JP4115883B2 - 光導波路部品の加工方法、グレーティングの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路部品の加工方法と、その加工方法を用いた光ファイバグレーティングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野では、石英系基板型光導波路部品を備えたマッハツェンダ干渉型の各種デバイスやAWG(Arrayed Waveguide Grating)等の光合分波器等が光導波路部品として利用されている。光導波路部品は、通常、基板等に光導波路(以下、コアとも言う。)がパターン形成されており、このコアの形成には、フォトリソグラフィー,エッチング,成膜等の多種の製造プロセスが必要となる。
前記光導波路部品には、製造プロセス中に発生するコアの形状誤差,寸法誤差,屈折率誤差等により位相誤差が生じて所望の光学特性を得ることができない問題があった。
そこで、一旦製造した光導波路部品に、屈折率トリミングと呼ばれる後工程を施して所望の光学特性が得られるようにコアの屈折率を調整する技術が提案されている。
例えば、KrFレーザ光を照射してコアの屈折率を調整する方法が提案されている(特許文献1参照。)。しかし、この方法では、マスクプロセスが必要となるため工程が増え、生産性が低下するとともに、KrFレーザ光の照射後の熱によっても屈折率が変化するため、屈折率調整の信頼性が不十分であった。
【0003】
また、超短パルスレーザ光をコアに照射して屈折率を調整する方法が提案されている(非特許文献1参照。)。超短パルスレーザ光であるフェムト秒パルスレーザ光をガラス材料等の内部に集光照射することによって、フェムト秒パルスレーザ光の集光点近傍のガラス材料の屈折率を増加させることができる。この現象を利用し、フェムト秒パルスレーザ光をコアに集光照射することによって、コアの屈折率を調整できる。
フェムト秒パルスレーザ光は集光照射が可能になるため、マスクプロセスが無くとも局所的に屈折率を変化させることができる。また、フェムト秒パルスレーザ光では、発熱が瞬間的であるため、照射後の熱による屈折率変化を最小限に抑えることができる。
しかし、フェムト秒パルスレーザ光のビームウエストや、パルスレーザ光が照射されるコアの幅、厚さはともに数μm程度であり、フェムト秒パルスレーザ光を正確にコア中心に集光照射することが難しく、所定の位置のコアの屈折率を調整することが難しい。特に深さ方向については、コア上のクラッド層の厚さが一定でなかったり、表面に凹凸が形成されていたりするために、十分な位置精度でコアの屈折率を調整することが困難である。
【0004】
そこで、本発明者等は、石英ガラス等の透光性材料内部へフェムト秒パルスレーザ光を集光照射したときにフェムト秒パルスレーザ光の集光点で発生する白色光を指標にして、白色光のコアの長手方向に導波される光量が最大となり、白色光がコア中心にくるようにフェムト秒パルスレーザ光の集光照射位置を調整した後に、フェムト秒パルスレーザ光を集光照射し、所定の位置のコアの屈折率を調整する方法を提案した(特願2002−54455号)。
しかしながら、フェムト秒パルスレーザ光を集光照射することによって屈折率が変化する領域と、前記白色光の発光点とは、必ずしも一致していない。このため、例えば前記した屈折率トリミングのように、高い位置精度でコアの中心近傍の屈折率を調整する場合、前記した白色光を指標にしてフェムト秒パルスレーザ光の集光照射位置を調整する方法では、十分な加工精度が得られない場合があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−308546号公報
【非特許文献1】
古宇田 光,外3名,第62回応用物理学会学術講演会 講演予稿集,2001年9月,p.855,講演番号14a−ZM−6
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記した事情に鑑みなされたものである。すなわちフェムト秒パルスレーザ光の集光点で生じる発光点と、この集光照射により形成される屈折率変化領域との位置のずれ量を予め測定し、この位置ずれ量に応じて発光点の位置を補正した後に、フェムト秒パルスレーザ光を集光照射することによって、高い位置精度でコアの中心近傍の屈折率を調整できる光導波路部品の加工方法と、その加工方法を用いた光ファイバグレーティングの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、光導波路部品の透明材料から構成されたコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射したとき生じる発光点の深さ方向の位置と、この集光照射により形成される屈折率変化領域の深さ方向の位置との位置ずれ量を予め測定しておき、前記光導波路部品のコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射し、その集光照射によって生じる発光のコアの長手方向に導波される光量が最大となるように発光点の位置を調整し、その位置から発光点の位置を、前記位置ずれ量に応じて移動させて、形成される屈折率変化領域の位置がコアの中心近傍にくるようにした後、フェムト秒パルスレーザ光を照射してコア内に屈折率変化領域を形成し、コアの屈折率を調整することを特徴とする光導波路部品の加工方法である。
請求項2にかかる発明は、光導波路部品の透明材料から構成されたコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射し、その集光照射によって生じる発光のコアの長手方向に導波される光量が最大となるように発光点の位置を調整し、その位置から発光点の位置を、3.4μm〜5.6μm上方へ移動させて、形成される屈折率変化領域の位置がコアの中心近傍にくるようにした後、フェムト秒パルスレーザ光を照射してコア内に屈折率変化領域を形成し、コアの屈折率を調整することを特徴とする光導波路部品の加工方法である。
請求項3にかかる発明は、前記透明材料がSiO2を主成分とするガラス材料であることを特徴とする請求項2に記載の光導波路部品の製造方法である。
請求項4にかかる発明は、前記ガラス材料が石英ガラスであることを特徴とする請求項3に記載の光導波路部品の加工方法である。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光導波路部品の加工方法を用いて、フェムト秒パルスレーザ光の集光点をコア中心に沿って光ファイバの長手方向に間隔的に移動させて集光照射することにより、周期的な屈折率変化領域を形成することを特徴とするグレーティングの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の光導波路部品の加工方法において使用される加工装置の一例を示す概略構成図である。符号1は、チタンサファイアレーザなどを用いたレーザ装置を示す。このレーザ装置1のレーザ出射口1aと対向するように、NDフィルタ2が設置されており、レーザ装置1から出射されたフェムト秒パルスレーザ光3の平均出力を調整できるようになっている。
NDフィルタ2を透過したフェムト秒パルスレーザ光3の経路上には、ミラー4が設置されており、フェムト秒パルスレーザ光3の進行経路を調整できるようになっている。また、集光レンズ5は、ミラー4にて進行経路が調整されたフェムト秒パルスレーザ光3を集光するものである。
【0009】
このミラー4の後方には、CCDカメラ6等が設置され、フェムト秒パルスレーザ光3の集光点7近傍で発生する発光中に含まれる可視光(白色光)をモニタできるようになっている。
符号8は、XYZステージを示し、このXYZステージ8は、加工する光導波路部品9等を積載し、これを精密にx、y、z軸方向に移動できるようにするものである。
ここで、図1中、x軸は紙面上、表面から裏面に紙面を垂直に貫通した軸であり、y軸は紙面上、左右方向に延びた軸であり、z軸は紙面上、上下方向に延びた軸である。特にz軸は、XYZステージ8に積載する光導波路部品9等の厚さ方向又は照射するフェムト秒パルスレーザ光3の集光点7の深さ方向となる。
【0010】
この光導波路部品9の加工装置では、レーザ装置1にて、フェムト秒パルスレーザ光3の波長、パルス幅、繰り返し周波数などの照射条件を調整することによって、所望のフェムト秒パルスレーザ光3が出射される。
フェムト秒パルスレーザ光3は、まずNDフィルタ2を透過する。このNDフィルタ2の透過率を調整することで、フェムト秒パルスレーザ光3の平均出力が制御される。
次に、フェムト秒パルスレーザ光3は、ミラー4にて反射される。このミラー4の反射面の角度を調整することで、フェムト秒パルスレーザ光3の進行経路は、所望の方向となる。更にフェムト秒パルスレーザ光3は、集光レンズ5にて集光され、XYZステージ8上の光導波路部品9に照射される。
【0011】
このような加工装置を用いて、本実施形態では、光導波路部品9を以下のようにして加工する。ここで、光導波路部品9とは、基材となる透光性材料に光導波路(以下、コアとも言う。)が形成されたものであり、基板状の基材から構成された基板型光導波路部品や光ファイバ等が挙げられる。
まず予備試験として、光導波路部品9の基材となる透光性材料にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、このフェムト秒パルスレーザ光3の集光照射によって生じる発光点10と、この集光照射により形成される屈折率変化領域11との位置ずれ量を測定する。
前記透光性材料としては、加工する光導波路部品9、又は加工する光導波路部品9の基材と同一の組成,光学特性等を有するものを使用する。例えば、加工する光導波路部品9が、SiO2を主成分とする石英ガラス等から構成されたものの場合、透光性材料として光導波路部品9と同一組成の石英ガラス基板等が挙げられる。この透光性材料には、光導波路部品9と同一のコアやクラッドが形成されていなくても構わない。
【0012】
前記石英ガラス基板等の透光性材料をXYZステージ8に固定し、透光性材料の所望の深さの位置に屈折率変化領域11が形成されるように、発光点10の深さ方向(z軸方向)の位置(以下、単に発光点の位置とも言う。)を調整する。ここで、発光点10の位置の調整方法としては、集光レンズ5の焦点深度を調整する方法や、集光レンズ5又はXYZステージ8をz軸方向に移動させて集光レンズ5と透光性材料との距離を調整する方法等が挙げられる。
前記透光性材料にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、CCDカメラ6にてフェムト秒パルスレーザ光3の白色光の発光点10の深さ方向の位置を測定しながら、フェムト秒パルスレーザ光3をx、y軸方向に走査して透光性材料に屈折率変化領域11を形成する。
そして、前記透光性材料に形成された屈折率変化領域11の深さ方向の位置を測定し、前記CCDカメラ6にて測定した発光点10の深さ方向の位置とより、発光点10と、形成された屈折率変化領域11との位置ずれ量を算出する。
【0013】
図2及び図3は、白色光の発光点10と、形成された屈折率変化領域11との位置ずれ量の一例を示す図である。ここで、図2及び図3では、透光性材料としてSiO2を主成分とするガラス材料から構成された石英ガラス基板を用い、図2では、平均出力210〜700mWのフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、石英ガラス基板の深さ30μmの位置に屈折率変化領域11を形成した結果を示している。また、図3では、平均出力700mWのフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、石英ガラス基板の深さ30〜750μmの位置に屈折率変化領域11を形成した結果を示している。
また、図2及び図3では、屈折率変化領域11が白色光の発光点10よりも深い位置にある場合、位置ずれ量をプラス値で表した。
【0014】
図2及び図3に示されたように、透光性材料がSiO2を主成分とするガラス材料から構成された石英ガラス基板の場合、フェムト秒パルスレーザ光3の平均出力や、形成する屈折率変化領域11の深さ方向の位置に関わらず、屈折率変化領域11は、白色光の発光点10よりも4.5μm深い位置に形成されることになる。図4は、図2及び図3にて得られた発光点10と屈折率変化領域11の位置を示す概略図である。
以上のように、本実施形態では、予備試験として、加工する光導波路部品9の基材となる透光性材料にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、発生する白色光の発光点10と、この集光照射により形成される屈折率変化領域11との位置ずれ量を予め測定する。
次に、以下に示すように、発光点10と、この集光照射により形成される屈折率変化領域11との位置ずれ量に応じて発光点10の位置を移動し、形成される屈折率変化領域11の中心が、光導波路部品9のコアの中心近傍にくるようにして、屈折率変化領域11をコア内に形成する。
【0015】
まず、光導波路部品9にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、発生する白色光の発光をモニタして、この発光の光導波路部品9のコアの長手方向に導波される光量が最大となるように発光点10の位置を調整する。
例えば、図1に示された加工装置を用いる場合、加工する光導波路部品9をXYZステージ8に固定し、この光導波路部品9にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、光導波路部品9の上方に位置するCCDカメラ6等により白色光の発光の光量をモニタし、この発光がコア内部の伝搬方向に一筋状に最大の輝度で導波されるように発光点10の位置を調整する。このとき、白色光の発光点10は、光導波路部品9のコアの中心に位置することになる。前記調整後の発光点10の位置を基準位置とする。
この例の他にも、コアの一端を光パワーメータ等の受光器に接続して発光のうちコア内部を導波される光量を受光器によりモニタし、受光量が最大になるように発光点10の位置を調整する方法等も適用できる。
【0016】
次に、予備試験にて測定した発光点10と、形成される屈折率変化領域11との位置ずれ量の測定値に応じて、発光点10の位置を移動し、形成される屈折率変化領域11の位置がコアの中心近傍にくるようにする。
例えば、光導波路部品9の基材となる透光性材料がSiO2を主成分とするガラス材料から構成された石英ガラス基板の場合、前述した予備試験にて、屈折率変化領域11が発光点10よりも4.5μm深い位置に形成されることが分かっている。そこで、発光点10の位置を前記基準位置から4.5μm上方、すなわち光導波路部品9のうち、フェムト秒パルスレーザ光3が照射される面側へ4.5μm移動させる。これにより、形成される屈折率変化領域11の中心が、光導波路部品9のコアの中心にくるように発光点10の位置が調整されたことになる。
このようにして発光点10の位置が調整された状態を維持したまま、フェムト秒パルスレーザ光3を光導波路部品9に集光照射して、コアの中心近傍に屈折率変化領域11を形成し、所望の位置のコアの屈折率を調整する。
【0017】
図5は、本実施形態の光導波路部品9の加工方法によって、光導波路部品9のコアの中心近傍に屈折率変化領域11が形成された光導波路部品9の屈折率プロファイルの一例を示す概略図である。ここで、図5では、光導波路部品9として石英ガラスから構成された光ファイバを用い、中心波長800nm、繰り返し周波数200kHz、パルス幅150fs、平均出力150mWのフェムト秒パルスレーザ光3を光ファイバに集光照射し、30μm/sの速度で発光点10を走査して屈折率変化領域11を形成した結果を示している。
形成された屈折率変化領域11のうち、屈折率上昇量が1/e2以上の範囲は4.8μmである。一般に光導波路部品9において、通信波長帯の光をシングルモードで伝播するコアの形状は一辺が7μm以下である。
本実施形態の光導波路部品の加工方法を屈折率トリミングと呼ばれる後工程に適用し、所望の光学特性が得られるようにコアの屈折率を調整する場合、フェムト秒パルスレーザ光3の集光照射によって形成される屈折率変化領域11がコアから外れないように、高い位置精度でコアの中心近傍に屈折率変化領域11を形成する必要がある。図5に示された一例では、コアから外れないようにコア内に屈折率変化領域11を形成するためには、屈折率変化領域11の中心がコアの中心から−1.1〜1.1μmの範囲内に収まるように発光点10の位置を調整する必要がある。
【0018】
このため、光導波路部品9の基材となる透光性材料がSiO2を主成分とするガラス材料から構成された石英ガラス基板の場合、発光点10の位置を前記基準位置から3.4〜5.6μm上方、すなわちフェムト秒パルスレーザ光3が照射される面側へ3.4〜5.6μm移動させることが好ましい。これにより、形成される屈折率変化領域11の中心が、光導波路部品9のコアの中心から−1.1〜1.1μmの範囲内に収まり、コアから外れないようにコア内に屈折率変化領域11を形成することができる。
また、フェムト秒パルスレーザ光3を集光照射したとき生じる発光点10と、この集光照射により形成される屈折率変化領域11との位置のずれ量を予め測定せずに、発光点10の位置を前記基準位置から3.4〜5.6μm上方へ移動させることによってコア内に屈折率変化領域11を形成できるため、工程を簡略化できる。
【0019】
本実施形態では、予め予備試験として、加工する光導波路部品9又はこの光導波路部品9の基材となる透光性材料にフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射し、発生する白色光の発光点10と、形成される屈折率変化領域11との位置ずれ量を測定する。そして、この位置ずれ量に応じて、発光点10の位置を移動させて、形成される屈折率変化領域11の位置がコアの中心近傍にくるようにするため、高い位置精度でコアの中心近傍に屈折率変化領域11を形成できる。
このため、本実施形態の光導波路部品9の加工方法は、例えば屈折率トリミング等の高い位置精度が要求される作業工程に適用でき、コアから外れないようにコア内に屈折率変化領域11を精度良く形成でき、これにより所望の位置のコアの屈折率を調整できる。
【0020】
また、前記光導波路部品9の加工方法を用いて、光導波路部品9として光ファイバを用い、形成される屈折率変化領域11の中心が、光ファイバのコアの中心にくるように、発光点10の位置を移動させ、この発光点10の位置を維持したまま、コアの中心に沿って光ファイバの長手方向に間隔的に発光点を移動させてフェムト秒パルスレーザ光3を集光照射することによって、周期的な屈折率変化領域11をコアから外れないようにコア内に高い位置精度で形成できる。これにより、伝播損失が小さく優れた光学特性を有する光ファイバグレーティングを製造することができる。
また、前述した光導波路部品9の加工方法を用いることによって、高い位置精度でコアの中心近傍に屈折率変化領域11が形成され、これによりコアの屈折率が精度良く調整された光導波路部品9が実現できる。
【0021】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の光導波路部品の加工方法では、光導波路部品にフェムト秒パルスレーザ光を集光照射したとき発生する発光点と、形成される屈折率変化領域との位置ずれ量を予め測定し、この位置ずれ量を用い、形成される屈折率変化領域の位置がコアの中心近傍にくるように発光点の位置を調整することによって、高い位置精度でコアの中心近傍に屈折率変化領域を形成でき、これにより精度良くコアの屈折率を調整できる。
【0022】
また、前記光導波路部品の加工方法を用いて、フェムト秒パルスレーザ光の集光点をコア中心に沿って光ファイバの長手方向に間隔的に移動させて集光照射することによって、周期的な屈折率変化領域をコアから外れないようにコア内に高い位置精度で形成でき、伝播損失が小さく優れた光学特性を有する光ファイバグレーティングを製造することができる。
また、前述した光導波路部品の加工方法を用いることによって、高い位置精度でコアの中心近傍に屈折率変化領域が形成され、これによりコアの屈折率が精度良く調整された光導波路部品が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にて使用される加工装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 発光点と、形成される屈折率変化領域の中心との位置ずれ量の一例を示す図である。
【図3】 発光点と、形成される屈折率変化領域の中心との位置ずれ量の他の一例を示す図である。
【図4】 石英ガラスから構成された光導波路部品にフェムト秒パルスレーザ光を集光照射したとき生じる発光点と、形成される屈折率変化領域の一例を示す概略図である。
【図5】 本実施形態にて、コアの中心近傍に屈折率変化領域が形成された光導波路部品の屈折率プロファイルの一例を示す図である。
【符号の説明】
3‥‥フェムト秒パルスレーザ光、9‥‥光導波路部品、10‥‥発光点、11‥‥屈折率変化領域
Claims (5)
- 光導波路部品の透明材料から構成されたコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射したとき生じる発光点の深さ方向の位置と、この集光照射により形成される屈折率変化領域の深さ方向の位置との位置ずれ量を予め測定しておき、
前記光導波路部品のコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射し、その集光照射によって生じる発光のコアの長手方向に導波される光量が最大となるように発光点の位置を調整し、
その位置から発光点の位置を、前記位置ずれ量に応じて移動させて、形成される屈折率変化領域の位置がコアの中心近傍にくるようにした後、
フェムト秒パルスレーザ光を照射してコア内に屈折率変化領域を形成し、コアの屈折率を調整することを特徴とする光導波路部品の加工方法。 - 光導波路部品の透明材料から構成されたコアにフェムト秒パルスレーザ光を集光照射し、その集光照射によって生じる発光のコアの長手方向に導波される光量が最大となるように発光点の位置を調整し、
その位置から発光点の位置を、3.4μm〜5.6μm上方へ移動させて、形成される屈折率変化領域の位置がコアの中心近傍にくるようにした後、
フェムト秒パルスレーザ光を照射してコア内に屈折率変化領域を形成し、コアの屈折率を調整することを特徴とする光導波路部品の加工方法。 - 前記透明材料がSiO2を主成分とするガラス材料であることを特徴とする請求項2に記載の光導波路部品の製造方法。
- 前記ガラス材料が石英ガラスであることを特徴とする請求項3に記載の光導波路部品の加工方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の光導波路部品の加工方法を用いて、フェムト秒パルスレーザ光の集光点をコア中心に沿って光ファイバの長手方向に間隔的に移動させて集光照射することにより、周期的な屈折率変化領域を形成することを特徴とするグレーティングの製造方法。
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