JP4116822B2 - 流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管内を流れるガス(都市ガス)の流量を計測してその流量値を積算表示するほか、得られた流量計測値から下流側の配管における漏洩有無の判定を行う保安機能を備えた流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガス流量計においてガスの積算流量を計測するために超音波流量計を採用することが考えられている。超音波流量計は、図10に示すように、ガス流路上に設けた測定管1の上流側と下流側とにそれぞれ超音波の送受波を行うための送受波器2a,2bを配置した構成を有している。流量の測定には、上流側の送受波器2aから下流側の送受波器2bに向かって超音波を送波したときの超音波の伝播時間t1と、下流側の送受波器2bから上流側の送受波2aに向かって超音波を送波したときの超音波の伝播時間t2とを測定し、両伝播時間t1,t2に基づいて流速を求める。流速が求まれば測定管11の断面積と流速とを乗じた値が流量になる。つまり、測定管1および送受波器2a,2bにより流量計が構成される。
【0003】
いま、送受波器2a,2bの間で送受される超音波の進行方向が測定管1を通過するガスの流れる方向に一致しているものとする。送受波器2a,2bの間の距離をd、ガスの流速をv、音速をCとすれば、伝播時間t1,t2はそれぞれ以下のように表すことができる。
【0004】
t1=d/(C+v)
t2=d/(C−v)
したがって、流速vは次式で求めることができる。
【0005】
v=(d/2){(1/t1)−(1/t2)}
ここで、一般に送受波器2a,2bの間の距離dは10[cm]程度に設定され、測定管内での音速Cは約400[m/s]であるから、伝播時間t1,t2は250[μs]程度になる。
【0006】
この測定技術では超音波の伝播時間t1,t2を求めるために、送信器2a,2bから超音波を間欠的に発生させる。以下では、間欠的に発生する超音波のひとまとまりを「超音波パルス」と呼ぶ。ただし、1個の超音波パルスのみで流速vを決定すると十分な測定精度が得られないから、測定精度を高めるためにシングアラウンド法と称する技術が提案されている。すなわち、シングアラウンド法では、各一方の送信器2a,2bからそれぞれ多数個ずつの超音波パルスを繰り返して発生させ、各伝搬時間t1,t2毎の合計を用いて流量vの平均値を決定する。シングアラウンド法においては、一般に両送受波器2a,2bのうちの一方から複数個の超音波パルスを繰り返して発生させた後に他方から複数個の超音波パルスを繰り返して発生させる。
【0007】
なお、図10において、3はガスの供給路(ガス流路)に配置される遮断弁であり、4はガス流路において遮断弁3の下流側に配置される圧力センサであり、5は計測されたガスの流量値を積算表示するためのカウンタであり、6は超音波流量計全般の制御を行う中枢的な信号処理回路である。
【0008】
ところで、流量計より下流側の配管においてガスの漏洩有無を判定する際には、少なくとも1時間当たり「3.0リットル」以上の流量を継続して検出した場合、漏洩有りと判定することが望まれている。すなわち、配管内を流れるガスの流量が1時間当たり3.0リットル以上の場合に漏洩無しと誤判定してはならない。また、流量計で得られる流量値には多少の誤差も含まれることから、1時間当たり「1.5リットル」の流量を規定流量値とし、配管内を流れるガスの流量値がこの規定値を超えて継続して取得される場合、漏洩有りと判断し、この規定値を下回る流量値が取得される場合には、漏洩無しと判定する。
【0009】
一般的に、漏洩有無の判定は30日単位で実行される。すなわち、30日間のうちに規定流量値を下回る流量値が一度も取得されない場合には漏洩有りと判断する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、床暖房などの普及により、例えば冬場の時期において30日間ほぼ連続的に、すなわち1時間に7〜8分程度の休止期間を置きながらも連続的に運転する使用状況が増えてきているが、このような状況下において、配管について漏洩無しと判定することは困難を伴う。なぜなら、従来の漏洩判定の方法においては、1時間単位で流量を判定していたため、1時間に7〜8分程度の休止時間があっても、1時間単位の流量は全体として見れば「3.0リットル」以上となり、漏洩無しと判定できなかったためである。
【0011】
また、ガスヒートポンプやガスエンジン等の圧力変動を発生する機器が隣家にあると、計測により得られる流量計測値がその圧力変動の影響を受けたものとなり、配管についての漏洩の判定がより一層困難となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、床暖房などが30日間略連続的に運転される状況で、さらに計測により得られる流量計測値が隣家からの圧力変動の影響を受けたものとなる状況下においても、配管についての漏洩の判定を正確に行うことができる超音波流量計を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、配管内を流れる流量の計測を行い、この計測により得られる流量計測値を用いて下流側の配管における漏洩有無の判定を行う保安機能を備えた流量計であって、前記保安機能は、少なくとも所定の判定において、漏洩無し判定用の漏洩無し判定基準値を用いて、所定の測定間隔毎に前記計測により得られる各流量計測値を基に、前記配管について漏洩の判定を行うものであり、前記所定の判定の場合には、10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される所定の平均化時間と、この所定の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記平均化時間に関連した所定の流量変動値とを用いて、前記平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記所定の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記平均化時間における流量変動計測値が前記所定の流量変動値以下であるとき、前記所定の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、所定の期間を一区切りとして、その期間連続して、前記所定の判定で漏洩無しと判定されない結果となった場合に、配管について漏洩有りとする発報を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の流量計において、前記所定の流量変動値は、前記漏洩無し判定基準値よりも大きい漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる所定の流量変動値であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の流量計において、前記所定の判定には、複数の判定があり、前記保安機能は、前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、次の判定に移り、前記次の判定においては、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、この判定で漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えて同様の判定処理を繰り返すことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の流量計において、前記保安機能は、前記配管について前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を所定の日数の期間行い、その期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えてこの判定を所定の日数の期間継続して行う同様の判定処理を繰り返すことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の流量計において、前記所定の判定には、第1の判定、第2の判定および第3の判定があり、前記保安機能は、前記第1の判定の場合には、10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される第1の平均化時間と、この第1の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第1の流量変動値とを用いて、前記第1の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第1の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第1の平均化時間における流量変動計測値が前記第1の流量変動値以下であるとき、前記第1の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、前記第2の判定の場合には、前記第1の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第2の平均化時間と、この第2の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第2の流量変動値とを用いて、前記第2の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第2の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第2の平均化時間における流量変動計測値が前記第2の流量変動値以下であるとき、前記第2の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、前記第3の判定の場合には、前記第2の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第3の平均化時間と、この第3の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第3の流量変動値とを用いて、前記第3の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第3の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第3の平均化時間における流量変動計測値が前記第3の流量変動値以下であるとき、前記第3の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の流量計において、前記保安機能は、前記配管について前記第1の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第1の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第2の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第2の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第3の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第3の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、漏洩有りの判定を下して前記発報を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項2から6のいずれかに記載の流量計において、前記漏洩無し判定基準値は1時間当たり1.5リットルであり、前記漏洩有り判定目安値は1時間当たり3.0リットルであることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の超音波流量計における信号処理回路の構成図である。
【0021】
第1実施形態の超音波流量計は、測定管1と、送受波器2a,2bと、遮断弁3と、圧力センサ4と、カウンタ5とを図10に示した超音波流量計と同様に備えているほか、図1に示すように、第1実施形態の特徴として信号処理回路6Aを備えている。
【0022】
図1において、送受波器2a,2bおよび圧力センサ3等は、マイコン(1チップマイクロコンピュータ)を主構成要素とする信号処理回路6Aに接続され、信号処理回路6Aでは、例えば、送受波器2a,2bおよび圧力センサ4の動作制御、送受波器2a,2bおよび圧力センサ4の出力による遮断弁3の制御、燃料ガスの流量の計測などを行う。燃料ガスの流量はカウンタ5に表示される。
【0023】
信号処理回路6Aは、送受波器2a,2bがそれぞれ接続される2個の超音波送受信回路61a,61bを備え、超音波送受信回路61a,61bは集積回路からなる計測制御回路62に接続される。計測制御回路62はマイコン60により制御され、マイコン60では計測制御回路62から取得した情報に基づいてガス流量を計測する。また、マイコン60の内部クロックを発生させるためにマイコン60には水晶発振子などの高周波発振子63が接続される。信号処理回路6Aの電源はリチウム電池などの電池64により供給される。
【0024】
超音波送受信回路61a,61bは送受波器2a,2bと計測制御回路62との間の整合回路であり、計測制御回路62は、各送受波器2a,2bを送波用と受波用とに切り換える機能と、送受波器2a,2bを駆動して超音波パルスを発生させるためのパルス状の高周波信号を生成する機能と、送受波器2a,2bにより受信した超音波パルスに対応する信号を波形整形して出力する機能とを備える。
【0025】
超音波パルスの送波から受波までの伝播時間の計測はマイコン60が行っている。すなわち、マイコン60では以下に説明する機能がプログラムによって実現されているのであって、基本的には従来構成として説明したようにシングアラウンド法によって流量を計測する。
【0026】
マイコン60には、流量計測のタイミングを指示する計測タイミング生成部60aが設けられ、計測タイミング生成部60aによって流量計測が指示されるとマイコン60に設けられた瞬時流量演算部60bから計測制御回路62に対して計測が指示される。計測制御回路62は、上述したように、両送受波器2a,2bの一方から超音波パルスを送出させ、他方での超音波パルスの受信タイミングに対応する信号を出力する。したがって、瞬時流量演算部60bは、超音波パルスの送波から受波が予測される時間程度のゲート期間を設定し、ゲート期間内において超音波パルスの受波に相当する信号が計測制御回路62から入力されたタイミングを超音波パルスの受波のタイミングとみなし、超音波パルスの送波から受波までの伝播時間を計測する。
【0027】
ここに、ゲート期間の時限および超音波パルスの送波から受波までの伝播時間の計測には、高周波発振子63により生成した高周波のクロック信号を用いる。つまり、クロック信号を瞬時流量演算部60bの内蔵カウンタで計数することによって計時する。瞬時流量演算部60bでは、100〜200[μs]の残響時間を考慮した適宜の時間間隔で各送受波器2a,2bから複数回ずつ超音波パルス送波し、超音波パルスの送波毎に得られた超音波パルスの伝播時間の平均値の時間差を流量に換算する。超音波パルスを発生させる時間間隔は、測定管1および送受波器2a,2bにより構成される流量計から流量を取り込む時間間隔に対応するので、超音波パルスを発生させる周期は取込周期となる。また、超音波パルスの発生回数は流量計から流量を取り込んだ回数に相当するから取込回数となる。上述した瞬時流量演算部60bによって流量を求める処理が1回の流量計測であって、1回の流量計測で求めた流量が瞬時流量である。さらに、計測タイミング生成部60aが瞬時流量演算部60bに対して流量計測を指示する時間間隔は計測周期となる。
【0028】
マイコン60には、瞬時流量演算部60bで求めた瞬時流量を積算して積算流量を求める積算流量演算部60cも設けられる。積算流量演算部60cでは、瞬時流量演算部60bで求めた瞬時流量に計測周期を乗じた値を積算流量として求め、バッファ60dに入力する。計測周期は例えば100[ms]に設定される。バッファ60dは100[ms]毎の積算流量を積算し、バッファ60dにおいて積算された積算流量が1[l]になるとカウンタ5の値を1[l]増加させる。この動作によってガスメータとしての全体の積算流量が計測される。
【0029】
さらに、マイコン60には、第1実施形態の特徴として、保安機能を構成する判定部60eが設けられる。この判定部60eは、所定の判定において、漏洩無し判定用で1時間当たり「1.5リットル」の規定流量値である漏洩無し判定基準値、および漏洩有り判定目安用で漏洩無し判定基準値よりも大きい1時間当たり「3.0リットル」の漏洩有り判定目安値を用いて、2[s]の測定間隔毎に上記流量計の計測により得られる各瞬時流量(以下「流量計測値」という)を基に、配管について漏洩の判定処理を行うものである。
【0030】
上記所定の判定には、第1の判定、第2の判定および第3の判定があり、それぞれにおいて以下の処理が実行される。
【0031】
第1の判定の場合には、10回以上の例えば15回の計測回数および上記測定間隔から決定される30秒間の第1の平均化時間と、この第1の平均化時間、漏洩無し判定基準値および漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる2[l/h](片振幅値は±1[l/h])の第1の流量変動値とを用いて、第1の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第1の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、第1の平均化時間における流量変動計測値が第1の流量変動値以下であるとき、第1の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定する処理が行われる。
【0032】
第2の判定の場合には、第1の平均化時間と1時間との間の5分間に設定された第2の平均化時間と、この第2の平均化時間、漏洩無し判定基準値および漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる10[l/h](片振幅値は±5[l/h])の第2の流量変動値とを用いて、第2の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第2の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、第2の平均化時間における流量変動計測値が第2の流量変動値以下であるとき、第2の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定する処理が行われる。
【0033】
第3の判定の場合には、第2の平均化時間と1時間との間の1時間に設定された第3の平均化時間と、この第3の平均化時間、漏洩無し判定基準値および漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる38[l/h](片振幅値は±19[l/h])の第3の流量変動値とを用いて、第3の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第3の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、第3の平均化時間における流量変動計測値が第3の流量変動値以下であるとき、第3の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定する処理が行われる。
【0034】
これら第1の判定、第2の判定および第3の判定は、第1実施形態では、30日間を一区切りとして平行して実行され、いずれの判定によっても30日間連続して漏洩無しと判定されない結果となった場合には、LED(図示せず)表示などで内管漏洩警報(配管について漏洩有りとする警報)を発報する処理が実行されるのである。
【0035】
次に、第1実施形態の超音波流量計の特徴となる判定部60eによる動作原理について、以下の図をさらに参照しながら説明する。
【0036】
図2は振幅値が2[l/h]となる流量変動の様子を示す図、図3は図2の変動を受けているときに得られる各流量計測値の確率密度分布を示す図、図4、図6は図2の正弦波状の流動変動に2次、3次の高調波がそれぞれ重畳した場合の流動変動の様子を示す図、図5,図7は図4、図6の変動を受けているときに得られる各流量計測値の確率密度分布をそれぞれ示す図、図8は第2、第3の判定による動作原理の説明図である。
【0037】
まず、流路の仕様については、
流路断面積S=100[mm]、
流路長さL=150[mm]
であり、流体の特性については、
気体密度ρ=1.0[kg/m]、
気体中音速C=400[m/s]
であるとする。また、各流量計測値の計測タイミングが流量変動に同期することなく、−q[l/h]〜+q[l/h](qは第1の判定では1、第2の判定では5、第3の判定では19)の範囲内の値を非同期で計測するものとする。
【0038】
例えば、ガスヒートポンプやガスエンジン等の圧力変動(10〜60[Hz]程度)を発生する機器が運転中であるとき、各流量計測値は流量変動の影響を受ける。
【0039】
流路内に例えば400[Pa](片振幅値では200[Pa])のピーク−ピーク変動幅の圧力変動が発生したとすると、流路内に発生する流速変動の変動幅ΔVは、ΔV=ΔP/(ρC)より、1.0[m/s](片振幅値0.5[m/s])となる。これをΔQ=ΔV×Sにより流量に換算すると、ΔQ=360[l/h]となり、振幅値が360[l/h](片振幅値180[l/h])の変動となる。
【0040】
第1の判定は、配管内を流れるガスの流量値が1時間当たり3.0リットルとなる場合に漏洩無しと判定することがないようにするために実行される。
【0041】
いま、図2に示すように、周波数が10[Hz]で2[l/h]の振幅値の流量変動が生じたとすると、図3に示すような確率密度分布となる。この確率密度分布での標準偏差σは計算すると0.707となり、計測をn回行ったときの平均値のばらつきは、標準偏差σ=0.707/(√n)で表される分布をとる。
【0042】
一方、図2に示すような正弦波状の流量変動に2次、3次の高調波が重畳すると、それぞれ図4、図6に示すような流量変動になり、それぞれの確率密度分布は図5,図7に示すようになる。このように、2次、3次の高調波が重畳した場合、ランダムにサンプリングしたときの値が中央に集まる(標準偏差が小さくなる;2次では0.568,3次では0.499)ので、各流量計測値の計測タイミングが流量変動に同期さえしなければ、図2に示すような正弦波状の流量変動の場合よりも早く収束することになる。
【0043】
従って、平均値のばらつきは、図2,図3に対する標準偏差σ=0.707/(√n)を考慮すればよく、これにより、確率Pを求めることができる。この確率Pは、平均化時間において3[l/h]の流量漏洩がある場合に内管漏洩無しと誤って判定してしまう確率として定義される。
【0044】
すなわち、配管内を流れる(微小漏洩している)3[l/h]の微小流量に、±q[l/h]の流動変動が重畳しているとすると、n回の計測により得られる各流量計測値の平均値(図7では「平均流量」)およびその標準偏差は、それぞれ
平均値=3.0[l/h]、
標準偏差σ=0.707q/(√n)
で表される。そして、流量が3[l/h]であるのに、上記流量変動によってその流量が1.5[l/h](漏洩無し判定基準値)以下であると誤って判定される確率P(図7のハッチ領域)は、次式の(数1)で与えられる。
【0045】
【数1】
Figure 0004116822
【0046】
第1の判定の場合には、第1の平均化時間の30秒間毎に判定が実行されることになるので、上記標準偏差σ中のnが15となり、流量変動計測値が2[l/h]以下のときに判定を実行することから、qは1以下となる。この場合、σは0.182547以下となり、上記(数1)で算出される確率Pは、1.11×10−14 [%]となる。そして、30日間を一区切りとするので、実行される判定回数n2は、30日間の2592000秒を第1の平均化時間の30秒間で除して得られる86400回となる。これらから正常に内管漏洩有りと判定することができる確率P2を(1−P)n2により計算すると、P2は99.999999999[%]となる。なお、qが1.4のとき、P2は99.98[%]となる。
【0047】
第2の判定の場合には、第2の平均化時間の5分間毎に判定が実行されることになるので、上記標準偏差σ中のnが150となり、流量変動計測値が10[l/h]以下のときに判定を実行することから、qは5以下となる。この場合、σは0.28863以下となり、上記(数1)で算出される確率Pは、1.01×10−5[%]となる。そして、実行される判定回数n2は8640回となる。これらから正常に内管漏洩有りと判定することができる確率P2を計算すると、P2は99.912[%]となる。
【0048】
第3の判定の場合には、第3の平均化時間の1時間毎に判定が実行されることになるので、上記標準偏差σ中のnが1800となり、流量変動計測値が38[l/h]以下のときに判定を実行することから、qは19以下となる。この場合、σは0.31662以下となり、上記(数1)で算出される確率Pは、1.08×10−4[%]となる。そして、実行される判定回数n2は720回となる。これらから正常に内管漏洩有りと判定することができる確率P2を計算すると、P2は99.922[%]となる。
【0049】
図9に発報の正しさを示す確率P2が99.9[%]以上を満たす場合の、平均化時間に対する片振幅値の変化の様子を示す。また、その場合の具体数値を以下の(表1)に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004116822
【0051】
これら図9および(表1)から、nを大きくして平均化時間を長くすれば、より大きな流動変動にも対応可能となることが分かる。
【0052】
以上、第1実施形態によれば、図9に示す曲線上のいずれかの点(第1実施形態では、平均化時間が30秒間、5分間、1時間の3点)に対応する平均化時間と流量変動値(片振幅値)とを用いて、30日間を一区切りとして判定を実行するので、確率的にほとんど誤りなく内管漏洩警報を発報することができる。つまり、床暖房などを30日間連続運転し、計測により得られる流量計測値が圧力変動の影響を受けたものとなる状況下においても、配管についての漏洩の判定を正確に行うことができる。また、なるべく短時間で漏洩無しと判定することができる。
【0053】
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態の超音波流量計は、第1実施形態との相違点として、場合分けされた第1から第3の判定を、実行順序も場合分けして実行する判定部を備えている。
【0054】
すなわち、第2実施形態では、まず、配管について第1の判定で漏洩の判定を行い、10日間(第1の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、次に、配管について第2の判定で漏洩の判定を行い、10日間(第2の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、次に、配管について第3の判定で漏洩の判定を行い、10日間(第3の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、漏洩有りの判定を下してLED表示などで内管漏洩警報を発報する処理が実行されるのである。
【0055】
第1の判定では、第1の平均化時間(30[s])における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第1の流量変動値(2[l/h])よりも大きいとき、漏洩の判定は実行されない。
【0056】
これに対して、流量変動計測値が2[l/h]以下であるとき、第1の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値(1.5[l/h])以下であれば、漏洩無しと判定される。この場合、マイコン60およびプログラムで構成される判定部は、(内管漏洩)フラグをクリアするとともに、計測開始時点からの経過日数を初期化する。ここで、一般の顧客宅では、夜間にガスを使用しない時間帯が存在し、隣家でガスヒートポンプやガスエンジン等の圧力変動を発生する機器が連続運転していることもないと考えられ、また床暖房などを30日間連続運転する場合があったとしても1時間に7、8分程度の休止時間があるので、通常、この第1の判定で漏洩無しと判定されることになる。
【0057】
しかし、もし10日間(第1の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、第2の判定によって漏洩の判定を行うモードに移行する。第2の判定では、第2の平均化時間(5分間)における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第2の流量変動値(10[l/h])よりも大きいとき、漏洩の判定は実行されない。
【0058】
これに対して、流量変動計測値が10[l/h]以下であるとき、第2の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値(1.5[l/h])以下であれば、漏洩無しと判定される。この場合、判定部は、内管漏洩フラグをクリアするとともに、経過日数を初期化する。ここで、ガスヒートポンプやガスエンジン等の圧力変動を発生する機器が連続運転している隣家から、10[l/h]以下の流動変動を受ける顧客宅では、この第2の判定で漏洩無しと判定されることになる。
【0059】
しかし、この第2の判定でも10日間(第2の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、第3の判定によって漏洩の判定を行うモードに移行する。第3の判定では、第3の平均化時間(1時間)における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、第3の流量変動値(38[l/h])よりも大きいとき、漏洩の判定は実行されない。
【0060】
これに対して、流量変動計測値が38[l/h]以下であるとき、第3の平均化時間における各流量計測値の平均値が漏洩無し判定基準値(1.5[l/h])以下であれば、漏洩無しと判定される。この場合、判定部は、内管漏洩フラグをクリアするとともに、経過日数を初期化する。ここで、ガスヒートポンプやガスエンジン等の圧力変動を発生する機器が連続運転している隣家から、38[l/h]以下の流動変動を受ける顧客宅では、この第3の判定で漏洩無しと判定されることになる。
【0061】
しかし、この第3の判定でも10日間(第3の期間)継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、LED表示などで内管漏洩警報が発報される。この後、判定部は、経過日数を初期化して、再度同様の判定を繰り返し、漏洩無しと判定された時点で内管漏洩警報を解除する。
【0062】
なお、この場合、例えば1秒間の間、シングアラウンドを繰り返すような特別な測定を行い、1回の測定で流量変動の影響を相殺した上で漏洩の判定を行うようにしてもよい。すなわち、例えば、30秒間の平均化時間における平均値が±50[l/h]以内のとき、長時間(1秒程度)、シングアラウンドを繰り返し、流量変動を相殺した上で流量計測値を求めて漏洩の判定を行うようにしてもよい。これでも、漏洩無しと判定することができなかった場合、直ぐに同じ処理を繰り返すのではなく、24時間経過後、30秒間の平均化時間における平均値が再び±50[l/h]以内のときに、上記分散サンプリングなどの特別な計測を繰り返すようにすれば、多くても30日間に10回、10年間に1200回で済むので、電池駆動でも十分実行可能である。また、遮断弁を閉止し、流量変動が上流側から到達しない状況で得られる流量計測値を基に判定を行うようにしてもよい。
【0063】
以上、第2実施形態でも、第1実施形態と同様、床暖房などを30日間連続運転し、計測により得られる流量計測値が圧力変動の影響を受けたものとなる状況下においても、配管についての漏洩の判定を正確に行うことができる。
【0064】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1の平均化時間が30秒間、第1の流量変動値が2リットル、第2の平均化時間が5分間、第2の流量変動値が10リットル、第3の平均化時間が1時間、第3の流量変動値が38リットルになっているが、本発明はそれらの値に限定されるものではなく、例えば図9に示した曲線上のいずれかの点に対応する別の平均化時間および流量変動値の組合せでもよい。
【0065】
また、第1,第2実施形態では、判定部により構成される保安機能が超音波流量計に設けられる構成になっているが、本発明の流量計は、超音波流量計に限らず、例えばフルイディック流量計、あるいはフローセンサを用いた流量計などでもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、配管内を流れる流量の計測を行い、この計測により得られる流量計測値を用いて下流側の配管における漏洩有無の判定を行う保安機能を備えた流量計であって、前記保安機能は、少なくとも所定の判定において、漏洩無し判定用の漏洩無し判定基準値を用いて、所定の測定間隔毎に前記計測により得られる各流量計測値を基に、前記配管について漏洩の判定を行うものであり、前記所定の判定の場合には、10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される所定の平均化時間と、この所定の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記平均化時間に関連した所定の流量変動値とを用いて、前記平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記所定の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記平均化時間における流量変動計測値が前記所定の流量変動値以下であるとき、前記所定の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、所定の期間を一区切りとして、その期間連続して、前記所定の判定で漏洩無しと判定されない結果となった場合に、配管について漏洩有りとする発報を行うので、例えば、床暖房などが30日間略連続的に運転される状況で、さらに計測により得られる流量計測値が隣家からの圧力変動の影響を受けたものとなる状況下においても、配管についての漏洩の判定を正確に行うことができる。
【0067】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の流量計において、前記所定の流量変動値は、前記漏洩無し判定基準値よりも大きい漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる所定の流量変動値であるので、所定の判定により、一区切りの所定の期間連続して漏洩無しと判定されない結果となった場合に、確率的にほとんど誤りなく配管について漏洩有りとする発報を行うことができるとともに、配管内を流れるガスの流量値が漏洩有り判定目安値を超える場合に漏洩無しと判定することがないようにすることができる。
【0068】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の流量計において、前記所定の判定には、複数の判定があり、前記保安機能は、前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、次の判定に移り、前記次の判定においては、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、この判定で漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えて同様の判定処理を繰り返すので、より好適に漏洩の判定を行うことができる。
【0069】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の流量計において、前記保安機能は、前記配管について前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を所定の日数の期間行い、その期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えてこの判定を所定の日数の期間継続して行う同様の判定処理を繰り返すので、流量変動のレベルに合わせて、処理にかかる負荷の小さい順に各判定を順次実行することができる。
【0070】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の流量計において、前記所定の判定には、第1の判定、第2の判定および第3の判定があり、前記保安機能は、前記第1の判定の場合には、10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される第1の平均化時間と、この第1の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第1の流量変動値とを用いて、前記第1の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第1の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第1の平均化時間における流量変動計測値が前記第1の流量変動値以下であるとき、前記第1の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、前記第2の判定の場合には、前記第1の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第2の平均化時間と、この第2の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第2の流量変動値とを用いて、前記第2の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第2の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第2の平均化時間における流量変動計測値が前記第2の流量変動値以下であるとき、前記第2の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、前記第3の判定の場合には、前記第2の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第3の平均化時間と、この第3の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第3の流量変動値とを用いて、前記第3の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第3の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第3の平均化時間における流量変動計測値が前記第3の流量変動値以下であるとき、前記第3の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定するので、より好適に漏洩の判定を行うことができる。
【0071】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の流量計において、前記保安機能は、前記配管について前記第1の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第1の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第2の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第2の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第3の判定で漏洩の判定を行い、所定の日数の第3の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、漏洩有りの判定を下して前記発報を行うので、流量変動のレベルに合わせて、処理にかかる負荷の小さい順に第1から第3の判定を順次実行することができる。
【0072】
請求項7記載の発明は、請求項2から6のいずれかに記載の流量計において、前記漏洩無し判定基準値は1時間当たり1.5リットルであり、前記漏洩有り判定目安値は1時間当たり3.0リットルであるので、ガス配管についての漏洩の判定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の超音波流量計における信号処理回路の構成図である。
【図2】振幅値が2[l/h]となる流量変動の様子を示す図である。
【図3】図2の変動を受けているときに得られる各流量計測値の確率密度分布を示す図である。
【図4】図2の正弦波状の流動変動に2次の高調波が重畳した場合の流動変動の様子を示す図である。
【図5】図4の変動を受けているときに得られる各流量計測値の確率密度分布を示す図である。
【図6】図2の正弦波状の流動変動に3次の高調波が重畳した場合の流動変動の様子を示す図である。
【図7】図6の変動を受けているときに得られる各流量計測値の確率密度分布を示す図である。
【図8】第2、第3の判定による動作原理の説明図である。
【図9】発報の正しさを示す確率が99.9[%]以上を満たす場合の、平均化時間に対する片振幅値の変化の様子を示す図である。
【図10】超音波流量計の構成図である。
【符号の説明】
6A 信号処理回路
61a,61b 超音波送受信回路
62 計測制御回路
63 高周波発振子
64 電池
60 マイコン
60a 計測タイミング生成部
60b 瞬時流量演算部
60c 積算流量演算部
60d バッファ
60e 判定部

Claims (7)

  1. 配管内を流れる流量の計測を行い、この計測により得られる流量計測値を用いて下流側の配管における漏洩有無の判定を行う保安機能を備えた流量計であって、
    前記保安機能は、
    少なくとも所定の判定において、漏洩無し判定用の漏洩無し判定基準値を用いて、所定の測定間隔毎に前記計測により得られる各流量計測値を基に、前記配管について漏洩の判定を行うものであり、
    前記所定の判定の場合には、
    10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される所定の平均化時間と、この所定の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記平均化時間に関連した所定の流量変動値とを用いて、前記平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記所定の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記平均化時間における流量変動計測値が前記所定の流量変動値以下であるとき、前記所定の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、
    所定の期間を一区切りとして、その期間連続して、前記所定の判定で漏洩無しと判定されない結果となった場合に、配管について漏洩有りとする発報を行う
    ことを特徴とする流量計。
  2. 前記所定の流量変動値は、前記漏洩無し判定基準値よりも大きい漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる所定の流量変動値であることを特徴とする請求項1記載の流量計。
  3. 前記所定の判定には、複数の判定があり、前記保安機能は、前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、次の判定に移り、前記次の判定においては、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を行い、この判定で漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えて同様の判定処理を繰り返すことを特徴とする請求項1または2記載の流量計。
  4. 前記保安機能は、前記配管について前記複数の判定のうち最も短い平均化時間の判定で漏洩の判定を所定の日数の期間行い、その期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、これ以降、漏洩無しと判定されるかあるいは最も長い平均化時間の判定に達するまで、残りの判定のうち最も短い平均化時間の判定に順次切り換えてこの判定を所定の日数の期間継続して行う同様の判定処理を繰り返すことを特徴とする請求項3記載の流量計。
  5. 前記所定の判定には、第1の判定、第2の判定および第3の判定があり、前記保安機能は、
    前記第1の判定の場合には、10回以上の計測回数および前記所定の測定間隔から決定される第1の平均化時間と、この第1の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第1の流量変動値とを用いて、前記第1の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第1の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第1の平均化時間における流量変動計測値が前記第1の流量変動値以下であるとき、前記第1の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、
    前記第2の判定の場合には、前記第1の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第2の平均化時間と、この第2の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第2の流量変動値とを用いて、前記第2の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第2の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第2の平均化時間における流量変動計測値が前記第2の流量変動値以下であるとき、前記第2の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定し、
    前記第3の判定の場合には、前記第2の平均化時間と1時間との間の所定の時間に設定された第3の平均化時間と、この第3の平均化時間、前記漏洩無し判定基準値および前記漏洩有り判定目安値から決定され、この漏洩有り判定目安値に対して99%より高い確率で漏洩無しとみなせる第3の流量変動値とを用いて、前記第3の平均化時間における最大の流量計測値および最小の流量計測値から得られる流量変動計測値が、前記第3の流量変動値よりも大きいとき、漏洩の判定を実行せず、前記第3の平均化時間における流量変動計測値が前記第3の流量変動値以下であるとき、前記第3の平均化時間における各流量計測値の平均値が前記漏洩無し判定基準値以下であれば、漏洩無しと判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の流量計。
  6. 前記保安機能は、
    前記配管について前記第1の判定で漏洩の判定を行い、
    所定の日数の第1の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第2の判定で漏洩の判定を行い、
    所定の日数の第2の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、前記配管について前記第3の判定で漏洩の判定を行い、
    所定の日数の第3の期間継続して漏洩の有無を判定しない結果となった場合には、漏洩有りの判定を下して前記発報を行う
    ことを特徴とする請求項5記載の流量計。
  7. 前記漏洩無し判定基準値は1時間当たり1.5リットルであり、前記漏洩有り判定目安値は1時間当たり3.0リットルであることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の流量計。
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