JP4114778B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動用紙選択機能を備えた複写機などの画像形成装置に関し、特にユーザーが変倍率を選択した上で更に変倍率を変更できる操作性の良い自動用紙選択機能を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動用紙選択機能を備えた複写機が数多く存在する。この種の複写機では、ユーザーが変倍率を自由に設定できる機種も数多く出現している。これらの複写機は、原稿をコンタクトガラス上にセットすると、複写機の画像形成装置側で原稿サイズを検知し、この原稿サイズと変倍率とから必要な大きさの用紙を計算し選択して、給紙動作を開始し、コピーを行っている。図面等の等倍性が要求されるコピーを行うとき、0.1%毎に変倍率を設定できる機種も存在する。しかし、この種の複写機は、ユーザーが自動用紙選択機能を働かせ、等倍(100%)に補正を加えて変倍率を101%に補正する場合適切な用紙サイズを選択する機能を有していなかった。そのため、ユーザーが自ら転写用紙サイズを選択しなければならず、操作が煩わしいという問題があった。
【0003】
たとえば特開平11−119598号公報には、紙種別に微調整変倍率を設定可能な画像形成装置が開示されているが、ユーザーがコピー出力を見て倍率の再補正を加える場合には、自動用紙選択機能が働かないという問題があった。
また、特開平5−19575号公報には、一度自動用紙選択機能を使ってコピーした後に倍率を微調整する場合は自動的に選択された用紙サイズを維持する機能について開示されている。しかし、この発明では自動用紙選択機能を用いて一度コピーすることが前提の技術であり、再補正できるのは倍率の微調整時のみという制約があって、操作が煩わしかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の自動用紙選択機能の問題を解決するもので、自動用紙選択機能に関する操作性の向上を図るものである。即ち原稿サイズと設定された変倍率とから対応する転写紙を選択する自動用紙選択機能を備えた画像形成装置において、該設定された変倍率を更に微調整する時でも転写用紙サイズを変更することなく自動用紙選択機能を維持できる画像形成装置を提供するもので、自動用紙選択機能の操作性の向上を目的とする。
また、設定変倍率を変更できるか否かの設定を選択できるようにして、ユーザーが従来の操作性と本発明の前記操作性を選択できるようにし、ユーザーの操作性の向上を目的とする。
更に、自動用紙選択機能に関し、ユーザーの望む倍率補正範囲を設定でき、操作性の向上を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿サイズと設定された変倍率から対応する転写用紙を選択する自動用紙選択機能を備え、選択された転写用紙に設定された変倍率の画像を形成する画像形成装置において、原稿サイズを検知する原稿検知手段と、操作部を介し予め選択肢として用意された原稿と転写用紙がともに定型サイズであるときに定まる固定変倍率の中から特定の変倍率が選択され、かつ選択された固定変倍率に対する微調節の指示を受け、変倍率を設定する変倍率設定手段と、操作部を介し前記変倍率設定手段によって設定された変倍率の許容範囲を設定する変倍率許容範囲設定手段と、前記原稿検知手段によって検知された原稿サイズと転写用紙サイズとの比及び前記変倍率設定手段によって設定された変倍率に基づいて、設定された当該変倍率が前記変倍率許容範囲設定手段の設定範囲に入るか否かの判断をする設定適否判断手段と、前記設定適否判断手段によって設定範囲に入ると判断された場合にのみ、当該転写用紙を画像形成に用いるための転写用紙として選択する手段を有したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記変倍率許容範囲設定手段は、変倍率に対し正負それぞれの範囲を定めるようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2又は3に記載された画像形成装置において、前記設定適否判断手段は、前記原稿検知手段によって検知された原稿サイズと前記転写用紙サイズにおける主走査長及び副走査長それぞれの比について、いずれも前記設定範囲内の値をとるか否かを条件に適否の判断をすることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、前記変倍率許容範囲設定手段は、変倍率の許容範囲を設定するか否かを操作部からの指示に従って設定する手段を有したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置の1実施形態をデジタル複写機に例をとって説明する。図1はデジタル複写機の概略を示す図である。
デジタル複写機100は、読取部1と作像部2とから構成されている。以下、各構成について説明する。
読取部について
読取部1はコンタクトガラス3上に載置された原稿の画像を走査光学系4により光学的に読み取るものである。この走査光学系4は露光ランプ5、第1ミラー6、第2,3ミラー7,8、結像レンズ9及びイメージセンサ、例えばライン型のCCD10により構成されている。前記露光ランプ5と第1ミラー6とは第1キャリッジ(図示せず)上に搭載され、第2,3ミラー7,8は第2キャリッジ(図示せず)上に搭載され、原稿画像読取時には光路長が変わらないように第1キャリッジと第2キャリッジとは2:1の速度比で同一方向に機械的に走査される。これらの第1,2キャリッジの駆動はスキャナ駆動モータ(図示せず)により行われる。ここに、コンタクトガラス3上の原稿画像は走査光学系4によって読取走査され、CCD10上に縮小結像され、光電変換処理を経て電気信号へと変換される。
このような読取部1のコンタクトガラス3上には自動原稿送り装置(以下ADFという)11が搭載されている。ADF11は、原稿台12と、給紙ローラ13と、コンタクトガラス3上に位置する給紙搬送ベルト14と、排紙ローラ15と、原稿排紙トレイ16とから構成されている。原稿台12の入り口付近には原稿セット検知センサ17が設けられている。原稿台12上に画像面を上向きにして積載された原稿束は、後述する操作部上のプリントキーが押下されると、最下位の原稿から1枚1枚搬送され、給紙ローラ13、給紙搬送ベルト14によりコンタクトガラス3上の所定位置まで搬送されて読み取りのために停止する。この際、原稿の給紙搬送完了毎に原稿枚数を計数する。コンタクトガラス3上に給紙搬送された原稿は、読取部1により読取られ、読取が終了すると、給紙搬送ベルト14及び排紙ローラ15により原稿排紙トレイ16上に排紙される。この際、原稿セット検知センサ17が後続の原稿を検知していれば、先行した原稿の場合と同様に、原稿台12上の原稿をコンタクトガラス3上に給紙搬送させる。ここに、ADF11における給紙ローラ13、給紙搬送ベルト14及び排紙ローラ15は、後述する搬送モータによって駆動される。
【0007】
作像部について
次に、作像部2について説明する。この作像部2はドラム状の感光体21を中心とし、この感光体21の周囲に電子写真プロセスに従い、帯電チャージャ(図示せず)、書込部22、現像装置23、転写チャージャ(図示せず)等のプロセス部材・手段を順に配設させることにより構成されている。前記書込部22はレーザ出力部(レーザダイオード、ポリゴンミラー等を内蔵)24、結像レンズ25、ミラー26等によるレーザ書込光学系として構成されている。また、前記作像部2内の下部側には、各々転写紙27を収納した第1〜3トレイ28〜30(例えば、A4横、A3縦、B4縦)が引出自在に装着されている。各トレイ28〜30の給紙側には第1〜3給紙装置31〜33が設けられており、共通な縦搬送部34を介して前記感光体21の転写位置側に転写紙27が給紙搬送可能とされている。さらに、前記感光体21の転写位置よりも搬送方向下流側には、搬送ベルト35、定着装置36、排紙ローラ37を含む排紙部38、排紙トレイ39が順に設けられている。また、前記第1トレイ28の上方には両面トレイ40を含む両面給紙部41が配設されており、前記排紙部38中には転写紙27の搬送経路を前記排紙トレイ39側とこの両面トレイ40側とで切り替える切替爪42が設けられている。前記両面給紙部41の再給紙側は前記縦搬送部34に連通している。これにより、第1〜3トレイ28〜30に収納された転写紙27は、第1〜3給紙装置31〜33によって選択的に給紙され、縦搬送部34により感光体21の転写位置まで搬送される。
【0008】
一方、感光体21側では書込部22による光書込を受けて静電潜像が形成され、現像装置23による現像を受けてトナー像が形成される。縦搬送装置34により搬送された転写紙27はこのトナー像先端と同期を取りながら、感光体21と同速で駆動される搬送ベルト35によって搬送され、トナー像の転写を受ける。転写後の転写紙27は定着装置36による定着を受けた後、排紙ローラ37によって排紙トレイ39上に排紙される。ここに、両面コピーモード時のおもて面コピー終了後であれば、切替爪42が切り替えられて転写紙27が両面トレイ40側に一旦排紙され、裏面側のコピーのための再給紙に供される。
【0009】
操作部について
次に、図2により操作部51の構成について説明する。この操作部51はプリントキー52、テンキー53、クリアストップキー54、初期設定キー55、モードクリアキー56等のキー類を備えている他、液晶タッチパネル57を備えている。この液晶タッチパネル57には、画面毎に適宜出現する機能キー58を含む入力操作部59と、部数や装置状態等をメッセージ表示する表示部60とを併せ持つ。
【0010】
原稿サイズの検知について
図3はコンタクトガラス3及びその下方に設けられている原稿サイズ検知センサ91〜93の配置を示す図である。各原稿サイズ検知センサ91〜93は、図4に示すように、1個の発光ダイオード91aから発せられた光を3ビームに分散させて照射して、その反射光を光学系内部の3個の受光素子91bで受光する反射型のセンサであり、光学系内部からコンタクトガラス3を透視して原稿面からの反射光のみを受光して原稿の有無を検知するものである。原稿サイズ検知センサ91〜93は常に作動しており、各受光素子では、コンタクトガラス3上の原稿を検出したときにはADF機能がON状態となり、原稿を検出していないときにはADF機能はOFF状態となっている。原稿サイズ検知センサ91〜93は、コンタクトガラス3上の所定位置に載置された複数種類の原稿のサイズに応じて配置されている。これにより、コンタクトガラス3上に原稿があるか否かが判定されるとともに、コンタクトガラス3上の原稿のサイズが検知される。
【0011】
制御系について
次に、制御系のハードウェア構成を図5に基づいて説明する。デジタル複写機全体を制御するメインコントローラ61には操作部51やADF11の他に、IPU(イメージ・プロセシング部=画像処理部)62が接続されている。これらの分散制御装置である操作部51,ADF11,IPU62とメインコントローラ61とは、必要に応じて機械の状態、動作指令等のやり取りを行う。ここに、前記ADF11には給紙ローラ13等を駆動させるための搬送モータ63が接続されている。また、前記メインコントローラ61には転写紙搬送等に必要なメインモータ64、各種クラッチ65〜68が接続されている。前記メインモータ64は感光体21、現像装置23、搬送ベルト35、定着装置36、排紙部38等を駆動させるためのものである。また、各給紙装置31〜33はメインモータ64の駆動が各々給紙クラッチ66〜68を介して伝達駆動される。縦搬送部34はメインモータ64の駆動が中間クラッチ65を介して伝達駆動される。
【0012】
IPU(イメージ・プロセシング部=画像処理部)について
図6は、前記IPU62の構成を示す。このIPU62には、前述した読取部1や書込部22の制御を行うCPU71が設けられている。このCPU71にはバスラインを介して、制御用のプログラム等を格納したROM72や各種データを記憶するRAM73やI/Oポート74が接続されている他、画像メモリコントローラ75が接続されている。この画像メモリコントローラ75には画像メモリ76が接続されており、前記CPU71はこの画像メモリコントローラ75を介して画像メモリ76へのデータの書き込みや画像メモリ76からのデータの読み出しを行っている。
一方、読取部1中のCCD10と、書込部22との間には、A/Dコンバータ77、シェーディング補正回路78、MTF及びγ補正回路79、セレクタ80、変倍回路81が順に接続されている。これにより、CCD10により光電変換されて読み取られた原稿画像の情報は、A/Dコンバータ77によりデジタル信号に変換され、シェーディング補正回路78でシェーディング補正、MTF及びγ補正回路79でMTF補正及びγ補正等のデータ補正を受けてセレクタ80に入力される。このMTF及びγ補正回路79は中間調濃度の画像に対し階調性を滑らかにするディザ処理や地肌ノイズ画像を除去するための孤立点除去等の機能を持ち、例えば画質設定が文字・線のような濃淡がはっきりでて画像エッジもシャープになっているような画像モードに対しては、孤立点除去設定を強くし、画質設定が写真のように中間調の濃度が多く画像エッジが緩やかなものや、文字・線でも原稿状態が悪く、濃度が薄く、とぎれがちな画質モードに対しては、孤立点除去設定を弱くし、有効な画像データは除去せず、画像ノイズに対してより有効な除去効果を得ることができる。
【0013】
セレクタ80は画像データの送り先を、変倍回路81と画像メモリコントローラ75とに切り替えるものである。セレクタ80により変倍回路81側が選択された場合には、画像データは変倍回路81で変倍率に合わせて拡大・縮小処理を受けた後、書込部22に送出され、感光体21に対する実際の書き込みに供される。また、前記セレクタ80と前記画像メモリコントローラ75との間は画像データを双方向に入出力自在とされている。
【0014】
セレクタ80によりこの画像メモリコントローラ75側が選択された場合には、画像データはこの画像メモリコントローラ75中の画像圧縮回路によって圧縮された後、画像メモリ76に書き込まれる。ここで、最大原稿サイズ分の256階調のデータをそのまま画像メモリ76に書き込むことも可能であるが、1枚の原稿画像で画像メモリ76の容量の多くを費やしてしまうことを避け、限られたメモリ容量を有効に利用するため、画像圧縮処理を施してから画像メモリ76に書き込むようにしている。ここに、画像メモリ76には一度に多くの原稿画像のデータを記憶させ得るので、ソート機能として、画像メモリ76に蓄えられた原稿画像のイメージデータをページ順に出力させる機能を持つ。この機能により画像を出力する際には、画像メモリ76上の画像データを画像メモリコントローラ75内の画像伸長回路によって順次伸長しながら書込部22側に出力する。このような機能は一般に、「電子ソート」と称されている。さらに、このような画像メモリ76の特性を利用して、複数の原稿画像を画像メモリ76中の転写紙一面分のエリアを分割した分割エリアに順次読み込ませることも可能であり、これを利用した画像集約機能も備えている。例えば、4枚の原稿画像を画像メモリ76中の転写紙一面分のエリアを4等分した分割エリアに順次書き込むことで、4枚分の原稿画像が1枚の転写紙27上にイメージ合成されたコピー出力を得ることができる。このような機能は、一般に、「集約コピー」と称されており、画像集約手段によって集約モードとして実行される。
【0015】
また、前記CPU71にバスラインを介して接続され印字イメージデータを発生する印字部82が設けられている。この印字部82は付加印字手段として機能し、ページ情報印字用のキャラクタ(文字)イメージや任意のスタンプ用イメージなどを発生させる。この印字部82により生成された画像イメージデータは、印字合成(1)回路83、印字合成(2)回路84に入力され、原稿画像からのイメージ又は画像メモリ76から読み出されたイメージに対して任意のイメージを合成し得るように構成されている。印字合成(1)回路83により印字部82からの画像イメージデータを合成した場合には読取部1(CCD10)から読み込まれた画像データに合成印字可能となり、印字合成2回路84により印字部82からの画像イメージデータを合成した場合には画像メモリ76からの画像データに合成印字可能となる。また、前記印字部82は合成すべき画像イメージデータを出力するだけでなく、発生したイメージデータを原稿画像データ、画像メモリ76からの画像データのどの位置に合成させるかを設定する印字位置制御機能も保有している。
【0016】
ここで、セレクタ80における1ページ分の画像信号について図7を参照して説明する。フレームゲート信号/FGATEは、1ページの画像データの副走査方向の有効期間である。また、1ライン毎の主走査同期信号/LSYNCは、この信号が立ち上がった後の所定クロック(図示例では、8クロック)で画像信号を有効とし、ラインゲート信号/LGATEが立ち下がる。これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、画素クロックVCLKの1周期に対して1画素8ビット(=256階調)のデータが送られてくる。本実施の形態では、転写紙27への書込密度400dpi 、最大画素数は、主走査方向4800画素、副走査方向6800画素とされている。
【0017】
印字部について
印字部82のブロック構成を図8に示す。この印字部82は印字データ発生ゲートアレイ85を中心として、キャラクタセットROM86とフラッシュメモリ87とを含んで構成されている。キャラクタセットROM86にはJIS第2水準までの英字、数字、漢字等のキャラクタイメージデータが登録されており、フラッシュメモリ87には任意の画像データが登録される。ユーザースタンプ印字データを登録する場合は、スキャナーで一旦前述の画像メモリ76に読み込みCPU71によって画像メモリコントローラ75を介してフラッシュメモリ87に保存される。この際、日付印字付加の有無情報がユーザースタンプ印字データ情報に付加される。前記印字データ発生ゲートアレイ85には、画像タイミング信号として画素クロックVCLK、フレームゲート信号/FGATE、主走査同期信号/LSYNCが与えられており、これらの信号に同期させて作成された印字画像データは印字合成(1)回路83又は印字合成(2)回路84に出力される。そこで、CPU71からバスラインを介して印字データ発生ゲートアレイ85の各種レジスタのデータがオペレータの選択した機能によってセットされる。オペレータによりページ印字モードが選択されてプリントキー52が押下されると、印字データ発生ゲートアレイ85のレジスタにデータがセットされる。
【0018】
例えば、図9に示すように、転写紙27の右端面より20mm、上端面より10mmの位置に総ページ印字モードにより"1/10"と印字する場合であれば、印字データ発生ゲートアレイ85のレジスタの「キャラクタ印字モード」を設定する。その後、印字データとして、キャラクタのシフトJISコードとして、1(8250),/(815E),1(8250),0(824F)をセットする。また、印字開始位置アドレスとして、1画素クロックVCLK当たり63μであるので、X方向の20mmとしては318、Y方向の10mmとしては159なるとデータをセットする。レジスタのデータセットが完了した時点で、印字データ発生ゲートアレイ85はキャラクタ印字モードであるので、キャラクタセットROM86にアクセスし、指定されたキャラクタイメージデータをROMデータ中から読み出す。日付印字モードが選択された場合もページ印字と同様に「キャラクタ印字モード」を設定し、図示しないカレンダICから日付(または時間)情報を取得して、その情報に対応するキャラクタイメージデータをROMデータ中から読み出す。一方、主走査同期信号/LSYNCの立ち下がり回数を計数するカウンタと、印字位置Yデータ(ここでは、159なるデータ)とを比較する比較回路と、フレームゲート信号/FGATEの立ち下がりから画素クロックVCLKを計数するカウンタと、印字位置Xデータ(ここでは、318なるデータ)とを比較する比較回路とが作動する。各々のカウンタが一致した時点で、印字データ発生ゲートアレイ85は予め設定されたキャラクタイメージデータを印字画像データとして印字合成(1)回路83又は印字合成(2)回路84に出力される。これにより、実際に転写紙27上に合成出力することが可能となる。
【0019】
自動用紙選択機能について
次に自動用紙選択機能について説明する。
図10は操作部51(図2に図示される)の液晶タッチパネル57の基本画面である。図示のごとく、タッチパネルの画面上には、両面設定キー、印字設定キー等の機能キー58が表示される。機能キー58については、キー機能表示部分を押下することにより、そのキー部分が黒く反転する。図示の例は、第1トレイ28からの転写用紙給紙を示すA4横選択キーが押下されていることを示す。
自動用紙選択処理は、図10の基本画面において、自動用紙選択キーが押下された場合に、図6に示すROM72に格納されたプログラムに従ってCPU71により行われる原稿サイズに基づいて転写用紙サイズを選択する処理である。
具体的には、原稿サイズと微調節可能に設定される変倍率とに基づき最適サイズの転写紙27を有するトレイ28〜30(例えば、トレイ28にはA4横、トレイ29にはB4横、トレイ30にはA3横を用意する)を自動的に選択する処理である。画像を形成したい用紙サイズが特に選択されていない場合には、全てのトレイ28〜30中から原稿サイズと設定変倍率とに基づき最適サイズの転写用紙27のトレイ28〜30が選択される。
図11はユーザーが「自動用紙選択」を選択し、変倍キーを押下した画面を示す。図11に示されるように3つの変倍パターンであるA3→A4、等倍、A4→A3を表わすキー1001〜1003が表示される。変倍率を設定する時は、画面上の変倍率を設定するキー1001(例えば、A3→A4等)を選択する。更に変倍率を微調節する場合は「+」「−」キーを押下することによって0.1%きざみで変倍率の設定を調節できる。
【0020】
次に、変倍率設定のフローを説明する。
図12は変倍率選択のフローである。3種類の固定変倍率である、A3→A4、等倍、A4→A3を設定する変倍率設定キー(1001、1002、1003)のいずれかが押下された時、設定された倍率を設定、表示する処理を行う。
例えば、変倍率設定キー1001(A3→A4)が押下された場合(ステップS101)、対応するキーを黒く反転させ、表示装置に固定変倍率である70.7%を表示する(ステップS102)。次いで、自動用紙設定の変倍率値(APS倍率値)としてこれをメモリに格納する(ステップS103)。
変倍率設定キー1002(等倍)を押下した場合は、ステップS101でNOとなるから、ステップS104に進み、次にステップS105に進んで表示部のキー1002を黒く反転させ100%を表示する。次いで、自動用紙選択の変倍率値(APS倍率値)としてこれをメモリに格納する(ステップS103)。
変倍率設定キー1003(A4→A3)を押下した場合も、ステップS101でNO、さらにステップS104でNOとなるから、ステップS106に進み、次にステップS107に進んで表示部のキー1003を黒く反転させ141.4%を表示する。
次いで、自動用紙選択の変倍率値(APS倍率値)としてこれをメモリに格納する(ステップS103)。
【0021】
自動用紙選択機能を働かせる際に設定される変倍率に対する許容範囲をユーザーの操作によって定めるようにする変倍率許容範囲の設定について説明する。この変倍率許容範囲は、固定変倍率を設定し、さらに設定した固定変倍率を微調節するときでも選択する転写用紙サイズを変更することなく、つまり自動用紙選択機能を維持できる変倍率の範囲を定めるために設けられる。
図13は本発明の自動用紙選択において変倍率許容範囲の設定(ここでは「範囲拡張設定」という)を行うための表示画面であり、図13の表示画面には、設定された変倍率を変更するか否かを設定するキーである範囲拡張キー、即ち”する”1202、”しない”1201が設けられている。その他に変倍率許容範囲としての変更幅を指定する拡張範囲幅指定キーが設けられており、該指定キーには、0.5%、1%、2%及び3%の4つのキーが設けられている。
図14は本発明による自動用紙選択における変倍率の変更の処理手順を説明するフローチャートを示す。図14を用いて自動用紙選択における変倍率の変更動作を説明する。用紙トレイにはA4横、A3横、B4横の用紙が用意されていることを前提として説明する。
【0022】
例えば、「自動用紙選択」を選んだときに表示される図11の画面の変倍設定においてキー1001(A3→A4)を押下して、変倍率をM=70.7%を選択した上で、開かれた図13の変倍率範囲拡張の表示画面において範囲拡張のキー「する」1202を選択すると、図14の自動用紙選択における変倍率の変更処理がスタートする(ステップS201)。
【0023】
ここで図13の表示画面において拡張範囲幅キー1212(2%)を押下した場合を例にとって説明する。
キー1212(2%)を押すと、2%(=k)が取りこまれ、CPU71は拡張範囲幅を2%(=k)に設定する(ステップS202)。次にCPU71は変倍率M(=70.7%)を取り込む(ステップS203)。
更に、CPU71は原稿の主走査長OL1、副走査長OL2のデータを図3で示した原稿サイズ検知センサから取りこむ(ステップS204)。次いで、横方向の転写用紙A4の主走査長PL1(=21cm)、副走査長PL2(=29.7cm)のデータを取り込み(ステップS205)、以下に示される4条件を計算する(ステップS206)。なお、ここでは、説明のため原稿サイズ検知センサから取りこまれた原稿の主走査長を29cm、副走査長を43cmとする。また、転写用紙A4横のサイズは、主走査長を21cmとし、副走査長を29.7cmと仮定する。
1)転写用紙の主走査長PL1(=21cm)/原稿の主走査長OL1(=29cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
2)転写用紙の主走査長PL1(=21cm)/原稿の主走査長OL1(=29cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
3)転写用紙の副走査長PL2(=29.7cm)/原稿の副走査長OL2(=43cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
4)転写用紙の副走査長PL2(=29.7cm)/原稿の副走査長OL2(=43cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
これらを計算すれば、転写用紙と原稿の主走査長の比に関して、68.7%≦72.4%≦72.7%、転写用紙と原稿の副走査長の比について68.7%≦69.1%≦72.7%となり、1)から4)の条件を全て満たしている(ステップS206)ので、横方向のA4サイズの転写用紙が選択され給紙が行われる(ステップS207)。
もし、1つでも満足しないケースがある場合には(ステップS206のNO)、次のトレイ29の用紙について主走査長(PL’1)と副走査長(PL’2)のデータが取りこまれる(ステップS208)。そして、次の計算、
1)転写用紙の主走査長PL’1/原稿の主走査長OL1(=29cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
2)転写用紙の主走査長PL’1/原稿の主走査長OL1(=29cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
3)転写用紙の副走査長PL’2/原稿の副走査長OL2(=43cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
4)転写用紙の副走査長PL’2/原稿の副走査長OL2(=43cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
を行い、これら1)から4)までの条件を満たすか否かを判断する(ステップS209)。
全て満たす場合にはトレイ29(転写用紙A3)が選択される(ステップS210)。もし、1つでも満足しないケースがある場合にはトレイ30の用紙(転写用紙B4)の主走査長と副走査長のデータを取りこむ(ステップS211)。転写用紙A3の主走査長PL”1と副走査長PL”2のデータを取りこむ(ステップS211)。そして、
1)転写用紙の主走査長PL”1/原稿の主走査長OL1(=29cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
2)転写用紙の主走査長PL”1/原稿の主走査長OL1(=29cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
3)転写用紙の副走査長PL”2/原稿の副走査長OL2(=43cm)≧変倍率M(70.7%)−設定範囲幅k(2%)
4)転写用紙の副走査長PL”2/原稿の副走査長OL2(=43cm)≦変倍率M(70.7%)+設定範囲幅k(2%)
の計算を行い、これら1)から4)までの条件を満たすか否かを判断する(ステップS212)。
全て満たす場合にはトレイ30(転写用紙B4)が選択される(ステップS213)。もし、1つでも満足しないケースがある場合には、該当する転写用紙サイズがない旨を表示する(ステップS214)。
なお、上記した処理例では、原稿サイズについては可変量として扱い、変倍率の設定については微調節されない例を示したが、変倍率が微調節された場合でもよく、この場合には、上記各式の変倍率Mとして、設定された微調節量を選択された固定変倍率に+又は−する。変倍率Mに対し微調節が加えられる以外は、上記したと同様に図14のフローに従って処理される。
【0024】
この様に変倍率Mを設定した上で、変倍率許容範囲としての拡張範囲幅kの値を選択することにより、転写用紙の主走査長/原稿の主走査長及び転写の副走査長/原稿の副走査長の値がM−kとM+kの範囲に納まるか否かを判断する。この計算式により最適の用紙サイズが選択される。たとえば、用紙サイズが大き過ぎる場合は、主走査長/原稿の主走査長及び転写の副走査長/原稿の副走査長の値が大きくなり、M−kとM+kの範囲に納まらなくなり、逆に用紙サイズが小さいと走査長/原稿の主走査長及び転写の副走査長/原稿の副走査長の値が小さくなり、M−kとM+kの範囲に納まらなくなる。
転写用紙の主走査長/原稿の主走査長及び転写用紙の副走査長/原稿の副走査長の値がM−kとM+kの範囲に納まる場合には、上記条件を満たすサイズの転写用紙のトレイを選択する。また、転写用紙の主走査長/原稿の主走査長及び転写用紙の副走査長/原稿の副走査長の値がM−kとM+kの範囲に納まる、という条件を満たす範囲内において、0.1%きざみで変倍率を微調節しても、用紙サイズを変更することなく、コピーができる。
本発明によれば、ユーザーが変倍率を設定した後、変倍率の範囲拡張設定を行い、設定した拡張範囲幅に基づいて、横方向(又は縦方向)の用紙サイズの小さい順に変倍可能か否かを判断し、可能であればその用紙を選択し、不可能である場合には次に大きい用紙について変倍可能か否かの判断を行うか、又は縦方向(又は横方向)の用紙サイズの小さい順に変倍可能か否かの判断を行うことが可能であり、また、変倍率の微調節を行っても用紙サイズを変更せずに自動用紙選択機能を持った複写を行うことができる。
なお、実施例においてA4横、A3横、B4横のトレイを前提に説明したが、現在の画像の回転処理についての画像処理技術によれば、トレイの中の用紙の縦横は区別されず、処理されるので縦横の用紙が混在しても本実施例と同様に扱える。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、原稿サイズと設定された変倍率から対応する転写用紙を選択する自動用紙選択機能を備えた画像形成装置において、変倍率を設定する際に固定変倍率を微調節しても、ユーザーによって設定された変倍率許容範囲(拡張範囲幅)に納まると判断された場合に、サイズを変更することなく用紙を選択できるようにしたので、ユーザーの操作性を向上することができる。
また、設定された変倍率許容範囲以内で変倍率を微調節できるのでユーザーの操作性を向上できる。
請求項3の発明によれば、最適な用紙サイズが選択できる。
請求項4の発明によれば、変倍率の許容範囲を設定するか否かを設定できるので、ユーザーが従来の操作性と本発明の操作性を選択でき、ユーザーの操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル複写機の外略図である。
【図2】デジタル複写機の操作部である。
【図3】原稿サイズ検知センサの配置を示す図である。
【図4】原稿サイズ検知センサの検知動作を示す図である。
【図5】制御系のハードウェア構成を示す図である。
【図6】画像処理部(IPU)の構成を示す図である。
【図7】セレクタにおける1頁分の画信号を説明する図である。
【図8】印字部の構成図である。
【図9】転写用紙に1/10を印字する場合の説明図である。
【図10】入力操作部の液晶パネル基本画面である。
【図11】図10で変倍キーを押下したときの表示画面である。
【図12】倍率選択のフローである。
【図13】自動用紙選択の範囲設定の表示画面である。
【図14】範囲設定の拡張のフローチャートである。
【符号の説明】
100・・・デジタル複写機、1・・・読取部、2・・・作像部、27・・・転写用紙、28〜30・・・第1から第3トレイ、51・・・操作部、57・・・タッチパネル、58・・・機能キー、1001〜1003・・・変倍設定キー、1201,1202・・・範囲拡張キー、1210〜1213・・・拡張範囲幅キー。
Claims (4)
- 原稿サイズと設定された変倍率から対応する転写用紙を選択する自動用紙選択機能を備え、選択された転写用紙に設定された変倍率の画像を形成する画像形成装置において、
原稿サイズを検知する原稿検知手段と、
操作部を介し予め選択肢として用意された原稿と転写用紙がともに定型サイズであるときに定まる固定変倍率の中から特定の変倍率が選択され、かつ選択された固定変倍率に対する微調節の指示を受け、変倍率を設定する変倍率設定手段と、
操作部を介し前記変倍率設定手段によって設定された変倍率の許容範囲を設定する変倍率許容範囲設定手段と、
前記原稿検知手段によって検知された原稿サイズと転写用紙サイズとの比及び前記変倍率設定手段によって設定された変倍率に基づいて、設定された当該変倍率が前記変倍率許容範囲設定手段の設定範囲に入るか否かの判断をする設定適否判断手段と、
前記設定適否判断手段によって設定範囲に入ると判断された場合にのみ、当該転写用紙を画像形成に用いるための転写用紙として選択する手段を有したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載された画像形成装置において、
前記変倍率許容範囲設定手段は、変倍率に対し正負それぞれの範囲を定めるようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2又は3に記載された画像形成装置において、
前記設定適否判断手段は、前記原稿検知手段によって検知された原稿サイズと前記転写用紙サイズにおける主走査長及び副走査長それぞれの比について、いずれも前記設定範囲内の値をとるか否かを条件に適否の判断をすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記変倍率許容範囲設定手段は、変倍率の許容範囲を設定するか否かを操作部からの指示に従って設定する手段を有したことを特徴とする画像形成装置。
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