JP4115907B2 - エンジンのカム角センサ取付構造及び該構造を採用したエンジンを備える自動二輪車 - Google Patents

エンジンのカム角センサ取付構造及び該構造を採用したエンジンを備える自動二輪車 Download PDF

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Description

本願発明は、デコンプピンを有する種類のデコンプ装置を備えたエンジン用のカム角センサ取付構造及び該構造を採用したエンジンを備える自動二輪車に関する。
内燃機関には、動弁系のカム軸(又はカムプーリ)の回転を検出するカム角センサ(CAM ANGLE SENSOR)が設けられているが、このカム角センサは、クランク角センサと同様、検出結果をECU(Electronic Control Unit)に与え、ECUによって点火時期が決定される。なお、カム角センサは、クランク角センサと呼ばれる場合もある。
カム角センサには、種々のタイプがあり、例えば、カム軸に連動するクランク軸に取り付けられた円盤の回転を検出するもの、また、カム軸上に形成された異形部の通過によりカム軸の回転を検出するもの等がある。カム角センサとしては、軸上の回転物の通過を検出することから、低回転から波形がひろえるアナログ方式の回転センサが用いられ、より具体的には、例えば、電磁ピックアップが用いられる。
ところで、特許文献1には、内燃機関(エンジン)の動弁系のカムシャフトに端部から軸方向に溝を形成し、この溝にデコンプピンを摺動自在に配置したものが開示されている。該デコンプピンは、カムシャフトの端部から突出するようにバネにより付勢されており、デコンプピン作動機構によりバネの付勢力に抗して押し込むことにより、カムシャフト上に形成された排気バルブを作動させるためのカム面に侵入し、デコンプピン作動機構の非作動状態にてバネの付勢力によりカム面から退避するように移動する。デコンプピンは、この排気側のカム面よりも所定量だけ排気バルブを開放するようにカムシャフトの径方向に突出しており、これによりカム面への侵入時に排気バルブを所定量作動してデコンプを行なうことができるようになっている。このデコンプ装置によれば、内燃機関のエンジン回転数に依存せずに様々な状況においてデコンプ動作をコンパクトな構成で達成することができるという利点がある。
特開2000-371820号公報
しかしながら、カム角センサをカム軸側に設ける場合には、このようなデコンプピンを有する種類のデコンプ装置においては、デコンプピンがカム面の形成位置にまで至っているため、冒頭に記述したようなカム面やその周囲のカム軸上に異形部及びこの通過を検出するためのカム角センサを配置することは、ますます困難となる。
本願発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、デコンプピンを有する種類のデコンプ装置においても、この種類のデコンプ装置の効果を享受しつつ、カム面やその周囲のカム軸上に異形部及びこの通過を検出するためのカム角センサを配置する必要なく、カム軸に偏心して設けられたデコンプピンを有効利用してカム角を検出することができるカム角センサ取付構造及び該構造を採用したエンジンを備える自動二輪車を提供することを目的とする。
本願発明に係るエンジンのカム角センサ取付構造は、動弁系のカム軸外周の圧縮行程に対応する周方向範囲内に配設され、排気カム面の基礎面よりもカム軸径方向の外方に張り出すと共に、カム軸芯に偏心してカム軸芯方向に移動可能に支持されたデコンプピンと、該デコンプピンを、排気カム面に当接する排気側タペットの底面範囲内に進入するデコンプ作動位置と、前記底面範囲外に退出してデコンプピンの一端部がカム軸の端面から突出するデコンプ非作動位置との間で移動させるデコンプピン駆動機構と、カム角センサとを備えるエンジンであって、
前記カム角センサは、前記カム軸の端面から突出する前記デコンプピンの一端部に臨んで配置されていることを特徴とする。
上記発明によれば、デコンプピンを有する種類のデコンプ装置においても、この種類のデコンプ装置の効果を享受しつつ、カム面やその周囲のカム軸上に異形部及びこの通過を検出するためのカム角センサを配置する必要なく、カム軸に偏心して設けられたデコンプピンを有効利用してカム角を検出することができる。
また、上記発明においては、カム角センサを、カム軸の端面から突出するデコンプピンの端面に対向して配置することが可能であり、また、カム軸の端面から突出するデコンプピンの一端部に側方から臨んで配置することも可能である。
さらに、上記のようなカム角センサを複数個備え、その配置位置を互いに異ならせることも可能である。これにより、センサ出力に冗長性を持たせることができる。
上記カム角センサは、カム軸カバーに設けることが可能である。これにより、カム軸を潤滑するオイルがカム軸を支持する壁によって遮蔽されるので、センサ検出面を清浄に保つことができる。
また、上記カム角センサは、ホール素子,電磁ピックアップ等の非接触式のセンサから構成することが望ましい。
以下、本願発明に係るカム角センサ取付構造について、大型自動二輪車のエンジンを例として添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、本実施の形態において用いる方向の概念は、基本的に、当該自動二輪車の通常の向きを基準としてあり、特別な場合には、その旨記述してある。
図1は、本願発明の実施の形態に係る大型自動二輪車の左側面図である。図1に示すように、本実施の形態の自動二輪車100は、パイプ材からなる車体フレーム102の中央部にV型2気筒の4サイクルOHVエンジンEが搭載され、フレーム102の前部には、比較的大きなキャスター角をもって略上下方向へ延びるステアリングコラム(図示せず)が軸支されている。このステアリングコラムの上端には、操舵用のバーハンドル103が固定されている一方、前記ステアリングコラムの下部は、一対のフロントフォーク104(図1においては左側フロントフォークのみを図示)を介して、これらの間に配設された操向用の前輪105に連結されている。
これにより、フレーム102の後側上部に取り付けられたシート108上に運転者が跨ってハンドル103を握り、該ハンドル103を前記ステアリングコラム回りに回動させることによって前輪105を左右に操向することができるようになっている。
また、フレーム102の後部には、リアサスペンション106(一部のみを図示)を介して後輪107が連結されており、この後輪107は、エンジンEによって、変速装置(トランスミッション),ベルト式駆動装置等を介して駆動されるようになっている。
図2は、図1に示したエンジンE及びその吸排気バルブ機構の概要を示している。仮想線で示すエンジンEは、クランクケース3の上側に前傾姿勢の第1気筒(前気筒)1と後傾姿勢の第2気筒(後気筒)2とを備え、各気筒1,2のシリンダヘッド5には、それぞれ吸気バルブ8と排気バルブ9とが配置され、ヘッドカバー6内には、吸気バルブ8と排気バルブ9とにそれぞれ係合するロッカーム11,12が配置されている。
クランクケース3内には、クランク軸16の上方に第1気筒用のカム軸17と第2気筒用のカム軸18が前後に間隔をおいて平行に配置されている。各カム軸17,18の軸端(右端)に固着されたチェーンスプロケット23,24は、カム駆動チェーン25によりクランク軸16のチェーンスプロケット22に連動連結しており、クランク軸16の回転が1/2に減速されて各カム軸17,18に伝達されるようになっている。
各気筒1,2の排気側ロッカーアーム12,12は、それぞれ排気側プッシュロッド21,21及び排気側タペット31,31を介して第1,第2気筒用カム軸17,18に連動している。また、各気筒1,2の吸気側ロッカーアーム11,11は、それぞれ吸気側プッシュロッド20,20及び吸気側タペット30,30(図2では排気側タペット31で隠れている)を介してそれぞれ第1,第2気筒用のカム軸17,18に連動している。
図3は、図2のIII-III断面拡大図であり、各カム軸17,18のクランクケース3内側の端部(左端部)は、軸受27,27を介してそれぞれクランクケース3に支持され、右端部は、クランクケース3の右端壁に固定されたカム軸支持ケース28に軸受29,29を介して支持されている。各カム軸17,18の途中には、右から順に排気カム面36,36と、吸気カム面35,35とがそれぞれ形成されている。排気カム面36,36には、排気側タペット31,31が当接し、吸気カム面35,35には、吸気側タペット30,30がそれぞれ当接している。カム軸支持ケース28の右端面には、両カム軸17,18の右端部を覆うカム軸カバー40が締結されている。
図7(a)及び(b)は、第1気筒用カム軸17の断面図であり、カム軸17に形成された軸芯孔41には、断面円形のガイドロッド42がカム軸芯方向移動可能に嵌合している。カム軸17の外周面には、カム軸芯方向の直線状の溝43が形成され、該溝43に、デコンプピン44がカム軸芯方向移動可能に嵌合している。両ロッド42,44は、カム軸17の右端面より右方に突出しており、カム軸芯方向と直角な連結ピン45により軸芯方向一体移動可能に連結されている。
デコンプピン44は、図7(a)に示すように、その左端部分が排気側タペット31の底面31aの範囲内に進入するデコンプ作動位置から、図7(b)に示すように、排気側タペット31の底面31aの範囲からカム軸芯方向に外れるデコンプ非作動位置に亘って、ストロークSだけカム軸芯方向に移動自在となっている。デコンプピン44の左側1/3程度は、断面形状が真円に形成されているが、右側2/3程度は、軸受29に接触しないように、カム軸径方向の外方側の部分を平面状に切り取っており、断面形状が部分円状になっている。
図8は、図7(a)のVIII-VIII断面図であり、溝43及びデコンプピン44は、少なくとも圧縮行程に対応する周方向の範囲内に配置され、本実施の形態では、排気カム面36のカム頂部P1から概ね180°の角度を隔てた基礎面上に形成されており、且つ、基礎面に対してカム軸径方向の外方に所定量L1だけ張り出している。この張出量L1は、例えば0.5 mm〜1 mm程度である。Q1はデコンプ作用開始位置、Q2はデコンプ作用終了位置をそれぞれ示し、回転角θ1の範囲で1回のデコンプ動作が行なわれる。
なお、吸気カム面35のカム頂部P2は、前記排気カム面36のカム頂部P1に対して回転方向Rの後方側に概ね90°程度ずれて位置している。
図3に戻り、第2気筒用のカム軸18も第1気筒用のカム軸17と同じ構造となっており、外周面にカム軸芯方向移動可能なデコンプピン44を備え、軸芯部にカム軸芯方向移動可能なガイドロッド42を備え、両ロッド42,43は、連結ピン45により連結されている。
第1,第2気筒用の両ガイドロッド42,42の右端部には、環状溝47,47が形成され、該環状溝47,47には、両ガイドロッド42,42間に亘る伝達レバー46が係合している。伝達レバー46の前後方向幅の中央部には、伝達ロッド49が係合すると共に、伝達レバー46及び伝達ロッド49を軸芯方向の右方に付勢するコイルばねからなるリターンばね50が当接している。リターンばね50は、カム軸支持ケース28に形成されたばね収納凹部52内に縮設されている。伝達ロッド49は、カム軸芯方向の右方に延び、カム軸カバー40に形成されたボス部40aに、カム軸芯方向移動可能に支持されている。ボス部40aと伝達ロッド49との間には、シール53が嵌着されている。
図4は、図3のIV-IV断面図であり、伝達レバー46の前後端部には、下向きに開くU形切欠き54,54が形成されている。該U形切欠き54,54は、両ガイドロッド42,42の各環状溝47,47に嵌合しており、これにより、各ガイドロッド42,42は、カム軸芯方向には伝達レバー46と一体的に移動するが、各カム軸芯O1,O2回りには伝達レバー46に対して回転自在となっている。即ち、ガイドロッド42,42は、それぞれ各カム軸17,18と共にカム軸芯回りに回転できるようになっている。
図9は、カム軸支持ケース28の右側面図であり、カム軸支持ケース28の下半部には、前後のカム軸支持孔56間に対応する前後方向位置にソレノイド取付座57が形成されており、該取付座57は、上下方向に長い長方形状に形成されると共に、雌ねじ孔58を有する複数(例えば4個)の取付ボス部59が形成されている。
図5は、図4のV-V断面図であり、カム軸支持ケース28のソレノイド取付座57にはアクチュエータとして電磁式のソレノイド61が載置されており、ソレノイド61は、その可動鉄芯(移動ロッド)62がカム軸芯方向と直角で、且つ、上向きに突出する姿勢で配置され、上下一対の締結具64により取付座57に締着されている。締結具64は、前記取付ボス部59にボルト69により固定されている。
上側の締結具64には、レバーホルダ65が一体に形成されており、該レバーホルダ65には、支持ピン66を介してL字形のベルクランク67が回動自在に支持されている。ベルクランク67は、上方に延びる第1の腕部67aと、カム軸芯O2と概平行に可動鉄芯62側(左側)に延びる第2の腕部67bとを一体に備えており、第1の腕部67aの上端部は、伝達ロッド49の右端面に係合し、第2の腕部67bの先端部は、可動鉄芯62の上端部に設けられた係合ピン68にそれぞれ係合している。
可動鉄芯62の上端部は、割り溝70が形成されることにより二股状に形成されており、該割り溝70を直角に横切るように前記係合ピン68が架設され、割り溝70内にベルクランク67の第2の腕部67bが差し込まれている。
カム軸支持ケース28の右端面には、ソレノイド61,ベルクランク67,及びカム軸カバー40を覆うソレノイドカバー72が締着されている。
図6において、ソレノイド61がON時(通電時)には、可動鉄芯62は、実線で示すように下方に引っ込み、係合ピン68を介してベルクランク67を矢印B1方向に回動するようになっている。ベルクランク67の矢印B1方向への回動により、伝達ロッド49及び伝達レバー46をリターンばね50に抗して左方に押し込み、図3の両ガイドロッド42,42及び両デコンプピン44,44を、左方のデコンプ作動位置まで押し込むようになっている。
一方、図6のソレノイド61がOFF時(非通電時)には、可動鉄芯62は、仮想線で示すように上方に突出し、割り溝70の底縁でベルクランク67を矢印B2方向に回動し、伝達ロッド49に対する押込み力を解除するようになっている。これにより、リターンばね50の弾性力により伝達ロッド49及び伝達レバー46が右方に戻り、図3の両ガイドロッド42,42及び両デコンプピン44,44を、右方のデコンプ非作動位置まで戻すようになっている。
図6において、ソレノイド61にはこれを各種条件によってON/OFF制御するためにコントローラ80が接続し、該コントローラ80には、エンジン回転数検出装置81が接続すると共にデコンプ作動回転数の設定調節部82が接続している。また、これらに加えて、任意にソレノイド61をON/OFF操作できる手動式切換スイッチ83,車速センサー84,又は減速度検出装置85等を接続することもできる。
設定調節部82により、デコンプ作動回転数N1を所望の値に設定することができ、設定されたデコンプ作動回転数N1以は、コントローラ80の内蔵メモリ80aに記憶される。図11のフローチャートに示すように、検出されたエンジン回転数NDが、設定されたデコンプ作動回転数N1以下では、ソレノイド61はONとなり、設定されたデコンプ作動回転数N1を超えると、ソレノイド61はOFFとなるようにコントローラ80が制御する(ステップS1-S5)。
デコンプ作動回転数N1は、通常は、始動性の向上を図るべく、アイドリング回転数よりは低く、スタータモータによる始動時回転数よりは大きく設定されている。
スタータによる機関始動時は、エンジン回転数検出装置81により検出されるエンジン回転数NDは、デコンプ作動回転数N1より低い状態であるので、図6のソレノイド61は、実線で示すように下方に引っ込んだON状態となり、ベルクランク67、伝達ロッド49及び伝達レバー46を介し、図3の両ガイドロッド42,42及び両デコンプピン44,44を左方のデコンプ作動位置まで移動する。
そうすると、圧縮行程時には、図7(a)に示すように、デコンプピン44により排気側タペット31が基礎面よりも所定量L1だけリフトされ、図2の排気側プッシュロッド21,21及び排気側ロッカーアーム12,12を介して各排気バルブ9,9が開き、気筒1,2内の圧縮圧力を抜く。
エンジンEが始動して自己回転し、実使用回転数(アイドリング回転時〜全負荷回転時)になると、エンジン回転数NDは、デコンプ作動回転数N1を超えているので、図6のソレノイド61は、仮想線で示すように、上方に突出してOFF状態となり、ベルクランク67を矢印B2方向に回動して、伝達ロッド49に対する押込み力を解除する。
これにより、リターンばね50の弾性力により伝達ロッド49及び伝達レバー46が右方に戻り、両ガイドロッド42,42及び両デコンプピン44,44を右方のデコンプ非作動位置まで移動し、デコンプを解除する。
そうすると、図7(b)に示すように、圧縮行程時でもデコンプピン44と排気側タペット31は当接せず、気筒内の圧縮圧力は抜けない。
なお、本実施の形態で示したようなスライド方式のデコンプピン44を利用する構造は、図示のようなV型2気筒エンジン以外の複数気筒エンジン、又は単気筒エンジンにも適用可能である。
また、デコンプピン44を駆動するためのアクチュエータは、ソレノイド61に限定されるものではなく、回転モータ,リニアモータ,又は油圧式シリンダ等を利用することもできる。
さらに、デコンプピン44として、上記の実施の形態においては、断面円形のデコンプピン44を用いているが、プレート状のデコンプピンを利用することも可能である。
図7(a)及び(b)に示すように、カム角センサ90は、カム軸カバー40を貫通してデコンプピン44に臨んで配設されている(図10も参照)。カム角センサ90は、例えば電磁ピックアップ又はホール素子から構成されるが、サイズの観点からはホール素子のほうが望ましい。なお、図10においては、ソレノイド61は、上下一体とされた締結具64aにより取り付けられている。
カム角センサ90は、その検出面90aをデコンプピン44に臨むように向けられるが、例えば、図7(a)及び(b)において実線で示すように、カム軸17の端面から突出するデコンプピン44の端面に対向して配置してもよいし、また、破線で示すように、デコンプピン44の突出部に対して側方から望むように配置してもよい。
さらには、複数個のカム角センサ90を配置することも可能であり、これによりセンサ出力に冗長性を持たせることができる。複数個のカム角センサ90は、例えば、上記前者のようにデコンプピン44の端面に対向して配置する場合には、デコンプピン44がカム軸17と共に回転する軌道上にずらして(図においては180°回転位置をずらしてある)配置されてもよいし、また、同様に、上記後者のようにデコンプピン44の突出部に対して側方から望むように配置する場合であっても、デコンプピン44がカム軸17と共に回転する軌道外方に沿ってずらして配置されてもよい。また、これら前者及び後者の配置を組み合わせてもよい。
また、カム角センサ90は、前述したように、カム軸カバー40を貫通してその検出面90aをカム軸カバー40内部に向けてあるので、該検出面90aは、カム軸17を潤滑するオイルからカム軸支持ケース28及び軸受29により隔離されており、常に清浄な状態を保たれる。さらに、カム角センサ90の残りの部分及びそのケーブル91は、カム軸カバー40の外側であってソレノイドカバー72の内側の清浄な空間に配されている。
なお、本実施の形態においては、一方のカム軸17にのみカム角センサ90を配置するように説明したが、勿論、他方のカム軸18に配置することも可能である。
以上のように、本願発明に係るエンジンのカム角センサ取付構造及び該構造を採用したエンジンを備える自動二輪車によれば、デコンプピンを有する種類のデコンプ装置においても、この種類のデコンプ装置の効果を享受しつつ、カム面やその周囲のカム軸上に異形部及びこの通過を検出するためのカム角センサを配置する必要なく、カム軸に偏心して設けられたデコンプピンを有効利用してカム角を検出することができる等、本願発明は優れた効果を奏する。
本願発明の実施の形態に係るエンジンのカム角センサ取付構造を採用したアメリカンタイプの大型自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。 図1に示したエンジン及びその吸排気バルブ機構の概略を示す右側面図である。 図2のIII-III断面拡大図に相当し、デコンプ装置が取り付けられたカム軸の水平断面図である。 図3のIV-IV断面図である。 図4のV-V断面図である。 図4のVI-VI断面図である。 図4のVII-VII断面拡大図であり、(a)はデコンプ時の状態を示し、(b)はデコンプ解除時の状態をそれぞれ示してある。 図7(a)のVIII-VIII断面図である。 カム軸支持ケースの右側面図である。 カム軸支持ケースに、アクチュエータと、カム角センサとが取り付けられた上体を示す右側面図である。 図6に示したコントローラによるデコンプ制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 前気筒
2 後気筒
5 シリンダヘッド
6 ヘッドカバー
8 吸気バルブ
9 排気バルブ
11 吸気側ロッカーアーム
12 排気側ロッカーアーム
16 クランク軸
17 第1気筒用カム軸
18 第2気筒用カム軸
20 吸気側プッシュロッド
21 排気側プッシュロッド
22 チェーンスプロケット
23 チェーンスプロケット
24 チェーンスプロケット
25 カム駆動チェーン
28 カム軸支持ケース
29 軸受
30 吸気側タペット
31 排気側タペット
31a 底面
35 吸気カム面
36 排気カム面
40 カム軸カバー
42 ガイドロッド
44 デコンプピン
45 連結ピン
46 伝達レバー
49 伝達ロッド
50 リターンばね
61 ソレノイド
72 ソレノイドカバー
90 カム角センサ
90a 検出面
91 ケーブル
100 自動二輪車
E エンジン

Claims (8)

  1. 動弁系のカム軸外周の圧縮行程に対応する周方向範囲内に配設され、排気カム面の基礎面よりもカム軸径方向の外方に張り出すと共に、カム軸芯に偏心してカム軸芯方向に移動可能に支持されたデコンプピンと、該デコンプピンを、排気カム面に当接する排気側タペットの底面範囲内に進入するデコンプ作動位置と、前記底面範囲外に退出してデコンプピンの一端部がカム軸の端面から突出するデコンプ非作動位置との間で移動させるデコンプピン駆動機構と、カム角センサとを備えるエンジンであって、
    前記カム角センサは、前記カム軸の端面から突出する前記デコンプピンの一端部に臨んで配置されている
    ことを特徴とするエンジンのカム角センサ取付構造。
  2. 前記カム角センサは、前記カム軸の端面から突出する前記デコンプピンの端面に対向して配置されていることを特徴とする請求項1記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  3. 前記カム角センサは、前記カム軸の端面から突出する前記デコンプピンの一端部に側方から臨んで配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  4. 前記カム角センサを複数個備え、その配置位置を互いに異ならせてあることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  5. 前記カム角センサは、カム軸カバーに設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  6. 前記カム角センサは、ホール素子からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  7. 前記カム角センサは、電磁ピックアップからなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のエンジンのカム角センサ取付構造。
  8. 上記請求項1乃至7の何れかに記載のカム角センサ取付構造を採用したエンジンを備えることを特徴とする自動二輪車。
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