1.(1)二価鉄塩、(2)セリウム塩、(3)酸化防止剤、及び(4)鉄と錯体を形成するがセリウムとは錯体を形成しない錯化剤を含む水溶液をめっき浴として使用し、電析により形成することを特徴とするFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
2.(1)二価鉄塩が硫酸第一鉄及び塩化第一鉄から選択されたものであることを特徴とする1に記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
3.(2)セリウム塩が塩化セリウム及び硝酸セリウムから選択されたものであることを特徴とする1又は2に記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
4.(3)酸化防止剤がアスコルビン酸及びアスコルビン酸金属塩から選択されたものであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
5.(4)錯化剤が硫酸アンモニウムであることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
6.めっき浴中に、(1)二価鉄塩10〜50mM、(2)セリウム塩1〜10mM、(3)酸化防止剤0.01〜10g/L、及び(4)錯化剤10〜50mMを含有することを特徴とする1〜5のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
7.めっき浴の温度が30〜80℃であることを特徴とする1〜6のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
8.電析の電流密度が0.1〜50mA/cm2であることを特徴とする1〜7のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
9.めっき浴中の溶存酸素量が4mg/L以上であることを特徴とする1〜8のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
10.1〜9のいずれかに記載された製造方法により製造された保磁力が40〜90Oeで、飽和磁力が20〜160emu/gであることを特徴とするFe−Ce−Oグラニュラ薄膜。
また、100℃以下の低温で成膜が可能であるため基板に耐熱性が必要とされず、従来技術では使用することのできなかった基板にもFe−Ce−Oグラニュラ薄膜を形成することが可能となる。さらに、電析浴に接している部分には均一に成膜することができるため、複雑な表面形状を有する基板、微細パターンや大面積の基板にも成膜することができる。
めっき浴中の(1)二価鉄塩の含有量は、1〜100mM程度、特に10〜50mM程度とすることが好ましい。
めっき浴中(2)セリウム塩の含有量は、0.1〜50mM程度、特に1〜10mM程度とすることが好ましい。
めっき浴中の(3)酸化防止剤の含有量は、0.01〜10g/L程度、特に0.1〜1g/L程度とすることが好ましい。
めっき浴中の(4)錯化剤の含有量は、1〜100mM程度、特に10〜50mM程度とすることが好ましい。
また、電析の電源としては直流電源を使用し、電流密度を0.1〜50mA/cm2程度、特に1〜10mA/cm2程度とすることが好ましい。
以下の例では、図2に示す構成を有する電析装置11を使用して、Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜を形成した。この電析装置11は、めっき浴13を収容した電析槽12、陰極側に配置した基板14、参照電極15、対極16、ガルバノスタット17、クーロンメータ18を具備する。また、図示はしないが、酸素バブリングと窒素バブリングによりめっき浴中の溶存酸素量を調整することができる。
この電析装置11において、被めっき対象物としてCu基板14を、対極(アノード)16としてFeシートを、またAg/AgClからなる参照電極15を使用した。
硫酸第一鉄10mM、塩化セリウム4mM、L−アスコルビン酸0.2g/L、硫酸アンモニウム40mMを含有する水溶液をめっき浴とし、液温60℃、4mA/cm2の定電流密度で電析を行ない、Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜を形成した。
下記の表1に示す組成のめっき浴を使用した以外は、実施例1と同様にして電析を行ない、Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜を形成した。
表1に示した電析めっき浴成分から、L−アスコルビン酸を除いためっき浴を使用して、実施例1と同様に電析を行なったところ、めっき浴中のFe2+イオンが酸化してFe3+イオンとなり、電析めっき浴が不安定となり、成膜が行えなくなったり、沈殿物が浴中に生成した。したがって、L−アスコルビン酸もしくは、L−アスコルビン酸ナトリウムなどの酸化防止剤が本発明の電析めっき浴では必要であることが判明した。
表1に示した電析めっき浴成分から、硫酸アンモニウムを除いためっき浴を使用して、実施例1と同様に電析を行なったところ、析出した膜は粉状で密着性が悪かった。また、ESCAによって測定したFeの化学結合状態からは、Feが水酸化物もしくは酸化物として析出していることが確認された。
すなわち、硫酸アンモニウムを加えることで、膜は平滑で密着性の高いものとなり、またESCAの測定からFeが金属として存在していることが確認された。
図4によれば、Fe濃度が100vol.%以外の膜は、電気抵抗も数キロΩと高く、かつFe濃度60vol.%の膜は、保磁力が50Oeと非特許文献1で示されているCo−Ce−O薄膜の160Oeに比較して1/3以下であり、良好な軟磁気性を示した。本発明により得られたFe−Ce−Oグラニュラ薄膜は、本発明者らの知る限りにおいて、電析により得られたグラニュラ薄膜のうち最も小さな保磁力が実現できたものである。
2 絶縁マトリックス
11 電析装置
12 電析槽
13 めっき浴
14 基板
15 参照電極
16 対極
17 ガルバノスタット
18 クーロンメータ
Claims (10)
- (1)二価鉄塩、(2)セリウム塩、(3)酸化防止剤、及び(4)鉄と錯体を形成するがセリウムとは錯体を形成しない錯化剤を含む水溶液をめっき浴として使用し、電析により形成することを特徴とするFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- (1)二価鉄塩が硫酸第一鉄及び塩化第一鉄から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- (2)セリウム塩が塩化セリウム及び硝酸セリウムから選択されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- (3)酸化防止剤がアスコルビン酸及びアスコルビン酸金属塩から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- (4)錯化剤が硫酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- めっき浴中に、(1)二価鉄塩10〜50mM、(2)セリウム塩1〜10mM、(3)酸化防止剤0.01〜10g/L、及び(4)錯化剤10〜50mMを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- めっき浴の温度が30〜80℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- 電析の電流密度が0.1〜50mA/cm2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- めっき浴中の溶存酸素量が4mg/L以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のFe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載された製造方法により製造された保磁力が40〜90Oeで、飽和磁力が20〜160emu/gであることを特徴とするFe−Ce−Oグラニュラ薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004061557A JP4117022B2 (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004061557A JP4117022B2 (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005248267A JP2005248267A (ja) | 2005-09-15 |
JP4117022B2 true JP4117022B2 (ja) | 2008-07-09 |
Family
ID=35029027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004061557A Expired - Fee Related JP4117022B2 (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4117022B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1726688A1 (en) * | 2005-05-23 | 2006-11-29 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Cerium ion-containing solution and corrosion inhibitor |
CN110079840A (zh) * | 2019-04-26 | 2019-08-02 | 山东金宝电子股份有限公司 | 一种提高铜箔高温防氧化性能的表面处理混合添加剂 |
-
2004
- 2004-03-05 JP JP2004061557A patent/JP4117022B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005248267A (ja) | 2005-09-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mehrizi et al. | Study of microstructure and magnetic properties of electrodeposited nanocrystalline CoFeNiCu thin films | |
Kim et al. | Magnetic properties of nanocrystalline iron group thin film alloys electrodeposited from sulfate and chloride baths | |
Wolf | Electrodeposition of magnetic materials | |
JP3693647B2 (ja) | 金属合金微粒子及びその製造方法 | |
CN1838244A (zh) | 软磁性薄膜和磁记录头 | |
JP2003034891A (ja) | コバルト鉄系合金およびコバルト鉄系合金めっき磁性薄膜の製造方法、並びに4成分系合金およびコバルト鉄モリブデン合金めっき磁性薄膜の製造方法 | |
US20060254924A1 (en) | Plating solution, process for producing a structure with the plating solution, and apparatus employing the plating solution | |
Dobosz et al. | The influence of homogenous external magnetic field on morphology and magnetic properties of CoRu nanowire arrays | |
Pavithra et al. | Graphene oxide reinforced magnetic FeCoNiCuZn high entropy alloy through electrodeposition | |
JP4117022B2 (ja) | Fe−Ce−Oグラニュラ薄膜の製造方法 | |
US7157160B2 (en) | Magnetic thin film and method of manufacturing the same | |
Sivasubramanian et al. | Boric acid assisted electrosynthesis of hierarchical three-dimensional cobalt dendrites and microspheres | |
Wu et al. | Effects of cathode rotation and substrate materials on electrodeposited CoMnP thick films | |
Vosough et al. | Co-tio2 nanoparticles as the reinforcement for fe soft magnetic composites with enhanced mechanical and magnetic properties via pulse electrodeposition | |
JP4423377B2 (ja) | 軟磁性薄膜の製造方法及び軟磁性薄膜 | |
Yoshino et al. | Preparation of high magnetic flux density CoNiFeB film by electroless deposition for application to magnetic recording devices | |
JP3826323B2 (ja) | めっき磁性薄膜の製造方法 | |
Danilova et al. | Selective electroless plating on non-conductive materials by applying a gradient of magnetic field | |
JP2006265716A (ja) | めっき液および構造体の製造方法 | |
CN112962122B (zh) | 一种高矫顽力B掺杂FePt薄膜的制备方法 | |
JP4041948B2 (ja) | 軟磁性薄膜及びその製造方法並びにその薄膜を用いた薄膜磁気ヘッド | |
JP7233723B2 (ja) | 合金薄膜の製造方法 | |
JP4645784B2 (ja) | 軟磁性薄膜およびその製造方法、並びにその薄膜を用いた薄膜磁気ヘッド | |
Kingston | An investigation of the physical and magnetic properties of transition-metal alloy nanotubes prepared via electroless deposition | |
TW201120255A (en) | Nickel-iron alloy plating liquid |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080415 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080419 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |