JP4532026B2 - 内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

内燃機関のデコンプ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、内燃機関の圧縮行程時に燃焼室の圧縮圧力を抜くことにより、始動性等を向上させることができる内燃機関のデコンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関のデコンプ装置として、たとえば特公平2−25007号公報に記載されている遠心錘式デコンプ装置がある。この遠心錘式デコンプ装置は、図10のように、排気カム面110を有するカム軸101において、カム軸101の軸端部に、遠心力によりカム軸径方向の外方に開く複数の遠心錘103,104を回動自在に取り付け、一つの遠心錘104にデコンプカム部105を設けると共に、両遠心錘103,104をばね(図示せず)により径方向の内方に付勢してある。
【0003】
機関始動時には、デコンプカム部105により、圧縮行程時に排気側タペット106を所定量L1だけ排気カム面110の基礎面より押し上げ、これにより燃焼室の圧縮圧力を抜いている。機関回転数が実使用回転数まで上昇すると、遠心力により遠心錘103,104がばねに抗して外方向に開くことにより、デコンプカム部105が排気カム面110の基礎面内に引っ込み、デコンプ作用が解除されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記にような遠心錘式デコンプ装置を備えた内燃機関では、次のような課題がある。
(1)デコンプ動作回転数は、遠心錘103,104の遠心力とばねの釣り合いにより決定されるが、これはデコンプ装置組付時の当初の設定により一義的に決定され、途中で変更することは困難である。変更しようとすれば、たとえばデコンプ装置を一旦分解して遠心錘103,104の重量を変更するか、ばねの荷重を変更しなければならず、変更に手間がかかる。
【0005】
(2)デコンプ動作終了回転数は、通常、始動時回転数(スタータによる回転時)よりも高く、アイドリング回転数よりも低く設定されていることが多いが、アイドリング回転数が始動時回転数に接近している場合に、製作時における遠心錘の取付け位置、寸法又はばね荷重等のばらつきにより、デコンプ動作回転数にばらつきが生じると、始動後のアイドリング回転時にもデコンプ作用が継続することがある。
【0006】
ちなみに遠心錘式デコンプ装置では、水平に配置されているカム軸101に対して遠心錘103,104が垂直面内で回転することになるため、遠心錘103,104が下降している時と上昇している時では重力の影響により遠心力が変化し、上記デコンプ動作回転数を所望の値に設定することがむつかしくなる。
【0007】
(3)単気筒内燃機関の場合は、遠心錘式デコンプ装置を一個備えるだけで良いが、V型2気筒内燃機関にように各気筒がそれぞれ独立して存在しているような内燃機関では、各気筒用のカム軸それぞれに遠心錘式デコンプ装置を備えなければならず、部品点数及び重量が増加すると共に、内燃機関が大型化する。
【0008】
(4)遠心錘式デコンプ装置では、組付当初に設定されたデコンプ動作回転数に基づいた制御しか行なえず、別の回転数値あるいは回転数以外の条件で制御することはできない。たとえば内燃機関の停止操作時に利用する場合であって、アイドリング回転数よりも高い回転数でデコンプを作動させたい場合、又は反対に、デコンプを解除した状態で機関停止まで移行したい場合等に対応することができない。
【0009】
【発明の目的】
本願発明は、デコンプ装置をコンパクトに配置できるようにすると共に、デコンプが作動する各種条件を広げることができる内燃機関のデコンプ装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1記載の発明にかかる内燃機関のデコンプ装置は、複数の気筒を備えると共に各気筒用に複数のカム軸を備え、前記各カム軸の外周に、圧縮行程に対応する前記カム軸の周方向範囲内に位置して圧縮行程時に排気側タペットを押上可能なデコンプ用の押上部材をそれぞれ配置し、前記各押上部材は、前記各カム軸の外周にカム軸芯方向に直線状に形成された各溝に、カム軸芯方向に移動操作可能に嵌合すると共に、各排気カム面に当接する各排気側タペットの底面範囲内に突入するデコンプ作用位置から上記底面範囲外に退くデコンプ非作用位置の間で移動自在となっており、前記複数のカム軸に対してカム軸芯方向の一方端側に共通のアクチュエータを配置し、該アクチュエータを前記複数のカム軸の前記各押上部材に連動連結し、1つの前記アクチュエータにより複数の気筒をデコンプするようにし、前記各カム軸の軸芯孔にそれぞれ円柱状のガイドロッドをカム軸芯方向移動可能に嵌合し、前記各ガイドロッドと前記各押上部材とを、それぞれ連結部材により一体的に軸芯方向移動可能に連結し、前記各ガイドロッドを、一つの前記アクチュエータで移動操作することにより、連結部材を介して各押上部材をカム軸芯方向に移動するようにしている。
【0011】
これにより、簡単な構造でコンパクトにデコンプ装置を備えることができ、また、デコンプ作動回転数を調節することも遠心錘式に比べると簡単に行なえるようになり、さらに回転数以外の条件でデコンプ装置をON、OFF切り換えるようにすることも可能となる。加えて、複数気筒内燃機関において、デコンプ装置用の部品を節約し、かつ、内燃機関をコンパクトにすることができる。
【0013】
回転するカム軸の外周に配置した押上部材に対して、ガイドロッドはカム軸と一緒に自転するので、外部からのガイドロッドの移動操作を円滑に行なうことができる。
【0014】
請求項2記載の発明にかかる内燃機関のデコンプ装置は、請求項1記載の内燃機関のデコンプ装置において、アクチュエータとしてソレノイドを備え、該ソレノイドをその可動鉄芯がカム軸と直交する姿勢に配置してあることを特徴としている。
【0015】
これにより、内燃機関のカム軸芯方向の幅をコンパクトにすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[内燃機関全体及び吸、排気弁機構]
図1は本願発明が適用される自動二輪車用V型2気筒内燃機関及びその吸、排気弁機構の概要を示しており、仮想線で示す内燃機関は、クランクケース3の上側に前傾姿勢の第1気筒(前気筒)1と後傾姿勢の第2気筒(後気筒)2を備え、各気筒1,2のシリンダヘッド5にはそれぞれ吸気弁8と排気弁9が配置され、ヘッドカバー6内には吸気弁8と排気弁9にそれぞれ係合するロッカーム11,12が配置されている。
【0019】
クランクケース3内には、クランク軸16の上方に第1気筒用のカム軸17と第2気筒用のカム軸18が前後に間隔をおいて平行に配置されており、各カム軸17,18の軸端(右端)に固着されたチェーンスプロケット23,24は、カム駆動チェーン25によりクランク軸16のチェーンスプロケット22に連動連結しており、クランク軸16の回転が1/2に減速されて各カム軸17,18に伝達されるようになっている。
【0020】
各気筒1,2の排気側ロッカーアーム12,12は、それぞれ排気側プッシュロッド21,21及び排気側タペット31、31を介して第1,第2気筒用カム軸17,18に連動し、各気筒1,2の吸気側ロッカーアーム11,11は、それぞれ吸気側プッシュロッド20,20及び吸気側タペット30,30(図1では排気側タペット31で隠れている)を介してそれぞれ第1,第2気筒用のカム軸17,18に連動している。
【0021】
図2は図1のII-II断面拡大図であり、各カム軸17,18のクランクケース内側の端部(左端部)は軸受27,27を介してそれぞれクランクケース3に支持され、右端部はクランクケース3の右端壁に固定されたカム軸支持ケース28に軸受29,29を介して支持されている。各カム軸17,18の途中には右から順に排気カム面36、36と吸気カム面35,35がそれぞれ形成されている。排気カム面36,36には排気側タペット31,31が当接し、吸気カム面35,35には吸気側タペット30,30が当接している。カム軸支持ケース28の右端面には両カム軸17,18の右端部を覆うカム軸カバー40が締結されている。
【0022】
[デコンプ装置]
図6は第1気筒用カム軸17の断面図であり、カム軸17に形成された軸芯孔41には断面円形のガイドロッド42がカム軸芯方向移動可能に嵌合している。カム軸17の外周面にはカム軸芯方向の直線状の溝43が形成され、該溝43に、デコンプ用の押上部材として、押上ロッド44がカム軸芯方向移動可能に嵌合している。両ロッド42,44はカム軸17の右端面より右方に突出しており、カム軸芯方向と直角な連結ピン45により軸芯方向一体移動可能に連結されている。
【0023】
押上ロッド44は、図6のようにその左端部分が排気側タペット31の底面31aの範囲内に突入するデコンプ作用位置から、図7のように排気側タペット31の底面31aの範囲からカム軸芯方向に外れるデコンプ非作用位置に亘って、ストロークSだけカム軸芯方向に移動自在となっている。押上ロッド44の左側1/3程度は断面形状が真円に形成されているが、右側2/3程度は軸受29に接触しないように、カム軸径方向の外方側の部分を平面状に切り取っており、断面形状が部分円状になっている。
【0024】
図8は図6のVIII-VIII断面図であり、溝43及び押上ロッド44は、少なくとも圧縮行程に対応する周方向の範囲内に配置されており、該実施の形態では排気カム面36のカム頂部P1から概ね180°の角度を隔てた基礎面上に形成されており、かつ、基礎面に対してカム軸径方向の外方に所定量L1だけ張り出している。この張出量L1は、たとえば0.5mm〜1mm程度である。Q1はデコンプ作用開始位置、Q2はデコンプ作用終了位置を示し、回転角θ1の範囲で1回のデコンプ動作が行なわれる。
【0025】
なお、吸気カム面35のカム頂部P2は、前記排気カム面36のカム頂部P1に対して回転方向Rの後方側に概ね90°程度ずれて位置している。
【0026】
図2に戻り、第2気筒用のカム軸18も第1気筒用のカム軸17と同じ構造となっており、外周面にカム軸芯方向移動可能な押上ロッド44を備え、軸芯部にカム軸芯方向移動可能なガイドロッド42を備え、両ロッド42,43は連結ピン45により連結されている。
【0027】
第1,第2気筒用の両ガイドロッド42,42の右端部には環状溝47,47が形成され、該環状溝47、47には両ガイドロッド42,42間に亘る伝達レバー46が係合しており、伝達レバー46の前後方向幅の中央部には伝達ロッド49が係合すると共に、伝達レバー46及び伝達ロッド49を軸芯方向の右方に付勢するリターンばね50が当接している。リターンばね50はカム軸支持ケース28に形成されたばね収納凹部52内に縮設されている。伝達ロッド49はカム軸芯方向の右方に延び、カム軸カバー40に形成されたボス部40aに、カム軸芯方向移動可能に支持されている。ボス部40aと伝達ロッド49の間にはシール53が嵌着されている。
【0028】
図3は図2のIII-III断面図であり、伝達レバー46の前後端部には下向きに開くU形切欠き54、54が形成されており、該U形切欠き54、54が両ガイドロッド42,42の各環状溝47、47に嵌合しており、これにより各ガイドロッド42,42はカム軸芯方向には伝達レバー46と一体的に移動するが、各カム軸芯O1、O2回りには伝達レバー46に対して回転自在となっている。すなわちガイドロッド42,42はそれぞれ各カム軸17,18と共にカム軸芯回りに回転(自転)できるようになっている。
【0029】
図9はカム軸支持ケース28の右側面図であり、カム軸支持ケース28の下半部には、前後のカム軸支持孔56間に対応する前後方向位置にソレノイド取付座57が形成されており、該取付座57は上下方向に長い長方形状に形成されると共に、めねじ孔58を有する複数(たとえば4個)の取付ボス部59が形成されている。
【0030】
図4は図3のIV-IV断面図であり、カム軸支持ケース28のソレノイド取付座57にはアクチュエータとして電磁式のソレノイド61が載置されており、その可動鉄芯(移動ロッド)62がカム軸芯方向と直角で、かつ、上向きに突出する姿勢で配置され、上下一対の締結具64により取付座57に固定されている。締結具64は前記取付ボス部59にボルト69により締着されている。
【0031】
上側の締結具64にはレバーホルダー65が一体に形成されており、該レバーホルダー65には支持ピン66を介してL字形のベルクランク67が回動自在に支持されている。ベルクランク67は上方に延びる第1の腕部67aと、カム軸芯O2と概平行に可動鉄芯62側(左側)に延びる第2の腕部67bを一体に備えており、第1の腕部67aの上端部は伝達ロッド49の右端面に係合し、第2の腕部67bの先端部は、可動鉄芯62の上端部に設けられた係合ピン68に係合している。
【0032】
可動鉄芯62の上端部は割り溝70が形成されることにより二股状に形成されており、該割り溝70を直角に横切るように前記係合ピン68が架設され、割り溝70内にベルクランク67の第2の腕部67bが差し込まれている。
【0033】
カム軸支持ケース28の右端面には、ソレノイド61、ベルクランク67及びカム軸カバー40を覆うソレノイドカバー72が締着されている。
【0034】
[ソレノイドの機能]
図5において、ソレノイド61がON時(通電時)には、可動鉄芯62は実線で示すように下方に引っ込み、係合ピン68を介してベルクランク67を矢印B1方向に回動するようになっている。ベルクランク67の矢印B1方向への回動により、伝達ロッド49及び伝達レバー46をリターンばね50に抗して左方に押し込み、図2の両ガイドロッド42、42及び両押上ロッド44,44を、左方のデコンプ作用位置まで押し込むようになっている。
【0035】
一方、図5のソレノイド61がOFF時(非通電時)には、可動鉄芯62は仮想線で示すように上方に突出し、割り溝70の底縁でベルクランク67を矢印B2方向に回動し、伝達ロッド49に対する押込み力を解除するようになっている。これにより、リターンばね50の弾性力により伝達ロッド49及び伝達レバー46が右方に戻り、図2の両ガイドロッド42,42及び両押上ロッド44、44を、右方のデコンプ非作用位置まで戻すようになっている。
【0036】
[ソレノイドの制御]
図5において、ソレノイド61にはこれを各種条件によってON、OFF制御するためにコントローラ80が接続し、該コントローラ80には、機関回転数検出装置81が接続すると共にデコンプ作動回転数の設定調節部82が接続している。また、これらに加えて、任意にソレノイド61をON、OFF操作できる手動式切換スイッチ83、車速センサー84あるいは減速度検出装置85等を接続することもできる。
【0037】
設定調節部82により、デコンプ作動回転数N1を所望の値に設定することができ、設定されたデコンプ作動回転数N1以下ではソレノイド61はONとなり、設定されたデコンプ作動回転数N1を越えるとソレノイド61はOFFとなるように制御する。
【0038】
デコンプ作動回転数N1は、通常は、始動性の向上を図るべく、アイドリング回転数よりは低く、スタータモータによる始動時回転数よりは大きく設定されている。
【0039】
【作用】
[機関始動時]
スタータによる機関始動時は、機関回転数はデコンプ作動回転数N1より低い状態であるので、図5のソレノイド61は実線で示すように下方に引っ込んだON状態となり、ベルクランク67、伝達ロッド49及び伝達レバー46を介し、図2の両ガイドロッド42,42及び両押上ロッド44、44を左方のデコンプ作用位置まで移動する。
【0040】
そうすると、圧縮行程時には、図6のように押上ロッド44により排気側タペット31が基礎面よりも所定量L1だけリフトされ、図1の排気側プッシュロッド21、21及び排気側ロッカーアーム12,12を介して各排気弁9,9が開き、気筒内の圧縮圧力を抜く。
【0041】
[実使用回転時]
機関が始動して自己回転し、実使用回転数(アイドリング回転時〜全負荷回転時)になると、機関回転数はデコンプ作動回転数N1を越えているので、図5のソレノイド61は仮想線で示すように上方に突出してOFF状態となり、ベルクランク67を矢印B2方向に回動して、伝達ロッド49に対する押込み力を解除する。
【0042】
これにより、リターンばね50の弾性力により伝達ロッド49及び伝達レバー46が右方に戻り、両ガイドロッド42,42及び両押上ロッド44、44を右方のデコンプ非作用位置まで移動し、デコンプを解除する。
【0043】
そうすると、図7に示すように圧縮行程時でも押上ロッド44と排気側タペット31は当接せず、気筒内の圧縮圧力は抜けない。
【0044】
【その他の実施の形態】
(1)請求項1及び請求項2に記載のスライド方式の押上ロッド44を利用する構造は、図示のようなV形2気筒内燃機関以外の複数気筒内燃機関あるいは単気筒内燃機関にも適用可能である。
【0045】
(2)押上ロッド44を駆動するためのアクチュエータは、ソレノイド61に限定されるものではなく、回転モータ、リニアモータあるいは油圧式シリンダ等を利用することもできる。
【0046】
(3)押上部材として前記実施の形態では断面円形の押上ロッド44を用いているが、プレート状の押上部材等を利用することも可能である。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の発明のように、カム軸の外周に、カム軸芯軸方向移動可能にデコンプ用の押上ロッド44等の押上部材を配置し、排気側タペット31の底面範囲内に突入するデコンプ作用位置から上記底面範囲外に退くデコンプ非作用位置の間で移動するようにしていると、従来の遠心錘式デコンプ装置を備える構造に比べ、簡単な構造でコンパクトにデコンプ装置を備えることができる。また、デコンプ作動回転数を調節することも遠心錘式に比べると簡単に行なうようにすることができ、さらに、回転数以外の条件でデコンプ装置をON、OFF切り換えるようにすることも可能となる。
【0048】
(2)請求項2記載の発明のように、カム軸の軸芯孔41に円柱状のガイドロッド42をカム軸芯方向移動可能に嵌合し、該ガイドロッド42と前記押上ロッド44を、一体的に軸芯方向移動可能に連結ピン45等により連結し、ガイドロッド42を移動操作することにより、押上ロッド44をカム軸芯方向に移動するようにしていると、回転するカム軸の外周に配置した押上ロッド44に対して、ガイドロッド42はカム軸と一緒に自転するので、外部からのガイドロッドの移動操作を円滑に行なうことができる。
【0049】
(3)請求項3記載の発明のように、複数の気筒を備えると共に各気筒用にそれぞれカム軸17,18を備え、各カム軸17,18には、カム軸17,18の外周に、圧縮行程に対応する周方向範囲内に位置して圧縮行程時に排気側タペット31,31を押上可能なデコンプ用押上ロッド44、44を配置し、隣り合う2本のカム軸17,18に対してカム軸芯方向の一方端側に共通のソレノイド61等のアクチュエータを配置し、該ソレノイド61を両カム軸17,18の押上ロッド44、44に連動連結し、1つのソレノイド61の駆動により2つの気筒をデコンプするようにしていると、複数気筒内燃機関において、デコンプ装置用の部品を節約し、かつ、内燃機関をコンパクトにすることができる。
【0050】
(4)請求項4記載の発明のように、アクチュエータとしてソレノイド61を備え、該ソレノイド61をその可動鉄芯62がカム軸17,18と直交するように配置してあると、内燃機関のカム軸芯方向の幅をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るデコンプ装置が適用されるV型2気筒内燃機関及び吸、排気弁機構の概略を示す右側面図である。
【図2】 図1のII-II断面拡大図に相当し、本願発明によるデコンプ装置が取り付けられたカム軸の水平断面図である。
【図3】 図2のIII-III断面図である。
【図4】 図3のIV-IV断面図である。
【図5】 図3のV-V断面図である。
【図6】 デコンプ時の状態を示す図4のVI-VI断面拡大図である。
【図7】 デコンプ解除時の状態を示す図4のVI-VI断面拡大図である。
【図8】 図6のVIII-VIII断面図である。
【図9】 カム軸支持ケースの右側面図である。
【図10】 従来の遠心錘式デコンプ装置の側面図である。
【符号の説明】
1,2 第1,第2気筒
3 クランクケース
8 吸気弁
9 排気弁
16 クランク軸
17、18 カム軸
28 カム軸支持ケース
30 吸気側タペット
31 排気側タペット
35 吸気カム面
36 排気カム面
42 ガイドロッド
44 押上ロッド(押上部材)
46 伝達レバー
49 伝達ロッド
50 リターンばね
61 ソレノイド(アクチュエータの一例)
62 可動鉄芯
67 ベルクランク

Claims (2)

  1. 複数の気筒を備えると共に各気筒用に複数のカム軸を備え、
    前記各カム軸の外周に、圧縮行程に対応する前記カム軸の周方向範囲内に位置して圧縮行程時に排気側タペットを押上可能なデコンプ用の押上部材をそれぞれ配置し、
    前記各押上部材は、前記各カム軸の外周にカム軸芯方向に直線状に形成された各溝に、カム軸芯方向に移動操作可能に嵌合すると共に、各排気カム面に当接する各排気側タペットの底面範囲内に突入するデコンプ作用位置から上記底面範囲外に退くデコンプ非作用位置の間で移動自在となっており、
    前記複数のカム軸に対してカム軸芯方向の一方端側に共通のアクチュエータを配置し、
    該アクチュエータを前記複数のカム軸の前記各押上部材に連動連結し、1つの前記アクチュエータにより複数の気筒をデコンプするようにし、
    前記各カム軸の軸芯孔にそれぞれ円柱状のガイドロッドをカム軸芯方向移動可能に嵌合し、
    前記各ガイドロッドと前記各押上部材とを、それぞれ連結部材により一体的に軸芯方向移動可能に連結し、
    前記各ガイドロッドを、一つの前記アクチュエータで移動操作することにより、連結部材を介して各押上部材をカム軸芯方向に移動するようにしていることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関のデコンプ装置において、
    前記アクチュエータとしてソレノイドを備え、該ソレノイドをその可動鉄芯がカム軸と直交する姿勢に配置してあることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置。
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