JP4115393B2 - 1,2−ジクロロエタンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1,2−ジクロロエタンの製造方法に関する。
1,2−ジクロロエタンは、HClおよび酸素を用いるエテンのオキシ塩素化によって、または塩素を用いるエテンの直接塩素化によって製造される。1,2−ジクロロエタンを、主に熱分解によってさらに処理して塩化ビニルを得、これによりHClを放出している。オキシ塩素化および直接塩素化は、平行して行われるのが一般的であり、ジクロロエタンの熱分解において得られる塩化水素はオキシ塩素化で使用される。
エテンは、主に飽和炭化水素の熱分解によって製造される。これにより、メタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、プロペン、ブテン、ブタジエン、C−および高級炭化水素を含む炭化水素化合物が得られる。分解装置により得られる気体を、多工程の後処理に付してから純粋な最終生成物を得る必要がある。エタンとエテンの分離には、80〜100個のトレイを有する塔を必要とする。
エテンとプロペンは、ナフサの分解時に一緒に得られるのが一般的であることから、これにより得られる一方の生成物の量は、常に、得られる他方の生成物の量に結び付けて考えられている。
エテンは、エタンの脱水素によって、または精油所ガスから得ることができる。ここでは、エテンの単離には、未反応エタンおよび副生成物からエテンを、複雑で且つエネルギー集約型の分離を必要とする。
1,2−ジクロロエタンは、エテンの塩素化によって得ることができる。塩素化は、塩素を用いる直接塩素化として、または塩化水素および酸素を用いるオキシ塩素化として行うことができる。
1,2−ジクロロエタンを、主として塩化水素の脱離によってさらに処理して、塩化ビニルを得る。さらに、エテンのオキシ塩素化は、化学工業において重要である。なぜなら、オキシ塩素化は、塩化水素が共生成物(coproduct)として得られる処理方法、例えばホスゲンを基礎とするイソシアネートの製造方法による塩化水素の対費用効果のある他の使用法を提供するからである。
エテンから1,2−ジクロロエタンを製造する従来から知られている方法は、出発材料のエテンの高コストが妨げとなっていた。
塩化ビニルをエタンのオキシ塩素化によって得る方法についても知られている。かかる方法は、例えばWO95/07249に記載されている。しかしながら、記載されているEVC法は、3つの異なる反応器の段階が必要であるので、複雑であるという点で不都合を有している。さらに、使用される塩素の供給源は、比較的高価な元素状態で存在する塩素(Cl)であることから、この方法では、他の方法で得られる塩化水素を利用する機会がない。結局、この方法は、エテンのオキシ塩素化における温度より大幅に高い温度条件下で行われる必要があり、銅含有触媒を使用することによるジオキシンの形成リスクが著しく増大する。
エタンをオキシ塩素化して塩化ビニルを得るいずれの方法も、エテンから塩化ビニルを製造する現行の設備で行うことができないので、新たな包括的設備投資を必要とする。
WO95/07249
本発明の目的は、新たな原料に基づいて1,2−ジクロロエタンおよび下流側の生成物の塩化ビニルを製造する方法を提供することにある。特に、本発明の目的は、エタンを原料として使用し且つ原料としてのエチレンから1,2−ジクロロエタンまたは塩化ビニルを製造する現行の方法に改良を加えることによって実行可能である1,2−ジクロロエタンまたは塩化ビニルの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的が下記の工程:
(A)エタン含有供給ガス流を脱水素領域に供給し、エタンをエテンに脱水素して、エタン、エテンおよび副成分を含む生成物のガス流を得る工程、
(B)エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流を単一の流れとして、または複数のサブストリーム(substream)として、必要により副成分を分離してから、1以上の塩素化領域に供給し、エテンを1,2−ジクロロエタンに塩素化して、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良い他の副成分を含む1種以上の生成物のガス流を得て、1,2−ジクロロエタンおよび1種以上のエタン含有循環ガス流を単離し、そして1以上のエタン含有循環ガス流をエタンの脱水素領域に再循環させる工程、
を含む1,2−ジクロロエタンの製造方法によって達成されることを見出した。
本発明の方法は、エテンから1,2−ジクロロエタンを製造する現行の方法を改良することによって簡易に実行することができる。本発明の方法において、エテンは、エテンの塩素化を進める段階においてエタンの脱水素によって得られ、エテンの塩素化は、エタンの脱水素による未反応エタンおよび場合により含まれていても良い他の副成分の存在下に行われ、そして未反応エタンは、循環ガスとしてエタンの脱水素(脱水素領域)に戻される。
本発明の方法の第1部(A)において、エタンをエテンに脱水素する。
エタンのエテンへの脱水素は、エタンの熱分解によって行うことができる。これにより、例えば、2.7質量%の水素、9.5質量%のメタン、58.5質量%のエテン、23.2質量%のエタン、2.3質量%のプロペンおよび3.8質量%のC 炭化水素を含む生成物のガス混合物を得る。
エタンを、酸化型(酸化性)脱水素によってエテンに脱水素することができる。
エタンの酸化型脱水素は、例えば、US4250346に記載されているようにMo/V混合酸化物触媒上で、またはWO00/48971に記載されているようにNiO含有触媒上で、300〜500℃およびエタン転化率10〜20%の条件にて行うことができる。
アルカンの脱水素は、非酸化型の接触脱水素として行われるのが好ましい。ここでは、エタンを、脱水素反応器中において、脱水素活性触媒上でエテンに部分的に脱水素する。この脱水素において、水素並びに少量のメタンを、エタンの分解生成物として形成する。さらに、脱水素が行われる方法に応じて、酸化炭素(CO、CO)、水および窒素が、エタンの脱水素による生成物のガス混合物中に存在することがある。未反応エタンもこの生成物のガス混合物中に存在する。
エタンの接触脱水素は、共供給物(cofeed)として、酸素含有ガスを用いて、または用いることなく行うことができる。
エタンの接触脱水素は、原則として、従来より知られている全ての種類の反応器および操作方法を用いて行うことができる。本発明の目的に好適である脱水素方法に関する比較的幅広い記載が、"CatalyticaR Studies Division, Oxidative Dehydrogenation and Alternative Dehydrogenation Processes"(Study Number 4192 OD, 1993, 430 Ferguson Drive, Mountain View, California, 94043-5272, USA)に示されている。
反応器の好適な種類は、固定床の管状反応器または多管式反応器である。これらにおいて、触媒(脱水素触媒、および共供給物として酸素を使用するときには必要により特定の酸化触媒)が、反応管または複数の反応管の束(反応管束)に固定床として存在する。これらの反応管は、通常、ガス、例えばメタン等の炭化水素を反応管が包囲される空間で燃焼させることによって、間接的に加熱される。このような間接型の加熱は固定床の長さに対して最初の約20〜30%に適用され、そして固定床の残りの長さを、間接加熱中に放出される放射熱によって必要な反応温度に加熱することが有利である。一般的な内部反応管径は、約10〜15cmの範囲である。脱水素に使用される一般的な多管式反応器は、約300〜1000本の反応管を有している。反応管の内部における温度は、通常、300〜1200℃の範囲であり、600〜1000℃の範囲が好ましい。使用圧力は、通常、0.5〜8バールの範囲であり、屡々、低水準の水蒸気希釈を用いる場合(プロパンの脱水素に用いるBASF−リンデ(BASF-Linde)法に類似の方法)に1〜2バールの範囲であり、高水蒸気希釈を用いる場合(プロパンまたはブタンの脱水素に用いる、フィリップス石油株式会社の“水蒸気活性型改質法”(スター(Star)法;US4902849、US4996387およびUS5389342、参照)に類似の方法)に3〜8バールの範囲である。触媒上での一般的な空間速度(GSHV)は、500〜2000/時である。触媒の幾何構造は、例えば球形または円筒形(中空または中実)とすることができる。
エタンの接触脱水素は、Chem. Eng. Sci. 1992 b, 47(9-11), 2313に記載されているように、流動床において、不均一系触媒の存在下で行うことも可能であり、その際にエタンは希釈されない。平行する2個の流動床(これらのうちの一方は、一般に、再生状態である)を操作するのが有利である。使用圧力は、一般に1〜2バールの範囲であり、そして脱水素温度は、一般に550〜600℃の範囲である。脱水素に必要とされる熱は、脱水素触媒を反応温度に予備加熱することによって反応系に導入される。酸素含有共供給物の混合により、予備加熱器を省略可能となり、酸素の存在下での水素の燃焼によって反応器系で必要な熱を直接的に生成することができる。必要により、水素含有共供給物をさらに混合することができる。
エタンの接触脱水素は、トレイ型反応器で行うこともできる。この反応器は、1個以上の重畳触媒床(superposed catalyst beds)を含んでいる。触媒床の数は、1〜20個の範囲とすることができ、1〜6個の範囲が有利であり、1〜4個の範囲が好ましく、特に1〜3個の範囲である。反応ガスは、触媒床を通って放射状にまたは軸方向に流れるのが好ましい。一般に、かかるトレイ型反応器は、固定触媒床を用いて操作される。最も簡易な場合、固定触媒床は、高炉型反応器において同軸上に配置されるか、または同軸円筒格子の環状ギャップに配置される。所定の高炉型反応器は、所定のトレイに対応する。好ましい実施の形態において、脱水素は、単一の高炉型反応器中で行われる。他の好ましい実施の形態において、脱水素は、3個の触媒床を含むトレイ型反応器で行われる。共供給物としての酸素を使用しない操作方法が用いられる場合、トレイ型反応器中で、反応ガス混合物を所定の触媒床から次の触媒床への途中で中間加熱に付す。そして、この中間加熱は、例えば、熱い気体で加熱された熱交換器の表面上を通過させるか、または熱い燃焼ガスで加熱された反応管に通過させることによって行われる。
本発明による方法の好ましい実施の形態において、エタンの接触脱水素は、自動温度制御下に行われる。この目的のために、酸素を1以上の反応領域でエタンの脱水素による反応ガス混合物にさらに混合し、そして反応ガス混合物に含まれる水素を燃焼させ、これにより、1以上の反応領域の反応ガス混合物中で直接的に脱水素に必要な熱の少なくとも一部を生成する。酸化による操作と比較して、自動温度制御下の操作による特徴は、例えば、産出ガス中に水素が存在していることである。酸化法において、充分でない量の遊離水素を形成する。
一般に、反応ガス混合物に添加される酸素含有ガスの量は、反応ガス混合物に存在する水素並びに反応ガス混合物に存在する炭化水素及び/又は炭素の析出物の状態で存在する炭素の燃焼が、エタンの脱水素に必要とされる熱の量を生成するように選択される。一般に、導入される酸素の合計量は、エタンの合計量に対して、0.001〜0.5モル/モルの範囲であり、0.005〜0.2モル/モルの範囲が好ましく、0.05〜0.2モル/モルの範囲が特に好ましい。酸素は、純粋な酸素として、または不活性ガスとの混合物の酸素含有ガスとして使用することができる。好ましい酸素含有ガスは空気である。不活性ガスおよび得られた燃焼ガスは、一般に、追加的な希釈効果を有しているので、不均一系触媒の作用による脱水素を促進する。
エタンの脱水素は、約1000℃および白金触媒に対して数msの接触時間の条件で自動温度制御にて行うことも可能である。例えば、約70%のエタン転化率で、約65%のエテン選択率が達成され、反応したエタンの約25%がCOおよびCOに酸化され、約5%がメタンに転化され、そして約5%がプロパンおよびプロペン等の高級炭化水素に転化される。白金を単独で使用する代わりに、白金/スズ触媒を使用することにより、エテンの選択率が約70%に上昇する(Chem. Eng. Sci. 54 (1999) 765-773頁)。エタンの酸化型脱水素は、例えば白金/スズ/アルミニウムの酸化物触媒の存在下、水素を導入し、好ましくは2:1の(H:O)比で導入して行うことも可能である。この場合、エテンの選択率は、約85%に上昇する(Beretta, Chem. Eng. Sci. 1999, 54, 765-773頁;L. D. Schmidt et al. American Institute of Chemical Engineers Journal 2000, 第46(8)巻 1492-1495頁)。
熱を生成するために燃焼させる水素は、エタンの接触脱水素において形成される水素並びに反応ガス混合物に添加される追加的な水素である。存在する水素の量は、酸素導入直後の反応ガス混合物におけるH/Oモル比が2〜10モル/モルの範囲となるようにするのが好ましい。多段階反応器の場合、このことは、酸素および必要により水素のそれぞれの中間導入に適用される。
水素の燃焼は触媒作用(接触作用)によって起こる。使用される脱水素触媒は、酸素を用いる炭化水素および水素の燃焼に触媒作用を及ぼすのが一般的であり、これにより原則としてその他の特定の酸化触媒を必要としなくなる。一実施の形態において、脱水素は、エタンおよびエテンの存在下に酸素によって水素の燃焼に選択的に触媒作用を及ぼす1種以上の酸化触媒の存在下に行われる。酸素を用いてこのような炭化水素を燃焼させて、COおよびCOを形成するのは少しだけ進行し、その結果、エテンに対する選択率に充分なプラスの効果を有している。脱水素触媒および酸化触媒は、異なる反応領域に存在しているのが好ましい。
多段階反応の場合、酸化は、1反応領域のみ、複数の反応領域または全ての反応領域に含むことができる。
水素の酸化に選択的に触媒作用を及ぼす触媒は、酸素分圧が反応器の他の位置のときと比較して高くなるような位置に配置されるのが好ましく、特に酸素含有ガスの供給点近傍に配置されるのが好ましい。酸素含有ガス及び/又は水素の導入は、反応器の1箇所以上で行うことができる。
本発明による方法の一実施の形態において、酸素含有ガスおよび水素の中間導入は、トレイ型反応器の各々のトレイの上流側で行われる。本発明による方法の他の実施の形態において、酸素含有ガスおよび水素の導入は、第1トレイを除く各々のトレイの上流側で行われる。一実施の形態において、特定の酸化触媒からなる吸着床は、各供給点の下流側に設けられ、それに続いて脱水素触媒の吸着床を設ける。他の実施の形態において、特定の酸化触媒は存在させない。脱水素温度は400〜1100℃の範囲が一般的であり、トレイ型反応器の最後の触媒床における圧力は、0.2〜5バールの範囲が一般的であり、1〜3バールの範囲が好ましい。空間速度(GSHV)は500〜2000/時の範囲が一般的であり、そして高負荷運転において、100000/時以下とすることも可能であり、4000〜16000/時の範囲が好ましい。
水素の燃焼に選択的に触媒作用を及ぼす好ましい触媒は、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモンまたはビスマスの酸化物またはリン酸塩からなる群から選択される酸化物またはリン酸塩を含んでいる。水素の燃焼に触媒作用を及ぼす別の好ましい触媒は、第VIII族または第I族の遷移金属の貴金属を含んでいる。
使用される脱水素触媒は、担体および活性構成物を含んでいるのが一般的である。担体は、耐熱性酸化物または混合酸化物である。脱水素触媒は、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される金属酸化物を担体として含んでいるのが好ましい。混合物は、物理的混合物または化学的に混合状態のもの、例えばマグネシウムまたは亜鉛の酸化アルミニウム混合酸化物構造とすることができる。好ましい担体は、二酸化ジルコニウム及び/又は二酸化ケイ素であり、二酸化ジルコニウムと二酸化ケイ素の混合物が特に好ましい。
脱水素触媒の活性構成物は、1種以上の第VIII族の遷移元素、好ましくは白金及び/又はパラジウム、特に好ましくは白金を含んでいるのが一般的である。さらに脱水素触媒は、1種以上の第I主族及び/又は第II主族の元素、好ましくはカリウム及び/又はセシウムを含んでいても良い。さらに、脱水素触媒は、1種以上の、ランタノイドおよびアクチノイドを含む第III族の遷移元素、好ましくはランタン及び/又はセリウムをさらに含んでいても良い。最後に、脱水素触媒は、1種以上の第III主族及び/又は第IV主族の元素、好ましくは1種以上の、ホウ素、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズおよび鉛からなる群から選択される元素、特に好ましくはスズをさらに含んでいても良い。
好ましい実施の形態において、脱水素触媒は、少なくとも1種の第VIII族の遷移元素、少なくとも1種の第I主族及び/又は第II主族の元素、少なくとも1種の第III主族及び/又は第IV主族の元素および少なくとも1種の、ランタノイドおよびアクチノイドを含む第III族の遷移元素を含んでいる。
例えば、WO99/46039、US4788371、EP−A705136、WO99/29420、US5220091、US5430220、US5877369、EP0117146、DE−A19937106、DE−A19937105およびDE−A19937107に記載されている全ての脱水素触媒を本発明の目的のために使用することができる。自動温度制御によるエタンの脱水素(工程A)の上述の変形法に用いられる特に好ましい触媒は、DE−A19937107の実施例1、2、3および4に記載されている触媒である。
エタンの脱水素は、水蒸気の存在下に行われるのが好ましい。添加される水蒸気は、熱伝達媒体として働き、そして触媒上の有機析出物のガス化を促進するので、触媒の炭化を阻止し、触媒の作用寿命を増大させる。有機析出物は、このようにして一酸化炭素および二酸化炭素に転化(転換)される。
脱水素触媒は、それ自体公知の方法で再生され得る。したがって、水蒸気を反応ガス混合物に添加するか、または酸素含有ガスを高温条件下で触媒床に時々通過させて、析出された炭素を燃焼除去することができる。
エタンの脱水素で使用されるエタンは、化学的に純粋である必要はない。例えば、使用されるエタンは、50容量%以下の他の気体、例えばメタン、プロパン、プロペン、プロピン、アセチレン、HS、SO、ブタン、ブテンおよび有機窒素または硫黄化合物の痕跡を含むことができる。使用される粗エタンは、少なくとも90容量%、好ましくは少なくとも95容量%、特に好ましくは少なくとも98容量%のエタンを含んでいるのが一般的である。必要により、エタンを脱エタン塔において吸着、抽出または蒸留によって高沸点の副成分から分離することができる。
エタンの脱水素により、エテンおよび未反応エタン並びに副成分を含むガス混合物を得る。通常の副成分は、メタン、水素、水、窒素、COおよびCOである。脱水素段階から出るガス混合物の組成は、脱水素の操作形式応じて著しく相違可能である。したがって、好ましい自動温度制御下の脱水素を酸素および追加的に水素を導入して行う場合、生成物のガス混合物(生成ガス混合物)は、水および酸化炭素を比較的高含有率にて有するであろう。酸素を導入しない操作方法の場合、脱水素による生成物のガス混合物は、水素を比較的高含有率で有するであろう。
例えば、エタンの脱水素の場合、脱水素反応器を離れる生成物のガス混合物は、少なくとも組成分のエタン、エテンおよび分子水素を含んでいる。さらに、この生成物のガス混合物は、N、HO、メタン、COおよびCOをさらに含んでいるのが一般的である。0.3〜10バールの圧力条件下で、屡々400〜1200℃、好ましい場合に500〜800℃の温度を有しているだろう。
エタンの自動温度制御脱水素による生成物のガス流は、10〜70容量%のエタン、5〜60容量%のエテン、0〜20容量%の水素、5〜50容量%の水蒸気、0〜50容量%のメタンおよび0〜20容量%の酸化炭素を含んでいるのが一般的である。
必要により、水素は、エタンの脱水素により得られる生成物のガス混合物から、添加された酸素または空気、好ましくは酸素の存在下で、且つ好適な選択性酸化触媒の存在下に燃焼によって除去可能である。
本発明による方法の第(B)部において、エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流を、単一の流れとして、または複数のサブストリームとして、1以上の塩素化領域に供給し、そしてエテンを塩素化して、1,2−ジクロロエタンを得る。
エテンの塩素化は、オキシ塩素化として、または直接塩素化として行うことができる。オキシ塩素化および直接塩素化は、平行して行うことも可能である。
エテンの塩素化は、オキシ塩素化として行うことができる。オキシ塩素化領域に供給される生成物のガス流は、エテンおよび未反応エタン並びに好ましくはエタンの脱水素による全ての副成分を含んでいる。
エテンを、エタンおよびオキシ塩素化への供給ガス流中の副成分で希釈した結果、用いられるエテンに対して、より高い選択性の1,2−ジクロロエタン形成が達成され、そして少量の塩素化副生成物および酸化炭素を形成する。
エテンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化は、原則として従来から知られている全ての種類の反応器および操作方法を使用して行うことができる。
エテンのオキシ塩素化は、固定床または流動床反応器中、塩化銅(II)を含む担持触媒の存在下に気相で行われるのが一般的である。オキシ塩素化反応は、追加的に酸素または空気を導入し行うことができる。純粋な酸素を導入して行うのが好ましい。そうでなければ、このオキシ塩素化反応により多量の窒素がもたらされ、これを本発明の処理(プロセス)から排出する必要があり且つ同伴有機塩素化合物の除去が困難となる。オキシ塩素化反応器における“ホットスポット”の形成は、純粋な酸素を用いることによってより容易に回避される。塩化水素:酸素(HCl:O)のモル比は、5:1〜3:1の範囲が一般的であり、4.5:1〜3.2:1の範囲が好ましく、特に3.99:1〜3.5:1の範囲である。エチレン:HClモル比は、約1:2であるのが一般的である。塩化水素は、2C+4HCl+O→2CCl+2HO反応に対して、僅かに不足当量の量で存在しているのが好ましく、これにより、塩化水素を反応器にワンパスで通過させて実質上完全に反応させることが保証される。さらに、エチレン:HCl:O比は、エチレンを反応器にワンパスで殆ど完全に反応させるように選択されるのが好ましい。酸素に対する炭化水素(エタン、エテンおよび場合により含まれていても良いメタン)の割合は、爆発的限度を超えて反応混合物が豊富に存在するようにする必要がある。(エテン+エタン):HCl:Oのモル比は、例えば、相当な割合の他の炭化水素を用いることのない流動床法において、1:1.19:0.31または1:0.71:1.8とすることができる。
好適な触媒は、銅化合物、好ましくは塩化銅または反応条件下で塩化銅に完全にまたは部分的に転化される銅化合物を担体上に含んでいるのが一般的である。好ましい担体は、酸化アルミニウム、例えばγ−Alである。触媒は、促進剤、例えばアルカリ金属の塩化物、特にKCl、アルカリ土類金属の塩化物、特にMgCl、または希土類金属の塩化物、特にCeClをさらに含むことができる。オキシ塩素化は、200〜300℃および2.5〜7バールの圧力の条件下で行われるのが一般的である。HClの転化率は95〜99.9%の範囲が一般的である。
エテンをオキシ塩素化して、1,2−ジクロロエタンを形成する固定床法は、例えばDE−A10003510、US4206180およびGB−A2298197に記載されている。固定床法においてエテンをオキシ塩素化して1,2−ジクロロエタンを形成するための触媒は、例えば、EP−A1127618、US4366093およびEP−A1053789に記載されている。
エテンをオキシ塩素化して1,2−ジクロロエタンを形成する流動床法は、例えば、DE−A19753165A1、EP−A1023939およびEP−A0029143に記載されている。流動床法においてエテンをオキシ塩素化して1,2−ジクロロエタンを形成するための触媒は、例えば、EP−A0582165、EP−A0375202およびEP−A0657212に記載されている。
オキシ塩素化は、DE−A10003510に記載されているように、希釈に対して独立した不活性材料を含んでいない固定触媒床上で行うことも可能である。
オキシ塩素化により得られる生成物のガス流は、1,2−ジクロロエタン、エタン、水、そして一般に塩化水素、エテンおよび酸素の痕跡、さらにオキシ塩素化の副生成物、例えば二酸化炭素、一酸化炭素および塩素化副生成物、例えばクロラール、塩化ビニル、1,2−ジクロロエテン、クロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルムおよび四塩化炭素を含んでいる。反応させたエチレンに対して、一般に4%以下、好ましくは1.5%以下の塩素化副生成物および一般に5%以下、好ましくは2%以下の酸化炭素を形成する。さらに、生成物のガス流は、エタンの脱水素により生じる他の副成分、例えばメタン、水素、窒素および追加的な量の酸素、COおよびCOをさらに含むことができる。
1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有ガス流は、オキシ塩素化による生成物のガス流から得られ、そしてこのエタン含有ガス流を、循環ガスとしてエタンの脱水素に再循環させる。この目的のために、生成物のガス流の凝縮可能な成分(1,2−ジクロロエタン、水および塩化水素並びに塩素化副生成物を含む)を凝縮する。凝縮工程は、通常、10〜100℃および2〜5バールの圧力の条件下で行われる。凝縮は、2基の連続するクエンチング塔において(“高温”および“低温”)、この2番目のクエンチング塔に未反応塩化水素の中和に用いる希釈水酸化ナトリウム水溶液を添加し、2工程で行われるのが好ましい。塩化水素酸によって僅かに酸性である凝縮可能な水性層および凝縮可能な有機層が得られ、そして層分離器で分離される。この水性層を適宜中和し、そしてこの処理から排出する。有機層を、例えば、2基の連続する蒸留塔において蒸留し、その際に、低沸点成分を第1の蒸留塔の頂部から分離し、そして純粋な1,2−ジクロロエタンを第2の蒸留塔の頂部で分離する。
エタンおよび凝縮しにくい副成分を含むガス流を、副成分の分離なしに、エタン含有循環ガス流としてエタンの脱水素に再循環させることができる。循環ガス流は、酸化炭素および少量のエテン及び/又は酸素、さらに完全に凝縮されなかったオキシ塩素化による塩素化有機副生成物、例えば塩化ビニルの痕跡をさらに含んでいるのが一般的である。循環ガス流における塩素化副成分の濃度は、10〜10000ppmの範囲であるのが一般的である。循環ガス流は、水素、メタン及び/又は(酸素の代わりに空気を用いた場合)窒素、さらにエタンの脱水素及び/又はオキシ塩素化により得られる別の不活性副成分(アルゴン)をさらに含むことができる。処理条件下で完全に不活性である組成分を循環ガスに蓄積するのを防ぐために、この組成分を、パージ流を介して処理から排出することができる。
したがって、本発明による方法の一実施の形態において、エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、酸素、窒素および水素から選択される凝縮しにくい副成分と、そして場合により含まれていても良い有機塩素化合物の痕跡を含む循環ガス流は、オキシ塩素化による生成物のガス流から分離され、そしてこれをエタンの脱水素に再循環させる。
本発明による方法の一実施の形態において、二酸化炭素を、COガスのスクラバーによって循環ガス流から分離する。二酸化炭素ガスのスクラブより先に、一酸化炭素を、好ましくは循環ガス流中に存在する残留酸素の存在下で選択的に二酸化炭素に酸化する独立した燃焼段階を先行させることができる。
エタンの脱水素を自動温度制御で操作する場合、存在するメタンまたは塩素化炭化水素を、一酸化炭素を介して二酸化炭素に酸化することができ、そして酸化生成物の二酸化炭素を、COガスのスクラバー(スクラブ手段)によって処理循環(プロセス循環)から取り除くことができる。
本発明による方法の他の実施の形態において、実質的にエタンからなる流れから副成分を分離するのは、その他の一般的な分離法、例えば蒸留、精留、膜処理または吸着によって行うことも可能である。本発明による方法の好ましい実施の形態において、エタン含有ガス流を、吸着/脱離サイクルにおいて、高沸点吸着媒体を用いて凝縮しにくい成分を含むガス流から分離し、そしてこのエタン含有ガス流を、循環ガス流として、エタンの脱水素段階に再循環させる。このようにして、実質的に全ての凝縮しにくい副成分(窒素、アルゴン、水素、メタン、酸化炭素、酸素)を、処理循環から除去する。この目的のために、エタンを吸着段階で不活性吸着媒体に吸着させ、これにより、エタン充填吸着媒体およびその他の副成分を含むオフガス(offgas)を得る。エタンを、脱離段階でこの吸着媒体から再び放出する。
吸着段階で使用される不活性吸着媒体は、分離除去されるべきアルカン/アルケン混合物が、生成物のガス混合物の他の組成分と比較して充分に高い溶解性を示すような高沸点の無極性溶剤であるのが一般的である。吸着は、単に生成物のガス混合物を吸着媒体に通過させることによって行うことができる。しかしながら、塔またはロータリー吸収装置で行うことも可能である。これらの装置は、等潮流、向流または直交流で操作可能である。好適な吸着塔は、例えば、泡鐘トレイ、遠心トレイ及び/又は網目プレートを備えるトレイ型塔、構造化充填物、例えば比表面積が100〜1000m/mのシート状の金属充填物(例えば、メラパク(Mellapak)(登録商標)250Y)を含む塔、および充填素子を不規則に充填した塔である。細流塔(tricklr tower)および噴霧塔、グラファイトブロック吸収装置、表面吸収装置、例えば厚膜および薄膜吸収装置およびロータリー塔、パン型スクラバー、横断噴霧スクラバーおよびロータリースクラバーを使用することも可能である。
好適な吸着媒体は、比較的無極性の有機溶剤、例えば脂肪族C〜C18アルケンまたは芳香族炭化水素、例えばパラフィンの蒸留による中位の油留分、または嵩高い基を有するエーテル、またはこれらの溶剤の混合物である。極性溶剤、例えばジメチルフタレートをこれらの溶剤に添加することができる。別の好適な吸着媒体は、安息香酸およびフタル酸と直鎖のC〜Cアルカノールとのエステル、例えばn−ブチルベンゾエート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、さらにビフェニルおよびジフェニルエーテル等の熱伝達油、そのクロロ誘導体およびトリアリールアルケンである。所定の好適な吸着媒体は、ビフェニルとジフェニルエーテルの混合物、好ましくは共沸組成を有する混合物、例えば市販のジフィル(Diphyl)(登録商標)である。この溶剤混合物は、屡々、0.1〜25質量%のジメチルフタレートを含んでいる。その他の好適な吸着媒体は、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカンおよびオクタデカン、または上述の直鎖のアルカンを主成分として含み且つ精油所流(refinery stream)より得られる留分である。
脱離の場合、充填吸着媒体を加熱及び/又はより低圧に減圧する。あるいは、脱離を、ストリップまたは1処理工程以上で減圧、加熱およびストリップを組み合わせることによって行うことも可能である。脱離段階で再生された吸着媒体は、吸着段階に戻される。
吸着/脱離サイクルにより、この吸着/脱離サイクルが塩素化後で且つ(新たに行われる)脱水素前に行われるときに実質的にエタンから構成され、そして吸着/脱離サイクルが脱水素後で且つ塩素化前に行われるときに実質的にエタンおよびエテンから構成される循環ガス流を得る。一般に、この循環ガス流は、塩化ビニル等の塩素化有機副生成物の痕跡を一般的には10〜10000ppmの範囲の量で含んでいる。
驚くべきことに、エタンの脱水素に再循環される循環ガス中における有機塩素化合物により、脱水素触媒の活性および作用寿命が増大する。
本発明による方法のその他の実施の形態において、エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、酸素、窒素、水素および有機塩素化合物の痕跡からなる群から選択される凝縮しにくい副成分を含むガス流は、オキシ塩素化による生成物のガス流から分離され、実質的にエタンからなり且つ有機塩素化合物の痕跡を含むこともできる循環ガス流を、吸着/脱離サイクルにおいて、高沸点吸着媒体を用いてこの循環ガス流から分離し、この循環ガス流をエタンの脱水素段階に再循環させる。
塩素化は、直接塩素化として行われ得る。
エタンの脱水素への供給ガス流から生じる副成分およびエタンの脱水素で形成される副成分を、直接塩素化の前に、この直接塩素化への供給ガス流から分離除去することができる。
エタンの脱水素から生成物のガス混合物中に含まれる水素を分離除去するために、この生成物のガス混合物を、適宜冷却してから、例えば、間接型熱交換器において、分子水素のみに透過性を示し且つ管として一般に配列される膜を通して通過させることができる。このようにして分離除去された分子水素を、必要により脱水素で少なくとも一部を使用することができ、あるいは、例えば燃料電池の電気エネルギーの生成等のその他の使用目的に移すことができる。
あるいは、水素を、好ましくは過圧条件下で部分的な凝縮、吸着及び/又は精留によって分離除去することができる。
上述したように、水素を好適な触媒上で選択的に燃焼させることも可能である。
水素を、エタンの脱水素からの生成物のガス混合物並びにその他の副成分から分離除去することも可能である。
水素を分離除去して、直接塩素化における爆発性の水素/酸素または水素/塩素ガス混合物の形成を回避することが必要な場合がある。
本発明による方法の一実施の形態において、水を最初に分離する。直接塩素化前の水の除去は、直接塩素化で使用される触媒に対する悪影響を回避し、及び/又は直接塩素化による生成物の後処理において水性層の形成を回避するため、有効な場合がある。水の除去は、例えば、脱水素からの生成物のガス流の冷却及び/又は圧縮による凝縮によって達成され、そして1以上の冷却及び/又は圧縮段階で行うことができる。水の除去は、通常、アルカンの脱水素が自動温度制御によって行われるか、または水蒸気を導入して等温でおこなわれた(プロパンの脱水素に用いるLinde法またはSTAR法に類似の方法)ときに行われるのが一般的であり、これにより、生成物のガス流の水分含有量が高くなる。
水の除去後、エタンおよびエテンを、吸着/脱離サイクルにおいて、高沸点吸着媒体を用いて、他の副成分から分離除去することができる。ここでは、エタンおよびエテンを、吸着段階で不活性吸着媒体に吸着させて、エタンおよびエテンが充填された吸着媒体並びに副成分を含むオフガスを得、そしてエタンおよびエテンを脱離段階で吸着媒体より放出する。
生成物のガス混合物よりエタンおよびエテン以外の全ての副成分を主として分離するのは、10〜70℃に冷却された生成物のガス混合物を、好ましくはエタンおよびエテンが一般的に0.1〜50バール、好ましくは2〜20バールの圧力および一般的に0〜100℃、好ましくは5〜80℃の温度の条件下に吸着される高沸点の無極性有機溶剤と接触させることによって達成されるのが好ましい。脱離後、ストリップによって、エタンおよびエテンを再び放出し、そしてこれらを直接塩素化に移す。
その他に、吸着/脱離サイクルは、好ましくは上述の高沸点吸着媒体を用い、上述のように行う。両方の吸着/脱離サイクルを行うのが好ましく、すなわち、共通の溶剤循環を用いて、最初にオキシ塩素化による生成物のガス流から副成分を分離し、次に、エタンの脱水素による生成物のガス流から副成分を分離する。
塩素を用いてエテンを直接塩素化して、1,2−ジクロロエタンを形成するのは、原則として、全ての公知の種類の反応器および全ての公知の操作方法を用いて行うことができる。直接塩素化による1,2−ジクロロエタンの製造に適当な方法は、例えばUS4873384に記載されている。
直接塩素化は、液相中で行うことができ、そしてこのようにして行われるのが好ましい。直接塩素化は、120〜130℃の温度および約3バールの圧力の条件下、反応媒体としての1,2−ジクロロエタンにおいて、均一系触媒としてのFeClの存在下に高温の直接塩素化として行うことができる。この目的のために、塩素とエタン/エテン混合物(副成分を含んでいても良い)を、液体の反応媒体に導入する。エテン:塩素のモル比は、通常、ほぼ1であり、その際、エテンを、比が例えば1.01〜1〜1.1:1の範囲となるように僅かに過剰で存在させる。直接塩素化は、1,2−ジクロロエタンにおいて、触媒としての金属錯体の存在下に低温の直接塩素化としても行うことができる。放出された反応熱により、反応媒体の一部の気化がもたらされる。
直接塩素化は、流動床において、酸化アルミニウム触媒上で、約250℃および1.4バールの条件下に気相の直接塩素化として行うことも可能である。
直接塩素化におけるエテンの転化率は、ほぼ99%であるのが一般的であり、そして塩素の転化率はほぼ100%である。1,2−ジクロロエタン形成に対する選択率は、約99%であるのが一般的である。直接塩素化は、塩素化副生成物の形成を抑制するために、少量の酸素の存在下に行われるのが好ましい。
直接塩素化による生成物のガス流は、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良い副成分を含んでいる。1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有循環ガスを、この生成物のガス流から得て、そしてエタン含有循環ガス流を、エタンの脱水素に再循環させる。
1,2−ジクロロエタンを単離するために、生成物のガス流の凝縮可能な成分を凝縮する。これにより、層分離器で分離される水性層および有機層を得ることができる。エタンの脱水素による生成物のガス流が相当な量の水を含む場合、直接塩素化の前に水を除去するのが一般的であり、これにより、直接塩素化後の凝縮工程で、水性層が形成されない。凝縮工程は、80〜140℃、好ましくは室温および3〜6バールの条件下で行われるのが一般的である。純粋な1,2−ジクロロエタンを、例えば連続する2基の蒸留塔において有機層から単離する。
生成物のガス流の凝縮しにくい成分は、エタン、未反応エテン、場合により含まれていても良い酸素及び/又は水素、直接塩素化からの凝縮の不完全な塩素化副生成物の痕跡、そして直接塩素化前に分離除去されたときにはエタンの脱水素による凝縮しにくい副成分を含んでいる。塩素化副生成物の痕跡は、10〜10000ppmの状態である。
本発明の実施の形態において、エタンの脱水素による凝縮しにくい副成分を、直接塩素化の前に分離せず、直接塩素化による生成物のガス流の凝縮しにくい成分をエタン含有循環ガス流としてエタンの脱水素に再循環させる。上述したように、ガススクラブによって循環ガス流から二酸化炭素を、必要により一酸化炭素の事前燃焼と組み合わせて分離することができる。
エテンを、直接塩素化への供給ガス流中の未反応エタンおよび場合により含まれていても良い凝縮しにくい副成分で希釈した結果、特に液相の直接塩素化が泡鐘塔で行われた場合、より高い空自収量および1,2−ジクロロエタン形成のより高い選択率が達成される。
本発明による方法の好ましい実施の形態において、上述したように、オキシ塩素化法(オキシ塩素化処理)および直接塩素化法(直接塩素化処理)を平行して行う。
下記の工程:
(A)エタン含有供給ガス流を脱水素領域に供給し、エタンをエテンに脱水素して、エタン、エテンおよび副成分を含む生成物のガス流を得る工程、
(B1)エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流の第1のサブストリームを、必要により副成分を分離してから、オキシ塩素化領域に供給し、エテンを1,2−ジクロロエタンにオキシ塩素化して、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良いその他の副成分を含む生成物のガス流を得て、1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有循環ガス流を単離し、そしてエタン含有循環ガス流をエタンの脱水素領域に再循環させる工程、
(B2)エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流の第2のサブストリームを、必要により副成分を分離してから、直接塩素化領域に供給し、エテンを1,2−ジクロロエタンに直接塩素化して、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良いその他の副成分を含む生成物のガス流を得て、1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有循環ガス流を単離し、そしてエタン含有循環ガス流をエタンの脱水素領域に再循環させる工程、
を含む方法が好ましい。
この好ましい方法の変形法において、水を、脱水素生成物のガス流の第2のサブストリームから最初に分離し、次に、エタンおよびエテンを吸着/脱離サイクルにおいて高沸点吸着媒体を用いてその他の副成分から分離し、そしてエタンおよびエテンを直接塩素化領域に供給する。
この好ましい方法のさらに別の変形法において、エタンと、エテン、酸素、メタン、酸化炭素、窒素および水素からなる群から選択される凝縮しにくい副成分並びに塩素化炭化水素の痕跡を含む循環ガス流を、オキシ塩素化による生成物のガス流および直接塩素化による生成物のガス流からそれぞれ分離し、そしてエタンの脱水素に再循環させる。これらの循環ガス流を組み合わせて、適宜、一酸化炭素を燃焼させてから、二酸化炭素ガスのスクラブに付すのが好ましい。
この好ましい方法のその他の変形法において、エタンと、エテン、酸素、メタン、酸化炭素、窒素および水素からなる群から選択される凝縮しにくい副成分を、場合により含まれていても良い有機塩素化合物の痕跡と共に含む循環ガス流を、オキシ塩素化による生成物のガス流および直接塩素化による生成物のガス流からそれぞれ分離する。このガス流から、実質的にエタンからなり且つ有機塩素化合物の痕跡も含んでいても良い循環ガス流を、好ましくは吸着/脱離サイクルにおいて高沸点吸着媒体を用いて分離し、そしてエタンの脱水素に再循環させる。このガス流を燃焼させてからエタンを分離除去するのが好ましい。
上述の変形法において、オキシ塩素化および直接塩素化による凝縮しにくい有機組成分の後処理を一緒に行うのが好ましい。
有機塩素化合物の痕跡を、吸着工程において、当業者等に知られている好適な吸着媒体を用いて循環ガス流から分離除去することができる。
エテンのオキシ塩素化及び/又は直接塩素化で得られる1,2−ジクロロエタンを熱分解して、塩化ビニルおよび塩化水素を得ることができる。オキシ塩素化が行われる場合、熱分解により形成する塩化水素をオキシ塩素化に再循環させるのが一般的である。
したがって、本発明は、原料としてエタンを出発材料とする塩化ビニルの製造方法を提供し、これにおいて、上述したようにエタンの脱水素およびエテンの塩素化を行って、これにより得られた1,2−ジクロロエタンを熱分解して塩化ビニルを得る。
本発明の方法による特に好ましい実施の形態において、オキシ塩素化および直接塩素化を平行して行い、これにより得られた1,2−ジクロロエタンを熱分解して、塩化ビニルおよび塩化水素を得て、そして塩化水素をオキシ塩素化に再循環させる。
熱分解は、気相中、例えば500℃および6〜21バールの条件下で行われる。
塩化ビニル、塩化水素、1,2−ジクロロエタンおよび場合により含まれていても良い副成分を含む生成物のガス流が得られる。この生成物のガス流から、塩化水素および塩化ビニルを分離する。未反応1,2−ジクロロエタンを熱分解に戻し、これにより、分離除去された粗1,2−ジクロロエタンを、オキシ塩素化および直接塩素化による粗1,2−ジクロロエタンと一緒に後処理して、純粋な1,2−ジクロロエタンを単離することができる。
したがって、原料としてエタンを出発材料とし、且つ上述したように、(A)エタンをエテンへ脱水素し、(B1)エテンのオキシ塩素化および(B2)エテンの直接塩素化を平行して行い、そして他の工程の、
(C)オキシ塩素化および直接塩素化により得られた1,2−ジクロロエタンを熱分解領域に供給し、1,2−ジクロロエタンを塩化ビニルに熱分解して、塩化ビニル、塩化水素、1,2−ジクロロエタンおよび場合により含まれていても良い副成分を含む生成物のガス流を得て、塩化ビニルおよび塩化水素を分離し、そして塩化水素をオキシ塩素化領域に再循環させる、の各工程を含む塩化ビニルの製造方法が好ましい。
本発明の方法を、図面を参照しつつ以下に説明する。
図1は、本発明の方法による一実施の形態の工程図を示している。エタン含有供給ガス流1を、エタン含有循環ガス流11と混合し、熱交換器2において、必要とされる反応器入口温度に予備加熱し、そして脱水素反応器3に供給導入する。共供給物4としての酸素または空気及び/又は共供給物4aとしての水素を必要により脱水素反応器3に供給導入する。塩化水素6および酸素6aを、脱水素によるエテン含有生成物のガス流5に混合する。このガス混合物を、熱交換器7で必要な供給温度とし、オキシ塩素化反応器8に供給導入する。オキシ塩素化による生成物のガス流9を凝縮器10に移し、凝縮しにくい組成分を含むガス流11と凝縮可能な組成分を含む流れ12に分離する。凝縮しにくい組成分を含むガス流11を循環ガス流としてエタンの脱水素に再循環させる。凝縮可能な組成分を含む流れ12を層分離器13において分離して、水性層14と有機層15を得る。水性層をこの処理から排出する。有機層15を、連続する2基の蒸留塔16および17で分別し、これにより、低沸点留分18を第1の塔の頂部で得て、高沸点留分19を第2の塔の底部で得て、そして純粋な1,2−ジクロロエタン20を第2の塔の頂部で得る。
図2は、本発明の方法による他の実施の形態の工程図を示している。図1に示されている実施の形態と異なるのは、水素を、脱水素反応器の下流側に配置された水素燃焼器21において水に選択的に酸化することである。必要により、ガスのサブストリーム22を取り除いて、これを別の処理、例えばエチレンオキシドの製造またはエチルベンゼンの製造で供給ガス流として使用することができる。エタン含有循環ガス流およびエテン含有循環ガス流11aを、吸着/脱離装置23a、23b中で循環させた高沸点溶剤24を用いて、凝縮しにくい組成分を含むガス流11中のその他の凝縮しにくい組成分25から分離除去する。凝縮しにくい組成分をこの処理から排出する。
図3は、本発明の方法による他の実施の形態の工程図を示している。エタンの脱水素による生成物のガス流5を、2種類のサブストリーム5aと5bに分割する。サブストリーム5aを熱交換器26において冷却し、そして水の流れ28を凝縮させる凝縮器27に移す。主として水を含まないガス流5cを、塩素ガス流29と混合し、そして直接塩素化反応器30に供給導入する。直接塩素化による生成物のガス流31を、凝縮器32において、凝縮しにくい組成分を含むガス流34と凝縮可能な組成分を含む流れ33に分離する。凝縮可能な組成分を含む流れ33を、蒸留塔16および17において、オキシ塩素化反応による凝縮可能な有機組成分を含む流れ15と一緒に後処理して、純粋な1,2−ジクロロエタン20を得る。凝縮しにくい組成分を含むガス流34を吸着/脱離装置23a、bに移し、そこで、エタンおよびエテンをガス流11および34中のその他の凝縮しにくい組成分から分離する。第2の蒸留塔17の頂部から取り出される1,2−ジクロロエタン流を、熱分解反応器35に供給導入する。1,2−ジクロロエタンの熱分解による生成物のガス流36を蒸留塔37に移し、そこで、塩化水素流が頂部を介して分離される。これに含まれるアセチレンを水素化反応器38において水素化し、そしてアセチレンが取り除かれた塩化水素流をガス流6としてオキシ塩素化に再循環させる。蒸留塔37の底部で得られ且つ1,2−ジクロロエタンの熱分解による液体生成物を含む流れ39が蒸留塔40に導入される。この蒸留塔40の頂部から粗塩化ビニル41が得られ、これをさらに精製することができる。この蒸留塔40の底部から1,2−ジクロロエタン含有流42を得て、これを、蒸留塔16および17において、直接塩素化による凝縮可能な組成分を含む流れ33およびオキシ塩素化による凝縮可能な有機組成分を含む流れ15と一緒に後処理する。
本発明の方法による一実施の形態の工程図を示している。 本発明の方法による他の実施の形態の工程図を示している。 本発明の方法による他の実施の形態の工程図を示している。

Claims (10)

  1. 下記の工程:
    (A)エタン含有供給ガス流を脱水素領域に供給し、エタンをエテンに脱水素して、エタン、エテンおよび副成分を含む生成物のガス流を得る工程、
    (B1)エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流の第1のサブストリームを、必要により副成分を分離してから、オキシ塩素化領域に供給し、エテンを1,2−ジクロロエタンにオキシ塩素化して、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良い他の副成分を含む生成物のガス流を得て、1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有循環ガス流を単離し、そしてエタン含有循環ガス流をエタンの脱水素に再循環させる工程、
    (B2)エタンおよびエテン含有脱水素生成物のガス流の第2のサブストリームを、必要により副成分を分離してから、直接塩素化領域に供給し、エテンを1,2−ジクロロエタンに直接塩素化して、1,2−ジクロロエタン、エタンおよび場合により含まれていても良い他の副成分を含む生成物のガス流を得て、1,2−ジクロロエタンおよびエタン含有循環ガス流を単離し、そしてエタン含有循環ガス流をエタンの脱水素に再循環させる工程、
    (C)オキシ塩素化および直接塩素化により得られた1,2−ジクロロエタンを、熱分解領域に供給し、1,2−ジクロロエタンを塩化ビニルに熱分解して、塩化ビニル、塩化水素、1,2−ジクロロエタンおよび場合により含まれていても良い他の副成分を含む生成物のガス流を得て、塩化ビニルを単離し、そして塩化水素をオキシ塩素化に再循環させる工程、
    を含む1,2−ジクロロエタンの製造方法。
  2. 工程Aの脱水素が、熱分解、酸化分解または非酸化型接触脱水素によって行われる請求項1に記載の方法。
  3. 脱水素が自動温度制御下の接触脱水素によって行われる請求項2に記載の方法。
  4. 脱水素生成物のガス流の第2のサブストリームから水を最初に分離し、次いで、エタンおよびエテンを吸着/脱離サイクルにおいて高沸点吸着媒体を用いて他の副成分から分離し、そしてエタンおよびエテンを直接塩素化領域に供給する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、窒素および水素から選択される凝縮しにくい副成分を含む循環ガス流を、オキシ塩素化により得られる生成物のガス流から分離し、そしてエタンの脱水素に再循環する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、窒素および水素から選択される凝縮しにくい副成分を含むガス流を、オキシ塩素化により得られる生成物のガス流から分離し、実質的にエタンからなる循環ガス流を吸着/脱離サイクルにおいて高沸点吸着媒体を用いてこのガス流から分離し、そしてこの循環ガス流をエタンの脱水素段階に再循環させる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、窒素および水素から選択される凝縮しにくい副成分を含む循環ガス流を、オキシ塩素化により得られる生成物のガス流および直接塩素化により得られる生成物のガス流からそれぞれ分離し、そしてこの循環ガス流をエタンの脱水素に再循環させる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  8. 二酸化炭素を、二酸化炭素ガススクラバーを用いて循環ガス流から除去する請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 一酸化炭素を、上流側の燃焼段階で二酸化炭素に酸化する請求項8に記載の方法。
  10. エタンと、エテン、メタン、酸化炭素、窒素および水素から選択される凝縮しにくい副成分を含むガス流を、オキシ塩素化により得られる生成物のガス流および直接塩素化により得られる生成物のガス流からそれぞれ分離し、実質的にエタンからなるガス流を吸着/脱離サイクルにおいて高沸点吸着媒体を用いてこのガス流から分離し、そして実質的にエタンからなるこのガス流を循環ガス流としてエタンの脱水素に再循環させる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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